新世代ネットワークの課題 · 2009-02-25 ·...
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© Hitachi, Ltd. 2007. All rights reserved.
新世代ネットワークの課題
株式会社 日立製作所情報・通信グループ
竹村哲夫
2007年4月20日
ネットワークアーキテクチャに関する調査研究会
資料 5-3
© Hitachi, Ltd. 2007. All rights reserved.
• ネットワーク技術開発の方向性
• 新世代ネットワークであらたに考慮すべきシステム的要求
• 新世代ネットワークの課題
© Hitachi, Ltd. 2007. All rights reserved.オペレーション=オペレータの生産性改善
コネクティビティ
サービス=エンドユーザの生産性・生活改善
電話システム
DWDMSONET/SDH
専用
線
シス
テム
GbE 10GbE 100GbE
WiMax全光ネットワーク
テレマティクス
コラボレーション
2G移動体システム
3G移動体システム
4G移動体システム
ネットワーク発展の軸
認証
MPLS
GMPLS
WiFi
コンテンツ配信
Eコマース
1G移動体システム
インターネット
企業情報システム
「ユビキタス情報化」のような新しいシステム的要求への対応を技術開発として位置付ける
従来のネットワークシステムで選択されていた技術開発の軸はそれぞれ異なる
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新世代ネットワークを検討するアスペクト
コネクティビティ軸従来の行動原理(ex. 広帯域化)に加えて必要となる技術要素
例えば「ユビキタス情報化」がシステムに与えるインパクト
サービス軸:経済システムの一部としてのネットワークサービス取引の場としてネットワークに求められる要件
オペレーション軸:社会インフラとしてのネットワーク*)
安定性・信頼性・可用性
安心・安全
環境負荷
ガバナンス、標準化
統合に向けた新世代ネットワーク設計ポリシーの在り方従来システムの設計ポリシーからのスムーズな移行
新しいシステム的要求をカバーする設計ポリシー
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*) 本プレゼンテーションでは割愛
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コネクティビティ軸の技術要素
帯域のスケーラビリティ技術開発に加えて、人間インタフェース研究も重要に
ユビキタス情報化は接続制御のスケーラビリティを必要とし、
新たな技術開発の方向が必要
ネットワークの総容量ではなく、接続制御の処理能力が制約リソースとなる
接続制御:アドレッシング、名前解決、認証、セッション制御、誤り制御、…..
信号
帯域
端末数
電話 携帯
モノ対モノユビキタス情報化(センサ、RF-ID)
InternetWeb等
放送
3D、超高精細
帯域のスケーラビリティ
総容量一定
接続制御のスケーラビリティ
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人間インタフェース五感通信
コネクティビティのコモディティ化
人対人/物
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情報量
現在現在 10年以内10年以内 その先その先
2D映像、音2D映像、音
3D映像、臨場音3D映像、臨場音
触覚、味覚、嗅覚触覚、味覚、嗅覚
テレパシーテレパシー
リアルとバーチャルの差の縮小リアルとバーチャルの差の縮小
現実世界では不可能なことの実現現実世界では不可能なことの実現
人間インタフェースの進展4
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Telepathy“Optical Topography”
3D Display “Transpost”
Display with mirror“Miragraphy”
Display using multiple projectors“Projector Allay”
Display reacting human shadow“Silhouette Counter”
人間インタフェースに関する研究例5
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ユビキタス情報化の背景(1)
端末側ではネットワーク接続のコモディティ化が進展NWに接続するコストが指数的に低減 (ex. RF-ID)
あらゆる対象物が「コネクテッド」になりうる
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機器価格 (万円)
1980 1990 2000 2010 2020
1
0.1
workstation
PC
CD player, Printer
$100 PCs,household appliances
1,000円以下の製品も対象
100
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ユビキタス情報化の背景(2)
端末側ではネットワーク接続のコモディティ化が進展NWに接続される端末数は指数的に拡大
端末側はつなぐこと、つながれることを意識しなくなる
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機器価格 (万円)
1980 1990 2000 2010 2020
1
0.1
workstation
PC
CD player, Printer
$100 PCs,household appliances
1,000円以下の製品も対象
100
10
端末総数は指数で拡大
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ユビキタス情報化の例:ライフ顕微鏡
腕時計型センサ:人の日常を継続的にモニタリング
プッシュボタン
液晶ディスプレイ
• センサ• 動き (3軸加速度)• 血流• 温度
• 通信機能• プッシュボタン• ディスプレイ
(文字表示可能)
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センサネットによる人間行動理解例
締め切りに追われて締め切りに追われて夜中に資料作り夜中に資料作り
海外出張による時間のずれ海外出張による時間のずれ
ゴールデンウィーク中はゴールデンウィーク中は遅寝遅起きで夜に読書遅寝遅起きで夜に読書
人間の活動度(加速度の1分当たりの振動数)を24時間、3ヶ月記録。時間軸を埋め尽くしたセンサ像により、単なる「活動度データの集合」が「人間行動を知りえるデータ」に変化
人間の活動度(加速度の1分当たりの振動数)を24時間、3ヶ月記録。時間軸を埋め尽くしたセンサ像により、単なる「活動度データの集合」が「人間行動を知りえるデータ」に変化
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インダストリアル顕微鏡 -プラント予防保全-
ユビキタスに配置されたセンサ情報を自動収集し,リアルタイムにプラント状況を把握、長期安定・安全なプラント保守を支援
100 99 98 97100 99 98 97
小型コントローラ
インターネット公衆回線
配管・バルブセンサノード(温度・湿度)
センサノード(体温・脈拍など)
センサ
配管減肉シミュレーション
配管減肉予測インターネット遠隔監視
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トラヒック顕微鏡 ー 交通情報の収集と予測 ー
○プローブカー情報処理技術 位置情報 交通情報変換VICS未対応の広域情報が収集可能
カバー率70%以上
マップマッチング 経路推定技術
予測値
パターンデータ
曜日
季節
天気
連休
予測因子
日付
天気
当日予測条件蓄積交通情報
分解 合成
○予測技術
渋滞交差点
○統計交通情報技術
プローブカー
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新世代ネットワークを検討するアスペクト
コネクティビティ軸従来の行動原理(ex. 広帯域化)に加えて必要となる技術要素
例えば「ユビキタス情報化」がシステムに与えるインパクト
サービス軸:経済システムの一部としてのネットワーク情報やサービスの市場取引の場としてネットワークに求められる要件
需給マッチング・トラスト確立・対価決済の場
広告型ビジネスモデルに頼らない「知」「サービス」の流通
オペレーション軸:社会インフラとしてのネットワーク
統合に向けた新世代ネットワーク設計ポリシーの在り方従来システムの設計ポリシーからのスムーズな移行
新しいシステム的要求をカバーする設計ポリシー
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経済システムの一部としてのネットワーク
コンテンツやサービスの取引を構成するコスト要素は多様
現状のネットワーク活用:Web検索を中心とする需給マッチングが主
需給マッチングの高度化のみならず、需給間のトラスト確立*)や保守・マーケティング等におけるネットワーク活用が必要となる
マッチングコスト
認証コスト
アクセス管理コスト
ライセンス管理コスト
課金コスト
保守・マーケティング
ペナルティコスト
•情報orサービス検索•広告、仲介•交渉 •ディジタル証明書配付
•証明書有効性検証•認証、認証連携•Identity管理
•パーソナルポリシー•ログ管理、Audit •使用権管理
•履歴管理•権利者管理
•マイクロ課金•課金代行•決済、回収•広告モデル課金
•保守、メンテナンス•マーケティング連携
サービス取引コスト
情報生成コスト
物流・販売コスト•輸送・物流管理•卸、小売り
•コンテンツ生成、収集•タグ、センサー
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*) 認証、アクセス管理、ライセンス管理等により需要者と供給者の間の信頼関係や権利関係を整合させる
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マッチングの技術開発例「映像系検索」
検索はネットワーク上の市場におけるマッチングコスト低減の鍵爆発する情報量の中で、需給マッチング効率化は不可欠
検索キーと検索アルゴリズム、情報分析は多様化世界にある「知」はWebだけではない
映像系メディアに対応する検索技術の開発例
キー画像
キー画像に似た画像を検索
類似画像検索技術
色合い、形等の情報を用いて「似た画像」を高速検索
検索用キーワードは不要
EPG情報、クローズドキャプションなどのテキストを連想検索し関連番組を発見
連想文書検索技術
番組情報 特徴語空間
番組を選択
番組→特徴語連想
番組←特徴語連想
番組特徴語
関連関連
特徴語を抽出
関連番組を発見3
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番組 特徴語
EPG:Electronic Program Guide (電子番組表)
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連想文書検索
文書全体を検索キーにして文書を検索
何を検索したいかを判然と言い表せなくても、興味のある文書を丸投げで関連情報を引き出せる検索
一つでも欲しい文書が見つかればイモヅル式に情報を増やせる検索
連想検索で広がる対話的な検索の世界
双対連想法による特徴語抽出を活用した検索結果の概略表示
文書と特徴語を密接に関連づけて得られる豊富なインタフェース機能
文書からも特徴語からもフィードバックをかけてユーザの意図を的確に反映
検索システム
丸投げ
★★
★★
★★
興味のある文書
当たり文書を選んで丸投げ 仲間を引き連れ
てきてくれる(イモヅル検索)
特徴語抽出による検索結果の概略提示
文書と単語のクロスチェック機能で一つ一つ読まなくて
も概略把握
気に入った文書を選んでイモヅルフィードバック
対話的な検索インタフェース
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新世代ネットワークを検討するアスペクト
コネクティビティ軸従来の行動原理(ex. 広帯域化)に加えて必要となる技術要素
例えば「ユビキタス情報化」がシステムに与えるインパクト
サービス軸:経済システムの一部としてのネットワーク市場取引の場としてネットワークに求められる要件
需給マッチング・トラスト確立・対価決済の場
広告型ビジネスモデルに頼らない「知」「サービス」の流通
オペレーション軸:社会インフラとしてのネットワーク
統合に向けた新世代ネットワーク設計ポリシーの在り方従来システムの設計ポリシーからのスムーズな移行
新しいシステム的要求をカバーする設計ポリシー
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オペレーション軸
コネクティビティ軸
サービス軸
電話システム
DWDMSONET/SDH
専用
線
シス
テム
GbE 10GbE 100GbE
WiMax全光ネットワーク
テレマティクス
コラボレーション
2G移動体システム
3G移動体システム
4G移動体システム
システムの設計ポリシー
各システム設計ポリシーは発展経緯、市場環境、管理対象リソースに依存
電話システム:帯域リソースが制約 → 交流トラヒックに基づく最適ルート設計
インターネット:自律分散ルーティングによるオペレーション効率化
認証
MPLS
GMPLS
WiFi
コンテンツ配信
Eコマース
1G移動体システム
インターネット
企業情報システム
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異なる設計ポリシーとリソース管理の統合化
従来システムの統合に加えて「ユビキタス情報化」「経済システムの場」の考慮が必要
システム毎に異なる設計ポリシーとリソース管理の統合化
システム毎に選択されていた異なる技術開発軸、設計ポリシー、管理対象リソース
NGNのポジショニング:帯域リソースの制約が減少したことに基づいて、
電話・携帯・放送の一部をインターネットの設計ポリシー上に移行
新世代ネットワーク:新たなシステム的要求をNGN上にオーバーレイ可能か
電話網
インターネット
放送
交流トラヒックに基づく網設計
自律分散ルーティングによる網オペレーション
新世代ネットワーク
ユビキタス情報化
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携帯網
NGN基地局配置によるアクセストラヒック収容設計
設計ポリシーの例
経済システムの場
スケーラブル接続制御??
??
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まとめ
技術開発の方向性電話網・携帯網・インターネットはそれぞれ異なる技術開発軸を選択し、設計ポリシー、管理対象リソースも異なる
新世代ネットワークには従来と異なる方向性の技術開発も同時に必要
新世代ネットワークへのシステム的要求と技術開発の方向性ユビキタス情報化
接続制御のスケーラビリティ
経済システムの場としてのネットワークサービス取引に関わる要素技術のネットワーク化技術
新世代ネットワークの課題設計ポリシーと管理対象リソースの異なるシステムの統合
インフラ部分とオーバーレイ部分の機能分担、インタフェース
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新世代ネットワークの課題
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情報・通信グループ
竹村哲夫
ご清聴ありがとうございました