feasibility of physical and occupational therapy beginning …feasibility of physical and...
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Feasibility of physical andoccupational therapy beginning
from initiation of mechanicalventilation
Crit Care Med 2010 Vol.38,No11東京ベイ・浦安市川医療センター
人工呼吸器管理開始後早期から理学療法や作業療法を行う可能性
はじめに これまでに、ICUでのPT/OTの介入に関する研究は存在したが、それらの研究は挿管してから1週間以上経ってから行われたものばかりであたため、挿管後すぐからの早期のPT/OTの介入に関しては、その有害事象も含めて不明であった。
また、人工呼吸器管理で重篤な疾患の患者で例えば血管収縮薬の投与や腎代替療法を行っている患者に対するPT/OTの介入の有用性についても不明であった。
目的
集中治療患者に挿管後すぐに理学療法や作業療法を行うことで神経学的認知の状態や介入に対する障害、そして有害事象を明らかにする。
方法
■研究期間
2005年6月から2007年9月まで
■対象
2つの大学(シカゴ、アイオワ)の3次医療センターに入院した患者
方法
■包括基準・・・18歳以上、MVが72時間以内(24時間人工呼吸器管理が必要であるがBarthel indexが70以上のもともと自立している患者)
■除外基準・・・急速な神経筋疾患(脳卒中、重症筋無力症、ギランバレー症候群、脊髄損傷など)、来院後CPA、頭蓋内圧亢進、予後6ヶ月の不可逆病変、四肢欠損など・・・。
方法■介入・・・プロトコールに従い、患者は日中鎮静を中断され、独立した機能を獲得するまでPTやOTによるリハビリが行われた。治療は関節の可動訓練から座位、立位、そして歩行などの日常生活動作におよぶ。すべての運動と介助のレベルが記録され、分析された。
■統計解析・・・データは%、平均、そして中央値を用いて表記された(治療の期間は人工呼吸器の期間ではなく、ICUにいる期間)。
プロトコール
APPENDIX A B
結果
結果
結果
結果 49人の人口呼吸器患者が早期にPTやOTを受けており、挿管後だいたい1、5日後に始められている。 挿管されながらも69%の患者はPT/OTでベッドの端に座ることができ、33%の患者がベッドから椅子へ移動することができ、33%が立位可能であった。15%の患者が歩行できた。89%の患者で、人工呼吸器をつけながらの動作に少なくとも1つの障害が生じた。
4%の患者で途中で治療が中止された。原因の中でも、人工呼吸器と患者の呼吸が同調しなかったり興奮したりすることが多かった。
議論
挿管後の早期のリハビリが、身体的機能や神経学的認知を改善して、人工呼吸管理の期間を短縮することが示された。
人工呼吸管理下で集中治療をしている患者にとって障害であると考えられていた移動が、今回のtrialで有害事象なしに治療できた。
議論
鎮静の中断と人工呼吸器管理の早期からのPT/OTの介入は可能であり安全である。
歩行などの身体活動でさえ、気管挿管中に行える。
ほとんどの患者は、人工呼吸管理されていてもリハビリ中は鎮静を必要とせず、覚醒していてせん妄もない。
議論
A prioriないくつかの障害1.心血管系
2.呼吸器
3.神経学的認知障害
4.肥満
5.その他(透析、腎代替療法、治療当日の侵襲を伴う処置など)
結論
急性期であったり生命補助装置があっても、早期からPTやOTの治療を受けることは可能である。ハイリスク群でさえ有害事象はまれであり、早期からのPT/OTの介入を積極的に行うべきである。
Limitation
医師や看護士、リハビリスタッフなどの多職種で計画に適合性があるかどうか注意深く判断する必要があり、安全にPT/OTの介入が行えるかどうかは明らかではない。
まとめ
O 今までのエビデンスではICUにおける早期リハビリは、良好な臨床アウトカムにつながる。
O 今までのエビデンスでは、超早期にリハビリを開始する研究はなされていなかったが、今回超早期に障害となりうる治療があったとしても厳格なプロトコールに則ってリハをすれば、安全性に関して問題のないことが証明された。
O 臨床的なアウトカムに関してまだ分からないところはあるものの、安全性に問題がない範囲で超早期にリハビリをするのは、既に我々の施設で行っていることであり、プロトコールに関して有効利用できる。