コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション...

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インプラントとアバットメント コネクションの重要性

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Page 1: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

ストローマン・ジャパン株式会社〒100-0005 東京都千代田区丸の内 1-7-12 サピアタワー 16階

[コールセンター ]TEL.0120-418-995 FAX.0120-418-089TEL受付時間 : 平日9:00~17:30

本文またはその一部をInstitut Straumann AGの書面による許可なくして複製または発行することはできません。Straumann® および他の商標とStraumann® のロゴは、Straumann Holdings AGおよびその関連会社の商標および登録商標です。

www.s t raumann. jp

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インプラントとアバットメント

コネクションの重要性

Page 2: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

「インプラント修復の成功」 カギを握るのはアバットメントコネクション

本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

アバットメントのコネクションの重要性について説明します。

歯科医師、歯科技工士が歯科修復の技術に熟練しているこ

とが大前提ですが、その技術をもって高品質の製品を使用する

ことにより、予知性の高い治療成績を得ることが可能となります。

歯科医師がインプラント埋入の技術を有していること、また、歯

科技工士が補綴修復物設計の経験と知識を備えていることが、

インプラント治療を成功させるうえで最も重要な要素となります。

インプラントのオッセオインテグレーションが良好に進み、骨

および軟組織に有益な効果が得られるようになっただけでは、

インプラント治療の成功とは言えません。成功の大部分、特に

審美性、QOLおよび患者満足度は補綴コンポーネントに依存し

ます1。その中でも、インプラントとアバットメントのコネクション

は、長期的安定性と修復の成功における大切な要素です2,3。

本書では、インプラントとアバットメントのコネクションを、

安定性、強度、操作性、生物学的および臨床的側面の観点から

説明します。

ストローマンは、均衡のとれたコネクションのデザイン、選び

抜かれた材料、確実かつ先端の製造技術、厳しい品質管理に

加えて、長年培った経験により信頼性の高い補綴コンポーネント

を提供し、患者様および歯科医師の方々から信頼を得ています。

マテリアルとその特徴

補綴コンポーネントでは、使用するマテリアルが重要な役割を果た

します。アバットメント、スクリューおよびインプラントに安全

かつ革新的なマテリアルを用いることにより、充分な疲労強度を

備えた補綴コンポーネントが形成されます。そのため、パーツに

最も適した特性を持つマテリアルを選択することが不可欠で

あり、マテリアルが高品質であることが絶対条件となります。

ストローマンは、極めて高い基準を誇る品質システムを導入して

おり、製造工程で用いる原材料に対しては徹底した検査を実施

しています。このため、厳しい社内基準を満たした高品質のマテ

リアルだけが使用されるようになっています。

公差(機械工学において許容される差)インプラントとアバットメントのコネクションに対しては、アバット

メント、スクリューおよびインプラントのデザインだけでなく、

公差も大きな影響を及ぼします。公差は、規格寸法を前後する

寸法の物理的なばらつきの許容限界、または限界を意味します。

例えば、寸法公差は2つのコンポーネントを接続した際に生じる

空間を示します(例:下記のようにアバットメントの外形とインプ

ラントの内径によりその空間が決まる)。わずかな公差は、一定

の範囲内ではあるものの形状を左右します。

パーツの理想的な結合と機能には、適度な公差のあるデザイン

と高精度の製造技術が不可欠です。アバットメント、スクリュー

およびインプラントそれぞれの性能に合わせて公差を調整する

ことで、これらのパーツの正確なフィットが達成されます。

良好な機能を維持していくためには、公差を適切に設定する

必要があります。ストローマンインプラントに使用するアバット

メントおよびスクリューは、それらが一体となって目的の機能が

長期に維持できるように設計されており、厳格な生産管理と検査

を経た製品だけが供給されています。

公差を互いに調和、調整することにより、荷重負荷に関わらず

インプラントに対してアバットメントの位置が極力ずれないように

しているため、コネクションでの摩耗が抑えられ、安定性が維持

されます。公差がインプラントとアバットメントのコネクション

の使用状況に合っていないと、修復物の安定性および耐久性

に悪影響を及ぼす可能性があります。他社製品はストローマン

製品の公差を考慮していないため、ストローマンは当社の併用

パーツのみを使用することを推奨しています。ストローマン製品

を他社製品と併用した場合、ストローマンが提供する保証は

すべて無効となります。

デザイン

コネクションデザイン荷重のかかる面の形状は極めて重要です4,5,6,7。ストローマンの

インプラントとアバットメントは、コネクション部で密着するよう

に、かつ側方からの力に対して耐性があるようにデザインされ

ています15。コネクション部をコニカル形状にすることにより、

アバットメントからインプラントへの荷重分布6,7および接合

状態が良好となり、さらにアバットメントの固定が確実で、マイ

クロギャップが生じないデザインになっています15。

他に応力が分散され、インプラント、アバットメントおよびそれ

ぞれのスクリュー内で応力が集中する部位ができないように

なっていることもコニカル形状の特長です6,7。

荷重負荷面の形状だけでなく、インプラント内のパーツの結合

も大きな影響を及ぼします3。

例えば、Straumann® ボーンレベル インプラントに用いられている

CrossFit® コネクション(下図)はセルフガイディング構造をもち、

荷重負荷時には理想的なインプラントへの荷重分布を与えるよう

に設計されています。

Straumann® ティッシュレベル インプラントに適合するsynOcta®

アバットメントは、装着時に8角がガイダンスとなり、また、荷重

負荷時には荷重を吸収しコーピングの移動を最小限に抑える

ように設計されています。

コネクション用パーツ間でデザインを調和させることは極めて

重要です。修復物は最も弱い結合に左右されるため、インプ

ラントのみ、またはアバットメントのみに注目するのではなく、

修復物全体を視野に入れて機能および寸法をデザインすること

が非常に重要です。アバットメント、スクリューおよびインプラ

ントそれぞれのデザインを調和させることにより、適切な強度

かつ修復物全体への荷重分布が達成され6,7、安定性および耐久

性の向上を実現するために設計されたコネクションに更なる

強度と信頼性を与えることができます。コンポーネントは正確に

フィットし、理想的な荷重分布が得られるように製造されている

ため、骨頂と長期の審美性維持が確実になります2。他社製品は

ストローマン製品の寸法や機能を考慮していないため、ストロ

ーマンは当社のパーツのみを使用することを推奨しています。

最小 最大

2つのコンポーネントを接続した際に生じる最大/最小のすき間 コニカル

インターフェイス

最大最小

最大最小

Page 3: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

「インプラント修復の成功」 カギを握るのはアバットメントコネクション

本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

アバットメントのコネクションの重要性について説明します。

歯科医師、歯科技工士が歯科修復の技術に熟練しているこ

とが大前提ですが、その技術をもって高品質の製品を使用する

ことにより、予知性の高い治療成績を得ることが可能となります。

歯科医師がインプラント埋入の技術を有していること、また、歯

科技工士が補綴修復物設計の経験と知識を備えていることが、

インプラント治療を成功させるうえで最も重要な要素となります。

インプラントのオッセオインテグレーションが良好に進み、骨

および軟組織に有益な効果が得られるようになっただけでは、

インプラント治療の成功とは言えません。成功の大部分、特に

審美性、QOLおよび患者満足度は補綴コンポーネントに依存し

ます1。その中でも、インプラントとアバットメントのコネクション

は、長期的安定性と修復の成功における大切な要素です2,3。

本書では、インプラントとアバットメントのコネクションを、

安定性、強度、操作性、生物学的および臨床的側面の観点から

説明します。

ストローマンは、均衡のとれたコネクションのデザイン、選び

抜かれた材料、確実かつ先端の製造技術、厳しい品質管理に

加えて、長年培った経験により信頼性の高い補綴コンポーネント

を提供し、患者様および歯科医師の方々から信頼を得ています。

マテリアルとその特徴

補綴コンポーネントでは、使用するマテリアルが重要な役割を果た

します。アバットメント、スクリューおよびインプラントに安全

かつ革新的なマテリアルを用いることにより、充分な疲労強度を

備えた補綴コンポーネントが形成されます。そのため、パーツに

最も適した特性を持つマテリアルを選択することが不可欠で

あり、マテリアルが高品質であることが絶対条件となります。

ストローマンは、極めて高い基準を誇る品質システムを導入して

おり、製造工程で用いる原材料に対しては徹底した検査を実施

しています。このため、厳しい社内基準を満たした高品質のマテ

リアルだけが使用されるようになっています。

公差(機械工学において許容される差)インプラントとアバットメントのコネクションに対しては、アバット

メント、スクリューおよびインプラントのデザインだけでなく、

公差も大きな影響を及ぼします。公差は、規格寸法を前後する

寸法の物理的なばらつきの許容限界、または限界を意味します。

例えば、寸法公差は2つのコンポーネントを接続した際に生じる

空間を示します(例:下記のようにアバットメントの外形とインプ

ラントの内径によりその空間が決まる)。わずかな公差は、一定

の範囲内ではあるものの形状を左右します。

パーツの理想的な結合と機能には、適度な公差のあるデザイン

と高精度の製造技術が不可欠です。アバットメント、スクリュー

およびインプラントそれぞれの性能に合わせて公差を調整する

ことで、これらのパーツの正確なフィットが達成されます。

良好な機能を維持していくためには、公差を適切に設定する

必要があります。ストローマンインプラントに使用するアバット

メントおよびスクリューは、それらが一体となって目的の機能が

長期に維持できるように設計されており、厳格な生産管理と検査

を経た製品だけが供給されています。

公差を互いに調和、調整することにより、荷重負荷に関わらず

インプラントに対してアバットメントの位置が極力ずれないように

しているため、コネクションでの摩耗が抑えられ、安定性が維持

されます。公差がインプラントとアバットメントのコネクション

の使用状況に合っていないと、修復物の安定性および耐久性

に悪影響を及ぼす可能性があります。他社製品はストローマン

製品の公差を考慮していないため、ストローマンは当社の併用

パーツのみを使用することを推奨しています。ストローマン製品

を他社製品と併用した場合、ストローマンが提供する保証は

すべて無効となります。

デザイン

コネクションデザイン荷重のかかる面の形状は極めて重要です4,5,6,7。ストローマンの

インプラントとアバットメントは、コネクション部で密着するよう

に、かつ側方からの力に対して耐性があるようにデザインされ

ています15。コネクション部をコニカル形状にすることにより、

アバットメントからインプラントへの荷重分布6,7および接合

状態が良好となり、さらにアバットメントの固定が確実で、マイ

クロギャップが生じないデザインになっています15。

他に応力が分散され、インプラント、アバットメントおよびそれ

ぞれのスクリュー内で応力が集中する部位ができないように

なっていることもコニカル形状の特長です6,7。

荷重負荷面の形状だけでなく、インプラント内のパーツの結合

も大きな影響を及ぼします3。

例えば、Straumann® ボーンレベル インプラントに用いられている

CrossFit® コネクション(下図)はセルフガイディング構造をもち、

荷重負荷時には理想的なインプラントへの荷重分布を与えるよう

に設計されています。

Straumann® ティッシュレベル インプラントに適合するsynOcta®

アバットメントは、装着時に8角がガイダンスとなり、また、荷重

負荷時には荷重を吸収しコーピングの移動を最小限に抑える

ように設計されています。

コネクション用パーツ間でデザインを調和させることは極めて

重要です。修復物は最も弱い結合に左右されるため、インプ

ラントのみ、またはアバットメントのみに注目するのではなく、

修復物全体を視野に入れて機能および寸法をデザインすること

が非常に重要です。アバットメント、スクリューおよびインプラ

ントそれぞれのデザインを調和させることにより、適切な強度

かつ修復物全体への荷重分布が達成され6,7、安定性および耐久

性の向上を実現するために設計されたコネクションに更なる

強度と信頼性を与えることができます。コンポーネントは正確に

フィットし、理想的な荷重分布が得られるように製造されている

ため、骨頂と長期の審美性維持が確実になります2。他社製品は

ストローマン製品の寸法や機能を考慮していないため、ストロ

ーマンは当社のパーツのみを使用することを推奨しています。

最小 最大

2つのコンポーネントを接続した際に生じる最大/最小のすき間 コニカル

インターフェイス

最大最小

最大最小

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骨頂レベルで露出するインプラント軟組織レベルで露出するインプラント

水平的オフセット(プラットフォームシフティング)

垂直的オフセット

ベーサルスクリュー/オクルーザルスクリューデザインスクリューのデザインは、コネクションの安定性および長期信頼

性を大きく左右します9。スクリューヘッドとアバットメントと

の接合面デザインをコニカル形状にして表面積を増加させること

で、スクリューの回転を抑えることができます。これにより、スク

リューが緩む可能性が最小限に抑えられるようになりました9,10。さらに、接合パーツ間の締め付け力が最適となるように、

スクリュー結合面の傾きとインプラントおよびアバットメント

(チタン製アバットメントでのみ対応)の接合面(コネクション)

の傾きが平行になるように設計されています。

スクリューは、締め付けの際にかかる軸荷重にも耐える必要が

あります。すなわち、スクリューが緩んだり破損したりしない

ように、デザインから得られる機能と寸法上の要件のバランスを

取ることが重要です。

サーフェイスの質コンポーネントそれぞれの接触面が研磨面の場合、接合面が

密着し摩耗が抑えられます11。その結果、摩耗の少ない安定した

コネクションが得られます。研磨面は摩耗による破片の発生を

(最小限に)抑えることが可能です11。

操作性

装着操作の容易さも、歯科医師(インプラント上での補綴コンポー

ネントの装着に際して)および歯科技工士(マスター模型上での

修復物の装着に際して)にとって重要です。装着の際には、良好

なガイダンスと手ごたえで確認できること(装着完了時)が必要

です。容易に装着することができれば時間の節約になり、視認

性が低いという問題を補い、また補綴コンポーネントの適合確

認のためにX線撮影をする必要がなくなります。患者様の口腔内

の視認性は限られていることから、この点は歯科医師にとって

大きなメリットとなります。

デザインのポイントのひとつとして、下図の緑線で示した接合面

をもつことで、アバットメントがインプラント内で回転できない

ようになっています。そのため、正しい方向での装着が可能となり

ます。この機能により、正確な方向、正確なアバットメント設置、

および補綴物とインプラントの安定した接合が得られます。

生物学的側面

患者様の口腔衛生状態は生物学的に重要な側面であり、修復

の成功に影響を及ぼす可能性があります16。インプラントとア

バットメントのインターフェイスが骨の成長や周囲の軟組織の治

癒に対してどのように影響を及ぼすかは、修復の成功を決める

重要な要素です14。例えば、寸法や公差が調整されていないこと

が原因で生じたインプラントとアバットメント間のギャップは、

細菌の侵入および細菌が溜まる原因となる可能性があります。

これは、将来的に治療の成功に影響を及ぼすと考えられます12。

生物学的幅径前述したように、コネクションの優れたデザインにより細菌汚染

の原因となるマイクロギャップへの細菌の侵入が抑えられます8。

生物学的な距離、すなわち歯槽骨頂からマイクロギャップまでの

距離(インプラントとアバットメントのコネクションの面上にある

ポイント)は、アバットメントおよびインプラントをデザインする

上で大きな役割を果たします8。生物学的な距離はできるだけ

大きく取る必要があり12,13、従ってコネクションの位置はできる

だけ骨から遠ざけなければなりません。これは、軟組織レベルで

露出するインプラントデザイン(垂直的オフセット)では達成

可能であり、骨頂レベルで露出するインプラントでは、いわゆる

プラットフォームシフティング(内部コネクションによる水平的

オフセット)により達成することができます。

上記の要件を満たす設計により細菌の侵入を回避でき、細菌汚

染ならびにそれに伴う炎症および骨喪失の回避を実現すること

が重要なポイントとなります14,15。

ストローマンのインプラントとアバットメントは、コニカル形状

の結合面に対して特定の公差を持つように設計されているため

(インプラントとアバットメントの荷重負荷および接合面)、コネ

クションがきつく密着しマイクロギャップが生じないようになっ

ています15。

マテリアルの生体適合性マテリアルの生体適合性と他の材料との適合性もまた重要です。

修復パーツの生体適合性は、患者様の有害組織反応ならびに

骨および軟組織の炎症に影響を及ぼすと考えられています。

アバットメント、スクリュー、インプラントなどのコンポーネント

はそれぞれ接触するため、材料同士の適合性が重要です。異なる

材料からなるパーツが結合すると、電食(電気化学的腐食)の引

き金となる可能性があります17。電食は、電解液(例:唾液)存在

下で2種類以上の異なる金属が接触すると引き起こされるプロ

セスです。金属表面から生じた腐食生成物は周囲の骨および

軟組織を汚染し、患者様の口腔内に漏れ出す可能性があります17。

ストローマンは生体適合性の検証を行った材料のみを使用して

います。

コニカルインターフェイス

平行サーフェイス

Page 5: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

骨頂レベルで露出するインプラント軟組織レベルで露出するインプラント

水平的オフセット(プラットフォームシフティング)

垂直的オフセット

ベーサルスクリュー/オクルーザルスクリューデザインスクリューのデザインは、コネクションの安定性および長期信頼

性を大きく左右します9。スクリューヘッドとアバットメントと

の接合面デザインをコニカル形状にして表面積を増加させること

で、スクリューの回転を抑えることができます。これにより、スク

リューが緩む可能性が最小限に抑えられるようになりました9,10。さらに、接合パーツ間の締め付け力が最適となるように、

スクリュー結合面の傾きとインプラントおよびアバットメント

(チタン製アバットメントでのみ対応)の接合面(コネクション)

の傾きが平行になるように設計されています。

スクリューは、締め付けの際にかかる軸荷重にも耐える必要が

あります。すなわち、スクリューが緩んだり破損したりしない

ように、デザインから得られる機能と寸法上の要件のバランスを

取ることが重要です。

サーフェイスの質コンポーネントそれぞれの接触面が研磨面の場合、接合面が

密着し摩耗が抑えられます11。その結果、摩耗の少ない安定した

コネクションが得られます。研磨面は摩耗による破片の発生を

(最小限に)抑えることが可能です11。

操作性

装着操作の容易さも、歯科医師(インプラント上での補綴コンポー

ネントの装着に際して)および歯科技工士(マスター模型上での

修復物の装着に際して)にとって重要です。装着の際には、良好

なガイダンスと手ごたえで確認できること(装着完了時)が必要

です。容易に装着することができれば時間の節約になり、視認

性が低いという問題を補い、また補綴コンポーネントの適合確

認のためにX線撮影をする必要がなくなります。患者様の口腔内

の視認性は限られていることから、この点は歯科医師にとって

大きなメリットとなります。

デザインのポイントのひとつとして、下図の緑線で示した接合面

をもつことで、アバットメントがインプラント内で回転できない

ようになっています。そのため、正しい方向での装着が可能となり

ます。この機能により、正確な方向、正確なアバットメント設置、

および補綴物とインプラントの安定した接合が得られます。

生物学的側面

患者様の口腔衛生状態は生物学的に重要な側面であり、修復

の成功に影響を及ぼす可能性があります16。インプラントとア

バットメントのインターフェイスが骨の成長や周囲の軟組織の治

癒に対してどのように影響を及ぼすかは、修復の成功を決める

重要な要素です14。例えば、寸法や公差が調整されていないこと

が原因で生じたインプラントとアバットメント間のギャップは、

細菌の侵入および細菌が溜まる原因となる可能性があります。

これは、将来的に治療の成功に影響を及ぼすと考えられます12。

生物学的幅径前述したように、コネクションの優れたデザインにより細菌汚染

の原因となるマイクロギャップへの細菌の侵入が抑えられます8。

生物学的な距離、すなわち歯槽骨頂からマイクロギャップまでの

距離(インプラントとアバットメントのコネクションの面上にある

ポイント)は、アバットメントおよびインプラントをデザインする

上で大きな役割を果たします8。生物学的な距離はできるだけ

大きく取る必要があり12,13、従ってコネクションの位置はできる

だけ骨から遠ざけなければなりません。これは、軟組織レベルで

露出するインプラントデザイン(垂直的オフセット)では達成

可能であり、骨頂レベルで露出するインプラントでは、いわゆる

プラットフォームシフティング(内部コネクションによる水平的

オフセット)により達成することができます。

上記の要件を満たす設計により細菌の侵入を回避でき、細菌汚

染ならびにそれに伴う炎症および骨喪失の回避を実現すること

が重要なポイントとなります14,15。

ストローマンのインプラントとアバットメントは、コニカル形状

の結合面に対して特定の公差を持つように設計されているため

(インプラントとアバットメントの荷重負荷および接合面)、コネ

クションがきつく密着しマイクロギャップが生じないようになっ

ています15。

マテリアルの生体適合性マテリアルの生体適合性と他の材料との適合性もまた重要です。

修復パーツの生体適合性は、患者様の有害組織反応ならびに

骨および軟組織の炎症に影響を及ぼすと考えられています。

アバットメント、スクリュー、インプラントなどのコンポーネント

はそれぞれ接触するため、材料同士の適合性が重要です。異なる

材料からなるパーツが結合すると、電食(電気化学的腐食)の引

き金となる可能性があります17。電食は、電解液(例:唾液)存在

下で2種類以上の異なる金属が接触すると引き起こされるプロ

セスです。金属表面から生じた腐食生成物は周囲の骨および

軟組織を汚染し、患者様の口腔内に漏れ出す可能性があります17。

ストローマンは生体適合性の検証を行った材料のみを使用して

います。

コニカルインターフェイス

平行サーフェイス

Page 6: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

インプラントとアバットメントのコネクションの臨床的側面

臨床報告インプラント補綴の長期信頼性は臨床データにより示されてい

ます。臨床でのエビデンスは歯科医師だけでなく患者様にとって

も大きな意味をもちます。これらのエビデンスにより、ストロ

ーマン製品のデザイン、公差およびマテリアルが患者様に対する

長期的なケアの向上に大きく貢献していることが報告されてい

ます。

まとめ

本書では、インプラントとアバットメントのコネクションの安定

性、強度、操作性、生物学的および臨床的側面について解説しま

した。

ストローマンは、均衡のとれたコネクションのデザイン、選び

抜かれた材料、確実かつ先端の製造技術、厳しい品質管理に

加えて、長年培った経験により信頼性の高い補綴コンポーネント

を提供し、患者様および歯科医師から信頼を得ています。

ストローマンインプラントは、ストローマン製のアバットメント

と組み合わせることによりインプラントとアバットメントの最適

なコネクションが実現し、修復物全体の性能が最大限に発揮

されるようにデザインされています2,3。ストローマン製のアバット

メントとスクリューならびにストローマンインプラントは、デザ

イン(形状および機能)、公差、サーフェイス特性およびマテリアル

に関して互いに調和するようにデザインされています。

ストローマンインプラントとアバットメントのコネクションは、

下記を目的として設計されています。

■ 応力が集中する部位ができないよう適切に荷重を分散する6,7

■ マイクロギャップへの微生物の侵入や、汚染を可能な限り抑

える15

■ アバットメント、スクリューおよびインプラントのデザインを

調和させ、修復物に対して適切な力学的性能と長期安定性を

もたらす2

■ アバットメントとスクリューの装着プロセスにおいて良好な

操作性を確保する。例えば、純正のストローマン製のパーツを

用いると、ユーザーはアバットメントを正しく設置した時、

またスクリューを確実に締めた時、手ごたえを感じる。

ストローマンは先端的で、高精度、高い信頼性および簡便さを

誇る製品を提供します。

ストローマン製のパーツは力学的検査済みで、特定の力学的

配置の場合でのみ正確に機能するようにデザインされています。

ストローマン製品を他社製品と併用した場合、ストローマンが

提供する保証はすべて無効となります。他社製のパーツと組み

合わせたことにより問題が生じた場合、ストローマン社は一切

の責任を負いません。

参考文献

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16 Giannopoulou C, Effect of intracrevicular restoration mar-gins on peri-implant health: Clinical, biochemical, and mi-crobiologic findings around esthetic implants up to 9 years, JOMI, 2003 18 173-181

17 Bundy KJ. Corrosion and Other Electrochemical Aspects of Biomaterials. Critical Reviews in Biomedical Engineering,1994, 22(3/4):139-251

販売名:ストローマンインプラント(滅菌済) 分類:高度管理医療機器 承認番号:21400BZY00014000販売名:ストローマン Ti アバットメント 分類:高度管理医療機器 承認番号:22300BZX00111000販売名:synOcta アバットメント 分類:高度管理医療機器 承認番号:22300BZX00226000販売名:ストローマン ゴールドコーピング 分類:管理医療機器 認証番号:223AABZX00026000

Page 7: コネクションの重要性...「インプラント修復の成功」カギを握るのはアバットメントコネクション 本書では、高品質な補綴コンポーネント、およびインプラントと

インプラントとアバットメントのコネクションの臨床的側面

臨床報告インプラント補綴の長期信頼性は臨床データにより示されてい

ます。臨床でのエビデンスは歯科医師だけでなく患者様にとって

も大きな意味をもちます。これらのエビデンスにより、ストロ

ーマン製品のデザイン、公差およびマテリアルが患者様に対する

長期的なケアの向上に大きく貢献していることが報告されてい

ます。

まとめ

本書では、インプラントとアバットメントのコネクションの安定

性、強度、操作性、生物学的および臨床的側面について解説しま

した。

ストローマンは、均衡のとれたコネクションのデザイン、選び

抜かれた材料、確実かつ先端の製造技術、厳しい品質管理に

加えて、長年培った経験により信頼性の高い補綴コンポーネント

を提供し、患者様および歯科医師から信頼を得ています。

ストローマンインプラントは、ストローマン製のアバットメント

と組み合わせることによりインプラントとアバットメントの最適

なコネクションが実現し、修復物全体の性能が最大限に発揮

されるようにデザインされています2,3。ストローマン製のアバット

メントとスクリューならびにストローマンインプラントは、デザ

イン(形状および機能)、公差、サーフェイス特性およびマテリアル

に関して互いに調和するようにデザインされています。

ストローマンインプラントとアバットメントのコネクションは、

下記を目的として設計されています。

■ 応力が集中する部位ができないよう適切に荷重を分散する6,7

■ マイクロギャップへの微生物の侵入や、汚染を可能な限り抑

える15

■ アバットメント、スクリューおよびインプラントのデザインを

調和させ、修復物に対して適切な力学的性能と長期安定性を

もたらす2

■ アバットメントとスクリューの装着プロセスにおいて良好な

操作性を確保する。例えば、純正のストローマン製のパーツを

用いると、ユーザーはアバットメントを正しく設置した時、

またスクリューを確実に締めた時、手ごたえを感じる。

ストローマンは先端的で、高精度、高い信頼性および簡便さを

誇る製品を提供します。

ストローマン製のパーツは力学的検査済みで、特定の力学的

配置の場合でのみ正確に機能するようにデザインされています。

ストローマン製品を他社製品と併用した場合、ストローマンが

提供する保証はすべて無効となります。他社製のパーツと組み

合わせたことにより問題が生じた場合、ストローマン社は一切

の責任を負いません。

参考文献

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販売名:ストローマンインプラント(滅菌済) 分類:高度管理医療機器 承認番号:21400BZY00014000販売名:ストローマン Ti アバットメント 分類:高度管理医療機器 承認番号:22300BZX00111000販売名:synOcta アバットメント 分類:高度管理医療機器 承認番号:22300BZX00226000販売名:ストローマン ゴールドコーピング 分類:管理医療機器 認証番号:223AABZX00026000

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コネクションの重要性