オンライン英語多読教材を使用した多読学習における 読書行...

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概要 外国語を読解する際には,正確に読む力に加え,ある程度の速さで読むことが要求される。 いわゆる精読の効果は正確に読む力を育成することであるが,伝統的な教授法による読解力 の向上は精読に多くの力が注がれ,速く読むことへの関心は大きくなかった。しかし,近年 の情報化社会においては,正確さと同様に多くの情報を得ることも重要である。したがって, 正確に読むことに加え,速読の力が必要である。学習者が速読力を習得するためには多くの 読解訓練をする必要があり,速さ,つまり読みの流暢さを向上させる上では,多読教材を使 用した訓練が有効であるとされている。しかし,多読学習における学習行動とその後の速読 力との関係については未だ十分な研究がなされているとは言えない。本研究は大学 1 年生に 対して行った多読プログラムの学習期間に実際に学生がどのような学習行動をたどるのか, オンライン多読教材を利用して学習を続けた受講者の読書量の変遷を分析し,その結果を語 彙力,文法力,読解力及び読解速度の変化と比較することで,多読学習行動と読解力の関係 を調査したものである。分析の結果,学習者の読解行動には複数のパターンがあるが,その パターンが読解力や語彙・文法力,読解速度の発達に影響することは少ないことが分かった。 1. はじめに 外国語の読解力にはあまりにも多くの下位能力が関連しており,読解力あるいは読解その ものの定義は未だに十分ではない(Bilikozen & Akyel, 2014)。しかし,Grabe 2009が指摘 するとおり,外国語の読解は,適度な速度,効率性,読解方略,柔軟性,評価,目的,理解, 学習および言語が関連する,読者とテクストとの相互作用を含む認知プロセスであり p.14),単に読者が情報を読み取る受容的な活動だけでなく,読者自身の知識などを利用し た能動的な活動も含む総合力ととらえることができる。したがって,外国語における読解力 の向上には伝統的な外国語教授法において焦点が与えられてきた言語理解の正確さのみでな く,読みの複雑さや読解速度の向上も重要な要素と言える。 読解力や速読力向上に多読プログラムが有効であることは国内外の研究で解明されている 21 オンライン英語多読教材を使用した多読学習における 読書行動の読解力および読解速度への影響 隅 田 朗 彦

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概要

外国語を読解する際には,正確に読む力に加え,ある程度の速さで読むことが要求される。

いわゆる精読の効果は正確に読む力を育成することであるが,伝統的な教授法による読解力

の向上は精読に多くの力が注がれ,速く読むことへの関心は大きくなかった。しかし,近年

の情報化社会においては,正確さと同様に多くの情報を得ることも重要である。したがって,

正確に読むことに加え,速読の力が必要である。学習者が速読力を習得するためには多くの

読解訓練をする必要があり,速さ,つまり読みの流暢さを向上させる上では,多読教材を使

用した訓練が有効であるとされている。しかし,多読学習における学習行動とその後の速読

力との関係については未だ十分な研究がなされているとは言えない。本研究は大学1年生に

対して行った多読プログラムの学習期間に実際に学生がどのような学習行動をたどるのか,

オンライン多読教材を利用して学習を続けた受講者の読書量の変遷を分析し,その結果を語

彙力,文法力,読解力及び読解速度の変化と比較することで,多読学習行動と読解力の関係

を調査したものである。分析の結果,学習者の読解行動には複数のパターンがあるが,その

パターンが読解力や語彙・文法力,読解速度の発達に影響することは少ないことが分かった。

1. はじめに

外国語の読解力にはあまりにも多くの下位能力が関連しており,読解力あるいは読解その

ものの定義は未だに十分ではない(Bilikozen & Akyel, 2014)。しかし,Grabe (2009) が指摘

するとおり,外国語の読解は,適度な速度,効率性,読解方略,柔軟性,評価,目的,理解,

学習および言語が関連する,読者とテクストとの相互作用を含む認知プロセスであり

(p.14),単に読者が情報を読み取る受容的な活動だけでなく,読者自身の知識などを利用し

た能動的な活動も含む総合力ととらえることができる。したがって,外国語における読解力

の向上には伝統的な外国語教授法において焦点が与えられてきた言語理解の正確さのみでな

く,読みの複雑さや読解速度の向上も重要な要素と言える。

読解力や速読力向上に多読プログラムが有効であることは国内外の研究で解明されている

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における

読書行動の読解力および読解速度への影響

隅 田 朗 彦

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

(Day & Bamford, 1998; 木村 , 2016; Mason, 2006; Mason & Krashen, 1997; 増見 , 2014; Nuttall,

1996; Robb & Kano, 2013など)。しかし,多読プログラムの運営自体,学習者が選ぶ多読教

材を十分に揃えなければならない点や,十分な多読の時間を確保する必要がある点などから

制約も大きく,実施が困難なこともあり,解明すべき課題は多い。特に,プログラム中の読

書行動の違いが読解力等へどのように影響するかという問題に焦点を当てた調査は少ない。

つまりコツコツと読み進めるほうが短期間に集中して読むよりも良いのか,徐々に読む本の

レベルを上げていくほうが良いのかなど,多読学習方法の内容と熟達度との関係について論

じた研究は十分ではない。このような行動の違いが,狙いとしている読解力や速読力の向上

に影響があるのであれば,学習者にとって最適な学習ができるように促したり,プログラム

をそのようにあらかじめ設定しておいたりすることが重要となる。

本研究は長期的な多読プログラムに参加した大学1年生の多読記録と指導直前直後のプレ

イスメント・テストの語彙・文法,読解力,および多読プログラム中の読解速度の変化を比

較検証することで,上記のような読書行動の違いが読解力や速読力に影響を及ぼすのかを調

査することを目標とする。

2. 多読学習の効果と学習行動による効果の違い

Grabe (1995) は多読に従事することによる効能として,学習者が語彙と文法に注目をす

るようになると同時に,意味を理解する処理を自動的に行うことが出るようになることを挙

げている。このような意味の理解と語彙・文法への意識の二点は第二言語習得では最も重要

視される要素であり,多読が第二言語習得に大きな影響力があることを示している。多読に

より大量の理解可能なインプットが提供されるということは,インプット量が極端に少ない

伝統的な読解教授法の問題点を克服する大きな利点と言える。また,Day and Bamford

(1998) は,多読プログラムは授業内および課外の両方で実施することができるとし,特に

課外のプログラムは授業内での読書量の限界を補い,多くのインプットを確保できる手法と

して評価している。

しかし,多読プログラムを実施するには多くの制約があり,多読の効用が評価されている

半面,その効果が発揮されることは難しい。例えば,Milliner and Cote (2014) は多くの教師

がプログラムの運営に骨身を削っていることを指摘し,多読プログラムに必要な教材,

graded readers (GR) の確保,多読時間の確保および教師が学習者の読書量を管理する方法

の難しさを問題点として挙げている。そこでMilliner and Coteはインターネットを利用した

オンライン教材の利用を推奨している。オンディマンドで教材の貸出・返却を行い,学習者

が自分のペースで好きな時間を利用して本を読み,教師はその学習行動や学習量の記録を

チェックするというオンライン・プログラムを利用することにより,コストや時間の制約を

克服することが出来る。例えば,Robb and Kano (2013) はMoodleを利用した大規模な多読

プログラムを課外で実施し,多読プログラムを行わなかった大学生と比較し,多読プログラ

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

ムに参加した学生の読解力が有意に上昇したことを報告している。

学習者の多読の評価の是非については議論が分かれるところである。例えば,Day and

Bamford (1998, 2002) は多読の目的は楽しみのためのものであり,読書それ自体の楽しみで

評価はすでになされていると主張する。しかし,何かしらの指標をもって学習を評価する必

要は生じる。特に第二言語の場合は多読が言語習得の手段として使用されていることを考慮

すると,言語習得への学習効果を測定する必要は生じる。例えば,読了後の読解確認クイズ

などは多くの教育現場で使用可能である (Robb, 2015)。但し,学習者が読むgraded reader

すべてに読解クイズを用意することは難しい。オンラインの多読プログラムでは,読了後の

内容把握チェック問題が用意されていることが多い。したがって,上記のような困難点はオ

ンラインで提供されている多読プログラムを利用することで克服することが可能である。

また,読書の質に加え,読書量に対する評価を考える必要もある。読書量の指標として,

冊数,ページ数,語数等様々な観点を指標とすることが可能であるが,Kanda (2011) はこ

れらの指標のうちから,語数を用いることを推奨している。Kandaの調査では,読みの総語

数を見ることで読解力の伸びがあった学生とそうでない学生をよく弁別することができた。

さらに一冊当たりの語数を見ることにより,学生の読みの状況をよりよく把握できると報告

している。

前項に挙げたとおり,多読の効用は国内外の研究により実証されているが,多読プログラ

ムにおける学習行動と読解力や速読力の向上に注目した研究は比較的少ない。木村(2016)

は日本人大学生22名の多読学習行動を分析し,多くの語数を読めば英語力が高まるとは単

純には言えず,短い本を多く読んだ参加者の方が長い本を選択する傾向の参加者よりも得点

が上がったという結果を報告している。また,英語力の伸びた参加者は平易な本を多く読み

進めた傾向が見られ,選択するテクストの難易度の上下が大きい読み方をした参加者は英語

得点が伸びない傾向が見られたことから,多読実践においては平易な本を長期間で多く読む

学習方法を推奨している。

多読が読解力と速読力の両方に効果があるかについては賛否の議論が多い。Bell (2001)

は読解力と速読力は類似した能力であるが詳細には相違があるとし,速読力は上昇したが読

解力は下降した報告を引用し,必ずしも読解速度の上昇が読解力の向上に寄与しないことを

考慮したうえで,同課題を検証している。Bellの研究結果はいくつかの先行研究とは異なり,

多読が読解力と読解速度両方の向上に貢献したことを明らかにしている。

以上のような先行研究の成果と課題を踏まえ,本研究は,課外の多読プログラムが読解力

及び速読力に肯定的な効果をもたらすのか,また,多読プログラム参加者の読書行動の違い

が読解力や速読力の向上に関与するのかを,以下の研究課題を設定して調査することを目的

とする。

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

調査課題

(1) 長期的多読プログラムにおける学習者の読書量(語数)の推移には一定の傾向が見られ

るか。

(2) 読書量の推移の差に見られる読書行動の違いは,読解力と読解速度の向上に異なる影響

を与えるか。

(3) オンライン・プログラムを使用した長期的課外多読学習は,語彙・文法力および読解力

の向上に寄与するか。

3. 研究方法

3.1 参加者

大学の基礎科目としてのリーディングを主とする英語科目(前後期合計で約10か月)に登

録した1年生38名を対象として調査を行った。参加者は本調査の多読プログラムに参加する

前に,クラス分けテストとして語彙,文法,リーディング,リスニングの熟達度を測るテス

ト(英語運用能力評価協会による「英語プレイスメント」)を受験している。当該テストのス

コアによるTOEIC換算スコアの平均値は498.9点であった。また,参加学生の読解力を,多

読プログラムに参加していない学習者と比較するため,同プレイスメント・テストを受験し,

同等の別クラスに振り分けられた,今回の多読プログラムに参加しなかった同学科の学生を

統制群として,実験群と同数の38名を無作為に抽出した。

3.2 多読学習教材と学習方法

本研究で利用したオンライン多読プログラムはXreadingと称され,アカウント登録をす

れば,自分のレベルに合わせたGR教材を半年間自由に選び読むことができるプログラムで

ある。オンラインライブラリーには,Extensive Reading Foundation Graded Reader Scaleに

よって初級(見出し語500語レベル)から上級(見出し語3600語レベル)の14レベルに分か

れた500冊以上のGRが所蔵されており,受講生はオックスフォード大学出版局やケンブリッ

ジ大学出版局を始めとする11社から出版されているGR教材から好きな本をオンラインで選

ぶことができ,レベルや内容といった観点から読みたいGRを検索することもできる。受講

者の読書状況はGRの読書と同時並行でオンライン・サーバーに記録される。主に記録され

る情報は読んだ本の冊数,平均難易度レベル,語数,読書時間,WPM(words per minute)

などである。サーバーに記録された情報は教師がいつでも確認することができ,読了語数に

ついては,確認時点でのプログラム開始からの総語数は無論のこと,設定期間のみ(例 . ~

年~月の一か月間など)の累計語数等も確認することができる。また,この記録は学習者自

身も確認することができるようになっているため,自己評価に使用することも可能である。

多読プログラムに参加した学生は,通常の英語リーディング科目を週1回,90分ずつ受講

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する傍ら,同クラスの成績要件として設定されたXreadingを同時進行で受講した。通常の

日本の大学のカリキュラム通り,参加者の受講する英語科目は4月に始まり,一端7月に終

了し,9月に再開する。再開した時点での科目名は前期とは異なるが,実質的には同等の科

目がそのまま発展して継続する。9月に再開した科目は12月末~1月初旬に2週間程度の休

業期間を挟んで1月末に終了する。多読プログラムもこれと同様に,4月から開始し,翌年

の1月に終了する。したがって,途中の休業期間を除き10か月間続くことになる。

参加者はプログラム受講に際し,6か月間有効のアカウントを購入し,あらかじめ

Xreading内に設定されたクラスに登録する。参加者が受講した英語科目は4か月15コマを単

位とするため,前後期で使用するためには,Xreadingが設定する6か月間のアカウントを1

度取得するだけでは間に合わない。したがって,受講生は初回のXreading登録に加え,半

年後に再度同じ要領でプログラムのクラス登録を行った。

受講生には1か月間に7,000語を読了することを目標とさせた。したがって,前後期を含

めた10か月間の読了目標は70,000語ということになる。Nation (2009) は読みの流暢さの向

上に寄与するためには年間に最低15~20冊(理想的には30冊)を目標にすべきてあると主

張しているが,Xreadingに登録されているGRを参加者がスラスラと読めるレベルで選定し

た場合の70,000語の冊数は約10冊である。したがって,1か月7000語の目標はそれほど高く

なく,流暢さを向上させるには不足するが,参加者がこのような多読教材の読解に慣れてい

なかったため,学生の意欲の持続を考慮し,妥当であると思われる目標語数を設定した。

GRのレベルや1冊当たりの語数については制限を設けなかった。Xreadingはライブラリーか

ら選んだ本をパソコンやスマートフォンのスクリーン上で読む方式をとっており,24時間ど

こでも読書ができるようになっている。したがって,調査参加者は授業の空き時間,通学途

中,自宅などを利用して読書を進めた。

3.3 分析方法

3.3.1 読書行動の分析

Kanda (2013) 等の先行研究成果を考慮し,参加者の読書行動の指標には月ごとの読了語

数を利用する。参加者全員を学習行動別に分類する方法として,月ごとの読了語数に関し,

階層的クラスター分析を行う。読書量に基づいて参加者をクラスターに分けることができれ

ば,学習期間内に読書パターンが複数あることが確証される。

3.3.2 語彙・文法力・読解力・読解速度の分析

前述の「英語プレイスメント」テストについては,次年度のクラス分けテストとして,後

期終了後にも実施されている。したがって,プログラム開始時と終了時のテストスコアを比

較することにより,10か月間の熟達度の違いを測定することができる。「英語プレイスメン

ト」は語彙・文法50点ずつ,リーディング,リスニング10点ずつ4つのパートに分かれた,

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合計300点のテストである。本分析では,多読学習によって,語彙力・文法力・読解力がど

のように変化するかを見るため,リスニング・パートを除く3つのパートについて,読書行

動の分析によって分類したグループ間でプログラム期間前後のスコアに差があるかを検証す

る。また,Xreadingの参加・不参加により,同様のスコアに差が出るかを検討する。さらに,

読解力と速読力とは異なる能力であるとする先行研究の見解に基づき,前期開始時,前期終

了時および後期終了時のWPMのグループ間の差を読解力等と同様に検証する。

4. 結果

4.1 読書行動・読解速度の相違

参加者38名について,月ごとの読了総語数の平均値は「表1」のとおりであった。1)夏期休

業を含む9月およびプログラム当初の僅かに期間が長かった5月を除き,概ね,1か月に5,000

~6,000語程度が平均的な読語数である。これは,目標とした1か月7,000語には満たない。

次に,多読プログラム開始後約1か月後からの月ごとの読了総語数の変化に関し,階層的ケー

スクラスター分析を行った結果を示す。各月とも単純に語数を比較するため,データの標準

化等の値の変換は行わずに分析した。また,クラスター化の方法にはウォード法を採用し,

個体間非類似度計算にはユークリッド平方距離を採用した。分析結果を示すデンドログラム

は「付録」に掲載した。

表 1 月ごとの読了総語数

Month Mean     SD 95% CI

May 8222.2 5611.0 [6377.9, 10066.5]

June 6226.1 4319.1 [4806.4, 7645.7]

July 5103.0 4939.9 [3479.3, 6726.7]

September 139.7 861.2 [-143.3, 422.8]

October 5476.1 4830.6 [3888.3, 7063.8]

November 6146.6 5034.5 [4491.7, 7801.4]

December 5486.7 5357.4 [3725.8, 7247.6]

January 6120.9 6463.4 [3996.4, 8245.3]

Note: CI = Confidence Interval

デンドログラムを参照し視覚的に判断すれば,分割線は図中の点線に設定するのが妥当だ

と考えられる。分割線を図のように設定した場合,参加者は3グループに分類できる。ただし,

分割線をやや左方に移動させ,上から3番目のクラスターを二分することも可能である。し

かし,その場合,第4クラスターは参加者「9」のみになり,1つの独立したグループと考え

るのは妥当ではない。また,参加者9の読書行動を第3グループの他の参加者と比較したと

ころ,読書行動が異なるのは9月の行動のみであることから,この参加者は第3クラスター

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に分類するのが妥当であると考えられる。

念のため,2クラスター,4クラスターに分類する可能性も考慮し,3種のクラスター数に

ついて,1元配置分散分析を行い,クラスター間で読了語数に有意差のある月が最も多い場

合のクラスター数を特定した。分散分析の結果,クラスター数が3の時に,最も多くの月で

クラスター間の総語数の有意差が出た(「表2」参照)。したがって,参加者38名は読了総語

数について3グループに分類できることが判明した。したがって,デンドログラムからの判

断と分散分析の結果から,参加者全体は3クラスターに分類できると考えるのが妥当である。

表 2 クラスター解別の各月の水準における 1元配置分散分析結果 : p値

May Jun. Jul. Sep. Oct. Nov. Dec. Jan.

4-cluster solution .018* .000* .030* .370 .000* .009* .077 .000*

3-cluster solution .007* .000* .013* .203 .000* .019* .031* .011*

2-cluster solution .002* .017* .012* .375 .132 .005* .945 .003*

* p < .05

次に,3グループの読解速度の違いについて調べるために,比較的初期段階の5月,前期

終了時の7月,後期終了時の1月の3回について,各グループのWPMの平均値を比較した(「表

3」参照)。比較にはグループ(対応なし : 1, 2, 3)× 測定時期(対応あり:5, 7, 1月)の2元配

置分散分析を使用した。分析の結果,グループおよび測定時期の主効果は認められず,二変

数の交互作用も確認されなかった。つまり,3グループは一様に,読解速度を一定に保った

まま多読プログラムを終えたことになる。

表 3 クラスター別のWPMの推移

May July January

  Cluster    Mean     SD    Mean     SD    Mean     SD

1 105.5 21.41 101.1 4.39 76.8 45.29

2 124.1 44.16 135.4 40.74 135.7 40.10

3 183.0 108.99 159.9 54.05 174.3 50.53

4.2 読書行動の相違と語彙・文法力・読解力

先ずXreadingを受講した調査参加者と受講しなかった学生(同等の他のクラスから抽出し

た38名)とで,プログラム前後で実施された熟達度テストのスコアを比較した。表4は各

テストパート別の両グループの平均値を表す。

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

表 4  多読プログラム参加者・非参加者別の英語プレイスメント平均値

    Vocabulary Grammar Reading

Xreading n Apr. Jan. Apr. Jan. Apr. Jan.

あり 38 Mean 42.08 40.82 41.39 38.05 87.53 78.03

(SD) (4.778) (6.413) (6.127) (6.920) (10.697) (13.282)

なし 38 Mean 43.68 39.87 41.68 37.63 87.42 79.53

(SD) (5.418) (6.941) (5.368) (7.702) (9.967) (15.787)

語彙,文法,リーディング,それぞれのパートの平均点について,2回のプレイスメント・

テスト得点の変化が,Xreadingの受講有無で分けたグループで異なるかを,2元配置分散分

析で行った。どのパートについても,グループ間では有意差がなく,テストの主効果のみが

確認された(語彙 : p = .002, p2 = .13,文法 : p < .001, p

2 = .19,リーディング : p < .001, p

2 =

.21)。この結果を「表4」と併せて考えると,どのパートについても,両グループともわずか

な下降があったと言える。

次に,クラスター分析によって分類された3グループのプレイスメント・テストの平均値

(「表5」参照)に関わる影響を見る。平均値の差の検証として,クラスター(対応なし : 1, 2, 3)

× テスト(対応あり : 4月 , 1月)の2元配置分散分析を行った結果,文法とリーディングに関

しては,被験者間効果および「テスト×グループ」の交互作用は確認されなかったが,テス

トの主効果が確認され(文法 : F(1, 35) = 9.516, p = .004, p2 = .21; リーディング : F(1, 35) =

13.673, p = .001, p2 = .28),3つのグループとも多読プログラム前後でスコアの下降が見られ

た。表5の記述統計を参照すると,第3クラスター群は他のグループと比較し,3分野とも平

均値が一様に高くなっているが,有意差は認められなかった。語彙に関しては,「テスト×

グループ」の交互作用が確認された(F(1, 35) = 3.279, p = .050, p2 = .16)。そこで交互作用

の解釈をするため,それぞれの要因の単純主効果の検定を行った。その結果,第3クラス

ター・グループのみ,テスト間の差に有意傾向が確認された(F(1, 8) = 5.020, p = .055, p2 =

.38)。つまり,このグループのみで語彙力にごく僅かな上昇が見られた。

表 5 各クラスター・グループの英語プレイスメント平均値

Vocabulary Grammar Reading

n Apr. Jan. Apr. Jan. Apr. Jan.

Cluster 1 12Mean 41.92 38.50 39.83 37.33 84.75 77.83

(SD) (4.562) (4.275) (6.699) (6.893) (11.379) (11.808)

Cluster 2 17Mean 42.59 40.76 41.53 38.06 88.77 77.82

(SD) (5.535) (7.878) (5.669) (8.004) (10.663) (14.968)

Cluster 3 9Mean 41.33 44.00 43.22 39.00 88.89 78.67

(SD) (3.808) (4.637) (6.340) (5.123) (10.337) (13.248)

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

5. 考察

クラスター分析により,Xreadingを経験した参加者38名について,3つのグループに分類

されることが判明したが,ここではそれぞれの読了総語数の推移についての特徴から,各グ

ループの性質を考慮する。表6は3クラスターに分類した際の各グループの月別読了総語数

の平均値等の記述統計データ,図1は変遷をグラフにしたものである(縦軸は語数)。

表 6  クラスター別 月ごとの読了総語数

Cluster 1 (n = 12) Cluster 2 (n = 17) Cluster 3 (n = 9)

Month Mean SD Mean SD Mean SD

May 5729.58 5153.50 11266.41 5384.75 5795.56 3932.57

June 7683.83 3790.53 8046.06 3197.31 844.56 1807.72

July 8226.50 4144.55 2921.53 4118.76 5059.00 5528.60

September 0.00 0.00 0.00 0.00 589.89 1769.67

October 7716.00 4252.74 6794.00 4364.90 0.00 0.00

November 4316.75 5710.12 8625.47 3588.10 3903.89 4786.23

December 8151.92 7025.71 5419.29 4138.15 2060.44 2598.78

January 3650.58 4048.06 9497.53 7612.62 3036.44 3269.52

May Jun. Jul. Oct. Nov. Dec. Jan.

Cluster 3

Cluster 1

Cluster 2

図 1 読了総語数の変遷 2)

29

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

グループ間の総語数の変遷の違いを明確にするため,クラスター(対応なし : 1~3)× 記

録月(対応あり : May~Dec.)の2元配置分散分析を行った結果,独立変数両者に主効果が

認められ,交互作用も確認された(p < .001, p2 = .20)。そこで交互作用の解釈をするために,

それぞれの要因の単純主効果の検定を行ったところ,第1クラスター群は,ほとんど読書量

のなかった夏期休業を含む9月との有意差が認められたのが6月,7月,10月の3水準であっ

たのに対し,第2クラスター群については,9月は7月を除くすべての月と有意差があり,さ

らに,5月と7月の間および,7月と 11月の間に有意差が認められた(それぞれ,p = .001; p =

.003)。つまり,第1クラスター群は第2クラスター 群と比較して月同士の間に変動が少なく

安定しており,第2群は変動が大きいことがわかる。第1群は各月の読了語数も中庸に位置

しており,比較的安定して多読を 進めたと言えるため,「安定型」と名付けられる。これに

対し,第2群は前期のプログラム開始当初にはかなり多くの語数を稼いだにもかかわらず,

夏期休業前にはかなり語数が落ち込み,後期開始後にまた大幅に回復している。分散分析の

結果からも他のグループと比較して変動が大きかったことからこのグループは「上下変動

型」と名付けることができよう。この2つのグループと比較し,第3群は全く異なる語数推

移パターンを示した。このグループはほとんどGR学習がされなかった9月でさえ,他の月

の読了語数に有意差は認められなかった。つまり,一貫して読みの量が少ないグループであ

り,「少読型」と名付けることにした。

上記のとおり,比較的コツコツと読み進めるタイプ,ある時期に気まぐれに読んではしば

らく読まなくなるタイプ,なかなか読みの進まないタイプと,3種類の学習行動が確認でき

た。人数が最も多かったのが「安定型」ではなく「上下変動型」であったのは,多読プログラ

ムの運営上,好ましいことではない。授業担当者(本研究者)は前期,後期とも授業中にク

ラス全体に対してXreadingを進めるよう指導したことに加え,各学期1回ずつ,中間期に個

別に本人との面談でXreadingの進み具合を確認し,「上下変動型」および「少読型」の受講生

には頑張って多読を進めるように促していたが,「上下変動型」の学習者が読書を積極的に

進めた5月,11月は面談指導の時期と重なる。したがって,多くの学習者は促されれば読むが,

そうでなければ「少読型」の学習者のようにあまり読まなくなってしまう可能性が大きい。

Day and Bamford (1998, 2002) の主張に従えば,本来,多読は楽しみのために行うものであ

り,教師がGRの読書を強いるものであってはならないのかもしれないが,読みの流暢さを

向上させるためには多くの量を読むことが必要になるため,教師が後押しする指導は必要で

ある。

語彙力,文法力,読解力及び速読力の向上に関して,本研究で行った多読プログラムの利

点となるようなデータは得られなかった。Xreading未受講者と受講者の間に,テストスコア

の差はなく,「少読型」の語彙スコアの僅かな伸び以外は,一様に有意な下降が見られた。

この下降については,本研究と同じ大学の一般的な英語学力について調査した隅田・小林・

グティエレズ(2015, 2016)でも指摘されており,大学1年間で語学力を伸長させることが困

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

難な状況を,本研究がさらに強調する結果となった。

本調査では最後に,参加者のXreading に対する意識やXreadingを行った結果,自身の英

語リーディングがどのように変化したかをごく簡単に質問紙を用いて質問している。参加者

自身のコメントでは,Xreadingにより以前のリーディングよりもスムーズに速く読めるよう

になったとする意見もかなりあり,学習者の意識と実際にギャップがあった。前述のとおり,

本件研究における多読プログラムの月ごとの目標をNation (2009) を参考にかなり低めに設

定した。Beglar and Hunt (2014) も同様に読みの流暢さを向上させるためには,80WPM以上

の速度で1年間に20万語,一日に1,600語以上読むことを推奨しているが,本研究の参加者

は最も平均読了数が多かった「上下変動型」のグループでも年間に5万語程度読んだに過ぎ

ない。これは先行研究が提唱する流暢さ向上の基準には全く届かないレベルであり,多読が

効果を表すには目標をより高く設定すべきであった。

6. 結論

本研究は,多読プログラムに参加した大学1年生について,その読了語数を指標とする学

習行動に一定の傾向が見られるか,また,その傾向が語彙力,文法力,読解力の違いに影響

するかを検証した。調査課題1に関しては,クラスター分析の結果,参加者の読書行動が3

つのパターンに分けられることが分かった。1つ目は,それほど読了総語数は多くないが,

安定して読書を続けるグループ,2つ目は,時折,大量の読書をするものの,全く読まなく

なる時期もあり,上下の変動が激しいグループ,そして,最後は期間をとおして読書量の少

ないグループに分けられた。しかし,このような変化が,別に測定した読解力や語彙・文法

力の伸長につながるかという研究課題2については,肯定的な回答を導き出すデータは得ら

れなかった。このようなグループ間の違いが確認できたのは「少読型」グループの語彙力が

他のグループと異なりごく僅かな上昇傾向を示したのみで,読解速度を含め,グループ間の

相違は認められなかった。このことは,サンプル・サイズが比較的小さかったため,各グルー

プに有意な差が検出できなかったことも起因している可能性がある。さらに,多読プログラ

ムを発展させ,サンプル・サイズを拡大した効果測定をしていく必要があるだろう。

さらに,研究課題3についても,多読プログラムに参加した学生が,その他の学生に比べ

て語彙・文法,読解の力を有意に伸長させたという事実はなかった。特に最後の研究結果は

大部分の先行研究と逆の結果を示すことになったが,これは参加者が読んだ語数が,先行研

究で奨励されている読書量に満たなかったことが原因であると結論付けられた。つまり,今

回のような課外の多読プログラムが成功するためには,当初からの目標を1年間に20万語に

設定し,さらに満遍なく読了する量の小さな目標を月ごとあるいは週ごとに設ける必要があ

る。

今回の調査では,読解力や読解速度の向上に関して多読プログラムに優位なデータはあま

り得られなかった。多読学習の効用は読解力や読解速度などで測れる要素もあるが,量的な

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

分析だけでは必ずしも導き出せない情報を見逃している可能性もある。特に情意的な発達に

ついては,今回のような量的分析ではなく,学習者の読む意欲がどのように変化したかをイ

ンタビューしたり,読む本のジャンルの変遷を観察したりする異なる研究アプローチも併せ

て調査することが必要である。Day and Bamford (1998) やSimensen (1987) が指摘するよう

に,多読は言語学習のみが目的ではなく,情報を得たりことばの体験をしたりする目的も

持っており,単に楽しみを得るために読むことにもある。多読を言語習得の手段として捉え

れば,一定期間の目標を設定した量的な評価が必要になるが,情意面での発展の観点からも

その効果を別のアプローチで検証する研究姿勢も必要であろう。

1) 本来,4月末日の読了総語数を初回月の総語数とするべきであるが,プログラム開始が 4月

下旬過ぎであったため,4月末日までの日数は 10日以下となってしまう。そのため,初回月

は 5月とした。4月末~ 5月初旬は大型連休を含むため,4月開始直後のウォームアップの

必要性も考慮し,学習期間は 4~ 5月で概ね通常月の 1か月程度となると考えた。また,8

月は夏季休業期間でどの受講生も多読を行わなかったため,5~ 7月および 9~ 1月の全 8

回のデータを使用してクラスター分析を行った。

2) 変遷が分かりやすいよう,ほとんど GRが読まれなかった 9月はグラフから割愛している。

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オンライン英語多読教材を使用した多読学習における読書行動の読解力および読解速度への影響

付録 月ごとの読了総語数による参加者のデンドログラム

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