デジタルコンテンツ市場に関する 調査研究報告書 ·...

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平成17年度日本自転車振興会補助事業 デジタルコンテンツ産業動向調査研究事業 デジタルコンテンツ市場に関する 調査研究報告書 平成18年3月 財団法人デジタルコンテンツ協会

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Page 1: デジタルコンテンツ市場に関する 調査研究報告書 · コンテンツビジネスは、ブロードバンド・サービス(ftthやadsl)の浸透や 第3世代携帯電話(3g)の普及とともに、これまで着実に発展してきている。ftth

平成17年度日本自転車振興会補助事業

デジタルコンテンツ産業動向調査研究事業

デジタルコンテンツ市場に関する

調査研究報告書

平成18年3月

財団法人デジタルコンテンツ協会

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この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

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目 次

序 調査の概要 1

0.1 調査の目的 1

0.2 調査の内容 2

0.3 調査の方法 5

0.4 推計方法の変更点 7

0.5 調査体制 8

1.調査結果の概要 10

1.1 デジタルコンテンツおよび関連市場の動向 10

(1) 2005年の市場推計 10

(2) 2006年の市場予測 11

2.デジタルコンテンツ市場の動向 17

2.1 コンテンツ業界の動向 17

(1) 映像 17

(2) 図書、画像・テキスト 23

(3) 音楽 27

(4) ゲーム 32

3.デジタルコンテンツ関連市場の動向 38

3.1 プロダクツ市場の動向 38

3.2 周辺市場の動向 39

3.3 その他の市場の動向 39

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序 調査の概要

0.1 調査の目的 コンテンツビジネスは、ブロードバンド・サービス(FTTHやADSL)の浸透や

第3世代携帯電話(3G)の普及とともに、これまで着実に発展してきている。FTTHやADSLの通信料金の低下や携帯電話の定額制の導入など、コンテンツ消費の増加

に資するための下地作りが順調に進められたため、ネットワーク上でのコンテンツ

は身近な存在として多くの利用者に受け入れられつつある。 コンテンツビジネスの内容もこれまでよりも充実化の方向性を強めている。携帯

音楽端末用楽曲ファイルや携帯ゲーム端末用ゲームソフトのダウンロード・サービ

ス、無料映像配信サービスなどの新たなビジネスが登場し、コンテンツビジネスの

可能性を広げつつある。こうした動きは放送系サービスにも好影響を与え、地上デ

ジタルTV放送の本格化や1セグ放送の開始を前にして、通信サービスと放送サービ

スの融合といった大局的な変化を視野に入れた形で、コンテンツビジネスが今後一

層発展することが期待されている。 このように、大きく変化をし続けるデジタルコンテンツおよび関連市場の動きを

本調査研究では市場規模から把握し、現状と将来動向を明らかにすることで、今後

の成長が期待されるデジタルコンテンツ市場の将来性を展望し、政府・地方公共団

体における政策形成や、事業者の事業企画に資することを目的とする。

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0.2 調査の内容 日本国内におけるデジタルコンテンツ、およびデジタルコンテンツを利用するた

めのプラットフォームとなる製品等の市場規模や動向について調査する。 (1)調査の枠組み

①対象とするデジタルコンテンツ

本調査で対象とするデジタルコンテンツとは、映像、音楽、ゲーム、出版などの

既存コンテンツ産業におけるコンテンツのうち、エンドユーザー(コンテンツの利

用者)が購入する段階で、デジタルデータとして表現されているものとする。 従って、制作段階ではデジタル形式(電子媒体)であっても、エンドユーザーに

はアナログ形式(紙媒体)で提供される書籍・新聞などは、算定対象としない。 また、一般の消費財と同様に、デジタルコンテンツにも企業向けの市場(B to B)

が存在するが、本調査では原則として一般消費者向けの市場(B to C)を対象とす

る。

コンテンツ 様々なメディア上で流通する[映像、音楽、ゲーム、図書]など、

動画・静止画・音声・文字・プログラムなどの表現要素によって構成

される“情報の内容” デ ジ タ ル コンテンツ デジタル形式で記録されたコンテンツ

②デジタルコンテンツ市場

デジタル形式で記録されたコンテンツを対象とし、エンドユーザーがディストリ

ビュータ(流通の最終段階に位置する事業者)に対して暦年1年間に支払った金額

を「市場規模」として把握する。即ち、ディストリビュータが暦年1年間に得る収

入と同義である。

③デジタルコンテンツ関連市場

デジタルコンテンツを利用するためには、パーソナルコンピュータやその上で動

作するアプリケーションソフトウェア、DVDプレーヤ、ゲーム機等のハードウェ

アが必要となる。 従って、本調査研究におけるデジタルコンテンツを利用するためのプラット

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フォームとなる製品を「デジタルコンテンツ関連市場/プロダクツ市場」とする。

また、デジタルコンテンツが流通するために必要な各種サービス事業の市場につい

ては「デジタルコンテンツ関連市場/周辺市場」とし、調査の対象とする。 近年、生活必需財として情報通信端末の価格が多様化していることや、コンテン

ツ利用サービスでの定額制が根付いていることから、従来の手法に基づいた金額

ベースの市場規模の算出は困難となっている。このため、原則として、プロダクツ

市場についてはその出荷数量を、周辺市場についてはサービスの利用契約者数や利

用金額を、それぞれ「市場規模」として把握する。

(2)調査品目(市場を推計する際の推計単位)

①デジタルコンテンツ市場

コンテンツのジャンルを単位とし、「映像」「図書、画像・テキスト」「音楽」

「ゲーム」の4セグメントに分類する。また、流通形態としては、「パッケージソフ

ト」「インターネット配信」「携帯電話配信」を対象とするとともに、「映像」には

「デジタルテレビ放送」を含め、それぞれのセグメント内で峻別しながら市場規模

を算定する。

②デジタルコンテンツ関連市場/プロダクツ市場

デジタルコンテンツの利用に不可欠な製品等のセグメントを、以下のとおり設定

する。

分類 推計単位 含まれる製品等

パーソナルコンピュータ・ハードウェア ・ソフトウェア

汎用機器 携帯電話機 ・第2世代携帯電話機

・第3世代携帯電話機

デジタルビデオ ・DVDプレーヤ、レコーダ ・モバイルビデオプレーヤ

※DVD-ビデオを含む 映像系

デジタル放送受信端末

・地上デジタルテレビ ・BSデジタルテレビ ・ハイビジョンテレビ

※モバイル放送端末を含む

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分類 推計単位 含まれる製品等 カーナビゲーション ・カーナビゲーションシステム 電子辞書 ・電子辞書端末 図書、画像・

テキスト系 電子書籍利用端末

・電子書籍利用端末 ※携帯電話機を除く

音楽系 民生用プレーヤ ・CDプレーヤ、MDプレーヤ ・モバイルオーディオプレーヤ

ゲーム系 家庭用ゲーム機 ・据置型ゲーム機 ・携帯型ゲーム機

③デジタルコンテンツ関連市場/周辺市場

デジタルコンテンツの流通に関連する各種サービス等のセグメントを、以下のと

おり設定する。

分類 推計単位 含まれるサービス等

広告 ・インターネット広告 ・携帯電話広告 ・BSデジタル放送広告

広告連動型映像配信サービス・インターネット無料映像配信 ・無料デジタル放送

電子決済 電子決済サービス・インターネット ・携帯電話

※決済方式別に推計

B to B EC ・物販

・サービス ※視聴メディア別に推計

EC市場

B to C EC ・物販

・サービス ※視聴メディア別に推計

インターネット利用者数 ・FTTH利用者数 ・ADSL利用者数 ・CATVインターネット利用者数

携帯電話加入者数 ・第2世代携帯電話 ・第3世代携帯電話

その他のデジタルコンテンツ ・業務用通信カラオケ ※B to Bとみなす

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0.3 調査の方法 (1)調査方法 各種業界団体、当該分野の代表的な事業者等の公表値に基づいて推計を行った。

なお、「デジタルコンテンツの市場規模」の推計にあたっては、以下に基づいて推

計した。 Ⅰ.ベースとなるデータは、原則として業界団体の公表値を採用 Ⅱ.B to Cの市場規模の公表値がある場合はそのまま採用。無い場合は、マ ージン等推計根拠を明確にした上で換算 Ⅲ.業界団体の公表値が無い場合は、代表的な事業者の公表値に基づき推計 また、関連事業者や業界関係者にヒアリング調査を実施し、推計値の根拠付けを

明確にした。

(2)調査の詳細

①文献調査

各種業界団体、当該分野の代表的な事業者等の公表する資料(公表値)からデジ

タルコンテンツおよび製品等の消費状況を把握し、市場規模を推計した。 利用した主な資料は、以下のとおりである。

■デジタルコンテンツ市場

セグメント 主な資料 映像系 (社)日本映像ソフト協会資料等 図書、画像・テキスト系 各事業者のIR資料等 音楽系 (社)日本レコード協会資料等 ゲーム系 (社)コンピュータエンターテインメント協会資料等

通信関連 各事業者のIR資料等 放送関連 各事業者のIR資料等

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■デジタルコンテンツ関連市場/プロダクツ市場、周辺市場

セグメント 主な資料 汎用機器 (社)電子情報技術産業協会資料等 映像系 (社)電子情報技術産業協会資料等 図書、画像・テキスト系 (社)電子情報技術産業協会資料等 音楽系 (社)電子情報技術産業協会資料等 ゲーム系 (社)コンピュータエンターテインメント協会資料等 広告 (株)電通資料等 広告連動型 映像配信サービス 各事業者のIR資料等

電子決済 各事業者のIR資料等

②ヒアリング調査

代表的なコンテンツ制作事業者やサービス事業者、および関連する業界団体等を

対象に、2005年の実績および2006年以降の見通しについてヒアリング調査を行い、

推計値の根拠を得た。 訪問先としては、「デジタルコンテンツ産業動向調査研究委員会」委員の所属団

体((社)日本映像ソフト協会、(社)日本レコード協会、(社)コンピュータエン

ターテインメント協会等)に、推計に不可欠な事業者等を加えて実施した。

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0.4 推計方法の変更点 市場規模の推移をより正確に把握するため、本年度調査では、昨年度調査以降に

公表された統計値に基づき、過去の市場規模の補正を行っている。補正を行った品

目および補正の内容については、以下のとおりである。

■デジタルコンテンツ市場 セグメント ベースデータ 推計・予測方法

映像 ◆DVDセル・レンタル: (社)日本映

像ソフト協会公表値

・2005年については、出荷ベー

スの公表値に、ヒアリングによ

る卸売価格/小売価格比率と

市場カバー率を乗じて市場規

模を推計した

・2006年については、上記のと

おり算出した市場規模にヒアリ

ングによる市場の伸び率を乗じ

て予測した

図書、画像・テ

キスト

◆データベースサービス: 経済産

業省の「特定サービス産業動態統計

調査」の公表値

◆電子書籍: 「出版指標・統計」の

公表値およびヒアリングによる推計

◆携帯電話向けコンテンツ: 事業者

公表値およびヒアリングによる推計

・2005年については、小売ベー

スの公表値に基づいた

・2006年については、上記のと

おり算出した市場規模に過去3

年間の伸び率の平均値を乗じ

て予測した

音楽

◆CDセル・レンタル等: (社)日本レ

コード協会公表値

◆インターネット音楽配信: (社)日

本レコード協会公表値

・2005年については、小売ベー

スの公表値に、ヒアリングによ

る市場カバー率を乗じて市場

規模を推計した

・2006年については、上記のと

おり算出した市場規模にヒアリ

ングによる市場の伸び率を乗じ

て予測した

ゲーム

◆家庭用ゲーム機向け: (社)コン

ピュータエンターテインメント協会公

表値および事業者公表値

◆PC用ゲーム: (社)コンピュータエ

ンターテインメント協会公表値および

事業者公表値

◆オンラインゲーム: オンライン

ゲームフォーラム公表値およびヒア

リングによる推計値

・2005年については、小売ベー

スの公表値に基づいた

・2006年については、上記のと

おり算出した市場規模にヒアリ

ングによる市場の伸び率を乗じ

て予測した

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0.5 調査体制 本調査の内容・方法および結果については、有識者、専門家等による「デジタル

コンテンツ産業動向調査研究委員会」(図表0-1)にて検討を行った。 また、デジタルコンテンツ協会の職員および株式会社三菱総合研究所のスタッフ

からなるワーキンググループを設置し、委員会の指導のもと調査を実施した。

図表0-1 調査体制

■デジタルコンテンツ産業動向調査研究委員会(敬称略、委員は五十音順)

氏名 所属

委員長 浜野 保樹 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授

愛宕 威志 (社)日本映画製作者連盟 事務局次長

上田 直子 (社)日本映像ソフト協会 管理部 広報課 課長

岸原 孝昌 モバイル・コンテンツ・フォーラム 事務局長

木村 幹夫 (社)日本民間放送連盟 研究所 主任研究員

町谷 太郎 (社)コンピュータエンターテインメント協会 事務局

森岡 伸一 (社)日本レコード協会 業務部 課長代理

委 員

山口 康男 (中)日本動画協会 専務理事

※所属は2006年3月時点

■オブザーバー(敬称略)

氏名 所属

高砂 義行 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長補佐

火口 知子 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 産業活性化係長

角田 周一 財団法人デジタルコンテンツ協会 専務理事

※所属は2006年3月時点

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■ワーキンググループ

氏名 所属

岩田 庸一 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部長

岸上 俊一 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部 企画調査部 研究主幹

廣田 新 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部 企画調査部 研究主幹

福島 寿恵 財団法人デジタルコンテンツ協会 企画・推進本部 企画調査部

永野 寛 株式会社三菱総合研究所 情報通信技術研究本部 ネットワークビジネス研究部 主任研究員

※所属は2006年3月時点

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1.調査結果の概要

1.1 デジタルコンテンツおよび関連市場の動向

(1)2005 年の市場推計 2005年のデジタルコンテンツ市場(図表1-1)は、音楽系コンテンツやインター

ネット対応携帯電話向けコンテンツなどを中心に堅調に推移し、市場規模は3兆27億円(前年比11.2%増)に達した。 映像系コンテンツはDVD消費が一巡したため、2ケタ増を示した高成長・高普及

期から1ケタ増の成熟・安定期へと移りつつある。インターネット上の映像ストリー

ミングサービスは着実に利用者数を増やしている。 図書、画像・テキスト系コンテンツでは、PCや携帯電話、専用端末向けの電子

書籍が成長した。手軽に起動できる専用端末向けの電子書籍は今後も伸びが期待さ

れており、出版社や情報通信関連事業者などからなるコンソーシアムの立ち上げが

相次いだ。 音楽系コンテンツは、PCや携帯電話向けの音楽配信サービスが好調に推移して

いる。とりわけ、携帯電話向けの「着うた」や「着うたフル」、「iTunes」をはじめ

としたモバイルオーディオプレーヤ向けの楽曲のダウンロード販売が活況を呈し

ている。 ゲーム系コンテンツでは、2006年に高機能・高性能の次世代家庭用ゲーム機が任

天堂やSCEから相次いで発売されると期待されていることから、落ち着いた展開と

なった。これら2社に先駆けてマイクロソフトの「Xbox360」が2004年12月に発売

された。オンラインゲームは着実に利用者数を増やしており、順調な伸びを見せて

いる。 また、デジタルコンテンツ関連市場/プロダクツ市場(図表1-2)も順調に推

移している。 汎用機器では、低価格化が定着したパソコンが伸びを見せている。また、携帯電

話では3Gが全体の約4分の3を占めるに至った。映像系では液晶等の薄型テレビや

デジタル放送受信端末の普及が進みつつある。音楽系ではCD・MDプレーヤとも減

少を見せていることから、PCや携帯電話、モバイルオーディオプレーヤ等へと楽

曲を楽しむ手段が移行しつつあることがうかがわれる。 デジタルコンテンツ関連市場/周辺市場(図表1-3)では、検索連動型広告と

いった新たなビジネスモデルとともにインターネット広告が市場を拡大している。

インターネット利用者数を見ると、FTTHやDSLを中心とした通信サービスのブ

10

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ロードバンド化が進んでいる。

(2)2006 年の市場予測 2006年のデジタルコンテンツ市場は、インターネット配信コンテンツやインター

ネット対応携帯電話向けコンテンツなどを中心に成長が期待される。とりわけ、音

楽配信や電子書籍、次世代家庭用ゲーム機向けのゲームソフトに関連したビジネス

の拡大が予想されることから、市場規模は3兆3,562億円(前年比11.8%増)に達

すると予測される。 デジタルコンテンツ関連市場/プロダクツ市場では、薄型テレビやデジタル放送

受信端末の普及が持続し、次世代家庭用ゲーム機の登場による市場の拡大が見込ま

れる。また、モバイルオーディオプレーヤの本格的な普及が進むことも期待される。 デジタルコンテンツ関連市場/周辺市場ではブロードバンド化の中心がFTTHへ

と徐々に移行し、携帯電話の3G化が一層進展すると見られる。

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図表1-1 デジタルコンテンツ市場

2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年予測

数値 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率 区分 品目 単位:

億円

単位:

億円

単位:

単位:

億円

単位:

単位:

億円

単位:

単位:

億円

単位:

映像 8,146 10,337 26.9 12,357 19.5 13,961 13.0 15,043 7.8

パッケージソフト 6,460 8,440 30.7 10,348 22.6 8,193 -20.8 8,603 5.0

DVD セル 3,230 4,220 30.7 5,174 22.6 4,097 -20.8 4,301 5.0

DVD レンタル 190 475 150.0 1,227 158.3 1,311 6.8 1,376 5.0

インターネット配信 39 147 276.9 173 17.7 194 12.1 392 102.2

携帯電話配信 266 274 3.0 314 14.6 341 8.6 371 8.7

デジタルテレビ放送 1,381 1,476 6.9 1,522 3.1 5,232 243.8 5,677 8.5

BS デジタル放送 63 94 49.2 125 33.0 189 51.2 273 44.5

CS デジタル放送 1,318 1,382 4.9 1,397 1.1 1,386 -0.8 1,410 1.7

CATV デジタル放送 3,657 3,994 9.2

1 セグ放送

図書、画像・テキスト 3,280 3,351 2.2 3,353 0.0 3,498 4.3 3,769 7.7

パッケージソフト 831 869 4.6 909 4.6 969 6.6 1,066 10.0

ナビゲーション 344 419 21.8 519 23.9 614 18.3 745 21.3

電子書籍(百科事典・辞書) 190 195 2.6 169 -13.3 157 -7.1 148 -5.9

電子書籍(研修・習い事) 297 255 -14.1 221 -13.3 198 -10.4 173 -12.6

インターネット配信 1,498 1,590 6.1 1,569 -1.3 1,674 6.7 1,796 7.3

データベースサービス 1,369 1,426 4.2 1,388 -2.7 1,422 2.5 1,440 1.3

電子書籍 17 33 94.1 97 194.1 190 96.1

メールマガジン・その他 129 147 14.0 148 0.7 155 4.9 165 6.5

携帯電話 951 892 -6.2 875 -1.9 855 -2.3 907 6.1

文字情報等サービス 521 542 4.0 563 3.9 565 0.4 581 2.8

待ち受け画面 430 350 -18.6 300 -14.3 230 -23.3 187 -18.7

電子書籍 12 60 400.0 140 133.3

音楽 6,813 6,381 -6.3 6,478 1.5 7,693 18.8 9,558 24.3

パッケージソフト 5,808 5,169 -11.0 5,078 -1.8 6,021 18.6 6,563 9.0

CD セル 5,158 4,579 -11.2 4,478 -2.2 4,787 6.9 5,266 10.0

DVD セル 633 697 10.0

CD レンタル 650 590 -9.2 600 1.7 600 0.0 600 0.0

インターネット配信 25 32 28.0 50 56.3 52 4.0 61 18.2

音楽配信 11 17 54.5 36 111.8 40 11.1 50 25.0

MIDI・DTM データ配信 14 15 7.1 14 -6.7 12 -14.3 11 -4.6

携帯電話配信 980 1,180 20.4 1,350 37.8 1,620 37.3 2,934 117.3

着メロ 980 1,130 15.3 1,100 -2.7 900 -18.2 883 -1.8

着うた 50 235 370.0 600 155.3 1,651 175.1

着うたフル 15 120 700.0 400 233.3

ゲーム 4,323 4,266 -1.3 4,808 12.7 4,876 1.4 5,192 6.5

パッケージソフト 4,023 3,773 -6.2 3,809 1.0 3,436 -9.8 3,417 -0.6

家庭用ゲーム機向け 3,367 3,091 -8.2 3,160 2.2 2,844 -10.0 2,844 0.0

PC 用ゲーム 656 682 4.0 649 -4.8 592 -8.8 573 -3.2

オンラインゲーム 60 193 221.7 579 200.0 900 55.5 1,066 18.5

パッケージソフト 212 329 55.5 390 18.5

PC 用 129 200 55.5 237 18.5

家庭用ゲーム機用 83 129 55.5 153 18.5

運営サービス 367 571 55.5 676 18.5

定額課金 260 404 55.5 478 18.5

アイテム、アバター課金 107 167 55.5 198 18.5

携帯電話向けゲーム 240 300 25.0 420 40.0 540 28.6 708 31.2

デジタルコンテンツ市場 合計 22,562 24,335 7.9 26,996 10.9 30,027 11.2 33,562 11.8

※原則として、推計値は億円未満で四捨五入

伸び率は小数点以下1桁未満で四捨五入

12

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デジタルコンテンツの市場規模の推移

15,043

13,961

12,357

10,337

8,146

3,769

3,498

3,353

3,351

3,280

9,558

7,693

6,478

6,381

6,813

5,192

4,876

4,808

4,266

4,323

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000

2006年予測

2005年推計

2004年推計

2003年推計

2002年推計

(億円)

映像 図書、画像・テキスト 音楽 ゲーム

2005年推計

13,961

3,498

7,693

4,876

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

映像 図書、画像・テキスト 音楽 ゲーム

(億円

13

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2006年予測

15,043

3,769

9,558

5,192

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

映像 図書、画像・テキスト 音楽 ゲーム

(億円

14

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図表1-2 デジタルコンテンツ関連市場(プロダクツ市場)

2002年数値 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率

〔単位:億円〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕汎用機器

パーソナルコンピュータハードウェア デスクトップ型 6,846 6,994 2.2 8,048 15.1 8,741 8.6 9,777 11.8

ノート型 10,196 10,170 -0.3 4.1 2.9

-21.0 -7.0 -14.0

-4.3 -6.0 -4.9 -5.4 -5.2

-4.1 -16.9 11.5 -2.7 -1.2 -7.5 -4.3 -5.9

-21.2 95.5 37.2-4.7 -6.6 -5.7 -6.1

-98.9 -22.9 -60.9 -41.9 -2.5 -6.0 -0.6 -3.3

-24.6 22.0 3.4-24.6 -40.7 -58.9 -49.8

-8.7 -4.3 -17.4 -8.7

95.8-57.3

38.9 8.8 360.6-6.7 -12.6 -58.3 -35.5

-5.3 -0.5 33.3 -35.7 -11.1 -23.4

-40.4 -84.2 -48.7 -8.9 -14.8 -61.2 -38.0

-5.1 -8.3 -16.2 -12.3 -5.1 -8.3 -16.2 -12.3 -7.5 -7.8 -4.2 -6.0

-26.1 -24.5 -39.4 -32.0 -21.7 -20.8 -7.5 -14.1 -0.5 -3.1

-9.6 -44.7 -27.2 -8.4 -45.8 -27.1

-23.3 -27.5 -26.0 -26.8 -10.3 -16.8 -37.2 -27.0

-1.5

-37.1 -18.5 -58.7 -29.3 -75.3 -37.6

-81.4 -40.7 -71.5 -35.8

10,504 3.3 10,663 1.5 10,919 2.4ソフトウェア OS 359 365 1.7 380 391 405 3.5

サーバー系(統合業務系) 453 485 7.1 383 356 306サーバー系(セキュリティ管理・Webサーバー他) 2,069 2,157 4.3 2,787 29.2 3,253 16.7 4,001 23.0オフィスソフト 1,726 1,867 8.2 1,939 3.9 2,056 6.0 2,157 4.9コラボレーション(クライアント用) 19 23 21.1 22 24 8.4 24 2.0開発支援/言語 151 142 135 128 121事務系ソフト(単独) 146 174 19.2 176 1.1 194 10.2 205 5.7特定分野 611 586 694 18.4 744 7.2 839 12.8通信 189 157 175 170 178 4.4デザイン・グラフィックス・データ集 312 308 285 273 257ゲーム 85 67 131 180 299 66.3教育・学習・家庭・趣味 127 121 113 107 100音楽・映像 3,230 35 27 11 6セキュリティツール(クライアント) 518 638 23.2 622 686 10.3 713 3.9ユーティリティ他 395 414 4.8 389 387 374

携帯電話機〔単位:千台〕 3,892 2,935 3,580 3,702 4,172 12.72G〔単位:千台〕 3,892 2,935 1,741 716 3603G〔単位:千台〕 - - 1,839 2,986 62.4 3,917 31.2

映像系デジタルビデオ

DVDプレーヤ/レコーダ(DVD-ビデオ)〔単位:千台〕 3,379 5,204 54.0 7,240 39.1 7,346 1.5 8,837 20.3録再機〔単位:千台〕 - 1,962 4,071 107.5 4,238 4.1 6,603 55.8

HDD内蔵〔単位:千台〕 - - 3,178 3,561 12.1 3,776 6.0再生機〔単位:千台〕 - - 3,169 2,894 2,768

VTR一体型〔単位:千台〕 - - 1,406 1,162 1,061カーDVD〔単位:千台〕 - - - 214 214 0.0

モバイルビデオプレーヤデジタル放送受信端末〔単位:千台〕

地上デジタルテレビ〔単位:千台〕 450 1,600 255.6 3,132 8,633 175.7地上デジタルCRTテレビ〔単位:千台〕 190 358 88.4 153 177 15.6地上デジタルPDPテレビ〔単位:千台〕 90 296 228.9 461 55.7 1,117 142.3地上デジタル液晶テレビ〔単位:千台〕 170 945 455.9 2,519 166.6 10,359 311.2

- - 891 891 0.045 66 46.7 83 25.8 113 36.2

242 760 214.0 1,092 43.7 2,499 128.9BSデジタルテレビ〔単位:千台〕 450 625 680 3,132 8,917 184.7

BSデジタルCRTテレビ〔単位:千台〕 450 420 367 153 99BSデジタルPDPテレビ〔単位:千台〕 - 205 313 52.7 460 47.0 689 49.8BSデジタル液晶テレビ〔単位:千台〕 - - - 2,519 2,519 0.0

719 681 777 14.1 773 825 6.8126 168 108 96 74223 133 21 -577 296 366 23.6 417 13.9 495 18.8

直視型〔単位:千台〕 438 399 340 132 82音楽系

民生用プレーヤ 37,848 35,910 32,925 27,579 24,194CD/MDプレーヤ〔単位:千台〕 12,616 11,970 10,975 9,193 8,065

CDプレーヤ〔単位:千台〕 9,045 8,370 7,720 7,394 6,951ポータブル型〔単位:千台〕 2,350 1,737 1,311 794 540据え置き型〔単位:千台〕 129 101 80 74 64カーCDプレーヤー〔単位:千台〕 6,566 6,532 6,329 6,526 3.1 6,526 0.0

MDプレーヤ〔単位:千台〕 3,571 3,600 0.8 3,255 1,799 1,310ポータブル型〔単位:千台〕 3,082 3,173 3.0 2,907 1,575 1,148据え置き型〔単位:千台〕 90 69 50 37 27カーMD〔単位:千台〕 399 358 298 187 137

モバイルオーディオプレーヤ図書、画像・テキスト系 2,223 6,029 171.2 10,237 69.8 11,342 10.8 15,912 40.3

カーナビゲーションシステム〔単位:千台〕 2,223 2,829 27.3 3,505 23.9 4,056 15.7 4,859 19.8DVD-ROMタイプ〔単位:千台〕 - - 2,471 2,486 0.6 2,494 0.3HDDタイプ等〔単位:千台〕 - - 911 1,500 64.7 1,985 32.3

- 3,200 3,350 4.7 3,300 3,353 1.6

ゲーム系 0 0 1,271 1,636 28.7 1,871 14.4家庭用ゲーム機 0 0 1,271 1,636 28.7 1,871 14.4

据置型ゲーム機〔単位:億円〕 プレイステーション2 515 324 264ニンテンドーゲームキューブ 61 25 18Xbox 5 1 1Xbox 360 0 44 44 0.0

携帯型ゲーム機〔単位:億円〕 ゲームボーイアドバンス 8 2 1ゲームボーイアドバンスSP 189 54 35ゲームボーイミクロ 0 51 51 0.0プレイステーションポータブル 247 489 98.3 730 49.2ニンテンドーDS 246 587 139.1 995 69.5ニンテンドーDS Lite 0 58 58 0.0

2004年 2005年 2006年予測区分 品目 種類

デジタルレコーダ〔単位:千台〕

電子書籍端末〔単位:千台〕

電子辞書〔単位:千台〕

2003年

BSアンテナ〔単位:千台〕CSアンテナ〔単位:千台〕

CSデジタルチューナ〔単位:千台〕ハイビジョンテレビ〔単位:千台〕

BSデジタルチューナ〔単位:千台〕

チューナ(アダプタ含む)〔単位:千台〕ケーブルテレビ用STB〔単位:千台〕

※原則として、推計値は億円未満で四捨五入

伸び率は小数点以下1桁未満で四捨五入

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図表1-3 デジタルコンテンツ関連市場(周辺市場)

周辺市場

2002年

数値 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率 数値 伸び率

〔単位:億円〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕 〔単位:億円〕 〔単位:%〕〔単位:億

円〕〔単位:%〕

広告〔単位:億円〕 1,270 1,602 26.1 2,250 40.4 4,173 85.5 6,288 50.7

インターネット広告〔単位:億円〕 845 1,183 40.0 1,814 53.3 2,808 54.8 4,195 49.4

携帯電話広告〔単位:億円〕 288 288 0.0

検索連動型広告〔単位:億円〕 590 590 0.0

BSデジタル放送広告〔単位:億円〕 425 419 -1.4

-33.3 -98.7 -23.5 -52

-3.1

-7.0 -20.2 -8

-1.8 -1.7

436 4.1 487 11.7 510 4.8

広告連動型<デジタルコンテンツの市場規模(B to B)>〔単位:億円〕 30 30 0.0 30 0.0

インターネット無料映像配信〔単位:億円〕 149 149 0.0 149 0.0

無料デジタル放送〔単位:億円〕

電子決済  【内訳: インターネット・携帯電話/決済方式】〔単位:億円〕

※参考情報

EC市場  【内訳: 物販・サービス/視聴メディア】〔単位:億円〕

B to B〔単位:億円〕 774,320 1,026,990 32.6 1,194,550 16.3 1,389,448 16.3

B to C〔単位:億円〕 44,240 56,430 27.6 64,204 13.8 73,050 13.8

インターネット利用者数〔単位:契約〕 76,706,300 93,080,900 21.3 93,751,149 0.7 102,570,153 9.4 113,331,141 10

FTTH〔単位:契約〕 206,000 894,000 334.0 2,432,093 172.0 4,637,280 90.7 13,860,787 199

DSL〔単位:契約〕 5,650,000 10,270,000 81.8 13,325,408 29.8 14,480,958 8.7 20,282,633 40

CATV〔単位:契約〕 2,069,000 2,475,000 19.6 2,873,076 16.1 3,226,680 12.3 3,743,104 16

FWA〔単位:契約〕 3,000,000 2,000,000 26,435 20,230 9,745

公衆無線LAN〔単位:契約〕 - 26,000 62,000 138.5 117,000 88.7 205,597 76

携帯電話・PHS〔単位:契約〕 65,781,300 77,415,900 17.7 75,032,137 80,088,005 6.7 85,786,505 7

携帯電話加入者数〔単位:契約〕 73,774,300 80,156,200 8.7 85,483,800 6.6 90,177,800 5.5 96,426,579 7

2G〔単位:契約〕 60,310,500 62,186,200 3.1 57,859,200 46,160,400 42,457,183

3G〔単位:契約〕 4,673,500 11,764,100 151.7 16,829,000 43.1 20,583,200 22.3 35,477,276 72

【2G・3G内】カメラ付携帯電話〔単位:契約〕 438 2,221 406.8 4,786 115.5 6,637 38.7 19,048 187

その他 <デジタルコンテンツの市場規模(B to B)>〔単位:億円〕

業務用通信カラオケ〔単位:億円〕 369 369 0.0 7,851 2,027.6 7,711 7,582

2005年 2006年予測

品目 種類

2003年 2004年

区分

※原則として、推計値は億円未満で四捨五入

伸び率は小数点以下1桁未満で四捨五入

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2.デジタルコンテンツ市場の動向

2.1 コンテンツ業界の動向

(1)映像

①全体的な動向

日本映像ソフト協会によると、ビデオソフト市場の拡大を牽引してきたDVDビ

デオの売上金額は3,477億700万円で、前年比108.7%となり、過去最高の売上高を記

録した。しかしながら、伸び率は逓減しており、「高普及期」から「成熟・安定期」

に入りつつあるといえる。 セル分の伸び率は鈍化したが、レンタル分は以前高い伸び率である。レンタル店

用のDVDビデオ対ビデオカセットの売上金額の比率は、2004年の58.8対41.2から

2005年には81.2対18.8と変化しており、レンタル市場の中心はDVDビデオへと移行

した。

②特徴的な動き

これまでは、『タイタニック』や『マトリックス』、『ロード・オブ・ザ・リング』、

『ハリー・ポッター』といった人気映画作品のDVD化が市場全体を牽引してきた。

こうした動きは2005年でも同様であり、『スター・ウォーズ』や『宇宙戦争』といっ

た人気作品が登場し、市場を牽引した。 しかしながら、2005年においては、洋画・邦画とも大きなブームにつながる作品

が続かなかった。また、2004年に大きなブームとなった韓国ドラマ等「韓流」コン

テンツも、2005年は落ち着いた様相を呈した。 その一方で、『ハウルの動く城』や『機動戦士ガンダム』シリーズは根強い支持

を得ており、総じてアニメは好調といえる。また、テレビのお笑い番組・バラエティ

番組(ビートたけしの『元気が出るテレビ』やドリフターズの一連のテレビ番組、

志村けんの『バカ殿』シリーズ等)もDVD化に伴い、人気を得ている。このほか、

『スキージャンプ・ペア』等の作品も高い人気を集めている。

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図表2-1 2005 年(平成 17 年)の興行収入 10 億円以上の邦画

(日本映画製作者連盟調べ)

順位 公開月 作品名 興収 (単位:億円) 配給会社

1 04/11月 ハウルの動く城 196 東宝

2 7月 劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション

ミュウと波導の勇者ルカリオ 43 東宝

3 5月 交渉人 真下正義 42 東宝 4 9月 NANA 40.3 東宝 5 8月 容疑者 室井慎次 38.3 東宝 6 6月 電車男 37 東宝 7 1月 ALWAYS 三丁目の夕日 32.3 東宝 8 1月 北の零年 27 東映 9 3月 ローレライ 24 東宝 10 7月 星になった少年 Shining Boy & Little Randy 23 東宝 11 4月 名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー) 21.5 東宝 12 7月 亡国のイージス 20.6 松竹/角川He

13 8月 妖怪大戦争 0 松竹 14 6月 戦国自衛隊1549 17.1 東宝 15 1月 東京タワー 16.3 東宝 16 9月 SHINOBI 14.1 松竹 17 10月 蝉しぐれ 14 東宝

18 4月 クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃

13 東宝

19 10月 春の雪 12.7 東宝 20 04/12月 ゴジラ FINAL WARS 12.6 東宝 21 7月 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 12.2 松竹 22 3月 ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島 12 東映 22 9月 タッチ 12 東宝 24 8月 劇場版NARUTO 大激突!幻の地底遺跡だってばよ 11.8 東宝

25 9月 劇場版仮面ライダーヒビキと7人の戦鬼 魔法戦隊マジレンジャーTHE MOVIE インフェルシア

の花嫁 11 東映

26 2月 着信アリ2 10.1 東宝

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図表2-2 2005 年(平成 17 年)の興行収入 10 億円以上の洋画

(日本映画製作者連盟調べ)

順位 公開月 作品名 興収 (単位:億円) 配給会社

1 11月 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 115 WB 2 7月 スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 91.7 FOX 3 6月 宇宙戦争 60 UIP 4 9月 チャーリーとチョコレート工場 53.5 WB 5 04/12月 Mr.インクレディブル 52.6 BV 6 1月 オペラ座の怪人 42 GAGA USEN 7 04/12月 ターミナル 41.5 UIP 8 1月 オーシャンズ12 36 WB 9 10月 私の頭の中の消しゴム 30 GAGA USEN 10 9月 四月の雪 27.5 UIP 11 4月 コンスタンティン 27.2 WB 12 4月 Shall We Dance? 25 GAGA USEN 13 8月 マダガスカル 22.5 アスミックエース 14 3月 ナショナル・トレジャー 20.6 BV 15 04/12月 僕の彼女を紹介します 20 WB 16 3月 シャークテイル 18.8 アスミックエース 17 1月 カンフー・ハッスル 17 SPE 18 04/12月 エイリアンVSプレディター 16.8 FOX 19 2月 きみに読む物語 15 GAGA USEN 20 6月 バットマン ビギンズ 14.1 WB 21 4月 マスク2 14 GAGA USEN 21 7月 ロボッツ 14 FOX 23 7月 アイランド 13.6 WB 24 5月 ミリオンダラー・ベイビー 13.4 松竹/ムービーアイ

25 3月 ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12カ月 13 UIP 26 9月 シンデレラマン 12.6 BV 27 2月 ボーン・スプレマシー 12.5 UIP 27 5月 キングダム・オブ・ヘブン 12.5 FOX 27 10月 ステルス 12.5 SPE 30 2月 アレキサンダー 12.3 角川He/松竹 31 11月 ブラザーズ・グリム 11.5 東芝E 32 1月 ネバーランド 11 東芝E 33 3月 アビエイター 10.7 松竹/角川He 34 04/12月 マイ・ボディガード 10.1 角川He/松竹 34 9月 ファンタスティック・フォー 超能力ユニット 10.1 FOX 36 4月 ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ 10 FOX 36 10月 シン・シティ 10 GAGA USEN 36 10月 ティム・バートンのコープス・プライド 10 WB 36 7月 皇帝ペンギン 10 GAGA USEN

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③新たな展開

映画やアニメの制作では、映像ソフトメーカー、映画配給会社、テレビ局、広告

代理店、スポンサー企業等が参加・出資する製作委員会方式が主流となっている。

こうした中、2005年の作品ではテレビ番組(ドラマ)の映画化というパターンが多

く、テレビ局の映画制作への積極姿勢が見受けられた。主要テレビ各局には映画部

があることから、今後も積極的に映画ビジネスを展開することが予想される。 現状ではヒットさせるための広告費などのコストを映画関連企業単独でまかな

うことは難しい。そのため、下図のように、スポンサー料の増収を見込んで、テレ

ビ局の企画(テレビ番組等)を映画化するといった制作形態が増えつつある。

図表2-3 映画制作形態の変化

(日本映画製作者連盟へのヒアリングに基づく)

特徴 コンテンツの流れ これまで主流だった形態 映画配給会社主導 映画⇒二次使用⇒テレビ 現在増えつつある形態 テレビ局主導 テレビ局の企画(テレビ番組等)⇒映画

テレビ局が映画制作に積極的な理由としては、自らの企画について著作権ビジネ

スが展開できることが挙げられる。そのため、日本国内での制作に限らず、ハリウッ

ド等の海外での制作についても著作権使用料収入が見込め、イニシアチブを発揮し

た映画ビジネスが展開できることとなる。 ハリウッドではCGを駆使した映画が飽きられてきている兆しもあり、原作を重

視した映画制作へと重心が移りつつある。また、制作費が多額化していることから、

実験的な作品を制作することが難しく、手堅い内容の作品が増えているとの見方も

ある。こうした中で、日本国内のマンガ週刊誌に連載されている作品の映画化の権

利をハリウッドの映画会社が購入する例も出てきている。「週刊少年ジャンプ」に

連載中の『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ マンガ:小畑健)を原作とする映

画は、ワーナー・ブラザースと日本テレビが制作を進め、2006年6月と10月に公開

予定である。

④今後のポイント

新作対旧作

今後DVDソフトでは新作と旧作との間で、競争が激化することが予想される。

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現在でも旧作のDVD化が進んでおり、お笑い等バラエティ番組のDVDのように売

上が好調なものも少なくない。また、旧作のDVD化を進めることでシルバー層の

取り込みも可能になる。

売れるコンテンツのジャンル拡大

現状では、映画、音楽、アニメ、お笑いがDVDソフトの「売れ線」となってい

る。しかしながら、売れるジャンルが固定されてしまうことは、利用者の取り込み

を難しくする可能性もあることから、幅広いジャンルでのDVDソフトの制作・販

売が求められる。

利用者層の拡大

現状では、一部の愛好家が複数のDVDを購入することが多い。また、映画館の

来場者の多くは女性である一方で、DVD購入者の多くは男性であるとの特徴も示

されている。こうした傾向を踏まえ、DVDソフトがより多くの多様な利用者に受

け入れられる機会を創出する必要がある。

DVDを起点としたメディア展開

DVDソフトでは、劇場での映画公開を通じ認知度や人気度を高めながら、DVD売上高増に資するといったビジネス展開がこれまでの主流であった。今後は、『ス

キージャンプ・ペア』のように、DVDでの認知度や人気度の高さを背景に、他メ

ディアへ展開するビジネスに期待が集まっている。

観客動員増の取り組み

劇場での映画の公開とDVDソフトを結び付ける従来のビジネス展開においても、

「夫婦50割引」(どちらかが50歳以上なら夫婦で2,000円)の実施(平成16年7月1日から)、「高校生友情プライス」(高校生3人以上なら、1人1,000円)の実施(平成17年7月1日から)といった観客動員増への取り組みが展開されている。映画の動員増

とDVDソフトの市場との間の関連性・連動性を高めるためにも、こうした取り組

みが一層求められる。

⑤業界の課題

VHSのDVD化 ドキュメンタリー(NHKが制作する作品等)や子供向けコンテンツはVHS中心

である。また、高齢者向けコンテンツもDVDよりもVHSが望まれる傾向にある。

そのため、レンタル店で取り扱っているVHSを今後どのようにDVDに移行させて

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いくかが課題となっている。これは、レンタル店の売り場面積当たりの収益性の向

上にも資することになる。 海賊版への対応

以前見られたような、一部レンタル店が海賊版ソフトを専門的に取り扱うケース

はほぼなくなった。その反面、露天商や一部廉価ビデオ販売店でゲリラ的に海賊版

ソフトを販売しているケースが増えている。現在の海賊版は、公開直後に販売され

ており、映画館で撮影されたビデオを元に、音声を追加録音するなどして製品化し

ている。事業者サイドでは映画公開からDVDまでの期間を通常半年と設定してい

るが、短期化の傾向を強め、海賊版対策としている。また、映画館に録画・録音機

材を持ち込まないよう啓発をしたり、映像ソフト協会の監視員がレンタル店を巡回

したりといった取り組みも強化している。しかしながら、海賊版の製造拠点は規制

がゆるやかな国に移動しながら日本に持ち込まれるケースが多く、抜本的な対策が

求められている状況にある。

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(2)図書、画像・テキスト

①全体的な動向

電子書籍販売の最大手「eBookJapan」のダウンロード数が2005年3月に月間約

120,000件に達した事実に見るように、電子書籍市場は拡大を続けている。2005年3月末現在、市場における全刊行点数も約60,000点を超え、新刊の月間平均刊行点数

も小説やコミックを中心に1,300点に達している。 電子書籍の利用端末はPCやPDAから携帯電話に移りつつある。携帯電話向け電

子書籍コンテンツは、飯島愛の『PLATONIC SEX』や綿矢りさの『蹴りたい背中』

をはじめとするベストセラー作品が次々と提供されてきたことから、大きな伸びを

見せてきた。この背景としては、携帯電話のパケット料金の定額制が浸透してきた

ことやコミック・文芸・実用書などの話題作が揃ってきたこと、電子書籍1冊分が

ダウンロード可能となったこと等が挙げられる。

②特徴的な動き

これまでの電子書籍はPCやPDAを対象としたコンテンツが中心であったが、

2004年以降、携帯電話向けコンテンツの伸びが著しい。 KDDIは携帯電話事業者の中でもっとも早い時期にパケット定額制サービスを導

入したが、電子書籍についても書籍ポータルサイト「EZ Book Land!」の開設(2005年4月)やEZ Book Land!内での「立読み図書館」(2005年12月)の開設といったよ

うに、積極的な姿勢を示してきた。単に既存作家の作品を電子書籍化するだけでは

なく、アマチュア作家の中から「モバイル作家」を育成しようとするなどの先進的

な取り組みにも着手している。 NTTドコモでもパケット定額制サービスを導入し、iモードに対応した電子書籍

ビジネスに注力している。

③新たな展開

さまざまなプレーヤの登場 電子書籍では、出版社や電気通信事業者を中心としたビジネス展開が主流であっ

たが、現在ではソニー・ピクチャーズエンタテインメント、バンダイネットワーク

スといった書籍の出版をコア事業としてこなかった事業者も電子書籍ビジネスに

参入している。 2003年に発足した「電子書籍ビジネスコンソーシアム」のように、出版社やマス

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コミ、IT系事業者、ゲームメーカーなどが次世代型プラットフォーム「Σ Book」を検討するといったように、電子書籍をめぐる新たなビジネスの枠組みも登場して

いる。

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図表2-4 電子書籍にかかわる主な動き(各社公表資料に基づく)

時期 事業者名

年 月 概要

新潮社 2002 年 1 月 EZweb で有料小説配信サービスを開始 新潮社 2003 年 4 月 週刊コミックバンチの携帯電話サイトを開設 バンダイネットワークス 2003 年 8 月 電子書籍配信サービスを開始 凸版印刷 2004 年 10 月 1X WIN の EZ アプリ対応電子書籍の配信を開始 MCJ 2004 年 7 月 i モード向け電子書籍配信サイトを開設 DG モバイル 2004 年 8 月 EZweb 向けコミック配信を開設 キステム 2004 年 9 月 漫画ソフトを開発 大日本印刷 2005 年 11 月 電子書籍貸出サイトを開設 手塚プロ 2005 年 11 月 手塚さん原作漫画の有料配信を開始 KDDI 2005 年 12 月 EZ ブックの作品を拡充 KDDI 2005 年 12 月 EZ Book Land!に立読み図書館を開設 NTT ソルマーレ 2005 年 12 月 漫画版 1 リットルの涙の配信を開始 パピレス 2005 年 12 月 ウイルコム向けに電子書籍の販売を開始 凸版印刷 2005 年 12 月 ツーパラと 1X WIN 向け英語学習用電子書籍の配信を開始 講談社とビットウェイ 2005 年 12 月 コミック配信を開始 リーディングスタイル 2005 年 12 月 専用検索サイトを開設 パピレス 2005 年 2 月 CDMA 1X WIN 向け電子書店パピレス DX を開設 KDDI 2005 年 4 月 書籍ポータルの EZ Book Land!を開設 大日本印刷 2005 年 4 月 CDMA 1X WIN 向け電子書籍配信サイトを開設 JTB 2005 年 4 月 文学作品の無料閲覧キャンペーンを実施 NTT ソルマーレ 2005 年 5 月 KDDI 向け漫画配信サイトを開設 パピレス 2005 年 5 月 FOMA 向け電子書店パピレスを開設 KDDI 2005 年 8 月 電子書籍コンテンツの企画提案研究を開始 NTT ドコモ 2005 年 夏 以降、電子書籍配信ビジネスが成長 バンダイネットワークス 2005 年 8 月 Vodafone live!向け電子コミック・サイトを開設 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005 年 8 月 有名漫画家のコミック配信事業を開始 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005 年 8 月 EZweb 向けに電子コミック・サイトの配信を開始 三菱商事など 2005 年 8 月 アジア向けに漫画配信を開始した シャープ 2005 年 8 月 au 向けに漫画の配信を開始 フォーサイド 2005 年 8 月 パピレスと提携 デジブックジャパン 2005 年 9 月 NTT ドコモ向け電子書籍総合サイトを開設 NTT ソルマーレ 2005 年 9 月 女性向け携帯電話漫画の配信を開始 NTT ソルマーレ 2005 年 9 月 小学館の人気作 8 作品の配信を開始 パピレス 2005 年 9 月 天樹征丸の新作書き下ろし小説の連載を開始 モバイルブック・ジェーピー 2005 年 9 月 川嶋あいの最後の言葉の有料配信を開始 デジブックジャパン 2006 年 1 月 熊田曜子撮り下ろし写真集の配信を開始 ドワンゴ 2006 年 1 月 電子書籍配信サービスを開始 ネスレ 2006 年 1 月 書き下ろし小説を無料配信

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④今後のポイント

電子書籍端末の高機能化 2004年春に松下電器産業とソニー、シャープから電子書籍専用端末が発売されて

いる。電子書籍端末では、高精細で目に優しい表示やバッテリー駆動時間の延長と

いった機能などが求められている。 利用者の多い携帯電話では、搭載メモリー容量やバッテリー駆動時間が新製品に

なるほど優れてきており、電子書籍端末としての使い勝手が向上する傾向にある。

高速・大容量通信サービスの料金定額制 携帯電話のパケット定額制サービスの普及が電子書籍市場の成長を導いたこと

から、今後はより高速・大容量での通信が可能な料金定額制サービスが求められる

といえる。こうしたサービスの普及によって、より情報量の多いコンテンツが利用

可能になり、電子書籍の可能性が広がることになる。

⑤業界の課題

リッチコンテンツの採算性 電子書籍端末の高機能化と高速・大容量通信サービスの料金定額性といった条件

がそろうことで、今後電子書籍市場がさらに拡大することが期待されるが、その一

方で、リッチコンテンツとしての電子書籍の制作費回収が事業の採算性を左右する

ことになる。利用者側では、より少ない費用で情報量が豊富なコンテンツを利用す

ることが可能となるが、より制作費のかかるリッチコンテンツとしての電子書籍ビ

ジネスが高い収益性を実現できるよう、新たな仕組みづくりが求められているとい

える。

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(3)音楽

①全体的な動向

CDやDVDの販売が堅調に推移しているほか、PCや携帯電話、モバイルオーディ

オプレーヤ向けの配信ビジネスが好調である。2004年以降、「着うた」や「着うた

フル」に加えて、各社がモバイルオーディオプレーヤ向けに音楽配信サービスを展

開しており、利用者が従来のようにポータブルCD/MDプレーヤではなく、PCや携帯電話、モバイルオーディオプレーヤで音楽を楽しむスタイルが根付いてきたと

いえる。

②特徴的な動き

PCや携帯電話、モバイルオーディオプレーヤ用の音楽配信サービスの順調な伸

びが目立っている。とりわけ、携帯電話向けの「着メロ」や「着うた」、「着うたフ

ル」では一時期に比べて楽曲志向になってきている傾向が見られ、大ヒット作品を

除くと、アーティストの人気の高さと楽曲のダウンロード数が異なる状況にある。

音楽配信サービスの開始直後はアーティストの人気でダウンロードする利用者が

多かったが、現在ではこうした傾向は落ち着いてきており、楽曲の良さによるダウ

ンロードが増えている。携帯電話の3G化の進展やコンテンツ利用料金の定額制の

定着、モバイルオーディオプレーヤの普及などにより、今後も音楽配信サービスの

一層の伸びが期待される。

図表2-5 主な音楽配信サービス(各社公表資料に基づく)

配信企業名 対象国 サービス名 1 曲あたりの価格 サービス開始時期 DRM、音声圧縮技術

アップルコンピュータ 日本 iTunes Music Stores 150 円 2005 年 7 月 FairPlay、AAC 日本 Mora 158 円~ 2004 年 4 月 OpenMG、ATRAC3

レーベルゲート 日本 MusicDrop 158 円~ 2004 年 10 月 WMT、WMA

エキサイト 日本 エキサイトミュージックストア 158 円~ 2004 年 5 月 WMT、WMA NTT コミュニケーションズ 日本 OCN ミュージックストア 158 円~ 2004 年 6 月 WMT、WMA リッスンジャパン 日本 リッスンミュージックストア 158 円~ 2004 年 6 月 WMT、WMA NTT データ 日本 LOVE MUSIC 157 円~ 2004 年 6 月 WMT、WMA 有線ブロードネットワークス 日本 Ongen 240 円~ 2004 年 8 月 WMT、WMA マイクロソフト 日本 MSN ミュージック 105 円(カラオケ)~ 2004 年 10 月 WMT、WMA オリコン 日本 オリコンDI2 平均 210 円 2005 年 1 月 WMT、WMA

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③新たな展開

CDやDVDの販売では、メディア間の連携によるミリオンセラーづくりの動きが

見られた。2005年中のミリオンセラーの中には、CDとDVDとを組み合わせた販売

に成功した作品もあり、今後のマーケティングの主流となることが期待されている。 現在、音楽業界は二極化を強めており、メジャー系コンテンツとマイナー系コン

テンツとの間で作品の売上高の格差が広がりつつある。また、歌謡曲の低調も続い

ている。 その一方で、クラシックやジャズの6枚組作品などのボックスセットものは好調

である。また、70~80年代の洋楽作品の低価格帯での販売、紙ジャケでの再発やリ

マスター作品も根強く支持されている。

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図表2-6 2005 年オーディオレコードジャンル別新譜数

(日本レコード協会調べ)

12cmCD カセット ジャンル 8cmCD

シングル アルバム 計 アナログ

シングル アルバム合計

演歌 タイトル数 0 527 424 951 0 482 241 1,674ポップス・歌謡曲 タイトル数 0 936 1,192 2,128 32 29 16 2,205

ニューミュージック タイトル数 2 965 2,573 3,538 63 1 0 3,604歌謡曲

小計 タイトル数 2 2,428 4,189 6,617 95 512 257 7,483軽音楽 タイトル数 0 7 463 470 0 1 2 473

民謡・純邦楽 タイトル数 0 19 158 177 0 38 18 233教育・教材・童謡・童話 タイトル数 0 17 280 297 0 0 2 299

アニメーション タイトル数 0 165 597 762 1 0 1 764クラシック タイトル数 0 3 181 184 0 0 0 184カラオケ タイトル数 0 1 25 26 0 0 0 26その他 タイトル数 0 67 637 704 1 0 2 707

タイトル数 2 2,707 6,530 9,237 97 551 282 10,169

邦盤

邦盤計 前年比 10% 107% 114% 119% 81% 99% 90% 110%

ロック・ディスコ タイトル数 1 48 2,977 3,025 2 0 0 3,028ジャズ・フュージョン タイトル数 0 5 1,692 1,697 41 0 0 1,738ポピュラーソング タイトル数 0 7 727 734 4 0 0 738

映画音楽 タイトル数 0 0 164 164 0 0 0 164その他 タイトル数 0 0 170 170 0 0 0 170

ポピュラー

小計 タイトル数 1 60 5,730 5,790 47 0 0 5,838クラシック タイトル数 0 1 1,822 1,823 0 0 0 1,823その他 タイトル数 0 1 54 55 0 0 0 55

タイトル数 1 62 7,606 7,668 47 0 0 7,716

洋盤

洋盤計 前年比 - 107% 122% 122% 82% - - 121%

タイトル数 3 2,769 14,136 16,905 144 551 282 17,885合計

前年比 14% 107% 118% 116% 81% 99% 90% 115%

図表2-7 ミリオンセラー数の推移(日本レコード協会調べ)

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図表2-8 2005 年のミリオンセラー(日本レコード協会調べ)

シングル/

アルバム アーティスト名 作品名 メーカー名 発売日

シングル 修二と彰 青春アミーゴ ジャニーズ・エンタテイメント 2005.11.02 EXILE PERFECT BEST エイベックス 2005.01.01

ORANGE RANGE NATURAL ソニー・ミュージックレコーズ 2005.10.12

ケツメイシ ケツノポリス4 トイズファクトリー 2005.06.29 倖田來未 BEST~first things~ エイベックス・エンタテインメント 2005.09.21

サザンオールス

ターズ キラーストリート ビクターエンタテインメント 2005.10.05

中島美嘉 BEST ソニー・ミュージックアソシエイテッ

ドレコーズ 2005.12.07

B'z B'z The Best “Pleasure II” バーミリオンレコード 2005.11.30

平井 堅 Ken Hirai 10th Anniversary Complete Single

Collection '95-'05 “歌バカ” デフスターレコーズ 2005.11.23

BoA BEST OF SOUL エイベックス 2005.02.02 Mr.Children 四次元 Four Dimensions トイズファクトリー 2005.06.29

アルバム

Mr.Children I♥U(アイ・ラブ・ユー) トイズファクトリー 2005.09.21

④今後のポイント

CD・DVD販売と音楽配信サービスとの連携 今後、PCや携帯電話、モバイルオーディオプレーヤ向けの音楽配信サービス市

場は、インターネットに接続できればどこでも購入できるという手軽さや、楽曲を

楽しむ機器のコンパクトさなどから一層成長することが予測される。こうした中で、

既存のCDやDVD作品の売上動向とマッチングするような、音楽配信サービスを展

開させることが求められる。

購買増を目指した取り組み 主要レコード会社は、30~40歳代や団塊の世代の音楽愛好家向けにマーケティン

グを強化している。こうした愛好家の多くは10~20歳代に、クラシック、ジャズ、

洋楽、歌謡曲、ニューミュージックなどの幅広いジャンルの音楽に親しんでいるた

め、今後のCDやDVD、音楽配信サービスの売上高増のカギを握っているとみなさ

れている。 この一方で、現在、夏を中心に行われる音楽イベント(「フジロックフェスティ

バル」等)では多くの音楽愛好家を集めており、若年層の中にはこうしたイベント

でさまざまなミュージシャンの作品に興味を持つことが少なくない。しかしながら、

こうした若年層の音楽愛好家の多くは作品の購入に至ることが少ないため、新たな

マーケティングが求められているといえる。

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⑤業界の課題

再販制度の弾力運用 主要先進国中、再販制度やレンタル制度があるのは日本だけである。そのため、

多くの音楽愛好家に支持されるように音楽系コンテンツを提供するための弾力的

な価格設定が困難な状況にある。CDやDVDの価格、楽曲ファイルのダウンロード

料金、レンタル料金の価格が適正な水準でバランスするための取り組みが求められ

ている。

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(4)ゲーム

①全体的な動向

2004年12月に登場した携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」(SCE)と「ニンテンドーDS」(任天堂)が2005年のゲーム市場を牽引した。PSPは、AV機器と連動することにより、ゲームのみならず音楽や映像を楽しめる。ニ

ンテンドーDSでは、タッチスクリーンやWi-Fiといった先端的なICTを採用してい

る。携帯型ゲーム市場の2005年の動向として、ニンテンドーDSが中高年や女性な

どの新たな利用者層を開拓したことが挙げられる。 据置型家庭用ゲーム機では、2005年末にマイクロソフトが次世代機「Xbox360」

を発売した。競合他社も2006年内に次世代機の発売を予定しており、「プレイス

テーション3(PS3)」(SCE)と「レボリューション」(任天堂)が登場する見込み

である。 ゲームソフトでは、2005年は『ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫

君』に代わるヒット作が出なかったが、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』等の

ニンテンドーDS対応ソフトが好調であった。大人向けに作られているものも少な

くないため、前述のように中高年や女性の囲い込みを可能にした一因となった。

②特徴的な動き

2005年においても、任天堂とプレイステーションを2強とした市場の構図は変わ

らない。 ゲームソフトの人気ランキングを見ると、2004年には「シリーズもの」が上位を

占めていたが、2005年にはニンテンドーDS向けの新しいソフトが「シリーズもの」

の牙城に食い込む形で人気上位となった。 ニンテンドーDSではゲームボーイアドバンスからの移行がスムーズに進んでお

り、固定ファンが多いことがうかがわれる(ゲームボーイからゲームボーイアドバ

ンスへの移行期も同様であったという)。任天堂製の携帯型ゲーム機の場合、ソフ

トの互換性が高く、ニンテンドーDSを購入した直後にゲームボーイアドバンスの

ソフトを遊ぶことが可能である。そのため、任天堂ソフトのファンが離れず、固定

化するものと見られる。

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図表2-9 次世代型家庭用ゲーム機の概要(各社公表資料に基づく)

社名 SCE マイクロソフト 任天堂 製品名 プレイステーション3 Xbox360 レボリューション 価格 未定 37,900円 未定 発売時期 平成18年11月上旬 平成17年12月(発売済) 平成18年中 演算能力 2テラフロップス 1テラフロップス 未公表

対応メディア

・ブルーレイ・ディスク

・現行DVD ・SDカード ・その他

・現行DVD ・その他

・12センチ光ディスク

・SDカード ・その他

特徴

・新型半導体「セル」を

搭載し、家庭用パソコン

以上の性能 ・デジタルカメラや携帯

音楽プレーヤと情報を

やりとりするなど、デジ

タル家電との連携強化 ・映画のような高画質を

実現

・パソコンで録画したハ

イビジョン放送や映画を

視聴できるなど、パソコ

ンとの連携を強化 ・オンライン対戦中に相

手と音声コミュニケー

ションが可能

・小型化を実現 ・他のハードと異なる

仕様のコントローラー

を装備 ・無線LANに対応し、

インターネットから

ファミコンなど過去の

ゲームをダウンロード

可能 現行機の世界累計出

荷台数 「PS2」

8,139万台 「Xbox」 1,990万台

「ゲームキューブ」

1,803万台

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図表2-10 家庭用ゲーム機向け人気ソフトランキング(『週刊ファミ通』調べ)

2004年 順位

ハード タイトル メーカー 販売本数

〔単位:万本〕

1 PS2 ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 スクエア・エニックス 323 2 GBA ポケットモンスターファイアレッド・リーフグリーン ポケモン 238 3 PS2 ドラゴンクエストV 天空の花嫁 スクエア・エニックス 161 4 PS2 ポケットモンスターエメラルド ポケモン 134 5 PS2 ワールドサッカーウイニングイレブン8 コナミ 104 6 PS2 戦国無双 コーエー 102 7 PS2 実践パチスロ必勝法!北斗の拳 サミー 90 8 PS2 メタルギアソリッド3スネークイーター コナミ 61 9 DS ダービースタリオン04 エンターブレイン 61 10 GBA ファミコンミニスーパーマリオブラザーズ 任天堂 58

2005年

順位

ハード タイトル メーカー 販売本数

〔単位:万本〕 1 DS おいでよ どうぶつの森 任天堂 117 2 PS2 グランツーリスモ4 SCE 107 3 DS 脳を鍛える大人のDSトレーニング 任天堂 101 4 DS Nintendogs(ニンテンドッグス) 任天堂 97 5 PS2 ワールドサッカーウイニングイレブン9 コナミ 92 6 PS2 真・三國無双4 コーエー 92 7 DS やわらかあたま塾 任天堂 88 8 DS たまごっちのプチプチおみせっち バンダイ 77 9 PS2 キングダムハーツII スクエア・エニックス 74 10 DS マリオカートDS 任天堂 67

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③新たな展開

オンラインゲームの躍進 オンラインゲームは韓国を中心に、日本、台湾、中国で多くの利用者を集めてい

る。約8割がPCベースのゲームであり、ダンスゲームで音楽系事業者との連携が見

られるなど、異業種間でのコラボレーションを通じたオンラインゲームのポータル

化の動きが見られる。こうした中、一定時間広告を見ることで、無料で遊べるよう

になる広告型のオンラインゲームや、接続利用料の定額課金(アバター定額等)と

いった新たな仕組みも登場している。 短時間で遊べるカジュアルゲームも広く浸透しており、『ハンゲーム』のように

昼間に多くの主婦に利用されているゲームもある。

ゲームの多目的化 単なるエンターテインメント的なゲームだけではなく、教育や福祉といった分野

でゲームが利用される動きがある。教育分野では、スクウェア・エニックスと学研

のパートナーリングが挙げられ、また、福祉分野では、高齢者、障害者向けの機能

回復や補助を目的としたソフトも開発されている。

図表2-11 主なオンラインゲーム(各社公表資料に基づく)

タイトル メーカー ラグナロクオンライン ガンホーオンラインエンターテインメント ファイナルファンタジーXI スクウェア・エニックス ミュー~奇跡の大地~ ゲームオン 新・天上碑 ゲームオン 眠らない大陸クロノス ゲームオン リネージュⅡ エヌ・シー・ジャパン リネージュ エヌ・シー・ジャパン ウルティマオンライン エレクトロニック・アーツ

④今後のポイント

人気ソフトの多言語化 現在、幅広い年齢層で支持を集めている『脳を鍛える大人のDSトレーニング』

の英語化が進められつつある。また、『三國無双』等ではアジア市場への展開が期

待されている。こうした海外展開の動きを通じて、日本国内のゲーム関連市場が一

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層活性化することが期待される。日本国内のみならず海外でも売れるソフトづくり

のために、各国のゲーム文化の分析に根ざした商品開発が不可欠であるといえる。 新製品の登場

2006年内に発売が予定されているPS3やレボリューションの登場により、

Xbox360との間で次世代型家庭用ゲーム機をめぐる競争が激化することが予想さ

れる。また、PCや携帯型ゲーム機とは異なった家庭用ゲーム機ならではの魅力を

発揮しうる、ゲームソフトの創出が求められている。

携帯電話向けオンラインゲーム 今後、携帯電話向けの本格的なオンラインゲームも登場する見込みである。携帯

電話の手軽さ等から利用者増が期待される。

キャラクタービジネスと連携したシナジー効果 ゲームソフトの人気が高まることで、ゲーム機本体や攻略本にとどまらず、広く

シナジー効果がもたらされることが少なくない。『ポケットモンスター』のように、

人気キャラクターが採用されたゲームソフトの場合、アニメ、映画、マンガ等の分

野もシナジー効果を享受することになる。

⑤業界の課題

需給バランスの確保 新製品を市場に投入した直後の需給バランスの確保(安定した商品の供給)が

ハードメーカーやソフトメーカーに求められている。たとえば、PSPやニンテン

ドーDSでも発売直後の需給バランスが崩れ、販売価格が高止まりしたり、入手困

難となったりといった問題が見受けられた。今後次世代機の発売に際して、こうし

た問題の防止策が求められる。

家庭用ゲーム機の高機能化による開発負担増 家庭用ゲーム機の高機能化にともない、ゲームソフトの開発にかかわる負担が増

加しつつある。よりリアルで高精細な画像のためのプログラム等が求められるため、

開発費用の増大や開発期間長期化が顕在化している。元来ゲームソフトはプロダク

トサイクルが早く、次々に新作を発売することが求められる場合が多い。ゲームソ

フトメーカーの負担増を解消するための仕組みづくりが求められている。

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「シリーズもの」への対応 2004年には人気の高いゲームソフトの多くが「シリーズもの」であり、2005年内

に続編が発売されることが期待されていた。こうした「シリーズもの」の場合、よ

り高いエンターテインメント性が求められる続編のための開発費用の増大や、開発

期間の長期化がゲームソフトメーカーの負担を高めている。

オンラインゲームの収益性 オンラインゲームは順調に利用者数を獲得しているが、同様に、ゲームタイトル

も2004年の187タイトルから2005年の299タイトルへと増加している(オンライン

ゲームフォーラムへのヒアリング調査に基づく)。この結果、収益性の高いタイト

ルと収益性を確保できないタイトルとの二極化が見られつつある。

リアルマネートレード オンラインゲームのパブリッシャーが関知しないところで、代理店がアイテムを

販売し収益を得るリアルマネートレードが問題視されている。アイテムの価格は、

レアなものの場合10万円程度になることもある。韓国や中国の代理店による例や利

用者同士でアイテムを売買する例が多く、国民生活センター等に寄せられるクレー

ム数も増加しつつある。今後のオンラインゲームの発展を確かなものとするために

も、こうした行為を防止するための業界でのガイドラインづくりが求められている。

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3.デジタルコンテンツ関連市場の動向

3.1 プロダクツ市場の動向 プロダクツ市場は、アナログからデジタルへの製品シフト、地上デジタル放送開

始、ブロードバンドの普及による大容量コンテンツ視聴環境機会の増大、情報家電

の登場等により、活況を呈している。 2003年12月の三大都市における地上デジタル放送の開始以来、放送エリアも順次

拡大しており、2006年末には全国主要都市で視聴可能となる。デジタル放送の普及

はテレビ需要を押し上げるだけでなく、DVDレコーダ等の映像記録・再生機器や

音響機器の需要も拡大させることが期待されている。 テレビでは、ブラウン管(CRT)から液晶やPDPなどへの薄型化とともに、大型

化が進んでいる。30インチ以上の大型サイズでは価格の下落が進んでいる。また、

10インチ台の小型サイズへのデジタルチューナー搭載も進んでいる。地上デジタル

放送の普及による大画面化とともに、高画質ニーズも高まっている。2005年以降、

垂直画素数1,080ドットのフルハイビジョン(フルHD)に対応した液晶プロジェク

ションテレビが登場し、2006年内にはPDPテレビでも50インチクラスでフルHD対

応商品の登場が予定されている。 DVD市場では、VTRからのシフトが進んでいる。HD DVDレコーダ/プレーヤ

も登場し、PC等との連携が容易になってきている。地上デジタルチューナー搭載

モデルも登場しており、ハードディスクの大容量化が進んでいる。デジタルテレビ

との相乗効果や2006年ワールドカップ特需、ハードディスクのテラビット化、次世

代DVD「ブルーレイ」の商品化を通じて、今後も好調が続くと期待されている。 地上デジタル放送やモバイル放送、ワンセグ放送といったテレビ放送環境の変化

は、テレビやDVD市場にとどまらず、携帯電話やカーナビなどの関連製品の市場

も活性化させることが期待されている。 オーディオ関連市場では、iPod等HDDオーディオやシリコンオーディオといった

モバイルオーディオプレーヤ市場が急速に拡大している。実売価格が3万円を切り、

小型化が図られたiPod miniの登場で利用者が増加し、1万円以下の機種も少なくな

い。国内メーカーの音楽配信市場への参入も相次いでおり、今後もモバイルオー

ディオプレーヤ市場は拡大し続けると見られる。 電子書籍端末では、電子書籍市場の拡大を背景に今後も発展が期待される。現在

携帯電話を対象とした電子書籍が多く提供されているが、カラー化や高精細化等を

進めることによって、新たな利用者を取り込むための魅力的な端末づくりが求めら

れる。

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電子辞書端末では、若年層や高年齢層への普及が進んでいる。子供向けの電子辞

書端末も登場しており、幅広い利用者層に受け入れられる商品づくりが今後の発展

のカギとなっている。

3.2 周辺市場の動向 インターネット広告では、携帯電話広告や検索連動型広告の好調が続いている。

インターネット広告は確実に認知度を高めており、商品および企業のブランディン

グにも影響を与えている。現在、インターネット広告推進協議会では「インターネッ

トCM」の定義化を進めており、インターネット広告の可能性がますます広がるこ

とが期待される。 電子決済では、携帯電話事業者と金融機関の連携が進んでおり、携帯電話での決

済サービスが本格化している。今後は決済サービスのみならず、加入者向けのロー

ンサービスなど、金融サービス全般へとメニューが拡大すると予想される。

3.3 その他の市場の動向 業務用通信カラオケでは、ブロードバンド化に対応したコンテンツの配信が進ん

でいる。通信カラオケ各社では従来の飲食店等に向けた配信事業のほか、PCや携

帯電話を対象としたカラオケ配信サービスや音楽配信サービス、DVDの通信販売、

飲食店情報の提供等、カラオケを起点としたポータル事業を展開しつつある。

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平成17年度日本自転車振興会補助事業

デジタルコンテンツ産業動向調査研究事業

デジタルコンテンツ市場に関する調査研究報告書

発 行 平成18年3月

発行者 財団法人デジタルコンテンツ協会

東京都千代田区一番町23番地3

日本生命一番町ビルLB

電 話 03-3512-3901

FAX 03-3512-3908

http://www.dcaj.or.jp/

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