リチウムイオン電池(lib)熱暴走時の挙動調査 - nitec2h6 c2h4 2000 3000 0 1000 (%) (%)...

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<結果> ●充電量が多くなるほどピークが小さくなる傾向があるが、 ベンゼンは が特に高かった。 はフッ化アルキルと炭化水素(特にアルケン)が 高い傾向があった。また、電解液分解物と推定される アルデヒド、ケトン、アルコール類が検出された。 ●プロペンとブタジエンは各充電量で大きな差はなかった。 は熱暴走時に発火し高温状態になったために酸化反応が 進み、ピークが小さくなったと推定される。 目的 リチウムイオン電池(LIB)熱暴走時の挙動調査 ~その2 LIB熱暴走時の発生ガスの測定~ ①目的・装置構成 ○異なる充電量(定格容量、定格容量の半分、終止電圧)の LIBを熱暴走させ、発生ガスを比較 ●リアルタイムMSで無機ガスとC1~C2炭化水素を測定 ● GC/MSで有機ガス成分(C3以上)を測定 小型容器 バルブ GC/MS (ガスクロマトグラフ/質量分析装置) シリンジ 注入 リアルタイムMS (リアルタイム質量分析装置) バルブ 12L/min バッファー 10L/min 2L/minに調整 リアルタイムMS 2L/minに調整 小型容器内で異なる条件でLIBを熱暴走させて発生したガスを 質量分析装置(MS)を用いて測定し、比較した。 3本 ②リアルタイムMSの測定結果 ③GC/MSの測定結果 ①目的・装置構成 ○ガス噴出から熱暴走直後までの発生ガスの挙動を確認 ●発生ガスを置換ガスで排出しながらリアルタイムMSで測定 ●置換ガスを20%O2/N2と100%N2とし、酸素の影響を比較 ●測定対象:CO2,CO,H2,O2,H2O,CH4,C2H4,C2H6,電解液 小型容器 <結果> ●内圧開放時の発生ガスの成分はCO2,CO,O2,H2であった。 ●熱暴走時は急激にCO2,CO,H2が増加した。 ●O2有無の置換ガス共に熱暴走が起きたが、電解液が漏れ、熱 暴走するまでの挙動に違いが確認された。 ●O2有無によるH2濃度比較 O2無し(約3.2倍)>O2有り 定格容量まで充電 <結果> ●組成はそれぞれの充電量で類似した傾向がある。 は他と比べCO2が高く、O2とCOが低い傾向がある。 発火により酸化反応が進んだ可能性がある。 ●CH4,C2H4,H2は充電量が多いほど濃度が高くなる傾向があ る。 Air サンプリング バック 3本 2本 フッ化アルキル (炭化水素のフッ素置換) 電解液分解成分 (ケトン類、エーテル類) 置換ガス ③100%N2置換ガスの測定結果(O2無し) 製品安全センター O2 CO2 CO 10 1 2軸→ 3 2 4 無機ガス C1~C2炭化水素ガス 15 20 5 0 H2 CH4 C2H6 C2H4 2000 3000 0 1000 (%) (%) (ppm) 未校正 カラム:GC-Gaspro (Agilent J&W) 0.32mm×30m、注入口:150℃ 0.5mL注入 スプリット1:1 時間 (分) 40 30 20 12 10 10 10 (強度) 小型容器 安全弁が開き、LIB内部の ガスが漏れている CO2,CO,H2,電解液 内圧開放 0:00 1:23 2:00 3:00 1:00 H2O(未校正) O2 CO2 CO Max 9,015ppm H2 CH4 C2H4 電解液(未校正) 安全弁が開き、LIB内部の ガスが漏れている CO2,CO,H2,電解液 O2上昇(LIB内で発生したO2) 発火により酸素が消費 C2H6 弁から電解液が漏出 電解液 30,000 20,000 10,000 0 (ppm) O2 (%) 30 20 10 0 内圧開放 0:00 2:00 3:00 1:00 CH4 C2H4 弁から電解液が激しく噴出 内部から炎が噴き出す 0 H2O(未校正) O2 CO2 CO C2H6 電解液(未校正) 40,000 30,000 10,000 (ppm) 20,000 10 0 20 40 30 50 O2 (%) 0 炭酸ジメチル (DMC) クロマトグラムを縦軸と横軸をそろえて比較(C3以上) 充電量の違いによる熱暴走ガスの比較 火花が出現 時間(分) 時間(分) LIBを小型容器内で熱暴走させて発生したガスを安全に挙動と 過程を観察し、測定することができるようになった。 Max 28,828ppm H2 CO サンプル流量:2L/min、イオン化ガスEI:CO2,O2,H2Kr:CO、 Hg:CH4,C2H4,C2H4 電解液 ②20%O2/N2置換ガスの測定結果 熱暴走時の発生ガスの挙動

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Page 1: リチウムイオン電池(LIB)熱暴走時の挙動調査 - NITEC2H6 C2H4 2000 3000 0 1000 (%) (%) (ppm) 未校正 カラム:GC-Gaspro (Agilent J&W) 0.32mm×30m、注入口:150

<結果> ●充電量が多くなるほどピークが小さくなる傾向があるが、 ベンゼンは が特に高かった。 ● と はフッ化アルキルと炭化水素(特にアルケン)が 高い傾向があった。また、電解液分解物と推定される アルデヒド、ケトン、アルコール類が検出された。 ●プロペンとブタジエンは各充電量で大きな差はなかった。 ● は熱暴走時に発火し高温状態になったために酸化反応が 進み、ピークが小さくなったと推定される。

目的 リチウムイオン電池(LIB)熱暴走時の挙動調査

~その2 LIB熱暴走時の発生ガスの測定~

①目的・装置構成 ○異なる充電量(定格容量、定格容量の半分、終止電圧)の LIBを熱暴走させ、発生ガスを比較 ●リアルタイムMSで無機ガスとC1~C2炭化水素を測定 ● GC/MSで有機ガス成分(C3以上)を測定

小型容器

バルブ

GC/MS (ガスクロマトグラフ/質量分析装置)

シリンジ 注入

リアルタイムMS (リアルタイム質量分析装置)

バルブ 12L/min

バッファー

10L/min 2L/minに調整

リアルタイムMS

2L/minに調整

小型容器内で異なる条件でLIBを熱暴走させて発生したガスを 質量分析装置(MS)を用いて測定し、比較した。

3本

②リアルタイムMSの測定結果

③GC/MSの測定結果

①目的・装置構成 ○ガス噴出から熱暴走直後までの発生ガスの挙動を確認 ●発生ガスを置換ガスで排出しながらリアルタイムMSで測定 ●置換ガスを20%O2/N2と100%N2とし、酸素の影響を比較 ●測定対象:CO2,CO,H2,O2,H2O,CH4,C2H4,C2H6,電解液

小型容器

<結果> ●内圧開放時の発生ガスの成分はCO2,CO,O2,H2であった。 ●熱暴走時は急激にCO2,CO,H2が増加した。 ●O2有無の置換ガス共に熱暴走が起きたが、電解液が漏れ、熱 暴走するまでの挙動に違いが確認された。 ●O2有無によるH2濃度比較 O2無し(約3.2倍)>O2有り

定格容量まで充電

<結果> ●組成はそれぞれの充電量で類似した傾向がある。 ● は他と比べCO2が高く、O2とCOが低い傾向がある。 発火により酸化反応が進んだ可能性がある。 ●CH4,C2H4,H2は充電量が多いほど濃度が高くなる傾向がある。

① ② ③ ① ② ③ ① ②

プロパン

プロペン

ブタジエン

ベンゼン

ブタン

イソブテン

ペンタン

ペンテン

ヘキサン

ヘキセン

トリフルオロベンゼン

ヘプテン

トルエン

アセトン 電

解液

Air

サンプリング バック

3本 2本

アセトアルデヒド

フッ化アルキル (炭化水素のフッ素置換)

電解液分解成分 (ケトン類、エーテル類)

置換ガス

③100%N2置換ガスの測定結果(O2無し)

製品安全センター

0

5

10

15

20

O2 CO2 CO

10

1

2軸→ 3

2

4

無機ガス C1~C2炭化水素ガス

15

20

5

0 0

1000

2000

3000

H2

CH4

C2H6

C2H4

2000

3000

0

1000

(%) (%) (ppm)

未校正

カラム:GC-Gaspro (Agilent J&W) 0.32mm×30m、注入口:150℃ 0.5mL注入 スプリット1:1

時間(分)

40 30 20 12

10

10

10

(強度)

ボンベ

小型容器

0

10

20

30

40

50

0

10000

20000

30000

40000

安全弁が開き、LIB内部の ガスが漏れている CO2,CO,H2,電解液

0

10

20

30

0

10000

20000

30000

内圧開放

0:00 1:23 2:00 3:00 1:00

H2O(未校正)

O2

CO2

CO

Max 9,015ppm

H2

CH4

C2H4

電解液(未校正)

安全弁が開き、LIB内部の ガスが漏れている CO2,CO,H2,電解液

O2上昇(LIB内で発生したO2)

発火により酸素が消費

C2H6

弁から電解液が漏出

電解液

30,000

20,000

10,000

0

(ppm)

O2

(%)

30

20

10

0

内圧開放

0:00 2:00 3:00 1:00

CH4

C2H4

弁から電解液が激しく噴出 内部から炎が噴き出す

0 0

H2O(未校正)

O2

CO2

CO

C2H6

電解液(未校正)

40,000

30,000

10,000

(ppm)

20,000

10

0

20

40

30

50

O2

(%)

0

① ② ③ ① ② ③ ① ②

炭酸ジメチル (DMC)

クロマトグラムを縦軸と横軸をそろえて比較(C3以上)

充電量の違いによる熱暴走ガスの比較

火花が出現

時間(分)

時間(分)

LIBを小型容器内で熱暴走させて発生したガスを安全に挙動と過程を観察し、測定することができるようになった。

Max 28,828ppm

H2

CO

サンプル流量:2L/min、イオン化ガスEI:CO2,O2,H2、 Kr:CO、 Hg:CH4,C2H4,C2H4

電解液

②20%O2/N2置換ガスの測定結果

熱暴走時の発生ガスの挙動