exe #7:icoとエンタープライズブロックチェーンから見る世界動向

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1 1 ICOとエンタープライズブロックチェーンから見る 世界動向 KDDI株式会社 兼 KDDI総合研究所 茂谷 保伯

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ICOとエンタープライズブロックチェーンから見る

世界動向

KDDI株式会社 兼 KDDI総合研究所

茂谷 保伯

2

ブロックチェーンベースのサービスが従来のシリコンバレー一極集中から、

NYCやヨーロッパ各都市を中心に世界同時多発的に展開されている

背景

バイアウトやIPOを前提とした既存の資金調達手段が盛んな都市は

ブロックチェーンにおけるサービス開発において競争力を失っているのではないか?

仮説

1.2009年からオープンソースとして開放されてゼロスタートで勝負できた(AI等であれば基礎研究でスタートに差がある)

2.初期(開発)段階からマネタイズできる仕組み(ICO等)があった

3

ICOで開発が加速するブロックチェーンサービス

4

ICOランキング(2017年11月6日時点)

257億円

232億円

330億円

153億円

108億円

90億円

60億円

183億円

114億円

109億円

シリコンバレー型スタートアップがいない

5

https://medium.com/@josh_nussbaum/blockchain-project-ecosystem-8940ababaf27

シリコンバレー型スタートアップがいない

6

C

投資家(個人)

仮想通貨取引所

投資家(個人)

投資家(個人)

投資家(個人)

C

C

ICO

MVPβサービス

企画書(White Paper)

サービス

• サービス化

• 成長

新PF/サービス

買収元企業(Buyout)

証券取引所(IPO)

投資家(個人)

投資家(個人)

投資家(個人)

IPO/BuyOut

個人投資家兼利用者 VC

クリプト型

ビジョン重視

シリコンバレー型

MVP(実証)重視

7

MVPβサービス

企画書(White Paper)

サービス

• サービス化

• 成長

新PF/サービス

開発

C

C

提供

開発者

投資家兼利用者

投資家兼利用者も開発者もコミュニティを構築し育成

8

暗号通貨 アプリケーション・プラットフォーム

パブリック

コンソーシアム/

プライベート

時価総額1位 時価総額2位

時価総額3位

BitcoinやEthereumをもとにして開発された暗号通貨が全世界で700種類以上存在

Bitcoin

Bitcoin Cash

•世界初の暗号通貨政府に依存しない非中央集権型の通貨を志向

•利用者数は国内で数万人、グローバルで数百万人と推計されている

• Bitcoin Coreと呼ばれる有志の開発者コミュニティを中心に開発が進められている

•発行上限:2100万通貨•決済所要時間:10分~• (Bitcoin Cash含まず)

Ripple

•米国ベンチャーのRipple社が開発した暗号通貨

•国際送金・決済にユースケースを絞り、全世界90以上の金融機関が顧客

• Ripple社がILP(Inter Ledger Protocol)に準拠した企業向けソフトウェアを開発

•発行総量:1,000通貨•決済所要時間:数秒~

Ethereum

•分散型アプリケーション・プラットフォームを標榜。アプリケーションサービスの利用者は、ノード運営者に手数料(ETHと呼ばれるトークン)を支払う

•発行上限なし•決済所要時間:数十秒~<プラットフォームの特徴>• スマートコントラクト開発言語:Solidity• フレームワークに縛られることなく、あらゆるロジックを自由に記述でき(チューリング完全)、自由度が高い

EnterpriseEthereum

• Ethereumを企業が活用するためにデータアクセスコントロール機能等を強化した拡張版

•世界で150以上の企業がプラットフォームの開発アライアンスに加盟

• アプリケーションプラットフォームの細分化を防止する目的で、リナックスファンデーションのリーダーシップのもと、120以上の企業が参画

•標準トークンは持たない

<プラットフォームの特徴>• スマコン言語:Java/Go•既存のシステム開発技術との親和性を重視

HyperledgerFabric

•金融機関向けに特化したアプリケーションプラットフォームを米国ベンチャーのR3Cevが中心に開発

•標準トークンは持たない

<プラットフォームの特徴>• スマコン言語:Java•金融当局によるモニタリング機能など、金融機関が共通使用する機能を標準装備

R3 Corda

開発コミュニティ規模(Githubコントリビュータ数)

475※1

※1 Bitcoin

C++ Javascript

57

C++ Javascript

174※2

※2 Public Ethereum

GoJavascript

Solidity

92

Go Java

54

Java

9

ICO動向を無視できないエンタープライズブロックチェーン活用

10

開発者

CC

C

C

投資家兼利用者

CC

C

C

オープンソース

オープンソース 開発企業

パブリック型

コンソーシアム型

利用者

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オープンソース 開発者

CC

C

C

投資家兼利用者

CC

C

C

利用者 開発企業

パブリック型

コンソーシアム型

Ethereum

オープンソース

EnterpriseEthereum

• 共通プロトコルで成果を反映• 企業用途に耐えられるようカスタマイズ

ICOで加速するパブリックブロックチェーンの成果がエンタープライズへ生かされる流れ

12

13

新PF新PFEnterpriseEthereum 新PF Ethereum

新サービス 新サービス 新サービス

Statas

Enterprise Ethereumのパブリックと連携したコンソーシアムブロックチェーン

企業サービス 企業サービス 企業サービス

Hyperledgerやmijin等の通常のコンソーシアムブロックチェーン

連携を模索中新PF

企業サービス 企業サービス 企業サービス

HyperledgerFabric

新サービス 新サービス 新サービス

新PF 新PF

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• 2009年からオープンソースとして開放されゼロスタートで勝負でき、初期(開発)段階からマネタイズできる仕組み(ICO等)があるため、

サービス開発の拠点がシリコンバレー中心ではなく、分散化されて展開されている

• ICOの仕組みが利用者兼投資家と開発者コミュニティを育成するインセンティブがあり、サービス開発を加速している

• 上記動きはコンソーシアムブロックチェーンにも影響しエンタープライズ用途のブロックチェーン活用でも考慮が必要になりつつある

まとめ