倉庫オートメーション業界に covid-19 が及ぼす影響 · e...

無料レポート提供 Interact Analysis 販売代理店

株式会社グローバルインフォメーション

倉庫オートメーション業界に COVID-19が及ぼす影響

Interact Analysis

Ash Sharma, Managing Director

目次

倉庫オートメーション業界に COVID-19が及ぼす影響 ................................................................................................1

COVID-19は消費者の習慣的行動に長期的な行動変化を促す ― 倉庫オートメーションプロバイダーへの強い影響 ...2

短期的な減速 ..........................................................................................................................................................2

中期的なリバウンド ...................................................................................................................................................3

長期的な行動変化 ...................................................................................................................................................3

見通し .....................................................................................................................................................................3

2020年の倉庫オートメーション市場で 100億ドルが消え去る可能性 ― 長期的にはプラス成長の予想 ― ...............5

倉庫オートメーションの楽観的な長期見通し ..............................................................................................................6

良い点、悪い点、厄介な点 .......................................................................................................................................7

Interact Analysisについて .....................................................................................................................................8

Interact Analysisのサービスと市場調査レポート .....................................................................................................8

グローバルインフォメーションについて ..............................................................................................................................8

お問い合わせ先 ............................................................................................................................................................8

White Paper

2



COVID-19は消費者の習慣的行動に長期的な行動変化を促す

― 倉庫オートメーションプロバイダーへの強い影響

2020年 3月 18日発行

すべての分野が新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的な被害受けるわけではない。戦時中と同じように、恩恵を受ける産業も

あるだろう。抗菌ハンドジェルのメーカーだけの話ではない。世界中に広まっている COVID-19 の大流行は、習慣を変えるものになると

予想される。これからは、スーパーマーケットでカートを手にすると、不特定多数の人との接触という衛生面の問題を以前よりも意識する

ようになる。しかし、私たちは今後、これまでと同じくらいスーパーマーケットに行くのだろうか？ Amazon が e コマース需要の管理のため

に米国で 100,000人の雇用を計画しているという最近のニュースから、短期的には e コマースにとって大きな後押しとなることは明らか

である。また、米国、英国、EU 全体では給与が大幅に上昇している。私たちの予測では、新型コロナウイルスは長期的に消費者性向

を変えることになる。多くの人々は危機の際にオンラインショッピングに目を向け、危機が去った後も使い続けるだろう。これは、倉庫のオー

トメーション装置メーカーに大きな影響を与えることになる。

短期的な減速

ウイルス感染が広がるにつれ、広い分野で経済が減速している。恐怖と不確実性が投資を抑制している。倉庫オートメーション装置メ

ーカーでは、注文が激減した。また、多くのオートメーション機器プロバイダー、特に中国からコンポーネントを調達している企業では、深刻

な供給面における問題を抱えている。短期的には、供給ショックが市場の主な制約になると予測される。しかし、倉庫オートメーションプロ

バイダーがパニックを起こす理由はないと私たちは信じている。

3



中期的なリバウンド

COVID-19 の流行が来週消え去ることはない。英国では年末には COVID-19 の流行は制圧されるだろうというのが最も楽観的な

予測である。一方、悲観的な予測では、COVID-19 が根絶されることは決してなく、インフルエンザのような毎年恒例の健康イベントに

なるが、そうなる前にある程度の「集団免疫」が形成され、ワクチンができているというものである。次の 3～6 か月で、自分で自分を隔離

する人が大幅に増加するだろう。すなわち、娯楽イベントがキャンセルされ、レストランやパブ、カフェ、劇場や映画館は閉鎖され、さらに、

ウイルス感染という一般的な恐怖もあり、たとえ自分自身を隔離していなくても、人々は思い切って外出することは少なくなるだろう。これ

は一般的な店やスーパーマーケットでの買い物にも影響を及ぼすことになる。従って、今後数ヶ月で e コマースが大幅に増加すると予測

される。通常はオンラインで買い物をしない人がコンピューターとスマートフォンに目を向ける。しかし、ここで差し迫った問題が起こる。宅配

ドライバーや倉庫スタッフにウイルスの免疫がないので、需要の増加と相まって、倉庫のオートメーション化が推進されることになるだろう。e

コマース企業は人手不足を克服し、急速な成長に対応するために、オートメーション化について長期的な考慮が必要になるだろう。EU

を脱退した英国は、新たに厳格な移民制度の導入が確実視されており、特に労働力不足が顕著になる可能性がある。

長期的な行動変化

COVID-19 が買い物習慣に永続的な影響を与える可能性は非常に高い。 10年前、英国の食料品市場の 40％が 2025年ま

でにオンラインに移行すると考えられていたが、最近、ある業界団体がこの数値を 2024年で 7.7％へと修正した。しかし、オンラインマー

ケティング担当者たちが成しえなかったことを COVID-19 はオンラインで実現しそうである。3月の初め、英国の食料品配達会社の

Ocado のウェブサイトは、大量注文が原因で数回ダウンした。米国では、Amazon やWalmartなどの巨大な流通業者が、数十億

ドル規模のオンライン食料品ビジネスの急成長における勝者になると予想されている。米国における e コマースの売上は、2019年から

2023年の間にすでに大幅な成長が予測されていた。従来、オンラインショッピングとは距離を取り続けた高齢者層が、今回のオンライン

ショッピングブームの主要なプレーヤーとなっている。新型コロナウイルスで、この傾向は加速するだろう。

見通し

小売業者にとってはさまざまな課題が増加するだろう。効率を上げるために、現在のオンラインマーケティングと販売活動の見直しが必

要になる企業もあるだろう。これまでオンライン販売業者は高齢者層が普通に購入する商品を気に留めなかった。しかし、今や増加傾

向にある高齢者層向けに、企業はそういった商品の提供が必要になるかもしれない。また、若者が高齢の親類のために商品を注文し、

親類の自宅まで届けるために、より合理的な方法を開発する必要があるかもしれない。食料品プロバイダーは、大気汚染削減を目的と

したラストマイル電気配送車の利用のような、配送システムのアップグレードがさらに必要となるだろう。また、特定時間内に、より正確に

デリバリーを可能にする合理化された運用も出てくるだろう。

4



これらはすべて、倉庫や流通センターのオートメーション化に大きな影響を与えるだろう。為すべきことは多くあるが、留意すべきことは 2

つある。ひとつは、世界のマクロ経済環境が悪化し続ける場合である。倉庫オートメーション化のベンダーが多くの新しいシステムを販売で

きないため、既存顧客へのシステムのアップグレード、追加部品、または一般的なサービス関連製品の販売を強化する必要が生じ、ベン

ダーはアフターマーケットセールスチームの強化が必要となるだろう。もうひとつは、より楽観的な場合である。倉庫の人手不足と商品への

高い需要、そして新しい倉庫の必要性により、新規設備投資は相当なものになる可能性があるということだ。

どのようなシナリオでも、既存の機器の保守という観点、あるいは、新技術の開発や十分な数の機器を供給するという観点からも、重

労働はサプライヤーのオートメーション機器でなされる必要があるだろう。大きな課題だが、オートメーション業界の準備はできている。

5



2020年の倉庫オートメーション市場で 100億ドルが消え去る可能性

― 長期的にはプラス成長の予想 ―

2020年 3月 31日発行

最近の私たちの調査では、COVID-19 の大流行の結果として、2020年に倉庫オートメーションの売上が大きく打撃を受ける可能

性を示した。最新の分析では、倉庫オートメーション化プロジェクトの新規受注は 2020年に 20億米ドル減少する可能性が高いこと

が示されている。ロックダウン措置が原因で、顧客がオートメーションの導入を遅らせたり、プロジェクトのインストールや発注ができないた

め、売上への影響はさらに悪化している。

制限が解除されれば、プロジェクトは本格的に続行されることは間違いないが、これらのプロジェクトの大部分は 2021年まで遅延す

ると思われる。倉庫オートメーション市場へのウイルスの影響とその後のリバウンドは、感染者の急激な増加ペースを遅らせるために各国

で実施されている封じ込め方策の速度と効果、そして、ウイルスの脅威が後退したときにこれらの方策が解除されるペースに大きく関係す

ると考えられる。

1日の感染率のピーク、各国の封じ込め方策、および各国で事業活動が通常に戻る可能性の高い日付を考慮した最新のモデリン

グでは、今年の倉庫オートメーションの受注の新しいベース数値は約 330億ドルを示している。これは 2019年比で依然として 4％の

増加となるが、パンデミック前の 2020年予測の 10％増を下回っている。ベンダーへの調査とインタビューによると、2020年受注予定

であったプロジェクトの相当数が 2021年へ先送りされると予想される。この影響で、売上は 2019年の 290億ドルから 2020年

230億ドルへの減少と見込まれる。

6



ウイルスの拡散と封じ込めの率を予測するのは非常に困難である事実を考えると、この予測にはある程度の不確実性が存在する。私

たちがモデル化した他の不安定なシナリオも考慮すると、今年の売上は、最低で 170億ドルにまで減少、あるいは、最高で 300億ドル

に達する可能性があると推定される。

倉庫オートメーションの楽観的な長期見通し

しかし、悪いニュースばかりではない。 2021年には、受注と売上の両方での急激な回復が予想される。パンデミック、そしてサプライチ

ェーンおよび購買行動への影響の結果として、長期的には倉庫オートメーション市場はさらに高まると予想される。私たちのベースケース

シナリオは、今後 4年間のプラス成長が 2020年の売上の落ち込みを相殺する以上のものであると予測している。前述の通り、ウイル

スが引き起こしたカオスが、オンライン購入を敬遠していた購買層、つまり高齢者層の間で、e コマースの利用を促進させると予想される。

さらに、今後のサプライチェーンの混乱から企業を守るために、オートメーション化とロボットの導入のトレンドが加速されるだろう。

7



良い点、悪い点、厄介な点

COVID-19 パンデミックが倉庫オートメーション産業に与える影響の度合いは、地域と垂直産業で相当異なるだろう。ウイルスにとっ

て国境は関係ないが、感染症の広がりには国境線が大きく関係している。なぜならば、大流行の規模は、各国が導入する封じ込め方

策がどれだけ厳格なものか、そして、どれだけ迅速に方策を実施できるかに大きく依存するからである。感染症は、APAC から始まり欧州

に移動し、現在北米で加速しつつ、波のように世界中に広がっている。結果として、中国と他のアジア太平洋地域が最初に危機から脱

出する可能性が高くなるだろう。その結果、通常の事業運営と今後のオートメーションプロジェクトの発注は、他の地域よりも早く APAC

で再開されることになる。逆に、第二半期から 2021年の初めにかけて、北米での影響が見えてきそうである。中国でのインストールは、

はるかに迅速に再開され、システムインテグレーターは 2020年にプロジェクトを軌道に乗せる能力を持つようになると予想される。

COVID-19 の影響を免れる業界はない。異なる業界の異なる倉庫部門は異なる点で影響を感じる。たとえば、一般的な物品販

売では、e コマースの需要が短期間に大幅に急増している。何千もの新しい労働者を雇用することで小売業者はこの需要を満たしてい

る。しかし、危機管理によって、小売業者のオートメーション化計画は一時停止へと追い込まれつつある。ただし、短期だけでなく長期的

にも多くの顧客の購入習慣が変化し、中期的には倉庫オートメーションソリューションに対する需要が大幅に増加すると予想する。食料

品部門は、一般的な物品販売と同様の経路と軌跡をたどるだろう。一方、アパレルと耐久消費財製造業では、消費者支出の大幅な

減少のため、ウイルスによる短期的な影響はさらに深刻で悲観的ある。アパレルでは e コマースの普及率が結果としてわずかに上昇する

可能性が高く、耐久消費財製造業では、新しい生産ライン方法としてのオートメーションソリューションで、生産拠点を自国内へ戻すリシ

ョアリングが加速される可能性が高いだろう。

8

販売代理店株式会社グローバルインフォメーション

Interact Analysisについて

Interact Analysisは、インテリジェントオートメーション分野に関する市場調査の国際的なプロバイダーです。

2017 年に設立された同社は米国、中国、英国など世界各地に拠点を持ち、実績のあるアナリストで構成されるチームが、インテ

リジェントオートメーションの分野で質の高い市場調査レポートを発行しています。同社のアナリストは、市場の動向を見極めるため

の十分な経験と情報収集に関する知識を有しており、確度の高い最新情報を有意義な識見とともに提供することができます。

Interact Analysisのサービスと市場調査レポート

市場調査レポート

倉庫オートメーション市場の展望：2019年（商品 ID： 901909）

40 以上の倉庫オートメーションのシステムインテグレーター、サプライヤー、エンドユーザーへのインタビューと調査を基にして、地域、

エンドユーザー産業、チャネル、機能、倉庫タイプとプロジェクト規模毎に市場を分析し、予測を提供します。

ご購入検討のためにオンラインでレポートを閲覧いただけます。弊社までお問い合わせください。


協働ロボット (コラボレーティブロボット) の世界市場：2019年（商品 ID： 914955）

30以上の企業へのインタビューと調査を基にした協働ロボット市場調査レポートで、モビリティ別・フォームファクター別・

操作形態／安全性別等、詳細な分析を提供します。



移動ロボットの世界市場 (2019年)：製造・物流業における AGV (無人搬送車)・AMR (自律移動ロボット)

（商品 ID： 593843）

自律型プラットフォームの倉庫・物流センターへの広範な導入により、今後 10 年間で大きな変容を遂げる見通しの移動ロボット

市場を分析し、市場予測を提供します。


グローバルインフォメーションについて

グローバルインフォメーションは、様々な市場調査レポート・委託調査などにより、お客様のニーズに合うソリューションを

ご提案いたします。

Interact Analysis の販売代理店として優れたサービスを日本市場の皆様にご紹介しております。

Interact Analysis 販売代理店株式会社グローバルインフォメーション

電話： 044-952-0102

Fax ： 044-952-0109

E-mail ： [email protected]

URL ： www.gii.co.jp/

お問い合わせ先

https://www.gii.co.jp/r/901909



mailto:[email protected]

https://www.gii.co.jp/

倉庫オートメーション業界に covid-19 が及ぼす影響 · e...

Documents