ファイバーレーザと ホットワイヤ法を併用した 技 …キーワード 1. 緒言...

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キーワード 1. 緒言 造船や橋施されているCO 2 溶接が広 や高品質化の イヤの適用な溶着量化のた接欠陥が発生 するために,高溶着量など低減,スパッタ 工技術の開発レーザ溶化と低入熱施をすみ肉溶接ーザ必要とな置制御下での材の溶融しな方,レーザ・ア 得,そこにアやレーザ溶接本施工法は,が複雑や,高避けられない. 本研究でットワイヤ・レかつ高能率(行った.ホットワイヤの溶融の溶融は印加させることでそ 高溶着量化を 接条件の影響察を実施する調査すること溶接現象の解2. 実験方母材にはYGW11 ファ :ホットワの建設におい これらの溶接 く適用されていため,タンデムも進められての溶接施工しやすくなる.材変形量の増高能率化だ発生がないな求められて3,4) やレーザ・が可能な溶に適用し,深い.さらに,余加材の添加ればならず,ークハイブリック溶接によっに比べてすみークとレーザ着化を行うと,ホットワイヤザ溶接を適用溶着量,高速イヤ法は,通制御が可能と流によって,れぞれの溶融達成できる.を検討した.高とで,溶接施,溶接現象をや最適溶接9 mm SS4 いた.化学イバー広島大(平ヤ・レーて中厚板のすには利便性や.近年では,ーク溶接やフ 1,2) .しかし件では,アンらに,母材へを招いてしまでなく,投入の高品質化もる. ークハイブリッ技術である.込みを得る部形成のため必要となり,レ細な溶融制溶接は,レー余盛が形成さ溶接に適しての複合プロセ陥形成やスとレーザ溶接,高品質(低ど)なすみ肉加熱によって8-10) .した材の溶融はレ 独立制御でき報告では,溶ビデオカメラ中の母材やワ細に評価し,件の導出を行400 を,添加ワ成を Table 1 ーザ質・高大学院 21 年度一溶接,すみ肉溶接が多済性を考慮接施工の高ラックスコアーがら,高速化ーカットなど投入熱量が.そのため,量や母材希成可能な溶溶接 5-7) は,かし,レーザめには,高出は,高精度ザで溶加材は困難となる. で深い溶込るため,CO 2 る.しかしなであるためッタの発生な組み合わせ熱,低変形な接技術の開加材であるって,添加ワーザによって母材溶融の現象に及ぼ用いたそのヤの溶融現溶接法におた. ヤにはφ1.4 m 示す. ホット 率溶学研究院 教 門井浩研究開発溶接,低速, ら, 現象 減, mm 6 ワイヤ技術の 料・生産AF-2009 熱源のレーザ kW の半導体や再適用説条た.一方,半溶接条件を Ta をそれぞれ変点外し距離を示す.レーザ,レーザヘッドおよび添加ワイヤは,溶イヤ中心まで度は,母材表溶接中の母材討するため, Table 3 材の溶融などTable 1 Chem Tabl e を併開発 工部門 9210は,定格出ーザを用いた の導出に用体レーザはable 2 に示す. させて実験けることで射光のレーザは溶接方向イヤは,溶接後方より挿距離をワイから溶接方ワイヤの溶速度ビデオカ 影条件を示す. 前方の撮影mical composition Table 2 Weldi n e 3 Conditions of した 3 kW のファ.ファイバー,出力を 3kW 速化の検討にレーザおよび行った.レー御した.Fig. 1 ヘッドへの侵5°傾けた.垂直方向に 4 し,レーザス挿入位置としへの傾け角と現象,溶融池メラによるそカメラ A 用いた. 980 nm ns of used materi a ng conditions. f in-situ observat i ベーレーザと ーザは溶接W 一定として用 いた. イヤ挿入のスポット径は 1 に実験外様子 を抑制するた た,レーザヘ 45°傾けた. ット中心から .ワイヤ挿た. 動きを詳細に 場観察を行っ 融池の動きm の照明用レー als. (mass%) on. ー 185 ー

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Page 1: ファイバーレーザと ホットワイヤ法を併用した 技 …キーワード 1. 緒言 造船や橋梁 施されている. CO2 溶接が広 や高品質化の イヤの適用など

キーワード

1. 緒言

造船や橋梁

施されている.

CO2溶接が広

や高品質化の

イヤの適用など

溶着量化のため

接欠陥が発生

するために,母

高溶着量などの

低減,スパッタ

工技術の開発が

レーザ溶接

化と低入熱施工

をすみ肉溶接に

ーザ必要となる

置制御下での溶

材の溶融しなけ

方,レーザ・ア

得,そこにアー

やレーザ溶接に

本施工法は,ア

が複雑や,高溶

避けられない.

本研究では

ットワイヤ・レー

かつ高能率(高

行った.ホットワ

ワイヤの溶融の

の溶融は印加電

させることでそ

高溶着量化を

接条件の影響を

察を実施するこ

調査することで

溶接現象の解明

2. 実験方法

母材には板

のYGW11を用

ファ

:ホットワイ

梁の建設におい

.これらの溶接

く適用されている

ため,タンデムア

ども進められてい

めの溶接施工条

しやすくなる.さ

母材変形量の増大

の高能率化だけ

タ発生がないなど

が求められてい

接 3,4)やレーザ・ア

工が可能な溶接

に適用し,深い溶

る.さらに,余盛

溶加材の添加が

ければならず,詳

ークハイブリッド

ーク溶接によって

に比べてすみ肉

アークとレーザと

溶着化を行うと欠

は,ホットワイヤ法

ーザ溶接を適用し

高溶着量,高速な

ワイヤ法は,通電

の制御が可能とな

電流によって,母

れぞれの溶融を

達成できる.本

を検討した.高速

ことで,溶接施行

で,溶接現象を詳

明や最適溶接条

板厚9 mmのSS4

用いた.化学組

イバーレ

高品

広島大学

(平成

イヤ・レーザ

て中厚板のすみ

には利便性や経

る.近年では,溶

アーク溶接やフ

いる 1,2).しかしな

条件では,アンダ

さらに,母材への

大を招いてしまう

けでなく,投入熱

どの高品質化も達

いる.

アークハイブリッド

接技術である.し

溶込みを得るた

盛部形成のために

が必要となり,レー

詳細な溶融制御

ド溶接は,レーザ

て余盛が形成され

肉溶接に適してい

との複合プロセス

欠陥形成やスパ

法とレーザ溶接を

し,高品質(低入

など)なすみ肉溶

電加熱によって溶

なる 8-10).したが

母材の溶融はレ

を独立制御でき,

本報告では,溶接

速ビデオカメラを

行中の母材やワイ

詳細に評価し,本

条件の導出を行っ

400を,添加ワイ

組成をTable 1に

レーザと

質・高能

学大学院 工

成 21 年度一般

ザ溶接,すみ肉

み肉溶接が多く

経済性を考慮し

溶接施工の高速

ラックスコアード

ながら,高速化や

ダーカットなどの

の投入熱量が増

う.そのため,高

熱量や母材希釈

達成可能な溶接

ド溶接 5-7)は,高

しかし,レーザ溶

ためには,高出力

には,高精度な

ーザで溶加材と

御は困難となる.

ザで深い溶込み

れるため,CO2溶

いる.しかしなが

スであるため現

パッタの発生など

を組み合わせた

入熱,低変形など

溶接技術の開発

溶加材である添

がって,添加ワイ

ーザによって溶

,母材溶融の低

接現象に及ぼす

を用いたその場

イヤの溶融現象

本溶接法におけ

った.

イヤにはφ1.4 m

に示す.

とホット

能率溶接

工学研究院 材

助教 門井浩太

般研究開発助

肉溶接,低変

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速化

ドワ

や高

の溶

増加

高速,

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接施

高速

溶接

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な位

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溶接

がら,

現象

どは

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ど)

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添加

イヤ

溶融

低減,

す溶

場観

象を

ける

mm

6

ワイヤ法

接技術の

材料・生産加

助成 AF-2009

変形

熱源のレーザ

kW の半導体レ

象や再適用説条件

いた.一方,半導

溶接条件をTa

件をそれぞれ変化

焦点外し距離を設

を示す.レーザ反

め,レーザヘッド

ッドおよび添加ワ

加ワイヤは,溶接

ワイヤ中心までの

角度は,母材表面

溶接中の母材や

検討するため,高

た.Table 3に撮

母材の溶融などの

Table 1 Chem

Table

法を併用

開発

加工部門

9210)

には,定格出力

レーザを用いた

件の導出に用い

導体レーザは高

able 2に示す.

化させて実験を

設けることで制

反射光のレーザヘ

ドは溶接方向に

ワイヤは,溶接線

接後方より挿入

の距離をワイヤ

面から溶接方向

やワイヤの溶融

高速度ビデオカ

撮影条件を示す.

の前方の撮影に

mical composition

Table 2 Weldin

e 3 Conditions of

用した

力3 kWのファイ

た.ファイバーレ

い,出力を 3kW

高速化の検討に用

レーザおよびワ

を行った.レーザ

制御した.Fig. 1

ザヘッドへの侵入

に 5°傾けた.ま

線垂直方向に4

入し,レーザスポ

ヤ挿入位置とした

向への傾け角とし

融現象,溶融池の

メラによるその

カメラAは溶

に用いた.980 nm

ns of used materia

ng conditions.

f in-situ observati

イベーレーザと

レーザは溶接現

W 一定として用

用いた.

ワイヤ挿入の条

ザスポット径は

1に実験外様子

入を抑制するた

また,レーザヘ

45°傾けた.添

ポット中心から

た.ワイヤ挿入

した.

の動きを詳細に

の場観察を行っ

溶融池の動きや

mの照明用レー

als. (mass%)

on.

ー 185 ー

Page 2: ファイバーレーザと ホットワイヤ法を併用した 技 …キーワード 1. 緒言 造船や橋梁 施されている. CO2 溶接が広 や高品質化の イヤの適用など

a) Lateral direction

b) Welding direction Fig. 1 Schematic illustrations of experimental setup.

980 5 nm

B

950 5 nm

Fig. 2

110 A100 A

120 A

Fig. 3 2 mm

3 mm 3 mm

Spot diameter: 7.5 mm, Wire feeding position: 2mm,

Wire feeding speed: 1.8 m/min, Wire feeding angle: 55° Fig. 2 High speed camera images on each wire current.

Spot diameter: 7.5 mm, Wire current: 110 A,

Wire feeding speed: 1.8 m/min, Wire feeding angle: 55° a) 0 mm b) 2 mm

Fig. 3 Effect of wire feeding position on welding.

Fig. 4 Leg length change with spot diameter of laser.

55 75

35

Fig. 43 kW

0.3 m/min

ー 186 ー

Page 3: ファイバーレーザと ホットワイヤ法を併用した 技 …キーワード 1. 緒言 造船や橋梁 施されている. CO2 溶接が広 や高品質化の イヤの適用など

Spot size: 6.0mm, Wire current : 114A, Wire feeding angle: 55 ° Wire feeding position: 1.5mm, Wire feeding speed : 2.2m/min

Fig. 5 High resolution high speed camera image.

Wire feeding angle: 55 °, Wire feeding position: 1.5 mm,

Wire current : 84-122 A, Wire feeding speed: 1.1-2.4 m/min Fig. 6 Cross sections of weld bead on each spot diameter.

Fig. 7 Relationship between leg length and wire feeding speed.

Spot diameter: 7.5 mm, Wire feeding position: 1.5 mm

Wire current: 0-149 A Wire feeding angle: 55 ° Fig. 8 Cross sections of weld bead on each wire feeding speed.

6 mm Fig. 5

Fig. 6 Fig. 4 3

mm

4.5 mm

6.0 7.5

Fig. 7

3 m/min4

mm

Fig. 8

%

60 !m 1 mm

Fig. 93 kW 0.6

m/min

4.0 kW 1.0 m/min 5.8 kW 2.0 m/min

5.8 kW 2.0 m/min4 mm 1%

60 !m 1 mm

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Fig. 10 Angular distortion on each welding process.

Fig. 10 11)

GMA

GMA

!

!

! 5.8 kW 2.0 m/min

4.4 mm 1%, HAZ 0.45 mm, 66!m

! GMA

1) , 78 (2009), 693-708

Fig. 9 Cross sections of bead welded on each wire welding speed and laser power using laser diode.

ー 188 ー

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2) 長岡,橋本,横田,岸本:神戸製鋼技報, 54 (2009), 20-24 3) S. Katayama, Y. Kawahito, M. Mizutani: Physics Procedia, 5

(2010), 9-17 4) X. Zhang, E. Ashida, S. Katayama and M. Mizutani:

Quarterly J. Japan Welding Soc., 27 (2009), 64s-68s 5) U. Dilthey, A. Wieschemann: IIW Doc., XII-1565-99

(1999) 6) 牧野,椎原,浅井:溶接学会誌, 70 (2001), 400-404

7) F. Vollertsen, S. Grünenwald, M. Rethemeier, A. Gumenyuk, U. Reisgen ans S. Olschock: Welding in the World, 54 (2010), R62-70

8) 堀,渡辺,明賀,草野:溶接学会論文集, 21 (2003), 362-373 9) M. Yamamoto, K. Shinozaki, T. Myoga, T. Kanazawa and H.

Arashin: IIW Doc. XII-1927-07 (2007) 10) M. Yamamoto, K. Shinozaki, K. Mitsuhata, T. Nagashima, T.

Kanazawa and H. Arashin: Welding in the world, 55 (2011) 11) 猪瀬:第 74 回レーザ加工学会講演論文集, (2010),

131-136

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