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本書を無断で転載することはご遠慮ください。 東京電力株式会社 H24.3.21 スマートメーター通信機能 基本仕様 平成 24321東京電力株式会社

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本書を無断で転載することはご遠慮ください。 東京電力株式会社 H24.3.21

スマートメーター通信機能 基本仕様

平成 24年 3月21日

東京電力株式会社

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はじめに

本資料は、現時点における東京電力の「スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件となる通信ネットワークやスマートメーターに求める機能等に関する基本的な考え方」をまとめたものです。

今回、原子力損害賠償支援機構と東京電力は、仕様の 適化や調達コストの低減による経営の更なる合理化を目指し、メータリングシステム全体の考え方・仕様等について広く意見を募集いたします。

意見の募集にあたっては、技術仕様に限らず、通信ネットワークの前提条件についても意見を募集いたします。また、技術的見地から考慮すべき事項や、より効率的に実現するための機能・方法、コスト削減、品質や機能の向上、業務の効率性等に寄与するご意見・ご提案をコンセプトベースのものも含めて幅広く募集いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、本資料では通信ネットワークに関する考えをまとめておりますが、スマートメーターの計量器と通信ユニットの双方に関わるご意見、その他メータリング関連システム全般についても今回の意見募集において承ります。

コスト削減や構築及び運用の効率性などに寄与するアイデア・意見を、積極的に仕様に反映いたします。

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今後の進め方

今回の意見募集を踏まえて策定された基本仕様(スマートメーター通信ネット

ワーク検討の前提条件や、通信方式選定の考え方等)に基づいて、実際の通信方

式等を決定するためには、本格展開を前提とした技術実証試験等を行う必要があ

ります。

したがって、今回の意見募集において提案された技術のうち、コスト、機能、

品質等の面で優位性が認められる可能性の高い技術に関して、今後、実証試験を

含めた更に詳細な提案依頼(RFP [Request For Proposal])を行う予定です。

実証試験において優位性が認められた技術については、本格導入に向けた準備

に入ることになります。

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- 目 次 -

Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件

Ⅱ.通信方式選定の考え方

Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要

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Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件1. スマートメーター通信ネットワークの特徴2. スマートメーター通信ネットワークに求める機能3. スマートメーターが実現する機能

Ⅱ.通信方式選定の考え方

Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要

Ⅰ章では、弊社スマートメーター通信ネットワークの検討における前提条件についてお示しいたします。この前提条件についても、コスト削減、品質や機能の向上等に寄与する幅広いご意見・ご提案をよろしくお願いいたします。

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伝送路

スマートメーター通信ネットワークにより、お客さま宅に設置するスマートメーターからMDMS(Meter Data Management System)への伝送や、MDMSから遠隔開閉器制御等を実現する。

当社のお客さま約2,700万軒をカバーするため、高密度な住宅街、地下街や高層マンション、郊外や山間地など様々な地域特性を考慮する必要がある。

Ⅰ-1.スマートメーター通信ネットワークの特徴

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

郊外

山間地

MDMS

一般住宅地 高密度

住宅地

都市部・地下街

伝送

FAN

WAN

WAN:Wide Area Network

伝送

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Ⅰ-2.スマートメーター通信ネットワークに求める機能

① 1軒あたりのデータを確実に伝送・収集できること

一軒あたりの情報量は少ないものの、膨大な数のメーターから情報を確実にMDMSまで伝送。

⑤ 低コストで構築・維持できること

膨大な数となるスマートメーターについては、初期構築コストだけでなく、通信ネットワークの維持・管理費用なども含め、TCO(Total Cost of Ownership)を抑えることが重要。

② データの機密性を確保すること

電力使用量などお客さまのプライバシーに係る情報を扱うことから、不正アクセスや情報漏えい等の脅威に対して強固なセキュリティを確保。

③ 通信ネットワークを効率的かつ的確に維持・管理できること

通信ネットワークの健全性を維持するための管理機能及び障害発生時に迅速に復旧するための機能を実装。

④ 長期にわたって運用できること

スマートメーターは設置後10年間使用するため、今後の普及見込みや利用継続性を考慮して長期にわたって利用できる通信方式を選定することが重要。

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(1) ~ 30分検針値収集 ~

スマートメーターは、30分検針値を計測してMDMSにデータを送信する。

検針値の欠損が発生した場合は、MDMSが行う当該メーターとの通信の復旧確認、欠損データの再収集要求に応じて、当該データを再送する。

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

MDMS

スマートメーター

送信送信

受信・収集

伝送路

送信

<定期収集>MDMS

送信

要求

伝送路

<個別収集(データ欠損時等)>

要求受信

受信・収集

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(2) ~ 計量器の設定・制御 ~

MDMSからの開閉器制御等の設定・制御要求データを受信したスマートメーターは、要求された処理を実行後、結果等をMDMSに向けて送信する。

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

MDMS

設定・制御応答送信

設定・制御要求送信

伝送路

設定・制御要求受信

設定・制御応答受信

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(3) ~ ハンディターミナル通信 ~

MDMSとスマートメーター間で通信ネットワークを介した通信ができない場合には、現地でハンディターミナルを用いて、直接検針、設定・制御を実施する。

スマートメーター

ハンディターミナル

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

30分検針値

要求 30分検針値

要求受信

30分検針値

送信

30分検針値

受信

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(4) ~ 宅内通信機能 ~

スマートメーターとHEMS(Home Energy Management System)との情報連携に必要なインターフェース仕様については、スマートハウス標準化検討会にて取りまとめられた標準仕様に準拠する。

3.スマートメーターとHEMSのインターフェース

3.1 検討結果(1)

スマートメーターから提供される情報・粒度および通信頻度

データフォーマットはECHONET Liteに準拠。

現時点で提供する項目は「電力量(30分積算値)」「逆潮流値(30分積算値)」「時刻情報」の3つ。

3.2 検討結果(2)

ネットワーク(接続)形態のあり方

中長期的な視点や世界での標準の動きを踏まえて、拡張性をもたせたものを実装するため、IPに準拠。

※ 機器実装上の理由によるIPレスの搭載については、IPベース開発に必要な一定期間を許容するが、IPとの相互接続性を担保すること。複数のユーティリティーのスマートメーターに接続されることを配慮すること。

スマートメーターとの通信用に実装する通信機器(伝送メディア)

現時点で推奨される伝送メディアとしては、920MHz帯特定小電力無線、無線LAN、PLCの3方式。

3.3 検討結果(3)

スマートメーターとの情報連携のための通信ミドルウェア

スマートメーターとHEMSとの情報連携に係る通信ミドルウェアについては、ECHONET Liteに準拠。

~ 経済産業省報道発表 JSCA国際標準化WG スマートハウス標準化検討会 とりまとめの公表(平成24年2月24日)より抜粋 ~

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(5) ~ セキュリティ ~

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

スマートメーターは、電力使用量などお客さまのプライバシーに係る情報を扱うことから、不正アクセスや情報の漏洩・改ざん等の脅威に対し、確実なセキュリティ対策を施す。

脅威種別 具体的事象例 対策

通信傍受 公衆空間における通信の傍受 暗号化

暗号鍵の定期的更新

なりすまし 不正侵入 不正通信の検出

接続認証

改ざん 公衆空間における改ざん パケットの改ざん検出

妨害 妨害電波の送出 妨害電波の監視

脅威と対策

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Ⅰ-3.スマートメーターが実現する機能(6) ~ 運用保守機能 ~

【Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件】

大規模なネットワークを効率的かつ正確に管理するため、スマートメーターは設備管理情報をMDMSへ自動送信する。

スマートメーターの通信ソフトウェアの機能改良を効率的に行うため、遠隔から通信ネットワークを利用して通信ソフトウェアを更新する。

通信ソフトウェア

伝送路

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Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件

Ⅱ.通信方式選定の考え方1. 通信方式の候補2. 各通信方式の特徴(参考) 通信方式適用の考え方

Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要

Ⅱ章では、現時点で弊社が考えている各種通信方式の適用の考え方等についてお示しいたします。この内容に限らず、コスト削減、品質や機能の向上等に寄与する幅広いご意見・ご提案をよろしくお願いいたします。弊社の現時点案との比較等、御提案内容の優位性を、可能な限り定量的に示していただけると幸いです。

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Ⅱ-1.通信方式の候補

【Ⅱ.通信方式選定の考え方】

約2,700万軒をカバーする通信ネットワーク(FAN) を構築するためには、高密度な住宅街、地下街や高層マンション、郊外や山間地など様々な地域特性に応じた通信方式を採用する必要がある。

海外の導入状況も参考にしつつ、スマートメーター通信ネットワーク(FAN)として適用が見込める3種の通信方式を検討。

① 無線マルチホップ方式

比較的低出力の無線を用い、他の無線端末を経由してバケツリレーのようにデータを伝送する方式

② 1:N無線方式

比較的高出力の無線を用い、基地局と無線端末との間で直接データを伝送する方式

③ PLC方式(Power Line Communications)電力線を通信回線として利用する方式

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Ⅱ-2.各通信方式の特徴(1) ~ 無線マルチホップ方式 ~

【Ⅱ.通信方式選定の考え方】

コンセントレーター1台あたりに数百台規模のスマートメーターを収容する。

コンセントレーター、近隣のスマートメーターとの間で複数の通信経路を構築することにより通信品質を確保する。

電波環境の変動(車両や建物による電波遮蔽等)、機器故障時には、別経路による通信を可能とする。

コンセントレーター

スマートメーター スマートメーター

コンセントレーター

迂回

遮蔽物×

※コンセントレーター:複数のスマートメーターのデータを集約する装置

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Ⅱ-2.各通信方式の特徴(2) ~ 1:N無線方式 ~

【Ⅱ.通信方式選定の考え方】

高出力の無線を用いることにより、広範囲のスマートメーターのデータが収集できる。

基地局からの電波が到達しない場合は、追加のアンテナ設置工事やスマートメーターの位置変更等により対応可能。

サービス品質・継続性・費用等を踏まえつつ通信事業者のサービスも利用可能。

スマートメーター

基地局

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Ⅱ-2.各通信方式の特徴(3) ~ PLC方式 ~

【Ⅱ.通信方式選定の考え方】

日本国内では、屋外ではkHz帯PLCが利用できる。

変圧器の通過損失を考慮しつつ通信品質を確保するために、変圧器毎にコンセントレーター(集約装置)を設置する。(変圧器あたりの需要家数が10~20)

※出典:「kHz帯PLCの動向と需要地系通信への適用課題」電力中央研究所報告 平成23年8月

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(参考)通信方式適用の考え方

それぞれの通信方式の特徴を基に評価し、適用の考え方を整理した。

東京電力としては以下の3つの方式を地域特性に合わせて導入してきたいと考えている。その中でも、費用対効果の面※から、無線マルチホップ方式を主な方式としたいと考えている。

【Ⅱ.通信方式選定の考え方】

通信方式 評 価 適用の考え方

無線マルチホップ

方式

コンセントレーターの 適な配置設計等により、スマートメーターの収容効率を高めることで、投資コスト抑制が可能

無線出力が小さく、スマートメーターの低消費電力化が可能

通信ネットワーク構築には一定のお客さま密集度が必要

スマートメーターの設置形態(パイプシャフト内など)によっては、建物内のメーター間および建物外と通信できない場合あり

一般住宅エリア等

PLC方式

電力線を利用するので、新たに通信線を用意する必要がない

無線が届きづらい箇所でも適用可能

コンセントレーターへの収容効率が低いため、広範囲のカバーには不向き

高層建物密集エリア等

1:N無線方式

高出力の基地局を自ら建設することは困難であるため、通信事業者のサービス適用が前提

事業者のサービスエリアに限って適用可能

事業者サービスに応じた端末が必要となり、固定的に通信費用も発生(サービス継続性について留意する必要)

山間部などお客さまが点在するエリア等

※無線マルチホップ方式は、 1台のコンセントレーターで多数のスマートメーターを収容できることから、PLC方式と比較して設備コスト

抑制の面から有利。また、スマートメーター毎に事業者サービスの通信費用が不要なため、ランニングコストの面でも有利。

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Ⅰ.スマートメーター通信ネットワーク検討の前提条件

Ⅱ.通信方式選定の考え方

Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要1. システム構成2. 主要機能3. 通信ユニット概要

Ⅲ章では、現時点で弊社が検討している無線マルチホップネットワークのシステム概要をお示しいたします。この内容に限らず、コスト削減、品質や機能の向上等に寄与する幅広いご意見・ご提案をよろしくお願いいたします。弊社の現時点案との比較等、御提案内容の優位性を、可能な限り定量的に示していただけると幸いです。

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無線マルチホップネットワークでは、コンセントレーターとその配下に収容される数百台規模のスマートメーターがマルチホップ通信の仕組みを利用してデータを送受信する。

通信制御サーバは、自律制御を基本とする無線マルチホップネットワークを補完的に制御することにより信頼度等の向上を図る。

Ⅲ-1.システム構成

MDMS、通信制御サーバ

コンセントレーター

電柱

伝送路

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

コンセントレーター

高層マンションスマートメーター 無線マルチホップネットワーク

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Ⅲ-2.主要機能(1) ~ 経路制御機能 ~

コンセントレーターを頂点としたツリー型のネットワークを基本とし、「上り通信」、「下り通信」、「P2P」の経路をそれぞれの特性に応じて構築。

車両や天候等の影響による電波状況の変化に柔軟に対応できるよう、各通信ユニットが自律的に経路を構築し、通信経路の迂回や更新を行うことにより、データの到達性を確保。ただし、経路制御のためのトラフィックは一定量以下に抑え、無線帯域の圧迫を回避。

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

30分検針値収集、計量器の設定・制御、ハンディターミナル通信を安定した通信品質で実現するために、以下の経路制御機能を有する。

経路種別 特性

上り通信経路 主に30分検針値収集の通信。30分毎に大量の通信が発生。

下り通信経路MDMSからメーターへの通信。特定のメーターに対する不定期の

通信が主であり、上り通信に比べると通信の頻度は低い。

P2P通信経路ハンディターミナルからメーターへのマルチホップ通信。 も通

信頻度が低い。

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Ⅲ-2.主要機能(2) ~ 収容数平準化機能 ~

無線の利用効率を高めるため、コンセントレーターへの通信ユニットの収容偏りを是正する機能を備える。

コンセントレーターへの通信ユニットの収容偏りにより特定のコンセントレーターに収容が集中すると、輻輳により通信品質の低下を招く。

実環境においては、多様な電波状態を予測して収容の偏りがないようにコンセントレーターを配置することは困難。

このため、各コンセントレーターへの通信ユニット収容数を管理し、適切に収容先を分散することが重要。

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-2.主要機能(3) ~ 収容制限機能 ~

コンセントレーターが正常に機能するための通信ユニット収容数を超えることによる通信障害を未然に防ぐため、コンセントレーターごとに通信ユニット収容数を制限する機能を備える。

伝送路障害等により隣接する複数のコンセントレーターが機能停止した場合、当該コンセントレーターに収容されている通信ユニットは、近隣の健全なコンセントレーターに対して、一斉に接続を要求。

NG

NG

収容限界

接続停止

健全なコンセントレーターがすべての接続要求に応えると、輻輳による通信障害が発生するため、通信ユニット収容数を制限することで、可能な範囲で通信を確保する。

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-2.主要機能(4) ~ 送信タイミング分散機能

各通信ユニットが、30分検針値の送信に割り当てられた5分間の中で、タイミングを分散してコンセントレーターへ送信する。

各通信ユニットが30分検針値を一斉に送信を開始した場合には輻輳が発生するため、スマートメーター通信ネットワークの要件である準リアルタイムでMDMSまでの伝送が困難となる。

各通信ユニットは時刻同期をとり、送信タイミングを分散して、コンセントレーターへ送信する。

コンセントレーター

T1

T2

T3 T4

T5

T6異なるタイミングで30分検針値を送信

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-2.主要機能(5) ~ 優先処理機能 ~

輻輳回避や無線の利用効率を高めるため、データ種別によって送信時間帯を分けるとともに、重要度に応じた優先処理を行う。

30分検針値は割り当てられた5分間で送信し、欠損データの再収集、ネットワーク管理情報等は、それ以外の時間帯で送信する。

計量器の設定・制御等、オペレーター操作に伴うデータは、リアルタイム性を確保するため、他のデータより優先して送信する。

振り分け

高優先

中優先

低優先

高優先中優先低優先

高優先データから優先的に送信

データ種別により振り分け

高優先 中優先 低優先

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

高優先キュー

中優先キュー

低優先キュー

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Ⅲ-2.主要機能(6) ~ 複数チャネル運用機能 ~

高密度な住宅街等、メーターが集中設置された箇所においても良好な無線通信環境を確保するため、エリア毎に異なるチャネルで運用する機能を備える。

住宅が密集する地域では、コンセントレーターを多数設置する必要があり、同一無線チャネルで運用した場合、電波干渉や輻輳により、著しい通信品質の低下を招くおそれがある。

コンセントレーター及び配下の通信ユニットの無線チャネルを切り替えることにより、電波干渉や輻輳を回避する。

【単一チャネル運用中】

CH3で運用

CH2で運用

チャネル切り替え

【複数チャネル運用へ変更】

CH1運用中

(全エリア)

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-2.主要機能(7) ~ 通信ソフトウェア更新機能 ~

無線マルチホップネットワークを利用して通信ソフトウェアを更新する機能を備える。

限られた無線帯域の中で、膨大な数の通信ユニットに対して確実かつ効率的に通信ソフトウェアを配信する。

通信ユニット内には動作/非動作2面のソフトウェアを保持することによって、通信ソフトウェア更新時のサービス継続性を確保する。

コンセントレーター通信制御

サーバ

通信ソフトウェア

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-2.主要機能(8) ~ ネットワーク管理機能 ~

大規模なネットワークを効率的に管理するため、以下の機能を備える。

<通信品質定期確認機能>

メーターの新設・撤去や地理的環境の変化等により、無線マルチホップネットワークの電波環境も変化する。ネットワーク機能を維持するため、通信ユニットはネットワーク品質の評価・分析に資するデータを定期的に送信する。

<障害管理機能>

通信ユニットの稼動状況は、30分検針値データの取得状況にて把握。障害発生時は故障部位の切分けや原因分析を実施するため、通信ユニットでログ情報等を取得・保持する。

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

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Ⅲ-3.通信ユニット概要

分類 項目 概要

ハードウェア 利用周波数 ・920MHz帯(ARIB STD-T108)

伝送速度 ・100kbps

電波出力 ・20mW以下 (ARIB STD-T108)

アンテナ ・内蔵アンテナ(ダイバーシチ方式)

筐体サイズ ・85mm×78mm×45mm 以内

電源 ・DC5V、 大1.0W以下(ピーク値)

通信プロトコル

物理層 ・IEEE802.15.4g準拠

MAC層 ・IEEE802.15.4e準拠

ルーティングプロトコル(LLC層とネットワーク層の

一部に該当)

・自律分散型ルーティングプロトコル

※ TCP/IPプロトコルは非実装

その他 コンセントレーター1台当たり

の収容台数

・500台程度(通常時)

※周辺のコンセントレーター障害時は、 大1,000台程度を収容

相互接続性 ・異なるメーカー間の相互接続性を確保

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

現在検討している通信ユニットの概要は、以下のとおり。

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(参考)スマートメーター外観

通信ユニット

計量器(開閉器内蔵)

端子ブロック

端子カバー

<外観> <装置構成>

【Ⅲ.無線マルチホップネットワークのシステム概要】

Page 32: スマートメーター通信機能基本仕様 - TEPCO · 本書を無断で転載することはご遠慮ください。 東京電力株式会社 h24.3.21 6 Ⅰ-2.スマートメーター通信ネットワークに求める機能

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(参考)計器仕様RFCと関連スケジュール

以 上

意見募集期間中(3~4月)に寄せられた意見を踏まえ、計器仕様、通信機能基本仕様を6月に確定する予定です。

通信機能基本仕様のRFCの結果、技術的事項の比較・確認が必要な場合、実証試験を含めた詳細な提案依頼(RFP:Request For Proposal)を実施する予定です。

RFP

RFC

計器仕様

RFC

6月

通信基本仕様

5月4月3月

3/21

意見募集(1ヶ月)通信基本仕様公開 検討・回答作成 基本仕様

確定

提案募集開始

3/12計器仕様説明会

意見募集(1ヶ月)審査 新計器仕様

確定

メーカー準備