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チャレンジゼミナール発表会 小惑星ペネローペ(201 Penelopeの測光観測 電気電子工学科3小坂 寛晃

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  • チャレンジゼミナール発表会

    小惑星ペネローペ(201 Penelope)の測光観測

    電気電子工学科3年 小坂寛晃

  • 目的

    現在、10万個を数える小惑星の多くは、火星と木星の間にある。しかし地球の軌道の近く、さらには、その内側に位置するものもある。今もまだ発見されていない小惑星があり、それらについて調査してみたいと考えました。

    そこで、本研究では小惑星特に火星と木星の間にある201 Penelopeについて測光観測することにより、測光曲線を作成し自転周期を求め、形状についても考察したい。

    Jupiter(木星)

    Mars(火星)

  • 小惑星の変光とは?

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    小惑星はいびつな形状をしているため、自転する間に地球から見た時の反射断面積が変化する。

    地球から観測される小惑星の明るさの時間変動をプロットしたものを測光曲線といい。

  • 小惑星 201 Penelopeとは?

    1879年8月7日にオーストリアの天文学者、ヨハン・パリサがポーラ (現在のクロアチア領プーラ)で発見された。

    201 Penelopeは火星と木星の間にある小惑星である。

    Jupiter(木星)

    Mars(火星)

    太陽(中心)

    201 Penelope

  • 小惑星 201 Penelopeついて

    ・自転周期 3.74時間

    ・等級 11.1V

    ・位置推算(平成27年8月27日)

    赤経 23h30m36s

    赤緯 約-4°

    参考)NASAによるデータベース

  • 観測手法

    撮影平成27年8月27日(木)

    22:00~翌2:00

    露出時間 30秒

    撮影枚数 336枚

    望遠鏡西はりま天文台

    60cm望遠鏡

    CCDカメラ画素数 2048×2048pixel

    視野 11.6”×11.6”

    フィルター R (1380-6380Å)

    60cm望遠鏡

    私は夏休みに兵庫県佐用町に行き、ひらめきときめきサイエンス「日本一の望遠鏡を使って天体観測」に参加させていただきました。そこで、西はりま天文台の60cm望遠鏡を使用して研究しました。

  • 撮影された写真

    小惑星

    この写真はUT13:30(22:30)に撮影された図とその2時間後のUT15:30(24:30)に撮影された写真である。この図から分かる通り、小惑星をAと仮定してB帯を比べた時にAは惑星であることがわかった。

    A

    UT13:30(22:30)の撮影写真(56枚目)

    UT15:30(24:30)の撮影写真(207枚目)

    2時間後B帯

    A

    B帯

    A

  • データ解析 ソフトの使用

    小惑星

    参照星1

    参照星2

    左横のソフト「スバル画像処理ソフトマカリ」を使用して60cm望遠鏡で撮影した画像で星の明るさを読み取る。また、赤で囲んである「TIME-OBS」は60cm望遠鏡で撮影した時間を表している。

  • データ解析 それぞれの明るさ

    小惑星

    参照星1

    参照星2

    「測光」→「開口測光」からそれぞれのカウント値がわかる。この下の図では、

    小惑星:352468 参照星1:36942 参照星2:16618

    このように読み取れることがわかった。

  • データ解析 光度比

    番号 時 分 小惑星参照星1

    参照星2

    37 13 4 352707 36942 16670

    38 13 7 363098 35225 15731

    39 13 8 372219 37250 16808

    図を読み取った情報でエクセルを完成させる。

    番号は写真番号。スバル画像処理ソフト マカリで時間と小惑星、参照星1,2のカウント値を表にまとめる。

  • データ解析 光度比

    番号 時刻 比率1

    37 ・・・ 13.06 9.54

    38 ・・・ 13.11 9.99

    39 ・・・ 13.13 10.30

    エクセルでは、少数表示の時刻を記入する。例)14時30分 ⇒ 14.5時

    参照星観測に対する小惑星観測の比率(小惑星÷参照星1)を出す。

    エクセルの散布図を使いグラフを使って、横軸:時刻 縦軸:明るさ で光度比グラフを作成した。

  • データ解析 等級差

    小惑星 201 Penelope Pと参照星C1、C2のフラックスからポグソンの式(1)を用いて等級差P-C1を求める。

  • 周期の求め方

    半周期であるT1とT2の和である。

    T2

    この等級差の自転周期では約3時間50分であることがわかった。

  • 等級差と光度比の解析結果

    図2 等級差を用いた小惑星201Penelopeの光度曲線

    ・公転周期図2より、等級差は3時50分程度である。図3より、光度比は3時50分程度である。

    図3 光度比を用いた小惑星201Penelopeの光度曲線

    NASAのデータベースによると小惑星 201 Penelope 自転周期は3時間45分であるので、ほぼ等しい自転周期を得られた。

  • 考察

    小惑星 201 Penelopeの太陽光が当たる最小と最大の面積比を考察する。

    1. 面積比

    右図より、光度比の最大は11.5、最小は7.0である。それを最大値を最小値で割ると、

    これより、光度比の面積比は約1.6倍変化することがわかる。

    ・ 光度比

  • ・ 等級差

    ポグソン比より、1等級変化すると光度が2.512倍変化する。図より、変光幅が0.55等級であることが読み取れるのでポグソン式を使って面積比を求めると、

    結果より、面積比は光度比1.6倍、等級差1.7倍変化することがわかった。このことから、光度比と等級差の図は同じ結果を示していることが確認できた。

  • 形状の求め方は、まず周期を6次の近似曲線を求める。その近似曲線を最小値、最大値を目安として4等分する。

    2. 形状

  • 前のグラフより、4つずつの平行四辺形を組み合わせてできる小惑星の形状として、以下のようなものが挙げられる。

  • まとめ・スバル画像処理ソフトマカリの操作方法を理解した。

    ・小惑星 201 Penelopeについて、60cm望遠鏡で撮影した画像から測光曲線を描き周期をもとめた。

    ・等級差と光度比の図の結果が同じであることが確認できた。

    ・形状についても考察した。

  • 参考文献2

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    [1] 60cm望遠鏡―西はりま天文台http://www.nhao.jp/research/60cm_telescope.html

    [2] NASA小惑星データベースhttp://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi

    [3]小惑星の時短とそれに伴う高度変化のモデル(高橋隼氏資料より)

    西はりま天文台の伊藤先生はじめスタッフの方々、共同研究者の川崎海さんに感謝します。