メカトロニクス実験 環境情報研究室(相澤研) 「「レーザー誘...

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メカトロニクス実験 メカトロニクス実験 環境情報研究室 環境情報研究室( (相澤研 相澤研) ) 本実験目的 燐光強度 寿命 スペクトルが温度依存性する感熱燐光体 環境情報研究室 環境情報研究室( (相澤研 相澤研) ) 「レーザー誘起燐光法を用いた光学的温度計測 レーザー誘起燐光法を用いた光学的温度計測」 本実験目的 燐光強度寿命スペクトルが温度依存性する感熱燐光体 からの燐光を、紫外レーザー等を励起光源として計測することで、高速移動体表 面の温度など、熱電対やサーモグラフィ等の従来法では計測が困難な物体の温度 非接触瞬時計測する方法分光計測法について理解めることを非接触瞬時計測する方法分光計測法について理解めることを的とする。 従来法では困難な温度計測とは? m m ・熱電対の設置が困難 ・サーモグラフィの応用が外乱光や高速回転のため困難 150μm 150μm 300 300 160 160 感熱燐光体 感熱燐光体((蛍光体 蛍光体))とは? とは? 10000 ity (A.U.) T=60 5000 cence intens 感熱燐光体(Thermographic Phosphor) 400 500 600 700 800 0 hosphoresc T=200 感熱燐光体(Thermographic Phosphor) (La 2 O 2 S:Eu ユーロピウム付活硫酸化ランタン) セラミック母材中希土類金属微量添 400 500 600 700 800 P Wavelength (nm) セラミック母材中希土類金属微量添 加した粉末状の物質。レーザー等でエネル ギーを与えると基底状態から励起状態へ遷 基底状態にエネルギ基底状態にエネルギ 差に応じた燐光を発する。発光準位及び非 発光準位への遷移確率が温度に依存するた 燐光強度波長寿命温度依存性 燐光強度 波長 寿命温度依存性 を示す。

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  • メカトロニクス実験メカトロニクス実験

    環境情報研究室環境情報研究室((相澤研相澤研))

    本実験の目的 燐光の強度 寿命 スペクトルが温度依存性を有する感熱燐光体

    環境情報研究室環境情報研究室((相澤研相澤研))

    「「レーザー誘起燐光法を用いた光学的温度計測レーザー誘起燐光法を用いた光学的温度計測」」

    本実験の目的 燐光の強度、寿命、スペクトルが温度依存性を有する感熱燐光体からの燐光を、紫外レーザー等を励起光源として計測することで、高速移動体表面の温度など、熱電対やサーモグラフィ等の従来法では計測が困難な物体の温度を非接触・瞬時計測する方法を学び 分光計測法について理解を深めることを目を非接触・瞬時計測する方法を学び、分光計測法について理解を深めることを目的とする。

    従来法では困難な温度計測とは?

    mm・熱電対の設置が困難・サーモグラフィの応用が外乱光や高速回転のため困難

    15

    m1

    50

    μm

    300300

    160 160 ℃℃

    感熱燐光体感熱燐光体((蛍光体蛍光体))とは?とは?

    10000

    ity (A

    .U.)

    T=60℃

    5000

    cenc

    e in

    tens

    感熱燐光体(Thermographic Phosphor) 400 500 600 700 8000ho

    spho

    resc T=200℃

    感熱燐光体(Thermographic Phosphor)

    (La2O2S:Eu ユーロピウム付活硫酸化ランタン)

    セラミック母材中に希土類金属を微量添

    400 500 600 700 800P Wavelength (nm)

    セラミック母材中に希土類金属を微量添加した粉末状の物質。レーザー等でエネルギーを与えると基底状態から励起状態へ遷移し 再び基底状態に戻る際にエネルギー移し、再び基底状態に戻る際にエネルギ差に応じた燐光を発する。発光準位及び非発光準位への遷移確率が温度に依存するため、燐光の強度・波長・寿命が温度依存性め、燐光の強度 波長 寿命が温度依存性を示す。

  • 実験装置実験装置

    感熱燐光体を塗布したアルミ板(φ60mm)アルミ板(φ60mm)

    ホットプレートホットプレ ト

    実験装置実験装置紫外LED(発光ダイオード)

    (ピーク波長365nm 最大出力190mW)

    USB分光器

    UVカットフィルタ

    光検出器

    USBオシロスコープ

    (増幅器一体型 Si フォトダイオード)

  • 本日の実験内容本日の実験内容本日の実験内容本日の実験内容

    実験の目的・実験の目的・感熱燐光体(蛍光体)とは?・実験装置実験装置・燐光スペクトルの計測

    ・USB分光器の使用法の復習・燐光強度の温度検定

    ・燐光寿命の計測・USBオシロスコ プの使用法と注意・USBオシロスコープの使用法と注意・燐光寿命の温度検定

    ・レーザー誘起燐光法による温度計測レ ザ 誘起燐光法による温度計測

    燐光スペクトル燐光スペクトルの計測の計測燐光スペクトル燐光スペクトルの計測の計測

    )

    200

    ℃)

    10000

    sity

    (A.U

    .)

    T=60℃

    150

    erat

    ure

    (℃

    5000nce

    inte

    ns

    100

    Tem

    pe

    phor

    esce

    n

    T=200℃

    0 2000 4000 6000 8000 1000050

    Phosphorescence intensity (A.U.)400 500 600 700 800

    0

    Phos

    p

    Wavelength (nm)

    燐光スペクトルの温度変化 燐光強度の温度検定曲線(例)

  • 燐光寿命の計測燐光寿命の計測燐光寿命の計測燐光寿命の計測

    200

    ℃)

    150

    erat

    ure

    (℃

    100%63.2%

    100

    Tem

    pe

    τ

    100 150 200 250 30050

    Phosphorescence lifetime ( μs)

    燐光寿命の温度検定曲線(例)燐光寿命τの計測

    レーザーレーザー誘起燐光法による誘起燐光法による温度計測温度計測

    他グループが任意に設定した温度に対して、燐光強度及び燐光寿命の測定値と検定曲線からグループ毎に温度を求め、グループ間で正確さを競う。

    1回戦 2回戦 3回戦 総合成績

    設定値 測定値(寿命) 測定値(強度) 合計温度差

    Aグループ

    ℃ ℃

    温度差

    温度差

    ℃℃ ℃

    Bグループ

    測定値(強度)

    設定値 測定値(寿命)

    合計温度差

    Bグル プ

    ℃ ℃

    温度差

    温度差

    測定値(寿命) 測定値(強度) 設定値 合計温度差

    Cグループ

    測定値(寿命)

    測定値(強度)

    設定値 合計温度差

    温度差 温度差

    ℃ ℃℃ ℃

  • 実験・レポート課題実験・レポート課題

    課題1) 本実験で使用した感熱燐光体(蛍光体)の成分であるユーロピウム(Eu)及び硫酸化ランタン(La2O2S)とはどのような物質でどのような用途に用いられるか、インターネットや図書館の文献から調べなさいットや図書館の文献から調べなさい。

    課題2) 輻射(Radiation)と、蛍光・燐光(Fluorescence・Phosphorescence) では、発光のメカニズムが全く異なる。そのメカニズムの違いについてインターネットや図書館の文献から調べ 以下のキ ワ ドを用いて説明しなさい館の文献から調べ、以下のキーワードを用いて説明しなさい。

    太陽や白熱電球、黒体輻射スペクトル、熱エネルギーをもつ全ての物体水銀灯や蛍光灯、分子・原子・電子、基底準位・励起準位、遷移、E = h/λ

    課題3) 本実験では燐光寿命τとして「初期値から63.2%減衰するのに要する時間」を計測しているが、なぜ「63.2%」なのか、一次遅れ(初期値応答)の式を用いて説明しなさい。なさい。

    課題4) 他グループが任意に設定した温度に対し、燐光強度及び燐光寿命の測定値と検定曲線から温度を求め、グループ間で正確さを競った結果の勝因・敗因について、できるだけ定量的に考察しなさい。るだけ定量的に考察しなさい。

    課題5) 燐光の強度による温度測定に対して、スペクトルや寿命による温度測定にはどのような長所及び短所があるか考察しなさい。

    課題6) 温度測定部位への感熱燐光体の塗布は一般的になるべく薄く塗るのが望ましい。その理由と、特にどのような場合に薄いほうがよいか考察しなさい。