ブラジル人出稼ぎ労働者問題 · ・移民の及ぼす経済的影響 三好博昭...
TRANSCRIPT
ブラジル人出稼ぎ労働者問題
東京外国語大学
フランス語専攻 ４年
飯沼 妙佳
Introduction
日本に多く在住するブラジル人…約２３万人
人数が多いので影響も大きいはず
卒論の目的
１ 移民動向の分析→移民政策への提言
２ 日本への影響
３ ブラジルへの影響（送金）
⇒
日本にもブラジルにもプラスの影響を
与えると結論づけたい
Model & Methods
＜移民動向分析＞
Ｙ＝Ｉ－Ｔ－Ｌ＋Ａ＋Ｐ＋Ｆ
Ｙ：人の国際的な移動の可能性
Ｉ：移住先と故国での所得差
Ｔ：旅費、入職コスト
Ｌ：移住先での生活費
Ａ：技術・技能・ノウハウの習得、帰国してから
それらを利用する可能性
Ｐ：政治・治安上の理由
Ｆ：既に移住している家族・親戚との合流という動機
Model & Methods
＜日本への影響＞
図１
＜ブラジルへの影響＞
ＣＤＩ（Commitment to Development Index
開発貢献度指標）を応用？
ＣＤＩとは・・・先進国が貧しい国の開発にどれくらい貢献する政策をとっているか計る指標
６分野（援助、貿易、投資、移民、平和維持、環境）
図１ 外国人労働者の経済効果
Ｄａｔａ
0
50
100
150
200
250
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
図２ 外国人登録者数の推移
その他
米国
フィリピン
ペルー
ブラジル
中国
韓国・朝鮮
２００８年からブラジル人は逓減傾向 法務省『外国人登録者統計』より作成
図４ ブラジル人労働者比率と一人当たり工業出荷額（地域別）
図３ 人口規模と外国人労働者比率の散布図
図５ 産業別就業者比率とその相関 （１）第二次産業
（２）第三次産業
第二次産業就業者率と日本人の配偶者等＋定住者数の関係
日本人の配偶者等＋定住者
第二次産業就業者数（％）
韓国・朝鮮 32,317 25.1
中国 97,248 48.6
ブラジル 146,598 65.8
フィリピン 85,923 41.5
ペルー 22,386 69.9
アメリカ 10,869 5.6
正の相関あり 平成17年国勢調査
により作成
図６
相関係数
日本人の配偶者等＋定住者 第ニ次産業就業率（％）
日本人の配偶者等＋定住者
1
第ニ次産業就業率（％）
0.537496293 1
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 100,000 200,000
第ニ次産業就
業率（％）
線形 (第ニ次産
業就業率（％）)
第三次産業就業者率と日本人の配偶者等＋定住者の関係
日本人の配偶者等＋定住者
第三次産業就業者数（％）
韓国・朝鮮 32,317 74.4
中国 97,248 48.2
ブラジル 146,598 33.9
フィリピン 85,923 56.5
ペルー 22,386 29.8
アメリカ 10,869 94.2
負の相関あり
図７
相関係数
日本人の配偶者等＋定住者 第三次産業就業率（％）
日本人の配偶者等＋定住者
1
第三次産業就業率（％）
-0.553175257 1
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
0 100,000 200,000
第三次産業就
業率（％）
線形 (第三次産
業就業率
（％）)
ブラジル人の就業による経済的な便益 （１）分布（サンプル数＝７１８）
最大でも約１．８％程度 それほど大きくない
Results & Analysis
• ブラジル人登録者数は逓減傾向にあるものの1991年～2010年で1.9倍の増加
• 地域分布の偏り
東海、北関東・甲信、北陸に多く住んでいる
→小規模都市に多く分布
• 第２次産業は正、第３次産業は負の相関
• ブラジルとペルーが同じ傾向を持っている
→日系移民、定住者が関係
参考文献
・都市別データによる外国人労働者の一考察 ー地域的な分布状況及び地域経済に与える影響ー 2009 河越正明 星野歩
・移民の及ぼす経済的影響 三好博昭 ・スペインの移民問題－中南米よりの移民動向分析ー渡部和男
・外国人労働者増加の経済効果の試算ー経済面でのプラス効果を踏まえ多面的な議論が必要ー2009 鈴木将之
・外国人労働者問題の現状 小川誠 ・地域データに基づく労働市場の需給ミスマッチの決定要因 長谷川理映