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フィンランドにおける電子処方とEHR・PHR2013/03/06富士通株式会社ヘルスケア・文教システム事業本部ライフイノベーション企画室（兼）海外・新ビジネス企画室（兼）株式会社富士通総研経済研究所中野直樹

第1回医薬患連携情報共有研究会


フィンランドの概要

KanTaの導入電子処方箋について

フィンランド医療ICTの今後の方向性まとめ

もくじ

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ノルウェー

スウェーデン

フィンランド

デンマーク

Source: Wikipedia

フィンランドの概要国名フィンランド共和国

首都ヘルシンキ（北緯60度）面積 33万8千km2

（日本：37万7千km2）

人口 537万人（2010年）人口密度 16人／km2

（日本：339人／km2）

一人当たりＧＤＰ 36,217USD／2008年（日本：33,805USD／2010年）

地方行政区画 6州20県いわゆる高福祉国家で北欧型福祉国家（医療費公的負担率＝73.8％）

Cf.福祉国家のタイプリベラル型別名アングロアメリカン型。米国、カナダ、オーストラリアなど。市場と民間保険が社会保障の主なプレーヤー。欧州大陸型フランス、ドイツ、オーストリアなど西欧諸国。社会保障は雇用と労働に基づき、日本もこのタイプに近い。北欧型フィンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドの北欧5カ国。

国が国民の福祉に関する大きな責任を持ち、社会保障は全ての国民に対する普遍的かつ平等な給付と、労働所得に基づく給付によって成り立っている。社会保障と保健のサービスはほぼ全てが公的負担の下、提供される。社会保障費のGDPに占める割合は30%程度と高い。

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フィンランドの医療制度国民皆保険制度を導入

社会保険番号を導入し活用保健センター、病院、銀行、納税、警察関係、飛行機予約、運送等多岐に渡り利用される

社会保障の３本柱①予防を目的とする社会福祉保健政策 ②社会福祉保健サービス ③所得保障

社会保障の役割分担：所得保障は国、サービスは自治体

所得保障は国の責任として社会保険庁（KELA）が取り扱うURL：http://www.kela.fi/in/internet/english.nsf/

KELAが取り扱う給付や年金は…国民年金、労働能力喪失年金、治療費、疾病手当、出産手当、住宅補助、年金受給者介護補助、学資補助など

GP制度を導入プライマリケアは自治体（群）が運営する保健センターおよび民間クリニックで提供される（保健センター数≒260／保健センター：民間クリニック≒4:1）

国民は居住地に基づき所属する保健センターと主治医が決められている

セカンダリケア（専門医療）は自治体に所属する全国20の専門医療地区内の大学病院や中央病院により提供される

救急の場合を除きセカンダリケアを直接受診することはできない（GPでの紹介を元にセカンダリケア提供医療機関から患者に連絡が来る）

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http://www.kela.fi/in/internet/english.nsf/


フィンランドvs日本（平均在院日数）

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出展：内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議（第七回）」（資料１－２）医療・介護を取り巻く現状http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/syutyukento/dai7/gijisidai.html

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http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/syutyukento/dai7/gijisidai.html


フィンランドvs日本（人口千人あたり病床数）



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フィンランドvs日本（人口千人あたり臨床医数）



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ＫａｎＴａの導入

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フィンランド医療情報化の状況（KanTa以前） 2007年当時医療機関（公営病院約150施設、私立病院約100施設、プライマリヘルスケアセンター約320施設）のほぼ全てに電子カルテが導入されていた

患者に関する記録は電子カルテにより地域のEHRシステムにアップロードされていた

当時の課題医療機関の電子カルテから地域のEHRシステムに情報はアップロードされるも、地域ごとに異なるシステムインテグレータにより、それぞれの仕様で構築されており、格納されるデータ形式が不統一な状態となった

結果、地域を横断した（EHR間の）情報の互換性・統合性が乏しく、医療機関での活用頻度が低かった


これを解決すべく社会保険庁（KELA）は、国家全体の集中管理型医療情報アーカイブ（KanTa）の構築プロジェクトを開始（2007年）

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KanTaの特徴集中型の医療情報アーカイブ（KELAが運営）国際標準類を積極採用 ISO/TS21547（記録管理標準ISO15489をベースとするEHR長期保存における原則と要求事項を定めた規格）

BPPC（Basic Patient Privacy Contents／患者プライバシー同意管理） ANTA（Audit Trail and Node Authentication／監査証跡と認証） XDS.b（Cross-Enterprise Document Sharing／施設間ドキュメント共有） HL7 V3 CDA R2 ・・・サマリの構造化データ管理や製薬企業連携にも活用 WSDL（Webサービス記述言語）、XSD（Web Services Interoperability Organization

Basic Profile 1.1標準で定義されているXMLスキーマ）およびHTML5 （PIX/PDQについては採用していない）

最初に構築したサービス環境（SOAベース） eArchive ・・・診療情報アーカイブ

ePrescription ・・・電子処方箋

eAccess ・・・患者向けポータル開示承認された診療情報の参照、処方箋印刷

National Code Serverと呼ばれるナショナルマスタ提供サービスにより、電子カルテからのマスタ問い合わせに対応 →登録データの標準化を促進

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KanTa システム概要


出展：KanTa services, today and tomorrow/Kelaより受領(2012/08/27-28)

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診療情報の参照

KanTa 利用イメージ


個人の電子カルテ情報は、全国民が所有する

社会保険番号カード（KELAカード）を

病院、薬局にあるバーコード機器で読み取る

ことにより参照が可能となります。

KELAカードとそのバーコード認証

電子カルテネットワークのセンターへのアクセスは、

医療従事者に発行されるIDカード（スマートカード）

による認証によって制限され、電子認証機能をはじ

めとした高度なセキュリティによって守られています。

スマートカードとそのネットワーク認証

ネットワークＰＣ

ＫＥＬＡカード（イメージ）

スマートカード（イメージ）

バーコード機器

フィンランド社会保険庁（KELA）の「国民電子カルテネットワーク（KanTaシステム）」は、

これまで病院や薬局などの各医療機関が個別に保有していた電子カルテ情報を、全国で

共有できるようにネットワーク化したシステムです。

これにより、医療機関は、初診の患者さんであっても過去の通院履歴、病歴、処方箋などを

参照することができ、迅速で的確な診療を行なうことができるようになりました。

診療情報参照画面（イメージ）

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電子処方箋について

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往路と復路の両方を実装



処方情報（往路）と調剤情報（復路）の両方をサービス化

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利用状況（2010/05/20～）



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画面サンプル


処方歴画面

詳細画面（調剤情報も表示）


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患者自身によるアクセス状況



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フィンランド医療ICTの今後の方向性

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epSOSへの展開


epSOSとはEU圏内での相互運用性広域実証プロジェクト


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epSOSの実証範囲実証サービス Patient Summary（PS）

• EU圏内での患者紹介に伴うサマリ情報の共有（傷病歴、予防接種歴、アレルギー情報、副作用情報、手術歴、臓器移殖歴、妊娠歴等）

ePresicription（eP）およびeDispensation（eD）•国を横断した電子処方と調剤情報登録


ヨーロッパ健康保険証

epSOSプロジェクトでフィンランドが担当


参加国実証国

Cf.以下のIHEプロファイルを活用ATNA、XUA、BPPC、XCPD、XCA、XCF、XDR、CT、XDS、XDS-SD、PCC

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epSOSにおけるフィンランドの役割と計画



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まとめ

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電子カルテの完全普及をベースとするEHRへの拡張

複数EHRを国家として一元集約（KanTa）

社会保険番号を中核に医療情報を管理（KELAカード）

国際標準類の積極的採用

マスタをコンテンツだけでなくサービスとして提供することによる情報整備

その重点サービスとしての電子処方箋（ePresicription/eDispensation）

法整備とインセンティブ

PHRへの機能的拡張と、対象エリアの拡大（epSOS）

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ご清聴、誠にありがとうございました

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