ソフトウェア設計・開発 (春学期 2単位) 辻 光宏 ·...

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─ 213 ─ 関西大学総合情報学部 授業計画 2015 〈C〉 ソフトウェア設計・開発 (春学期 2単位) 辻 光宏 ■授業概要 よいソフトウェアとはどのようなものか、いかに してよいソフトウェアを開発するか、ソフトウェア の運用と保守はどうするかなど、企業の情報システ ムにおけるソフトウェア設計・開発に関する問題点 は多い。将来、ソフトウェア開発に携わる学生を対 象に、この問題に取り組むソフトウェア工学の考え 方を紹介し、最近の現場でのソフトウェア開発手法 について、ユーザ要求分析からデザイン・テストま での手順について紹介する。 また、モデ脳、UML、開発環境、ネットワーク を取り巻くサービス指向、アジャイルなど、ソフト ウェア開発に関する注目される技術を紹介する。ソ フトウェア技術に関するセミナーも補講として計画 中である。 ■到達目標 ソフトウェア開発での、要求分析からデザイン・ テストまでの手順を理解する ■授業計画 それぞれのテーマを数回に分けて説明する場合も ある。 ・ソフトウェア開発の流れ(従来型、オブジェク ト指向、アジャイル) ・ソフトウェアのモデリング(モデ脳など) ・要求の分析(データフローダイアグラム、 UML アクティビティ図) ・ソフトウェア要求とユースケース ・モジュールとオブジェクト指向 ・ソフトウェアのデザイン(UML シーケンス図、 UML クラス図) ・注目される IT 技術概論 ・Java のソフトウェア開発環境 Eclipse など ・デザインパターンとフレームワーク ・ネットワーク技術(サーバーサイド Java、RIA、 サービス指向、クラウド) ・ソフトウェアテスト(テスティングフレーム ワーク、JUnit) ・アジャイル型開発のフレームワーク(スクラム、 リーン) ■授業時間外学習 授業資料、教科書、ノートを読み返し、授業内容 の理解に努めるよう復習をすること。 ■成績評価の方法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評 価する。 定期試験(70%)レポート(30%)の割合で評価 する。 ■成績評価の基準 ソフトウェア開発の流れを理解し、UML ダイア グラムを読み取れ、開発プロジェクトの運用方策を 理解すること。 ■教科書 適宜、プリントを配布する。 ■参考書 『かんたん UML 入門』(技術評論社)竹政昭利 ほ か 2013 『基礎からはじめるUML2.4』(ソーテック社)テク ノロジックアート 2013 『ソフトウェア工学』(岩波書店)有沢誠 1988 『オブジェクト指向のこころ』(丸善出版)アラン・ シャロウェイ、ジェームズ・R・トロット 2014 『Gradle 徹底入門』(翔泳社)綿引琢磨、須江信洋、 林政利 2014 『アジャイルソフトウェア要求』(翔泳社)Dean Leffingwell 2014 『エッセンシャル スクラム』(翔泳社)Kenneth Rubin 2014 『アジャイル開発とスクラム』 (翔泳社)ジェフ・ゴー セルフ 2013 『カンバン ソフトウェア開発の変革』(リックテレ コム)David J. Anderson 2014 『リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザ イン』(オライリージャパン)J. Rasmusson 2014 『新装版 リファクタリング─既存のコードを安全 に改善する─』(オーム社)Martin Fowler 2014 上記以外にも講義中に紹介する。 ■備考 プログラムのフローチャートを作成できる程度の ソフトウェアに関する知識を前提とする。 さらに、「プログラミング方法論」「オブジェクト 指向プログラミング(Java)」を履修していること が望ましい。 Software Analysis and Design

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Page 1: ソフトウェア設計・開発 (春学期 2単位) 辻 光宏 · ムにおけるソフトウェア設計・開発に関する問題点 は多い。将来、ソフトウェア開発に携わる学生を対

─ 213 ─

関西大学総合情報学部 授業計画 2015

〈C〉ソフトウェア設計・開発 (春学期 2単位) 辻 光宏

■授業概要 よいソフトウェアとはどのようなものか、いかにしてよいソフトウェアを開発するか、ソフトウェアの運用と保守はどうするかなど、企業の情報システムにおけるソフトウェア設計・開発に関する問題点は多い。将来、ソフトウェア開発に携わる学生を対象に、この問題に取り組むソフトウェア工学の考え方を紹介し、最近の現場でのソフトウェア開発手法について、ユーザ要求分析からデザイン・テストまでの手順について紹介する。 また、モデ脳、UML、開発環境、ネットワークを取り巻くサービス指向、アジャイルなど、ソフトウェア開発に関する注目される技術を紹介する。ソフトウェア技術に関するセミナーも補講として計画中である。

■到達目標 ソフトウェア開発での、要求分析からデザイン・テストまでの手順を理解する

■授業計画 それぞれのテーマを数回に分けて説明する場合もある。

・ソフトウェア開発の流れ(従来型、オブジェクト指向、アジャイル)

・ソフトウェアのモデリング(モデ脳など)・要求の分析(データフローダイアグラム、

UML アクティビティ図)・ソフトウェア要求とユースケース・モジュールとオブジェクト指向・ソフトウェアのデザイン(UML シーケンス図、

UML クラス図)・注目される IT 技術概論・Java のソフトウェア開発環境 Eclipse など・デザインパターンとフレームワーク・ネットワーク技術(サーバーサイド Java、RIA、

サービス指向、クラウド)・ソフトウェアテスト(テスティングフレーム

ワーク、JUnit)・アジャイル型開発のフレームワーク(スクラム、

リーン)

■授業時間外学習 授業資料、教科書、ノートを読み返し、授業内容の理解に努めるよう復習をすること。

■成績評価の方法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。 定期試験(70%)レポート(30%)の割合で評価する。

■成績評価の基準 ソフトウェア開発の流れを理解し、UML ダイアグラムを読み取れ、開発プロジェクトの運用方策を理解すること。

■教科書 適宜、プリントを配布する。

■参考書『かんたん UML 入門』(技術評論社)竹政昭利 ほか 2013

『基礎からはじめる UML2.4』(ソーテック社)テクノロジックアート 2013

『ソフトウェア工学』(岩波書店)有沢誠 1988『オブジェクト指向のこころ』(丸善出版)アラン・シャロウェイ、ジェームズ・R・トロット 2014

『Gradle 徹底入門』(翔泳社)綿引琢磨、須江信洋、林政利 2014

『アジャイルソフトウェア要求』(翔泳社)Dean Leffingwell 2014

『エッセンシャル スクラム』(翔泳社)Kenneth Rubin 2014

『アジャイル開発とスクラム』(翔泳社)ジェフ・ゴーセルフ 2013

『カンバン ソフトウェア開発の変革』(リックテレコム)David J. Anderson 2014

『リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン』(オライリージャパン)J. Rasmusson 2014

『新装版 リファクタリング─既存のコードを安全に改善する─』(オーム社)Martin Fowler 2014 上記以外にも講義中に紹介する。

■備考 プログラムのフローチャートを作成できる程度のソフトウェアに関する知識を前提とする。 さらに、「プログラミング方法論」「オブジェクト指向プログラミング(Java)」を履修していることが望ましい。

Software Analysis and Design