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LNG10 25西14002020LNG17 Montney Kitimat LNG CANADA 日本・ アジアへ 670km をパイプラインで結ぶ 西カナダ シェールガス 埋蔵エリア 採掘 液化 LNGカナダプロジェクト シリーズ第 3 回 キティマット モントニー 調50 三菱商事グループが世界中で取り組む事業とそこで奮闘する社員を紹介するシリーズ。第3回はシェー ルガスの本場・カナダで、日本などアジア市場に向け液化天然ガス(LNG)の長期安定供給を目指す大 規模プロジェクト「LNGカナダ」にフォーカスする。国籍が異なる5企業の合弁会社を取りまとめ、事 業展開をけん引する山本仁の挑戦を取材した。 カナダ産シェールガスを日本へ LNG を両国の新しい懸け橋に 沿使CareforPeople16 調調8000バンクーバーで行われた署名式にはトルドー首相も出席 10 顔を突き合わせたコミュニケーションを重視する カルガリー 三菱商事がカナダで展開する LNG プロジェクトのイメージ LNG 加工プラント完成予想図 企画・制作=日本経済新聞社クロスメディア営業局 広  告 このシリーズ広告企画は日経電子版でもご覧いただけます。  http://ps.nikkei.co.jp/mc2018/03.html

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Post on 10-Jul-2020

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ぶLNG事業の経験を生かして進

めてきたプロジェクトが今秋本格

的に始動した。

 

10月2日、三菱商事、シェル、

マレーシア・中国・韓国の国営エ

ネルギー企業の5社が共同出資す

るLNGカナダディベロプメント

社(LNGカナダ)が最終投資決

定を発表、カナダ西海岸ブリティッ

シュ・コロンビア州のキティマッ

トに年間1400万㌧の生産能

力を持つLNGプラントを建設し、

2020年代半ばから日本などア

ジアを中心に輸出開始を目指して

いく。

 

三菱商事は内陸のモントニーで

採掘した天然ガスをパイプライン

でキティマットに輸送、LNGに加

工して日本へ輸出する。LNGカ

ナダには山本仁が経営陣の一人と

して出向している。

 

山本は三菱商事

に入社後、LNGの

配船や売買契約仲

介、新規顧客開発、

探鉱開発と、LN

Gビジネスの下流

から上流まで6年

間かけて携わった。

その後、一度会社

を離れるが、「やは

りLNG事業を

通じて社会に貢献

したい」と再入社。

17年2月にLNG

カナダ本社のある

カルガリーに赴任

した。

Montney

Kitimat

LNG CANADA

日本・アジアへ

670kmをパイプラインで結ぶ

西カナダシェールガス埋蔵エリア

採掘

液化

LNGカナダプロジェクト

シリーズ第 3回

キティマット

モントニー

 

持続可能な社会の構築に向け、

エネルギー供給の多様化を求める

機運が地球規模で高まる中、より

二酸化炭素(CO2)排出量の少

ない化石燃料として世界的に長期

の需要の伸びが期待できる天然ガ

ス。そんな中、新たな調達先とし

て三菱商事が着目したのが、カナ

ダのシェールガスだ。約50年に及

 

カナダ最大規模のLNG輸出

 

プロジェクトが本格始動

 三菱商事グループが世界中で取り組む事業とそこで奮闘する社員を紹介するシリーズ。第3回はシェー

ルガスの本場・カナダで、日本などアジア市場に向け液化天然ガス(LNG)の長期安定供給を目指す大

規模プロジェクト「LNGカナダ」にフォーカスする。国籍が異なる5企業の合弁会社を取りまとめ、事

業展開をけん引する山本仁の挑戦を取材した。

カナダ産シェールガスを日本へLNGを両国の新しい懸け橋に

とプラント建設に関して百戦錬磨

の人材が集結する社内で、そうし

た人材を束ね、計画に沿って事業

を推進していく役割だ。「複数の

拠点に散らばる人たちをつかまえ

て話をするのが結構大変」と語る。

機能別に世界中に分かれている拠

点の間で、距離と時差を超えて迅

速にコミュニケーションを取り、

プロジェクトを円滑に進める必要

があるからだ。同僚から「ジンは

いつも走り回っている」といわれ

る山本は、メールやチャットを駆

使しながらも、対面コミュニケー

ションを心がける。

 「社内では〝Care 

for

People〟ということを特に

大切にしていて、私自身も可能な

限り顔を突き合わせ、スタッフの

表情の変化からも、困っているこ

と、滞っていることがないかなど

のサインを見逃さないように心が

けています」

 

カリッツCEOも「ジョイント

ベンチャーではパートナー企業同

士が連携し、チームとして仕事を

することがとても重要。ジンはよ

い関係を築きながら5社共通の目

的を目指す上で欠かせない存在だ」

と評価する。

 

実は山本が赴任する前の16年に

プロジェクトは油価下落などで最

終投資決定が延期された。しかし

このプロジェクトは、シェールガ

ス革命で米国への資源輸出が減少

するカナダにとっても、新たな輸

出先を確保するための重要な事業。

国や地元の熱意と支援、およびL

NGの需要拡大がもたらす長期に

わたる収益性が評価され、満を持

して最終投資決定に至った。

 

限られた人員の中、調査、資料準

備、プロジェクト株主との調整な

どに明け暮れる日々を送っていた

山本は、投資決定の報に、「ようや

くスタートラインに立った。プラ

ント建設が始まるこれからが勝負。

スケジュール、予算通りに生産・

輸出が始まるまでは気が抜けない」

とコメントしながらも笑顔を見せ

た。

 

山本のポジションは、資源開発

■取材を終えて

 

空港から森の中の道を1時

間、人口8000人の町、キ

ティマットに着く。プロジェ

クトには大勢の市民が関わる。

歓迎の意を込めて行われた祭

りのにぎわいに期待を肌で感

じた。カナダのインフラ事業

では先住民の理解が不可欠で、

記者会見で「子ども、ひ孫の

分まで代弁して感謝する」と

先住民の長が述べた言葉に山

本さんは大いに力づけられた

という。カナダ産のLNGが

海を越え、我々のライフライ

ンとなる日に思いをはせた。

 

カナダの新産業発展に寄与し

 

日本のエネルギー安定供給へ貢献

バンクーバーで行われた署名式にはトルドー首相も出席

 

10月以降、プロジェクトは一気

に動き出している。プラント建設

工事はすでに始まり、パイプライ

ン敷設工事も着々と進む。1カ月

で社員は倍に増えた。LNG生産

ラインが稼働すれば、当面は年間

約210万㌧が日本に輸出される

予定だ。

 「このプロジェクトは日本のエネ

ルギー安定供給に資するだけでな

く、長期にわたって地元経済の基

盤となり、カナダの国益にもかな

うもの。遅滞なく実現に導かなく

てはならない。会社がどんどん拡

大、変化していく中でのかじ取り

がますます重要だ」と山本。

 

高校時代までを米国で生活した

山本は、日本人としてのアイデン

ティティーを大事にしたいと大学

時代を日本で過ごし、「資源ビジネ

スを通じて、日本や世界に貢献し

たい」と三菱商事を志望した。こ

の事業を手掛けることで「日本と

カナダの懸け橋になりたい」と力

を込める。

 

さらに「新興国ではまだまだ石

炭火力発電が主流。将来的にその

エネルギーをLNGに替える手伝

いができればうれしい。これから

先の地球もまだまだいいところで

あってほしい」と夢を語る。山本

の挑戦が尽きることはなさそうだ。

顔を突き合わせたコミュニケーションを重視する

カルガリー

 

経営陣唯一の日本人として出向

 

多国籍の専門人材を結ぶ

三菱商事がカナダで展開する LNGプロジェクトのイメージ

LNG加工プラント完成予想図

企画・制作=日本経済新聞社クロスメディア営業局広  告このシリーズ広告企画は日経電子版でもご覧いただけます。 http://ps.nikkei.co.jp/mc2018/03.html