クリエイティブ産業海外展開強化に 向けた調査報告書...1...

126
1 クリエイティブ産業海外展開強化に 向けた調査報告書 2012年5月 経済産業省 参考資料2 平成23年度クール・ジャパン戦略推進事業 'クリエイティブ産業の海外展開強化に向けた総合的基盤整備事業(

Upload: others

Post on 14-Mar-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

1

クリエイティブ産業海外展開強化に 向けた調査報告書

2012年5月 経済産業省

参考資料2

平成23年度クール・ジャパン戦略推進事業 'クリエイティブ産業の海外展開強化に向けた総合的基盤整備事業(

2

エグゼクティブサマリー'1/3(

• これまでに各国政府、国際研究機関、研究者等によって实施された先行研究および関係者へのヒアリングを通じて、クリエイティブ産業におけるクール・ジャパンの成立過程において重要な役割を果たした主な作品として、『ポケモン』、『料理の鉄人』、『おしん』を選定。これら日本作品に加え、近年の韓国の取り組みも踏まえることで、コンテンツの海外展開に

おける成功のポイントを抽出

• コンテンツの海外展開にあたっては、①普及初期での集中的な露出拡大投資と②最適なメディアミックス展開が必要であり、その实行体制として③国内と進出国の両方においてコンテンツ管理体制の一元化が重要

• また、効率的かつ効果的な海外展開のためには、対象国の規制・文化・宗教等の状況に応じて、④地場制作会社との協働によるコンテンツローカライズや⑤国レベルの文化交流・規制緩和の働きかけを行なう必要がある

– 韓国は、「民と官」双方でコンテンツのグローバル展開戦略を推進。海外進出を前提とした制作・プロモーションへの徹底注力やコンテンツのパワーを活かした他産業の海外進出後押しを進めると同時に、官として一貫した横串機関'コンテンツ振興院(によるコンテンツ振興策の立案・提供、トップセールス外交、より直接的かつ焦点を絞ったコンテンツ海外展開支援などを通じてコンテンツ・他産業の双方で各国におけるプレゼンスを増してきている

• 日本コンテンツの他産業への波及効果がまだまだ限定的であり、今後は、⑥中長期展開シナリオを構築した上で、コンテンツの1次利用からの収益のみならず、副次利用/関連商品や他産業への波及効果など⑦シナリオ全体として投資回収を实現するスキームを組み、⑧オーケストレイトしていくことが肝要

A 先行調査・研究の整理と成功のポイント抽出

中長期展開シナリオ構築

シナリオ全体として投資回収を实現するスキーム

オーケストレーション機能

国レベルの文化交流・規制緩和の働きかけ 普及初期での集中的な露出拡大投資

最適なメディアミックス展開

コンテンツ管理体制の一元化

地場制作会社との協働によるコンテンツローカライズ

1

2

3

4

3

6

7

8

コンテンツの海外普及/他産業波及のKSF

3

エグゼクティブサマリー'2/3(

• 一方で、産業界からは日系コンテンツを起爆剤とした海外展開ニーズの声が多く聞かれた。具体的には、国内のコンテンツ企業およびパートナー候補企業へのヒアリングを通じて、下記4つのポイントについてのニーズを聴取。今後、アニメ・マンガを中心とした日本コンテンツは、アジアを中心に消費財・小売等での活用ニーズが高まる見込みがあり、使用料・権利処理といったコストの低減や対象国の現地事情に見合ったプロモーション間の連携が必要

【海外事業展開の方向性】 – パートナー候補企業の優先度がおしなべて高いのは東南アジアと中国。但し、中国は市場の特殊性から、他国とは異なるアプローチが必

要。東南アジアの中では、今後の成長性を踏まえインドネシア、タイ、ベトナムなどが魅力的

– インドは中長期的には進出が不可避の重要市場であるが、短期的に消費財系では参入ハードルが高い

– 欧米諸国は既にビジネスの“自走”のフェーズにあり、国による新たな施策等へのニーズは相対的に低い

【海外事業プロモーションにおけるコンテンツ活用の实態】 – アニメ・マンガは若い年代へのプロモーションに有効であり、食品・清涼飲料・化粧品などでの活用ニーズが高い

– 全般的に日本コンテンツは使用料が高いため、使いたくても使えない状況が散見

– アイドルやドラマ・映画'日本人俳優含む(は、化粧品、酒類、食品・飲料、自動車、家電などとの親和性が高い一方で、プロモーションでの活用機会はアジア圏に限られる可能性が高い

【今後、活用が見込まれるコンテンツ】 – 消費財系・小売のアジア展開では、アニメ・マンガへの活用ニーズが高い。展開实績は限定的ながらも、アイドルや实写ドラマ/テレビ番組

などは潜在的な活用ニーズがある

– 既にグローバル展開をしている耐久消費財では、コンテンツの国籍・種類は重要ではなく、対象国でマスへ訴求できることが重視される

– 種類に関わらず、コンテンツ自体で儲けるビジネスモデルではなく、プロモーションツールと割り切って利用する発想も必要

【海外でのコンテンツ・メディア利用における懸念点/政府への期待】

– 現状はプロモーションが単発に終わってしまい、相乗効果を十分に得られていない

– 現地メディアの概況や商習慣、効果的な露出機会の創出方法についてのナレッジやベストプラクティスが分からず困っている

– 参入対象国で日系コンテンツが効果的にアプローチできる層が分からず、プロモーションツールとして活用に踏み切れていない

– 日本コンテンツの権利料や翻訳費などのコストが高い上、権利関係の処理が煩雑で、活用にあたっての障害となっている

B 国内プレイヤーの課題認識・パートナリングニーズの把握

4

エグゼクティブサマリー'3/3(

• 更に、具体的な進出先として有望な国を特定し、より詳細な調査を行うため、まずミドルリスト対象国として12カ国を選定。

対象国の評価に際しては、本プロジェクトの意義・目的である「コンテンツによる他産業への波及」を踏まえ、当該国のコンテンツ市場規模や日系コンテンツの普及素地等に加え、事業会社の進出動向・意向なども加味

– ミドルリスト対象国: アジア・・・ 中国、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポール、インド 欧州・中東アフリカ・・・ サウジアラビア、トルコ、フランス、ロシア 米州・・・ 米国、ブラジル

• ミドルリスト対象国について、各国での戦略方向性'“攻め方”(を炙り出すべく、「日系コンテンツの普及ステージ」及び「打ち手の自由度」の観点から12カ国を5グループに区分。その後、「具体的なコンテンツ企業・パートナー候補企業の進出意向」等を踏まえ、中国、インドネシア、インドの3カ国を優先検討国として設定、現地市場環境の詳細調査を实施

• 上記各グループにおいては同グループ内で戦略方向性・考え方を横展開し得るとの仮説に基づき、 にて導出された「コンテンツ海外展開」及び「他産業への波及」のKSF'キー・サクセス・ファクター(を踏まえ、各グループにおけるKSFの濃淡も整理

• 優先検討国におけるコンテンツ関連市場動向の概況は下記の通り

– 中国: 若年層のボリューム・ゾーンを中心に、アニメ・マンガなどの日系コンテンツは高い人気を得ているものの、 テレビ放映などで規制が存在。ネットメディアの活用が鍵。規制緩和の働きかけを行っていくことも重要

– インドネシア: 日系コンテンツは広範な支持を得ており、急激な経済成長を背景に都市部の若年/中間所得層の購買力に今後期待が高まる。圧倒的なリーチを持つ地上波テレビに加え、ソーシャルメディアとの連動を検討すべき

– インド: 20歳以下の人口比率が非常に高く、広く普及するテレビメディアの活用が必須。自国のコンテンツが圧倒的な人気を持ち、日本コンテンツの人気は一部に留まるため、ローカライズが鍵

C 分析対象国の特定

A

5

This document shall be treated as confidential. It has been compiled for the exclusive, internal use by our client and is not complete without the underlying detail

analyses and the oral presentation. It may not be passed on and/or may not be made available to third parties without prior written consent from Roland Berger Strategy

Consultants. RBSC does not assume any responsibility for the completeness and accuracy of the statements made in this document.

© Roland Berger Strategy Consultants

Contents Page

A. 先行調査・研究の整理と成功のポイント抽出 7

B. 国内プレイヤーの課題認識・パートナリングニーズの把握 32

C. 分析対象国の特定 38

D. 企業コンソーシアムの形成 127

6

コンテンツの海外展開事例の成果分類

海外展開事例の分析では、「コンテンツの認知度」と「経済効果」の両面から捉え、本プロジェクトに対する示唆を抽出

複次利用

'関連グッズ( 1次利用

プロモーション

タイアップ コラボ商品

日本 /自国 ブランド

ポケモン、キティ、ディズニー

'キャラクター(等

料理の鉄人'Iron Chef(

'番組フォーマット(等

おしん

'TVドラマ(

コンテンツの普及 他産業への波及

3

1 “日本コンテンツ”直売:『おしん』

2

1

2 日系フォーマット展開 :『料理の鉄人 Iron Chef』

3 グローバル・コンテンツ展開 :『ポケモン』

• アジア諸国を中心に日本のイメージアップに貢献'不買運動の沈静化、観光実誘致(

• 大半が無償譲渡でコンテンツ収入は限定的

• 海外の日本食ブームを牽引 '国内では絶大な宠伝効果(

• 番組フォーマット販売から、米国では他産業波及が自発的に起きた

• ローカライズを徹底することで、グローバルキャラとして多角的に展開

• コンテンツ自体の普及に加え、海外での副次利用、他産業への波及も達成

NARUTO、ワンピース

'マンガ/アニメ(

グロバル /ローカル ブランド

マネタイズ'経済効果(のステージ

コンテンツの認知度

海外展開事例分析のアプローチ

4

4 韓国のコンテンツ海外展開 • 韓国は、「民と官」双方でコンテンツのグ

ローバル展開戦略を推進 • コンテンツ・他産業の双方で各国におけるプ

レゼンスを増してきている

自国ブランドとしての 認知度を保ちながら、 他産業への波及にも成功

韓国コンテンツ

7

事例研究からの示唆まとめ

出所: 雑誌・記事、ヒアリング、ローランド・ベルガー分析

1

コンテンツの海外展開事例分析 KSFサマリー

普及初期での集中的な露出拡大投資

最適なメディアミックス展開

地場制作会社との協働によるコンテンツローカライズ

国レベルの文化交流・規制緩和の働きかけ

中長期展開シナリオ構築

シナリオ全体として投資回収を实現するスキーム

オーケストレーション機能

コンテンツ海外普及のK

SF

コンテンツ管理体制の一元化

他産業波及のK

SF

内容 事例

1

2

3

4

5

6

7

8

• コンテンツのプロモーション効果を最大化するためにも、普及初期ではコンテンツの露出機会を集中的に拡大させることが重要

• 集中的にメディア枠の確保することが重要であるため、プロモーションコストと割り切った廉価でのコンテンツ提供や無料ネット視聴等も視野

• 海外展開における権利が複数社に分散している場合、権利取得が困難/手間であるため、コンテンツの活用が進まない

• 海外におけるコンテンツの露出・二次利用を促進し、収益回収機会を最大化するためにも、コンテンツ権限管理窓口を集約することが重要

• コンテンツの展開が中長期プランなく場当たり的に行われることによって、各フェーズでの施策が単発に留まり一貫性・相乗効果が限定される

• 「全体最適」を見据えたコンテンツ展開を实現するため、初期段階から多様なプレイヤーを巻き込んだ中長期シナリオを構築すべき

• コンテンツ一次利用のみによる投資回収を想定した場合、放映料を下げる・無償公開する等の踏み込んだ施策を検討しにくい

• 普及初期での集中梃入れを促進するため、関連ビジネスの広がりを見据え、シナリオ全体で投資回収できるビジネスモデルの構築が必要

• 全体として投資回収を实現するスキームの中では、他産業も含む複数のプレイヤーが関与するため、事業展開の实現に向けて各社の意向を取りまとめ、適切に管理する機能が必要

• 全体最適を狙ったプロモーションの集中投下によって、日本の約半分の期間で大規模な米国市場を席巻

ポケモン

おしん

おしん

ポケモン

ポケモン

韓国

韓国

韓国

• 当該コンテンツのターゲット層にリーチできる媒体を特定し、最も効率的かつ効果的に普及させられるプロモーション戦略を立案

• 併せて、近年浸透しつつあるソーシャルメディア等の新媒体との連動も適宜行なっていく

• カギとなるメディアやコンテンツ等への理解を踏まえた上で効果的な展開施策を立案

• 地場企業との協働やコンテンツ修正を通じて規制・文化・宗教面等の障害をクリアし、費用対効果の高いコンテンツ発信を实現

• 国家主導による、グローバル展開を見据えたコンテンツの制作・翻訳、国際共同制作に対する手厚い資金支援

• ドラマの版権を無償提供し、代償に放送前後の広告枠を押さえ、出演俳優を化粧品のモデルに起用することで市場参入

• 振興院は4つの海外事務所を設し、現地情報提供や海外進出コンサルティング・各種リサーチを实施

韓国• 重複を排除し一貫したコンテンツ振興策を提供するため、横串機

関 (コンテンツ振興院)を設立

韓国

料理の鉄人

• ドラマを無償提供し、代償に放送前後の広告枠を押さえ、出演俳優を化粧品のモデルに起用することで市場参入

• コンテンツ展開に係る規制が厳しい国においては、地上波放映許可や映画輸入枠など、ボトルネックとなる規制に対して政府レベルでの規制緩和の働きかけの意義は大きい

• また、国レベルでの文化交流促進等による働きかけも有効

ポケモン• 米国展開では米国任天堂にライセンスを一元化し、实行権限も集

約化することで、現地メディアの掌握に成功

• 国際交流基金による文化振興として、放送権料の無償提供により、世界70ヶ国近くの途上国での放映を实現

• 言語・文化・宗教の異なる国でも中立的で受け入れられやすいように、キャラクター・ストーリー・演出等を展開国向けに徹底ローカライズ

• 李明博大統領の働きかけにより、Googleのエリック・シュミット会長と面談し、 “You TubeにK-POP専用チャンネルを立ち上げ

• 訴求範囲の広いテレビを起点に、他メディアにも短期間・大規模に展開し、メディアミックスの効果を最大化

韓国• ドラマの輸出によって韓国文化を受容する土壌を作った上で、

音楽コンテンツの本格輸出を拡大

料理の鉄人

ポケモン

• 国際交流基金による一括買取により、新興国での柔軟な放送・再放送を可能に

• 米国での成功は関連ビジネスが自発的に起きたもので、日本側では収益の取りこぼしも多かったのが現实

• 米国展開では米国任天堂に实行権限も集約化したことで、現地代理店を使って現地でのメディア展開/関連ビジネスを管理

他産業への効果的な波及事例は未だ限られるものの、企業コンソーシアム等で多様なプレイヤーが共通した取組をする上では重要な要素となると考えられる

『ポケモン』、『料理の鉄人』、『おしん』等の日本コンテンツおよび韓国コンテンツの海外展開事例から、戦略的なコンテンツ普及および他産業波及のKSFは下記8つと認識

8

事例① おしん

9

• 各国で非常に高い人気を誇り、「Osinブーム」を巻き起こした

• 当時の日本製品不買運動の沈静化に大きく貢献 – “日本もタイ人と同じくあんなに貧しい暮らしをしていたのか。我々

も一生懸命に働けば『おしん』のように幸福になれる等々タイ国民に大きな感動と希望を与えた”'電通タイランド社史(

• 「Osin」とネーミングをつけたレストランをはじめ、類似キャラクターを使った文房具やシャンプーなども流行

世界各国で驚異的なヒットを記録し、文化・政治面で日本の地位向上に貢献した『おしん』の成功要因は以下3つ

NHK連続テレビ小説『おしん』おける海外展開のKSF

『おしん』の海外展開状況 海外展開におけるKSF

世界67ヶ国・地域で放送され、多くの国で「Osinブーム」を巻き起こし、文化・政治面における日本の地位向上に貢献

• 国際交流基金の「テレビ番組交流促進事業」の補助金やスポンサーシップによって、無償で提供

1 放送権料の無償提供スキーム

• 1話15分×297話のドラマは、放送局側の枠事情に応じた柔軟な放映が可能

• 英語・スペイン語・フランス語版を作っていた上、ME版'音楽と効果音のみ(も日本側が準備

• 再放送も年3回まで容認

2 コンテンツ自体の使いやすさ

出所: 雑誌・記事、ヒアリング、ローランド・ベルガー分析

• 当時の日本に重なるアジアの途上国を中心に共感できる内容 '欧米先進国での普及は限定的(

3 コンテンツに対する文化・経済的な親和性

事例①:おしん

• 国際交流基金による無償展開を主に、 世界67の国・地域で放送

– 海外展開の9割以上は途上国向けの無償展開

– 現地の大使館・基金事務所を通じて番組を提供

– 期間は3年間、3回/年の放送が可能

– 英語、スペイン語、仏語他多数の言語で展開

展開方法

反響・影響

日本'参考( 62.9%

イラン

タイ

中国

82.0%

81.6%

75.9%

最高 視聴率

10

事例② 料理の鉄人

11

『料理の鉄人』は、商業放送にとって魅力溢れる番組パッケージであったため、米国市場では自立的にビジネスが拡大

フジテレビ『料理の鉄人』における海外展開のKSF

『料理の鉄人』の海外展開状況

• 世界約50カ国に販売されている料理バラエティ番組

• 『料理の鉄人』は、1993~1999年に 放送されたフジテレビの人気料理 バラエティで、関連書籍などの出版、 食品、キッチン用品のブランドライセ ンシングも展開

• 1999年から海外向けに販売され、アメリカ、イギリス、 スウェーデンなど45の国と地域へ番組が販売され、フォーマット販売も5カ国

• アメリカで大ヒットし、ケーブルTV専門局「Food Network」では開局以降の最高視聴率を獲得し、局自体が全米10位に入るほどの人気チャネルに急成長 – 05年に米国版「Iron Chef America」がスタート – 07年からはスピンオフ企画「The Next Iron Chef」が開始

• アメリカで日本食ブームを引き起こすほどに – ウニを食べることが広まったり、レストランで「Konbu」「Yuzu」

「Tofu」の表記が増えた – 学生の間で实況中継をする福井謙二アナウンサーを題材にし

たゲームが流行するほど

海外展開におけるKSF

• 料理対決バラエティーという目新しいエンターテイメント番組の魅力

• 本やグッズなど関連ビジネスへの展開のし易さ

• 出演者'鉄人、挑戦者(の出演料が安く抑えられる広告的要素

• キッチンスタジアムの中の機材や毎回の食材などプロモーションをしやすい構成 等

1 商業的メリット溢れる番組の魅力

• マルチユースに対する日本側の規制が厳しくなかったため、米国の関連ビジネスが柔軟かつ多角的に展開できた – 関連書籍・食品・キッチン用品など商品化によって50ア

イテム以上販売し、WiiやDSのゲームにも発展

2 米国におけるライセンスビジネス展開の土壌

出所: 雑誌・記事、ヒアリング、ローランド・ベルガー分析

事例②:料理の鉄人

12

事例③ ポケモン

13

ポケモンの概要/海外展開状況

ポケモンは、各種メディアミックスの展開を進め、海外でも实績をあげている国内コンテンツの事例

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

概要

国内ではゲーム及びマンガでブームに火が付いた後、テレビアニメやグッズ販売、映画など幅広いメディアミックスを展開

海外展開'2011年12月時点(

テレビゲーム、アニメ、カード、映画、関連グッズは世界中で展開されている

1996

1997

• ゲームボーイ向けのゲームソフト

「ポケットモンスター」が発売

• 同時期に、小学館が「コロコロコミック」

などでマンガの連載を開始

• トレーディングカードゲーム'TCG(

「ポケモンカード」を発売

• テレビ東京でテレビアニメの放映開始

– 小学館と関係性が深かったJR東日本企画が制作

1998 • '株(ポケモンが、ポケモン関連商品を

集めたショップ「ポケモンセンター」を

オープン

• 映画・劇場版ポケモンシリーズ第一弾が公開

– 以降、2011年10月現在、15作目

までを公開

事例③:ポケモン

ポケモン関連市場の累計売上は、全世界3.5兆円規模

ゲーム

ソフト

• テレビゲームは世界で2.3億個販売'任天堂、2011年9月(

テレビ

アニメ

• カードゲームは世界約65カ国で180億個販売

• テレビアニメは世界約160カ国、30以上の言語で放送 – 1998年9月:アメリカでアニメ放送開始'地方111局(

– 1998年11月:香港、台湾

– 1999年9月:ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ギリシャ、オーストラリア

– 2000年:イタリア 等

• 映画は99年には劇場版第一作が全米公開され大ヒットし、シリーズ3作目までの海外での興行収入は、合計380億円で、国内の約2倍

– 当時、アメリカで上映された日本映画の中で最高の興行収入を記録

カード

ゲーム

• ライセンス供与は海外200社以上

映画

関連

グッズ

14

メディア掌握の視点

【参考】テレビなど訴求範囲の広いメディアでは、利用停止時のリスクも大きいため、自立的にコントロールできる運営スキームが不可欠

出所: 雑誌・記、ローランド・ベルガー分析事

メリット リスク

継続的な放送スキームがないと一過性ブームに終わる危険性がある'小学館、ミニ四駆の例(

• コロコロコミックで連載してた『ダッシュ四駆郎』というマンガを広告代理店の仕切りでアニメ化

• 放送に伴いミニ四駆の人気も高まったが、代理店の一方的な理由で半年で放送が打ち切りに

• 問屋や小売はテレビの終わり=ミニ四駆人気の陰りと判断して、売場の商品を減らし、コミック自体の人気も下げる結果になった

ポケモンのアニメ放送では、スポンサーを巻き込み、放送メディアを自立的にコントロールできる運営体制を構築

• 代理店が口出しできないようにスポンサーを独自に開拓

• 版権管理を系列の小学館プロダクションが行うため、版権を利用したい企業にアプローチして、アニメ化したいときはスポンサーになるという条項をつけて版権を許可する方式を採択

• バジェットを自分たちで握ることで、代理店に頼らずに、放送局に対して欲しい放送枠を直接交渉することが可能

ファン層の裾野を広げ、関連ビジネスの拡大が可能

• ゲームと『コロコロコミック』の展開だけでは、8-14歳の尐年に限定される傾向があったポケモンのファンを、女の子や幅広い年齢層まで拡大することが可能

• 一般層の認知度が高まることで、関連商品の展開が加速し、ポケモン関連ビジネス売上を拡大することが可能

• アニメ化することで、海外展開や映画化への事業展開が容易になる

➨ 版権使用の条件としてアニメのスポンサードをつけ、同業他社が相乗りで形で番組を提供する手法は『ドラえもん』と同じ ➨ 海外でのテレビアニメ放映に際しても、NOA'現在はThe Pokemon Company Internatioal/POKEMON KOREA, INC.(に版権+権限を

集中させることで、メディアを一元的にコントロールしている

事例③:ポケモン

15

株式会社ポケモンの概要

国内/海外展開での経験から、大規模・多様になった関連商品ブランドを一元的に管理するため株式会社ポケモンを発足し、更なる体制強化を狙う

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

株式会社ポケモンの組織構成

• ライセンス管理事業 – 国内85社、海外200社以上へのライセンス供与 – ポケモンキャラクターを使用した各種商品に関するコンセプ

トやデザインの審査、監修、許諾、ライセンシーの選別・品質管理、テレビアニメ・映画の品質管理

• 直営店管理 – 札幌、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡、仙台に専門ショッ

プ「ポケモンセンター」を構え、ぬいぐるみ、おもちゃ、フィギュア、雑貨、文具、カードゲーム、書籍、菓子など関連グッズ3,500種類以上を販売

• ゲームソフト関連事業 – オリジナルゲームの他、派生ゲームソフトのプロデュースも

数多く手掛ける

• カードゲーム関連事業 – ポケモンカードゲームシリーズを展開

• イベント企画・運営事業 – アトラクションやゲーム・カードゲームの公式大会等を提供

するポケモンフェスタの開催

• マーケティング・ウェブプロモーション事業 – ポータルサイト、公式ファンクラブ、携帯サイトなどを展開

展開事業1)

• 2000年9月、任天堂、クリーチャーズ、ゲームフリーク3社は、共同出資会社㈱ポケモンを設立

• 世界戦略を見据え、これまで複数にわたった「ポケモン」関連商品のブランドを一元管理 – 原著作者の原著作権を含むポケモン関

連の権利一切を統合的にマネジメント – 版権を有する6社は同社からロイヤリ

ティ収入を得る

株式会社ポケモン

任天堂㈱

The Pokemon

Company

International

POKEMON

KOREA,

INC.

㈱ゲームフリーク

㈱クリーチャーズ

32.0% 24.6% 23.7%

100% 100%

1) こども向けパソコン教育事業を目指した「ポケモンラーニング㈱」は2005年に設立するも、業績が伸びず1年たらずで解散。2010年には、全国の小学校を対象としたパソコン教材無償配布活動「ポケモンPCチャレンジ」を開始している

“株式会社ポケモンは、ポケモンというアイドルをプロデュースするためのタレント事務所のようなもの。ポケモンが最も魅力的な商品に なるように導き、その商品が売られるにあたっては、ビジネスとして最高の結果をもたらすようにあらゆる調整をする」”'石原CEO(

海外の各国毎にライセンシーを管理

• 100%子会社を通じて、日本以外の全世界市場でブランドマネジメント、著作権管理、カードゲーム製造販売などを行なう

巨大・複雑なブランドを一元管理する手法はディズニーと同様

事例③:ポケモン

16

ポケモンは、子供に対する訴求力/集実効果が高いため、多様な他産業の企業とのタイアップを实現している

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

ポケモンの企業タイアップ事例1)

子供向けの人気コンテンツであるポケモンは、B2Cかつ低価格・購入サイクルが短い商品/サービスとの親和性が高い

①幼稚園・小・中学生の人気が高い上、「安心」「信頼」といったブランドイメージがある ②“キャラクターの収集”というゲームの特徴から、プロモーションによる集実効果が高い

飲食 小売

マクドナルド • ポケモンのおもちゃがセットに

なったハッピーセットの販売 • 2011年9月には、お台場の店

舗を「ブラック・ホワイト」のゲームにちなんで期間限定で改装し、セル画等を展示

デニーズ • サマーキャンペーンで、映画の

特別前売券等をくじ引きでプレゼント

• Wi-Fiを使ってゲームバトルのできる環境を提供

ドミノピザ • 2008年からイメージキャラク

ターとして起用し、「ポケモンドミノキッズひろば」でポケモンのグッズがもらえるピザやクイズも登場

1) ポケモンは、基本的に1業種1企業とのタイアップを原則としている'期間が異なれば同業種でもタイアップをすることはある。例:Macとバーガーキング等(

セブンイレブン • 2005年の夏から、セブンイレブ

ンの店舗を回り、スタンプを集める「ポケモンスタンプラリー」を開催

イオン • ゲーム大会、ポケモン撮影会、

工作コーナー等のイベント開催

アパレル

UNIQLO • 限定「ポケモンカードゲーム T

シャツ」を販売

BEAMS • コラボレーション商品として、掛

時計、トートバッグ、ハンカチ、マグカップ等を限定販売

JR/鉄道会社 • JR東日本がスタンプラリーの一

環として、山手線でポケモンのラッピング列車をほぼ毎年夏に運行

• 東北新幹線なども「ポケモン新幹線」を運行

• 名古屋鉄道でも新作映画の宠伝キャンペーンとして運行

交通

ANA • ラッピング飛行機「ポケモン

ジェット」を運航 • 座席カバー、カーテン、CAのエ

プロン、カップにもポケモン模様が施され、搭乗記念に機体写真入り絵葉書が貰える

その他

白元 • ポケモンキャラクターシールを

添付した「子供用風邪対策マスク」を販売

TOYOTA系ディーラー • 小型車「ポルテ」「ラクティス」を

ベースにした特注車「ポケモンカー」3種を製作

ホテルヴィラフォンテーヌ • 夏季宿泊特別企画「ポケモンセ

ンタートウキョーお楽しみプラン」

東京モノレール • 車体や車内にキャラクターが描

かれた「ポケモンモノレール」

i-works • 企画会社と共同で期間限定の

遊園地「ポケパーク」を台湾に開園

事例③:ポケモン

17

事例④ 韓国

18

韓国コンテンツの海外展開の取り組み

韓国は、「民と官」双方でコンテンツのグローバル展開戦略を推進。 コンテンツ・他産業の双方で各国におけるプレゼンスを増してきている

「民」によるコンテンツのグローバル展開

その結果、何が起こっているのか?

「官」によるグローバル展開の後押し

• 官として一貫した横串機関'コンテンツ振興院(による

コンテンツ振興策の立案・提供、トップセールス外交

• より直接的かつ焦点を絞ったコンテンツ海外展開支援

– グローバル展開を見据えたコンテンツの制作・翻訳、国際共同制作に対する手厚い資金支援

– コンテンツファンドへの出資、3D含む先端技術開発、映画祭会場の建設等における助成

– 4ヵ所の振興院海外事務所による現地情報の提供・

海外進出コンサルティング・市場リサーチの实施

• 海外進出を前提とした制作・プロモーションへの徹底注力

– グローバルで受けるためのコンテンツ作り込み

– TV等メディア枠の大々的な確保に向けた初期投資

– 現地でのライブ・イベント实施による直接プロモーション活動

• コンテンツのパワーを活かした他産業の海外進出後押し'コンテンツを「乗り物」として活用し、他産業で儲ける(

– ベトナムにおける例: LGグループ ドラマの版権をテレビ局に無償提供し、代償として放送 前後の広告枠を押さえ、出演俳優を化粧品CMの モデルに起用することで市場参入を果たした

各国における

韓国コンテンツの

普及進展・人気向上

他産業における

韓国製品のシェア拡大・

プレゼンス向上

「韓国」全般に対する

イメージの向上

出所: JETRO調査「韓国のコンテンツ振興策と海外市場における直接効果・間接効果の分析」、インタビュー、 ローランド・ベルガー分析

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

19

韓国政府は90年代末よりクリエイティブ産業育成に注力

主な政策/支援の内容 クリエイティブ産業の主な海外展開の動向

1998 • 金大中大統領「文化大統領宠言」

– 21世紀の国家基幹産業として文化産業を育成するとの宠言を行い、コンテンツ振興策を加速

• 映画「シュリ」、「JSA」のヒット

• オンラインゲーム「リネージュ」のヒット

2001

• コンテンツコリアビジョン21を制定

– デジタルコンテンツ産業発展を目的として03年までに8,546億ウォンの資金を投入

• 文化コンテンツ振興院の設立

• 映画「猟奇的な彼女」、「チング」のヒット

• 映画「ブラザーフッド」のヒット

• 'アジア各国で「韓流」現象が拡大(

2003 • 国際文化交流財団を設置

– 韓流コンテンツの輸出増によるグローバル・インバランスの解消を担う機関

• NHKのBS2で「冬のソナタ」放映

2004

2005 • 韓国テレビ番組新規市場開拓支援事業を開始

– 国際放送交流財団が韓国テレビ番組の再制作版権を購入し、新興国での放送を前提に、無料または安価で提供

2010 • 韓国大衆音楽海外進出プロジェクト支援事業を開始

– アーティストの海外進出を目的とする事業主に支援金

を支給'支援額は総事業費の50%まで(

• 音楽ユニット「尐女時代」、「KARA」のブレイク

• 'K-POPブームが拡大(

• 音楽ユニット「東方神起」のブレイク

韓国のクリエイティブ産業育成

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

出所: 雑誌・記事

20

韓国は、ドラマの輸出によって韓国文化を受容する土壌を作った上で、 音楽コンテンツの本格輸出が拡大してきた

韓流のアジア諸国への展開プロセス

製品パッケージ輸出との拡販の相乗効果が得やすいTVから着手し、

ライブ/コンサートなどでの収入獲得に時間を要する音楽にも順次開拓

出所: サムスン経済研究所、各種2次情報調査

1997年 2000年 2005年

中国

台湾

ベトナム

インドネシア

タイ

日本

香港

ドラマ 音楽

映画

ドラマ 音楽

ドラマ

ドラマ

ドラマ

ドラマ 音楽

ドラマ

音楽

音楽

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

21

韓流ドラマは国策と現地メディアの確保によってベトナム進出を果たし、現在では他産業も含めた複合的な経済効果の成果が出始めている

他産業への波及効果も、順調に实現され始めている模様

他産業への波及効果

• 96年以降に韓国政府がベトナム戦争の補償としてベトナム政府への韓流ドラマ無償提供を開始したことをきっかけに、韓流ブームがスタート

– Taylor Nelson社による消費者調査'99年(の結果、韓国のチャン・ドンゴンが、好きな俳優1 位を獲得

• それ以降も、韓国企業がベトナム放送局の韓国ドラマ輸入を金銭的に支援することで韓流ドラマの露出が継続的に上昇

– VTV1)では05年、韓流ドラマの放映比率がベトナムドラマを抜き1位に

- 03 年までは、ベトナムドラマが55%、韓国ドラマは15%

– 97 年から05 年の間に、年平均30~60 本、合計約300 本の韓流ドラマが放送

1) ベトナム唯一の全国ネットワーク放送

韓国ドラマ ベトナム

ドラマ

中国ドラマ

放映比率

30%

20%

香港ドラマ

15%

台湾ドラマ その他

10% 10% 15%

韓流ドラマは、韓国の政策と現地メディアとの関係性構築によって、ベトナムでの進出が成功

国策

現地メディアの確保

韓流ドラマのベトナム進出

韓流ドラマにおける現地メディアの掌握

コンテンツ

'受容度向上(

商品・サービス

'利益回収(

政策支援により安価で拡販

• 韓流映画、ドラマ

• 共同制作ドラマ

メーカーがスポンサーに

• LG、サムソンの

テレビ

• 化粧品メーカー

'LGの例(

– 自社の広告モデルであるキム・ナムジュとイ・ヨンエが主人公で登場するドラマ「モデル」と「医家兄弟」の韓国からの輸入を支援

– ドラマの前後で自社製品の広告を流すことをで、ドラマと製品とのブランド連想効果を实現

– LG 化粧品'LG Debon(は、ベトナム進出後3

年でランコムやエスティローダといった世界的化粧品ブランドをシェアで逆転

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

22

韓流ドラマ「チャングム」は、コンテンツのマルチユースによって、旅行、料理、語学教育などの他産業への経済効果の波及に成功

韓流ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』

世界の人々へ韓国についての理解を深めさせると同時に、韓国料理や韓薬などの関連事業を復興にも貢献

• 2008年現在、『チャングムの誓い』は全世界60ヶ国以上で放映

– 韓国を広く知らしめるため、アフリカ地域には『チャングムの誓い』の版権を無料で譲渡

• ドラマを超えた多様な事業におけるマルチユースで成功

– ドラマでは描かれていないチャングムの尐女時代'12歳から14歳頃の見習い女官時代(を描いたアニメ「チャングムの夢」を韓国と日本で放送

– アメリカ・ニューヨークでは“韓国食堂ブーム”を呼び、韓航機の機内食メニューとしてビビンバも登場

– 観光、ミュージカル、漫画、ゲーム、キャラクターなど多様な分野へ事業を拡大

• 専門家は『チャングムの誓い』の“脱アジア”に注目している

– “『冬のソナタ』の人気は日本に集中している反面『チャングムの誓い』は全世界に広がっている。国内では4年前に放送が終了したが、海外では今でも放送中である。『チャングムの誓い』は韓国をアピールするのに最も適した作品だ”'サムソン経済研究所コ・ジョンミン首席研究員(

ドラマによる直接的な収益は約40億円程度、他業界も含めた経済効果は約3,000億円

• サムスン経済研究所によると、2003年に初放送されたドラマ関連のテレビ局の広告収益、番組輸出、ライセンス、出版などの収益が、2009年上半期までで464億ウォン'約40億(に達した

• ドラマ制作費は約70億ウォンだが、ドラマ広告収益だけで249億ウォンに上る。また、これまで60カ国に輸出し1,100万ドル'約10億円(の収益を上げたほか、テーマパーク入場料'28億ウォン(や出版物

'12億ウォン(などさまざまな収益が発生したと分析

• 高研究員がこれを土台に韓国銀行の産業連関表に基づき算出した結果、生産誘発効果は1,119億ウォンに達した

• チャングムの誓いが生み出した経済効果は他業界への波及効果も含めると約3兆ウォン'約3,000億円(と分析する専門家もいる

収益/経済効果 『宮廷女官チャングムの誓い』の成功概要

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

23

【参考】韓国はコンテンツの振興策を打ち出した1998年以降、着实に外国人旅行者の受け入れや語学試験資源者の数を増加させてきた

韓国文化への興味・受容度の変化

出所: 観光白書、韓国教育課程評価院

2000

4.9

99 07 98

2.7

97

2.3 3.4

09

170.5

08

142.8

72.3

06

30.3

05

23.4

04

15.3

01 03

10.4

02

7.3 6.0

09

7.8

08

6.9

07

6.4

06

6.2

05

6.0

04

5.8

03

4.8

02

5.3

01

5.1

2000

5.3

韓国の外国人旅行実受け入れ推移[千人] 韓国語能力試験志願者数推移[千人]

SARSの

流行

ドラマ「チャングム」

初放送

ドラマ「冬のソナタ」

初放送

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

24

K-POPアーティストは、政府からの潤沢な援助を受けて海外進出を果たしている

K-POPに対する国からの支援

政府援助を梃子にした海外進出への多額投資

K-POPアーティストの海外進出のための多額投資は、政府による援助があるから可能

アーティスト発掘 への多額の投資

アーティストとの 長期契約による

徹底したトレーニング

• オーディションに多額の投資をし、グローバルで成功する、10万人に1人の逸材を発掘'日本でのオーディションは1万人に1人1)(

• 海外市場を見据え、ダンスや歌唱の長期にわたる徹底したトレーニングを实施

– “練習生の頃が最も過酷だった'東方神起(”

– トレーニング期間が7年に及ぶことも

• 加えて、進出先国の言語や文化の教育も徹底して实施

• 韓国大衆音楽海外進出プロジェクト支援事業

– アーティストの海外進出を目的とする事業主に

支援金を支給'支援額は総事業費の50%まで(

東方神起

レイン

ワンダー ガールズ

• 日本市場で大きな成功

– 2006年に初めて日本のオリコンチャートトップ10入りし、その後次々とトップ10

入り

– DVDが発売1週間で17万枚を売り上げ、アジアアーティスト初の映像音楽作品総合部門首位を獲得

– 2010年に開催した20公演では35万人を集実

• 世界的な成功

– 2006年タイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出

– 東洋人アーティスト初のマディソン・スクエア・ガーデンでのライブを实現

• 米市場で成功

– 2009年ビルボードでランクイン

– 米トークショーのウェンディ・ウィリアムズ・ショウにも出演

K-POPアーティストの海外での成功例

1) AKB48のオーディションの目安

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

政府による

資金援助

25

K-POPの東南アジアでの事業収入の柱はライブやコンサート。日本では、 更なるコンテンツ発信基地として常設シアターを開設

ライブ/コンサートでの資金回収/文化発信

韓流が浸透した日本では、韓国最新エンターテイメント・文化・芸術を発信する“韓流の

常設基地”を目指し、K-POP専用のシアター「 K THEATER TOKYO 」を設立

• 2011年5月、在日韓国人3世である朴ソクヨル氏が主導する芸能会社「コンテナ」が、計10億円'約135億ウォン(をつぎ込んでスタート

– 民間放送局フジテレビや、エイベックス元会長、映画会社社長なども株主に参加

海賊版が出回る中国やベトナムでは、確实に金額を回収できるライブステージに注力

例(ベトナムにおける韓流トップスターRain

• ベトナムはweb上で無料ダウンロードできたり、海賊版CDが出回っているため、ソフト配信は認知度向上のための広告ツールと割り切って提供

• 2007年、ホーチミンのコンサートは、29トン近い大掛かりな舞台装置を空輸し280万ドルをかけ、花火と雄大壮厳なサウンドそして照明効果で現地人を魅了

• 警備員と安全要員1,000人余りが現場を守ったコンサートは、ベトナム史上最大の豪華ステージと言われている

• 160ドルに達する高額なチケットであったにも関わらず完売し、2日間で約4万人を集実

• 恵比寿と渋谷の2箇所で、年中毎日2回、韓流関連作品だけを公演し、従来の韓流スターだけでなく、新人らも出演させ、韓流俳優らのファンミーティングや記者会見なども、積極的に誘致する計画

• “これまで、韓流といえば、新宿や新大久保と言う、やや騒々しい路地というイメージが強かったが、今や、韓流も東京で最も盛んな場所である渋谷や恵比寿で、高級化戦略を追求する必要がある”

'運営芸能会社、朴氏(

展開地域特性に合わせた投資・回収のスキームを構築することが重要

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

26

韓国は、ユーチューブにK-POP専用チャネルを開設し、国家ブランドとしての受容度向上に繋げようとしている K-POP専用のユーチューブチャネルの開設

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

• グーグルが運営する世界最大のインターネット動画投稿・共有サイト「ユーチューブ」に、K-POPミュージックだけを集めた専用チャンネルを設立すると報道

– グーグルはユーチューブのライブ放送機能を利用し、韓流コンサートを全世界に同時生中継したり、韓国内のコンテンツ制作者や中小企業向けに映像制作スタジオを立ち上げることなども検討していると明らかにした

– ユーチューブが特定国の音楽専用チャンネルを設けるのは今回が初

• ユーチューブには既に500万件以上のK-POP動画が掲載されてるが、所属事務所・グループ・個人ごとに異なるチャンネルに動画が掲載されているため、検索でヒットしにくい

– 東方神起の動画が40万件、KARA 40万件、尐女時代34万件、SUPERJUNIOR27万件、Wonder Girls26万件など

– 検索ワード「K-POP」でヒットする動画は約60万件のみ

• 「韓流専用チャンネル」としてK-POPチャンネルを設立することで、歌手名とK-POP

という単語がヒットし、「K-POP」というキーワードだけ入力でお目当ての歌手の動画が見つけられるように改善

• “ユーチューブは韓国の歌手たちにとって国際的な人気を得るのに大きな役割を果たした。K-POP専用チャンネルができれば、その波及効果はさらに大きくなるだろう”'大統領府の関係者(

• 2011年9月には、韓国政府の「ブランド委員会」が裏でユーチューブでK-POPの再生回数を水増ししていたことに対して韓国からのアクセスを遮断するという事態が発生していた

• 李明博大統領の働きかけにより、グーグルのエリック・シュミット会長は2011年11月7日に大統領府で面談し、 “ユーチューブにK-POP

専用チャンネルを立ち上げる事業を含め、さまざまな韓国文化コンテンツの世界進出支援プロジェクトを準備している”と伝えた

概要

背景・狙い

事例④:韓国のコンテンツ海外展開

27

事例 その他

28

『風雲!たけし城』は、強固な現地ネットワークを有する独占販売エージェントの活用とフォーマットの完全パッケージ化によって輸出を拡大してきた

TBS『風雲!たけし城』における海外展開のKSF

参考:風雲!たけし城

『風雲!たけし城』の海外展開状況

世界約160カ国に販売されているバラエティTV番組フォーマット

• TBS バラエティ番組『風雲!たけし城』 は、米国の大手ケーブルネットワークの SpikeTV で”MXC'Most Extreme Elimination Challenge(”、イギリスで ”Takeshi’s Castle“というタイトルで デビュー以降、159ヶ国で販売实績を 有する

• オリジナルの番組に英語字幕と米国人によるコメントをボイスオーバーする構成

• 1993 年に米国テレビプロデューサーVin Di Bona によりCBS で60 分のスペシャル番組「Stormthe Castle」としてリメイクされた'レギュラー化なし(

• '参考(TBS が2008 年にABC 製作のバラエティ番組”Wipe Out”が「風雲!たけし城」に酷似しているとしてABC に番組制作と放送の差し止めを求める訴えを起こした事例あり

海外展開におけるKSF

• TBSはフォーマット独占販売エージェントであるBellon Entertainment社との協力で1980年代から「フォーマット」販売を開始

• Bellon Entertainment社は、各国に強固なローカルネットワークを有し、必要な“土管”とスポンサー集め、価格交渉まで行なう

1 有力な独占販売エージェントとの提携

• 簡単に番組を再現させられる「完全マニュアル」をTBS側が準備することで、購入テレビ局側は、必要なスタジオセット・人員・カメラ台数まで把握が可能

2 「番組再現パッケージ」による商品の魅力度向上

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

29

TBSは同様の手法で、数多くのフォーマット海外輸出に成功、海外展開時の海賊版対策などでも最新の手法を取り入れている

TBSの海外事業展開

参考:TBSの海外事業展開

海賊版対策 展開コンテンツ

TBSは、1960年代以降50年あまりにわたって海外への番組販売に積極的に取り組んでおり、ドラマ、アニメ、ドキュメンタリー、フォーマット、映画など、全ジャンルの番組を販売

• バラエティ:『SASUKE』'含:米版”Ninja Warrior“(の販売先は153ヶ国に達する

• アニメ:日本国内でのヒットを受けて『けいおん!』は、これまで世界50カ国以上へ販売

• ドラマ:ドラマ『JIN−仁−』は、世界80カ国で放送

• 子供向け番組:子供とティーンエイジャー向けクイズ番組『100げっちゅ〜』は英BBCで “Get 100”として、また『ブレイン・サバイバー』は世界最大級のキッズ・チャンネルであるアメリカのNickelodeonで“BrainSurge”として、それぞれフォーマット制作されている

違法コピー防止対策を導入し、海外での収益確保の改善を狙う

• 『夢喰いメリー』及び『まよチキ!』では、海賊版防止の観点から、従来には無い「プリセール」方式'放送終了前の 「事前販売」(を導入

• 従来は日本での放送から数ヶ月後にしか出来なかった海外でのレギュラー放送を、1週間以内に实現

• 「プリセール」によって、日本での放送と各国での放送の時間差を縮小し、海賊版防止に繋げると共に最大限の収入を確保

出所: 雑誌・記事、ローランド・ベルガー分析

30

This document shall be treated as confidential. It has been compiled for the exclusive, internal use by our client and is not complete without the underlying detail

analyses and the oral presentation. It may not be passed on and/or may not be made available to third parties without prior written consent from Roland Berger Strategy

Consultants. RBSC does not assume any responsibility for the completeness and accuracy of the statements made in this document.

© Roland Berger Strategy Consultants

Contents Page

A. 先行調査・研究の整理と成功のポイント抽出 7

B. 国内プレイヤーの課題認識・パートナリングニーズの把握 32

C. 分析対象国の特定 38

D. 企業コンソーシアムの形成 127

31

パートナー候補/コンテンツ企業の課題認識・パートナリングニーズ・サマリー

ヒアリングを通じて、以下の課題認識やニーズを抽出

ヒアリング・サマリー

1 海外事業展開の方向性

2 海外事業プロモーションにおけるコンテンツ活用の实態

3 今後、活用が見込まれるコンテンツ

• パートナー候補企業の優先度がおしなべて高いのは東南アジアと中国

– 但し、中国は特殊市場であり、他国とは異なるアプローチが 必要

– 東南アジアの中では、今後の成長性を踏まえインドネシア、タイ、ベトナムなど

• インドは中長期的には進出が不可避の重要市場であるが、短期的に消費財系では参入ハードルが高い

• 欧米諸国は既にビジネスの“自走”のフェーズにあり、国による新たな施策等へのニーズは相対的に低い

• アニメ・マンガは若い年代へのプロモーションに有効であり、食品・清涼飲料・化粧品などでの活用ニーズが高い

• 全般的に日本コンテンツは使用料が高いため、使いたくても使えない状況が散見

• アイドルやドラマ・映画'日本人俳優含む(は、化粧品、酒類、食品・飲料、自動車、家電などとの親和性が高い一方で、プロモーションでの活用機会はアジア圏に限られる可能性が高い

• 消費財系・小売のアジア展開では、アニメ・マンガへのニーズが高い。展開实績は限定的ながらも、アイドルや实写ドラマ/テレビ番組などは潜在的な活用ニーズがある

• 既にグローバル展開をしている耐久消費財では、コンテンツの国籍・種類は重要ではなく、対象国でマスへ訴求できることが重視される

• 種類に関わらず、コンテンツ自体で儲けるビジネスモデルではなく、プロモーションツールと割り切って利用する発想も必要

• 日本の「食」、「教育/子供番組」、「ファッション」などと絡めた既存テレビ番組は比較的早期にアジア展開が可能

4 海外でのコンテンツ・メディア利用における懸念点

• 現状はプロモーションが単発に終わってしまい、相乗効果を十分に得られていない

• 現地メディアの概況や商習慣、効果的な露出機会の創出方法についてのナレッジやベストプラクティスが分からず困っている

• 参入対象国で日系コンテンツが効果的にアプローチできる層が分からず、プロモーションツールとして活用に踏み切れていない

• 日本コンテンツの権利料や翻訳費などのコストが高い上、権利関係の処理が煩雑で、活用にあたっての障害となっている

出所: 企業ヒアリング、ローランド・ベルガー

32

これまでの各社ヒアリング結果では、東南アジア・中国への進出意欲が相対的に高い

パートナー候補企業の重点進出国

サウジアラビア

トルコ

タイ

インドネシア ベトナム

シンガポール

ロシア

幅広い業界が最重要地域と認識

• “現地の生産拠点を活かして、インドネシアやタイなどのASEAN市場をおさえたい”

• “注力地域は、ASEAN諸国。日本文化の受容性も高く、商品への信頼も厚い”

• “重要国インドネシアについては、効率性の観点から「東南アジア」くらいの幅でみている”

• “アジアの富裕層を取り込むことが大きな経営 目標”

消費財メーカーは短期的な参入に障害を感じている

• “インドが重要市場であることは間違いない”

• “インドは、市場は大きく魅力的だが、地域間の課税問題等もあり参入はまだ難しい”

• “非常に魅力的な市場だが、日本ブランドが単独で突破・展開するのは難しい”

• “インドは中期的には刈り取りたい市場”

ブラジル

中国

インド

各業界プレイヤーとも最重要かつ特殊な地域という認識

• “会社としての注力地域は、中国・ASEAN諸国”

• “中国は参入の壁が高いがいつかは着手しなければならない重要市場”

• “現地会社を通じて、中国・台湾を攻めたい”

• “重要国だが、他のアジアとは規制面などを見ても違う位置づけ”

既にビジネスが自走している市場

• “北米と欧州は安定したビジネス規模を維持しており、既にビジネスが自走している”

• “北米には30年以上前から進出しており、日本ブランドとして定着している。今後は、グローバルブランドに育てていく段階”

現状、注力国と捉えている企業は 限定的

• “ブラジル進出に関しては株主からの批判も多いが、成長が見込める数尐ない市場の一つ”

• “ブラジルは大きな市場で魅力的だが、シェアが低く現地生産に向かう段階ではない”

現状、注力国と捉えている企業は限定的

現状、注力国と捉えている企業は限定的

米国 フランス

出所: 企業ヒアリング、ローランド・ベルガー

海外事業展開の方向性

33

パートナー候補/コンテンツ企業の抱える課題

各社の抱える課題としては、関連ビジネス展開に際しての連携不足やコンテンツ利用に際しての高コスト/知見不足等が挙がっている

出所: 企業ヒアリング、ローランド・ベルガー分析

関連ビジネスでの収益回収の欠落

• 『冬のソナタ」』や『IRIS』のようなTVドラマを流行らせても、海外の旅行会社が海外の航空会社を使ったツアーパックで外国人を連れてきてご当地をめぐるだけでは日本に十分なお金は落ちない。ブームにしても、そこからどのように日本に経済効果を生むのかまでが繋がっていないのが現状ではないか

• 放映権などコンテンツ自体からの直接的収入にこだわる発想を変える時期に来ていると思われる。全体最適の視点が欠けており、増築型でビジネスを展開する為、結果としてコンテンツの活用が十分に進んでいない

戦略・シナリオの欠如によるプロモーション

間の連携不足

• 諸々のプロモーション施策が単発で終わってしまうことが多い。海外に日本を発信するのは大切だが、うまくストーリーをつくって、複数のイベントや業態を繋いでいく必要がある

• 海外でのコンベンション出展等でも他国に比べると“国としての存在感”が弱いと感じる。中国などは国で出店スペースをまとめておさえているのに対し、日本は各社が独自で出展している

• 海外プロモーションでは、タレントは国毎に契約をする必要があり、コストが高く活用が難しい

• 様々なコンテンツ・関連商品をまとめて提供できる仕組みが欲しいが、現状は窓口が多岐に亘り権利関係の処理が煩雑で思うようなプロモーションができない

煩雑な権利関係

高い権利使用料

• 日本のコンテンツは依然としてコストが高すぎる。コスト高が、日本コンテンツが海外で普及しない大きなボトルネックの一つだと考えられる

• コンテンツの輸出にあたって翻訳にかかるコストは無視できない。サンプルを欲しがる国は多いが、現地言語で見せられるものがないため機会損失が多い

ローカルの 知識・情報不足

• 現地のメディア構造や規制などについて知らないことが多く、仲介事業者の言われるがままになり苦労した

• そもそも参入対象国において日系コンテンツがアプローチできる層が分からないので、プロモーションツールとしての活用に踏み切れていない

• 各国事情を踏まえた効果的な露出機会の創出ノウハウやローカライズすべき内容に関する知見などは全般的に不足している

産業を越えた オーケストレーション

• 韓国は、メーカーによって武器にしやすい環境を整備し、CM出稿が抑えられているなど国全体としてのスピード感や柔軟性がある

• 日本も韓国のようにコンテンツとメーカーが一緒に“日本文化”として参入するような包括的な攻め方が必要

懸念点/政府に求める支援内容

34

結果として、日本コンテンツは、その潜在パワーを活かしきれておらず、かつ他産業への波及効果も限定的にとどまっている

日本コンテンツの海外展開と他産業への波及における課題

出所: 雑誌・記事、ヒアリング、ローランド・ベルガー分析

初期段階でのコンテンツ 露出への注力が限定的

対象国に対する知識が尐なく 内容・仕様が現地に非適合

適度な国内市場があるため 海外事業展開に対する

注力度が低い

違法コピーの流布があり 日本のような収益モデル

が見込めない

コンテンツの海外展開事業の 目指す絵姿がない

スポンサー企業目線での 版権管理体制が欠如

1

コンテンツ展開におけるノウハウが 蓄積されず、实行体制が脆弱

全体管理・プロデュース の機能が不足

ローカルでの 水先案内人が不在

展開が 場当たり的

メディアミックス が不十分

展開スピード が遅い

プロモーションツール

としての魅力がなく、

関連ビジネスに発展しない

2

効果的なコンテンツ露出が

できず、普及が進まない

ローカル対応

戦略・シナリオ

初期投資

権利管理体制

オーケストレーション

関連ビジネスでの投資回収 スキームを想定していない

日系コンテンツの 活用が進まない

収益の取りこぼし が発生

収益回収スキーム

権利使用料が高く 汎用性が低い

窓口が多岐に亘り 権利処理も煩雑

権利使用料を 高く設定

プライム枠は 抑えられない

ローカル言語に 対応していない

放送回数や尺 が合わない

コンテンツ普及と他産業波及の構造的問題

柔軟な版権管理体制が欠如

権利管理体制

権利が複数社 に分散

権利取得プロセス が煩雑

35

パートナー候補/コンテンツ企業が政府に求める支援内容

パートナー候補/コンテンツ企業は、自立的な海外展開をしているが、政府に対しては全体最適の視点に立った一貫性のある支援を期待している

政府に求める支援内容

リーダーシップ

/全体最適

ベストプラクティス

/ナレッジの共有

経済助支援

• 韓国は強力な政府のリーダーシップで推進しているように見える。日本においても管轄毎の案件を単発に推進するのではなく、全体感を持ったリーダーシップが必要ではないか

• 公平性の担保も分かるが、そんなことを言っていたら国際競争で取り残される。過去の通産モデルのように、ある程度国が主導となって産業を引っ張っていく必要があるのではないか

• クールジャパンのビジョンのもと、省庁横断的/複合的な仕掛け作りがより重要となってくると思われる

• 機会平等の観点は重要だが、民間のスピードに合わせたバックアップ体制の組成・打ち手の实行が必要。スピード感が遅ければ、民間だけで出て行かざるを得ない

• 国としてチャネルをおさえ、日本のコンテンツの最新版を積極的に流していけば、アジアにおける日本コンテンツの普及度は大きく高まる可能性があるのではないか

• 進出国の情報はJETROに行けば分かるのかもしれないが、より積極的・能動的なナレッジシェアリングの仕組みがあると非常に助かる

• アジアの国などからは日本コンテンツに対する引き合いがあるにも関わらず、“ニワトリと卵”のように、コンテンツ側も企業側も最初の一歩が踏み出せていない状況。日本として使えるコンテンツのプラットフォームとそれに乗っかれる企業をうまくマッチングするニーズは今後益々強まってくる

• 日本企業の多くが海外展開で苦戦している。海外では日本の大手プレイヤーも中小企業レベルであり、オールジャパンとして一丸で攻める必要がある。その際には、政府として最初の一歩を経済的に支援してくれると有り難い

• アジア諸国における日本に対する高い受容性や信頼性、また、昨今の多チャンネル化による恒常的なコンテンツ不足を鑑みると、コスト面でのハードルを下げられれば、日本コンテンツが大きく普及する可能性は高いのではないか

• 翻訳は以外とコストがかかるため、サンプル分'1話のみ(でも補助を出してもらえるとマーケティングツールとして活用ができる

スピード

出所: 企業ヒアリング、ローランド・ベルガー

36

This document shall be treated as confidential. It has been compiled for the exclusive, internal use by our client and is not complete without the underlying detail

analyses and the oral presentation. It may not be passed on and/or may not be made available to third parties without prior written consent from Roland Berger Strategy

Consultants. RBSC does not assume any responsibility for the completeness and accuracy of the statements made in this document.

© Roland Berger Strategy Consultants

Contents Page

A. 先行調査・研究の整理と成功のポイント抽出 7

B. 国内プレイヤーの課題認識・パートナリングニーズの把握 32

C. 分析対象国の特定 38

D. 企業コンソーシアムの形成 127

37

各国・地域の市場について、コンテンツ企業・パートナー候補企業の両者の視点から評価を行い、対象国・地域のミドルリストを作成する

ミドルリスト絞込みの手法

対象国・地域ミドルリスト

対象国・地域ロングリスト

• コンテンツ産業市場規模の大きさ・各種データのアベイラビリティ等から、20カ国・地域程度を対象とする

• 右の観点に基づき、10カ国・地域程度を選定

対象国・地域絞込みの観点 '次頁詳述(

4 周辺市場への影響力

3 他産業にとっての有望性・進出意向

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

1 コンテンツ産業の市場規模・成長性

• 当該国におけるコンテンツ産業そのものの魅力度 '市場規模・成長性(

• 当該国において日系コンテンツが受け入れられる余地'受容性( • 現状の日系コンテンツの普及度'進出度合い(

• コンテンツ以外の他産業にとっての有望性'経済成長性( • 日系企業のシェア・進出意向

• 周辺市場'国・地域(へのインフルエンサーとしての影響力

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み - アプローチ

出所: ローランド・ベルガー

38

対象国・地域のミドルリスト作成においては、本プロジェクトの意義・目的を踏まえ、各観点毎に優先度の高い国を抽出し、絞込みを实施

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み - アプローチ

• 当該国コンテンツ市場自体の規模・成長性が高ければ、日系コンテンツ普及の受け皿としての魅力度が大きい

• 「中程度以上の市場規模があり、成長性の高い国」を優先度の高い対象国とする

• 日系コンテンツに対する受容度はあるが、現状の普及度が低い国であれば、コンテンツ普及の伸びしろが大きい

• 「中程度以上の受容性があり、普及度が低い国」を優先度の高い対象国とする

• 日本の他産業にとって、成長性が大きく、進出意向の高い市場では、高い波及効果が見込まれる

• 「中程度以上の経済成長があり、日本企業のシェア拡大余地が存在し、進出意向の高い国」を優先度の高い対象国とする

• 周辺市場への発信力が強ければ、'当該国自体の 市場は小さくとも(戦略上有効なゲートウェイとなりうる

• 「広範かつ強い発信力を持つ国」を対象国とする

各観点の意義と絞込みの考え方

周辺市場への 影響力

他産業にとっての 有望性・進出意向

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

4

3

2

1

対象国絞込みの観点

市場規模 '2010年(

成長性 '2010→20年

平均(

受容性

普及度

周辺市場への 文化的発信力

経済成長性

日本企業の シェア

日本企業の 進出意向

考え方

各個別観点において 優先度の高い国・地域をミドルリスト対象とする

'それにより、バランスの取れたグルーピングと 戦略的打ち手の構築が可能(

出所: ローランド・ベルガー

39

【参考】個別観点におけるクライテリア

周辺市場への 影響力

他産業にとっての 有望性・進出意向

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

4

3

2

1

対象国絞込みの観点 優先度

~20億ドル

20億ドル~100億ドル

100億ドル~

低 高

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み - アプローチ

~3%

3%~5%

5%~

~20%

20%~40%

40%以上 '但し、信頼度30%未満の国に ついては受容性「中」とする(

高 一定のマス層に認知され、

広く普及している

中 限定層~一部マス層にも

認知・普及しつつある

低 限定的な層にのみ認知・普及 もしくは、殆ど普及していない

周辺への文化発信力は弱い

一定程度/限定範囲に留まる

広範かつ強い発信力を持つ

~5%

5%~10%

10%~

30%~

15%~30%

~15%

低 製造・サービスのいずれについても

~3%

中 製造・サービスのいずれか・両方で

3%~10%

高 製造・サービスのいずれかで

10%~

市場規模 '2010年(

成長性

'2010→20年平均(

受容性

'日本ポップカルチャー/ 日本文化・芸術への

関心の平均(

普及度

'定性評価(

周辺市場への 文化的発信力

'定性評価(

経済成長性 'GDP成長率

2010→15年平均(

日本企業のシェア

'主要製品分野の平均(

日本企業の 進出意向

'アンケート回答企業%(

出所: ローランド・ベルガー

40

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み

出所: ローランド・ベルガー分析

周辺市場への影響力他産業にとっての有望性・進出意向日系コンテンツへの受容性・普及状況コンテンツ産業の市場規模・成長性1 2 3 4

市場規模・成長性

日系コンテンツへの受容性

日系コンテンツの普及度

経済成長性 日本企業の進出意向周辺市場に対する

文化的発信力・影響力

ミドルリスト対象国・地域'選定の意味合い(

日本企業のシェア2010年/20年

市場規模年平均成長率

中国、インド、ロシアベトナム、サウジアラビア、トルコ、

南ア共和国、ロシア中国、タイ、インドネシア、ベトナム、

インド、ロシア、ブラジル中国、シンガポール、

フランス、米国

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み 'サマリー(

個別観点について優先度の高い対象国・

地域

中程度以上の規模があり、成長性が高い 中程度以上の受容性があり、普及度が低い 一定の成長があり、シェア拡大余地が存在し、進出意向が高い 発信力が広範かつ強い南ア共和国はミドルリストから除外• コンテンツ市場規模・経済規模

が非常に小さく、連携可能な周辺国が存在しないため

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

東アジア

東南・南アジア・

オーストラリア

タイ

香港

規模: 大成長性: 大

規模:中成長性: 中

規模:中成長性:中

規模: 中成長性: 小

規模: 中成長性: 中

規模:小成長性: 大

規模: 小成長性: 大

規模:小成長性: 小

規模: 中成長性: 大

7%

5%

5%

3%

5%

9%

9%

3%

8%

成長性: 大

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 大

成長性: 大

成長性: 中

成長性: 大

受容性: 大

受容性: 大

受容性: 大

受容性: 大

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 低

普及度: 中

普及度: 中

普及度: 高

普及度: 高

普及度: 高

普及度: 中

普及度: 低

普及度: 中

普及度: 低

製造業・サービス業共に高い

製造業で中程度

製造業で中程度

サービス業で中程度

製造業で高いサービス業で中程度

製造業で高い

製造業で高いサービス業で中程度

製造業で中程度

製造業で高い

シェア: 中電気機器、日用品・化粧品で特に低い

シェア: 中自動車、電気機器、

日用品・化粧品で特に低い

シェア: 大電気機器では余地あり

シェア: 大電気機器では余地あり

シェア: 中日用品で特に低い

シェア: 中日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 中日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 大日用品では余地あり

シェア: 小電気機器、日用品・化粧品、

コンビニで特に低い

アジア圏に対し強い影響力あり

一部アジア圏に対し影響力あり

中国に対し影響力あり

中国に対し影響力あり

ASEAN・インドに対し強い影響力あり

文化的発信力は強くない

文化的発信力は強くない

文化的発信力は強くない

文化的発信力は強くない

検討対象

今回は対象とせず

検討対象

検討対象

検討対象

検討対象

検討対象

今回は対象とせず

今回は対象とせず

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

タイ

香港

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

欧州・中東・アフリカ

米州

メキシコ

ロシア

規模:小成長性: 中

規模:小成長性: 大

規模:小成長性: 中

規模: 大成長性: 小

規模: 大成長性:小

規模: 大成長性:小

規模: 大成長性:小

規模: 中成長性:小

規模: 中成長性: 大

規模: 巨大成長性:小

規模:中程度?成長性:中程度?

規模: 中成長性: 中

4%

6%

5%

3%

2%

2%

3%

2%

6%

2%

4%

nana

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 中

成長性: 小

成長性: 小

成長性: 小

成長性: 小

成長性: 大

成長性: 小

成長性: 中

成長性: 中

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 低

受容性: 中

受容性: 大

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 中

受容性: 大

受容性: 中

受容性: 低

普及度: 低

普及度: 低

普及度: 低

普及度: 中

普及度: 高

普及度: 高

普及度: 高

普及度: 高

普及度: 低

普及度: 高

普及度: 中

普及度: 低

低い

低い

低い

低い

低い

低い

低い

低い

製造業で高い

製造業で高いサービス業で中程度

製造業で中程度

製造業で高い

シェア: 中日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 小日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 小日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 中日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 小日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 小日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

シェア: 小自動車、日用品・化粧品、

コンビニで特に低い

シェア: 小自動車、日用品・化粧品、

コンビニで特に低い

シェア: 小自動車、日用品・化粧品、

コンビニで特に低い

シェア: 中日用品・化粧品で特に低い

シェア: 小日用品・化粧品で特に低い

シェア: 小日用品・化粧品、コンビニで

特に低い

中東諸国に対し影響力あり

中東諸国に対し影響力あり

アフリカ諸国に対し影響力あり

グローバルで強い影響力あり

グローバル'特に欧州(で強い影響力あり

欧州で一定の影響力あり

欧州で一定の影響力あり

欧州で一定の影響力あり

欧州で一定の影響力あり

中央アジア・東欧で影響力あり

文化的発信力は強くない

文化的発信力は強くない

検討対象

検討対象

検討対象

今回は対象とせず

今回は対象とせず

今回は対象とせず

今回は対象とせず

今回は対象とせず

今回は対象とせず

検討対象

検討対象

検討対象

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

メキシコ

ロシア

受容性: 中

オーストラリア 規模: 中成長性: 中

受容性: 中 普及度: 中文化的発信力は

強くないオーストラリア成長性: 中 シェア: 中

日用品・化粧品、で低い低い

今回は対象とせず

nana

41

今後、コンテンツ市場規模が大きく成長するのは中国・インド・ロシアの3カ国。また、米国は1国で突出したコンテンツ市場規模を有している

各国・地域コンテンツ市場の規模と成長性 4036

+1%

2010 2020

ブラジル

96

+4%

2010 2020

メキシコ

2010 2020

米国

+2%

132 106

2010 2020

na na

英国

3225

+3%

2010 2020

[市場規模: 10億ドル 矢印は2010-2020年の平均成長率]

スペイン

108

+2%

2010 2020

イタリア

1813

+3%

2010 2020

南アフリカ共和国

21

+8%

2010 2020

サウジアラビア

21

+5%

フランス

2722

+2%

2010 2020

ロシア

106

+5%

2010 2020 ドイツ

2622

+2%

2010 2020

2010 2020

トルコ

21

+6%

2010 2020

インド

125

+9%

2010 2020

タイ

32

+5%

2010 2020

インドネシア

21

+6%

2010 2020

ベトナム

シンガポール

11

+3%

2010 2020

日本'参考(

2010 2020

00

9%

台湾

159

+5%

2010 2020

香港

22

+3%

2010 2020

韓国

159

+5%

2010 2020

中国

2713

+7%

2010 2020

出所: 経済産業省 クール・ジャパン戦略推進事業 「メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他産業への波及効果調査」

1 コンテンツ産業の市場規模・成長性

アニメ、マンガ含む出版は 2020年で140億ドル市場に

音楽・ゲームは年平均12%の成長

映画が3割超のシェア

アニメ、マンガ含む出版は 2020年で44億ドル市場に

アニメ、マンガ含む出版は 2020年で40億ドル市場に

映画は2020年にシェア3割を占める

オーストラリア

2010 2020

na na

42

日本の文化やポップカルチャーへの関心が高いのは東アジア、フランス、米国。 東南アジア・中東・欧州においても一定の受容性が見込まれる

日本文化・芸術への関心

日系コンテンツへの受容性

日系コンテンツへの受容性

出所: 外務省対日世論調査、サーチナ、新聞雑誌記事、ローランド・ベルガー分析

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

日本に対する信頼 '参考( 日本ポップカルチャーへの関心

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

東アジア

東南・南アジア・

オーストラリア

欧州・中東・アフリカ

米州

タイ

メキシコ

香港

ロシア

関心は高まりつつある

関心は高い

関心は高い

親日家が多いとされる

関心は高い

関心は低い

関心は高まりつつある

関心は低い 'アニメ6%、マンガ3%(

関心は低い

関心は中程度

関心は高い

関心は中程度

関心は中程度

親日家が多いとされる

親日家が多いとされる

関心は中程度

信頼度は高い

信頼度は高い

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

タイ

メキシコ

香港

ロシア

オーストラリア 関心は高まりつつある オーストラリア

22%

49%

59%

31%

40%

56%

33%

32%

44%

49%

25%

36%

42%

53%

42%

34%

78%

84%

41%

96%

88%

89%

72%

71%

92%

92%

97%

92%

90%

44%

20%

45%

20%

11%

23%

52%

32%

6%

16%

5%

20%

26%

10%

8%

32%

50%

45%

43

東アジア諸国・地域では一般に日系コンテンツの普及度は非常に高い。中国では法規制ハードルが高いため普及は中程度に留まっている

日系コンテンツの普及度'1/4(

出所: 知的財産戦略本部 コンテンツ・日本ブランド専門調査会、JETRO各国コンテンツ市場レポート、 新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

中国

韓国

台湾

東アジア

香港

日系コンテンツの普及状況 日系コンテンツの普及度

• 「日本アニメは主に海賊版DVDを通して若者たちに広まり、人気が高い」 • 「2004 年中国アニメ放映合計時間ベスト15のうち、日本は11作品、中国3作品、米

国1作品」 • 但し、法規制ハードルが高いため日本企業による直接の参入は尐ない

'共同制作・JVでの参入(

• 「日本アニメの人気は高いが、国策としてアニメ産業の振興を行っていることもあり、韓国産のアニメも数多く出てきている」

• 「出版されるものでは日本マンガが強く人気も高いが、ネットやパソコンで見るマンガは韓国産が強い」

• 「年間発売されるアニメ映像作品'ビデオ、DVD等(の約8 割が日本の作品と推測。アニメ関連企業売上の約7割は日本関連」

• 「マンガでは、年間出版点数4,000 点のうち、日本のマンガが3,000 作品程度であり、約8割を占めている」

• ジュニア・ミドル層'15~54歳(の48%が日本アニメをよく見ると答えている'アジア主要都市では台北の次に高い水準(

• 「マンガでは、週刉誌を含めると、6~7 割が日本のマンガ。単行本ではほぼ100%」

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

44

東南アジアでは、日本コンテンツの受容性は比較的高いものの、普及状況にはばらつきがある。また、インドにおける日系コンテンツの普及度は低い

• 「2006年のアニメ市場シェアは、日本80%。マンガでは日本のシェアが約85-90%」 • 「多くの日本TVアニメが全国放映される。国産アニメも製作され始めているが、日本アニ

メの人気がダントツで高い」 • アニメ・マンガ等の日本ポップカルチャーへの関心度は東南アジアで最も高い

• 日本のアニメ・マンガに対し関心を持っている層は全体の8%程度に留まっているものの、若年層を中心に人気は高まりつつある

• 「アニメ専門チャンネルの他、一般のテレビ局でも日本アニメが放映されている」 • 「インドネシア語に翻訳された日本マンガが多く流通しており、人気の高いジャンル」

• 「ドラえもんが有名。その他一部アニメが放映されることがあるが、回数は多くない」 • 「マンガでは、主に子供向けの旧作'ドラえもん、ドラゴンボール等(の単行本が流通」 • 日本アニメ・マンガは教育的・健康的なコンテンツとして認識されており、流通は限定的

• 子供や若年層には日本アニメ・マンガの人気は高いが、規制が厳しいため大人向けの コンテンツはあまり入ってきていない

• 「日本アニメ・マンガの殆どが中国語版で流通しているため、マレー系・インド系にはリーチしにくい」

• 「ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ポケモンなど子供向けのアニメについては一定の人気がある」

• 「日本のマンガは殆どが台湾や香港経由の中国語版での流通で、英語版は尐ない。日本マンガの顧実ベースはニッチで小さく、顧実の間での認知度も低い」

日系コンテンツの普及状況 日系コンテンツの普及度

日系コンテンツの普及度'2/4(

東南・南アジア

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

タイ

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

オーストラリア 中 オセア

ニア

• 「最近では日本のアニメに対する関心が若者の間で広がりつつあり、近年はアジア系からオーストラリア人にも人気が出つつある。マンガも若年層中心に人気が高まっている」

• 「ポケモンやジブリ作品が子供中心に人気。ドラえもんなどはあまり人気がない。学校ものや恋愛マンガなどは受け入れられにくい」

出所: 知的財産戦略本部 コンテンツ・日本ブランド専門調査会、JETRO各国コンテンツ市場レポート、 新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

45

欧州では従来から日本コンテンツの普及が進んでいるが、ロシアではコンテンツの流通が限定的であり、普及度は未だ低い

日系コンテンツの普及度'3/4(

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

ロシア

欧州

日系コンテンツの普及状況 日系コンテンツの普及度

• 子供や若年層には日本アニメ・マンガの人気は高いが、西欧の中では日本アニメ・マンガの普及が遅く、人気があるのはジブリ作品、ポケモン、NARUTO等が中心

• 売られているマンガは大半がアメコミであり、日本作品は一部ドラゴンボール等のみ

• 日本アニメに対する人気は非常に高く、地上波・ケーブルTVで日本のアニメが複数放送 • 日本に次ぐ世界で2番目のマンガ消費国。日本のマンガがフランス国内でのコミック総売

上に占める割合は、3分の1以上になっている

• 若者・子供向け中心に広く浸透しており、高い品質が評価されている • 日本マンガの翻訳・出版が盛んになされており、翻訳者が不足しているほど。大手書店

には独立したマンガコーナーがある

• 欧州の中でも早い時期に日本アニメが普及した国であり、特に子供、若い世代に浸透。現在も地上波で日本アニメが放映されており、各地でコスプレ大会等も開かれている

• 日本のマンガは、若年層、子供に人気が高く、当国のコミック市場の大半を占める

• アニメ放映の中心となっている地方テレビ局においては、アニメ放映で最大のシェアを日本作品が占めている

• 欧州ではフランスに次いで2番目に日本アニメの人気が高い • 日本マンガは1点当たりの販売部数が数千部と小規模だが、人気は拡大し続けている

• 日本アニメに対する関心はここ2-3年で大きく高まりつつあるが、正規の放映や流通が尐なく、殆ど普及はしていない

• マンガの読者は非常に限定的であり、大半はインターネットを通じた読者に限定

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

出所: 知的財産戦略本部 コンテンツ・日本ブランド専門調査会、JETRO各国コンテンツ市場レポート、 新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

46

米国における日系コンテンツの人気は高く、一定のファン層が築かれている。中東・アフリカ、メキシコ・ブラジルでは限定的な普及に留まっている模様

米国

メキシコ

ブラジル

米州

日系コンテンツの普及状況 日系コンテンツの普及度

• 日本製アニメの人気は高く、専門放送チャンネルもあり、数多く放映されている • DVD、原作マンガも多数商品化されており、放映アニメの約60%を日本作品が占めてい

るが、保守層にはディズニー等米国発コンテンツの人気が高い • マンガの人気も高く、大手書店にはマンガ専門コーナーが設けられている

• 日本のアニメは人気があり、民間業者によって毎年中米最大規模のフェアが開催 • テレビ放映のほかDVDも数多く販売されているが、大半が海賊版であり、正規の流通は

非常に尐ない

• NARUTO、聖闘士星矢などヒーロー系のアニメが人気であり、地上波でも放送 • コンテンツ市場は立ち上がりつつあるが、日本のアニメ・マンガに関心を持つのは日系

人や都市部の若年層など限定的な層に留まっている • 「日本語を学習するブラジル人の大半は、日本のアニメ・マンガへの興味が引き金」

日系コンテンツの普及度'4/4(

'都市部では中~(

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

• 日本アニメの人気は高まりつつあるが、一部若年層のみ。マンガは殆ど流通していない • DVD等の正規流通が尐なく、衛星放送、海賊版やインターネットで視聴する人が多い • 「'文化・慣習もあり(日本のアニメ・マンガの本格的な輸出には表現規制が大きな問題」

• 地上波で子供向けクラシックアニメやジブリ作品の他、ワンピースなどが放映されている • DVD等の正規流通はジブリなど一部に限られており、海賊版やインターネットで視聴す

る人が多い • マンガは殆ど流通しておらず、一部専門店で英語翻訳版が販売されているのみ

• 若年層中心に日本アニメを見る層も増えつつあるが、一部富裕若年層に限定される • 日本アニメの放送は殆どされていないため、インターネットでの視聴が中心 • マンガについては、読む習慣もあまりないため一部専門店で見つかる程度であり、殆ど

普及していない

中東・アフリカ

2 日系コンテンツへの受容性・普及状況

出所: 知的財産戦略本部 コンテンツ・日本ブランド専門調査会、JETRO各国コンテンツ市場レポート、 新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

47

主要製品分野における日系企業のシェアと各国・地域の経済成長率を踏まえると、日系企業にとって今後の拡大余地が最も大きいのはインド・ロシア

日系企業のシェア

(主要製品分野の

平均値)

10%

以上

5%

~10%

5%

未満

名目GDP成長率 '2010-15年平均(

30%以上 15%~30% 15%未満

中国

韓国 台湾'推定(

インドネシア ベトナム インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国 英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン 米国

ブラジル

メキシコ 香港

ロシア

経済成長率が高く、 日系企業のシェアが低い

'拡大余地が大きい(

経済成長率が高く、 日系企業のシェアが中程度

'十分な拡大余地あり(

一定の経済成長があり、 日系企業のシェアが低い'十分な拡大余地あり(

一定の経済成長があり、 日系企業のシェアが中程度

'一定の拡大余地あり(

経済成長率が低く、中長期的な市場としては有望度が低い

日系企業のシェアが比較的高く、 伸びしろは相対的に低い

出所: 国際連合、IMF、Euromonitor、Marklines資料、ローランドベルガー分析

3 他産業にとっての有望性・進出意向

日系企業にとっての拡大余地

オーストラリア

タイ シンガポール

48

経済成長率では中国・インドが極めて大きい。またGDP成長率を見ると、 台湾・インドネシア・ベトナム・ロシアの成長性が高い

経済成長率

出所: 国際連合 「National Accounts Main Aggregates Database」「World Population Prospects」、IMF World Economic Outlook

3 他産業にとっての有望性・進出意向

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

東アジア

東南・南アジア・

オーストラリア

欧州・中東・アフリカ

米州

タイ

メキシコ

香港

ロシア

オーストラリア

名目GDP'10億ドル( 上段: 2010年、下段: 2015年

+12%

+9%

+12%

+13%

+7%

+11%

+9%

+7%

+6%

+6%

+3%

+4%

+3%

+4%

+4%

+9%

+8%

+7%

na

+14%

+9%

219 187

103 1,254 713 536

345 332 222

430 1,559

1,000 10,565

5,878

2,109 1,511 1,080 17,338

14,545 2,846 1,480

1,748 1,412 2,405

2,062

3,200

3,161 2,556 3,908

3,315 3,034 2,243 495

365 1,056 750 694

446 1,762

1,240 2,816 1,679 309

年平均成長率'%(

+7%

49

7%

3%

0%

0%

8%

0%

20%

31%

49%

10%

55%

29%

17%

84%

48%

51%

38%

49%

98%

91%

49%

87%

4%

21%

11%

8%

9%

27%

24%

18%

17%

13%

14%

17%

18%

11%

21%

8%

8%

30%

18%

21%

8%

5%

22%

2%

8%

0%

0%

3%

0%

1%

2%

1%

1%

1%

1%

0%

1%

1%

0%

10%

3%

6%

6%

12%

0%

7%

6%

0%

0%

0%

0%

0%

0%

0%

2%

0%

35%

0%

74%

0%

0%

74%

67%

79%

55%

41%

特に自動車以外の分野では、台湾・香港、東南アジアを除くほぼ全ての地域において日系企業のプレゼンスは低く、進出余地が存在

主要製品分野における日系企業のシェア

出所: Euromonitor、Marklines、ローランド・ベルガー

3 他産業にとっての有望性・進出意向

圧倒的に ローカル企業が強い

日用品・化粧品では欧米の グローバル大手 'P&G、Unileverなど(が大半のシェアを保持

欧米大手の他、韓国勢 'Samsung、LGなど(が 高いシェアを占める

ドイツ・フランス OEMのシェアが高い

圧倒的にローカル企業が強い

平均シェア

18%

16%

28%

15%

38%

14%

24%

7%

10%

21%

9%

6%

5%

5%

18%

5%

36%

14%

52%

4%

48%

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

東アジア

東南・南アジア・

オーストラリア

欧州・中東・アフリカ

米州

タイ

メキシコ

香港

ロシア

オーストラリア

日用品・化粧品 コンビニ 自動車 電気機器'携帯、TV、PC他( 平均シェア

26%

50

【参考】アパレルでは東・東南アジアの一部国に進出しているのみ。玩具では、シェアは限定的であるものの欧州・中東の国にも流通している模様

アパレル・玩具における日系企業のシェア

出所: Euromonitor、Marklines、ローランド・ベルガー

3 他産業にとっての有望性・進出意向

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.5%

0.0%

0.0%

1.7%

1.1%

1.5%

0.5%

0.2%

0.0%

0.0%

0.3%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

1.9%

0.7%

0.0%

2.8%

0.0%

5.4%

1.4%

3.9%

3.2%

2.7%

0.3%

0.0%

9.7%

7.5%

11.4%

8.5%

0.9%中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

東アジア

東南・南アジア・

オーストラリア

欧州・中東・アフリカ

米州

タイ

メキシコ

香港

ロシア

オーストラリア

玩具 アパレル

全体に極めて フラグメントな市場'NikeやInditex、H&Mなどの大手も~5%程度のシェア(

ユニクロ、 ワコールなど

ワコールなど

日本企業のシェアは0.1%以下

ミズノなど

一定の普及はあるものと推定される

na

na

na

na

バンダイナムコ、タカラトミー、 サンリオなどが シェアを獲得

Mattel、Hasbroで約3割

LEGOが11%で最大、他はローカルが大半

Mattel、Hasbroで約4割

51

日系企業の進出意向は、中国・インドをはじめ、アジア圏の国・地域で高くなっている。製造業では加えてブラジル・ロシア等他のBRICs諸国への関心も強い 日系企業の進出意向

日系製造業の中期的有望展開国・地域

中国・インドを始めとするアジア圏への投資意欲が高い

日系サービス業が海外展開で重視している国・地域

サービス業では中国が群を抜いて重要視されている

2%

2%

5%

6%

7%

7%

10%

12%

29%

29%

31%

33%

59%

73%

米国

ロシア

ブラジル

インドネシア

ベトナム

タイ

インド

中国

中東

トルコ

シンガポール

メキシコ

台湾

韓国

18%

4%

5%

6%

8%

57%

その他

ベトナム

香港

タイ

米国

中国

出所: 国際協力銀行 「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」、JETRO 「サービス産業の海外展開实態調査」

3 他産業にとっての有望性・進出意向

52

米国、フランス、シンガポール、中国は強い文化・情報発信力を有しており、周辺市場へのコンテンツ普及の起点となりうる

周辺市場に対する文化的発信力・影響力

ブラジル

メキシコ

米国

英国

スペイン イタリア

南アフリカ共和国

サウジアラビア

フランス ロシア

ドイツ

トルコ

インド

タイ

インドネシア

ベトナム

シンガポール

台湾

香港

韓国 中国

グローバルで強い影響力あり

グローバル'特に欧州(で強い影響力あり

'文化省・外務省等の主導により古くから文化発信に注力(

ASEAN諸国・インドに対し 強い影響力あり

'従来よりアジアの文化・経済・交易のハブとして機能、近年は文化拠点都市

としての取り組みを強化(

アジア圏に対し 一定の影響力あり

中国に対し 一定の影響力あり

中東諸国に対し 一定の影響力あり

'旧オスマントルコ領等、地勢的に影響力の強い地域(

中央アジア・東欧に対し 一定の影響力あり

アジア圏に対し強い影響力あり

'特に中華圏(

出所: 新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

4 周辺市場への影響力

オーストラリア

53

ロングリストからの絞込みを实施した結果、ミドルリスト対象国・地域として下記の12カ国を選定

ロングリスト

ミドルリスト対象国の選定

<絞り込みの観点>

• コンテンツ産業の市場規模・成長性

• 日系コンテンツへの受容性・普及状況

• 他産業にとっての有望性・進出意向

• 周辺市場への影響力

中国

韓国

台湾

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

南ア共和国

英国

ドイツ

フランス

イタリア

スペイン

米国

ブラジル

東アジア

東南・南アジア

オセアニア

欧州・中東・アフリカ

米州

タイ

メキシコ

香港

ロシア

ミドルリスト(12カ国)

中国

インドネシア

ベトナム

シンガポール

インド

サウジアラビア

トルコ

フランス

ロシア

タイ

米国

ブラジル

主要各国・地域の市場分析とミドルリストへの絞込み

オーストラリア

出所: ローランド・ベルガー

54

ミドルリストから下記の視点に基づいて対象国・地域のグルーピングを行い、優先検討国・地域を特定

対象国・地域のグルーピング及び優先検討国・地域の特定

対象国・地域のグルーピング/優先検討国・地域の特定

ミドルリスト(12カ国・地域)

優先検討国・地域について、事業環境の追加調査を行う

3 具体的なコンテンツ企業・パートナー候補企業の進出意向

• 日系コンテンツ企業・パートナー候補企業の進出意向・関心の有無 'ヒアリング+企業アンケート結果+企業IR情報を参照(

グルーピング

2 打ち手の自由度

• 日本コンテンツの普及に向けた「打ち手」の選択肢の広さ

– 規制上の制限 'メディア保有における外資規制、外国コンテンツの露出量の上限、コンテンツ内容に対する表現規制(

– 国営メディアによるコントロールの強さ

1 日系コンテンツの普及ステージ

• 日系コンテンツの人気・浸透度合い'他産業への波及に活用できるか(

– 日系コンテンツに対するニーズの強さ '人気度合い、日本のコンテンツをよく見る/見たい人の比率(

– 流通状況

優先検討国の特定

:優先検討国

A

ベトナム

ロシア

サウジアラビア

D

インド

トルコ

C

シンガポール

インドネシア ブラジル

B

中国

台湾

香港

米国

フランス

E

4 国としての支援・試験的投資の意向

• '現時点で具体企業の進出意向が確認できない場合でも、先行投資/テストマーケティングの意義が認められる国については調査対象とする(

タイ

<グルーピング/優先検討国・地域特定の視点>

出所: ローランド・ベルガー

55

ミドルリスト12カ国を5グループに区分し、うち3カ国+2カ国を優先検討国に設定した

対象国・地域のグルーピング/優先検討国・地域の特定 - サマリー

1

対象国のグルーピング/優先検討国の特定 'サマリー(

周辺市場への影響力

他産業にとっての有望性・進出意向

日系コンテンツへの受容性・普及状況

コンテンツ産業の市場規模・成長性

打ち手の自由度

日系コンテンツの普及ステージ

2

1

(参考)

具体的なコンテンツ企業・スポンサー企業の進出意向

3

ミドルリスト対象国

規模: 大成長性: 大

アジア圏に対し強い影響力あり

受容性: 大普及度: 中

経済成長性: 大日系シェア: 中

進出意向:製サ共に高い

高い

限定的

化粧品、食品・飲料とも

強い意向あり

中国

規模:小成長性: 大

発信力は強くない

受容性: 中普及度: 中

経済成長性: 大日系シェア: 中

進出意向:製造業で高い

高い

中程度~比較的大きい

化粧品、食品・飲料とも意向あり'耐久消費財でも強い意向ありと想定(

インドネシア

規模:小成長性: 小

ASEAN・インドに対し強い影響力あり

受容性: 中普及度: 中

経済成長性: 中日系シェア: 大

進出意向:製造業で中程度

中程度

中程度

化粧品、食品・飲料とも意向あり

シンガポール

規模: 中成長性: 中

発信力は強くない

受容性: 大普及度: 高

経済成長性: 中日系シェア: 中

進出意向:製で高い、サ中程度

高い

中程度

化粧品、食品・飲料とも意向あり

タイ

規模: 大成長性:小

グローバル'特に欧州(で強い

影響力あり

受容性: 大普及度: 高

経済成長性: 小日系シェア: 小進出意向: 低い

高い

非常に大きい

フランス

規模: 巨大成長性:小

グローバルで強い影響力あり

受容性: 大普及度: 高

経済成長性: 小日系シェア: 中

進出意向:製で高い、サ中程度

高い

非常に大きい

米国

規模: 中成長性: 大

発信力は強くない

受容性: 低普及度: 低

経済成長性: 大日系シェア: 小

進出意向:製造業で高い

低い

中程度~比較的大きい

インド

規模:小成長性: 中

中東諸国に対し影響力あり

受容性: 中普及度: 低

経済成長性: 中日系シェア: 中進出意向: 低い

低い

非常に限定的

サウジアラビア

規模:小成長性: 大

中東諸国に対し影響力あり

受容性: 中普及度: 低

経済成長性: 中日系シェア: 小進出意向: 低い

低い

中程度

トルコ

規模: 中成長性: 大

中央アジア・東欧で影響力あり

受容性: 中普及度: 低

経済成長性: 大日系シェア: 小

進出意向:製造業で高い

低い

限定的

ロシア

規模: 中成長性: 中

発信力は強くない

受容性:低'都市部では中~(

普及度: 低

経済成長性: 中日系シェア: 小

進出意向:製造業で高い

中程度

中程度~比較的大きい

ブラジル

規模: 小成長性: 大

発信力は強くない

受容性: 中普及度: 低

経済成長性: 大日系シェア: 中

進出意向:製で高い、サ中程度

低い

限定的

化粧品、食品・飲料とも意向あり

ベトナム

打ち手の自由度

高い

低い

日系コンテンツの普及ステージ

中程度~比較的大きい現時点では限定的

米国

フランス

非常に大きい

タイ

シンガポール

インドネシア

ブラジル

インド

トルコ

ロシア

サウジアラビア

中国

A

D C

B

• 「日系コンテンツの普及ステージ」と「打ち手の自由度」を踏まえ、各国市場における狙い及び支援の方向性によってグルーピング• 優先検討国'ハイライト(は現状までのヒアリング結果等に基づき、初期的に設定

中国

A

ベトナムロシア

サウジアラビア

E

インド

トルコ

D

シンガポール

C

タイインドネシア

ブラジル

B

ベトナム

「他産業への波及」を狙うため、コンテンツをいかに活用するかを考える段階

現地で「コンテンツを普及」させること自体に

より重点を置くべき段階

国主導で「制約の枠内で最大限の効果を上げる取り組み」に注力'ボトルネック解消に向けた働きかけも重要(

よりアグレッシブな打ち手が可能'資本投下による枠の確保も含む(

「制約内での正規アプローチ/国主導の働きかけでコンテンツ普及を加速させ、民の参入意欲を促進」

「効果的なメディア枠の確保により強いコンテンツに梃入れし、他産業への波及効果を早期導出」

「ローカル対応させた「強いコンテンツ」の集中投下により、新たな日系コンテンツファン国を創出」

「中長期の有望市場を見据え、国主導により日系コンテンツの認知底上げ」

「コンテンツのマネタイズ機会を最大化しつつ、新たなメディア構造に対応したビジネスモデルを模索」

各グループにおける戦略方向性仮説

短期的な参入にはハードル

'中長期的には関心あり(

E

米国

フランス

出所: ローランド・ベルガー分析

56

各グループにおける戦略方向性仮説

戦略方向性仮説

タイ

シンガポール

インドネシア

ブラジル

インド

トルコ

ロシア

ベトナム

サウジアラビア

中国

A

D

C

B

「制約内での正規アプローチ/国主導の働きかけでコンテンツ普及を加速させ、 民の参入意欲を促進」

• 制約内で最大限の普及効果を出す為の正規コンテンツ露出機会向上が必要 – ネット活用、廉価でのコンテンツ提供、共同制作による放映権獲得 等

• 併せて国レベルでの規制緩和の働きかけ等も实施し、徐々に門戸を広げていく

• 二次利用・他産業とのコラボ等の関連ビジネスを呼び込むことで、収益化实現

「ローカル対応させた「強いコンテンツ」の集中投下により、新たな日系コンテンツ ファン国を創出」

• コンテンツを幅広く普及させるための広いリーチを持つ枠の確保が必要

• ローカライズした有力コンテンツを連続投入できる体制を構築 – 現地スタジオとの連携、ローカライズ対応チームの結成 等

「中長期の有望市場を見据え、国主導により日系コンテンツの認知底上げ」

• コンテンツの認知を底上げするための正規コンテンツ露出機会向上が必要 – ネット活用、廉価でのコンテンツ提供 等

• 規制緩和動向、コンテンツの普及状況を見つつ、「枠の確保」「他産業への 波及」への移行も検討していく

E 米国

フランス

• コンテンツ市場・他産業の双方について市場規模・ 成長性が共に大きく、日系企業の進出意向も非常に 高い重要な市場

• 日系コンテンツの人気が高く、波及効果も大きいが、 制度上のボトルネック等によりコンテンツの露出が制約を受けており、規制対応も踏まえた個別戦略が必要

• 特にアニメ・キャラクターは幅広く普及しており、他産業への プロモーションツールとしての活用が十分に可能

• 親日国家であり、实写コンテンツの伸びしろも大きい

• 打ち手の自由度も比較的高いため、アグレッシブな プロモーション施策・露出施策を打ち出していくべき

• シンガポールについては、自国市場が小さい為、周辺市場(ASEAN)への波及効果が狙い易い施策を重視すべき

• 日系コンテンツ普及の歴史が浅く、流通も限定的であるため、プロモーションパワーを持つコンテンツが殆どない

• 文化的背景により、受け入れられるコンテンツが限定的

• 打ち手の自由度は比較的大きいが、現地市場の 知見が尐ないため、日系企業が参入を躊躇

• 日系コンテンツ普及の歴史が浅く、流通も限定的であるため、プロモーションパワーを持つコンテンツが殆どない

• まずはコンテンツを普及させることが重要だが、規制も厳しいため、打ち手の自由度が限定的

• コンテンツ産業が成熟しており、日系コンテンツ普及の歴史も長いため、「強いコンテンツ」を活かして、多様なマネタイズの手段を構築していくことが重要なフェーズ

• ネット配信等の普及により、従来の収益モデルが崩れつつある領域も見られる (ビデオパッケージ販売など)

「効果的なメディア枠の確保により強いコンテンツに梃入れし、他産業への 波及効果を早期導出」

• コンテンツと他産業とのコラボを積極实施することにより波及効果を早期に創出

• 強いコンテンツのプロモーション効果を最大化するための枠の確保が必須 – 資本を活用したメディア/チャンネル枠の取得、ネットメディアとの連動 等

• シンガポールでは、コンテンツを載せた「モノ」'関連製品など(を周辺諸国 向けにアピール・露出できるような枠'ショップ等(の確保も視野に入れる

「コンテンツのマネタイズ機会を最大化しつつ、新たなメディア構造に対応した ビジネスモデルを模索」

• 刈り取りきれていない収益機会の实現'関連商品・イベントなど(

• 新たなメディアプラットフォームとビジネス構造に対応した収益モデルの探索・ 試験的实践

出所: ローランド・ベルガー分析

57

各国市場の概況を踏まえ、各グループにおける戦略的なコンテンツ海外展開及び他産業波及のKSFは下記の通りと認識

各グループにおけるKSF

A D C B E タイ

シンガポール

インドネシア ブラジル

インド

トルコ

ロシア

ベトナム

サウジアラビア

中国 米国

フランス

制約内での正規アプローチ/国主導の働きかけで コンテンツ普及を加速させ、民の参入意欲を促進

効果的なメディア枠の確保により強いコンテンツに梃入れし、他産業への 波及効果を早期導出

ローカル対応させた「強いコンテンツ」の集中投下により、新たな日系コンテンツファン国を創出

中長期的な有望市場を見据え、国主導により日系コンテンツの認知底上げ

コンテンツのマネタイズ機会を最大化しつつ、新たなメディア構造に対応したビジネスモデルを模索

普及初期での集中的な露出拡大投資

最適なメディアミックス展開

地場制作会社との協働によるコンテンツローカライズ

国レベルでの文化交流・ 規制緩和の働きかけ

中長期展開シナリオ構築

シナリオ全体として投資 回収を实現するスキーム

オーケストレーション機能

コンテンツ海外普及のK

SF

コンテンツ管理体制の 一元化

他産業波及のK

SF

• 地上波放映許可や映画輸入枠など、ボトルネックとなる規制が多数存在しており、政府レベルでの働きかけの意義は大きい

• 規制上のボトルネックは限定的

• 民での進出を後押しする形の

支援が有効

• 規制上のボトルネックは限定的

'小売等、周辺市場に対する

規制緩和の働きかけは必要(

• 当局によるメディアへの関与度

合いが大きく、国レベルでの文化

交流促進等の働きかけが有効

• 規制上のボトルネックは限定的

• 民での進出を後押しする形の

支援が有効

• 地上波での放映許可獲得の

ためには、コンテンツを中国籍と

することが有効な選択肢

• 有力な地場制作会社は尐ないため、有力テレビ局との提携/関係構築の一環としての協働が現实的

• ローカルコンテンツが極めて強い市場であるため、「受ける」コンテンツを生み出すためにも地場制作会社と連携することが有効

• 有力な地場制作会社は尐ない

• 露出枠を確保するための窓口

としての活用は一案

• 日本コンテンツが相当程度のプレ

ゼンスを築いており、制作レベル

での提携・協力ニーズは限定的

• コンテンツのプロモーション効果を最大化するためにも、普及初期ではコンテンツの露出機会を集中的に拡大させることが肝要

• 普及に向けてメディア枠の確保を優先的に行う必要があるため、プロモーションコストと割り切った廉価でのコンテンツ提供や無料ネット視聴等も視野とすべき '但し、全体として収益化/投資回収を实現させるためのビジネスモデルを構築する必要あり(

• メディアの成熟度が非常に高く、

新たなメディアプラットフォームも含む

メディアミックス展開を追求すべき

• テレビメディアが圧倒的に強いた

め、テレビを押さえることでマスへ

のリーチは確保可能

• テレビを押さえることにより相当程度のリーチを確保できるが、併せて普及が進みつつあるネットメディアの活用も考慮すべき

• 広いリーチを持つテレビメディアに加え、若年層に深く浸透しつつあるソーシャルメディアとの連動も行っていくべき

• テレビは放送認可でハードル有り • 制約内で最大限の普及効果を

出すためにも、ネットでの効果的な露出施策を検討する必要

• 海外展開における権利が複数社に分散している場合、権利取得が困難/手間であるため、コンテンツの活用が進まない

• 海外におけるコンテンツの露出・二次利用を促進し、収益回収機会を最大化するためにも、コンテンツ権限管理窓口を集約することが重要

• コンテンツの展開が中長期プランなく場当たり的に行われることによって、各フェーズでの施策が単発に留まり、一貫性・相乗効果が限定される

• 「全体最適」を見据えたコンテンツ展開を实現するため、初期段階から多様なプレイヤーを巻き込んだ中長期シナリオを構築すべき

• コンテンツ一次利用のみによる投資回収を想定した場合、放映料を下げる・無償公開する等の踏み込んだ施策を検討しにくい

• 普及初期での集中梃入れを促進するためにも、関連ビジネスの広がりを見据え、シナリオ全体として投資回収できるビジネスモデルを構築することが必要

• 全体として投資回収を实現するスキームの中では、他産業も含む複数のプレイヤーが関与するため、事業展開の实現に向けて各社の意向を取りまとめ、

適切に管理する機能が必要

極めて重要

重要

あまり重要でない

出所: ローランド・ベルガー分析

58

中国

59

中国では、若年層のボリューム・ゾーンを中心に、アニメ・マンガなどの日系コンテンツは高い人気を得ているものの、テレビ放映などで規制が存在

中国 - サマリー

消費者の概況

コンテンツの カテゴリーと 普及状況

メディアの 構造と動向

規制の状況

小売・サービス産業への規制状況

• テレビの普及率はほぼ100%であり、インターネットも広く普及

• 80年代以降に生まれた「80后」(30歳未満の若年層)が日系コンテンツ視聴のボリュームゾーン

• 日系コンテンツではアニメ・マンガの人気が最も高いが、映画・ドラマ等の实写では中国コンテンツの方が人気が高く、また韓国コンテンツの台頭も見られる

• 若年層におけるアニメ・マンガへの関心度は極めて高いものの、広く人気のある作品は旧作が 殆ど'新作が入ってきていない(

• コンテンツ関連グッズの購買行動が積極的になされており、正規版を求める消費者が増えている

• ネットを通じた映像配信の一般化が急速に進展。規制上の制約もあり、未だ違法視聴も多いものの、正規版も増加しつつある模様

• 放送メディアは政府が運営しており、より広範な層へのリーチが可能。全国衛星放送の広がりによって、近年はチャンネル間競争が激化、コンテンツ獲得が極めて重要に

• 外資規制に加えて外国コンテンツの露出に対する制限が厳しい為、特にテレビを通じた普及拡大のハードルは非常に高い'放映許可の獲得が困難(

• 特にアニメでは国内産業育成の観点からも規制が厳しくなっている

• 一方で、中国本土もしくは台湾企業との共同制作によって輸入制限をクリアした事例が複数存在

• 小売業に対しては基本的に100%出資が可能だが、一定の条件下では49%までに制限

• グローバル大手に加えて日系小売大手も進出加速しているが、プレゼンスは相対的に低い

出所: ローランド・ベルガー分析

60

1

視聴者/消費者

86

78

118

108

122

20

39

57

5

81

115

22

104

37

110

53

67

7男性 女性

4,382ドル

1,341,000,000人

97%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

13.0億人

38%

ネット利用人口/普及率

5.1億人

18%

モバイルネット利用人口/普及率

3.6億人

小売

EC

パッケージ小売

動画共有サイト/プラットフォーム

映画興行

SNS

パッケージ制作/ 輸入

配給会社

テレビ視聴人口13億人

CATV

視聴世帯1.7億

観実数370,000

千人

ネット利用人口5.1億人

モバイルネット利用人口3.6億人

オンライン動画視聴者4.7億人

小売売上2兆ドル

EC売上5,700億ドル

EC利用者1.7億人

映像DVD

売上n/a

制作スタジオ

物流

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

メーカー

• 優酷網• 土豆網

• QQ

• LeTV

• QZONE

• TENCENT Weibo

• Sina Weibo

• RENREN

• Kaixin

地上波放送(省/市レベル局)

CATV

テレビ局/ 放送事業者(中央/省レベル局)

系列制作会社

独立系制作会社

海外コンテンツホルダー

• 中央電視台• 上海東方電視台• 北京電視台• 広東電視台• 湖南電視台

• 北京有線電視台• 上海有線電視台• 広州有線電視台

• 輝煌動画• 科影廠

• 中国電影集団• 保利博納• 上海東方伝媒集団

• 万達国電影城• 海上电影

• 聯華影業• 新華影業

• 深セン電視台(市)

• 武漢電視台(市)

• Guangdong Audio

• Beijing Audio

• 中图• 中影

• 百聯集団• 華潤万家

• 大商集団• 物美集団

• 淘宝網• 京東商城

• 郵政速逓• 順豊速運

• 80年代以降に生まれた「80后」(30歳未満の若年層) が日系コンテンツ視聴のボリュームゾーン

• 18-27歳の若者は、1日約5時間をネット/メールの利用に費やす

• 5.1億人のネット利用者のうち、オンライン動画配信利用者は4.7億人に上る

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

中国: メディア/流通の構造とキープレーヤ

• 日系コンテンツに対する関心が高い人口のボリュームゾーンである「80后」が、コンテンツ視聴ツールとして日常的に使用するネットメディアの活用が効果的

• キッズ等、より広範な層にアクセスするためには、中国全土に向けて放送を行っている放送事業者との提携も有効。但し、コンテンツ放映許可の獲得がハードルとなるため、新規番組の場合には地場制作会社との提携・共同制作も視野に入れる必要あり

動画共有サイト/S

NS

テレビ局/制作会社

• 2011年9月、ローソンが中国小売最大手の百聯集団と合弁で運営している上海ローソンの株式を取得し、出資比率を大幅に引き上げて日本式コンビニの拡大を目指す。百聯集団とは1996年から合弁設立、提携関係にある

カギとなるメディア

日本企業との提携例(他業種)

キープレーヤ

ローソン+

百聯集団 (小売)

Yahoo!Japan+

淘宝網 (Eコマース)

ユニクロ+

淘宝網 (Eコマース)

資生堂+

京東商城 (Eコマース)

• 2010年6月、Yahoo!Japanと中国EC最大手の淘宝網が提携、相互に両国内でのECプラットフォームを共同開設

• 2009年4月、ユニクロが淘宝網と提携し、中国でオンライン通販を開始。淘宝網内の店舗と自社サイトを同時開設し、主要商品約500点を販売

• 2012年2月、資生堂が中国EC第2位の京東商城と提携、資生堂ブランドの商品を代理販売する権利を付与

土豆網(Tudou)

TENCENT(QZONE/ Weibo)

東方電視台(Dragon TV/

上海メディアグループ)

湖南電視台

• 中国オンライン動画配信第二位。オリジナルアニメ制作にも乗り出す方針

• 2011年11月、テレビ東京と提携し、「NARUTO」を初めとする60作品以上の日本アニメの放映権利を獲得。日本放映の1時間後に字幕つきで視聴可能に– 土豆はテレ東と提携後、テレ東作品を違法配信する優酷を糾弾、監督庁に通報

• 他動画サイトに比べ著作権への配慮が最も高く、積極的に正規配信権を購入

• 中国最大のSNS「QZONE」と3億人超が利用するWeiboサービスを運営

• 2011年1月、グリーと提携、アプリ相互提供とプラットフォーム仕様の共通化を行う方針

• 上海を中心に展開する中国第2位の放送メディアグループ

• 日本企業との共同制作・提携に極めて積極的– 2011年9月、テレビ朝日との協力関係を強化し、共同制作等の取組みを加速– 2011年1月、ソニーグループのMusic On TVと提携し、J-POP番組を共同制作– 2010年7月、吉本興業と長期事業提携を締結すると発表– 2010年6月、傘下の子供向けチャンネルToonmaxが東映アニメーションと劇場版アニメ

「一休さん」を共同製作

• 中国初の省レベルメディアグループであり、傘下にアニメ専門チャンネルも保有

• テレビ局間の競争激化に伴い、いち早くブランディング経営を導入。競争力のある番組の調達・開発に注力し、番組のマーチャンダイジング展開も積極实施

• 2008年にフジテレビの「大奥」3部作を放送、高い視聴率を記録

• 2003年に国有小売4社が統合した百聯集団が最大手

• 外資は100%出資が可能であり、国内企業と熾烈な競争を繰り広げる

• 海賊版の横行により、ほぼパッケージ市場は崩壊

• 分散市場であり、中小が殆ど

• ECが急拡大中、淘宝が圧倒的シェア

• 物流への懸念は弱まりつつあるも、未だボトルネックとの認識

• 海外SNSは規制されるため国内系が有力

• Weiboが急拡大、利用者は2.5億人に上る

• ネットでのアニメ視聴はTVを上回りつつある

• 近年、日本作品の正規版が増えている模様

• CNTV

• 奇芸

• 中央/省レベル局は衛星で全国配信

• チャンネル間競争の激化に伴い、各テレビ局/チャンネルが自社のブランド構築・差別化戦略を推進

• 有力コンテンツ獲得による視聴者確保が極めて重要に

• 国土が広いため、衛星放送を放送センターで受信し、ケーブルを通して配信するCATV方式が一般的

• 基本的に中央・省の番組を再放送

• 新麗伝媒• 華録百納影視

• 海外映画の輸入は中影社・華夏社のみが可能

• 近年、日本企業との共同制作事例が増加

• 代理商経由のことも(香港: 国際影業など)

80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

• PPLive

優酷網(Youku)

• 中国オンライン動画配信第一位であり、月間2.3億人のユニークユーザーが訪問

• 日本アニメは海賊版が多く、取締り対応もやや遅いが、正規版も増えつつある– 2011年11月より、バンダイナムコの「機動戦士ガンダムAGE」を正規配信

• 2012年3月、同年秋に土豆網を買収すると発表、動画サービスを共に強化・拡充

中央電視台(CCTV)

• 中国の国営テレビ局であり、全国視聴シェアで約7割を保有

• 独自審査で日本コンテンツを輸入可能。日本企業との提携事例も多い– 2010年9月、フジテレビは英Freemantle Mediaを通じてCCTVに企画販売を实施。

CCTVが外国製企画を採用するのは始めて(CCTVはフジの提携局)

– 2009年3月、傘下アニメ制作会社の輝煌動画とタカラトミーが共同制作

北京電視台

• 北京を拠点に展開するテレビ局・省レベルメディアグループ

• 日本作品の放映は多くないが、傘下アニメチャンネルでは日本企業との提携に前向き– 傘下アニメ専門チャンネルKaku TVはバンダイナムコ等日本企業との共同制作経験あり– 日本アニメへのニーズは高いが新規輸入が困難なため、企業レベルでの連携を志向

有力パートナー候補先

出所: ローランド・ベルガー分析

61

中国では、日系コンテンツの人気はアニメを始め非常に高いが、国策による多様な規制・制限があり、戦略的打ち手の自由度は限られている

日系コンテンツの普及ステージ: 高い 1 打ち手の自由度: 限定的 2

ファン数

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

アニメ・マンガ

映画

25%

18% ドラマ

27% 音楽

25%

43%37%

42%84%

93%

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

• 放送は外資参入不可 • 製造、流通等は合弁であれば可能、許認可が必要

• 地上波・衛星放送・CATV全て国営 • 中央・省・市に分かれるが、ネットワーク統合が進んでいる

• 映画・テレビ番組は外国作品の比率制限あり'映画・ ドラマは25%、他は15%、アニメはアニメ全体の30%(

• 特定時間帯'ゴールデンタイム(の露出も禁止

• 事前内容審査・検閲が存在し、規制基準も不透明

アニメ・マンガ・キャラクターが特に強いが、实写系コンテ ンツも含め、全般に人気は非常に高い

• 2.8億人が日本コンテンツのファンと推計 '80年代以降生まれの70%(

• アニメ・マンガ、キャラクターは非常に人気が高い – ドラえもんは国内アニメのキャラクターやミッキーマウスを押さえ、

中国で最も人気があるキャラクター

• 音楽・ドラマも若者に一定の人気があるが、映画は限定的 – 日本と韓国の人気度の比較では、アニメで日本:韓国=7:3程

度だが、ドラマは8:2程度で韓国が人気

• 正規版での普及は十分とはいえない – 近年は新たな日本のコンテンツがあまり入ってきておらず、海賊

版やインターネットで見ざるを得ない状況 – 「中国側の枠の規制の他、日本作品の放映権が高いこと等が

理由で正規流通が限定されている」

露出制限、内容規制等が厳しく、国によるメディアのコント ロールも非常に強いため、打ち手の選択肢は限定される

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、総務省 世界情報通信事情、 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

中国

アジア圏に対し 強い影響力あり

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業・サービス業共に高い '特に自動車、家電、化粧品、小売(

62

中国のコンテンツ市場は2020年時点で230億円規模となる見込み。テレビの普及率は100%に近い水準であり、インターネットの利用率も3割を超える

コンテンツ産業市場規模(10億ドル) コンテンツ産業関連指標

コンテンツ市場の概況

4.6

7.6

13.2

1.9

1.1

2.4

映画

TV番組

アニメ・

キャラクター

出版

音楽

ゲーム

2020

23.0

2.5

1.1

0.5

2010

13.5

0.9

0.5

0.2

CAGR (2010-20)

マクロ情報

人口ピラミッド(百万人)

80~ 5

70~79 20

60~69 39

50~59 57

40~49 86

30~39 122

20~29 108

10~19 118

0~9 78

7

22

37

53

81

115

104

110

67

男性 女性

4,382

1,341

一人当たりGDP(ドル)

人口(百万人)

都市人口 (百万人)

北京: 上海:

11.5 14.3

• アニメ、マンガ含む出版の市場合計は 2020年で140億ドルに

• 音楽・ゲームは年平均12%の成長

+12%

+12%

+6%

+9%

+9%

+10%

インターネット加入者数(100人中)

ブロードバンド加入者数(100人中)

テレビ普及率(%)

インターネット 利用者割合(%)

インターネット帯域速度(一人当たり、bps)

8人

8人

2,389bps

97%

34%

中国 - コンテンツ市場を取り巻く概況

• 80年代以降生まれの「80后」世代が日系コンテンツ視聴のボリューム層

出所: 経済産業省 「メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他産業への波及効果調査」、 総務省HP、統計局HP、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

63

日系コンテンツへの関心度は、アニメ・マンガが最も高い。映画・ドラマ等の实写コンテンツも一定の人気はあるが、中国の自国コンテンツ等に比べると低い水準

中国 - コンテンツカテゴリー

日系コンテンツに対する関心度

37%

43%

42%

84%

93%

85%

83%

74%

47%

40%

37%

58%

53%

21%

22%

44%

39%

65%

11%

13%

43%

23%

49%

4%

6%4%

3%

18%

16%

18%

日本 韓国 欧州 中国'自国( インド 米国

「今後どの国のコンテンツを視聴したいか」という質問に対する回答

(複数回答、20~49歳までの男女200人へのヒアリング)

アニメ

マンガ

映画

ドラマ

音楽

• 海賊版中心に普及しており、正規版がない作品でも認知度は非常に高い

• 小学館、講談社、集英社は現地出版社と提携し、自社コミックスを販売

• ネットでの漫画配信も一部展開'点撃動漫網など、正規配信サイトも開始(

• 外国映画の輸入は枠が決められており、輸入できる企業も2社のみ

• 枠もハリウッド映画から埋まるため、日本の映画は殆ど上映されない

• 最近では07年に「日本沈没」、08年に「ドラえもん」などが輸入・公開

• 輸入作品は15%程度であり、視聴率の上位を韓国・米国作品が占める

• 08年に「大奥」の3部作が全国衛星で放送され、高い視聴率を記録 – 「中国ではドラマを毎日放送するため、1-2週間で終わる日本のドラマは

ブームが作りにくいが、大奥は3部作を連続放映したことでヒットした」

• 1979年の「鉄腕アトム」放送を皮切りに「一休さん」「ドラゴンボール」「スラムダンク」「クレヨンしんちゃん」などが放送され、高い人気を獲得

• 正規放送に加え、海賊版・ネットでのダウンロード等による視聴が一般化

• 新作の輸入・放送は困難だが、人気のある既存作品は様々にマーチャンダイジング展開されている'ドラえもん、ちびまるこちゃん、ガンダムなど(

• 海賊版CDやネットでのダウンロードによる視聴が一般化しており、avex系アーティストやジャニーズ等を中心にJ-POPのファン層が広がりつつある

• 収益回収の手段としてはライブ・コンサートが中心 – 2010年には「ゆず」「JAM Project」、2011年に「SMAP」がライブを開催

バンダイナムコは中国を含むアジア29カ国でガンダムを無料配信

「海賊版問題がある中、訴訟に勝っても益は尐ない。発想を転換し、タダで映像を流して多くの人に知ってもらう戦略に切り替えた」

出所: 経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

64

中国の若年層におけるアニメ・キャラクターへの関心度は非常に高い。日本のキャラクターは広い年齢層で人気上位にあり、認知度の高さが伺える

若年層におけるアニメの人気度合い

子供に人気が高いキャラクター(想起率ベスト3、2008年)

中国

台湾

香港

1位 2位 3位

インドネシア

ベトナム

インド

ドラえもん(12%)

ドラえもん(14%)

ドラえもん(10%)

NARUTO疾風伝(14%)

トムとジェリー(37%)

トムとジェリー(28%)

名探偵コナン(10%)

ワンピース(12%)

NARUTO疾風伝(9%)

ドラえもん(14%)

ドラえもん(15%)

ミッキーマウス(15%)

クレヨンしんちゃん(7%)

スポンジ・ボブ(9%)

クレヨンしんちゃん(9%)

トムとジェリー(11%)

名探偵コナン(10%)

Mr.ビーン(13%)

学年別人気アニメ'2006~2008年(

16

17

1818

26

2730

34

35

3537

38

3840

4478

21

26

オンラインゲーム 自転車・一輪車 水泳・スイミング 工作 サッカー うたを歌う

アニメを見る キャラクター テレビを見る

音楽を聴く マンガ、雑誌、本を読む

お絵かき・マンガを書く ぬいぐるみ・人形遊び ブロック ロボット玩具 ミニカー おにごっこ・かくれんぼ ボール遊び

中国の子供が関心を持っていること(%)

中国主要7都市の0-12才の子供がいる母親にヒアリング

※15%以下は割愛

小学生

中学生

高校生

大学生

1位 2位 3位

小学生

中学生

高校生

大学生

上海

北京

爆走兄弟レッツ&ゴー

スラムダンク

スラムダンク

スラムダンク

名探偵コナン

名探偵コナン

名探偵コナン

一休さん

MUSIC UP

名探偵コナン

名探偵コナン

トムとジェリー

ポケットモンスター

スラムダンク

スラムダンク

トムとジェリー

ポケモンAG

スレイヤーズ

スレイヤーズ

名探偵コナン

爆走兄弟レッツ&ゴー

ドラゴンボール

クレヨンしんちゃん

ドラえもん

中国 - アニメ・キャラクター

但し、作品ラインナップは旧作中心

出所: ADK「中国7 都市キッズ&キャラクター調査」、中国動漫産業分析及び投資咨詢報告、シノベイト「2008 年ヤング・アジアン調査」

65

幅広い種類の商品が購入されている模様。関連商品の購入場所ではハイパーマーケット・インターネットが高く、商品展開チャネルとして重要度が高いと考えられる

アニメ関連商品の購買状況

中国の母親のキャラクター関連商品購入経験(%、直近3ヶ月)

66

10111212

1416

1821

3335

373940414142

シール・ステッカー・バッジ

紙おむつ

参考書・ドリル

食器

DVD/CDソフト

パジャマ 菓子 知育玩具 バッグ 食玩'おまけつき菓子( ぬいぐるみ・人形・ロボット 本・絵本 食品'菓子以外( 衣料(Tシャツなど( 靴 飲料 文具'筆記具・ノートなど( マンガ・コミックス

「購入したことが ない」母親は

全体の6%のみ

アニメ・キャラクター商品の購入場所 (複数回答可)

95

71

73

63

65

23

74

64

72

62

25

1818

8

10

24

11

14

27

99

48

レストラン

北京 上海

露天

フランチャイズ 36

51

コンビニエンスストア

21

アニメキャラクター専門店

194

127

22

135 デパート

スーパーマーケット 137

インターネット 145

ハイパーマーケット

キャラクター関連イベント

海賊版・偽物が売られている「露天」での購入比率は

比較的低い

ネットショッピングが幅広く普及

中国 - アニメ・キャラクター関連商品

中国主要7都市の0-12才の子供がいる母親にヒアリング

アニメ・キャラクター商品の購買習慣は深く根付いている

出所: ADK「中国7 都市キッズ&キャラクター調査」、JETRO「中国コンテンツビジネスレポート2010年度(4)」、ローランド・ベルガー

66

中央及び各省のテレビ局が衛星を保有し全国放送を实施。各家庭では基本的にケーブルを通じて番組を視聴しており、多数のチャンネルにアクセスが可能

コンテンツ

制作

配信/流通

放送/配給

視聴者

地上波 CATV/衛星放送 インターネット

映像コンテンツにおけるメディアの構造

映画

中国 - メディアの構造

国営'省(テレビ局 約30社

上海電視台、北京電視台 広東電視台、湘南広播影視集団 他

国内・海外 コンテンツホルダー

CATV事業者 約250社

北京有線電視台 上海有線電視台

広州有線電視台 他

CATV視聴世帯: 約1億7,400万

国営'中央(テレビ局 2社

中央電視台 中央教育電視台

国営'省/市( テレビ局 (地上波)

約230社

衛星で全国配信 (約20チャンネル・シェア7割)

省の衛星で全国配信 (約50チャンネル・シェア3割)

国土が広いため、

衛星放送を放送センターで受信し、ケーブルを通して配信するCATV方式が一般的

TV普及台数: 約4億台、視聴者数: 12億人、普及率: 約97%

観実数: 370,000千人

年間鑑賞回数: 0.2回/ 人

映画興行 スクリーン数: 9,000超

万達国電影城、海上电影 他

制作スタジオ 数百社

聯華影業、 新華影業 他

配給会社 34社

中国電影集団 保利博納

上海東方伝媒集団 他

シネコンの建設ラッシュによりスクリーン数が急増中

インターネット利用者数: 約5億1,000万

モバイル・インターネット利用者数 約3億6,000万

動画共有サイト/SNS

優酷網、土豆網 CNTV、QQ 他

ユーザー

基本的に中央・省の番組を再放送 '数100チャンネル(

行政指導の下で 統合が進む

中央/省レベルの局は

海外ドラマの輸入が

可能(枠制限あり)

海外コンテンツホルダー

海外映画の輸入は中影社・華夏社

のみが可能

最近では優酷網、土豆網、CNTV、奇芸、QQ等

大手映像配信サイトの他、多数のサイトで日本アニメ

正規版の配信が増加

「優酷網」では日本アニメ約100作品、1万話以上が

配信中

出所: JETRO「中国コンテンツ市場調査'6分野(2009」「中国コンテンツビジネスレポート2010~2011」、翔泳社「コンテンツビジネスin中国」、 総務省HP、有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

67

放送メディアは当局管理の元、中央・地域政府によって運営。近年は中央、各省、地域におけるチャンネル間の競争が激化している

中国 - 放送メディア

中国における放送メディアの概況

テレビ局の分類と管理体制イメージ 視聴可能チャンネル数の変化 (例: 北京)

国務院 (中央政府)

国家広播電影電視総局

中央電視台 (中央レベル局)

A省政府 (地方政府)

A省 広播電視局

A電視台 (省レベル局)

中央レベル

省レベル

市レベル

県レベル

テレビ局数 例

2

32

194

(統合済)

CCTV

上海電視台

深セン電視台

-

県レベルは上級局に統合済

今後は市レベルも順次廃止する方針

共産党中央 委員会(党)

中央宠伝部

中国日報など

監督

直轄

二重管理

監督

中央電視台(CCTV) 中央教育電視台(CETV) 18チャンネル

全国放送

(衛星) 一強体制

地方放送

(地上波)

北京電視台(BTV) 天津電視台(TJTV) 河北電視台(HEBTV) 12チャンネル

従来 1996年~現在

30チャンネル* 80チャンネル*

注) 視聴可能チャンネル数は視聴可能なチャンネル数の例示であり、实際の視聴可能チャンネルはCATV会社との契約による

全国放送

(衛星)

各省全国衛星放送

50チャンネル

VS 衛星技術の革新を受け各省テレビ局が

衛星チャンネルを導入

全国放送可能なチャンネル数の大幅拡大により 中央、地方、各省衛星間の視聴者・広告獲得競争が激化

チャンネル間競争の激化に伴い、各テレビ局/チャンネルが自社のブランド構築・差別化戦略を推進

有力コンテンツ獲得による視聴者確保が極めて重要に

出所: 中国メディアハンドブック、翔泳社「コンテンツビジネスin中国」、総務省HP、有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

68

厳格な外資参入に対する規制・内容規制に加えて、外国コンテンツの露出に対する制限が厳しいため、普及拡大のハードルは非常に高い

メディアに対する規制

外国資本の参入に対する規制

• 放送事業'番組制作も含む(に対する外資の参入は全面的に禁止

• 番組制作は合作のプロジェクトであれば可能

外国コンテンツの露出量上限

• 映画・ドラマは1日の全放送時間の25%以内、他は15%以内

• 国内:外国アニメの比率は7:3まで

• 許可のないゴールデンタイムの外国ドラマ放送、17時~21時の外国アニメ放映・紹介は禁止

内容/表現に対する規制状況

• 事前内容審査・検閲が存在し、規制基準も不透明

• 作品の輸入に際しては、作品リストの届出、サンプル提出が義務付けられる

放送

映画

音楽

出版

• 出版事業への参入は禁止

• 小売への参入は49%まで

• 制作・配給への参入は禁止

• 映画館への参入は49%まで、限定7都市では75%まで参入可能

• 音楽作品の制作・放送への参入は禁止

• 小売への参入は49%まで

• 外国映画の輸入本数上限は年間50本程度

• ラジオに対してはテレビ放送と同程度の上限が設定

• -

• 同上

• 同上

• 同上

中国 - メディアに対する規制状況

日系大手商社は中国テレビ通販 会社への直接・間接出資を推進 '三井物産→CCTV関連会社、

伊藤忠・Lotte→LuckyPai社など(

出所: 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、 JETRO「中国コンテンツ市場調査'6分野(2009」「外資に対する規制」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

69

日本アニメの放映に対しては複数の制限がかけられており、消費者の需要に応えた供給ができているとは言い難い状況にある

中国 - メディアの規制状況'アニメ(

アニメ放送を取り巻く環境

海外アニメを中国国内で放送するための審査の流れ 中国での日本アニメ放送におけるハードル

日本アニメに対する消費者からのニーズは高いものの、 輸入・放送に対する規制のため、普及・流通が制限

1

2

3

– 輸入アニメはアニメ全体の放映量の30%までに留めなければならない'6:4→7:3へ(

– 海外アニメを輸入できる量は、輸入者が国産アニメを制作した量と同量が上限

– 17時~21時の間は海外アニメは放送できない

国産アニメ:輸入アニメの比率は7:3以上

海外アニメ輸入量:国産アニメ制作量も1:1

ゴールデンタイムでの海外アニメ放送禁止

放送制限が厳しくなっている上、新規の輸入申請も下りにくい状況'2005~07年までの外国アニメ輸入許可は2件のみ(

日本の新しいアニメが中国消費者の元に届かず、普及機会の逸失・海賊版の横行に繋がってしまう

版権元 コンテンツホルダー

代理店

輸入機構

広播電子 行政部門

国家広電総局

動画片発行 許可証

テレビ局

<海外アニメの輸入・放送に対する規定>

• 場合によってはエージェント経由の場合も

審査1

審査2

審査3

• 広電総局指定 or 批准した 機構が内容審査等を行う

• 審査を行い、意見書に署名

• 再度審査を行う

• 合格すれば、中国国内で海外アニメを放送するために必要な許可証が発行される

CCTVは海外番組を自社の独自審査で放送可能'ポケモン・ワンピース等も

過去に放送(であり、日本アニメの 放送チャンスが常に存在

出所: JETRO「中国コンテンツ市場調査'6分野(2009」、翔泳社「コンテンツビジネスin中国」、 有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

70

中国は現在国内アニメ産業の保護育成に注力しており、施策の一環として外国アニメの輸入・放映を規制。近年は国産アニメでもヒット作品が生まれつつある

中国の自国アニメ保護育成の動き

• アニメ制作~キャラクターグッズ生産までの 様々な加工を請け負う会社が各地に設立 '杭州、上海など(

• 日本のアニメ作品のCG作業やセル画作成の7~8割は、中国の制作会社に外注

国産アニメ推奨

(外国アニメの 輸入・放映規制)

中国アニメ産業政策の4本の柱

アニメ基地の 整備

アニメ専門 チャンネルの

設置

アニメイベントの 強化

• 国産アニメ:輸入アニメの比率は7:3以上

• 国産アニメ制作量:海外アニメ輸入量も1:1

• ゴールデンタイムでの海外アニメ放送禁止

• 企業・テレビ局・制作会社等を「基地」として 指定し、資金バックアップ・減税等の援助を提供

• 全国15箇所が基地に指定'大連アニメ産業パーク、中国国際電視総公司など(

• 4つのアニメ専門チャンネルを設置 – 北京アニメチャンネル (北京電視台) – 上海弦動アニメ衛星チャンネル (上海のメディア

企業6社が共同投資) – 金鷹アニメ衛星チャンネル (湘南広電集団) – 広東電視台・嘉佳アニメチャンネル(広東電子台)

• アニメ関連イベントの開催を強力に支援 – 杭州で毎年開催される「中国国際動漫節」

は2009年に78万人の入場者を記録

中国 - 自国アニメ産業育成

中国アニメ産業の位置づけの変化

従来

~今後 • 各地のアニメ基地で制作されるアニメの分数は

17万分に達し、日本を上回る世界一の生産量へ – 但し、国内の放送需要には26万分が必要とされ、

未だ不足は大きい

• オリジナル作品「喜羊羊と灰太郎」が中国産 アニメ初の本格ヒットに – 全国50以上のテレビ局で放送。アニメ放送は500話

を超え、様々にマーチャンダイジング展開

アニメ産業振興施策により 変化を遂げつつある

日本を中心とする海外アニメの「下請け」

オリジナルのヒット作品を生み出す制作拠点へ

出所: JETRO「中国コンテンツ市場調査'6分野(2009」、翔泳社「コンテンツビジネスin中国」、HUMANMEDIA「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース2011」、 有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

71

外国作品の輸入・放映制限をクリアするため、中国本土もしくは台湾企業との共同制作を行うことは有効な選択肢と見られる

中国 - 参入事例

共同制作による参入事例

中国企業との共同制作事例 台湾企業との協力/共同制作事例

• 中央電視台傘下の制作会社「北京輝煌動画 公司」と日本の映像コンテンツ製作会社 「フューチャー・プラネット」、玩具メーカー 「タカラトミー」の3社による共同制作

• 2009年5月から中央電視台(CCTV)で放映、日本でも2010年4月からテレ東などで放映。玩具等の関連ビジネスも幅広く展開

• 「中国では日本アニメの放映は厳しく・・・共同製作作品も厳しい審査がありハードルが高い。日中双方の国民に人気の高い題材「三国志」を選び、現地企業と組むことでハードルを越えた」

• 日本のアニメ制作会社「マッドハウス」と、中国 最大の映画制作興行グループ「中国電影集団」による共同制作

• 中国電影集団は中国でのオールライツを持ち、商品化や製品タイアップなど周辺事業ではマッドハウス北京が委託を受けている

• 「国際共同制作は市場参入で非常に重要なツール。中国のように参入規制の厳しい国では共同制作と外国製では扱いが違う」

アニメ番組 「三国演義」の

共同制作

初の本格 長編アニメ 「チベット犬

物語」の 共同制作

• 日本総研と台湾シンクタンク「資訊工業策進会」が中国コンテンツ開拓のためのコンソーシアムを2012年に設立予定

• 第一案件として共同で3D劇場用アニメを制作

• 「中国では1年に輸入できる海外映画は50本までだが、台湾製中国語映画は制限の対象外」

• 「台湾企業は中国での輸入手続ノウハウ、中国人の嗜好理解、既存の人気コンテンツに関する情報などを持っており、日本と相互補完関係」

中国コンテンツ市場開拓に 向けた日台 企業協力

• 日本テレビが2011年5月、従来より協力関係にあった台湾旺旺集団傘下の衛星テレビ放送局「中天電視」と合弁会社を設立

• 「星の金貨」のリメイク版を12年中に台湾で放映予定、中国・東南アジアに向けた制作も進める

• 「日本コンテンツは中国の番組審査をなかなか通過できないが、台湾を通じることで審査が有利に働くのでは」

• 「台湾企業は日本的ビジネス手法を理解してくれるのでやりやすい」

台湾放送局 との合弁会社

設立

出所: JETRO「ジェトロセンサー2011年12月号」、各社プレスリリース、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

72

ネットを通じた映像配信の一般化が急速に進展。規制上の制約もあり、未だ違法視聴も多いものの、正規版も増加しつつある模様

中国 - インターネットを通じた動画の視聴動向

市場動向

市場規模は大きく増加傾向、アニメ正規版の配信が増えつつある

法規制の状況

2007年、広電総局がネット動画配信に対して規制発布

映像コンテンツのネット配信に関する動向

• ネット上で映像の視聴サービスを提供する場合は広電総局発布の許可証取得が必要

• サービス提供者は全て法人の資格を持ち、100%内資もしくは内資持株会社である必要

インターネット視聴番組サービス管理規定

• ネット上で配信する映画・ドラマ・アニメ'国内外の映像作品全般(は、広電総局が発行する放映許可証を合法的に獲得する必要

• あわせて、正規の著作権所有者から、ネットでの配信権利を獲得する必要

インターネットにおけるドラマ放送の管理強化に関する通知

大手映像配信サイトのアニメ担当者のコメント: 「日本アニメのニーズはある。但し、広電総局の輸入許可

か、CCTVにて放映済のコンテンツであることが必要」

131.0

86.0

54.0

29.113.6

5.72.51.0

13E 09 11E 10 08 06 07 12E

中国PC向け映像配信広告収入の 推移(単位: 億元)

捜狐視頻

13%

PPS

8%

6%

優酷網

酷6網

土豆網 5%

21%

PPTV

その他

迅雷

看看

5%

CNTV 4%

22%

16%

映像配信企業の収入シェア (2011年Q1)

メディア価値が向上

グローバルブランドから日系ブランドまで多くの出稿がみられる

ネットを通じたアニメの視聴が一般化

• 「どの媒体でアニメ・キャラクターの情報を入手しているか」という質問に対し、「ネット」との回答が「テレビアニメ」「アニメ映画」「雑誌」を上回る

• 最近では大手映像配信サイトで日本アニメ正規版の配信が増加 – 特に「クレヨンしんちゃん」は優酷網、土豆網、CNTV、奇芸、QQ等で正規

配信されており、大手広告代理店の関連会社よりライセンスされている

• 「優酷網」では日本アニメ約100作品、1万話以上が配信中

出所: JETRO「中国コンテンツ市場調査'6分野(2009」「中国コンテンツビジネスレポート2010~2011」、 有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

73

小売業への外資規制は2004年に緩和され、現在では基本的に100%出資が可能。グローバル小売大手に加え、日系小売大手も進出を加速している

中国 - 周辺産業に対する規制状況

小売・サービス業への外国資本参入に対する規制

外国資本参入に対する規制の現状

小売業は外資100%出資やフランチャイズ経営が可能に

小売業

• 基本的には100%の出資が可能

– 2004年4月の「外商投資商業領域管理弁法」施行により、外資100%の出資・フランチャイズ経営が認められる

– 但し、同一外資の国内店舗が30を超え、取扱い品目に食品や植物油等が含まれる場合は、出資比率を49%に制限

• 「小売」の免許があればネット販売も可能

– 2010年8月の商務部ガイドラインにより、「中国進出の外資系企業は、「小売」の免許を取得していれば、ネットでも直接販売することが可能」であると認められた

• 映像/音楽ソフト等の販売事業は外資49%まで

– 録音録画製品の流通販売は合弁での出資に限られ、外資の出資比率は49%までとされる

その他サービス業

• 飲食業: 出資者の資格や出資比率に対する制限はなし

• 道路貨物運送: 外資出資比率は49%まで

出店時の認可審査で地場企業が有利、一定の条件下では外資出資を49%までに限定'左参照(等 「競争の激しい中国では、中国企業との待遇差が

事業展開の障害になっている」との声も

2004年の規制緩和以降、外資の出店が加速

• 既に参入済であったカルフール、ウォルマートといった小売大手が出店を加速し、店舗網を拡大

• ベストバイ、テスコも2004年以降、現地企業の買収により中国進出を果たす

• 日本企業はイオン、イトーヨーカドーが着实に店舗数を拡大、セブン&アイも10年10月に成都で現法設立

国美電器

百聯集団

蘇寧電器

3 3

大商集団

4

華潤万家

11

物美集団

6

カルフール

10

RT-

Mart

6

ウォルマート

10

4

日本勢ではイオンが 50位代にランク

中国における小売企業ランキング(2008年、百億元)

出所: JETRO外資規制調査、中国におけるサービス産業基礎調査」、「アジア小売市場の今」、DBJ調査、新聞雑誌記事、ローランド・ベルガー

74

インドネシア

75

インドネシアでは、都市部の若年/中間所得層の購買力に今後期待が高まる。地上波テレビに加え、ソーシャルメディアなども台頭

インドネシア - サマリー

消費者の概況

コンテンツの カテゴリーと 普及状況

メディアの 構造と動向

規制の状況

小売・サービス産業への規制状況

• TVの普及率は70%超に上り、マスに広くリーチ。インターネットの普及は20%と徐々に進んでいる

• 一人当たりGDPが3,000ドル水準に達しており、今後も経済成長と中間層の増加が期待される

• 30歳以下の人口比率が高く、若年層向けコンテンツの需要が見込まれる

• 日本のアニメは複数テレビ局の地上波'全国放送・ローカル放送(及び有料放送で常に放映されており、子供を中心に幅広く浸透

• ドラマ、映画、音楽といった实写コンテンツは、一部番組・アーティストについて高い人気が見られるものの、韓国ドラマやK-POPに遅れをとっている状況

• 海賊版のDVD・CDが広く出回っており、正規版パッケージソフトの販売は殆ど成り立たない

• 若年層を中心とする視聴者へのリーチが最も強いメディアは地上波放送'有料放送は限定的(

• メディア企業4社が国内テレビ局の視聴者シェア98%を保有。地上波のみならず衛星放送やケーブル、制作スタジオ等を傘下に抱え、メディアへの強い影響力を保持

• モバイルインターネットの普及に伴い、携帯を通じたソーシャルメディアの利用や音楽・動画視聴が浸透しつつある

• 近年、現地メディア企業への資本参加やM&Aの動きが複数見られる'外資によるものを含む(

• 外資の参入に対して一定の上限・規制が設けられているが、メディアの規制緩和は進んでいる '放送事業に対しては20%が上限、映画製作・配給・上映への参入は禁止 等(

• 暴力的内容や反宗教的内容等についての表現規制が存在

• 2007年以降、店舗規模の大きい総合小売業であれば100%の外資参入が可能とされた

• ハイパーマーケットでは外資企業が48%のシェアを有するが、日系小売企業の進出は限定的

出所: ローランド・ベルガー分析

76

2

インドネシア: メディア/流通の構造とキープレーヤ

視聴者/消費者

5

9

1

14

17

19

21

21

2

5

8

1

13

20

20

20

17

2

男性 女性

2,974ドル

240,000,000人

72%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

1.7億人

23%

ネット利用人口/普及率

5,500万人

30%

モバイルネット利用人口/普及率

7,200万人

地上波放送

大手局+ローカル局

テレビ局/ 放送事業者

観実数n/a

ネット利用人口0.6億人

モバイルネット利用人口0.7億人

小売売上800億ドル

EC売上36億ドル

映像DVD

売上n/a

系列制作スタジオ

独立系制作スタジオ

海外コンテンツホルダー

• RCTI

• MNC

• SCTV

• Indosiar

• Trans TV

• Trans 7

• ANtv

• TVOne

• TVRI (国営、シェア約3%)

• First Media

• Telkom Vision

動画共有サイト

SNS

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

• YouTube

• Facebook

• Twitter

• Yahoo Koprol

• Kaskus

• Rapi Films

• Biru Langit Film

制作スタジオ 映画興行配給会社• Group 21

• Parkit Films &

Television

• 21 Cineplex

• Blitzmegaplex

CATV

衛星放送

• Indovision

• Top Tv

• Okevision

パッケージ小売パッケージ制作/ 輸入

小売

EC

物流

メーカー• Giant

• Alfa Group

• Matahari

• Ramayana

• Mitra Adiperkasa

• tokopedia

• Tokobagus

• TIKI

• Elteha

テレビ保有世帯4,900万

CATV

視聴世帯30万

衛星放送視聴世帯

250万

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

• 普及率70%を超える地上波テレビ放送が、ボリュームゾーンである若年層を中心とした視聴者へのアクセスに最も有効 (主要局は实質的に国内メディアグループ4社に保有されており、資本提携を含む打診の場合には当該4社へのアクセスが必要)

• モバイルインターネットの普及に伴い、ソーシャルメディアの利用や音楽・動画視聴が浸透しつつあり、テレビとの連携も含め活用していくことが効果的

メディアコングロマリット/テレビ局

SN

S

• 2011年6月、ローソンが現地小売大手Alfa Groupと提携。同グループが保有する現地流通網、商品調達力、店舗展開力を活用しつつ、ローソンはコンビニ運営ノウハウや商標等のライセンス供与を行う方針

カギとなるメディア

ローソン+

Alfa Group (小売)

セブンイレブン+

モダン・インターナショナル (小売)

花王+

マタハリ (小売)

サイバーエージェント+

tokopedia (Eコマース)

• 2009年4月、セブンイレブンが現地DPE大手モダン・インターナショナルグループと提携、ライセンス付与契約を締結。新規出店及びモダングループ店舗のセブンイレブンへの転換を行い、店舗を拡充

• 2008年1月、花王が現地百貨店大手マタハリと販売面で提携すると報道。品揃えや販促計画を共同作成し、売り場の安定確保と現地ニーズの把握を狙う

• 2011年4月、サイバーエージェントが、現地最大のオンラインショッピングモールtokopediaに一部出資

Global Mediacom

(RCTI, MNC,

Global TV)

Emtek

(SCTV, Indosiar )

CT Corpora

(Trans TV)

Bakrie & Brothers

(ANtv, TVOne)

Facebook

• スハルトファミリーが創設したメディアグループであり、インドネシア最初の民間テレビ局であるRCTI、NMC、Global TVの3局を傘下に保有(視聴シェア33%)

• 加えて、衛星放送のIndovision、CATV、制作会社、タレントマネジメント事業等を運営

• 07年、Media Corpが7%のGlobal Mediacom株式及び6%のMNCを取得。11年、米Saban CapitalがMedia Corpより5%のMNC株式を取得

• 海外企業との提携には非常に積極的– 2011年5月、楽天がGlobal Mediacomとオンラインショッピングモール運営

の合弁企業を設立、「Rakuten Belanja Online」を立ち上げ– 2011年6月、サイバーエージェントがGlobal Mediacomとインターネット広告

事業運営の合弁会社「MicroAd Indonesia」を設立

• フジテレビは、RCTIで放送枠確保/番組放映を实施

• 大手放送局SCTV、Indosiarを傘下に保有し、国内30%の視聴シェアを有するメディアグループ(Indosiarは2011年買収)

• フジテレビは、Indosiarで放送枠確保/番組放映を实施

• 放送局Trans TV、Trans 7を有するコングロマリット。制作スタジオ、テーマパークも運営• 2010年、Carrefour Indonesiaの株式40%を取得、傘下の金融・小売と連携

• 大手放送局ANtv、TVOneに加え、衛星放送B-visionを保有するメディアグループ

• 2005年9月、News傘下の香港Star TVがANTVの株式の20%を取得、番組編成でも一定の発言力を持っている模様 (Newsは中間HDの株式も7.5%保有)

• 2局のHDであるVisi Media Asiaは2011年11月に上場、チャンネルの増強を視野

• インドネシア国内に4,000万超のユーザーがおり、米国に次いで2番目に多い

• アクティブなユーザーが極めて多いため、プラットフォーム上において現地語でのコンテンツ/情報発信を継続的に行うことで強い伝播力が期待可能

Darta Media

Indonesia

(Kaskus)

• 地場メディア企業Darta Media Indonesiaが保有する国内最大のコミュニティサイト

• グローバルサイトが強いインドネシアにおいて、地場系サイトでは圧倒的な閲覧数

• 2011年1月、地場財閥Djarumからの出資を受け、傘下の民間最大手銀行BCAのインフラを活用し、B2C・C2C決済プラットフォームを強化

• Screenplay Produksi

• Suyra Citra Picture

• acha Productions

• 4大メディア企業が国内テレビ局の98%

シェアを保有

• 米・香港・シンガポール等のメディア企業が一部出資する局も

• 10代~30代の若年層が厚く、消費の中心的存在

• 利用される主要なメディアはTVが圧倒的に多いが、若年層になるほど多様なメディアを利用する傾向

• 広告効果ではソーシャルがプレゼンスを高めている

• 半数以上のネット利用者がモバイル端末からアクセス

• PCインターネットの約7割はインターネットカフェからの利用

• 映画の市場規模は非常に小さい(21 Cineplexが配給・興行をほぼ独占)

• 有料放送の視聴は一部層に限定

• 大手メディアグループが保有する制作スタジオが番組制作の中心

• Gramedia Asri

Media

• Disc Tarra

• JuraganFilm

• Piramax

Multimedia

• ハイパーマーケット等には外資100%参入が可能

• HMではCarre four、Lotte等の外資企業が5割弱のシェア

• ECは発展途上だが、急成長の兆し

• 宅配インフラの不安定性が課題( 楽天は自前で物流も提供)

• 動画共有/ SNS共にグローバルサイトが圧倒的人気を有する

• ユーザーのソーシャル活動は極めてアクティブ

• Video Rakyat

• ネットユーザーの約9割がSNSを利用

80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

日本企業との提携例(他業種)

キープレーヤ

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

• 海賊版が広く浸透しており正規パッケージ市場は崩壊

• 分散市場であり、中小が殆ど

有力パートナー候補先

出所: ローランド・ベルガー分析

77

インドネシアでは、タイにはやや务るものの、アニメ中心に日系コンテンツの人気が高い。近年は自動車や家電、食品などの業界が積極的な進出意向を示す

日系コンテンツの普及ステージ: 高い 1 打ち手の自由度: 中程度~比較的大きい 2

概況

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

ドラマ 3% 音楽 1% 映画 5%

アニメ・マンガ 19%

20%12%

27%79%80%

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

• 地上波は国営+民間、近年は規制緩和が進み民放 同士の競争が加速。衛星放送・CATVは限定的

タイにはやや务るが、アニメを中心に広範な層に受け入 れられており、人気は高い

民営化・競争環境の整備が進んでおり、規制も比較的緩 いため、打ち手の自由度は比較的大きい

インドネシア

• 放送は合弁であれば参入可能、外資上限は20% • 映画の輸入・流通は、外資の参入は許可されず

• 外国コンテンツ上限は基本的に存在しない

• ガイドラインは存在するも、規制は比較的緩い

ファン数 • N/A

コンテンツ別 人気度合い

• アニメ・マンガはタイと同等の人気を獲得している – 「今後日本のアニメ・マンガを見たい・聴きたい」人が全体の

約8割に上っている – 若年層を中心に人気は高まりつつある

• 音楽・ドラマ・映画は限定的な人気に留まっている – 「今後日本作品を見たい・聴きたい」人は全体の約10~30%

• アニメ・マンガは一定程度流通しているが、海賊版も 多い – 「アニメ専門チャンネルの他、一般のテレビ局でも日本アニメが

放映されている。マンガも広く売られている」 – 「放映されていない作品などを中心に海賊版も広まっている」

発信力は強くない

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い '特に自動車、家電、食品、化粧品(

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、総務省 世界情報通信事情、 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

78

インドネシアのコンテンツ市場は2010年時点で10億ドル程度と比較的小規模。TV番組、アニメ・キャラクター分野での大きな成長が期待される

コンテンツ産業市場規模(10億ドル)

コンテンツ市場の概況

0.6

0.4

1.0

0.2

0.2

映画

TV番組

アニメ・

キャラクター

出版

音楽

ゲーム

2020

2.2

0.2

0.1

0.1

2010

0.9

0.1

0.0 0.1

0.1

マクロ情報

人口ピラミッド(百万人)

80~ 1

70~79 2

60~69 5

50~59 9

40~49 14

30~39 17

20~29 19

10~19 21

0~9 21

1

2

5

8

13

17

20

20

20

男性 女性

2,974

240

一人当たりGDP(ドル)

人口(百万人)

都市人口 (百万人)

ジャカルタ: スラバヤ:

8.8 2.6

CAGR (2010-20)

• アニメ、マンガ含む出版の市場合計は 2020年で3億ドルに

• アニメ、TV番組は高い成長率

+9%

+5%

+4%

+13%

+14%

+4%

コンテンツ産業関連指標

インターネット加入者数(100人中)

ブロードバンド加入者数(100人中)

テレビ普及率(%)

インターネット 利用者割合(%)

インターネット帯域速度(一人当たり、bps)

1人

1人

3,207bps

72%

23%

インターネット利用者に 占めるFacebookユーザー

の割合が9割超

インドネシア - コンテンツ市場の概況

出所: 経済産業省 「メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他産業への波及効果調査」、 総務省HP、統計局HP、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

79

日系コンテンツの人気はアニメ・マンガが最も高く、若年層の広範な支持を得ているが、ドラマ・映画・音楽では一部コンテンツが認知されているに留まる

出所: 有識者インタビュー、ローランド・ベルガー調査

インドネシア - コンテンツカテゴリー

コンテンツ種別 人気度合1) コメント

1) 調査結果や主なインタビューをもとに作成 2) マンガの出版社はElex Media Komputindo、Acolyte、Level Comic、M&C、Gramedia等

ドラマ / 映画 • 東京ラブストーリー等の日本の映画やメロドラマは華僑には人気が高いが、韓国のドラマや映画のほうが一般的に有名で人気が高い

Jポップ • L'Arc~en~Ciel 等のJポップや日本のロックバンドはインドネシアで有名はあるものの、Kポップよりも人気が务る。Kポップは特にインドネシアの若い世代の間で急速に人気を拡大しつつある

• インドネシアも例外なく「韓流ブーム」になっており、Kポップは十代の尐女や大学生を中心として人気が高い。最近ジャカルタで行われた韓流イベント「Kポップ・ダンスレボリューション」も好評

インドネシアにおける日系コンテンツの人気

アニメ • インドネシアの子どもたちは「マリーちゃん」や「名探偵コナン」等の日本のコミックやアニメに慣れ親しんでおり、「聖闘士星矢」や「セーラームーン」は20年以上テレビ放送されている

• アニメ番組は、Indosiar'全国(、Spacetoons'地方(など、全国および地方のテレビチャンネルで常時放映。さらに、Animax等有料テレビのアニメ専門チャンネルでも視聴可能。「ナルト」「しんちゃん」「ドラえもん」などのキャラクターが人気

• 各主要都市においてコスプレ愛好団体'コミュニティ(が相次いで設立されつつある'ジャカルタには30団体、バンドンには10団体(

マンガ • インドネシアの日系マンガの市場規模は非常に大きく、国内のコミック産業に大きな影響を与えている。

• 人気の高いマンガは「ブリーチ」「魔探偵ロキ」「三千院ナギ」「ローズヒップゼロ」「キングダムハーツ」等で、様々な出版社から出版されている2)

日系アイドルの 広告起用

• AKB48の姉妹グループJKT48'インドネシアの尐女グループ(がポカリスエットの販促に貢献

• ほとんどの日本企業は地元のインドネシア人を起用'例:ヤクルトやギャツビー、ポカリスエット等(

80

インドネシアの各テレビ局において放映されているコンテンツはアニメが殆どであり、ドラマ・映画は非常に限定的

出所: Roland Berger Interviews, Roland Berger Desk Research

インドネシア - コンテンツカテゴリー

1) ポケモンは2011年にSCTVでの放映を終了

インドネシアの各キー局における日系コンテンツの放映状況'2011~2012年(

キー局 コメント アニメ ドラマと映画

RCTI • ドラえもん

• ワンピース

• クレヨンしんちゃん

• N/A • RCTVI – 主に1980年代以降の日本のアニメを放送

SCTV • ポケモン1) • N/A • SCTV – ポケモン等のアニメを不定期に放送。ドラマはインドネシアの「Sinetron」、海外ドラマや映画は欧米製、中国製、インド製が多い。例:「The Bank Job」'欧米(、「My name is Khan」'インド(、「精武家庭」'中国(

Indosiar • 名探偵コナン • 忍'映画(

• ポケモン・ムービー11'映画(

• 東京ラブストーリー'映画(

• 1リットルの涙'ドラマ(

• 多数の日系コンテンツを放送しているが、韓国のドラマや映画の方が人気が高く、放送回数も多い

例:「Dong Yi Jewel in the Crown」、「冬のソナタ」

• また、Indosiarのワイドショーは主に韓国と欧米'ハリウッド(の話題が多く、日本の芸能ニュースはほとんどない

Trans TV • N/A • N/A • 全体の約70%の番組を自前で制作しており、海外番組の購入は欧米'ハリウッド(ものが一般的

ANtv • キャプテン翼 • N/A • 「Curious George」や「Mr.Bean」等を放送。日本のアニメでは「キャプテン翼」を放映。尚、「結界師」は2008年に放映を終了

81

【参考】90年代以降、日本のアニメ・マンガは若者層の強い人気を獲得しており、主要都市において毎月のようにコスプレイベントが開催されている

インドネシア - コンテンツカテゴリー

出所: Roland Berger Desk Research

• インドネシアの漫画市場は1990年代後半から急拡大。現在も日本の漫画は非常に人気が高く、Konpas Gramediaなどの大型書店は「Komik Online Bahasa Indonesia」のような読者がインドネシア語でコミックを読むことができるオンラインのウェブサイトを設立

• Elex Media Komputindo'インドネシアの出版社(は1990年に初めて漫画を出版。2008年12月以降、約7,500冊のコミックが出版されている

• Blitzmegaplexが「Indonesian Fantastic映画祭」を主催し日本のアニメや映画を特集。このチケット'映画/アニメ1本につき約250枚発行(は常に売り切れ状態。出品アニメには「時をかける尐女」「レッドライン」等がある

コメント インドネシアにおける漫画とアニメの人気

【参考】インドネシアでは至るところに海賊版DVD・CDの露店があり、購入する人の姿が見られる

2009年には、海賊版の普及率が世界1位に

インドネシアでは、主に団地や集合住宅内にDVDやCDの複製工場が違法に設立されていることが多い

この工場では、100台以上のPCを使用することで一日に約5万枚の海賊版の作成が可能

82

インドネシアにおいて最も視聴者へのリーチが強いメディアは地上波放送

テレビ局/放送事業者

RCTI、NMC (Global Mediacom)

SCTV、Indosiar (Emtek)

Trans TV、Trans 7、ANtv (CT Dorp)

TV視聴世帯: 4,900万

普及率: 約72%

衛星放送事業者(DTH)

Indovision

Top Tv

Okevision

CATV事業者

First Media

Telkom Vision

'主要都市のみで提供(

CATV視聴世帯:

約30万

DTH視聴世帯:

約250万

映像コンテンツにおけるメディアの構造

インターネット利用者: 約5,500万人

モバイル3G加入者: 約7,200万人

観実数: n/a

動画共有サイト/SNS

YouTube

Video Rakyat

Facebook

Twitter

Kaskus

制作スタジオ

Rapi FIlms

Biru Langit Film

配給会社

Group 21

Parkit Film & Television、他

映画興行

Cinema 21

Blitzmegaplex 他

ユーザー

地上波放送

大手局+ローカル局

インドネシア - メディアの構造

出所: Roland Berger Desk Research

コンテンツ

制作

配信/流通

放送/配給

視聴者

国内・海外 コンテンツホルダー

制作スタジオ

(系列制作スタジオが中心+一部独立系)

地上波 CATV/衛星放送 インターネット 映画

83

テレビの視聴は一般に普及しており、約75%の世帯が地上波放送のみを視聴。CATV・衛星放送等の有料放送の加入者は2割程度に留まる

出所: Roland Berger Desk Research

インドネシア - 放送メディアの普及状況

• インドネシアではテレビの視聴は一般的であり、平均視聴時間は1週間に37時間'1日5.5時間(

• 2010年のインドネシアのテレビ普及率は75%で、他のASEAN諸国に比べてまだそれほど高くない為、成長の余地がある'タイは93%、ベトナムは84%(

インドネシアのテレビ普及状況'2010年([百万世帯] インドネシアのテレビ市場 '2010年(

22%

3%

75% 地上波テレビ

のある世帯

テレビのない世帯

地上波テレビ及び

有料放送テレビのある世帯

21 18 16

2010

65

49

2009

63

45

2008

61

40

テレビのある世帯 テレビのない世帯

CAGR

+3%

+11%

• テレビ市場では 地上波放送が約75%を占めている

• 有料放送の普及率はわずか3%で、アジアで最低の部類に入る'タイは38%( ものの、2010年の有料放送契約者数は約300万人と、ケーブルや衛生放送を始めとして今後の拡大が期待される

インドネシアにおけるテレビの利用状況

84

インドネシアのメディアコングロマリット4社が国内テレビ局の98%を保有。大手局3社を保有するMNC社のシェアは30%を超えるが、近年シェアを落としつつある

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

Media

Viva Group Emtek CT Corp

MNC

TV視聴者数シェア'2009(

出所: NIelson

テレビ局と親会社の成長率 テレビ局の親会社

MNC

CT Corp

Emtek

Viva Group

Media Group

市場シェア'2009年(

11%

24%

2%

30%

33%

RCTI

SCTV

Trans TV

INDOSIAR

MNC

Trans 7

Global TV

ANtv

TVOne

Metro TV

売上高広告収入率'2009年([%]

視聴者シェアの変化'2007-2009([%]

シェアが縮小した企業 シェアが拡大した企業

インドネシア - 有力メディアの概況

テレビ局を傘下に持つ企業の概要

85

85

RCTI、INDOSIAR、SCTV、TRANSの4大テレビ局が視聴シェアの6割超を占める

1) 旧TPI

256

69

9

14

15

16

18

100

Total RCTI

SCTV

Trans TV

INDOSIAR

MNC1) Trans 7 Global TV

ANtv TVOne Metro TV

インドネシア - 有力メディアの概況

出所: Roland Berger Desk Research

• インドネシアには全国放送テレビ局が11局あり、そのうち10局が民間、1局が国営'TVRI(である

• 上位4社のテレビ局が視聴率全体の約63%を占めている

• 他の6つの全国放送の民間テレビ局の順位は比較的が変動尐ない

• 地方チャンネルは全国で見ることができず、一部の大都市でのみ視聴可能

• テレビ局間の競争は激化しており、視聴率の差は狭まりつつある

• Trans TVとTrans 7は新規参入組であり、ここ数年で大幅に視聴率を拡大

全国放送の民間テレビ局の視聴率内訳'2009年([%]

コメント 大手4社で 63%のシェアを占める

86

MNCを始め、テレビ局を運営するメディア企業の多くがラジオ局、出版、制作などを傘下に治める垂直統合モデルを構築

企業名

Media Nusantara Group (MNC)

(Global Mediacom)

Visi Media Asia

(Bakrie & Brothers)

Trans Corp

(CT Corpora)

Media Television Indonesia

(Media Group )

Elang Mahkota Teknologi (Emtek)

• National: RCTI, Global TV, MNC TV

• Others: SunTV Network (13 local tv channel)

テレビ局

• National: SCTV, INDOSIAR

• Others: Ochannel, Elshinta TV

• National: ANtv, TVOne

• Others: Channel [V]

• National: Trans TV, Trans 7

• National: MetroTV

上場

Yes

Yes

No

No

Yes

Trijaya FM, Radio Dangut, ARH Global Radio

ラジオ局

ELshinta FM

-

-

-

• Newspaper: Seputar Indonesia (Koran Sindo)

• Magazine: High End magz and Genie

出版

• Magazine: Elshinta, Gaul, Story, Kort, Mamamia

-

-

• Newspaper: Media Indonesia, Lampung Post, BorneoNews

Okezone

オンラインメディア

-

Vivanews

Detik online

Media Indonesia

コンテンツ制作・配給

芸能プロダクション

その他 関連事業

ワイヤレス・ブロードバンド

電話等の通信

コンテンツ制作

電話等の通信

テーマパーク リゾート開発 小売、映画館

-

1

2

3

4

5

有料放送

• DBC1) Satellite: Indovision

• Satellite: TopTV

• Satellite & Cable: MNC Entertainment, MNC News Channel, MNC Music Channel, MNC International, MNC Life style, MNC Business

• Terrestrial Pay TV: Nexmedia

• DBC1) Satellite: B-Vision1) (Bakrie & Brother subsidiary)-

-

-

1) Direct Boardcast Satellite; 2) Information on B-Vision is limited, and it is not in operations yet

出所: Roland Berger Desk Research

インドネシア - 有力メディアの概況

主要メディア企業の事業ポートフォリオと傘下企業構成

87

近年、インドネシアのメディア企業に関連したM&Aの動きが活発化しており、米国・シンガポール等外資参入の動きも見られる

インドネシアのメディア業界におけるM&A事例

買収企業 被買収企業 買収企業の所在国 取得株式割合 買収額[百万ドル] 買収時期

Saban Capital MNC US 5% 78 2011年

Emtek Indosiar Karya

Media

Indonesia 27%の株式をPrima Visualindo

から取得

55 2011年

Trans Corporation Detik.com Indonesia 41% 40 2011年

Media Corp

Investment

MNC Singapore 6% 90 2007年

Media Corp

Investment

Global Mediacom Singapore 5% 93 2007年

Trans corporation TV71) (Duta Visual

Nusantara ) Indonesia 55% N/A 2006年

MNC TPI2) Indonesia 75% 最大55 2006年

プライベート・エクイティ・ファーム3(

MNC Sky Vision US 20% -40% N/A 交渉中

出所: Roland Berger Desk Research

1) 現Trans 7 2) 現MNC TV 3) Carlyle Group、 Providence Equity Partners、Quadrangle Capital Partners and General Atlantic

インドネシア - メディアに対する投資動向

88

インターネットの普及率は年29%で成長しており、2011年には23%に達している。facebookやgoogle等のグローバルサイトが閲覧数の上位に位置

出所: Roland Berger Desk Research

CAGR

+29%

2011

55

2010

45

2009

30

2008

25

2007

20

8.9% 11% 13% 19% 23%

URL Rank Origin

facebook.com 1 Global

google.co.id /

google.com

2 Global

blogger.com 3 Global

yahoo.com 4 Global

kaskuk.us 5 Local

youtube.cm 6 Global

wordpress.com 7 Global

twitter.com 8 Global

4shared.com 9 Global

detik.com 10 Local1)

wikipedia.com 11 Global

vivanews.com 12 Local2)

kompas.com 13 Local

インドネシア - インターネットの利用動向

1) コングロマリットのCT社が運営 2) コングロマリットのVisi Media Asiaが運営

• 2010年にはインドネシアのインターネット・ユーザーの77%がソーシャルネットワーキングサイトを利用、45%がオンラインショッピングを利用、44%が音楽のダウンロードやアップロードをし、25%が芸能ニュースを読んでいる

• ネットを通じたソーシャル・ネットワーキングは急成長しており、特に都市部の若い世代に人気。主な利用目的は、友人との連絡や噂話、友人作り。尚、フェイスブックはインドネシアを「東南アジアで最も急成長する国」と位置づけている

• ブログも広く普及している'ツイッター(。ブログの他、動画共有サイト'ユーチューブ(、写真共有サイト'フリッカー(、ポッドキャスティングも人気

• インターネット普及率は大都市が非常に高い一方、農村部ではわずか4.1%に留まるのが現状。但し、ジャカルタ以外の都市でもインターネット普及率は拡大基調

• インターネット・ユーザーは社会的・経済的に地位の高い若者が多いが、その他の若者にも急速に普及しつつある

• 可処分所得の増加'ノート型パソコン、携帯電話などの購買能力の上昇(と無料WiFiの整備が進んだことから、オンライン広告が消費者への重要なアプローチとして台頭

閲覧数ランキング上位13サイト'2011年7月( インターネット・ユーザー数の推移[百万人]

人口に対するインターネット普及率 [%]

インドネシアにおけるインターネットの利用状況

89

携帯電話の普及率は60%を超えており、SNSの浸透が携帯でのネット利用を推進。モバイルは広告媒体としての地位を大きく向上させている

コメント

出所: InMobil, Roland Berger Desk Research

傾向 数値/規模

ペー・ビュー数の増減'2010

年7月との比較(

18%

ユニークユーザ数の増減

'2010年7月との比較(

40%

1ユーザあたりのページビュー

541

1ユーザ1ヶ月あたりのデータ通信量

6MB

ページビューあたりのデータ通信量

11KB

インドネシア - インターネットの利用動向

携帯電話によるインターネット利用の内訳'2011年7月(

携帯電話の利用内訳 '2011年(

6%

ショッピング

SNS

8%

現地情報検索

12%

ゲーム

16%

一般情報検索

20%

音楽・ビデオ

24%

インドネシアにおける携帯電話の利用状況

• インドネシアの携帯電話普及率は62.7%で、携帯ユーザー数は中国、米国、インドに次ぐ世界第4位

• 48%は携帯電話からネットにアクセス'タイの36%、シンガポールの35%を上回る(

• 携帯はインドネシア人の生活の中心になりつつある

– 通信手段としての基本機能のみならずソーシャルネットワーキングやエンターテイメントとしても使用

– インドネシアの若者の間では音楽や映画を携帯電話にダウンロードすることが一般的に普及

• 携帯は広告媒体として大きな影響力を持ちつつある

– 携帯を持つ消費者の55%が購入決定に影響を与える主なメディアとして携帯を挙げている

– '参考:他メディアの影響力(テレビ49%、ネット39%、雑誌・新聞3%、店内広告11%、ラジオ5%

– さらに、携帯ユーザーの51%が携帯電話でオンラインショッピングを利用

90

日系コンテンツの更なる普及に向けた主なハードルとしては、海賊版の問題、ローカルコンテンツの人気の高さ、放映権料の高さ等が存在

出所: Roland Berger Interviews, Roland Berger Desk Research

インドネシア - メディアに対する規制状況と参入障壁

海外コンテンツ放送のプロセス 日系コンテンツ放送の主なハードル

コンテンツ

保有者

代理店

輸入機関

インドネシア

検閲局

テレビ局1)

監査 1

監査 2

• インドネシアでは、海賊版の普及が著作権者に損害を与える可能性があることから、大きな問題となっている。低価格と購入のしやすさから海賊版市場が急速に拡大

• 近年、テレビ局は海外番組のアイデアを模倣し、正規の著作権利用ではないままインドネシア版をリライトもしくは撮り直したりしている

著作権

1) コンテンツ保有者がテレビ局へ直接行き、テレビ局に 輸入税、管理、検閲、ダビング、再編集等々、他の要望に対応してもらうこともできる。テレビ局がその番組を違う形で撮り直すケースも存在

規制

• 税法によって「ロイヤルティ」の定義が拡大適用された結果、放映料に源泉徴収税が新たに課税されるようになった

• 海外番組の放送は1放送局1日当たりの総放送時間の3割を超えてはならない。宗教の尊重、良識と倫理規範'セックスシーン、暴力、サディズムは禁止(プライバシー、個人の権利などを定めた「放送行動規範」を遵守しなければならない

• 音楽ビデオやクリップは、性に関係のある下品な歌詞のあるもの、性的なダンス、女性を性的対象として描いたものなどは禁止

• 広告は、宗教の教えを広めるもの、酒類、喫煙、宗教に反する性的シーンのコンテンツなどは禁止

ローカルコンテンツの

人気度

• ローカルコンテンツはインドネシアで最も人気があり、インドネシア人の容姿、言葉、しぐさ、文化、俗語などを好む。尚、海外コンテンツの主な視聴者はインドネシアの上層階級層

• 日本のドラマは「展開が遅く、引き伸ばす」傾向がある為、インドネシア人にとってはあまり親しみが持てず、理解しにくい

• インドネシアのメディア企業の広告収入は非常に尐ない為、海外番組の高い放映権を支払うことが難しい。自前でコンテンツを制作するか地元の制作会社から買う方がはるかに低価格'価格差は最大50%(

放映費

関税/輸入税

手続き前に承認が必要

日系コンテンツの普及拡大に関する課題

• 放送番組の選定に強い影響力をもつテレビ局の"ゲートキーパー”'番組制作ディレクター等(との人脈構築が必要。友人や贈賄を渡す者の番組が優先されることもある

人脈

91

著作権侵害問題の多さ、表現・内容に対する規制、輸入作品に対する課税等が外国コンテンツを普及させる上での障害となっている

出所: Indonesian Broadcasting Commission (KPI), Indonesia Investment Coordinating Board, Roland Berger Desk Research

インドネシア - メディアに対する規制状況と参入障壁

• 国際知的財産権同盟'IIPA(は毎年、インドネシアを世界最大の違反大国として格付け。インドネシアの海賊版作成にはDVD'映画、ドラマシリーズ(、CD'音楽、ソフトウェア(、コミックや本、ビデオゲームなどが含まれている。ジャカルタは特に海賊版DVDの温床

• インドネシア人は正規DVDや映画館よりも海賊版を好む為、海賊版市場は急拡大しており、今後も成長が予想される。海賊版DVDの価格は合法的なDVDの価格の最大7%で、海賊版の音質も画質もひけをとらない。海賊版製品は露天商やショッピングモールで簡単に入手可能

海賊版

• 権利保有者に深刻な害を及ぼす

• 売上の損失

• 一方で低価格で購入しやすい為、日本のコンテンツの人気がさらに高まる可能性はある

映画のコンテンツに対する規制1(

• 2009年、新しい映画法が制定され、国内の劇場は上映映画の6割をローカルコンテンツにするという割当が科せられた。しかしこの割当は強制ではない。'法律では国内映画のために輸入映画の数を制限している(

• インタビューによると、地上波チャンネルについては海外番組の割合規制がないが、ローカルチャンネルについては番組の20%がローカルコンテンツでなければならない。

• メディア企業への外国人出資率は20%しか認められていない。

• 海外映画と国内映画には検閲が義務付けられている。宗教の尊重、良識と倫理の規範'セックスシーン、暴力、サディズムは禁止(、プライバシー、個人の権利などが検閲対象。尚、規制はオンライン・コンテンツには課せられないが、いくつか事例が存在

'例(2008年にユーチューブはイスラム教徒への侮辱と受け止められるドキュメンタリー「フィトナ」を放映禁止。また、2008年半ばにANTVは、日本の仮面ライダーブレイドのシリーズが放送監視機関のKPI 1)が公表する「問題のある番組」リストに指定された為、放映中止

• 様々な映画事業への外国人の参加を制限している

• 国内産業が外国の制作会社の専門知識や技術に触れることを制限。但し、強制ではない

インドネシアのメディア産業の課題 影響

課税

• 税法によって「ロイヤルティ」の定義が広く適用され、放映料に源泉徴収税'輸入税(が新たに課せられるようになった

• 2011年には税務当局とアメリカ映画協会との間で輸入映画への新課税制度について意見の食い違いが生じ、米国大手映画制作会社がインドネシア市場への配給をボイコットした

• 海外映画の収入減

1(KPIはウィリアム王子が結婚式でケートにキスをしたところを放映したためMNCに警告状を送付した

92

インドネシア政府は、国内コンテンツ産業'特に映画(の保護に向けて、外資出資規制や課税等の施策を实施

出所: Indonesian Broadcasting Commission (KPI), Indonesia Investment Coordinating Board, Roland Berger Desk Research

インドネシア - メディアに対する規制状況と参入障壁

インドネシアのメディア産業の課題 影響

• 海外企業の市場アクセスが検閲や海外資本参加の規制によって制限されている

その他規制

映画技術サービス

• 映画制作会社、映画現像ラボ、映画吹き替え施設への外国資本参加は最大49%

映画の制作と配給

• 100%国内資本

映画館

• 100%国内資本

DVDとCD

• 検閲対象

外資広告

• 外資広告の構成比は規制されていない

• 輸入映画と外資広告はインドネシア語への吹き替えが必須であり、インドネシア放送委員会'KPI(の定めた行動規範に従わなければならない

• 100%国内資本

有料放送

• 検閲は尐なく、一般にFTAやローカルチャンネルほど厳しくない

録音スタジオ

• 100%国内資本

マルチメディア'マルチメディアサービス・プロバイダー、インターネットサービス・プロバイダー(

• 最大49%の外国資本参加が認められている

インドネシア政府による規制とメディア事業に与える影響

93

1998年以降、メディアに対する規制緩和が進んでおり、大きな障害となる規制は見受けられないが、外資による放送事業参入の上限は20%までとされている

メディアに対する規制

外国資本の参入に対する規制

• 民営の放送事業に対しては、20%までの参入が可能

– 2005年9月、News Corp系列の香港Star TVが、全国放送の民放大手ANTV社の株式を20%取得

外国コンテンツの露出量上限

• 放送局の1日の放送内容のうち、外国番組は30%までに留めると されている

内容/表現に対する規制状況

• 内容に対する事前審査が存在するが、基準は寛容

• 性的、暴力的な内容を放送した 地上波放送に対しては担当機関が刑事訴追可能

放送

映画

音楽

出版

• -

• 映画の製作、配給、上映、流通等に対する外資の参入は認められていない

• -

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• -

• -

• -

インドネシア - メディアに対する規制状況

出所: 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、 JETRO「外資に対する規制」、総務省HP、ローランド・ベルガー

94

地場小規模小売業保護のための規制は存在するものの、店舗規模の大きい総合小売業であれば100%の外国投資が可能

インドネシア - 周辺産業に対する規制状況

外国資本参入に対する規制の現状

小売・サービス業への外国資本参入に対する規制

外国資本は、ネガティブリストに規定される投資規制対象の 業種を除いて、100%の出資が可能'主な規制業種は下記( 小売業 (2007年4月以後)

• 下記業種については、内資100%が義務付けられる

– 自動車小売

– 営業床面積1,200m2未満のスーパーマーケット

– 営業床面積400m2未満のミニマーケット

– 営業床面積が2,000m2未満のデパート

– コンビニエンスストア・コミュニティストア

• 但し、インドネシア証券取引所の上場企業を外資が買収した 場合は地場企業として取り扱われる

• 上記に該当しない大規模小売業であれば、100%の外資参入が可能

その他サービス業

• レストラン業: 外資51%までの出資が可能

• 一般貨物輸送: 外資49%までの出資が可能

ハイパーマーケット

Carrefour

Carrefour ex Alfa

Giant

Indogrosir

27.1%

9.4%

20.5%

3.6%

Makro - Lotte 11.5%

シェア

スーパーマーケット

Hero

Giant

Ramayana

Carrefour Express

41

59

93

15

Yogya and Griya 57

店舗数

Super Indo 65

Hypermart 27.7%

コンビニエンスストア

7-Eleven

AM/PM

Circle K

0.8%

7.8%

72.4%

店舗数

Minimart 10.1%

Alfa Express 8.9%

小売業界における外資の参入状況 外資系ブランドの

シェアは大きいが、 基本的に地場企業とのフランチャイズ 'ライセンス供与(

外資系が入れず 殆どが地場のみ

Carrefour Expressはカルフールの

現地法人が地場の 上場企業を買収しリメイクした店舗

仏小売大手カルフール、韓ロッテ グループなどの 外資が約48%の

シェア

'地場企業は52%とやや上回る(

出所: JETRO外資規制調査、「インドネシアにおけるサービス産業基礎調査」、インドネシア投資調整庁、ローランド・ベルガー

95

世界第4位の巨大人口を有するインドネシアは、極めて若年層が厚い人口構成となっており、中長期かつ大幅な消費の拡大が期待される

人口動態

人口ピラミッド (単位: 百万人)

若年層が厚く、人口が安定増加する「つりがね型」ピラミッド

人口推移予測 (単位: 百万人)

21

21

19

17

14

9

5

2

1

20

20

20

17

13

8

5

2

1 男性 女性 80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

• 全体の50%を30歳以下の人口(約1.2億人) が占める

• 10~20歳の人口層が厚く、消費・生産の中核となる生産年齢人口の中長期的増加が期待できる

出所: 総務省ウェブサイト、世界銀行、国連世界人口予測、ローランド・ベルガー

高齢化指標

2050年には3億人市場へと成長

長期的に若い人口構成が継続する見込み

インドネシア タイ ベトナム 中国 日本

2018年 2002年 2020年 2002年 1970年

2039年 2024年 2038年 2026年 1994年

「高齢化社会」 老年人口比率>7%

「高齢社会」 老年人口比率>14%

293290280

263

240

2040 2050 2010 2020 2030

インドネシア - 若年層

96

年間可処分所得が1.5~3.5万ドルの「ミドル・アッパー層」は、今後10年間で劇的に増加し、富裕層と併せ全人口の3割強(約8,300万人)に達する見込み

2020

予測

254

37

134

69

15

2009

230

145

77

6 3

世帯別 年間可処分所得構成の推移 東南アジア4カ国の世帯可処分所得構成比較 (単位:百万人)

ミドル・アッパー層の拡大

96%

63%

27%

33%

57%

53%

15%

1% 1%0%

14% 4%

2000

2%

2020

27%

2009 2015

6% 3%

富裕層: 35,000ドル以上

ミドル・アッパー層: 15,000~35,000ドル

低所得層: 5,000ドル未満

ミドル・ローワー層: 5,000~15,000ドル

世帯年間 可処分所得

予測

インドネシア タイ マレーシア ベトナム

2020

予測

68

11

28

21 7

2009

30

9 2

23

65

+7,500万人

+1,600万人

8

21

33

2020

予測

1 3

2009

28

2 8

10 7

+1,200万人

2020

予測

94

35

43

12 3

2009

63

23

30

9 1

+500万人

出所: Euromonitor、、ローランド・ベルガー

ミドル・アッパー層+ 富裕層の合計で 8,300万人に上る

インドネシア - ミドル・アッパー層

97

ジャワ島の人口密度が圧倒的に高く、全人口の6割が集中。富裕層~ミドルアッパー層の大半はジャカルタ及びその近郊に在住している

主要都市人口と地域別人口密度

出所: インドネシア中央統計局、国際協力銀行、新聞雑誌記事

ペカンバル

パダン

スマトラ島

バンドン

ジャワ島

デンパサール

クバン

スラウェシ島

アンボン

バンダ・アチェ

ポンティアナ

バンジェルマシン

ボルネオ島

ジャカルタ

セラン スマラン

スラバヤ

マカッサル

メダン

バレンバン

人口=100万人

人口1km2あたり

1000人以上

~250人

~1000人

50以下

~150人

インドネシア - ミドル・アッパー層

98

インド

99

インドでは、20歳以下の人口比率が非常に高い。テレビメディアが広く普及しており、自国のコンテンツが圧倒的な人気を持つ

インド - サマリー

消費者の概況

コンテンツの カテゴリーと 普及状況

メディアの 構造と動向

規制の状況

小売・サービス産業への規制状況

• TVの普及率は60%程度に到達しており、ボリュームゾーンである子供・若年層を含むマス視聴者にアクセスすることが可能だが、インターネットの普及は未だ限定的な水準

• 20歳以下の人口比率が非常に高く、子供~若年層向けコンテンツ需要の大幅拡大が見込まれる

• コンテンツカテゴリーを問わず、自国のコンテンツが圧倒的な人気を持つ上、外国コンテンツでは欧米の作品が浸透しているため、日系コンテンツへの関心は相対的に低い

• アニメにおいては日本作品の人気が比較的高く、子供~若年層の間では人気のあるコンテンツも複数見受けられる

• 地上波は国営のみだが、TV保有世帯の大半にCATVが普及し、民間チャンネルが広く視聴。 多数の事業者とチャンネルが乱立する市場だが、近年は大手事業者による寡占化も進行

• 複数のメディアコングロマリットが制作・放送~CATV・衛星・興行までの垂直統合モデルを取る

• 未だネットの普及は限定的だが、3Gの普及が進みつつあり、日本勢参入の動きも見られる

• メディアへの外資参入に対しては一定の上限および許認可取得が課されており、事前内容審査も实施されているが、総じて規制は緩やかといえる

• 小売への外資規制が他アジア諸国に比べ厳しく、複数ブランドを取扱う総合小売は外資出資不可

• 2011年11月、小売業の外資規制緩和が閣議決定されたが、国内事業者の反対を受け延期に

出所: ローランド・ベルガー

100

3

インド: メディア/流通の構造とキープレーヤ

視聴者/消費者

11

23

33

4

55

124

120

88

73

24

31

4

48

115

105

85

71

10

男性 女性

1,371ドル

1,225,000,000人

60%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

7.4億人

8%

ネット利用人口/普及率

1.0億人

2%

モバイル3G利用人口/普及率

0.2億人

• 未だネットメディアの普及は一部に留まっており、ボリュームゾーンである子供・若年層を含むマス視聴者にアクセスできるのはテレビ放送(地上波/CATV)、及び、大手局を保有するメディアコングロマリット

• ローカルコンテンツが極めて強い市場であり、制作段階から地場制作会社と連携することが有効(メディアコングロマリット傘下の制作会社、有力独立系制作会社等)

動画共有サイト

映画興行

SNS

配給会社

テレビ視聴人口7.4億人

CATV

視聴世帯

8,000万

観実数286,000

千人

ネット利用人口1.0億人

モバイル3G

利用人口0.2億人

小売売上5,000

億ドル

EC売上100億ドル

映像DVD

売上n/a

制作スタジオ

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

メディアコングロマリット/テレビ局

独立系制作会社

• 2011年10月、ダイソーがインド小売大手Reliance Retailとの提携を検討していると発表。合弁企業設立で協議中

独立系制作会社

海外コンテンツホルダー

パッケージ小売パッケージ制作/ 輸入

• Planet M

• Landmark

• Crossword

• Moser Baer

• Shemaroo

小売

EC

物流

メーカー

地上波放送Doordarshan India (DD)

テレビ局/ 放送事業者CATV

衛星放送• DD Direct+

• Big TV

• Tata Sky

• Dish TV India

• DEN Networks

• Hathway Cable

• Wire&Wireless India

• Doordarshan India

• Star TV

• Zee TV Network

• Reliance Broadcast

Network

系列制作会社

• Reliance pictures

• UTV Motion Pictures

• Reliance mediaworks

• UTV toons

Tata Elxsi

• Toonz Animation India

• DQ Entertainment

• Crest Animation

• Reliance Entertainment

• Sun Pictures

• Alliance Media &

Entertainment

• Fame Cinemas

• BIG Cinemas

• Fun Cinemas

• PVR Cinemas

衛星放送視聴世帯

2,600万

• Facebook

• Twitter

• Orkut

• Bharatstudent.com

• YouTube

• Yahoo! India

• funwall.in

• video247.tv

• Reliance Retail

• Future Group

• Trent (Tata)

• Shopper's stop

• Flipkart

• Indiaplaza

• DTDC

• Expressit

コンテンツホルダー

• 25歳未満の若年層が人口の半分以上

• 商品購入等における主な情報源はテレビ

• インターネット利用者の80%

は30歳以下とされる

• インターネットユーザーの平均的なネット利用時間は1日あたり26分に留まる

カギとなるメディア

ダイソー+

Reliance Group (小売)

ローソン+

Future Group (小売)

コクヨ+

CAMLIN (文具メーカー)

パナソニック+

Modicare (消費財小売)

• 2011年11月、ローソンがインド小売大手Future Groupと合弁設立に向けた交渉を開始と発表

• 2011年10月、コクヨがインド文具メーカー大手CAMLINを買収、同社の現地流通網を通じた商品販売・共同開発を行う予定

• 2011年8月、パナソニックがインド消費財販売大手Modicareと農村部での販売で提携。流通網と12万人の販売員を活用し、家電や美容機器の販売を委託

Reliance Group

Essel Group

Sun Group

Tata Group

Prasar Bharati

/ DD India

Green Gold

Animation

• インド最大級のコングロマリット。Big TV(DTH)、Reliance Broadcast Network (放送局) 、Reliance pictures(映画制作スタジオ)、BIG Cinemas(映画興行)等を傘下

• 2012年1月、傘下の制作スタジオReliance Mediaworksが、テレビ朝日と共同で「忍者ハットリくん」ほか藤子アニメを共同制作すると発表

• 国営放送会社。国営放送局Doordarshan India (地上波)、DD Direct+ (DTH)、国営ラジオ放送局All India Radioを運営

• 1983年、NHK/ 国際交流基金の番組提供を受け「おしん」を放送

• メディアコングロマリット。Zee TV Network(放送局: 上場)、Dish TV(DTH: 上場)、Wire& Wireless India (CATV: 上場)等を傘下

• 2011年5月、STAR、DEN Networks、Turner (Time Warner子会社) と合同でチャネル統合・配信のJVを設立すると発表

• メディアコングロマリット。Sun TV Network(放送局)、Sun Direct (DTH)、Sumangali

Cable Vision (CATV)、Sun Pictures (映画制作スタジオ)等を傘下

• インド最大級のコングロマリット。 STAR India(放送局)を保有するSTARと合弁でTata Sky(DTH)を展開、モバイル通信ではドコモと提携しTata Docomoを展開

• 傘下のTata Elxsi (アニメ・グラフィックス制作会社) は日本にもオフィスを保有

• インドの大手アニメ制作会社。2Dアニメを中心に制作

• Time Warnerの子会社Turner Internationalとアニメの共同制作实績あり

• 平成23年度CJ海外推進事業「インド市場におけるジャパンコンテンツを活用したプラットフォーム事業」に参画

• 商業放送が認められていないため、国営放送のDDのみがサービス提供

• 主要テレビ局の殆どが国内メディアコングロマリットの傘下であり、制作も含め強い影響力を持つ

• グローバルサイトが中心だが、ヒンディー語作品を多数抑える国内系も人気

• コングロマリット系企業がモダントレードの大半を占める

• 外資は複合小売には出資不可であるため、国内大手と卸等で提携

• 近年、ECは急成長(宅配物流インフラは課題)

• CATVが広く普及しており、多数民放局の番組が比較的安価で視聴可能

80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

日本企業との提携例(他業種)

キープレーヤ

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

Toonz Animation

India

• シンガポール系の番組制作会社Toonz Group傘下のアニメ制作会社

• 2006年4月、日本のアニメ制作・プロデュース会社DLEと提携 (DLEのパートナーである米Hasbro社との共同提携),、アニメを共同制作。日本企業との連携に前向き

DQ

Entertainment

• インド最大のアニメ制作会社。2D・3Dアニメ及びゲームを制作、マーチャンダイジングも行う

• 米国やスペインのスタジオと共同制作する他、ディズニーチャンネルへの作品供給も实施

• 海外企業との提携には積極的だが、欧米系大会社との取引が多く、日系との関係構築の優先度は現時点ではやや低い (案件に応じ具体検討はしている模様)

有力パートナー候補先

出所: ローランド・ベルガー分析

101

インドでは日系コンテンツの人気は全般的に未だ低い水準にあるが、ボトルネックになる規制などは存在せず、打ち手の選択肢は比較的大きい

日系コンテンツの普及ステージ: 低い 1 打ち手の自由度: 中程度~比較的大きい 2

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

ドラマ 0.0% 音楽 0.2% 映画 0.4%

アニメ・マンガ 0.4%

マンガ 3% アニメ 12%

ドラマ 8% 音楽 6% 映画 9%

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

アニメではやや関心が見られるものの、概して興味が薄く、 人気は低い

規制は全般にやや緩く、メディアに対する参入余地も存 在しており自由度は比較的大きいと見られる

インド

• 地上波は国営のみ • 衛星放送・CATVは広く普及'TV視聴世帯の過半(し

ており、多数の民間事業者が参入する分散した市場

• 地上波は国営のみ。衛星放送は20~26%、CATVは49%までであれば合弁で参入可能

• 映画、テレビ番組、音楽等についての外国コンテンツ上限は存在しない

• 映画・テレビ番組については一定の内容審査が存在するが、比較的寛容

ファン数 • N/A

• 子供向けではアニメの認知度は一部層で高まってきて いるが、日本コンテンツに対する人気は全般に低い – 「ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ポケモンなど子供向けのアニ

メについては一定の人気がある」 – 自国のコンテンツが圧倒的な人気を持つ上、外国コンテンツで

は欧米の作品が浸透しており、日系コンテンツへの関心は低い

• アニメはCATV中心に放映、その他の流通は尐ない – 「CATVのチャンネル数は膨大な数があり、日本アニメは主に子

供向けの作品が放映されている」

– 「映画市場は大きいが、映画館で放映されるのは殆どが国内映画で、一部ハリウッド映画がある程度」 コンテンツ産業の

市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い '特に自動車、家電(

発信力は強くない

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、総務省 世界情報通信事情、 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

102

インドのコンテンツ市場は2020年時点で124億ドル規模へと成長。20歳以下の人口比率が非常に高く、若年層向けコンテンツの拡大が見込まれる

コンテンツ産業市場規模(10億ドル)

コンテンツ市場の概況

2.1

2.2

3.9

0.8

1.1

映画

TV番組

アニメ・

キャラクター

出版

音楽

ゲーム

2020

12.4

4.3

0.5

0.4

2010

5.5

1.9

0.2

0.2 0.2

マクロ情報

80~ 4

70~79 11

60~69 23

50~59 33

40~49 55

30~39 73

20~29 88

10~19 120

0~9 124

4

10

24

31

48

71

85

105

115

男性 女性

人口ピラミッド(百万人)

1,371

1,225

一人当たりGDP(ドル)

人口(百万人)

都市人口 (百万人)

ムンバイ: デリー:

12.0 9.9

CAGR (2010-20)

• 映画が3割超シェアの一大産業 • アニメ、マンガ含む出版の市場合計は

2020年で44億ドルに

+20%

+8%

+6%

+11%

+11%

+8%

コンテンツ産業関連指標

インターネット加入者数(100人中)

ブロードバンド加入者数(100人中)

テレビ普及率(%)

インターネット 利用者割合(%)

インターネット帯域速度(一人当たり、bps)

1人

1人

5,825bps

60%

8%

インド - コンテンツ市場の概況

CATV・衛星放送'有料(の加入者が多く、TV普及

世帯の5割超に上る

出所: 経済産業省 「メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他産業への波及効果調査」、総務省HP、 統計局HP、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

103

キッズ向け主要チャンネルにおける日本アニメの比率は5%~90%とチャンネルにより大きく異なる

注 : 1) 2009 時点

出所: Company websites, Business Press, Tata Strategic Analysis

チャンネル名 運営企業 ターゲット年齢層 日本アニメ比率 提供言語 チャンネルの人気度1

Animax Sony 13~35歳 80% – 90% 英語 NA

Cartoon Network Time Warner 4~14歳 5%-10% 英語/ ヒンディー語/

ローカル語 24%

CBeebies BBC 0~5歳 0 英語/ ヒンディー語 NA

Disney Channel/

Disney XD Disney 4~14歳 < 5%

英語/ ヒンディー語/

ローカル語 16%

Hungama Disney 4~14歳 15% to 20% ヒンディー語/ ローカル語 18%

Nickelodeon/ Sonic Viacom 2~14歳 15% to 20% 英語/ ヒンディー語/

ローカル語 19%

POGO Time Warner 4~14歳 15% to 20% 英語/ ヒンディー語/

ローカル語 22%

Spacetoon Kids Kids Media 2~15歳 30% to 40% 英語 0.5%

Baby TV Fox Media 0~4歳 0 英語 NA

インド - コンテンツカテゴリー

104

TV保有世帯の大半にCATVが普及。多数の事業者とチャンネルが乱立する分散市場だが、近年は大手事業者による寡占化が進行

コンテンツ

制作

配信/流通

放送/配給

視聴者

インド - メディアの構造

国営テレビ局 1社

Doordarshan India (DD)

地上波

インド国営テレビ局

'商業放送が認められていないため、DDのみが

サービス提供(

世界最大級の地上TV網 '1,400ヶ所の地上送信

施設(を保有

TV視聴人口: 7.4億

普及率: 約60%

CATV/衛星放送

国営+民放テレビ局 大手5社+中小

DD(国営)、Star TV、Zee TV Network 他

衛星放送事業者(DTH) 6社

DD Direct+(国営)、 Dish TV India'Zee系(他

DTH視聴世帯:

約2,600万

国内・海外 コンテンツホルダー

インターネット

映像コンテンツにおけるメディアの構造

映画

観実数: 286,000千人

年間鑑賞回数: 3.2回/ 人

動画共有サイト/SNS

制作スタジオ(Bollywood) 数百社

Reliance pictures、 UTV Motion Pictures 他

配給会社

Reliance Entertainment、 Sun Pictures 他

映画興行 スクリーン数: 11,000

Fame Cinemas、 BIG Cinemas 他

ユーザー

2011年夏、Walt DisneyがUTV Motion Picturesの 親会社株式の過半を取得

インターネット利用者: 約1,億人

モバイル3G加入者: 約2,000万人

モバイルインターネットの普及が進み、日本勢参入の動きも

- Tata Docomoが2010年秋より3Gサービス開始

- Softbankが2011年10月現地大手モバイル事業者と

JV設立 など CATV事業者

約50,000社

DEN Networks、 Hathway Cable 他

MSOによる寡占が進む

CATV視聴世帯:

約8,000万

出所: 総務省HP、有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

105

インド映像メディア事業者の大半がムンバイ周辺に集中。複数の大手事業者が制作・放送~CATV・DTH・興行までの垂直統合モデルを取っている

インド - 主なメディア事業者

映像メディアにおける主要事業者

会社名

Prasar Bharati

STAR

Essel Group

Sun Group

Reliance Group

Videocon

DEN Networks

Hathway Cable & Datacom

インドの国営放送会社。国営放送局Doordarshan India (地上波)、DD Direct+ (DTH)、国営ラジオ放送局All India Radioを運営

運営事業 所在地

New Delhi

Munbai

Munbai

Chennai

Munbai

Maharashtra

New Delhi

Munbai

インド最大級のコングロマリット。Big TV(DTH)、Reliance Broadcast Network (放送局) 、Reliance pictures(映画制作スタジオ)、BIG Cinemas(映画興行)等を傘下

News Groupの保有するアジア向け放送会社。STAR India(放送局)、Tata Sky(DTH: Tataとの合弁)を展開

インドのメディアコングロマリット。Zee TV Network(放送局: 上場)、Dish TV(DTH: 上場)、Wire& Wireless India(CATV: 上場)等を傘下

インド家電大手のコングロマリット。2009年、インド最後発のDTHサービスVideocon d2hを開始。その他、携帯電話機器開発・通信サービス等を提供

ケーブルテレビ大手。ムンバイ、チェンナイ、バンガロール等の多数大都市でサービス实施。インドCATV事業者としては初のインターネット接続サービスも提供

加入世帯1,100万に上るケーブルテレビ大手。デリー周辺・ムンバイ等で高いシェアを保有

インドのメディアコングロマリット。Sun TV Network(放送局)、Sun Direct (DTH)、Sumangali Cable Vision (CATV)、Sun Pictures (映画制作 スタジオ)等を傘下

上場/ 非

非上場

非上場

非上場

非上場

非上場

上場

上場

上場

放送局

CA

TV

DT

H

映画制作

・配給

映画興行

2011年5月、STAR India、Zee TV、DEN Networks、Turner (Time Warner子会社) が合同でチャネル統合・配信のJVを設立すると発表

出所: 総務省HP、有識者ヒアリング、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

106

メディアへの外資参入に対しては一定の上限および許認可取得が課されており、事前内容審査も实施されているが、総じて規制は緩やかといえる

メディアに対する規制

外国資本の参入に対する規制

• 地上波: 現状では国営1社のみ

• DTH事業: 20%まで可能

• CATV事業: 49%まで可能

• 番組制作事業: 100%まで可能

• 参入に際しては、政府による事前審査を経た許認可・登録が必要

外国コンテンツの露出量上限

• 外国コンテンツ上限は存在せず

内容/表現に対する規制状況

• 暴力、青尐年保護等の観点での事前審査が存在するが、比較的寛容

• 友好国の批判、特定の宗教等に対する攻撃、猥褻表現、中傷等を含む放送を禁止

• タバコ・酒類の広告を禁止

放送

映画

音楽

出版

• ニュース以外の専門誌の出版事業であれば26%まで可能

• 参入に際しては、政府による事前審査を経た許認可・登録が必要

• -

• FMラジオ: 26%まで可能

• 参入に際しては、政府による事前審査を経た許認可・登録が必要

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• 外国コンテンツ上限は存在せず

• 一定の事前審査が存在するが、比較的寛容

• 一定の事前審査が存在するが、比較的寛容

• 一定の事前審査が存在するが、比較的寛容

インド - メディアに対する規制状況

出所: 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、JETRO「外資に対する規制」、 総務省HP、ローランド・ベルガー分析

107

2011年末、複数ブランドを取り扱う総合小売業に対する外資規制の緩和が、国内事業者の反対を受け延期となった

インド - 周辺産業に対する規制状況

外国資本参入に対する規制の現状

単一ブランドの小売業'ブランドの専門ショップなど(

• 100%まで出資可能

• 但し、以下の要件をすべて満たすことが条件

– 販売する製品は「単一ブランド」の製品に限定'"Sony" 等(

– ブランド名は、国際的に使用している名と同一のものに限定

– ブランド名は製品の製造過程で付与される必要

– 外国投資家が当該ブランド所有者である必要

– 出資比率が51%を上回る場合は、製品売り上げの3割を 国内の小規模産業から調達する必要

複数ブランドを取り扱う総合小売業'スーパー、コンビニなど(

• 外国資本の出資は禁止

小売・サービス業への外国資本参入に対する規制

その他サービス業

• 大半のサービス業で100%の出資が可能 '金融関連業には制限あり(

• 宅配便では、個別認可取得を条件に100%まで出資可能

総合小売業への外資参入許可は延期

• 2011年11月、政府は小売業の外資規制緩和を 閣議決定 – 複数ブランド商品を取り扱う総合小売業は51%、

単一ブランドのみの小売業は100%までの出資を認可する方針とした

• 但し、同年12月、野党の猛反発を受け、複数ブランドを取り扱う総合小売業への外資参入緩和の延期を決定

– 「インド小売業の95%は小規模事業者により 運営されているため、外資が本格参入すれば 国内産業が壊滅する」との声が挙がった

– 一方、総合小売業の外資開放を歓迎していた 産業界は失望「国のイメージにマイナス影響」

※単一ブランド小売業への出資参入は引き続き100%まで許可する方針

出所: JETRO外資規制調査、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

108

中国は出生率の低下に伴い人口のボリュームゾーンが上昇。インドネシア/インドは未だ若年人口の比率が非常に高く、当面は若年層がキーターゲットと想定される

中国

ボリュームゾーンが上昇し、出生率が現象しつつある「つぼ型」

インドネシア

若年層が厚く、人口が安定増加している「つりがね型」

インド

20歳以下人口が極めて多い 「富士山型」

(参考) 日本

ボリュームゾーンが中高年層に大きく上昇した「つぼ型」

20

5

78

118

108

122

86

57

39

115

81

53

37

22

7

67

110

104

男性 女性 80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

5

9

1

14

17

19

21

21

2

5

8

1

13

20

20

20

17

2

男性 女性 80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

11

23

33

4

55

124

120

88

73

24

31

4

48

115

105

85

71

10

男性 女性 80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

人口ピラミッド (

単位:百万人)

メディアの

利用状況

各国人口動態の比較とターゲットメディア/コンテンツ

出所: 総務省ウェブサイト、ローランド・ベルガー

男性 女性 80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

6

7

9

6

8

3

6

9

8

7

9

5

8

5

7

9

8

6

• 日系コンテンツ視聴のボリュームゾーンである「80后」は、コンテンツ視聴ツールとして日常的にネットメディアを利用

• TVが圧倒的に強いが、若年層は多様なメディアを利用する傾向にあり、特にモバイル/ソーシャルメディアの利用が浸透 しつつある

• ボリュームゾーンであるキッズ・ティーンを含む視聴者の主な情報源はTVであり、ネットメディアの普及は一部に留まる

• ボリュームゾーンは20代以上~60代の中高年層に移行

• ネットメディアが一般化する中、TVの訴求ターゲットは中高年層へシフトしつつある

ターゲット

コンテンツ

• メインターゲットは10代~30代の若年層~ミドル層であり、 アニメに加え、TVドラマ等实写コンテンツの訴求力も強い

• 若者向けコンテンツの需要が大きく、アニメ、ドラマ、リアリティショー等へのニーズが高い

• キッズを対象としたアニメ作品の需要が大きい

• TVはドラマ、バラエティなど30代以上向けコンテンツが中心

• アニメは青年層向けニッチコンテンツが一定の市場を獲得

参考

109

【参考】その他ミドルリスト対象国

110

ベトナムでは、日系コンテンツの人気は全般的に未だ低い水準にあり、国によるメディア規制も色濃く残っている

日系コンテンツの普及ステージ: 低い 1 打ち手の自由度: 限定的 2

概況

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

ドラマ 14% 音楽 1% 映画 4%

アニメ・マンガ 13%

ドラマ 12% 音楽 16% 映画 14%

マンガ 23% アニメ 22%

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

• 放送は国営の独占とされてきたが、近年になり民間 企業が一部参入可能に

子供向けアニメの一部で人気があるほかは全般に普及 度が低く、関心も小さい

民主化は進みつつあるが制度面でも制限が多いため、 自由度は限定的

ベトナム

• 放送は合弁であれば参入可能、外資上限は49% • 製造、流通、放送等については免許制がとられる

• 映画は上限が存在'映画テレビ放映の50%超など( • 他のコンテンツについては上限なし

• 全てのコンテンツに対し事前内容審査が存在しており、年齢制限等はやや厳しい

ファン数 • N/A

コンテンツ別 人気度合い

• 人気があるのは一部子供向けのアニメ作品 – 「ドラえもんが有名。その他一部アニメが放映されることがある

が、回数は多くない」 – 日本のアニメに関心がある人は全体の20%程度に留まる

• 他のコンテンツについては限定的な認知度に留まるが、ドラマについては一定の人気も獲得している模様

• 流通は子供向けで人気のある作品に限られている – 日本アニメ・マンガは教育的・健康的なコンテンツとして認識さ

れており、流通は限定的

– 「マンガでは、主に子供向けの旧作'ドラえもん、ドラゴンボール等(の現地語訳単行本が流通している」

発信力は強くない

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業・サービス業共に高い '特に食品、化粧品、小売(

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、総務省 世界情報通信事情、 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

111 出所: ローランド・ベルガー分析

ベトナム: メディア/流通の構造とキープレーヤ

視聴者/消費者

1.3

1.7

3.8

6.1

6.6

6.7

8.9

6.9

0.5

6.3

8.3

6.8

6.8

6.2

4.4

2.2

1.8

1.0男性 女性80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

1,036ドル

88,300,000人

95%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

0.8億人

37%

ネット利用人口/普及率

3,270万人

9%

モバイルネット利用人口/普及率

800万人

地上波放送

国営大手局+国営地方局

テレビ局/ 放送事業者

観実数n/a

ネット利用人口0.3億人

モバイルネット利用人口0.1億人

小売売上200億ドル

EC売上4億ドル

映像DVD

売上n/a

系列制作スタジオ

海外コンテンツホルダー

• Vietnam Television (VTV)

• Ho Chi Minh City TV

(HTV)

• Hanoi Radio & TV

• Vietnam Multimedia Corp (VTC)

• Saigon Tourist

Cable Television (SCTV)

• VCTV (VTV系)• SCTV• Hanoi Cable TV

動画共有サイト

SNS

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

• YouTube

• Zing me

• Yume

• Facebook

• Twitter

• VFC• M&T Pictures

制作スタジオ 映画興行配給会社• BHD• MVP Entertainment• Thien Ngan

• Phuong Nam

• Megastar Media• Lotte Cinema

CATV

衛星放送

• VTV• VTC

パッケージ小売パッケージ制作/ 輸入

小売

EC

物流

メーカー• Phu Thai Group

• Saigon Co.op Mart

• G7 Mart

• Citimart

• Vatgia.com

• chodientu.com

• Vietnum Post

テレビ視聴者数8,400万

CATV

視聴世帯n/a

衛星放送視聴世帯n/a

• 全土に普及するテレビ放送(地上波/CATV(都市部))、及び、局から番組編成を受託している有力制作会社が、キッズ含むマス層へのリーチに有効だが、視聴率が平均1-2%と低くい。また海外勢と強固な関係を構築している局も見受けられ、放映先の吟味が必要

• インターネット普及率は中国とほぼ同等レベルに達しており、特に若年層の間で広く浸透しているソーシャルメディアを効果的に活用していくことが有効

テレビ局/制作会社

SN

S

• 2011年8月、ファミリーマートが伊藤忠と合同で、現地最大の物流・流通企業Phu Thai Groupと合弁会社を設立。マスターライセンスを付与し、フランチャイズで店舗展開。ベトナムでの合弁設立は日本小売として始めて

カギとなるメディア

ファミリーマート+

Phu Thai Group (小売)

大戸屋+

MESA Group (飲食)

江崎グリコ+

Kinh Do (菓子メーカー)

サイバーエージェント+

Vietnam Proce (Eコマース)

• 2011年8月、大戸屋HDが現地消費財販売・飲食FC展開のMESA Groupと合弁を設立し、定食チェーンを展開。11年12月にホーチミンでFC1号店を出店

• 2012年1月、江崎グリコが現地大手菓子メーカーKinh Do Corporationと資本業務提携、10%の新株を引受。同社の小売店への供給ネットワークを活用し、現地市場への製品供給を加速する方針

• 2009年6月、サイバーエージェントが、現地最大のオンラインショッピングモールVatgia.comを運営するVietnam Priceに一部出資

• 2011年3月にも追加出資を实施

Vietnam Television

(VTV)

Ho Chi Minh City TV (HTV )

Vietnam Multimedia Corp

(VTC)

TVM

Facebook

• ベトナムの国営テレビ局。地上波、CATVの他、2004年から衛星放送を開始

• 1994年、NHKの番組提供を受け「おしん」を放送

• 韓国の地上波デジタル技術を導入予定。韓国放送通信委員会とMOUを締結しており、移動通信・番組交流・共同制作・技術開発等で協力していく方針

• ベトナム第2 位の規模を持つ国営テレビ局。南部エリア中心に放送提供

• 番組企画・制作・編成などの業務を民間に委託しているチャンネルが複数存在(HTV1はVTL、HTV2はDat Viet、HTV3はTVMに委託)

• 情報通信省が株式の100%を保有する国有会社。地上波に加え、2009年に衛星放送を開始、その他IPTV等の事業を運営。多数チャンネルを保有

• VTC7にはシンガポール企業が20%出資。他、銀行・広告代理店等の民間資本も出資

• 民営の番組制作会社。2008 年にHTV局からHTV3 の業務委譲を受けた

• 早期から日系コンテンツへの関心が高く、2006年から小学館・集英社等と契約し、コミック輸入を行う。また東映・TBS・テレ東等から日本アニメ作品の正規輸入を实施

• 日本アニメ及びキャラクターの市場性を高く評価しており、今後はアニメ番組のみならず映画の輸入も手がけたいとの考え

• アクセス規制が存在するため、ユーザー数では地場SNSに务るものの、国内に300万超のユーザーが存在。今後、規制緩和が進めばユーザーの大幅増も期待され、情報発信メディアとしての地位を向上させる可能性も

VNG(Zing me)

• ベトナム最大のインターネット企業であり、最大手SNSのZing meを運営。傘下にポータルサイト運営やオンラインゲームを保有

• 2011年11月、DeNAとソーシャルゲーム分野で提携し、日本のモバゲープラットフォーム向けにゲームを制作提供することで合意

• VTL• Dat Viet • TVM

• 一人当たりGDPは2003年の中国( 1,100ドル)と

同様の水準に成長

• 40代以下の人口が8割を占め、10代が最も多い

• テレビはほぼ全国に普及デジタルコンシューマ対象の調査では、テレビとネットの視聴時間がほぼ同等

• ネット接続のデバイスはデスクトップPCが84%、ノートPCが38%、携帯が27%であり、ネットカフェからのPCの接続が中心

• 都市部では高加入率(ホーチミンで90%、ハノイで70%)

• 国営局(HTVなど)がチャンネルの企画制作を民間に委託

• TVMは番組輸入やスポンサー獲得も担当

• (調査中)• 映画会社が輸入・制作

• Clip.vn

• ECは徐々に普及しつつあるが、物流が未整備であり、3日以内に届くことは尐ない

• モダントレードは小売全体の20%程度

• 地場企業に加え、仏Big C、韓Lotte、独Metro等が相次いで出店加速

• 映画興行が急成長し各社がスクリーン数を拡大 (08→11年で6倍規模に)

• Facebookへのアクセスが規制されているため、地場SNSが高いプレゼンス

(規制状況はやや緩く一定ユーザーは存在)

• 従来国営の独占とされてきたが、民間・外資の参入が認可

• 一般に番組制作の資金は出さず、放送枠の販売と許認可手続きを受け持つ

• アジア地域で最もネット普及の成長率が大きい (00-09年で10,000%超)

• ベトナム各省の殆どがローカル局を保有

• 04年よりVTV、09年よりVTCが放送開始

日本企業との提携例(他業種)

キープレーヤ

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

独立系制作スタジオ

• MCV

MCV

• 日本の広告代理店MAC&CINQが、ベトナムの市場調査会社MIRAI VIETNAM

とプロモーション会社SANNGHIAと合弁で設立した民営番組制作会社

• HTVと提携。日本のテレビ局からフォーマット購入・現地版制作の实績あり– フジテレビ「あいのり」、TBS 「幸せ家族計画」等を手がける

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

• 海賊版が広く横行し、自国作品のDVDは殆ど発売されず

112

米国では、日系コンテンツの人気はアニメ中心ではあるが非常に高く、ビジネスインフラが整っているため、打ち手の自由度も非常に大きい

日系コンテンツの普及ステージ: 高い 1 打ち手の自由度: 非常に大きい 2

ファン数

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

アニメ・マンガ中心ではあるが、若年層中心に幅広い 人気を獲得

規制やメディアのコントロールは限定されており、ビジネス インフラも整っているため、採れる戦略の幅が広い

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

米国

• 地上波は7大ネットワークが競合、メディア集中排除原則あり • 衛星放送・CATV共に民間数社が棲み分け

N/A

N/A

• 放送には合弁で参入可能、直接参入の外資上限は20%。他は安全保障に関わる場合以外は制限なし

• 外国コンテンツ上限は基本的に存在しない

• 当局のコンテンツ内容への関与は極めて限定されるが、青尐年保護の観点で一部規制・表示が存在

• 日本アニメ・マンガ等コンテンツのファン層は1,000万人以上に上ると推計

• アニメ・マンガは特にポケモン以降、広範な層の支持を獲得 – 「ブームは一段落しているが、人気は落ちていない」

• 音楽、映画、テレビ番組の人気は限定的 – 日本作品のシェアは殆どなく、需要も尐ない – CATVには日本番組を配信しているものもあるが、基本的には

在留邦人対象

• 地上波及びCATVのアニメチャンネル等で多数放映 – 地上波では630分/ 月、CATVでは5,812分/ 月(07年)

• DVD、マンガ、キャラクターグッズも正規版がショップで流通して いるが、映像コンテンツは近年ネット配信に押されている

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い・サービスは中程度

グローバルで 強い影響力あり

巨大

113

アメリカ: メディア/流通の構造とキープレーヤ

視聴者/消費者

21

21

22

21

22

20

13

7

4

20

20

21

20

22

21

14

9

7

男性 女性

47,284ドル

308,800,000人

99%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

3.1億人

79%

ネット利用人口/普及率

2.4億人

32%

モバイルネット利用人口/普及率

0.9億人

地上波放送テレビ局'配給(

観実数14億人

興行収入110億ドル

ネット利用人口2.4億人

モバイルネット利用人口0.9億人

小売売上4,100億

ドル

EC売上1,700億

ドル

映像DVD

売上160億ドル

系列制作スタジオ

独立系制作スタジオ

海外コンテンツホルダー

動画共有サイト

SNS

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

• YouTube

/Google

• Facebook

• Twitter

• Walt Disney Pictures• Universal Pictures

• Universal Pictures 等

制作スタジオ 映画興行配給会社

CATV

衛星放送

パッケージ小売パッケージ制作会社

消費財小売

EC

物流

メーカー

テレビ保有世帯11,590万

CATV

視聴世帯7,000万

衛星放送視聴世帯3,470万

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

• インターネットでの音楽・動画視聴、ソーシャルメディアの利用、商品購入が浸透しており、SNSを利用したソーシャルテレビ等にも注目が集まる– コンテンツが、ネット上に違法にアップロードされて無料で流通していることもあり、パッケー

ジ販売の売上は減尐傾向

• スマートフォンの利用率が拡大しており、2011年には従来型携帯電話を超えた

カギとなるメディア

キープレーヤ・事例

• 移民が多く10代~50代

までの幅広い年代層で人口バランスがとれている

• インターネット普及率が高く、ネットを通じた動画・音楽視聴、ソーシャルメディ

アの利用、商品購買が浸透している

• スマートフォン利用率50%に達し、従来型携帯電話を追い越している

• Wal-Mart• Amazon.com

• Warner Home Video• Universal Home

Entertainment

• Paramount Home Entertainment

• 巨大店舗を展開する大企業の寡占が進む

• 小売各社はネット販売のためサイト拡充・強化'売上高の約5%を占める(

• 近年、二桁台の成長が続く

• インターネットユーザーの4割がオンラインショッピングを利用

• Hulu

• Microsoft

80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

• ストリーミング型ではYouTube/Googleが利用数の40%を占め、一強体制

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

• Wal-Mart Stores• The Kroger Co.• Costco Wholesale Corp.

• Amazon.com• Apple.com• Walmart.com

• Sears.com• CDW.com• BestBuy.com

• FedEx• UPS

• The Home Depot, Inc• Target Corp.• Walgreen. Co.

• ハリウッドメジャー系列が主

• Yahoo!

• CBS Interactive

• UIP'United International Pictures(

• IFC Films 等

• NBC Entertainmet

• Universal TV• NBC TV Group

• CBS Productions

• Paramount TV

• King World

• Paramount TV

• Universal TV

• Viacom Group(CBS)

• Fox Studio

• 20 Century Fox TV• 20 Century Fox TV • Fox TV Group

• Walt Disney

• Buena Vista TV• Buena Vista TV • ABC TV Group

• 大手メディアグループによる

垂直統合が進み全ての地上波放送ネットワークが主要映画会社と連結

• ネットワークに属さない独立

局に対して番組放映権を与えるシンジケーションは、

大手メディアグループに属する7大事業者が寡占

• Comcast

• Time Warner Cable

• Discovery Channel

• ESPN

• MTV/ Nickelodeon

• Cartoon Network

• CNN 等

• DirecTV

• Echo Star(Dish Network

• CD/DVD量販大手は撤退・破綻し、大手量販小売やネットへ移行– 06年、ミュージックランド破綻– 06年、タワーレコード破産・店舗廃止– 09年、Virgin Megastores閉鎖

• LinkedIn

• MySpace

ケーブル専用チャンネル

• 米国国内に1億5,000万のユーザーがおり1国あたりでは世界最多

• 2012年2月に米証券取引委員会に上場申請し今後も成長が見込まれる

• 米映画会社のMiramax Films社は、映画コンテンツをFacebook上に配信するアプリ「Miramax App」の提供を開始' 2011年8月(

– ユーザーはFacebookの専用仮想通貨「Facebook Credits」を使って、映画をストリーミング形式でレンタル視聴でき、Facebook上の友人と感想の共有/推薦が可能

Facebook

動画配信・電子書籍

Hulu

• 2008年、大手メディアのニューズ・コーポレーションとNBC2社が開始した合法無料配信サービス

• ファニメーションとビズメディアは、Huluで日本アニメに特化したアニメチャネルを設立

• スマートフォン向けにも、小学館や集英社原作のアニメが中心に配信サービスを展開

• Huluは、2012年2月から任天堂Wii向けに日本アニメを含む有料プログラム「Hulu Plus」の配信サービスを開始。 『NARUTO 疾風伝』は日本放映との同日配信

CRUNCHYROLL

• 違法なファンサブ投稿サイトから出発しながら、正規のオンライン配信業者へ転換・急成長

• 北米でスマートフォン向けアニメ配信サービスを展開'ユニークユーザー600万人(

• 「NARUTO」の権利を持つテレビ東京やBitway'凸版印刷(と提携し、日本放送と同時配信で、26シリーズ他200タイトルを提供

JMANGA

• 国内マンガ出版39社が参加するデジタルコミック協議会の大型プロジェクト

• 今後、成長が期待できる電子書籍の分野での海外ビジネスにつなげることを目的としており、北米でスマートフォン向けアニメ配信サービスも展開

• トップページ/検索を通じて個別の作品に行き着け、個別ページでは作品情報を提供、さらに販売に結びつけることを狙う

• SNSコミュニティではインタラクティブな機能を持ち、マンガ家からのメッセージを直接届けると同時に、マンガ家に直接意見を届けることが可能

YouTube

• 2009年、バンダイエンタテインメントは、米国版Youtubeに米国内からのだけアクセスできるアニメチャンネル「バンダイエンタテインメント・ジャパニーズ・アニメ・チャネル」を開設

• 『コードギアス』や『ガンダム00』など大型作品を全話配信開始

Marvel

• 米メディア大手ウォルト・ディズニー傘下でコミック事業を展開

• アップル社のオンライン販売サービス「App Store」からダウンロードできるiPad向けコミック用アプリケーションを提供

• 500冊以上の電子版のマーベル作品を1冊1.99ドル'約190円(で購入可能

• 印刷版と同日に電子コミックを販売

• Regal Entertainment Group

• AMC Entertainment

• Cinemark USA

• 7大ネットワーク(4大ネット+CW,MNTV,ION)

が競合、メディア集中排除原則あり

SN

S

CartoonNetwork

ニコニコ動画/Funimation

• 2011年10月、北米最大の日本アニメ企業FUNimation Entertainmentは、動画配信・共有コミュニティのニコニコ動画とのアニメ配信における提携を発表

• Funimationが北米ライセンス獲得した日本アニメを中心に、日本のアニメ放送とほぼ同時に新作を配信

Nickelodeon

• メディア・コングロマリットTime Warner傘下の Turner Broadcastingが運営する子供向けアニメ番組・コメディーショー等のケーブルチャンネル

• 日本アニメの放送を数多く手掛けてきたが、2008年、視聴率の低下や自社製作作品の優先などの理由から、土曜日深夜の放映枠「Adult Swim」'CN(からの日本アニメ番組が大幅に削減された

• Viacom傘下のMTVネットワークスが運営する子供向けアニメ番組ケーブルチャンネル

• 電通エンタテインメントUSAと米国の玩具会社ジャックス・パシフックが手を組んで進めるグローバル・プロジェクト『 MONSUNO』を、アニメーション専門チャンネル「ニックトゥーン」で2012年2月から放映開始

• 関連ビジネスとして、トレーディングカードゲームのトップス、番組制作会社のフリーマントル・メディアも加わる他、バンダイも玩具展開の事業パートナーとして参画

出所: ローランド・ベルガー分析

114

シンガポールでは、日系コンテンツはアニメ中心ではあるが一定の人気を 獲得。メディアはやや独占傾向にあるが一定の自由度は存在している

日系コンテンツの普及ステージ: 中程度 1 打ち手の自由度: 中程度 2

概況

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

ドラマ 11% 音楽 6% 映画 11%

アニメ・マンガ 17%

ドラマ 24% 音楽 23% 映画 29%

マンガ 55% アニメ 55%

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

• 地上波は民営のMedia Corpによる独占。衛星放送は禁止、CATVはStarHubの独占だが、近年IPTVと競合

アニメ・マンガ以外は欧米系コンテンツの方が優勢だが、 広く普及しており、一定の人気を獲得している

地上波は元国営の1社独占であり、外資参入に敏感では あるが、規制はやや厳しい程度で一定の自由度あり

シンガポール

• 放送は合弁であれば参入可能、外資上限は49% • 映画・放送は製造流通についても免許制がとられる

• 外国コンテンツ上限は基本的に存在しない

• 全てのコンテンツに対し事前内容審査が存在するが、制限はやや厳しい程度

ファン数 • N/A

コンテンツ別 人気度合い

• アニメ・マンガは一定の人気を獲得 – 「今後日本のアニメ・マンガを見たい・聴きたい」人が全体の

約6割に上っている

• 音楽・ドラマ・映画は欧米コンテンツの方が上位 – 欧米作品の視聴度合いは、日本作品に比べてドラマで3倍、

音楽では10倍近くの開きがある

• アニメ・マンガは広く流通とは言い難いが、一定範囲には普及している – 子供や若年層には日本アニメ・マンガの人気は高いが、規制が

厳しいため大人向けのコンテンツはあまり入ってきていない – 「日本アニメ・マンガの殆どが中国語版で流通しているため、マ

レー系・インド系にはリーチしにくい」

ASEAN・インドに対し 強い影響力あり

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

中 経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で中程度

「人・モノは交流・波及するが、コンテンツ自体の波及力は それ程強くない」との声も

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、総務省 世界情報通信事情、 三菱UFJコンサルティング「アジアにおける国際展開を阻害する各国制度関連に関する調査」、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー分析

115 出所: ローランド・ベルガー分析

CATV

シンガポール: メディア/流通の構造とキープレーヤ

視聴者/消費者

0.2

0.3

0.3

0.3

0.3

0.3

0.1

0.1

0.0

0.2

0.2

0.3

0.3

0.3

0.3

0.2

0.1

0.0男性 女性80~

70~79

60~69

50~59

40~49

30~39

20~29

10~19

0~9

43,117ドル

5,086,000人

100%

一人当たりGDP

人口

人口ピラミッド(単位:百万人)

テレビ視聴人口/普及率

500万人

77%

ネット利用人口/普及率

370万人

90%

モバイル3G利用人口/普及率

450万人

地上波放送テレビ局/ 放送事業者

観実数20,300

千人

ネット利用人口370万人

モバイルネット利用人口450万人

小売売上320億ドル

EC売上20億ドル

映像DVD

売上n/a

系列制作スタジオ

海外コンテンツホルダー

• MediaCorp

– MedipCorp TV

– MediaCorp TV 12

– MediaCorp News

• 外資提供チャンネル

(CATV向け)• StarHub Cable

Vision (SCV)

動画共有サイト

SNS

海外コンテンツホルダー

コンテンツホルダー

• YouTube

• Hulu

• Facebook

• Twitter

制作スタジオ 映画興行配給会社

IPTV

パッケージ小売パッケージ制作/ 輸入

小売

EC

物流

メーカー• NTUC FairPrice

• Dairy Farm

• Amazon

• Facebook/blog等の小型店舗

• SingPost

テレビ視聴世帯約110万

CATV

視聴世帯約70万

IPTV

視聴世帯約22万

• 人口の100%に普及する地上波テレビ放送ではMediaCorpが制作~放送までを独占支配しており、番組供給においてはMediaCorpとの関係構築が極めて重要

• 人口の約半数がFacebookを利用するなどソーシャルメディアの利用が極めて一般化

しており、特にモバイルでのアクセスを想定した他メディアとの連携・コンテンツ供給が求められる

テレビ局

SN

S

カギとなるメディア

• シンガポール在住者の85%がソーシャルメディアにアクセス

• 約7割の消費者が企業からの情報入手・交流にソーリャルメディアを利用

• That's CD SHOP• HMV

• 映画会社が輸入・制作

日本企業との提携例(他業種)

キープレーヤ

コンテンツホルダー

ユーザー

ユーザー

コンテンツホルダー

テレビ

映画

ネット配信

パッケージ

小売

E

コマース

• MediaCorp

• 個人による衛星放送の直接受信は禁止されている

• IPTVとの間でプラットフォーム間競争が激化

• SingTel (mio TV)

• Facebook利用者は約200万人でネット利用者の55%

• 経済規模・ネット普及率に比してEC

市場規模はさほど大きくない'国土が小さく、対面販売が好まれる(

• 基本的に1~2日で全土に配送可能

• eBay

• Speedpost

• Robinsones & Co

• Pertama Holdings

• Cathay Cineplex• Golden Village• Shaw Organisation

• Raintree Pictures• Zhaowei Film

• Cathay-Keris Films • Shaw Renters • Encore Films

• 欧米作品に席巻されておりローカル映画のプレゼンスは低い

• mig33

• 地上波は国営資本Temasek保有のMedia

Corpによる一社独占

• Media Corp TVによる中国語放送のChannel

8、Channel U が最も

人気。日本アニメ・ドラマ等の放送も行われている

• 外資系チャンネルはCATVを通じて視聴

• 放映される番組の大半が輸入作品

• 英語放送は米国作品、

中国語放送は香港の作品が多い

• TV向けアニメ配給はOdex社が大半を担う

• MediaCorp Studios

• Caldecott Productions

• MediaCorp

Eaglevision

• 外資系現地制作スタジオ

• 商業用地が限定的/

市場規模が小さく地元小売との競争が厳しい

ため、グローバルリテーラーのプレゼンスは他ASEAN諸

国に比べると大きくない

• 海外から密輸される海賊版が販売に影響との指摘も

• Click Network

• RAZORTV

MediaCorp

• 国営放送を前身とする複合メディア企業であり、シンガポールの地上波テレビ放送では独占的な地位

– 1994年に民営化されたが、政府系ファンドであるTemasekが株式の100%を保有

• テレビ向け番組制作スタジオも自社で保有。テレビに加えラジオ、新聞、映画制作において高いプレゼンスを有する

• グループ子会社3社で6局を展開、英語・中国語・マレー語・タミル語で放送

– MediaCorp TV '英語及び中国語系(:中国語放送のChannel 8'視聴率69%(、Channel U'同55%(の人気が最も高く、日本作品'アニメ、ドラマ、バラエティ等(も頻繁に放送フジテレビの「白い巨塔」「プライド」などはChannel Uにて中国語吹き替えで放映

– MediaCorp TV12 'マレー系・インド系・子供向け教育番組等(

– MediaCorp News 'ニュース専門チャンネル(

• 地上波では韓国作品の放映が増えており、日本作品より人気が高いとの声も• 中国系民族が4分の3を

占めており、残り4分の1

がマレー系・インド系

• インターネットが広く普及しており、モバイル3Gの

契約数は450万と人口の90%をカバー

• 動画共有/ SNS共にグローバルサイトが高い人気を有する

• deals.com

Facebook

• シンガポール国内に約250万のユーザーがおり、全人口の約半数が利用

• 英語でのコミュニケーションが主流であり、国内に留まらず全世界に向けた情報発信・交流が行われているため、グローバルブランドの影響力が強い

mig33

• シンガポールに拠点を置くモバイルSNSであり、ASEANやインドを中心に4,500万人超のユーザーを抱える

• サンフランシスコのベンチャー企業Project Gothにより開発・提供されたが、ユーザーの大半がアジアに集中しているため、本拠地をシンガポールへ移転

• ブログ・ミニブログ・IP電話等のサービスを提供、独自の集金システムを構築

• 2010年11月、グリーが出資を発表、プラットフォームとして相互連携する方針

• 2008年4月、ファーストリテイリングが現地不動産開発大手Wing Tai

Holdingsと提携。合弁会社を設立し、現地でユニクロを店舗展開。現在シンガポールで5店、マレーシアで2店のユニクロを出店

ファーストリテイリング+

Wing Tai Holdings(アパレル)

ベスト電器+

BANGUN (家電卸)

サマンサタバサ+

TYAN INVESTMENTS(アパレル)

三宝+

BreadTalk (飲食)

パルコ+

CapitaLand (商業施設)

• 2011年4月、パルコがシンガポールに本拠地を置くアジア最大規模の商業不動産開発大手CapitaLandと提携。アジアにおける商業施設展開で協業

• 2009年8月、ベスト電器が、シンガポール子会社の株式49%をインドネシアでの合弁相手であるBANGUN PERSADA TATA MAKMURに売却。シンガポールでの市場シェア拡大と、同国を起点としたインド・中近東への展開を狙う

• 2010年9月、サマンサタバサが、現地コンサルティング会社TYAN

INVESTMENTSと提携。合弁会社を設立し東南アジア1号店をシンガポールに出店。同社のマーケティング・情報収集能力を活用しブランド浸透を図る

• 2009年5月、外食チェーン三宝が、現地飲食大手BreadTalkと提携。日本式ラーメンを提供する新業態「Ramen Play」を上海とシンガポールで展開。三宝が商品開発・店舗指導、BreadTalk社が店舗開発・運営等をそれぞれ担当

116

タイでは、日系コンテンツの人気はアニメを中心ではあるが非常に高く、打ち手の自由度も比較的高い

日系コンテンツの普及ステージ: 高い 1 打ち手の自由度: 中程度 2

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツを

よく見る・

聴く

日本の

コンテンツを

見たい・

聴きたい

ドラマ 10% 音楽 3% 映画 9%

アニメ・マンガ 28%

24%29%

22%88%

74%

音楽 ドラマ

映画 マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

• 地上波は国営中心だが、民放も参入 • 衛星放送・CATVはCPグループのTrue Visionが最大手

アニメ・マンガを中心に、幅広い層で高い人気を獲得して いる

メディアの数は限定されているが規制は緩く、資本参入 の余地も大きいため、一定の自由度は存在

タイ

• 放送は合弁であれば参入可能、外資上限は50% • 製造、流通、放送等については許認可が必要

• 映画館で放映される外国作品比率は当局が規定可能 • 他のコンテンツについては上限なし

• ガイドラインは存在するも、規制は比較的緩い

ファン数 • N/A

• アニメ・マンガは非常に人気が高い – アニメ・マンガ等の日本ポップカルチャーへの関心度は東南ア

ジアで最も高い – 「多くの日本TVアニメが全国放映される。国産アニメも製作され

始めているが、日本アニメの人気がダントツで高い」

• 音楽・ドラマ・映画は限定的な人気に留まっている – 「今後日本作品を見たい・聴きたい」人は全体の約20~30%

• 多くのアニメが全国放映されているが、海賊版も多い – 新作も放映されているが、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」など

も繰り返し放映

• 音楽・ドラマ・映画の流通は殆どみられない

発信力は強くない

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

大 受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い・サービスは中程度 '特に自動車、食品、化粧品(

117

サウジアラビアでは、日系コンテンツの人気は全般に低く、政治的要因により打ち手の選択肢が制限されている

日系コンテンツの普及ステージ: 低い 1 打ち手の自由度: 非常に限定的 2

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

コンテンツの露出が非常に限定されており、一部アニメの ファンがいる他は殆ど認知されていない

市場の不透明度が高い上、参入に対する制限や規制が 厳しく、打ち手は非常に限定される

サウジアラビア

• メディアへの外資資本参入はほぼ不可能と想定される

• 地上波は国営のみ、衛星はTV保有世帯の9割に普及 • ネット検閲が厳しく、集会も禁止'映画・ライブは不可(

• 不明 • 外国番組は衛星放送のみだが、建前上は禁止

• 宗教的観点からの内容検閲は非常に厳しい

N/A

N/A

ファン数 • N/A

• 日本のアニメは一部の若者の間で人気だが、層は限定 – 「人気は高まりつつあるが、一部若年層のみ。マンガは殆ど流

通していない」

• 他のコンテンツは殆ど認知されていない

• 正規流通は極めて限定的 – 放送、DVD等の正規流通が尐なく、衛星放送、海賊版やイン

ターネットで視聴する人が多い – 宗教上の理由で集会が禁止されているため、映画やライブなど

は放映・实施不可能 コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 低い

発信力は強くない

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

118

トルコでは、日系コンテンツの人気は全般的に未だ低い水準にある。規制はやや厳しいがメディアは民主導に移行しており、一定の自由度は存在

日系コンテンツの普及ステージ: 低い 1 打ち手の自由度: 中程度 2

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

一部層でアニメが視聴されているものの、全般に人気は 低い

メディアは民主導に以降しており、規制はやや厳しい程度 で、自由度はそれ程低くはない

トルコ

• 地上波は国営+民間。大手4社が視聴シェアの半数 • 衛星は民営Digiturk、CATVは国営Turksatがシェア過半

N/A

N/A

• 放送は合弁であれば参入可能、外資上限は25%'50%まで緩和の方針(

• ニュース・スポーツ等を除く放送の50%は国内製作のコンテンツである必要

• 暴力、差別的表現等に対してはやや厳しい

ファン数 • N/A

• 日本に関心を持つ層の一部がアニメも視聴 – 特に子供向けのクラシックアニメが中心 – 日本語を学習する学生へのアンケートでは、学習を始めた動機

として、日本文化'特にアニメ(への関心を挙げる学生が多い

• 他のコンテンツは殆ど認知されていない

• 地上波でも一部放映されているが、正規流通は限定的 – DVD等の正規流通はジブリなど一部に限られており、海賊版や

インターネットで視聴する人が多い – マンガは殆ど流通しておらず、一部専門店で英語翻訳版が販売

されているのみ コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 低い

発信力は強くない

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

119

フランスでは、日系コンテンツの人気はアニメ・マンガを中心に非常に高く、打ち手の自由度も非常に大きい

日系コンテンツの普及ステージ: 高い 1 打ち手の自由度: 非常に大きい 2

ファン数

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

特にアニメ・マンガで高い普及度を獲得しており、ファン数 も多く、全般に人気が高い

規制はやや厳しいが、メディアのコントロールは限定され ビジネスインフラも整っているため、戦略の幅が広い

フランス

• 地上波は民放が主体。メディア集中排除原則あり • 衛星放送は大手3社、CATVは1社'共に民放(

N/A

N/A

• 地上波は合弁であれば参入可能、外資上限は20% • 衛星放送、CATV、流通等については制限なし

• テレビ番組・映画・音楽等でクオータ制が採用され、外国作品の制限あり'国内作品が40%以上等(

• 暴力、差別的表現等に対してはやや厳しい

• 日本アニメ・マンガ等コンテンツのファン層は1,000万人以上と推計、人口の1/6にも及ぶ

• アニメ・マンガ中心に厚いファン層が存在 – 若年層に加え、ミドル層からも人気が高い – 2011年のJapan Expoには20万人が来場

• 映画は小規模ではあるが一定の人気を獲得、音楽・テレビ番組は限定的 – 「フランスは韓国と並ぶ日本映画の海外マーケット」

• アニメは外国番組上限のある中でも視聴率の高いコンテンツであり、地上波・CATVの双方で多数番組が放映 – 日本アニメの放映数は06年から10年にかけて11本→35本'地

上波(、83本→112本'有料民放(に増加 コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 低い

グローバル'特に欧州(で 強い影響力あり

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

120

ロシアでは、日系コンテンツの人気は全般的に未だ低い水準にあり、依然として国によるコントロールが強く規制運用面での不透明性も高い

日系コンテンツの普及ステージ: 低い 1 打ち手の自由度: 限定的 2

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

一部若年層にはアニメが視聴されているものの、全般に 人気は低く、普及のアーリーステージにある

明示的な規制は限定的だが、許認可手続きや検閲 といった不確定要素が存在

ロシア

• 地上波は国営2社+民放1社'純国営(がほぼ寡占 • 衛星放送は限定的、CATVは民間大手6社に集中

N/A

N/A

• 放送には合弁であれば参入可能、外資上限は50% • 放送区域が一定以上の場合は外資投資が許可制

• 不明'一定の制限はあるものと推察(

• 「表現規制は日本に次いで寛容」とされる • ネットでのアクセス制限や検閲が一部存在

• 正規の放映や流通が尐なく、殆ど普及はしていない – 一部アニメ番組やアニメ映画が放映・上映されるのみ – 放映されていないアニメ作品やマンガはネット上での違法ダウ

ンロードで広まっている

• 日本ドラマ・音楽・映画の流通は極めて尐ない

ファン数 • N/A

• 日本アニメに対する関心はここ2-3年で高まりつつある – ソ連崩壊後から一部作品の放映が始まり、ファンが徐々に増加

してきたが、ネット配信が増加した近年から人気が出てきた

• サンリオなどのキャラクター人気は比較的高い – 「ロシア人は可愛いものが好きで、キティなどは大好き」

• 音楽、映画、テレビ番組の人気は限定的

コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い

中央アジア・東欧で 影響力あり

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

121

ブラジルでは、日系コンテンツの人気は一部都市でアニメ中心に一定の支持を得ているが、収益化においては税金面など克服すべき課題も存在する模様

日系コンテンツの普及ステージ: 中程度 1 打ち手の自由度: 中程度~比較的大きい 2

ファン数

概況

コンテンツ別 人気度合い

流通状況

日本の

コンテンツ

をよく見

る・聴く

日本の

コンテンツ

を見たい・

聴きたい

ドラマ

音楽

映画

アニメ・マンガ

ドラマ 音楽 映画

マンガ アニメ

概況

規制

外資 参入

内容

露出量 上限

国営メディアに よるコントロール

日系人の多いサンパウロが中心ではあるが、一定の人 気を獲得している

規制は緩やかであり、一定の自由度は存在。但し、「規制は 緩いが、税金が高く、利益を得ても大半が取られる」との声も

出所: HUMAN MEDIA調査、JETRO調査、博報堂Global HABIT 調査、経済産業省 アジア消費トレンド調査報告書、 総務省 世界情報通信事情、新聞雑誌記事等、ローランド・ベルガー

ブラジル

• 民放が主体。主な事業者はRede Globo、SBT他6社 • 衛星放送はSky Brasil、CATVはNetのほぼ独占状態

N/A

N/A

• 放送には合弁であれば参入可能 • 地上波の外資上限は30%、CATVは45%

• 殆どなし'映画等一部でのみ存在(

• 暴力等に対する一定の規制はあるが、比較的寛容

• N/A

• アニメ・マンガの人気は、一部層に限られている – 対日世論調査では、日本のアニメ・マンガに対して関心

がある層は5%に留まる – 但し、日本アニメの歴史は古く、サンパウロ等の大都市

では日系人に留まらず人気がある – マンガはアニメの普及に並ぶ形で都市部高所得層の若者中

心に購買されているが、地方には広まっていない

• 映画、テレビ番組、音楽は、基本的に日系人が対象 – 2005年の日本映画公開は3作品'ハウルの動く城、誰も知

らない、Casshernの3本(

• アニメは基本的にCATVが中心 コンテンツ産業の 市場規模・成長性

(参考)

規模:

成長性:

受容性:

普及度:

日系コンテンツへの 受容性・普及状況

他産業にとっての 有望性・進出意向

周辺市場への 影響力

経済成長性:

日系シェア:

進出意向: 製造業で高い

文化的発信力は 強くない

'都市部では中~(

122

This document shall be treated as confidential. It has been compiled for the exclusive, internal use by our client and is not complete without the underlying detail

analyses and the oral presentation. It may not be passed on and/or may not be made available to third parties without prior written consent from Roland Berger Strategy

Consultants. RBSC does not assume any responsibility for the completeness and accuracy of the statements made in this document.

© Roland Berger Strategy Consultants

Contents Page

A. 先行調査・研究の整理と成功のポイント抽出 7

B. 国内プレイヤーの課題認識・パートナリングニーズの把握 32

C. 分析対象国の特定 38

D. 企業コンソーシアムの形成 127

123

日本のクリエイティブ産業において、他産業も巻き込んだ波及的なビジネス形態の確立を目指す

背景

日本のクリエイティブ産業が、海外でのその人気に比して、必ずしもビジネス

収益に結びついていないという現状

• 現在の日本クリエイティブ産業の海外展開は、当事者の戦略的対応の結果ではなく、コンテンツそのものの魅力によって事实上発生したものである側面が大きい

• 海外展開の際、日本側当事者に、法務や会計といった契約スキームの組み方についての問題意識が必ずしも高くなく、当該コンテンツから派生した関連商品でも収益を得るに至らないケースが多い

• 著作権等に係る現地ビジネス主体との整理と役割分担が曖昧であったため、当該コンテンツの継続的なビジネス展開に支障を来しているケースも存在する

日本のクリエイティブ産業が、海外展開を行う際のスキームを確立させるとともに、我が国の他産業と戦略的コンソーシアムを組むこと等により、当該コンテンツのみならず関連商品にもビジネスを波及させ、「点」ではなく「面」の相乗効果を発揮して「大きく稼ぐ」ことが必要

ファッション

キャラクター

コンテンツ

日本に対する

イメージup

製造業 食品業/農業

観光業 サービス業

• 家電や自動車等の日本製品の販売増等

• 日本製食材の輸出増

• 日本食外食チェーンの海外展開促進等

デザイン

伝統 工芸品等

クリエイティブ

産業の海外展開

/収益化

他産業への波及による

更なる経済効果の实現

• 外国人観光実の増加等

• 日本製サービス'美容、医療、教育等(の輸出促進

狙い

124

韓国コンテンツの海外展開の取り組み'再掲(

韓国は、「民と官」双方でコンテンツのグローバル展開戦略を推進。 コンテンツ・他産業の双方で各国におけるプレゼンスを増してきている

「民」によるコンテンツのグローバル展開

その結果、何が起こっているのか?

「官」によるグローバル展開の後押し

• 官として一貫した横串機関'コンテンツ振興院(による

コンテンツ振興策の立案・提供、トップセールス外交

• より直接的かつ焦点を絞ったコンテンツ海外展開支援

– グローバル展開を見据えたコンテンツの制作・翻訳、国際共同制作に対する手厚い資金支援

– コンテンツファンドへの出資、3D含む先端技術開発、映画祭会場の建設等における助成

– 4ヵ所の振興院海外事務所による現地情報の提供・

海外進出コンサルティング・市場リサーチの实施

• 海外進出を前提とした制作・プロモーションへの徹底注力

– グローバルで受けるためのコンテンツ作り込み

– TV等メディア枠の大々的な確保に向けた初期投資

– 現地でのライブ・イベント实施による直接プロモーション活動

• コンテンツのパワーを活かした他産業の海外進出後押し'コンテンツを「乗り物」として活用し、他産業で儲ける(

– ベトナムにおける例: LGグループ ドラマの版権をテレビ局に無償提供し、代償として放送 前後の広告枠を押さえ、出演俳優を化粧品CMの モデルに起用することで市場参入を果たした

各国における

韓国コンテンツの

普及進展・人気向上

他産業における

韓国製品のシェア拡大・

プレゼンス向上

「韓国」全般に対する

イメージの向上

出所: JETRO調査「韓国のコンテンツ振興策と海外市場における直接効果・間接効果の分析」、インタビュー、ローランド・ベルガー

125

一方、日本コンテンツについては、その潜在パワーを活かしきれて おらず、かつ他産業への波及効果も限定的にとどまっている

日本コンテンツの海外展開と他産業への波及における課題'再掲(

初期段階でのコンテンツ 露出への注力が限定的

対象国に対する知識が尐なく 内容・仕様が現地に非適合

適度な国内市場があるため 海外事業展開に対する

注力度が低い

違法コピーの流布があり 日本のような収益モデル

が見込めない

コンテンツの海外展開事業の 目指す絵姿がない

スポンサー企業目線での 版権管理体制が欠如

1

コンテンツ展開におけるノウハウが 蓄積されず、实行体制が脆弱

全体管理・プロデュース の機能が不足

ローカルでの 水先案内人が不在

展開が 場当たり的

メディアミックス が不十分

展開スピード が遅い

プロモーションツール

としての魅力がなく、

関連ビジネスに発展しない

2

効果的なコンテンツ露出が

できず、普及が進まない

ローカル対応

戦略・シナリオ

初期投資

権利管理体制

オーケストレーション

関連ビジネスでの投資回収 スキームを想定していない

日系コンテンツの 活用が進まない

収益の取りこぼし が発生

収益回収スキーム

権利使用料が高く 汎用性が低い

窓口が多岐に亘り 権利処理も煩雑

権利使用料を 高く設定

プライム枠は 抑えられない

ローカル言語に 対応していない

放送回数や尺 が合わない

柔軟な版権管理体制が欠如

権利管理体制

権利が複数社 に分散

権利取得プロセス が煩雑

出所: ローランド・ベルガー

126

コンテンツを核に海外で“大きく稼ぐ”ためには、コンテンツ普及促進に加え、多様なプレイヤーを巻き込んだ中長期シナリオ策定やオーケストレーション機能の担保等がカギ

他産業波及も見据えた展開シナリオとそれを支えるKSF

出所: ローランド・ベルガー

キラーコンテンツの

現地での普及促進

現地での日本文化

ブームの創出

日本来訪・インバウンド

需要の喚起

展開フェーズ

CM出稿/

プロダクト・プレースメント 関連グッズ・

コラボ商品の販売 フェア・イベントの開催 "面"での相乗

効果創出

キラーコンテンツを核とした他産業波及展開シナリオイメージ

コンテンツ

海外普及のKSF

他産業波及のKSF

普及初期での集中的な露出拡大投資

最適なメディアミックス 展開

地場制作会社との協働によるコンテンツローカライズ

国レベルでの文化交流・ 規制緩和の働きかけ

コンテンツ管理体制の 一元化

中長期展開シナリオ構築 シナリオ全体として投資 回収を实現するスキーム

オーケストレーション機能