プロ野球の経済分析

中京大学 増田ゼミ

NPB一般社団法人日本野球機構（Nippon Professional Baseball Organization）の略。

日本では主にこの日本野球機構が統括するものを「プロ野球」という。

セントラル・リーグ及びパシフィック・リーグを統括している。

NPBセリーグ

パリーグ

セントラル・リーグ（Central League）正式名称は日本プロ野球組織セントラル・リーグ運営部

通称セ・リーグ

1950年結成

加盟している球団は以下の6球団

球団名 保護地域 本拠地球場

読売ジャイアンツ 東京都 東京ドーム

東京ヤクルトスワローズ 東京都 明治神宮野球場

横浜DeNAベイスターズ 神奈川県 横浜スタジアム

中日ドラゴンズ 愛知県 ナゴヤドーム

阪神タイガース 兵庫県 阪神甲子園球場

広島東洋カープ 広島県 MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

パシフィック・リーグ（Pacific League）正式名称は日本プロ野球組織パシフィック・リーグ運営部

通称パ・リーグ

1950年結成

加盟している球団は以下の6球団

球団名 保護地域 本拠地球場

北海道日本ハムファイターズ 北海道 札幌ドーム

東北楽天ゴールデンイーグルス 宮城県 楽天koboスタジアム宮城

埼玉西武ライオンズ 埼玉県 西武プリンスドーム

千葉ロッテマリーンズ 千葉県 QVCマリンフィールド

オリックス・バファローズ 大阪府 京セラドーム大阪

福岡ソフトバンクホークス 福岡県 福岡ヤフオク!ドーム

球団の分布地方名 球団数

北海道・東北 2

関東 5

中部 1

関西 2

中国・四国 1

九州・沖縄 1

関東地方に多い

人口と比較

人口500万人以上の都道府県

宮城県・広島県

球団1つあたりの人口球団1つあたりの人口を見てみると・・・

最も多いのが中部地方(中日)

最も少ないのが北海道・東北地方(日本ハム、楽天)

地方名 人口(人) 球団数球団1つあたりの人口(人)

北海道・東北 14,364,540 2 7,182,270

関東 43,829,961 5 8,765,992.2

中部 20,625,480 1 20,625,480

関西 22,541,298 2 11,270,649

中国・四国 11,283,571 1 11,283,571

九州・沖縄 14,449,895 1 14,449,895

合計 127,094,745 12 10,591,228.75

球団1つあたりの人口最も多いのは、東京都(巨人・ヤクルト)

ただし2球団なので半分にすると異なる

その場合は神奈川県(横浜)

都道府県名

球団 人口都道府県名

球団 人口

北海道日本ハ

ム5,381,733 愛知県 中日 7,483,128

宮城県 楽天 2,333,899 大阪府オリック

ス8,839,469

埼玉県 西武 7,266,534 兵庫県 阪神 5,534,800

千葉県 ロッテ 6,222,666 広島県 広島 2,843,990

東京都巨人・ヤクルト

13,515,271 福岡県ソフトバンク

5,101,556

神奈川県

横浜 9,126,214 東京都巨人orヤクルト

6757635.5

人口が多い 観客が多い？

観客動員数の推移(セリーグ,2015)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

広島 巨人 中日 ヤクルト 阪神 横浜

観客動員数の推移(パリーグ,2015)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

楽天 オリックス 西武 日本ハム ソフトバンク ロッテ

1試合あたりの観客動員数

広島 巨人 中日 ヤクルト 阪神 横浜

30453.44 44636.19 28923 23,628 41,096 25,976

楽天 オリックス 西武 日本ハム ソフトバンク ロッテ

21,417 24,794 22,585 27,770 35,842 18,620

ここまでのまとめ人口が多いところに球団は存在する。

必ずしも人口が多いほど観客動員数が多いとは限らない。

次に

1年の中で観客動員数の増減が見られる。

観客動員数がどんな要因により変化するかを検証した。

テーマ

「プロ野球の経済分析」として、観客動員数の決定要因について、回帰分析を行うことで考察する。

説明変数として、曜日、試合が行われた時間（デーゲームorナイトゲーム）、最高気温を使用する。

回帰分析を行う上で、各球団ホームゲームのみの観客動員数を使用した。

ホームゲームの定義は、各球団の本拠地球場のみとする。地方球場は含まない。

データは２０１５年のものを使用する。

仮説

観客動員数は曜日、時間、気温、によって変化が見られるのではないか

曜日

曜日別の観客動員数を説明変数として日曜日を基準に、回帰分析を行った。

曜日（セリーグ）

-16.0%

-14.0%

-12.0%

-10.0%

-8.0%

-6.0%

-4.0%

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

火 水 木 金 土

セリーグ

係数 t 火 -10.6% -3.73水 -14.4% -5.24木 -14.6% -4.88金 -3.3% -1.14土 1.6% 0.67

曜日（パリーグ）

係数 t 火 -12.3% -2.67水 -14.6% -3.33

木 -13.4% -2.61金 -2.9% -0.61土 1.8% 0.50

-16.0%

-14.0%

-12.0%

-10.0%

-8.0%

-6.0%

-4.0%

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

火 水 木 金 土

パリーグ

比較

-16.0%

-14.0%

-12.0%

-10.0%

-8.0%

-6.0%

-4.0%

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

火 水 木 金 土

セ パ

両リーグとも同じような傾向が見られる。

結果

火、水、木曜日はt値が絶対値２以上なので日曜日と比較して減少の幅が大きい。

金、土曜日はt値が絶対値２以下なので変化の幅が小さい。

セリーグ、パリーグともに同じような傾向が見られた。

阪神タイガース

係数 t 火 -17% -4.30375水 -20% -5.0241木 -29% -6.61558金 -5% -0.94397土 -1% -0.27959

気温

試合の行われた日の最高気温を

～１５度、１５～２０度、２０～２５度、２５～３０度、３０度～

の５つに分け２０～２５度を基準として分析を行った。

気温（セリーグ）

係数 t ～１５ -15.8% -3.62１５～２０ -0.9% -0.27２５～３０ 2.8% 1.48３０～ 6.7% 3.03

-20.0%

-15.0%

-10.0%

-5.0%

0.0%

5.0%

10.0%

～１５ １５～２０ ２５～３０ ３０～

気温（パリーグ）

係数 t ～１５ -1.9% -0.33１５～２０ -1.3% -0.28２５～３０ 10.4% 3.42３０～ 21.3% 5.83 -5.0%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

～１５ １５～２０ ２５～３０ ３０～

比較

-20.0%

-15.0%

-10.0%

-5.0%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

～１５ １５～２０ ２５～３０ ３０～

セリーグ

パリーグ

結果

パリーグは基準より下の気温でも観客動員数の変化があまり見られないが、セリーグでは15度未満で大きく観客動員数が減少している。

基準よりも高い気温ではセリーグ、パリーグともに観客動員数が増える傾向が見られた。

時間（ナイトゲーム基準）

係数 t パ（デーゲーム） 20.5% 5.75セ（デーゲーム） 5.5% 2.32

ナイター率

デー ナイター ナイター率

平日 休日 平日 休日 平日 休日セリーグ 25日 238日 367日 149日 93.6% 38.5%パリーグ 44日 318日 346日 66日 88.7% 17.2%

結果

セリーグ、パリーグともにナイトゲームよりデーゲームの方が観客動員数が多いという結果になった。

その要因はデーゲームは休日に行われることが多く、休日の方が平均的に観客動員数が多いという点だと考えられる。

まとめ

観客動員数がとても多い

セリーグ・パリーグともに 土曜日で気温30度以上のデーゲーム

観客動員数がとても少ない

セリーグ 水、木曜日で気温15度未満のナイトゲーム

パリーグ 水曜日で気温20度未満のナイトゲーム

まとめ

今回分析した曜日、時間、気温はどれも観客動員数に影響を与えていることがわかった。

セリーグ、パリーグで同じような傾向になることが多かったが、その影響の大きさに違いが見られるところもあった。

参考http://npb.jp/statistics/ 日本野球機構

http://sports.yahoo.co.jp/ スポーツナビ

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php 気象庁

http://www.giants.jp/top.html 読売巨人軍公式サイト

http://www.yakult-swallows.co.jp/ 東京ヤクルトスワローズ公式サイト

http://www.baystars.co.jp/ 横浜DeNAベイスターズ公式サイト

http://dragons.jp/ 中日ドラゴンズ公式サイト

http://hanshintigers.jp/ 阪神タイガース公式サイト

http://www.carp.co.jp/ 広島東洋カープ公式サイト

http://www.softbankhawks.co.jp/ 福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト

http://www.fighters.co.jp/ 北海道日本ハムファイターズ公式サイト

参考http://www.marines.co.jp/ 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト

http://www.seibulions.jp/ 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト

http://www.buffaloes.co.jp/ オリックス・バファローズ公式サイト

http://www.rakuteneagles.jp/ 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/ 統計局ホームページ/平成27年国勢調査