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グリーン水素ネットワーク モデルプロジェクト実行計画 【参考資料】

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Page 1: グリーン水素ネットワーク モデルプロジェクト実行計画 · 図3 水素社会の実現に向けたロードマップ パリ協定 3 の採択により、世界的に地球温暖化対策を積極的に進めていくことが合意されたことから、

グリーン水素ネットワーク

モデルプロジェクト実行計画

【参考資料】

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目次参考資料1 国や道の動向.................................................................................................1参考資料2 室蘭市のこれまでの取組み............................................................................... 7(1)室蘭市における水素関連の取組み経緯.......................................................................7(2)室蘭市における水素関連の取組み実施状況................................................................10参考資料3 室蘭市内の再生可能エネルギー・地域資源..........................................................15参考資料4 水素利活用の事例......................................................................................... 16参考資料5 全国の自治体出資の地域新電力........................................................................ 21

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参考資料1 国や道の動向

国は、将来のエネルギーの在り方や地球温暖化対策に向けた取組みについて、各種計画で示していま

す。将来のエネルギーの在り方として、「長期エネルギー需給見通し」では、2030 年度のエネルギー需

要における再生可能エネルギーの比率は13~14%、電源構成における再生可能エネルギーの比率は 22

~24%程度と想定しています。

出典)長期エネルギー需給見通し

図1 エネルギー需要

出典)長期エネルギー需給見通し

図2 電力需要・電源構成

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また、水素に関する将来の在り方としては、「水素・燃料電池ロードマップ」改訂版において、水素社

会の実現に向けて、「フェーズ1 水素利用の飛躍的拡大」、「フェーズ2 水素発電の本格導入/大規模

な水素サプライチェーン1の確立(2020)」及び「フェーズ3 トータルでのCO2フリー水素2供給シス

テムの確立」の3段階を設定しています。

出典)「水素・燃料電池ロードマップ」改訂版(平成28年 3月)

図3 水素社会の実現に向けたロードマップ

パリ協定3の採択により、世界的に地球温暖化対策を積極的に進めていくことが合意されたことから、

「地球温暖化対策計画」を閣議決定し、国の目標として、2030年度のCO2排出量は、基準年(2013 年

度比)の26%削減、2050年度は 80%削減と位置付けられています。

2017(平成 29)年 12月に「水素基本戦略」を策定しています。「水素基本戦略」では、エネルギー

需給を巡る構造的課題を整理し、水素の意義と重要性を示した上で、水素社会実現に向けた基本戦略と

シナリオを提示しています。

1 水素サプライチェーンは、水素の製造段階から消費者に届くまでの全プロセスの繋がりを指す。2 CO2フリー水素は、水素の製造段階において化石燃料を用いずに作られ、利用時に CO2が排出されない水素を指す。3 パリ協定は、COP21 において、2020(平成 32)年度以降の地球温暖化対策の枠組みを取り決めた国際的な協定のこ

とを指す。日本は 2016(平成 28)年 11月 8日に批准した。

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出典)「水素基本戦略(概要)」

図4 エネルギー需給を巡る構造的課題

出典)「水素基本戦略(概要)」

図5 水素の意義と重要性

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出典)「水素基本戦略(概要)」

図6 水素社会実現に向けた基本戦略

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出典)「水素基本戦略(概要)」

図7 水素社会実現に向けた基本戦略

出典)「水素基本戦略(概要)」

図8 水素基本戦略のシナリオ

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国の動きを踏まえ、北海道でも水素利活用に向けた計画等が策定しています。「水素サプライチェーン

構築ロードマップ」では、3段階に分けた水素サプライチェーン構築までの行程と、家庭用定置式燃料電

池(エネファーム)4(2030年に全世帯の1割程度)、燃料電池自動車(FCV)5(2030 年にストックベ

ース6で 9,000 台)の普及を目指す水準を設定しています。

出典)「北海道水素ロードマップ」ポイント

図9 北海道水素ロードマップの工程と目指す水準

4 家庭用定置式燃料電池(エネファーム)は、都市ガスや LP ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させ、

電気をつくり出すとともに、発電の際に発生する熱を捨てずにお湯をつくり給湯に利用するシステム。5 燃料電池自動車(FCV)は、燃料電池で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを

回して走る自動車。6 ストックベースは、ある一時点において利用されている量を指す。

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参考資料2 室蘭市のこれまでの取組み

(1)室蘭市における水素関連の取組み経緯

室蘭市は、鉄鋼業を中心に蓄積された高度な技術や人材、企業とともに、大学等の研究開発機関

を持つ「ものづくりのマチ」として発展してきましたが、その中で、地域の企業等が水素そのもの

や水素エネルギーに関連する研究や技術開発、製品化等も進められてきた歴史を有しています。

また、産学官民が連携した研究や実験、普及等にも取り組んできた経緯があり、平成15(2003)

年には産学官で連携した「室蘭地域水素利用タウン研究会」が発足し、シンポジウムやフォーラム

を開催するほか、平成 21(2009)~平成 22(2010)年には、室蘭工業大学と室蘭市が協力しな

がら、水素バス等の走行実験が実施されてきました。

平成 23(2011)年には、地域の企業や大学、国や道を含めた公共団体、NPOが参画して、「室蘭

地域環境・エネルギーフロンティア」7が発足し、平成 25(2013)年には新たに自治会が参画し、

低炭素社会に向けた地域の環境・エネルギーのあり方などについて、情報共有や事業検討等が進め

られてきました。

このような状況の中で、世界的に地球温暖化対策の必要性が高まり、また、東日本大震災の発生

をきっかけに地域におけるエネルギー問題への対応が求められるようになり、室蘭市では、地域で

エネルギーを創り利用するネットワークの構築により、地域の自立性、経済の活性化、災害時の防

災機能の強化などが期待できる新たな低炭素都市形成につながるエネルギー構想が必要として、「室

蘭地域環境・エネルギーフロンティア」において検討を進め、平成26(2014)年度に、「環境産業

の推進」・「地域経済の活性化」・「低炭素なまちづくり」の実現を目指した「室蘭グリーンエネルギ

ータウン構想」を策定しました。

「室蘭グリーンエネルギータウン構想」では、地元企業や研究機関等の技術の実装や新技術の開

発、省エネルギー対策の推進などにより、再生可能・未利用エネルギーや水素エネルギーなどクリ

ーンエネルギーの地産地消を実現することを目指しています。

7 室蘭地域環境・エネルギーフロンティアは、低炭素社会に向けた新しい地域の環境・エネルギーの在り方、トレンド及

びこれに関する周辺技術に関する情報獲得、勉強会、情報交換、事業の取組みなどを行い、その成果を地域ものづくり企

業などにオープンにし、低炭素化への取組みの広がりを誘発するとともに、最終的には産学官民のネットワークを活用し

た技術開発、実証試験、共同研究等に繋げ、その先の新たな環境産業の創出を含めた地域振興に寄与することを目指した

産官学民が参加する研究会。

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「室蘭グリーンエネルギータウン構想」では、当面の目標として、グリーンエネルギー導入量を、

平成24(2012)年度に比べて、平成 32(2020)年度に2倍の 200TJ(テラジュール)8に増加す

ることとし、そのうち水素エネルギーについては、FCVなどへの供給により約 0.3TJ に増加させる

ことを目標としています。

図10 室蘭グリーンエネルギータウン構想におけるグリーンエネルギー導入量の当面の目標

また、平成 32(2020)年度の目標達成に向けて、特に優先的に導入を進めていく取り組みや早

期に技術開発に着手すべき取組みについては、モデルプロジェクトと位置づけて、積極的に進める

こととしています。水素については、以下のモデルプロジェクトについて推進しています。

8 TJ(テラジュール)は、1J(ジュール)の 1,000,000,000,000 倍。なお、1J は、およそ 102.0 グラムの物体を 1 メ

ートル持ち上げる時の仕事に相当する。

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■再生可能エネルギー等由来の水素製造と地域での水素エネルギーの供給(水素ステーションの整備)、

水素エネルギーの利用(FCVや燃料電池の導入)を一体的に実施するモデル事業

モデルプロジェクト概要

・市内の再生可能・未利用エネルギー由来の水素製造、貯蔵、供給、利用のネットワークを確立

・水素社会の実現に向けたモデルを確立し、市民及び道民への情報発信

再生可能エネルギー

水電解装置風力発電

電気

副生水素燃料電池

自動車

再生可能エネルギー由来水素

燃料電池太陽光発電

水素ネットワーク小水力発電

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(2)室蘭市における水素関連の取組み実施状況

ア 水素サプライチェーンの構築に向けた機材等の導入

水素利活用に関する各種機材が導入されています。

(平成30年2月末現在)

区分 項目 取組状況実施主体

行政 民間

貯蔵

供給

移動式

水素

ステー

ション

・平成27(2015)年度に、道内で初めて商業

ベースとして 1台を導入

・苛性ソーダの製造過程で発生する副生水素

を供給

室蘭市 エア.ウォーター

(運営・管理委託)

利用 FCV ・平成 27(2015)年から平成 29年(2018)

年にかけて、社用・公用車として導入

室蘭市

伊達市

北海道庁

新日鉄住金室蘭製鐵所

室蘭商工会議所

・普及啓発イベントや災害時対応などでの電

源として利用

室蘭市

北海道庁

室蘭商工会議所

・企業・団体等への貸出 室蘭市 室蘭商工会議所

エネ

ファーム

・平成 28(2016)年度に入江運動公園温水

プールに 6基を導入、施設の一部の電灯、

プールの保温に利用

・避難所として停電時でも電気と熱を供給可能

室蘭市

・平成28(2016)年度に、小学校跡地を利用

した分譲地において、10棟からなるエネフ

ァーム街区(一体的な導入は道内初)を整備

内池・川田・住まいのウ

チイケ・宇佐美武楊開発

共同企業体

コークス

炉ガス

・製鉄過程で発生する多量の水素を含むコー

クス炉ガスは製鐵所内の発電所で利用

新日鐵住金室蘭製鐵所

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室蘭市移動式水素ステーションと FCV 水素充填作業

伊達市 FCV納車式 北海道庁 FCV納車式

入江運動公園温水プールとエネファーム

武楊の杜エネファーム街区

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イ 普及啓発・情報発信等

水素利活用の理解促進に向け、室蘭市では、平成 28(2016)年度以降、関係機関や企業、団

体と連携して普及啓発のイベントを開催し、市民・事業者への情報発信などに取り組んでいます。

水素ステーションと FCV(市・室蘭商工会議所)展示 企業イベントでの FCV 展示

こども一日市長の FCV試乗 水素充填見学会

こども向け水素セミナー 災害時 FCV給電協定(市・室蘭商工会議所)

FCV給電による地域 FM放送 FCV給電による映画撮影

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ウ FCVの貸出

室蘭市及び室蘭商工会議所では、初期段階として導入が期待できる企業や団体等への普及啓発

を目的に、FCVの貸出事業を実施しています。

エ 水素利用機器の導入支援

室蘭市では、家庭へのエネファームの導入を促進するため、「省エネルギー住宅普及推進助成金」

を創設・運用しています。

また、内池・川田・住まいのウチイケ・宇佐美武楊開発共同企業体では、武楊の杜エネファー

ム街区におけるエネファームの導入補助を実施しています。

実施主体 室蘭市 室蘭商工会議所

貸出車両 トヨタ MIRAI 1 台 トヨタ MIRAI 1 台

貸出期間 1週間以上2週間以下

貸出対象 市内に事業所を有する法人(市税等滞納法

人、暴力団、宗教法人及び政党等を除く)

室蘭商工会議所会員

貸出料金 無 料(水素の充填料金は借受者負担)

貸出条件 ①室蘭グリーンエネルギータウン構想へ

の賛同

②貸出事業要領への同意

③最低1回の水素充填

④運転者は借受法人の従事者(21 歳以上

70歳未満・免許取得3年以上)

①貸出事業要領への同意

②最低 1回の水素充填

③運転者は借受法人の従事者(21歳以上)

対 象 自宅にエネファームを新設、エネファームを設置した住宅を新

築、又は、エネファームを設置した建売住宅を購入する場合

条 件 省エネ機器の導入と普及啓発への協力

補助額 定額 15万円

対 象 街区内にエネファーム及びHEMSを取り入れた住宅を新築する場合

補 助 額 定額 100 万円

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オ 水素関連産業の創出支援

(公財)室蘭テクノセンターは、水素関連産業部品の供給基地となること及び研究開発を目的とし

た「水素関連産業参入プラットフォーム構築事業」を実施しています。

カ 水素関連資機材の製造・研究開発

水素の供給や需要などの拡大に向け、室蘭市内及び周辺地域において、自治体や企業・経済団体、

大学などが、水素の供給や貯蔵、利用に係る資機材の開発・製造に取り組んでいます。

(ア)水素サプライチェーンの構築に向けた機材等の製造

目 的 高度な「切削」加工技術等を有する市内中小企業と関係機関からなるプラットフ

ォームを構築し、水素関連産業の部品供給基地となることを目指して、水素ステ

ーションの継手部品や水素関連産業で必要とする部品などの市場への参入

事業内容 室蘭テクノセンターのコーディネーターとコンサルティングエンジニアを中心

に、水素関連産業へ参入意欲のある市内企業連合と発注企業との技術開発や商

談、先進企業視察などを実施

区分 項目 取組状況 実施主体

供給 小規模水素ステ

ーション向け

パッケージユニ

ット

小規模水素ステーション向けの鋼製蓄圧

器と小型ダイヤフラム圧縮機をコンパク

トに組み合わせたパッケージユニット

日本製鋼所

貯蔵 水素ステーショ

ン用鋼製蓄圧器

高強度鋼を選定、高耐久化

加工技術を確立、コストを

大幅に削減した 300L 鋼製

蓄圧器を商用化

日本製鋼所

MHタンク 水素吸蔵合金「ハイドレージ TM」を用いた低圧・安全な水素

貯蔵容器

日本製鋼所

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(イ)水素サプライチェーンの構築に向けた機材等の研究開発

参考資料3 室蘭市内の再生可能エネルギー・地域資源

室蘭市におけるグリーン水素供給のポテンシャルは、風力発電や太陽光発電、バイオマス発電、

消化ガス等の再生可能エネルギー由来と、副生水素等の地域資源由来があります。

<室蘭市内における主な再生可能エネルギー・地域資源>

区分 項目 取組状況実施主体

行政 民間

製造 放電プラズマを用い

たバイオガスからの

水素製造

家畜の排泄物などから発生させたバイ

オガス中で、自然エネルギーを利用し

て気体放電プラズマを発生させ高品質

エネルギーである水素を精製する研究

室蘭工業大学

供給 水素ステーション用金

属製フレキシブルディ

スペンサーホース

耐水素脆性などに優れる高圧水素用金

属材料のシームレス管からフレキシブ

ルチューブを成形する技術を開発

室蘭テクノ

センター

トーフレ

貯蔵 高性能水素吸蔵合金 水素吸蔵合金の性能向上に向けた研究 室蘭工業大学

水素製造

方法種類 施設名 規模

再生可能エネルギー由来

電気分解 太陽光発電施設

(50kW以上)

入江太陽光発電所 50kW

いちご室蘭八丁平ECO発電所 1,240kW

室蘭ソーラーウェイ 1,462kW

風力発電施設

(1,000kW以上)

祝津風力発電所 1,000kW

茶津第1風力発電所 1,950kW

茶津第二風力発電所 1,500kW

バイオマス

発電施設

蘭東消化ガス発電所 103kW

室蘭バイオマス発電所 74,900kW(2020年稼動予定)

ガス改質 バイオガス 蘭東下水処理場 ※消化ガス発電に利用中

地域資源由来

電気分解 廃棄物利用発電 西胆振地域廃棄物広域処理施設 1,980kW

コークス炉ガス

発電施設

新日鐵住金 ※施設内で利用中

ガス改質 コークス炉ガス 新日鐵住金 ※発電に利用中

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参考資料4 水素利活用の事例

全国各地で、水素の利活用に関する取組みが進んでいます。

図 11 事例マッピング

創る

貯める・運ぶ

使う

要素技術 導入事例 サプライチェーン

蓄圧タンク液体水素タンク

水電解水蒸気改質アルミ系廃棄物

定置式燃料電池運輸分野燃料電池

• コンビニ• 工場• ホテル• 駅 等

• 京浜臨海部での低炭素水素活用実証プロジェクト

• 使用済プラスチック由来低炭素水素を活用した地域循環型水素地産地消モデル実証事業

• 苛性ソーダ由来の未利用な高純度副生水素を活用した地産地消・地域間連携モデルの構築

• 家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業

• 小水力由来の再エネ水素の導入拡大と北海道の地域特性に適した水素活用モデルの構築実証

• 宮城県富谷市での水素サプライチェーン構築実証

• 苫前町でのP2G実証事業

• 余剰再生可能エネルギー電力による水素製造

• 下水処理場の消化ガスからの水素製造

■再エネの出力変動を水素で平準化する技術研究

【概要】

出力変動のある再エネの大量導入時に発生する系

統での諸問題の対処法として、水素を用いた技術

研究を実施。

東北電力の研究開発センター(仙台市青葉区)の

建物屋上に約50kWの太陽光発電設備を設置。

発電された電力から水電気分解装置によって 1時

間あたり約 5N㎥の水素を製造。

水素は吸蔵合金、および気体をタンクに加圧封入

し 200 N㎥あまりを貯蔵。

水素は出力約10kWの燃料電池に供給し発電。

これらの水素製造・貯蔵・利活用までの一連の装

置をパッケージ化。

【イメージ】

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■アルミ系廃棄物からの水素製造実証

【概要】

医療系包装紙やアルミ箔付き紙パックなどのア

ルミ系複合材からの水素製造実証。

水素発生フロー

①パルパー型と呼ばれる高性能の遠心分離機での

パルプ成分取り出し。

②残ったアルミ付きプラスチックを乾留炉で加

熱・蒸し焼き。ガス+オイルと高純度アルミに分

離。

③回収したアルミと水酸化ナトリウム水溶液に触

媒を加えたアルカリ溶液を反応させ水素を発生

【イメージ】

■下水バイオガスからの水素製造

【概要】

福岡市中部水処理センター内の水素ステーション

で、そのバイオガスから生成した水素の、燃料電

池自動車(FCV)へ供給

【イメージ】

■コンビニにおける水素利活用事例

【概要】

コンビニエンスストアと水素ステーションを併

設。

作動燃料として水素を直接使用する「純水素型」

の燃料電池システムが実証運転として設置。

【イメージ】

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■工場における水素利活用事例

【概要】

金属部品の冶金・焼結などの工程で電気を大量

に消費する 24 時間稼働の工場(ポーライト熊谷

第二工場)に、24 時間連続稼働する SOFC9から

電気を供給。工場内の電力需要の約6割を燃料電

池の電力で供給。

出力は250kWで、発電効率は60%。

【イメージ】

■ホテルにおける水素利活用事例

【概要】

日照時間が長い夏季に太陽光発電で発電した

電気の余剰電力を利用し、水素製造装置で

水素を製造しタンクに貯蔵。冬季にその貯蔵

した水素を利用して、燃料電池で発電する。

水素のエネルギー長期貯蔵能力を活かし、

再エネと併せて年間を通じてH2Oneから

ホテル 1棟分の電力量を供給。

水素の貯蔵方法として、気体としてタンクに

貯蔵(コンテナ 2個分の体積)する川崎での

実証モデルと比べて、水素吸蔵合金を用いる

ことで貯蔵タンクのサイズを 1/10以下に小型化

【イメージ】

■北九州水素タウン

【概要】

工場で製造した水素をパイプラインで市街地に供給し、一般家庭・商業施設・公共施設のエネルギー

(純水素型燃料電池)として本格的に利用するコミュニティレベルでの実証。

【イメージ】

パイプライン

北九州水素ステーション

いのちのたび博物館

水素燃料電池実証住宅

エコクラブハウス

燃料電池アシスト自転車

エコハウスホームセンター

燃料電池フォークリフト

100kW燃料電池1台

1kW燃料電池8台

1kW燃料電池2台1kW燃料電池1台3kW燃料電池1台1kW燃料電池1台

パイプライン

北九州水素ステーション

いのちのたび博物館

水素燃料電池実証住宅

エコクラブハウス

燃料電池アシスト自転車

エコハウスホームセンター

燃料電池フォークリフト

100kW燃料電池1台

1kW燃料電池8台

1kW燃料電池2台1kW燃料電池1台3kW燃料電池1台1kW燃料電池1台

パイプライン

パイプライン

ホームセンター1kW 燃料電池 1台

北九州水素ステーション3kW 燃料電池 1台

エコハウス1kW 燃料電池 1台

いのちのたび博物館100kW 燃料電池 1台

水素燃料電池実証住宅1kW 燃料電池 7台

エコクラブハウス1kW 燃料電池 2台

9 SOFCは、固体酸化物形燃料電池のことで、高温の固体電解質を用いた燃料電池のことを指す。

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■京浜臨海部での低炭素水素活用実証プロジェクト

【概要】

風力発電等により製造した水素を、簡易な移動式水素充填設備を活用したデリバリーシステムにより

輸送し、地域の倉庫、工場や市場内の燃料電池フォークリフトで利用

【イメージ】

■小水力由来の再エネ水素の導入拡大と北海道の地域特性に適した水素活用モデルの構築実証

【概要】

小水力発電により製造した水素を、高圧水素トレーラーや高圧水素カードル10により輸送し、地域内の

酪農施設や温水プールの定置用燃料電池や燃料電池自動車等で利用

【イメージ】

10 カードルは、ガスを大量に使用することを目的に、多数の中形容器を枠組みし、固定した供給装置のことを指す。

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■宮城県富谷市での水素サプライチェーン構築実証

【概要】

太陽光発電により製造した水素を、水素吸蔵合金やみやぎ生活協同組合の既存物流網を活用して輸送

し、地域内の協同組合店舗や一般家庭に設置する定置用燃料電池に供給し、利用

【イメージ】

■仙台市茂庭浄水場での電力・水素複合エネルギー貯蔵システム実証

【概要】

太陽光発電の電力を水素システムと蓄電システムで貯める「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」

を開発。

通常時の太陽光電力の有効利用と非常用電源としての機能を合わせ持つシステム。水素システムを活

用することで、非常時に必要となる 3日分のエネルギーを省スペースで貯蔵できるほか、非常時でも

太陽光発電から水素を生成することで、外部燃料調達なしでも運転を継続できるとともに、通常時に

は、太陽光の活用と水素貯蔵により、ろ過砂洗浄11などの負荷平準化12やピークカット・シフト13が可能。

【イメージ】

11 ろ過砂洗浄は、水の浄化に用いられるろ過砂を清浄に保つために定期的に実施される洗浄のことを指す。12 負荷平準化は、時間帯や季節ごとに生じる電力需要格差を縮小する取組みのことを指す。13 ピークカット・シフトは、機器の運転・稼働によってできる電力需要のピークを低く抑えるように電力消費を制御する

ことピークカットと言い、貯蔵した電力や発電等によりピークを別の時間帯に移すことをピークシフトと言う。

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参考資料5 全国の自治体出資の地域新電力

全国では、自治体出資の地域新電力が複数立ち上がり、自治体が関与した地域での電力利用が進んで

います。

図12 全国の自治体出資の地域新電力

■純水素型コージェネレーションシステム

【概要】

災害時等により電力等が停止したとき、電気、お湯、飲料水が確保できるシステム

純水素型燃料電池に加え、太陽光発電(5.76kW程度)、蓄電池(15.6kWh)、貯水機能付き給水管(タ

ンク1.5m3)、エコキュートが組み合わされている

【イメージ】

出典)広報やおつ平成 29年 4月号