レスコンにおける webrtc を用いた チーム間通信...

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レスコンにおける WebRTC を用いた チーム間通信システムの開発と通信内容の分析 ○鎌田 崇史,矢野 大貴,小枝 正直(大阪電気通信大学) Development of Web Browser-Based Communication System for Teams of Rescue Robot Contest Takafumi Kamada, Daiki Yano, Masanano Koeda (Osaka Electro-Communication Univ.) In this report, we describe the newly developed web browser-based tele-communication system for participating teams of Rescue Robot Contest. This system is introduced in this year, and contains text chat, video chat, and paint chat. By using this system, all communication between both robot control booths can be logged and broadcasted to the audience. 1 はじめに レスキューロボットコンテスト (以下,レスコン)[1] は, 2000 年から行われている災害救助を題材としたロボットコ ンテストである. 2 チームが青サイドと赤サイドに分かれた上で,同じ フィールドに置かれた要救助者を模した人形 (通称,ダミヤ ) をロボットの遠隔操作によって救助する. また,レスキュー活動が目的であるため他チームとの勝敗 が第一の目的ではないという理念から,自分チームのロボッ トと相手チームのロボットが接触しないようにコントロー ルルーム間でお互いに連絡を取り合いながら競技を行う. しかし,昨年まで使用されていた「Microsoft NetMeetingを利用したコントロールルーム間通信システム (Fig.1) には 以下の問題があった. ロボットの操作を行うコントロールルームが閉鎖的で あり,ルーム外の人間からチーム間でのやり取りが全 くわからない. 公式によるサポートが WindowsXP までであるため,最 新の WindowsOS 及び他の OS での利用が不可能. この競技は,観戦者に災害救助への興味を持ってもらうこ とを目的としている.しかし,ロボットを実際に操作し救 助活動を行う様子がうまく伝わっていないのが現状である. また WindowsXP 2014 4 9 日をもって全面的に延 長サポートを含めた更新プログラムの提供が終了している. レスコンを今後も毎年開催していくにあたってサポートさ れていないシステムを使い続けることは出来ない. このようにレスコンにおいて使用されているシステムは 問題点が挙げられ,これらを改善した新しいシステムが必 要とされている. 2 提案手法 従来のレスコンにおけるコントロールルーム間通信は OS に元から実装されているクライアントソフトを利用してお り動作可能な端末が非常に限られる.コントロールルーム 外の人間はチャットが行われているパソコン画面を観るこ とが出来ないため,救助活動においてどのようなやり取り が行われているのかが分からない. この問題に対し,Node.js によって構築したサーバにコン トロールルーム間通信システムを実装した.これにより,ブ ラウザがインストールされている端末であればシステムの 使用が可能となる.また,この手法であればコントロール Fig.1 Microsoft NetMeeting を利用した旧コントロール ルーム間通信システム ルーム外の人間から救助活動におけるやりとりを把握する ことも可能である. しかし,コントロールルーム間通信を行う Web ページに 競技チーム以外がアクセスするのは望ましくない. そこで,競技チーム以外が使用する端末以外からアクセ スするためのコントロールルーム間通信読み取り専用ペー ジを追加実装する.これにより,その他の参加者による書 き込みを不可能にした上でやり取りの公開を可能にする. 3 通信システム構成 本システムではコントロールルーム間通信用ページと読 み取り専用ページの実装を行っている. システムの構成を表した図を Fig.2 に示す.コントロー ルルーム間通信用ページを Fig.3 Fig.4 に,読み取り専用 ページを Fig.5 に示す.なお,本システムを利用するための Web ブラウザとして Google Chrome を使用する. 3.1 チャット機能 チャット機能では,Socket.IO を利用した非同期型の双方 向通信が行われる.Socket.IO の特徴としてクライアントの 環境を検出して,ライブラリ側で利用するプロトコルを自 動的に選択することが挙げられる.これにより,利用者が 接続のためのプロトコルを考慮する必要がないシステムと なっている. また,本システムには 3 つの手法によるチャット機能が 導入されている.それらは以下の項目の通りである. 3.1.1 ビデオチャット 通信端末を使用した間接的なコミュニケーションでは正 確な意図を相手に伝えることは難しい.ビデオチャットは

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レスコンにおけるWebRTCを用いたチーム間通信システムの開発と通信内容の分析○鎌田崇史,矢野大貴,小枝正直(大阪電気通信大学)

Development of Web Browser-Based Communication Systemfor Teams of Rescue Robot Contest

○ Takafumi Kamada, Daiki Yano, Masanano Koeda (Osaka Electro-Communication Univ.)

In this report, we describe the newly developed web browser-based tele-communication system for participatingteams of Rescue Robot Contest. This system is introduced in this year, and contains text chat, video chat,and paint chat. By using this system, all communication between both robot control booths can be logged andbroadcasted to the audience.

1 はじめに

レスキューロボットコンテスト (以下,レスコン)[1] は,2000年から行われている災害救助を題材としたロボットコンテストである.

2 チームが青サイドと赤サイドに分かれた上で,同じフィールドに置かれた要救助者を模した人形 (通称,ダミヤン)をロボットの遠隔操作によって救助する.また,レスキュー活動が目的であるため他チームとの勝敗が第一の目的ではないという理念から,自分チームのロボットと相手チームのロボットが接触しないようにコントロールルーム間でお互いに連絡を取り合いながら競技を行う.しかし,昨年まで使用されていた「Microsoft NetMeeting」を利用したコントロールルーム間通信システム (Fig.1)には以下の問題があった.

• ロボットの操作を行うコントロールルームが閉鎖的であり,ルーム外の人間からチーム間でのやり取りが全くわからない.

• 公式によるサポートがWindowsXPまでであるため,最新のWindowsOS及び他の OSでの利用が不可能.

この競技は,観戦者に災害救助への興味を持ってもらうことを目的としている.しかし,ロボットを実際に操作し救助活動を行う様子がうまく伝わっていないのが現状である.またWindowsXPは 2014年 4月 9日をもって全面的に延長サポートを含めた更新プログラムの提供が終了している.レスコンを今後も毎年開催していくにあたってサポートされていないシステムを使い続けることは出来ない.このようにレスコンにおいて使用されているシステムは問題点が挙げられ,これらを改善した新しいシステムが必要とされている.

2 提案手法

従来のレスコンにおけるコントロールルーム間通信は OSに元から実装されているクライアントソフトを利用しており動作可能な端末が非常に限られる.コントロールルーム外の人間はチャットが行われているパソコン画面を観ることが出来ないため,救助活動においてどのようなやり取りが行われているのかが分からない.この問題に対し,Node.jsによって構築したサーバにコントロールルーム間通信システムを実装した.これにより,ブラウザがインストールされている端末であればシステムの使用が可能となる.また,この手法であればコントロール

Fig.1 Microsoft NetMeeting を利用した旧コントロールルーム間通信システム

ルーム外の人間から救助活動におけるやりとりを把握することも可能である.しかし,コントロールルーム間通信を行うWebページに競技チーム以外がアクセスするのは望ましくない.そこで,競技チーム以外が使用する端末以外からアクセスするためのコントロールルーム間通信読み取り専用ページを追加実装する.これにより,その他の参加者による書き込みを不可能にした上でやり取りの公開を可能にする.

3 通信システム構成

本システムではコントロールルーム間通信用ページと読み取り専用ページの実装を行っている.システムの構成を表した図を Fig.2 に示す.コントロールルーム間通信用ページを Fig.3と Fig.4に,読み取り専用ページを Fig.5に示す.なお,本システムを利用するためのWebブラウザとして Google Chromeを使用する.

3.1 チャット機能チャット機能では,Socket.IOを利用した非同期型の双方向通信が行われる.Socket.IOの特徴としてクライアントの環境を検出して,ライブラリ側で利用するプロトコルを自動的に選択することが挙げられる.これにより,利用者が接続のためのプロトコルを考慮する必要がないシステムとなっている.また,本システムには 3 つの手法によるチャット機能が導入されている.それらは以下の項目の通りである.

3.1.1 ビデオチャット通信端末を使用した間接的なコミュニケーションでは正確な意図を相手に伝えることは難しい.ビデオチャットは

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Master Server Hotline Server

Audience'sdevices

HTTP Daemon

PostgreSQLDaemon

Node.js

PostgreSQLClient

Socket.IODaemon

WebRTC

HTTP & S

ocket.I

O

Postgres

Rows

Video Chat

Text Chat

& Paint

Video Chat

Text Chat& Paint

HTTP &

Socket.IO

HTTP &Socket.IO

Left TeamTerminal

Text Chat& Paint

Video Chat

Right TeamTerminal

Text Chat& Paint

Video Chat

ChromeChrome

Chrome

Fig.2 コントロールルーム間通信システム構成図

Fig.3 コントロールルーム間通信ページ (青サイド)

Fig.4 コントロールルーム間通信ページ (赤サイド)

Fig.5 コントロールルーム間通信ページ (読み取り専用)

人間同士の顔を合わせた対話を可能とする.そのため,より確実な情報交換をすることが出来る.ページ上の接続 1 ボタンを押すことで端末に接続されているカメラデバイスが起動し自分のカメラ映像がブラウザに映る.お互いに接続 1 ボタンが押された状態で片方が接続 2 ボタンを押すと,相手のカメラ映像が画面に出力される.これは接続 2 ボタンを押したときにシグナリング処理により,IP アドレスの交換が行われ,相手の IP アドレスがお互いに判明したことでWebRTCを利用することが可能となるからである.WebRTCを利用することによる Peer toPeer 方式のビデオ通信を行うため,リアルタイム性の高い快適なコミュニケーションを可能とする.また読み取り専用ページにおいては,ビデオ通信を把握する手法として,コントロールルームのカメラ映像を動画データではなく,画像データとしてサーバから取得し,画面に表示する.Socket.IOによって,イベント発生に対応して,自動的にクライアント側でデータ更新が行われる.取

得した画像が連続して表示されるため,映像として認識が可能である.なお,ビデオチャットを導入するにあたり,参考文献 [4]に掲載されているプログラムを元にして開発を行っている.

3.1.2 お絵かきマップレスコンでは円滑な救助活動を行うために相手チームが操作するロボットと接触しないことが求められる.そのため,自分チームのロボットがどのようにフィールドを移動するのか,またはどのダミヤンの救助に向かうのかといった情報の交換が必要である.

Web ページにはキャンバスが用意されており,自由に絵を描くことが出来る.また,消しゴム機能を実装している.これにより現在書かれている絵を訂正または削除することが可能である.なお,お絵かきマップを導入するにあたり,参考文献 [5]に掲載されているプログラムを元にして開発を行っている.

3.1.3 文字チャット文字による情報交換を行うための機能である.ページ右下の入力欄に文字を入力し,送信ボタンを押すことで文字をサーバに送信する.そして文字チャットエリアにサーバから受信した文字列が表示される.なお,文字チャットを導入するにあたり,参考文献 [6]に掲載されているプログラムを元にして開発を行っている.

3.2 ログデータ自動記録機能本システムにはお絵かきマップと文字チャットのデータを自動で記録しログとして保存する機能が実装されている.これはチャットの種類によって,以下の 2つに分類される.

3.2.1 お絵かきマップにおけるログ保存機能ファーストミッション,セカンドミッション,ファイナルミッションにおいて利用されたコントロールルーム間通信システムのお絵かきマップを 1 パスの変更毎に画像ファイルとして記録する.

3.2.2 文字チャットにおけるログ保存機能ファーストミッション,セカンドミッション,ファイナルミッションにおいて利用された,コントロールルーム間通信システムの文字チャットを,受け取ったチャットデータからログファイルに追加記録する.

4 第 15回レスキューロボットコンテストにおける通信内容の分析

2015年 8月 8日および 9日に行われた第 15回レスキューロボットコンテスト本選において,構築した本システムを運用した.その結果,Google Chrome を利用したコントロールルーム間での通信が実現し,コントロールルーム外からチーム間通信におけるやりとりの把握が可能となった.競技チームのコントロールルーム間通信担当者が本システムを利用している様子を Fig.6 に示し,大会会場のスクリーンに通信ページが投影されている様子を Fig.7に示す.また,大会における本システムの活用を記録し,ログデータを得た.記録されたデータから各競技チームごとの通信システム利用率をまとめたグラフを Fig.8 から Fig.10 に示す.お絵かきマップ、文字チャットのログを一部抜粋し、Fig.11 から Fig.14、ソースコード 1にそれぞれ示す.競技においてお絵かきマップが活用され,ログとして記録された画像は全ミッションを合わせて計 418 枚であり,

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Fig.6 本通信システムを利用する通信担当者

Fig.7 コントロールルーム間通信におけるやりとりを一般公開

13.8 MB のデータサイズとなった.画像データより,線の描画数が求められた.1競技あたりの最大描き込みストローク数はファイナルミッションにおける都工機械電気と大工大エンジュニアの 16である.また,平均描き込みストローク数はファーストミッションでは 3,セカンドミッションでは 6,ファイナルミッションでは 11である.この結果から,ファイナルミッションではファーストミッションやセカンドミッションよりも比較的にお絵かきマップ機能が活用されているということが分かる.これは,双方のチームが回収すべきダミヤンの配置がファイナルミッションでは複雑になっているため,より精密な救助活動が必要とされているからであると考えられる.また,文字チャットでは競技において文章データを計

72 回やりとりしており,5.66 KB のデータサイズとなった.最も活用したチームはセカンドミッション第 3 競技のSHIRASAGIで,8回サーバに文章を送信している.平均書き込み回数はファーストミッションでは約 2.14,セカンドミッションでは約 3.38,ファイナルミッションでは約 1.88である.文字チャット機能はミッションの段階やチームごとの作戦によって活用の度合いが大きく異なった.特にファイナルミッションにおいては利用数が全体的に少ない.これは,レスコンにおいてコントロールルーム間通信を行うメンバーはキャプテンを兼用していることが多く忙しいため,文字をタイピングするよりもトランシーバを使用して相手チームと連絡をとったほうが楽であると感じたチームがあったからだと考えられる.また,競技終了後の競技チームに対し本システムの使用感についてアンケートを行った.その結果をグラフにまとめ,Fig.15から Fig.18に示す.また,改善してほしい点に関する要望を以下にそれぞれ示す.

• 人数の少ないチームには,機能が多すぎて大変だと思った.

• 声で喋ったことが文字化するようなシステムがあれば完璧になると思います.しかし,今大会でも大変助かりました.

• チャットに文字を入力して送っても相手に気づいてもらえない時があるので,音が出るようにして欲しい.

• CR 通信者とキャプテンを兼任しましたが,ビデオチャットやお絵かき機能は iPadなどのタブレット端末で操作したほうが便利だと思いました.

• 文字チャットの入力フォントサイズを大きくして欲しい.フィールドお絵かきマップはロボットの移動ルートの書き込みの仕方を,ペイントの直線記入のようにし,線の太さを増やしてほしい.

がん

ばろ

うKOBE

なだ

より

あい

をこ

めて

MCT

長湫

ボー

ダー

TRC

都工

機械

電気

大工

大エ

ンジ

ュニ

IPL0x14

産技

荒川

SHIRASAGI

メヒ

ャ!

とくふ

ぁい

MS-R

レス

キュ

ーHOT

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

1 1 1

2

1 1

5

6

1

3

2

4

1 1

3

4 4

6

0 0

5

2 2

8

2

4

1 1

ファーストミッション文字チャット (文章の送信 )お絵かきマップ (線の描画 )

単位(回

, ス

トロ

ーク)

Fig.8 各競技チームごとの通信システム利用率 1

TRC

メヒャ!

長湫ボーダーズ

産技荒川隊

SHIRASAGI

IPL0x14

MS-R

MCT

0

2

4

6

8

10

12

14

16

3

2 2

1

8

7

2 22

1

7

1

12

14

2

9

セカンドミッション文字チャット (文章の送信 )お絵かきマップ (線の描画 )

単位(回,ストローク)

Fig.9 各競技チームごとの通信システム利用率 2

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レス

キュ

ーHOT

MCT

都工

機械

電気

大工

大エ

ンジ

ュニ

がん

ばろ

うKOBE

SHIRASAGI

なだ

より

あい

をこ

めて

とくふ

ぁい

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

1 1 1

2 2

4

1

3

6

10

16 16

3

15

12

10

ファイナルミッション文字チャット (文章の送信 )お絵かきマップ (線の描画 )

単位(回

, ス

トロ

ーク)

Fig.10 各競技チームごとの通信システム利用率 3

Fig.11 ファイナルミッションにおけるお絵かきログ 1

Fig.12 ファイナルミッションにおけるお絵かきログ 2

Fig.13 ファイナルミッションにおけるお絵かきログ 3

Fig.14 ファイナルミッションにおけるお絵かきログ 4

活用した

46%少し活用した

46%

あまり活用しな

かった

8%

活用しなかった

0%

今大会において、本システムを活用しましたか?

総集計数 13

Fig.15 アンケート内容 1

使いやすい

38%

まあまあ

62%

使いにくい

0%

ビデオチャット機能の使用感はどうでしたか?

総集計数 13

Fig.16 アンケート内容 2

使いやすい

31%

まあまあ

54%

使いにくい

15%

文字チャット機能の使用感はどうでしたか?

総集計数 13

Fig.17 アンケート内容 3

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使いやすい

69%

まあまあ

31%

使いにくい

0%

お絵かきマップ機能の使用感はどうでしたか?

総集計数 13

Fig.18 アンケート内容 4

ソースコード 1 CRchat.log

1 20150808T121326.290,とくふぁい!, 2, 16,高台の棒瓦礫を取りに行きます。

2 20150808T121340.393,とくふぁい!, 2, 16,大丈夫ですか?

3 20150808T121514.798,メヒャ!, 1, 15,大丈夫です4 20150808T152412.852,大工大エンジュニア, 1, 7,作戦時間

が終了次第作戦をこちらの地図に反映させます5 20150808T152427.466,IPL0x14, 2, 8,よろしくお願

いします6 20150808T153919.386,大工大エンジュニア, 1, 7,こちら救

助搬送完了しました7 20150808T153946.143,大工大エンジュニア, 1, 7,救助して

よろしいいですか?8 20150808T154008.194,IPL0x14, 2, 8,手伝って頂け

るとありがたいです9 20150808T154016.960,IPL0x14, 2, 8,よろしくお願

いします10 20150808T154117.609,IPL0x14, 2, 8,いえいえあり

がとうございます11 20150808T155022.034,SHIRASAGI, 2, 10,よろし

くお願いします12 20150808T155035.884,SHIRASAGI, 2, 10,ちょっ

とテストします。13 20150808T155120.932,産技荒川隊, 1, 9,よろしくお願いし

ます14 20150808T155643.901,SHIRASAGI, 2, 10,このル

ートでいきます15 20150808T161223.486,とくふぁい!, 2, 12,よろしくお願

いします16 20150808T161516.906,メヒャ!, 1, 11,みえてますか17 20150808T161545.012,とくふぁい!, 2, 12,見えてます。18 20150808T163254.025,とくふぁい!, 2, 12,高台の棒瓦礫

を除去しますか?19 20150808T163456.769,メヒャ!, 1, 11,お願いします20 20150808T163509.599,とくふぁい!, 2, 12,あと1分では

できそうにありません。すみません。21 20150808T164030.439,MS-R, 1, 13,よろしくお願いし

ます。22 20150808T164516.247,レスキューHOT君, 2, 14,よろし

くお願いします。23 20150809T104333.536,長湫ボーダーズ, 1, 17,長久手ボー

ダーズの佐野です24 20150809T104509.675,産技荒川隊, 2, 18,よろしくお願い

します25 20150809T111815.647,SHIRASAGI, 1, 19,このル

ートで行きます26 20150809T111824.765,IPL0x14, 2, 20,了解です27 20150809T111829.065,SHIRASAGI, 1, 19,お願い

します

28 20150809T111834.034,IPL0x14, 2, 20,こちらもこのルートで行きます

29 20150809T111859.739,SHIRASAGI, 1, 19,了解です。

30 20150809T112442.108,SHIRASAGI, 1, 19,高台に行きます。

31 20150809T112626.326,IPL0x14, 2, 20,了解です32 20150809T112935.800,SHIRASAGI, 1, 19,ありが

とうございました。33 20150809T113325.167,MS-R, 1, 21,よろしくお願いし

ます。34 20150809T113703.291,MCT, 2, 22,よろしくお願いしま

す35 20150809T114758.651,MCT, 2, 22,真ん中の道を使う予

定はないです36 20150809T114820.300,MS-R, 1, 21,了解です37 20150809T140115.068,都工機械電気, 1, 25,よろしくお願

いします。38 20150809T140314.483,大工大エンジュニア, 2, 26,よろし

くお願いします39 20150809T140704.643,大工大エンジュニア, 2, 26,作戦会

議が終了次第基地ロボットの場所を地図に反映します40 20150809T143632.820,SHIRASAGI, 2, 28,路上の

ガレキは×印で表現します。41 20150809T143645.623,がんばろうKOBE, 1, 27,了解で

す42 20150809T143655.366,SHIRASAGI, 2, 28,ありが

とうございます43 20150809T150423.710,とくふぁい!, 2, 30,軽い接触は互

いのどちらが悪いかを44 20150809T150547.763,とくふぁい!, 2, 30,軽い接触は互

いの責任を問わないことでよろしいですか。

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5 おわりに

本稿ではレスコンのコントロールルーム間における通信システムの開発と通信内容の分析について述べた.システムの開発により実現した内容としてコントロールルーム間におけるコミュニケーションをルーム外の人間が把握することが可能となった.今後の改良点として,システムの処理を軽量化することが挙げられる.現状のシステムは,通信用端末に Panasonic社の「Let’s note CF-SX1」,HTC社の「Nexus 9」相当の処理能力を持つ端末を必要とする.「Nexus 7」等,旧型のタブレット端末では安定した動作を確認できなかった.またアンケートで得られた不満点の改善も必要であると考えられる.実施した満足度アンケートにおいて,音声の自動文字化の要望があった.今後の課題として,文字の音声入力等,チャットにおける入力支援機能の追加を検討したい.

謝辞 本稿の執筆において,レスキューロボットコンテスト実行委員会様にはシステム運用のご協力を頂きました.出場チームの皆様にはアンケートにご協力を頂きました.ここに厚く御礼申し上げます.

参考文献

[1] レスキューロボットコンテスト:http://www.rescue-robot-contest.org/

[2] 井上誠一郎, 土江拓郎, 浜辺将太, 『パーフェクトJavaScript』,技術評論社, 2011年

[3] Salvatore Loreto, Simon Pietro Romano,『Real-Timecommunication with WebRTC』,O’Reilly Media,2014年

[4] 宗定 洋平, 『[node] Socket.IO を使ったチャットアプリ。インストールから実装まで。』,  YoheiM.NET -世の中の Web 情報に、体験と意見を添えて発信します,  2012年 04月 07日http://www.yoheim.net/blog.php?q=20120408

[5] がねこまさし, 『WebRTC 初心者でも簡単にできる!Node.js で仲介(シグナリング)を作ってみよう』,html5experts.jp 日本に、もっとエキスパートを。, 2014年 02月 21日http://html5experts.jp/mganeko/5349/

[6] yujiro,『HTML5のWebsocketを使ったお絵かきチャット』,小粋空間, 2012年 02月 13日http://www.koikikukan.com/archives/2012/02/13-000300.php