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ラジコン⾶⾏機の⾶ばし⽅⼊⾨ 岩木山ラジコン空港株式会社 安全飛行のための入門書

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ラジコン⾶⾏機の⾶ばし⽅⼊⾨

岩木山ラジコン空港株式会社

安全飛行のための入門書

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1 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

ラジコン飛行機の飛ばし方入門

岩木山ラジコン空港株式会社

目 次

はじめに …………………………………………………………………… 2

第1段階 基本操作 …………………………………………………… 3

1 ラジコン飛行機の取り扱い方 …………………………… 3

2 フライトシミュレータの活用 …………………………… 5

第2段階 飛行の前に …………………………………………………… 6

1 飛行する空域をイメージしてみよう …………………………… 6

2 飛行するパターンをイメージしてみよう …………………… 7

第3段階 初めての上空飛行 …………………………………………… 7

1 初飛行・初旋回 ………………………………………………… 7

2 細長い8の字飛行 …………………………………………… 8

第4段階 安全な離陸 …………………………………………………… 8

1 機体の真後ろに立って ………………………………………… 8

2 機体を横から見ながら ………………………………………… 9

第5段階 パターンフライト …………………………………………… 10

1 再び水平直線飛行 …………………………………………… 10

2 水平360度旋回 ………………………………………………… 10

3 ループ …………………………………………………………… 11

4 背面飛行 ………………………………………………………… 13

5 ロール …………………………………………………………… 14

6 縦ターン ………………………………………………………… 15

第6段階 安全な着陸 …………………………………………………… 16

1 着陸前の場周飛行 …………………………………………… 16

2 着陸復行 …………………………………………………… 16

3 着陸 …………………………………………………………… 17

第7段階 うまく飛ばすためのコツ ……………………………………… 19

1 機体への反応を途切れさせない ……………………………… 19

2 飛行ルートを決めて飛ばす …………………………………… 19

3 着陸は、エレベータコントロールに細心の注意を払う …… 19

4 着陸は、1度で決めようとしない ……………………………… 19

5 地面降下を感じる ……………………………………………… 20

6 向かい風が強いときの着陸 …………………………………… 20

7 横風での着陸 …………………………………………………… 21

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2 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

はじめに

青空の中を自由自在に飛び回るラジコン飛行機を一度でも目にした人は、「自分で

あんなふうに飛ばせたら、さぞ、面白いだろうな」と思われることでしょう。

でも、そのすぐ後で、「落ちたら壊れてしまうだろうな。」「うまく直せる見込み

がないから、続けられなくなって、高いものにつくだろうな。」と不安になるのでは

ないでしょうか。

確かにラジコン飛行機は墜落や不時着した場合、何らかの損傷を受けるのは、やむ

をえません。

しかし、飛ばしても落とさないように、インストラクターがサポートしてくれると

したら、どうでしょう。

岩木山ラジコン空港 よしもと飛行場は、初めてラジコン機を飛ばす人に、落とす

不安が無く、大空の中を自由自在に操り、飛ばす醍醐味を味わっていただくところで

す。

このテキストは、はじめてラジコン機を飛ばそうとするあなたが、正しい技能と知

識を備えた安全な操縦者となれるよう、飛行機の取り扱い方から、離陸~飛行~着陸

に至るまでを、順序良く、わかりやすくまとめたものです。

このテキストから学習することや、飛行教習の場において、学び、体験することを

基礎として、これから始まるラジコンライフを「安全」に楽しまれますよう、心から、

お祈り申し上げます。

岩木山ラジコン空港株式会社 代表取締役 太田德次

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3 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

第1段階 基本操作

1 ラジコン飛行機の取り扱い方

ラジコン飛行機は空を飛ぶものなので必要の無い重量増は、直ちに飛行性能

の低下につながります。

このため、飛行時や取り扱い時に必要な強度以上の構造とはなっていないのが

普通です。

主翼や胴体のフィルムをはがした骨組みは、バルサというとても軽い木材で

できていて、写真のような中空構造になっています。

ラジコン機の骨組構造

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4 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

また、機体内部には、受信機、可動翼を動かすサーボモーター、プロペラを

回すモーター、モーターの回転数を加減するアンプやバッテリー、モーターの

回転を許可する安全スイッチ等が組み込まれています。

機体を持ち運びするときに、モーターが不用意に回転することは、大変危険

なので、安全スイッチが「切」であることを確認し、図の矢印で示した胴体付

け根部主翼前後の下面を両手で持つようにしましょう。

受信機 サーボモーター

モーター アンプ

バッテリー 安全スイッチ

持ち運びするときは矢印のあたりの下を持つ

機体内部に積まれている主なもの

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5 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

2 フライトシミュレータの活用

ラジコン機の操縦で、日常生活と も違うところは、左右傾きの修整舵を打っ

たら高度が下がることと、飛行機がこちらに向かって来るときの舵が左右反対に

なることです。

日常生活では、この感覚になじむ機会がほぼ無いので、いきなり飛ばすと、修

正舵のスティック操作量の加減と機体をコントロールする操作方向がわからず、

考えているうちに墜落してしまいます。

この感覚を養うために、フライトシミュレータは絶大な効果があります。

また、教習が進んでからも、新しい演技パターンを覚えるときには、強力なツー

ルとなりますので、ぜひ有効に活用しましよう。

プロポのスティックと飛行機の各舵は図のように対比しています。

エルロン (左右傾き :ロール軸)

エレベータ (頭上げ下げ:ピッチ軸)

ラダー (左右向き :ヨー軸 )

スロットル (モーターパワー )

:スティック操作位置

エルロン右

(右小翼上がる)

エルロン右

(左小翼下がる)

ラダー右

エレベータ

アップ

飛行機の各舵

(右旋回の場合)

エルロン右

エレベータ

アップ側

ラダー

スロットル

ハイ側

プロポのスティック

(右旋回の場合)

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第2段階 飛行の前に

1 飛行する空域をイメージしてみよう

(1)飛行空域は、滑走路の延長ラインと、それに平行な前方160mライン

の間で、空域センターから左右それぞれ250m地点の長方形エリア

(500m×160m)を目安とします。

(2)基本となる水平飛行は、飛行中心線上、高度80mの仮想平面上で行

い、パワー(スピード)は、適度な控えめとし、旋回中のバンクは45°以

内で行います。

250m 250m

80m

80m

160m ⾶⾏中⼼線

滑⾛路

空域センター

80m ⾶⾏中⼼線上

(前⽅ 80m)

80m

旋回中のバンクは 45 度以内

⾶⾏空域

空域センターの断⾯

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7 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

2 飛行するパターンをイメージしてみよう

初は、直線飛行です。イメトレ用模型を飛行させ、その模型から目を離

さないで、じっと注視し、風の影響で少しでも傾いたら、反対側にエルロン

を切ります。

左に傾いたら、「エルロン右」、右に傾いたら「エルロン左」とスティッ

クを動かす指を動かしてイメージしましょう。

端まで飛んだら、旋回です。45度を超えない傾きで旋回のイメージをしま

しょう。

旋回は、エルロン操作の持続で高度が下がる分、ホンの少しエレベータ

アップの操作が加わります。

第3段階 初めての上空飛行

1 初飛行・初旋回

(1)インストラクターが、見本となるフライトを行いますので、飛行姿勢

を注視しながら、コースを理解しましょう。

(2)インストラクターが「この後、操縦を渡しますよ」と言ったら、一つ

深呼吸をして、落ち着きましょう。

インストラクターが「ユーハブ」と言ったら、初めてのフライトです。

前方80mの飛行中心線付近、高度80mを目標に水平直線飛行を行い、

左右の方向転換は、 初は、インストラクターが「アイハブ」と言いま

すので、インストラクターに任せましょう。

自分で旋回ができる人は、水平180°同一方向の旋回で、反復トレーニ

ングを行います。

(3) 飛行や、旋回に慣れてきたら、(2)と逆方向での旋回によるオー

バルコースを飛行します。

飛行が危険に陥ったときは、インストラクターが「アイハブ」と言

って、直ちに操縦を替わり、姿勢を立て直しますので、落とすおそ

れがほとんど無く、安心して飛行練習ができます。

初は、左旋回、右旋回で得手、不得手があるかもしれませんが、

どちらもできるように、反復トレーニングを行います。

インストラクターに「アイハブ」と言われたら、「ユーハブ」と応

えると良いですね。

オーバルコース

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8 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

2 細長い8の字飛行

インストラクターが、見本となるフライトを行いますので、飛行姿勢

を注視しながら、コースを理解しましょう。

左右で、旋回方向を変え、細長い8の字飛行を反復練習しましょう。

第4段階 安全な離陸

1 機体の真後ろに立って

(1) 滑走路周辺の人や物の配置とこれから飛ばす飛行空域を見渡し、安全

であることを確認します。

(2) 風の向きと強さを雲の動きや旗のひらめき、肌に触れる空気等で知覚

し、飛行に適していることを確認します。

(3) 離陸した後は、パイロット(以降、お客様をパイロットと言う。)の

定位置に戻るので、自分が戻るべき、パイロット定位置を確認します。

(4) 滑走路風下側、センターから30mくらいの位置に機体を置き、風上に

機首を向け、滑走路上で機体を静止させ、スロットルは スローのま

ま、各舵が正常に動くことを確認します。

(5) パイロットは、機体の真後ろに立ち、「離陸します。」と声を発し、

これから離陸することを周りの人に知らせます。

特に周りに人がいなくても、自分の意思をはっきりさせる「離陸し

ます。」が、習慣化されると良いですね。

(6) スロットルスティックを機体動き出しはじめからパワー100%まで、 ゆっくり上げていき、滑走路中心付近を真直ぐ加速させます。左右方向

のコントロールは、素早いラダー操作で行います。

オーバルコース(逆⽅向)

細⻑い8の字⾶⾏

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9 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

(7) 離陸時、特に覚えておきたい現象として、機体は必ず、左に曲がる特 性があるということです。これは、プロペラが後ろから見て時計方向に 回っているので、その反作用で機体を左に曲げるのです。ですから、機 体が曲がり出しそうな動きを見つけたら、ラダーを右に切ります。

(8) 機速がつけば、エレベータスティックを落ち着いて、ゆっくりとアッ

プにし、5~10度の緩やかな角度で安全高度(およそ50m、目安として電

柱5本以上)まで上昇させます。ラダー右とエレベータアップを戻し、エ

ルロンとエレベータでロール、ピッチ軸のコントロールに努めます。

(9) 安全高度に達した後も、徐々に高度を上げながら、飛行空域側に90度

旋回し、旋回後、わずかにあて舵をし、一旦水平に修整した後、さらに

90度旋回し、滑走路と平行な水平直線飛行に移ります。旋回後のわずか

なあて舵は、今後の飛行において、いつも必要となります。

(10) 離陸後、予定の高度80mに達し、安全なコントロールができ始めた

ら、モーター出力を80%程度に落とし、パイロットは、機体を注視しな

がら、パイロットの定位置に移動し始め、上空飛行時と同じポジション

から操縦します。

巡航飛行時のモーター出力は80%前後とします。

2 機体を横から見ながら

(1) 1とほぼ同様ですが、横から見ての離陸になるので、加速時、機体

が、滑走路中心をまっすぐに進んでいるのかいないのかが、わかりにく

くなります。

そのため、機体がまっすぐで無くなったときの知覚が遅れ、それに伴っ

て修正ラダーのコントロールも遅れ気味になります。

機体の小さな変化をもさらに注意深く観察し、より早く姿勢の変化を

知覚し、より早く修正舵を打つことが重要となります。

また、横位置での操縦で特に覚えておきたいことは、体の腰から上を

機体の進行方向に捩じると、格段に操縦がしやすくなるということで

す。操縦に迷ったら、腰から上を機体の進行方向に向け、落ち着いて、

方向感覚を取り戻しましょう。

機体の真後ろに⽴っての離陸

パイロット

パイロット

⾵向き

⾵向き

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10 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

(2) 1の(1)~(10)までの各項目をもう一度見直し、状況を知覚、確

認し、前方80m、高度80mのコースを飛行するように操縦します。

第5段階 パターンフライト

1 再び水平直線飛行

ここまでの練習で、空中で操縦している時間を積み重ね、常に変化し

ている風の中で、空中に留まっているということを体感してきました。

ここから先は、滞空時間を長くしていくとともに、自分の意志通りに

飛ばす練習です。

自分がイメージするパターンをきれいに描くためには、同じ高度で、

一本の直線のように飛行することは、とても重要です。

飛行中心線付近高度 80m において水平直線飛行を行い、その後も同じ

コースを飛ぶために、左右の旋回は、ターンの手前で、ターンする方向と

反対側に膨らむ必要があります。

左右のターンは、オーバルコースで練習したUの字でなく、Pの字のような

ターンで、高度を維持しながらの反復トレーニングを行いましょう。

エルロン操作で機体が傾いた時の少しのエレベータアップ、水平になった

ときの戻し、再びエルロン操作で傾いた時のエレベータアップと、飛行姿勢

をよく見ながらのタイミングを合わせた操作が必要となります。

また、旋回後のエルロンあて舵も忘れないようにしましょう。

2 水平 360 度旋回

インストラクターが、見本となるフライトを行いますので、飛行姿勢を注

視しながら、コースを理解しましょう。

空域センター付近において水平 360°旋回を行います。

機体を横から⾒ながらの離陸

⾵向き

パイロット

Pターン旋回による⽔平⾶⾏

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11 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

風の強さや向きが常に変わっているので、飛行環境はいつも一定ではありま

せん。環境が変わっても自分の思い描くイメージ通りに飛行させましょう。

機体を一定時間傾けた状態で飛行を続けるときに覚えておきたいことは、

機体が傾いたら、エルロンスティックをわずかにあて舵した後、ニュートラ

ルに戻すということです。

スティックを倒したことで機体が傾いたのですが、傾いた後もさらにステ

ィックを倒し続けると、機体はスパイラル降下に入ってしまいます。

機体の傾き角度を変化させるためにスティック操作をするということを

覚えておきましょう。

もう一つ、覚えておきたいことは、空域のセンターです。

よしもと飛行場では、操縦位置の前方奥に、三角形の森が見えます。

この森を空域センターの目印として捉え、左右等距離のエリアで飛行させま

しょう。

3 ループ

次の飛行コースはループです。ループがこれまでの飛行と違うのは、上向き、

下向きの姿勢がコースの途中にあり、地球の下向き重力の影響を大きく受けると

いうことです。

重力からの影響が変化するときでも、コンパスで描くような真ん丸い縦の軌跡

を描き、しかも、スピードも一定で飛行することが理想です。

このため、上向きの時は、パワーを上げ、下向きの時はパワーを下げることに

よるプロペラのブレーキ効果を生み出す操作が必要となります。

また、エレベータの操作も飛行姿勢に合わせ、タイミングよくコントロール

する必要があります。

エレベータは、円軌跡の底部正面姿勢で機体高度を上げたい時は緩やかにアッ

プ操作をし、円の天頂部背面姿勢で機体高度をまだ下げたくないときは、わずか

なダウン操作をします。

⽔平 360 度旋回

⽔平8の字⾶⾏

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12 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

ループ後半 270 度経過時の機体が下を向いている状態から、正面姿勢に戻る頃に

は、高度をあまり下げたくないので、エレベータアップの操作をします。

以上のように、理想の真円を描く操作は忙しいですが、理論通りに実際の飛行

をするには、たくさんの練習が必要です。

ここではまず、高度 20mで風下から、パワー100%で飛行センターに向かい、パ

イロット手前でエレベータをアップ操作します。

この操作で、初期のループは体験できますから、演技終了時、高度が下がりす

ぎないようにエレベータのアップを忘れないようにしましょう。

風の動きが一定で無い中で、真円を等速で描くことは、とても難しいです。

飛行練習を重ねるごとに空中姿勢の捉え方や、操縦感覚の熟度が増してきますか

ら、反復練習を繰り返し、理想形に近づけていきましょう。

時計の文字盤で、機体の飛行位置を示し、左から右への向かい風で飛行してい

る場合の、具体的なコントロールは、以下の通りです。

高度 10m、パワー80%で風下からセンターに向かって進み、機体がパイロット

の正面に来た時が演技開始です。この位置を 6 時とします。

6 時 :エレベータアップ

4 時半 :パワー100%、エレベータアップを緩めはじめ

1 時半 :エレベータ中立

12 時 :エレベータわずかにダウン、エルロンで傾き修整

10 時半 :エレベータアップを増やし始め、パワーを下げはじめ

9 時 :エレベータアップ、パワー50%

7 時半 :エレベータアップ、パワー上げはじめ

6 時 :エレベータ中立、パワー80%で水平直線飛行に戻ります

ループ

⾵向き

6 時

12 時

3時 9時

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13 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

4 背面飛行

インストラクターが、見本となるフライトを行いますので、飛行姿勢

を注視しながら、コースを理解しましょう。

裏が上の背面(はいめん)飛行に対して、表が上の飛行を、正面(せいめ

ん)飛行と言います。

背面飛行では、正面飛行のときに比べ、ラダーとエレベータのスティッ

ク操作に対して機体は逆の動きをします。エルロンは正面でも背面でも同

じ動きです。

背面時のラダー操作が逆になることで覚えておきたいことは、機体の尾部

をラダーステックで直接曲げるイメージで操作するということです。 正面飛行では、機体の前部をラダーステックで直接曲げるイメージです。 背面飛行で、特に気を付けたいのは、危ない!と思った瞬間、ダウン舵

を打つことです。 背面状態であるにも関わらず、エレベータアップを引くと、たちまち墜

落してします。 初期の背面飛行は、ループを半分行って背面になったところから始め、

長い時間背面状態を維持せず、短時間の背面で操作に慣れ、水平飛行コー

スで反復練習を繰り返し、徐々になじんでいきましょう。 背面状態から正面状態に戻るときは、エルロン操作で戻ります。

背⾯⽔平直線⾶⾏ パイロットからの視座 距離前⽅ 80m、⾼度 80m

背⾯ 45 度上昇⾶⾏ パイロットからの視座 距離右 80m、前⽅ 80m、⾼度 50m

背⾯⽔平直線⾶⾏ パイロットからの視座 距離前⽅ 80m、⾼度 50m

背⾯⽔平直線⾶⾏ パイロットからの視座 距離前⽅ 80m、⾼度 20m

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14 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

5 ロール

ロールは、風下に向かって演技を開始し、始まりから終わりまで一本の直線上

を飛行機が回転しながら、飛行します。

正面、背面姿勢の時は、主翼面積が十分な浮力を生み出しますが、途中の横向

きになったとき(以降、ナイフエッジと言う。)は、胴体側面と、垂直尾翼とタ

イヤしか、浮力を生み出しません。このため、ラダーをエレベータ代わりに使

い、舵角をアップ側にすることで機体が沈まないように操作します。

また、正面姿勢ではエレベータアップ、背面姿勢では、エレベータダウンが、

機体の沈み込みを防ぐ操作になります。

きれいな軸の通ったロールは、機体の姿勢変化を良く観察しながら、ラダー、

エレベータの操作を機体が沈み始めるより前の早めのタイミングで、操作するこ

とが大切で、たくさんの反復練習が必要です。

ここでは、まず、高度20mで風上から、パワー80%で飛行センターに向かい、

パイロット手前50mで頭上げのため、わずかにエレベータアップとし、直後に戻

したのち、エルロン右を打ち、演技を開始します。

そのままのスティック状態を維持し、パイロットの正面で機体が背面姿勢になっ

たら、エレベータダウンだけを追加し、直後に戻します。その後、正面姿勢にな

ったら、わずかにエレベータアップとし、直後に戻しを行い、エルロンも戻し、

水平飛行で演技を終了します。

この操作で、初期のロールは体験できますから、その後、反復練習を繰り返

し、理想形に近づけていきましょう。

パイロットの立ち位置を基準とし、左から右に向かって飛行している場合の、

ラダーも組み合わせた、具体的なコントロールは以下のとおりです。

高度15m、パワー80%で風上からセンターに向かって進み、機体がパイロット

手前50mに来た時が演技開始です。

手前 50m :エルロン右 1/3(終了まで維持)

手前 25m :ラダー左 2/3

(右ナイフエッジ)

パイロットの正面 :ラダー中立、エレベータダウン

(背面姿勢)

通過後 25m :エレベータ中立、ラダー右 2/3

(左ナイフエッジ)

通過後 50m :エルロン中立、ラダー中立

(演技終了)

なお、この演技は、高翼機では翼の機体への取り付け位置がロール回転の中心

になく、しかも、上反角がついている機体が多いので、構造上どうしてもロール

の軸は通りません。

中翼か、低翼機で臨む演技となります。

ロールの演技で、覚えておきたいことは、右ロールのときは、プロポ左側のラ

ダースティック、エレベータスティックを機体の姿勢を見ながら早めに右回りに

滑らかに回すことです。あとは、タイミングと、舵角の調整をして理想形に近づ

けていきましょう。舵の効き遅れがあるので早めの操舵が良い結果を生みます。

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15 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

6 縦ターン

水平飛行から、45度上昇し、180度ロールして背面からのループ、そのままエレ

ベータスティックを引き続けて機体が水平になったら水平飛行に移ります。

ロールの演技に入る前等の飛行ラインを変えたくないときに良く使います。

正式名称は「ハーフリバースキューバンエイト」といいます。

180度ロール開始前正面姿勢での45度上昇とロール終了後背面姿勢での45度上昇が

等距離となるように、意識して練習しましょう。

ロール

縦ターン

⾵向き

パイロット位置

⼿前 50m

⼿前 25m

通過後 25m 通過後 50m

背⾯で 45 度 上昇区間

正⾯で 45 度 上昇区間

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16 岩⽊⼭ラジコン空港株式会社

第6段階 安全な着陸

1 着陸前の場周飛行 この飛行パターンは、着陸接地を行う前の予行演習的なもので、パワ

ーコントロールを行い、緩やかな一定降下角を保ちながら横長の長方形

となる飛行を行います。 具体的には、適度なスピードを保ち、風下(高度40~50m)より滑走路

に近い平行コースを風上方向に飛行し、空域センター付近より徐々に高度

を下げながら150m飛行します。 飛行中心線方向に90°旋回(第1旋回、高度35m)し、横風行程80mを飛行

後、90°旋回(第2旋回)し、風下向きコースを取り300m飛行します。 同じ方向に90°旋回(第3旋回)し、横風行程80mの飛行の後、 終90°旋回(第4旋回)を行い滑走路に機首を向けアプローチします。

2 着陸復行 着陸するつもりで、滑走路に進入アプローチをするが、接地はせず、

滑走路上空で再び、2~3秒かけてフルパワーとし、高度35m以上までま

っすぐに上昇させ、着陸をやり直す飛行パターンの練習です。初期の内

は、パイロット前方滑走路上空の高度は5~10mを目安とします。

反復練習を繰り返し、だんだん高度を下げ、練度を深めていきます。

実際の着陸接地時は、パイロット前方滑走路上に接地点を定め、第4旋

回後は、進入角度3~4度、スロットル30~20%、滑走路端で高度3mを目

標に近づけて来るので、具体的なイメージを持って練習します。

着陸前の場周⾶⾏

300m

80m

⾵向き

第 1 旋回

第 3 旋回

空域センター 第 4 旋回

300m ⾵向き

⾵向き ⾼度 5〜10m

滑⾛路

滑⾛路 第 4 旋回

着陸復⾏

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3 着陸

(1)はじめての着陸

いよいよ着陸です。フライトの 後を締めくくる華麗な着陸をしたいもの

です。

理想的な着陸のシーンをイメージしましょう。

まず、「着陸します」と発声し、周囲に自分の意思を伝えます。

第2旋回地点高度約35m、わずかなエレベータアップで、降下角度3~4度程

度で一定の高度降下を継続するようにスロットル60~40%でコントロールし、

その状態を保持したまま第3旋回し、第4旋回地点で、パイロットから距離150

m、高度10m、スロットル30~10%、滑走路上空への進入降下角度3~4度程度

を継続し、高度を徐々に下げて機体を持ってきます。

機体の安定度や安全確認が十分であれば、飛行場内滑走路端で高度3mを目

標に進入し、モーターパワーを スローとし、水平滑空状態をつくり、機首が

沈み込んできた時点から小さなエレベータアップで進入角を保持します。そし

て接地直前にさらなるエレベータアップを足してわずかに機首上げ姿勢をつく

り、(機速を減速するための操作です。機体高度を上げることはしません)初

めての着陸を行います。

着陸に不安が有ったら、無理に接地しないで、着陸復行します。

着陸を1回で決めようとすると、高い高度からでも、無理に高度を下げてき

て、まだ相当なスピードがあるにもかかわらず、とにかく着地させてしまう場

面をたまに見ますが、これは地面への激突と言ってよく、機体が悲鳴を上げて

しまいます。

接地後は、ラダーコントロールでまっすぐ滑走させ、機体が停止したら、

フライト終了です。

「飛行終了」と発声し、気分良く締めくくりましょう。

(2) 美しい着陸をしましょう はじめての着陸を経験すると、大きな自信になり、飛ばすことがさら

に楽しくなるものです。

⾵向き

接地

停⽌

着陸

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次は、ランディングアプローチ~接地滑走~再び離陸(タッチ&ゴー)を繰り返し練習して、常に美しい着陸をするための練習をします。

特に接地時におけるエレベータコントロールでのフレアー、パワーを上

げ、滑走している間の方向コントロールを入念に行います。

(3) 美しい着陸を数値的に表す

美しい着陸の 終的な目標は、滑走路中央半径15m円内(目安)に安全な速

度と滑らかな角度で進入、接地し、その後も直進し、停止することです。

第1旋回から接地までの距離、高度等の目安は以下のとおりです。

(風の条件や、技量の練度等によって変わってきます。)

第1旋回 第2旋回 第3旋回 第4旋回 滑走路端 接地 位置(m) 610 530 230 150 40 0 距離(m)

35 35 15 10 3 0 高度(m) 80~70 60~40 30~10 0 パワー(% ) 3 ~4 3~0 降下角(度)

タッチアンドゴー(横)

⾵向き

滑⾛路

フレアー

パイロット

⾵向き 半径 15m円内 への接地

滑⾛路

停⽌

タッチアンドゴー(上)

接地直前で フレアー

着陸時の距離、⾼度等の⽬安

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(4) 着陸後のマナー

接地後も、飛行機が止まるまでは、横風であおられないよう、エルロン

とラダーでまっすぐ進め、スピードが落ちてきたら、前のめり防止のためエ

レベータはフルアップにしましょう。

機体が停止したら、速やかに機体回収に向かい、機体側安全スイッチを

OFF、続いて送信機のスイッチもOFFとし、その後、フィールドハウスま

で機体と送信機を持って行きましょう。

第7段階 うまく飛ばすためのコツ

1 機体への反応を途切れさせない

ほんのわずかな舵をこまめに打ち、機体をコントロールし続けましょ

う。自分の意思と逆の方向に傾いたらすぐにその逆に打つということに早

く慣れることが重要で、「姿勢変化にできるだけ早く気付いて打つ」こと

がコツです。そのためにはスティックから常に指を離さないように習慣づ

けることです。そうすることにより直前に打った舵の方向の感触が指に残

り、次への操縦反応を早くさせることが出来るようになります。

2 飛行ルートを決めて飛ばす

漫然と飛ばすより、フライトプランで決めたルートどおりに飛ばしまし

ょう。

飛行ルートをイメージしながら練習することは、集中力を高めます。

これをするのとしないのでは覚える早さが違ってきます。

3 着陸は、エレベータコントロールに細心の注意を払う

ラジコン飛行機を飛ばすときは、穏やかな日ばかりではなく、風が強い

ときや思わぬ突風が吹くときもあり、万が一機体が着陸寸前であおられて

も「機体への反応を途切れさせない」ことを身に付けることで、勝手に指

が反応するようになることは、前述したとおりですが、特に着陸のとき

は、接地するまではエレベータ操作に細心の注意を払い、コントロールを

しましょう。わずかなアップを打ち続けることによって、失速を回避し、

出来るだけ遅いスピードで着陸することが可能になります。

4 着陸は、1度で決めようとしない

「着陸します」と宣言したからと言って、必ず着陸しなければならない

ということは有りません。

着陸復行は、風等の変化によりどんなベテランにでもありうることです。

進入コース・高度・スピード共に一番うまくいった時に着陸させれば良

いので、決して無理に降ろさないで2~3回トライをするつもりで着陸させ

ましょう。

また、着陸態勢に入ったらエレベータのダウンは禁物です。着陸スピー

ドが速くなってしまい、滑走路をオーバーランしてしまうリスクが高まり

ます。躊躇しないで着陸復行をしましょう。

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5 地面降下を感じる

地面に近づき高度が1mを切るあたりから徐々に地面効果が感じられる

ようになってきます。

この辺からエレベータのフレアーをかけ始めるようにしますが、決して

沈下を完全に止めてしまわないように、また再上昇はさせないようにしま

しょう。

地面効果を受けるようになると、失速を起こしにくくなり、地上30~

40cmまで来ると、より低速でも機体が安定してきます。

この地面降下を感じることで、さらなるフレアーを足し、美しくソフト

ランディングさせることが出来るようになります。

6 向かい風が強いときの着陸

向かい風が強いときでも、いつもの第4旋回の位置・高度から風に負け

ないようにスロットルを高めにして、いつもの降下角度で滑走路に持って

くるという考えは、良い考えではありません。常に風の状況を考慮して着

陸させることが大切です。

風が強い時は、失速を怖がるあまり、対地速度を落とせず、スロットル

が高いまま着陸してしまいがちです。

強い向かい風は、飛行機に対する対気速度が速くなり、浮きやすくな

り、なかなか降りて来ません。

こんな時はどうしたら良いのでしょうか・・・

風が強いときは第4旋回の位置を普段より近くし、降下角度を強くする

ことがより安全な着陸につながります。

一例として、第4旋回の位置を150m➡80mと近くし、普段よりエレベー

タのアップ量を強くします。仰角が増え、対地速度が落ちるにも関わら

ず、翼に当たる風は強く、失速を起こしにくい状況となっています。降下

角度を3度程度➡6度程度となるようにイメージし、この状態でスロットル

を下げると一気に降下してきます。

機体の前進速度は風が強いほど落ちますから普段より短距離での着陸と

なります。

エレベータの引きすぎは失速しますから、着陸の前に一度、上空で、

スロットル、エレベータ、降下角度の加減を試すと良いです。

飛行機によっては、頭を上げて、失速に至らないようにコントロール

し、ホバリング状態で飛行できるものもあり、この現象を積極的に利用す

る演技も有ります。

ホバリング⾶⾏(コブラ)

⾵向き

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7 横風での着陸

横風での着陸は、1番難しい着陸となります。

2種類の着陸があります。

1例として、風が、滑走路に対して、左斜め10時30分方向から吹

いている場合は、以下のとおり操縦します。

(1) 左エルロンで機体が風下に流されない程度に左翼を下げて進入し、機体

が左旋回しない程度の右ラダーを打ち、機首を滑走路の方向に向けた姿勢

のまま、スロットルとエレベータ操作で高度降下を続け接地します。

(ウィングロー)

エルロン :左➡接地直前に左舵角を弱める

主翼 :左下がり➡接地直前に左下がり角度を弱める

ラダー :右➡接地直前に右舵角を弱める

機首 :滑走路と平行

この方法のデメリットは速度が落ちにくく、スピードが落ちないままの

着陸となりがちで、主翼端が地面を擦りやすいことです。

接地直前のエルロン操作で回避します。

ウィングロー

⾵向き 滑⾛路

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(2) 進入初期の時点で、ラダー左、エルロン右とし、機首を10時30分、

機体を水平の姿勢としたら、各舵を弱め、その姿勢を維持するように細か

くコントロールし、進入を継続します。そのままスロットルとエレベータ

操作で高度降下を続け、接地直前にラダー右で機首を滑走路方向に向け、

接地します。(クラブ)

機首 :10時30分

エルロン :右➡接地直前に左(横風で風下に流されない程度)

主翼 :水平

ラダー :左➡接地直前に右(機首を滑走路に向ける程度)

この方法のデメリットは、機体進行方向と機体の向きが合わないまま進

入してくるので、脚を壊しやすいことです。

接地直前のラダー操作で回避します。

どちらの方法も風の状況、機体の動きを良く見て、姿勢を大きく崩さない

ように各舵をコントロールすることが必要です。

どちらが良いということでは無く、状況に応じて、併用できるように練習

を繰り返しましょう。

風が強いとき等は両方を組み合わせ、クラブで進入し、滑走路近くになっ

たらウィングローで接地するのも有りです。

クラブ

滑⾛路 ⾵向き