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新オンライン申請システム研修 平成22年12月12日

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新オンライン申請システム研修

平成22年12月12日

鈴 木 一 也

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目 次

1、新システム導入までの今後のスケジュールと留意点 ・・・・・・・・・・・・・ 1

2、事前準備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

新システム利用のためのパソコンに求められる要件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

システムのチェック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

OS の乗り換えもしくはパソコンの買い替え ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

新システム導入に際して必要になりそうな周辺機器・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

.NET Framework のチェックとインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

申請用総合ソフトのダウンロードとインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

3、操作実務編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

申請用総合ソフトの起動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

処理状況表示画面 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

初期設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

不動産登記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

申請書の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

ファイルの添付 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

電子署名の付与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

申請書の送信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

送信後の処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

商業法人登記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48

付随的な作業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

データのバックアップと復元 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53

申請用総合ソフトやシステムがハングアップしてしまったら・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

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1

1、新システム導入までの今後のスケジュールと留意点

2011年1月17日(月) 申請用総合ソフト正規版の配布開始

新システムホームページの開設

申請者登録の受付開始

*現在配布されている「体験版」で作成した申請書様式は、(書き出し→取り込みの機能を使

っても)正規版で使うことはできないので注意してください。具体的には、張り切って新

システム対応の自分用の申請書様式を体験版を使って作成しても、すべて無駄になってし

まうということです。

*申請者登録は、新システム用のIDとパスワードを登録して行ないます

IDやパスワードは、現行システムで使用しているものが引き継がれるわけではありま

せん。現行システムとまったく同じIDを使いたい場合も、改めて登録しなければならず、

その際、他人が登録済のIDと同一のIDは登録できません。すなわち、新システムで誰

かに先を越されるとそのIDを使うことはできなくなります。したがって、なるべく早く

登録を済ませるべきでしょう。

2011年1月29日(土) 第3回埼玉司法書士会新オンラインシステム研修

このときには、詳しい操作方法だけでなく、正規版でなお残っているバグ(と思われる

不備)や、見つけることができた代替策、より適した使用法など、細部にわたって紹介す

る予定です。今回は、まだ体験版(ソフトウェアとしては開発途中で、バグがつぶされて

いない部分が多々ある)で、細かいところにこだわっても仕方ないので、気楽な気持ちで

見てください。今回の主眼はむしろ、「どのような準備が必要か」です。

2011年2月14日(月) 新システム稼動開始

受付代行システムの稼動準備完了

オンライン処理申出様式の送付

*2011年2月10日(木)午後5時15分をもって、現行システムにおける不動産登記、商

業法人登記、動産譲渡登記、債権譲渡登記、供託に関する申請の受付は終了し、新システ

ムは2011年2月14日(月)午前8時30分から稼動を開始します。その間、特に、2月

10日午後5時15分から午後8時までの間は、不動産登記、商業法人登記、動産譲渡登

記、債権譲渡登記、供託に関する申請はできませんので、注意してください。

*現行システム事件の取り扱い

(1)登記が完了している事件

この場合、公文書のダウンロード等は当面できるようです。具体的には、

既にアップされている登記完了証及び登記識別情報通知の取得 平成23年3月31日まで

現行システムで登記が完了している事件に係る登記識別情報通知

のダウンロード請求

平成23年3月15日まで

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これによってアップされた登記識別情報通知の取得 平成23年3月31日まで。

現行システムで受け付けられた動産譲渡登記及び債権譲渡登記の

電子登記事項概要証明書及び電子登記事項証明書の取得

取得が可能となった日の翌

日から90日間

現行システムによる、不動産登記、商業法人登記、動産譲渡登記、

債権譲渡登記の処理状況確認

「手続終了」、「却下」、「取下」

になったときから14日間

とされています(ただし、日付は調整中とのこと)。

(2)未済事件の取り扱い

現行システム稼動中に処理が完了しなかった事件については、処理状況確認画面におい

ては「却下」と表示されます。しかし、これは登記法上の却下ではなく、オンライン申請

システムから却下されるだけで、申請自体は書面申請として維持されると説明されていま

す(ただし、細目は今なお不明)。このような未済事件を新システムにおけるオンライン申

請事件として維持されることを希望する場合には、「オンライン処理申出様式」を送信する

必要があります。

「オンライン処理申出様式」とは、現行システムで申請し、新システム稼動開始前に完

了していなかった事件について、新システム上でのオンライン申請事件として維持しても

らうために送付を求められる特別な申請書様式のことです。具体的には、登記所に受付年

月日と受付番号を知らせて、オンライン申請として維持してもらうための申出(3ページ

参照)です。正直なところ、この程度のことが、自動的にできないものとかと思いますが、

「泣く子と役所には勝てない」ので、当局が出来ないというのであれば仕方がないでしょ

う。

この手続を取った結果、オンライン申請として維持される現行システム上の事件は、新

システムで受け付けられた事件と同様、オンラインでの補正・取下や公文書のダウンロー

ドが可能となります。なお、システム切り替えに際してこの申出が許されるのは稼動初日

の1日限りなので、オンライン申請として維持されることを希望する方は、忘れずにこの

申出書を送信しなければなりません。そのためにも、稼働日前に関連ソフトのインストー

ルと、基本的な操作方法は覚えておいてください。

なお、この仕組みは、通信障害が発生して受付代行システム宛に送信したときに、本シ

ステムが復旧した後にも必要となる(つまり、自動的に本システムに対する申請になるわ

けではない)手続なので、覚えておく必要があります(この場合、障害復旧からどれくら

いの期間、「オンライン処理申出」が認められるのかは現時点で不明です)。

なお、2011年2月10日(金)午後5:15分をもって、現行システムにおける不動産

登記、商業法人登記、動産譲渡登記、債権譲渡登記、供託に関する申請の受付は終了しま

す。すなわち、2011年2月10日午後5:15分から午後8時までの間に申請して、

2011年2月14日にオンライン処理申出様式を送付してオンライン申請として処理し

てもらうことはできないので、これは注意してください。

*現行システムは、2011年2月10日(金)午後5:15分をもって閉鎖されると誤解され

ている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

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成年後見登記や電子公証の手続は、新システム稼動後も、平成23年第3四半期(=平

成23年いっぱい)は、現行システムで行なわれます。そもそも、新システムは「登記・

供託オンライン申請システム」が正式名称で、法務省オンライン申請システムとは別個の

システムなのです。法務省オンライン申請システムは、われわれが利用している登記・供

託・電子公証のほかにも、数々の手続(例えば、司法試験関係の手続など)を行うことが

できるシステムであり、たとえ、成年後見登記や電子公証の手続が新システムに移行した

後でも、直ちに廃止されるものではないのです(もっとも、現在、廃止が検討されている

ようではあります)。

2011年4月1日 オンライン減税廃止?

これについては、現在、政府部内で検討中のようです。現在、流布している情報によれば、

「縮減の上、継続」が検討されている模様です(「縮減」の具体的内容については不明)。

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2、事前準備

新システム利用のためのパソコンに求められる要件

法務省が公表している要件は以下のとおりになっていますが、メモリの量は少なすぎると

思います。この量では、OSが起動しただけでほぼ使い切ってしまい、仮想記憶(ハードデ

ィスク)へのアクセスが常時発生するので体感速度が非常に遅くなります。CPUについて

はメモリの量さえ十分なら、これでも我慢できないというほどではないでしょう

CPU 800MHz 以上(推奨)

メモリ

Microsoft Windows XP 256MB以上(推奨)

Microsoft Windows Vista 1GB以上(推奨)

Microsoft Windows 7 1GB以上(推奨)

OS

Microsoft Windows XP(32bit 版)

Microsoft Windows Vista(32bit 版)

Microsoft Windows 7(32bit 版) ※いずれか必須

ブラウザ Microsoft Internet Explorer 7,8(推奨)

Adobe Reader(必須)

ディスプレイサイズ 1024×768 以上(必須)

フレームワーク .NET Framework 3.0 又は 3.5 Service Pack 1(必須)

(Windows Vista,Windows 7 では標準搭載)

ハードディスク 300MB以上の空き容量(必須)

私なりに、実務上、支障なく利用できる要件を考えた結果は以下のとおりです。CPU2GHz

というのはおおむね5年以内くらいに発売されたものなら満たしています。メモリについて

は増設が必要な場合があるかもしれません。なお、Vista、7いずれも 32bit 版であることが

必須ですが、32bit 版OSでは、約 3.25GB を超えるメモリは、たとえ積めても利用できませ

ん。

CPU 2GHz 以上(Dual Core ならもう少し遅くても可)

メモリ

Microsoft Windows XP 1GB以上

Microsoft Windows Vista 2GB以上

Microsoft Windows 7 2GB以上

OS

Microsoft Windows XP(32bit 版)

Microsoft Windows Vista(32bit 版)

Microsoft Windows 7(32bit 版) ※いずれか必須

ブラウザ Microsoft Internet Explorer 8(いまさら7を選ぶ理由はない)

Adobe Reader(必須)

ディスプレイサイズ 1024×768 以上(だが、大きいほどいいというわけではない)

フレームワーク .NET Framework 3.0 又は 3.5 Service Pack 1(必須)

(Windows Vista,Windows 7 では標準搭載)

ハードディスク 10GB程度の空き容量

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システムのチェック

Windows XP、Windows Vista、Windows 7 いずれの場合も、「スタート→コンピュータを右

クリック→メニューから「プロパティ」を左クリック」で、システムのプロパティが表示さ

れ、CPU の種類、スピード、メモリの量がわかります。

Windows XP の場合

Windows Vista の場合

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Windows 7 の場合

これらの画面で、CPUのスピード、メモリの量及びOSの種類(特に 32bit 版であること)

を確認してください。これが、4ページの表の値を満たしているかどうかを確認し、満たし

ていないものがあったら適宜、対策をとってください(といっても、CPU、OS に問題がある

場合は買い替えを検討すべきでしょう)。よくわからない場合でも、概ね5年以内に発売され

た製品なら、メモリの量以外はまず大丈夫です。

ただし、32bit 版であるかどうかは決定的に重要です。これからパソコンを買う場合も、絶

対に 32bit 版にしてください。主に大手メーカー物を店頭販売している量販店では、特に注意

してください。家電量販店の店頭にある製品は、既に大半が 64bit 機になっているといわれて

おり、店員も「これから買うなら絶対に 64bit 機にしておくべきですよ」などと勧めるかもし

れませんが、絶対に押し切って、仮に割高で、取り寄せ扱いで納期が遅くなると言われても

32bit 版であることを確認したうえで購入してください。64bit 機では申請用総合ソフトは動

かないので、これを買ってしまうと、オンライン申請については、「かんたん証明書請求」し

か利用できず、「高価な謄本取り専用機」になってしまいます(中には、購入後に自分で 32bit

版に乗せかえられるものもありますが、それはそう簡単なことではありません)。

OS の乗り換えもしくはパソコンの買い替え

システム切り替えがあるからということで、XP や Vista から Windows 7 に乗り換えようと

思う人もいるでしょうが(まさか、いまさら XP から Vista に乗り換えようとする人はいない

でしょうし、ほとんど無意味なのでやめたほういいです)、これはお勧めしません。

XP マシンは現在、非常に安定しており(自動更新もたまにしか来ません)、システム稼動

に要求されるシステムリソース(特に CPU とメモリ)もそれほど高いものを要求しないので、

Windows 7 搭載の新しいマシンの導入を考えるくらいなら、(もちろん、現用機のレベルにも

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よりますが、)その予算のほんの一部をメモリ増設や、後述する外部記憶装置の導入に回した

ほうが安上がりで、かつ、手間がかからなくて好都合です。現在のシステムで、ストレスな

く仕事ができる程度の XP マシンなら、新システムが導入されても、さほど不満を持つことは

ないはずです。ほとんどの場合、多少のお金をかける必要があるとしても、メモリを増設す

ることくらいでしょう。Windows 7 は XP とはかなり操作方法や振舞に違いがあり、新シス

テム導入に際して OS を変えてしまうと、ただでさえつまづきがちな操作にさらに障壁を増や

すようなものです。

現在、パソコンの価格は非常に下がっているので、新しいマシンを購入することは簡単で

すが、新しいマシンを購入すれば、これを使える状態にするまでに、必要なドライバやソフ

トウェアの導入や更新に少なくとも数時間(ヘタをすると丸一日)程度を要することになる

ばかりでなく、一番問題なのはデータの引越しです。仕事に使用していたパソコンなら、そ

れまでに蓄積してきたデータこそが重要なので、これを移し替えることは最重要作業であり、

しかもこれを漏れなく行なうことは、結構、難しいものなのです。データの引越しのための

ソフトウェアも市販されていますが、それだけで完璧というわけには、おそらく行かないで

しょう。メモリを増設するだけなら、適合するメモリを見分けるのに多少の知識は必要です

が、部品を買ってきて装着すればほぼ終わりです。事務機屋さんなどに頼めば、ほとんど数

分で終わります。中には、持ち込めば増設作業をやってくれる販売店もあるでしょう(ただ

し、技術料が余分にかかりますが、これはやむを得ません)。また、古いマシンと新しいマシ

ンとではハードディスクの容量が1桁くらい違う(現在の標準は 320GB~500GB 程度)もの

ですが、実務上は、40GB 程度あれば(XP マシンならたいていこれくらいはあります)、容量

不足で困るなどということはまずありません。数百 GB などという超大容量のハードディスク

は、動画の編集でもしない限り、まず必要にはなりません。以上の理由から、どうしても新

しいものを買いたいという人を止めることはしませんが、それはかなりな手間がかかるもの

と覚悟の上でしてください。

むしろ、新システム導入に際して必須となるのは、本体からデータを機械的・電気的に切

り離せる外部記憶装置です。現行システムでは、処理状況の確認などはすべてオンライン申

請システムにある情報を、パソコンで見にいく仕組みになっていますが、新システムは、す

べて自分のパソコンにデータを保管しておき、このデータの状況を問い合わせる仕組みにな

っています。すなわち、新システムでは自分のパソコンにデータがなくなってしまうと、問

い合わせのしようがなくなり、補正や登記完了証のダウンロードなどがいっさいできなくな

ってしまうのです。たとえて言えば、現行システムは大学などの合格発表方式(掲示板に掲

示される名前を見に行くだけ)であるのに対して、新システムは宝くじ方式です(券をなく

してしまったら当たっているかどうかを確認する事ができず、また、仮に当たっていること

がわかっても当選金を受け取れません)。そのため、少なくとも、申請事件の処理が完了し、

公文書のダウンロードを終えるまでは、自分でデータを保管しておく責任があるのです。従

って、いつ、パソコン(特にハードディスク)が故障してもデータを復旧できるように、常

にデータのバックアップ(特に、申請中データのバックアップ)をしておかなければならな

いのです。そのために必要なのが「機械的・電気的に切り離せる外部記憶装置」です。「切り

離せる」とわざわざ申し上げたのは、切り離せないと、パソコンが故障したときには、バッ

クアップデータも同時に読み出せなくなる事がありうるからです。これには、USB 接続の外

付けハードディスクドライブや、USB メモリなどがありますが、定期的にデータを CD-R/RW

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や DVD-R/RW/RAM に焼いておくことでも目的を達することができます(この場合、

R/RW/RAM のそれぞれで、最適な使用法は異なります。別項参照)。現在、使用しているパ

ソコンをそのまま使い続ける場合は、このような装置の有無をチェックし、ない場合は今の

うちに導入しておくことをお勧めします(CD-R/RW や DVD-R/RW/RAM のドライブも USB

接続のものがあります)。

また、「お勧めしない」と申し上げた新しいマシンの導入よりも、更に「やめておいたほう

がいい」と申し上げたいのは、“OS のバージョンアップ”です。“OS のバージョンアップ”

とは、現在、稼動しているパソコンの OS を新しいもの(たとえば XP、Vista から7)に入れ

替えることですが、これは、よほどの自信(何が起きても自分で何とかできるという自信)

がある人以外はやめておいたほうが無難です。XP までのバージョンアップ(98、Me から XP

へのバージョンアップ)ではほとんど聞いたことがありませんでしたが、XP から Vista や

Windows 7 にバージョンアップすることは、失敗する確率が比較的高いと言われています。

しかも、Vista から Windows 7 へ入れ替える場合は数々の設定がそのまま生かされるので、

それなりのメリットがあるのですが、Vista を飛ばして XP から Windows 7 に入れ替えようと

すると、Windows 7 のインストールに成功した後にすべて再設定しなければならないので、

面倒なことこの上ありません(ほとんど買い換えたのと同じです)。OS のバージョンアップ

に失敗するということは、最悪の場合、パソコンが起動しなくなるという事態を招くことが

ありますから、どんなことが起こっても自分で何とかできる自信がある人以外は、手を出す

べきではないと思います(私もサポートするつもりはありません)。また、OS をバージョン

アップすると、それによって CPU やメモリの能力または容量の不足を露呈させることがあり、

そのために出費を強いられる事も少なくなく、結果的に高くつくこともよくあります。した

がって、将来のこと(XP は 2014 年で Microsoft のサポートが終わるので、そのときには、

法務省の利用環境からもはずされるはずである)を考えて、どうしても Windows 7 で新シス

テムを使いたいという人は、Windows 7 が導入されているパソコンを新規購入したほうが絶

対によいと思います。現在、パソコンは非常に価格が低下しており、4ページの推奨値を十

分に満たしているパソコンは最安5万円くらいから買えます(私は実際にそのくらいで買い

ました)。一番いい買い方は、今回はとりあえず XP マシンで鼻歌でも歌いながら申請できる

くらいになれてから、オンライン申請とは別に Windows 7 マシンを購入し、新システムと

Windows 7 の両方に慣れてから Windows 7 で新システムのオンライン申請を導入するという

方法だと思います(それには4年も猶予期間があるのです)。

新システム導入に際して必要になりそうな周辺機器

前述したとおり、新システムにおいてはデータのバックアップが重要な作業になります。

ここでは、それぞれのバックアップ装置とその得失を説明します。

①外付けハードディスク

大容量のバックアップ機器としては、これが今一番ポピュラーです。最近の売れ筋は1TB

(テラバイト:1GB の 1000 倍、1MB の 100 万倍)で 10,000 円程度。容量当たりの価格は

最も低く(1MB 当たり 1 円にもならない)、しかも超大容量が確保できるのが利点(おそら

く、バックアップデータだけなら、あなたの孫の代までこの仕事を続けたとしても、全デー

タが丸ごと入るでしょう)欠点は、衝撃に弱い事です。机の上に置いて使っていて、過って

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床に落としたらまず間違いなく壊れます。また、ドライブとメディアを切り離す事ができな

いので、データをバックアップしておいても、ドライブのモーターなどが故障すれば全く読

み出せなくなりますから、長期保存を目的とするバックアップ手段としては、必ずしも適当

ではありません。

②USB メモリ

最近、使う人が非常に多いのがこれです。できれば、電子定款の受取などでも使いたいと

ころですが、ウイルスを持ち込まれる危険から公証役場側に断られる事が多いのは残念です。

現在の売れ筋は4GB で 1,000 円程度あるいは8GB で 2,000 円程度とたいへん安価になって

います。小型、軽量の割に結構大容量なので、利便性は最も高いといえます。しかし、最大

の欠点は小型、軽量であるゆえになくしやすいこと(良く、学校の先生などが生徒の成績表

をいれた USB メモリをなくしたというニュースがあります)と、取り扱いを誤ると一瞬でメ

モリ内の全データを破壊してしまう事がある(私は経験あり)ことです。USB メモリの事故

は、たいてい抜く時に起きます。抜く時には、Windows 側から電気的に切断する措置を必ず

とってください。これを怠り、抜こうとした瞬間に Windows からの書き込みアクセスが入る

と、特定のファイルだけでなく、そのメモリに入っていた全てのファイルが一瞬で破壊され

ます。また、長期(数年単位)の保存には適しないので、この装置の最も適切な利用法は申

請中データの一時退避先でしょう。

③光磁気ディスク(CD-R/RW や DVD-R/RW/RAM、BL-R/RE)

これは、電気的に切り離せることと、ドライブとメディアが切り離せることという、バッ

クアップメディアに求められる利点の両方を兼ね備えているので、バックアップ方法として

は最も適切だと思います。メディアの単価も非常に安価(@数十円~数百円)です。ただし、

種類によって特性が異なるので、用途に応じて使い分けるべきです。以下の表を参照してく

ださい。

カテゴリー メディアの種類 容量 書き換え※

CD-R 不可 CD

CD-RW 650MB または 700MB

丸ごと

DVD-R 不可

DVD-RW 丸ごと DVD

DVD-RAM

4.7GB または 8.3GB(2層式-R、-RW)、9.4GB

(両面 RAM) 随時

BD-R 不可 Blue Lay

BD-RE 25GB または 50GB(2層式)

丸ごと

※「書き換え」欄の補足説明

不 可:いったん、書き込みを終了する処理をしたら、書き込まれたものの変更及び削除、追記はできな

い(追記可能な状態を指定して書き込んだ場合は追記や削除ができるが、普通にファイルを書き込

んだ場合は、ファイル書き込み後に終了の処理をされてしまうので、その後は追記も削除もできな

くなる)

丸ごと:OS 標準の使い方であれば、書き込みを終了する処理をしていても、一度書き込んだファイル全部

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を丸ごと消してサラの状態に戻し、改めてファイルを書き込むことは可能。しかし、個別のファイ

ル単位で削除などすることは不可能。しかし、CD/DVD を書き込むための専用ソフトを使うと個別

に処理ができる場合もある。

随 時:あたかも、ハードディスクや USB メモリに書き込むように、随時、書き込み、削除、変更が自在

にできる。

以上の特質に応じて使い方を変えるのが妥当です。たとえば、書き換え不能と言うのは、

一面において欠点ですが、多面においては利点なのです。すなわち、「書き換えられない」と

言う特質は、誤って消したり変更したりすることもないということなので、永久保存データ

の保存のためにはむしろ利点となります。逆に、随時書き換えができるというのは、一時保

存には向いているが、永久保存データの保存のためにはむしろ欠点になります。したがって、

永久保存データ(例えば、処理が終了したデータ)の保存には CD-R、DVD-R または BD-R

一時保存データ(例えば、申請中事件のデータ)の保存には DVD-RAM

が最適ということになり、CD-RW、 DVD-RW 及び BD-RE はその中間ということになります。

また、光磁気ディスクによるバックアップはドライブとメディアが分離できるため、ドラ

イブが壊れてもディスクが破損しない限りデータは守られるということになり、いちおうは

利点ということになのですが、それが紛失しやすいという欠点にもなるのです。(また、小容

量の物を使うと、どのディスクに保存したかを探すのが難しくなるということもあります)。

要は、万能のバックアップメディアはないものと心得て、自分にもっとも適した方法と使

い方を考え出してください。

.NET Framework のチェックとインストール

Windows XP で新システムを利用するには、前提としてインストールが必要となるソフト

ウェア(.NET Framework 3.0 または 3.5 SP1)がありますので、それをチェックし、なければ

インストールする必要があります。インストールが必要な場合、パソコンのスピードによっ

てはかなりの時間がかかる事がありますので、十分に時間の余裕があるとき(終業後や休日

など)に行なう事をお勧めします。Vista、7 では、標準で.NET Framework 3.0 または 3.5 SP1

(Windows 7 では 3.5.1)がインストールされていますが、いちおう、確認だけはしておきま

しょう。

これをチェックするにはコントロールパネル(スタート→コントロールパネル→「プログ

ラムの追加と削除(Vista、7 では「プログラムと機能」)の順にクリック」を開いて、インス

トールされているソフトウェアを確認し、.NET Framework 3.0 または 3.5 SP1(7 では 3.5.1)が

あることを確認します。

なお、.NET Framework は Java と異なり、異なるバージョンが併存できますので、古いバ

ージョンがあっても削除する必要はありません。また、Java のように自動更新を止めておく

必要もありません。

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Windows XP の場合

Windows Vista の場合

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Windows 7 の場合

Windows 7 は、.NET Framework 3.5.1 を標準で備えているのですが、XP、Vista の場合と異

なり、コントロールパネルを開いて表示されるリストには表示されません。リストの左側に

表示されている「Windows の機能の有効化または無効化」をクリックし、表示される「Windows

の機能」の中に表示されます。

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なお、今回のシステム切り替えは一部に限られたものであって、電子公証や成年後見は平

成23年度第4四半期といわれていますので、平成23年末頃までは現行システムと新シス

テムの両方を併存させざるを得ませんが、Java と.NET Framework の両方を同じマシンに併

存させても不都合は生じません(少なくとも私は、併存させていて何の支障もないし、また、

そういう情報を聞いたことはありません)。

チェックの結果、インストールされていなかった場合には、Microsoft のダウンロードサイ

ト(下記)にアクセスして.NET Framework 3.0 または 3.5 SP1 をインストールしてください。

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/netFramework /aa569263.aspx

申請用総合ソフトのダウンロードとインストール

.NET Framework 3.0 または 3.5 SP1 が確認できたら、申請用総合ソフトをインストールす

る準備が整っています。

なお、Windows 7 を使用する場合は、ユーザーアカウントに半角のスペースを入れないで

ください。入れてしまっている場合は、半角のスペースの代わりに半角のアンダーバー「_」

などを使って、半角のスペースのないユーザーアカウントを新規作成し、そちらで Windows 7

にログインしてからインストールしてください(ユーザーアカウント名の変更ではうまく行

かないようです)。私の場合は「Kazuya Suzuki」というユーザーアカウントを常用していまし

たが、中間に半角のスペースを入れていると、後述のICカード切替でエラーが出て切替で

きませんでした。これを、「Kazuya_Suzuki」としたところ、正常に切り替えられるようにな

りました。

まず、下記のダウンロードサイトにアクセスしてください。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji01_00016.html

ダウンロードするのは下記の4つです。具体的には次ページの図の各指定箇所からダウン

ロードしてください。絶対に必要なのは②だけですが、①③④にも一度は目を通しておいて

ください。

①体験版申請用総合ソフト使用許諾書(ファイル名:000055033.pdf)

②体験版申請用総合ソフト ver.β2.0(ファイル名:ToukiShinseiToolTrial2.exe)

③資料「体験版申請用総合ソフト(β版)」について」(ファイル名:000055037.pdf)

④資料「README」(ファイル名:000055032.pdf)

ダウンロードを実行するには、各指定箇所でマウスを右ク

リックし、表示されるメニューから「対象をファイルに保存」

を選択し、保存先を指定して OK ボタンをクリックすれば

ダウンロードできます。保存先はどこでも結構ですが、デス

クトップでいいでしょう。

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※赤線の囲みと丸数字、.NET Framework

の文字は筆者の加筆

←①体験版申請用総合ソフト使用許諾書

のダウンロード

←.NET Framework のダウンロードサイト

にリンク

←②体験版申請用総合ソフト ver.β2.0

←③「体験版申請用総合ソフト(β版)に

ついて」、④「README」をダウンロ

ード

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必要なファイル全部のダウンロードが終わると、以下のように4つのファイルが保存され

ます。

このうち、「ToukiShinseiToolTrial2(.exe)」のアイコンをダブルクリックします(.exe、.pdf

の部分は表示されていない事が多いでしょう)。すると、確認のために、セキュリティ警告の

ダイアログが開きますので、 実行(R) ボタンをクリックします。

すると、ファイルの展開が始まります。ものすごい数のファイルの展開が行なわれます。

パソコンの速度によってはしばらく待たされる事になります。

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展開が完了すると、「ToukiShinseiToolTrial2」という名前のフォルダができますので、これ

をマウスでダブルクリックして開きます

「ToukiShinseiToolTrial2」を開くと、Setup(.exe)という名前のファイルがありますから、こ

れをマウスでダブルクリックします。

すると、インストールが始まります。まず最初は、システムがアプリケーションが求める

要件を満たしていることの確認が行われます。このとき以後、メッセージが英語で表示され

る場合があります。これは、.NET Framework の日本語 Language Pack をインストールしてい

ない場合に発生しますが、機能には全く支障ありません(日本語 Language Pack とは、.NET

Framework のメッセージを日本語で表示させるためのソフトウェアです)。.NET Framework

の日本語 Language Pack をインストールしたい場合は下記からダウンロードしてインストー

ルしてください。

http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=C78987B9-97F4-455F-BEE7-F6BF

A4AD774E&displaylang=ja

日本語 Language Pack をインストールして

いる場合

日本語 Language Pack をインストールして

いない場合

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システム用件の確認が終わると、セキュリティの警告が表示されます。

インストール(I)をクリックします。

インストールが始まります。あとはしばらく待つだけです。

インストールが完了すると、自動的に申請用総合ソフトが起動し(しばらくの間、何も表

示されませんが、あわててキーボードやマウスの操作をしないでください。エラーの原因に

なります)、次ページのログイン画面が表示されます。

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3、操作実務編

申請用総合ソフトの起動

新規に申請用総合ソフトを起動

するには、「スタート→すべてのプ

ログラム→法務省→体験版申請用

総合ソフト」の順にクリックしま

す(インストール直後は自動的に

起動します)。すると、ログイン画

面が表示され、申請者IDとパス

ワードの入力を求められますが、

β版ではログインはできませんの

で、入力しても無意味です。

キャンセル ボタンをクリッ

クし、オフライン起動のダイアロ

グで OK ボタンをクリックす

ると申請用総合ソフトが起動しま

す。

起動されると、このよう

な状態で表示されます。手

前に表示されている「ガイ

ド」画面は正規版では表示

されないように設定できま

す(β版ではできません)。

これは、不慣れなうちに操

作の補助をするための画面

ですが、すぐに不要になる

程度の内容ですので、早晩、

不表示に設定する事になる

でしょう。 閉じる ボタ

ンをクリックすればこの画

面は閉じ、後ろにかくれて

いた画面が表示されます。

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処理状況表示画面

これが処理状況表示画面です。この名称にも意味があります。現行システムでは処理状況

「確認」画面でした。その意味は、現行システムでは未済事件のデータの保守(最新状況へ

の更新など)はサーバー側が行ない、その状況を見に行くだけだったため、「確認画面」だっ

たのに対して、新システムでは未済事件のデータ保守の責任はユーザーが負い、ユーザーが

更新することによって初めて最新の状況が表示される仕組みになっているため、「表示画面」

とされたのです。役所が使う用語というものは、相当に考えて決められているものだと感心

します(そのかわり、わかりにくいです)。

以後、全ての処理(申請書の作成、電子署名、送信、システムからの連絡の受信、公文書

の取得とその表示など)はこの画面から行い、この画面で終える事になります。また、処理

事件のカテゴリー(現在は不動産、登記識別情報、商業・法人、動産、債権)ごとにタブで分

けられ、見やすくなる工夫がされています。

《画面各部の説明》※以後、本資料では以下の用語で説明します

メニューバー:ここからマウスまたはキーボードで申請用総合ソフトの全ての機能を操作することができ

ます。メニューは階層化されており、詳細は次ページの一覧表をご覧ください

ツールバー:全機能のうち、使用頻度の高いものをアイコン化して表示しています。マウスでアイコンを

クリックすることで機能を実行できます。

事件種別選択タブ:現行の処理状況確認画面と異なり、新システムでは不動産、商業・法人等の事件の種別

に応じて、別々に整理されて表示されますので、表示させたい事件をこのタブをクリックして選択しま

す。

事件表示部:選択した事件種別に応じて、登録されている全ての事件を表示します。現行システムと異な

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り、ユーザーが削除しない限り消えません(現行システムは2週間経つと消える)。また、ここから事件

を削除してもデータそのものは「ごみ箱」機能を使って消さない限り消えません。

情報表示部:個々の事件ごとの情報(受付情報、到達日時、申請番号、納付番号、添付ファイル、取得公

文書)が表示されます。添付ファイル一覧及び取得公文書一覧に表示されている添付ファイルや公文書

は、表示をダブルクリックすると内容が表示されます。

メニューバーから呼び出せる機能の一覧

ファイル(F)─┬申請書作成(N) ├データの取り込み(I) ├データの書き出し(E) ├最近申請した様式(D) └終了(X) 表示(V)───┬並べ替え(A)──────┬処理状況(S) │ ├納付状況(P) │ ├件名(T) │ ├申請者情報(A) │ ├様式名(N) │ ├最終更新日時(U) │ └到達日時(R) ├申請書(W) ├署名リスト(L) ├添付ファイル(F) ├到達通知(R) ├受付のお知らせ(U) ├補正のお知らせ(M) ├お知らせ(C) ├公文書(O) └納付情報(P) ツール(T)──┬詳細検索(S) ├登記識別情報関係様式(F)┬登記識別情報関係様式の作成(D) │ └登記識別情報通知取得用届出様式/取得者特定ファイルの作成(R) ├更新(C) ├バックアップ(B) ├復元(R) ├ごみ箱(T) └オプション(O) アクション(A)┬申請書作成(N) ├編集(E) ├再利用(R) ├補正(M) ├取下(W) ├ファイル添付(A) ├署名付与(S) ├申請データ送信(T) ├登録免許税納付用紙の印刷(不動産) ├書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(不動産) ├登録免許税納付用紙及び書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(不動産) ├登録免許税納付用紙の印刷(商業・法人) ├書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(商業・法人) ├登録免許税納付用紙及び書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(商業・法人) └申請データ削除(D) ヘルプ(P)──┬申請用総合ソフトのヘルプ(H) F1キーでも呼び出せます ├重要なお知らせ(N) ├お問合せ先(C) ├ガイド(G) ├更新の確認(R) └バージョン情報(A)

※ の機能はツールバーから直接呼び出せます

キーボードで操作する場合は Alt キーを押しながら項目名の後ろの( )に囲まれた文字を

押します。マウスで操作する場合は項目名をクリックします。

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初期設定

最初の起動後、まずやるべき事は二つあります(最初にやらなければならないわけではあ

りませんが、最初にやってしまったほうが、この後、便利です)。

①「入力支援情報」の入力

「入力支援情報の入力」とは、簡単に言えば普通のソフトウェアでいう「ユーザー登録」

のようなものです。ただし、ここで入力したデータはダイレクトにサーバーに送られるわけ

ではなく、申請書の作成過程で入力を助けてくれる情報を入力しておくだけなのです。法務

省が「ユーザー登録」と呼ばずに「入力支援情報」と名づけたのはそれが理由でしょう。

ここで利用者の情報を登録しておけば、申請書を作成する場合に自動入力やワンクリック

入力などの入力支援を享受することができます。特に、申請書の必須入力情報である「納付

情報」が自動入力されるようになるので、最初にやっておいたほうが便利です。これを行な

うには、下記の手順を実行します。

まず、メニューバーから「ツール(T)→オプシ

ョン(O)」とクリックします。

表示された画面上部の「入力支援情報」のタ

ブをクリックします

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入力欄が現われますので、所定欄に入力して

ゆきます。なお、氏名のフリガナ欄は申請書

の「納付情報」欄に自動転記されます。それ

以外の入力事項は申請書の作成の際、 登録

事項転記 ボタンをクリックすると転記さ

れ、申請書に転記された内容は「書面により

提出した添付情報の内訳表(いわゆる「13

号書面」)」及び「登録免許税納付用紙」にも

転記されます

②IC カード切り替えのための登録(複数の IC カードを利用する場合のみ)

複数の IC カードを利用する場合は、IC カード切り替えのための登録を行ないます。

いままで、現行システムで IC カード切り替えツールに複数の IC カードを登録して利用して

いる場合は極めて簡単です。使用している IC カードが1枚だけの場合も、ここで登録してお

いた方が、後日のため(たとえば、公的個人認証カードを取得した時など)にいいでしょう。

(1)まず、メニューバーから「ツール(T)→オ

プション(O)」とクリックします。

(2)表示された画面上部の「ICカード切替」

のタブをクリックします

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(3)ICカード切替の画面に切り替わったら、

まず、 登録 ボタンをクリックします。

(4)すると、現在、指定されているカードを登

録するためのダイアログが開きますので、

OK ボタンをクリックします。

(5)これで、1枚目の登録が完了しました。

OK ボタンをクリックします。

(6)次に、現行システムでICカードを登録済

みのICカードライブラリ切替ツールを

使って、ICカードを切り替えます。

(7)再び 登録 ボタンをクリックします。

(8)すると、先ほど切り替えたICカードを

登録するためのダイアログが開きます

ので、 OK ボタンをクリックしま

す。

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(9)これで、2枚目の登録が完了しました。3

枚目以降がある場合も同じように処理し

ます。

(10)元の画面に戻り、「使用するICカードラ

イブラリを選択してください」の窓の右の

∨をクリックすると登録されているカー

ドが全て表示されます。

(11)使用するICカードを切り替える時は、

この中から切り替えたいICカードを選

択し、画面下部の 適用 ボタンをクリッ

クします。すると、ダイアログが表示され、

切替が完了します。

設定 又は 閉じる ボタンをクリ

ックすると画面が閉じられます。従来と異

なり、申請用総合ソフトを終了して起動し

なおす必要はなく、そのまま選択したカー

ドを使う事ができます。

現在、1枚の IC カードだけを使用していて、IC カード切り替えツールを使っていない方は、

まず、(1)から(5)までを実行し、後日、公的個人認証カードを取得した時などに、公的個人認

証カードを使うためのソフトウェア(公的個人認証利用者クライアントソフト)をインスト

ールしたら(7)から(9)までを実行してください(このとき、IC カード切り替えツールにも登録

したい場合は IC カード切り替えツールのマニュアルに従って登録してください)。

以上で初期設定は終わりです。それでは、次ページから申請書の作成について説明します。

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不動産登記

申請書の作成

申請書を新規に作成するには、ツールバーの「申請書作成」をクリック(または、メニュ

ーバーから「ファイル→申請書作成」を順次選択)します。すると、申請書様式一覧選択の

画面が開くので、順次、作成したい申請書様式を選択します。申請書様式を選択するには、

様式名をマウスでダブルクリックするか、シングルクリックして画面下部の 選択 ボタン

をクリックします。項目名の前に「+・・」が表示されているものは、さらに下の階層があると

いうことで、項目名をダブルクリックすると下の階層が表示されます。

左図は、われわれが主に業

務上使用する、双方代理によ

る代理申請用の申請書様式

を表示させた状態です。申請

書様式全体では200通り

ほど用意されていますが、わ

れわれが主に業務で使用す

るのは、左の図に表示されて

いる26通りの申請書と、乙

号申請書、登記識別情報関係

の証明申請書でしょう(特殊

なものとして「オンライン処

理申出様式」があります)。

作成したい申請書を選択すると、やや時間をおいて編集画面が表示されます。

すでに作成済みの申請書を編集する場合及びすでに作成済みの申請書を再利用する場合は、

処理状況表示画面から、編集したい申請書または再利用したい申請書をマウスで右クリック

し、表示されるメニューから「編集」または「再利用」を左クリックします(申請書を左ク

リックしてツールバーから「編集」または「再利用」アイコンをクリックするか、メニュー

バーからアクション(A)→「編集」または「再利用」をクリックしてもOKです)。ある申請書

の「補正」、「取下」のための申請書もこれと同じ方法で作成できます。

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これは、双方代理による所有権移転登記代理申請の申請書様式です。以後、注意すべき

点を説明します。

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まず全体に共通することとして、申請書編集中に誤入力したとき、または入力情報を誤

って削除してしまったときには、Ctrl+Z で取り消しがきくようになりました(Ctrl+Z を数

回繰り返せば、何回前の入力情報でもさかのぼって取り消せるようです)。ただし、取り消

しが利くのは入力内容に関するものだけで、項目削除などの操作は取り消せません。

①申請書様式が編集モードで表示された後、まずやるべき事は最上部左側の「件名」を入力

する事です。ここを入力しておかないと、一時保存を含めて、データの保存ができません。

この「件名」は、処理状況表示画面などで並べ替えをするときに並べ替えのためのキーワ

ードになりますので、それがうまくいくよう、また、後日に検索などの必要が出たときに

容易に見つけることができるように、統一的なルールを自分で決め、常にそれに従って付

けるようにすると良いと思います。私は、日付を表示する半角6桁の数字(例えば 2010

年 12 月 12 日なら 101212)+連件の場合は連件番号(5連件なら_5-1、_5-2 など)+主

たる依頼人の氏名・名称(「法務太郎」、「○○銀行」など、必ずしも登記権利者に限らず、

「○○さんの件」などと問い合わせの対象になる者の氏名・名称を使用)+登記の目的の

略称(「名変」、「抹消」、「移転」、「保存」、「設定」など)で付けています(「101212_5-1 法

務太郎名変」なら、2010 年 12 月 12 日の、法務太郎さんのための5連件事件の1件目(申

請人は売主なので、「法務太郎」ではないが、それにはこだわらない)の所有権登記名義人

住所変更登記申請書という意味になります)。なお、この件名はサーバーに送信される事は

ないので、あくまでも自分の事務所内で管理しやすいように付ければよいのです。また、

ファイルやフォルダの名前にはならないので、使用禁止文字などの制限はありません。

②最上部右側の「納付情報」は、21ページで説明した「入力支援情報」の氏名(フリガナ)

がそのまま転記されますので、変更する必要がなければそのままで結構です。

③申請用総合ソフトでは、各項目の右側に 項目挿入 というボタンが設けられました。現

行システムでは、新たな項目を挿入すると、常に一番下に挿入されてしまい、希望通りの

場所に項目を挿入するためには、挿入したい場所から下にある全ての項目を削除する必要

がありましたが、新システムではこのボタンを押せば、希望する場所に新たな項目が挿入

できます。

④実務上、今回の最大の改良点は、申請書の記載内容を転記して登記識別情報関係様式を作

成できるようになったことでしょう。この 登識提供様式作成 ボタンをクリックすると、

必要事項を申請書から転記した状態で登記識別情報提供様式の編集画面(次ページ)に移

行します。あとは、登記識別情報そのものを入力するだけで編集を終える事ができます。

登記識別情報の特定も、従来の受付年月日番号のほか、順位番号でも指定する事ができる

ようになりましたので、この点でも手間が減りました。転記される情報は、件名、登記義

務者の住所・氏名(名称)、登記識別情報の提供を行なう登記の目的、登記権利者の氏名、

物件の所在及び地番/家屋番号ですから、申請書の最後まで入力を終えてから、登記義務者

のところに戻って 登識提供様式作成 ボタンをクリックするようにしたほうが効率的で

しょう。

なお、従来、登記識別情報関係様式を作成する場合には、申請書とは別個に電子署名を

求められましたが、新システム移行後は、暗号化/復号化権限の委任を受けた代理人は、申

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請書に電子署名をすれば、登記識別情報提供様式等には電子署名を要しないこととされる

とのことです。申請用総合ソフトでは、連件申請書への電子署名も一括でできるようにな

り、その電子署名がオフラインでできるようになり、処理に要する時間も著しく短縮され

た事から、電子署名の負担は著しく軽減されたと言っていいと思います。

また、現状ではほとんど利用されていませんが、登記識別情報通知取得用届出様式/取

得者特定ファイルの作成についても、登記識別情報の通知方法として「オンラインによる

通知を希望する」を選択すると、 登識取得用届出様式作成 ボタンが現われ、このボタ

ンをクリックすると申請書の記載事項が転記された登記識別情報通知取得用届出様式/取

得者特定ファイルの編集画面に移行します(こちらは登記識別情報を表示させるためのパ

スワードを決めて入力するだけで事が済みます)。

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⑤「添付情報」欄に入力した内容は、そのまま「書面により提出した添付情報の内訳表(い

わゆる「13号書面」)」に転記され、印刷する事ができます。ただ、このとき、添付書類

の標目だけでなく、レイアウト(1行に入力された並べ方など)や、(前件添付)とか(特

例)などといった付加記載もそのまま転記されてしまい、しかも「13号書面」の内容を

表示/編集する機能は用意されておらず、印刷前のプレビュー画面もなく、ここに入力した

とおりに印刷されてしまいますが、登記所の現場このような場合をどう扱うのか、現時点

では不明です(特に補正の対象ともされないだろうとは思いますが…)。

⑥この カレンダー というボタンをクリックすると、カレンダーが表示され、日付をクリ

ックするだけで申請日が転記されます。登記原因日などに転記する機能はありませんから、

それをしたい場合には、Ctrl+C、Ctrl+V などでコピー&ペーストしてください。

⑦代理人欄には 登録情報転記 というボタンがあります。これをクリックすると「入力支

援情報」に入力した情報が転記されます。

⑧入力欄のほとんどは全角入力指定で、申請書様式が編集モードで表示された時には自動的

に全角入力モードになっていますが、課税価格欄及び登録免許税欄のように、半角入力が

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指定されている欄にカーソルが移動すると自動的に半角入力になり、全角入力が必要な欄

に移動すると再び全角入力に戻ります(登記識別情報の入力画面では、一部、切り替わら

ないところがあるようです)。なお、外字の使用法は、現行システムとまったく同じです。

なお、課税価格欄及び登録免許税欄で、「,」を入れるとエラーになります(商業・法人登記

など、ほかの手続でも同じ)。

⑨オンライン物件検索は、登記情報提供サービスから情報をダウンロードするところまでは

従来と同じなのですが、そこから先はだいぶ違います。従来は、ダウンロードした情報が

そのまま自動的に保存され(ただし、24時間経つと自動的に消去される)、それを転記す

る方法でしたが、新システムではその情報を一旦ファイルに保存し、そのファイルから情

報を貼り付ける方法をとります。このため、いつまで経っても情報は残りますが、反面、

最新の情報とは限らないというリスクが伴う事になります(保存されたファイルの中に古

い情報がある場合は警告メッセージが発せられます)。功罪相半ばといったところでしょう

か。また、新システム稼働後は、オンライン物件検索の利用時間も申請受付時間と同じ8:

30~21:00になります。

⑩複数管轄にわたる共同抵当権の設定登記のように、申請先登記所の管轄に属さない物件を

入力する場合、この、他管轄物件の入力ボタンを押して管轄外物件専用欄を使って入力し

ます。これまでも物件欄の付加記載として「管轄外の物件」という表示をすることはでき

ましたが、これが受付システムとの整合がなされていなかったために、登記所における事

務停滞の原因になっていました(管轄違いの申請と区別ができず、エラーが出ていたよう

です)。新システムでは、管轄外物件専用欄を設け、これに入力する事によって法令とシス

テムの整合をとることにしたようです。

⑪申請書間で物件をコピーできるようになりました。ある申請書を編集中に、この 物件情

報コピー ボタンをクリックすると、その申請書に入力されていた物件情報がメモリに格

納されます。次に開いた申請書で 物件情報はり付け ボタンをクリックするとその情報

が転記されます。このとき、いちばん最後に 物件情報コピー ボタンをクリックしたと

きの申請書に入力されていた物件情報がメモリに格納され、それがはり付けられるだけな

ので、申請書の作成順には一工夫が必要です。つまり、土地の住所変更、土地の抵当権抹

消、土地の所有権移転、建物の所有権保存、土地及び建物の抵当権設定という5連件を処

理する場合、連件の順番に処理してしまうと、1件目で入力した土地の物件情報を4件目

の所有権保存登記申請書では利用できず、ここで 物件情報コピー ボタンをクリックし

てしまうと、メモリに格納されていた土地の物件情報は消えてしまい、5件目の抵当権設

定登記では建物の物件情報しかはり付けられません。したがって、まず最初に作成すべき

なのは、5件目の抵当権設定登記申請書で、ここで 物件情報コピー ボタンをクリック

しておき、この物件情報を1、2、3、4件目の各申請書に貼り付け、不要な物件を 物

件削除 ボタンをクリックして削除します。物件情報の削除はボタン一発で済みますから、

この方が同じ事の重複を避けられ、効率的なのです。この場合、処理状況表示画面には、

上から4件目、3件目、2件目、1件目、5件目の順番に表示されますので、並べ替えな

どの機能を使って申請する順番に並べ替えてください。そのためにも、最初の「件名」は

並べ替えがしやすいように工夫して付ける必要があるのです。

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⑫申請用総合ソフトでは、編集の「完了」という概念を導入しています(物件情報の入力画

面や商業・法人登記の別紙表示画面には「終了」というアイコンが用意されています)。「閉

じる」ボタンなどで、ただ単に編集を終了しただけでは、処理状況表示画面には「作成中」

と表示されてしまい、電子署名の付与以降に進む事ができません。編集を終了して電子署

名、送信などの段階に進むためには、必ずこの「完了」ボタンをクリックして処理状況表

示画面の表示を「作成済み」にする必要があります。

ファイルの添付

申請書が完成したら(未完成でもできます)、添付書類のファイルを添付します。処理状況

表示画面のツールバーのファイル添付のアイコンをクリックする(か、メニューバーから「ア

クション→ファイル添付」とクリック)と、ファイル添付のダイアログが開きます。

この画面から適宜、添付したいファイルに対応したボタンをクリックします。一般の添付

情報(PDF ファイルなど)は ファイル追加…ボタン、登記識別情報提供様式などは 登記

識別情報関係様式追加…ボタン、公文書の場合は 公文書フォルダ追加…ボタンをクリック

します。

ファイル追加…ボタンをクリックすると、「添付ファイルの選択」のダイアログが表示さ

れますので、添付したいファイルをマウスなどで指定して 開く(O) ボタンをクリックする

か、ファイル名をマウスでダブルクリックすれば添付処理がされます。

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登記識別情報関係様式追加…ボタンをクリックすると、「登記識別情報関係様式の選択」

のダイアログが表示されます。登記識別情報通知をダウンロードで受けている方を除いて、

ほとんどの場合、何も表示されません。登記識別情報提供様式と登記識別情報通知取得用届

出様式は、申請書の中から作成した場合には自動的に添付の処理がされてしまうからです。

ただし、取得者特定ファイルは電子公文書一括取得用の申請書様式を使用した場合を除いて、

自動添付処理はされません。したがって、ここで添付の処理をしなければならないのは、申

請書とは別個に登記識別情報関係様式を作成した時と、登記識別情報通知ダウンロード様式

を作成した時だけです。ほとんどの方が書面で通知を受けていることと、登記申請書の中か

ら登記識別情報提供様式を編集した方が圧倒的に楽である事から、この画面を開く機会はあ

まりないでしょう。

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公文書フォルダ追加…ボタンをクリックすると、「フォルダの参照」のダイアログが表示

されます

この中から、添付したい公文書のフォルダを指定して OK ボタンをクリックすれば添付

の処理がされます。電子公文書はフォルダごとクリックします。このとき、フォルダをダブ

ルクリックしても、フォルダが開くだけで、添付できませんので、必ず、フォルダを1クリ

ックし、 OK ボタンをクリックしてください。

すべての添付が終わると、以下のように表示されます。

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内容を確認したい場合は、そのファイルまたはフォルダ名をダブルクリックするか、シ

ングルクリックして 表示…ボタンをクリックすれば表示されます(登記識別情報提供様式

を指定した場合は、さらに登記識別情報提供様式一覧が表示され、その中から表示させたい

登記識別情報提供様式をダブルクリックするか、シングルクリックして 表示 ボタンをク

リックすると表示されます。

添付を解除したい時は、解除したいファイルまたはフォルダをシングルクリックして 削

除 ボタンをクリックすれば添付が解除されます(ここで「削除」とは、申請用総合ソフト

のデータフォルダ※から削除されるのであって、添付処理をする前に保存されていた場所にあ

る元のファイルやフォルダが削除されるわけではありません)。

※体験版申請用総合ソフトのデータフォルダは以下の場所にあります。

XP の場合、「C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\Trial\申請案件\申請

事件に自動的に付けられた通し番号」

Vista、7の場合、「C:\ユーザー名\Documents\Trial\申請案件\申請事件に自動的に付けられ

た通し番号」

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電子署名の付与

添付ファイルの処理が終わったら、電子署名を付与します。

まず、処理状況表示画面から、電子署名を付与したい申請書をマウスでクリックして選択

します。このとき、Ctrl キーを押しながらクリックすると、複数の申請書を累積的に選択する

事ができ、Shift キーを押しながらクリックすると範囲指定的に選択する事ができます。なお、

署名対象一覧や送信前申請一覧の画面に移行したときには、処理状況表示画面で表示されて

いた申請書が、処理状況表示画面で表示されていた順番とは逆の順番に表示されるようです

ので、指定する前に並べ替えを実行して連件の降順(5連件なら5→4→3→2→1の順番)

に並べてから署名付与に移行すると、昇順(1→2→3→4→5の順番)に表示されますの

で、後の処理がしやすいと思います(署名対象申請一覧や送信前申請一覧の画面でも並べ替

えはできます)。

Ctrl キーを押しながらクリッ

クしたとき。

クリックした申請書が累積的

に指定される。

Shiftl キーを押しながらクリッ

クしたとき。

最初にクリックした申請書か

ら、次にクリックした申請書

まで、間にある申請書も含め

てすべて指定される。

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署名を付与したい申請書が全て指定できたら、ツールバーの署名付与アイコンをマウスで

クリック(または、メニューバーから「アクション(A)→署名付与(S)」と指定)します。

すると、署名対象申請一覧の画面に移行します。なお、処理状況表示画面から署名付与を

指定した申請書のうち、「作成中」の申請書を指定していても、「作成中」では署名付与でき

ませんから、この画面には表示されません。その場合は 閉じる ボタンをクリックして処

理状況表示画面に戻って編集モードに入り、「完了」の処理をし、処理状況表示画面で「作成

済み」の表示に変った事を確認してからもう一度指定しなおしてください。

この一覧表でも、並べ替えができます。並べ替えを実行するには、一覧表の項目名をクリ

ックすると、下の図のように項目名の後ろに「▲」、「▼」などの図形が表示され、降順また

は昇順に並べ替えられます。並べ替えキーは、「件名」、「様式名」、「最終更新日時」、「状態」

の全てでできます。

個人たる司法書士は司法書士認証カードを使用しますから、 ICカードで署名…ボタン

をクリック(または、メニューバーから「アクション(A)→ICカードで署名(I)」と操作)し、

司法書士法人は商業登記電子認証による電子証明書を使って電子署名しますから、 ファイ

ルで署名…ボタンをクリック(または、「アクション(A)→ファイルで署名(F)」と操作)しま

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す。電子署名する必要がない申請書があるときは、その申請書をクリックして 一覧から削

除 ボタンをクリック(または、「アクション(A)→一覧から削除(D)」と操作)します(一覧

から削除しても、署名付与の指定が解除されるだけで、申請書そのものが削除されるわけで

はありません)。

ICカードで署名…ボタンをクリ

ックした時は、ICカードのセット

を求めてきます。

OK ボタンをクリックすると、

パスワードの入力を求めてきます。

パスワードを入力し、 確定 ボタ

ンをクリックすると電子署名が付与

されます

少々待たされて電子署名の付与が終

わると署名付与の完了が通知されま

すので、 OK ボタンをクリック

します。「待たされて」と言っても、

待ち時間は現行システムと比べると

うそのように短いです。

すると、元の一覧画面に戻り、「状態」

欄に「署名付与完了」と表示されま

すの。これを確認したら 閉じる

ボタンをクリックします。

これで、処理状況表示画面に戻ります。情報欄に アイコンがつき、署名付与済である

ことが表示され、処理状況欄に「未送信」と表示されます。

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次は、申請書の送信です。

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申請書の送信

ツールバーから「申請書送信」をクリック(またはメニューバーからアクション(A)→申請

データ送信(T)と操作)すると、送信前申請一覧(連件・同順位設定)の画面に移行します。

この段階ではまだどの申請書も送信対象になっていません。一覧表をよくチェックして、

間違いないことを確認してから「送信対象」欄の□にマウスでチェックを入れます。「送信対

象」からはずす場合は、「送信対象」欄の□のチェックをマウスでクリックしてはずします。

全件を選択する場合は すべて対象 ボタンをクリックすれば全件が一度に選択され、全件

の指定をすべて取り消す場合は すべて解除 ボタンをクリックすれば、全件の送信指定が

一度に解除されます。なお、この一覧表でも、並べ替えができます。並べ替えを実行するに

は、一覧表の項目名をクリックすると、下の図のように項目名の後ろに「▲」、「▼」などの

図形が表示され、降順または昇順に並べ替えられます。

また、連件・同順位申請をする場合は、「順番」欄に半角数字で指定します。全ての指定が完

了すると次のようになります。連件・同順位申請をする場合には、適宜、並べ替え等を行なっ

て、間違いのないように気をつけてください。

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この状態で、 送信 ボタンをクリックすると、確認のためのダイアログが表示され、

OK をクリックすると送信が始まります。送信は、各申請書について形式のチェックを

行い、それを終えてから行なわれます。

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送信が終わると、送信完了のダイアログが表示されます(体験版では実際には送信されず、

処理状況表示画面も「未送信」のまま変わりません)。

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送信後の処理

体験版では、実際の送信ができませんから、この後の処理については、あらかじめ当局が

用意したダミーデータを使って可能な操作を体験してみることしか出来ません。実際にでき

ないことも多々あります。たとえば、電子公文書の検証や電子納付の実行テストはできませ

ん。しかし、ダウンロードされた登記完了証や登記識別情報通知を開いて確認する事などは

できますから、本研修においても、その限りで操作を実見していただきます。

まず、処理状況確認画面を見てください。

当局が用意したダミーデータには、最終更新日時欄の右側にいくつかのボタンが表示され

ています。「到達」、「受付確認」、「補正」、「お知らせ」、「公文書」、「納付」の各ボタンが表示

されています。現行システムを利用されている方ならもうお分かりと思いますが、これをク

リックしてゆけば、それぞれの情報やダウンロードした公文書を見る事が出来ます。

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ボタンをクリックする

と、到達通知が表示されます。現行シ

ステムでもありますが、私はほとんど

見た事がありません。

ボタンをクリックする

と、「受付のお知らせ」が表示されま

す。現行システムでも「コメント」と

して「(受付の)お知らせ」が来ますが、

新システムの「受付のお知らせ」はこ

れとは全く異なり、申請書の内容と共

に表示されるので、そのまま受領書と

して通用しそうな体裁を持っていま

す。今のところ、金融機関の意向はわ

かりませんが、現行のいわゆる「オン

ライン受領書(お知らせコメントと申

請書(サーバーからダウンロードし、

申請番号が印字されているもの)を合

綴し、司法書士が職印で証明文を付し

たもの)」でOKとされているくらい

ですから、たぶん、NOとは言わない

でしょう。

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ボタンをクリックする

と、「補正のお知らせ」が表示されま

す。これが来て喜ぶ人はいないでしょ

う。できれば、一生、お目にかかりた

くありません。

ボタンをクリックする

と、処理状況に関する通知等が表示さ

れます。これは現行システムのコメン

ト欄に表示される「(受付の)お知らせ」

と同様のものです

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ボタンをクリックする

と、まず、ダウンロードされている公

文書の一覧が表示されます。

complete_0001.xml が選択されている

状態では、 電子公文書検証…ボタン

が押せる状態になり、新システム稼動

後であればここから電子公文書の検

証ができますが、体験版ではその機能

はありません。

FH50333000003960000.pdf が 選 択

されている状態では、 表示 ボタン

が押せる状態になります。これをクリ

ックすると登記完了証のPDFファ

イルが表示されます(ファイル名をダ

ブルクリックしても表示されます。な

お、PDFファイルの表示及び印刷に

はPDFブラウザ(Adobe Reader な

ど)が必要です)。

discriminfo_0001 は、登記識別情報が

入ったフォルダで、このフォルダを選

択すると登記識別情報通知の各ファ

イル名が表示されます。

discriminfo.xml、discriminfo_0001.xml

は登記識別情報を暗号化したファイ

ル及び鑑文書ファイルです。

FH50233000004100000.pdf 及び FH5

0233000004110000.pdf は物件ごと

の登記識別情報通知書のPDFファ

イルです。

ここで、画面下の 登記識別情報の表

示…ボタンをクリックすると、

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パスワード(申請の際に添付した登記

識別情報通知取得用届出様式に入力

したもの。体験版では「12345678」

です)の入力を求められ、

正しいパスワードを入力して OK

ボタンをクリックすると登記識別情

報表示画面が表示されます。この画面

から 表示…ボタンをクリックする

と、登記識別情報通知書のPDFファ

イルを表示させる事ができ、物件に対

応した登記識別情報を取り込んで表

示させる事もできます(登記識別情報

を取り込んで表示させる場合は、警告

のダイアログが表示されます)。

前ページの取得公文書一覧画面から

FH50233000004100000.pdf や FH502

33000004110000.pdf などのPDF

ファイルを指定して 表示 ボタン

をクリックしても(またはファイル名

をダブルクリックしても)、登記識別

情報通知書のPDFファイルを表示

させる事ができますが、この場合は登

記識別情報を取り込んで表示させる

事はできません。

ボタンをクリックする

と、納付通知が表示されます。右の画

面では淡色表示になっていますが、

「納付」ボタンをクリックすれば電子

納付のためのサイトを通じてインタ

ーネットバンキングのサイトに接続

され、電子納付をする事ができます。

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商業・法人登記

商業・法人登記については、申請書の作成以後は不動産登記とほとんど共通ですので、申請

書の作成についての要点のみ説明することにします。

申請書を新規に作成するには、まず、ツールバーから「申請書作成」のアイコンをクリッ

ク(するか、メニューバーから「ファイル(F)→申請書作成(N)」とクリック)します。

すると、申請書一覧選択の画面に移行しますので、表示される申請書様式の中から、作成

したい申請書様式を選択します(といっても、商業法人登記では不動産のようにバリエーシ

ョンがありません。このことは逆に、商業法人登記のほうが合理的に出来ているということ

でもあります)。申請書様式を選択するには、様式名をダブルクリックするか、シングルクリ

ックして画面下部の 選択 ボタンをクリックします。なお、すでに処理状況表示画面に表

示されている申請書の編集や、他の申請書の再利用などは不動産の場合と同じです(表示さ

れている申請書を編集したい場合は一覧表からマウス左クリックで選択してツールバーの

「編集」をクリック(または、マウス右クリックで選択し、表示されたメニューから「編集」

をクリック。他の申請書を再利用したい場合は一覧表からマウス左クリックで選択してツー

ルバーの「再利用」をクリック(または、マウス右クリックで選択し、表示されたメニュー

から「再利用」をクリック。)。

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編集する申請書様式の選択が完了すると、編集画面に移ります。

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全体に共通することとして、申請書編集中に誤入力したとき、または入力情報を誤って

削除してしまったときには、Ctrl+Z で取り消しがきくようになりました(Ctrl+Z を数回繰

り返せば、何回前の入力情報でもさかのぼって取り消せるようです)。

①「件名」の入力が必須であること、②「納付情報」欄に入力支援情報で入力しておいた氏

名のフリガナが自動入力されることは不動産の場合と同じです。

③現行システムでは登記申請書から登記情報提供システムにアクセスして会社情報を検索す

ることができませんでしたが、新システムではこれができるようになりました(ただし、

不動産の場合と同様、いったんファイルに保存してその情報を転記します)。なお、新シス

テムの稼働後は、オンライン検索の利用時間も、申請の受付時間と同じ、平日8:30~

21:00になります。

④ 別紙表示 ボタンを押すと別紙編集画面になりますが、新システムでは別紙記録例を呼

び出し、転記する機能が付きました。

⑤カレンダー機能は不動産の場合と同じです。

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⑥ 登録事項転記ボタン をクリックすると入力支援情報に入力しておいた住所、氏名が転

記されます。

⑦不動産の場合における 物件情報コピー 、 物件情報はり付け ボタンに相当する 会

社・法人情報コピー 、 会社・法人情報はり付け ボタンが付きました。使用法は不動

産における 物件情報コピー 、 物件情報はり付け ボタンと同じですが、商業・法人

登記では連件事件は不動産登記事件と比べると少ないので、ありがたみも少ないかもしれ

ません。

⑧現在、商業法人登記でも、オンライン添付書面送付書を作成して提出しており、申請用総

合ソフトでも「書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(商業・法人)」という機能が

備えられているのですが、残念ながら、ここで出力される添付書面送付書には、受付年月

日及び登記申請書の「添付書類」欄の入力内容が転記されません。同様に、登録免許税納

付用紙を印刷する機能もあるのですが、こちらも受付年月日が転記されません。これらの

出力機能はいきなり印刷されるだけで編集することはできないので、余り役には立たない

ようです(正規版で改善されていることを望みます)。

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⑨編集作業が終わったら「完了」ボタンをクリックしなければならないことも不動産と同じ

です。

申請書完成後のファイル添付、署名付与、送信等はすべて不動産登記と同様ですので、以

下の説明は省略します。

付随的な作業

データのバックアップと復元

送信が完了した後は、処理状況表示画面で申請した事件の状況を確認し、登記所からの通

知を受け、公文書のダウンロードを行なう事になります。処理状況表示画面の更新は、自分

のパソコンにあるデータの状況を、サーバーに問い合わせる事によって実行されます。これ

に対して現行システムは、サーバーにあるデータの状況を自分のパソコンで見に行くのです。

ちょっと聞くと同じ事のようですが、実は決定的な違いがあるのです。すなわち、現行シス

テムは、いわば、法務省にあなた専用の掲示板が設置されていて、それを見に行くのですが、

新システムは、法務省には掲示板は設置されておらず、「私が申請した○○○○○○番の申請

はどのような状況になっているでしょうか」と1件1件問い合わせる仕組みになっているの

です。したがって、申請中のデータが失われてしまうと、この問い合わせができなくなるの

で、以後、申請人がなすべき手続、例えば、補正、取下、公文書のダウンロードなどの処理

がいっさいできなくなります(もちろん、不備がない限り、登記所側の処理は実行されます)。

このために、送信が実行されたデータについては、送信以後手続終了までの間、申請用総合

ソフトの中から削除する事はできなくなっています(削除できなくなるのは、あくまでも申

請用総合ソフトの中から削除できなくなるということです)。しかし、パソコンやハードディ

スクの故障によりデータファイルにアクセスできなくなった場合、あるいは、申請用総合ソ

フトの外から申請データをあやまって削除してしまった場合(これは可能です)には、以後、

いっさいの処理ができなくなりますので、とりわけ、申請中の事件についてはこまめにバッ

クアップを取っておくことが重要になるのです(現行システムは、たとえ自分のパソコンの

データを過って消してしまった場合でも、取下げや公文書の取得などは問題なくできました。

補正については一応できないものとされていましたが、これにも裏ワザがあり、それほど難

しくなくデータの復元ができるのは一部には良く知られていました。しかし、新システムで

は、自分のパソコンのファイルが失われると、このいっさいができなくなるのです。ところ

が、、、、

申請用総合ソフトに備えられているバックアップ-復元には決定的な欠陥があります

それは、「バックアップ-復元は全件バックアップ、全件復元に限られ、しかも、最終バッ

クアップ実行以降に作成・更新したデータは、バックアップデータを復元してしまうと、消

えてなくなってしまう」という事です。パソコン等の故障によるデータの消失なら、最終バ

ックアップ時点以降に作成・更新したデータも含めた全てのデータが消失するのだから、せ

めて最終バックアップ時点までのデータが復元できれば用は足りると思われたのかもしれま

せんが、申請用総合ソフトの外からある特定のデータをあやまって消してしまったような場

合には、失われたデータだけを復元してもらい、後はそのままにしておいてもらったほうが

良いに決まっています。しかし、申請用総合ソフトのバックアップ-復元に頼る限り、それ

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はできないのです。そこで私が今考えているのは、書き出し-取り込み機能による手動バッ

クアップ-手動復元です。これは、ボタン一発によるバックアップのようには簡単ではない

のですが、よほど大量の事件を受託している事務所でもない限り、1つの事件を処理するた

びにそのデータのバックアップを取っておくことは、それほど面倒な事ではないと思います

(これが面倒でできないというくらいに受託件数が多い方は、ベンダーソフトの導入をお勧

めします。ベンダーソフトではこのようなことはないでしょう)。

私が考えている方法は、申請中データのバックアップと手続終了データのバックアップを

わける方法です。

まず第一に、申請中データのバックアップは、一日の業務を終えるとき、あるいは、1つ

の事件を処理するたび(できればこちらの方が良い)に、機械的・電気的に切り離せるメデ

ィア(最初に説明したとおり、USB 接続のハードディスク、USB メモリ、DVD-RAM など)

にデータの書き出しを行なっておき、万一の時にはそこから取り込むことによってデータの

復元を行なうという方法です。これは、データ消失に備えたバックアップですから、個別に

分ける必要はありません。処理状況表示画面で「手続終了」になっていないすべての事件を

選択して「書き出し」を行い、一大事出来の時にはそこから復元すればよいのです。

また、手続終了になったデータについては、1ヶ月分とか1年分とか、一定期間のデータ

を CD-R や DVD-R に焼いて保存しておくのです。私は、現在、同じフォルダに申請書データ、

添付書類データ、本人確認データ、登記情報提供サービスのデータの各ファイル(内容は文

書ファイルあり、PDFファイルあり、オンライン申請書様式ありといろいろです)をすべ

て入れておいて、フォルダ名として日付を表示する半角6桁の数字+主たる依頼人の氏名・

名称+主たる登記原因・法律行為の名称(「売買」、「相続」など)を付けて保存しています。

これが適当な分量たまったら、CD-R や DVD-R に焼いて保存し、元のファイルをフォルダご

と消します。手続終了になったデータは、後日、問い合わせがあったときや、古いデータを

再利用したいときに見つけられればよいのですから、名前の付け方は統一的なルールを決め

ているのです。私は、この方式を新システムでも使うつもりです。添付書類等を保存するフ

ォルダに前に説明した法則で名前を付けてデスクトップに置いておき、申請事件が手続終了

になったら、そのフォルダに申請データを書き出し、保存用メディアに移動しておきます。

適当にたまったところで CD-R などに焼くのです。

現在はこの方法で行こうと思っていますが、現在の申請用総合ソフトは体験版ですので、

もしかしたら正規版ではバックアップ-復元が劇的に改善されるかもしれませんので、それ

にちょっと期待をかけてもいます。

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申請用総合ソフトやシステムがハングアップしてしまったら

申請用総合ソフトを使用していて、ハングアップ、すなわち、マウスやキーボードの入力

を全く受け付けなくなり、やむを得ず、タスクマネージャや電源スイッチの長押しで強制終

了させざるを得ない場合があります。もしもこの事態に見舞われてしまうと、申請用総合ソ

フトは二度と起動しません。起動しようとすると、起動していないのに、

とメッセージが表示されてしまうのです。この症状は、申請用総合ソフトをいったんアン

インストールして再インストールしても改善しません。この場合の復旧方法をここで説明し

ておきます。

体験版の申請用総合ソフトのデータファイルは次のところに「Trial」のフォルダ名で保管さ

れています(正規版では「ShinseiyoSogoSoft」というフォルダ名になる予定です)。まず、こ

のフォルダを開きます。

XP の場合 スタート→マイ ドキュメント

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Vista の場合 スタート→ドキュメント

Windows 7 の場合 スタート→ドキュメント

この、「Trial」フォルダを開くと、次のようになっています。

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この、「ShinseiyoSogoSoft.lock」というファイルがあると、申請用総合ソフトは「すでに起動

済み」と判断して先のエラーメッセージを出してしまうので、このファイルを削除します。

これで、再び申請用総合ソフトを起動することができるようになります。