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ニュースブリーフ 2 アーティクル コンパレータとDACの組合せによりデータアクイジション上の問題を解決 3 デザイン・ショーケース PCシリアルポートから12ビットのA/ Dコンバータを駆動 10 PFM制御によりデュアル出力ステップアップコンバータを改善 12 同期バックレギュレータ出力により高速データバスを終端 13 オートトランスレギュレータで12Vを-12Vに反転 15 バイポーラ電圧を出力するシリアルデータインタフェースチップ 16 0A~5Aのプログラマブル電流ソース 17 ニュープロダクト オペアンプ/コンパレータ 消費電流僅か4μAの超低電力、 (MAX971~974/ 19 オープンドレインコンパレータ+リファレンスIC MAX981~984) 高速オペアンプ スルーレート1300V/μsの350MHz電圧フィードバックオペアンプ (MAX477) 19 50Ω及び75Ωケーブルを駆動する275MHzのクワッドビデオバッファ (MAX496/497) 19 低ノイズ及び超低歪みのオペアンプファミリ (MAX4106~4109) 20 消費電流5mA、出力80mAの500MHz電流フィードバックビデオアンプ (MAX4112/4113) 20 アナログスイッチ及びマルチプレクサ オン抵抗10ΩのクワッドSPSTアナログスイッチ (MAX312/313/314) 20 シリアル制御付の8チャネル及びデュアル4チャネルマルチプレクサ (MAX349/350) 21 低価格、低電圧のクワッドSPSTアナログスイッチ (MAX4066/4066A) 22 シリアルインタフェース付の低電圧、8チャネル、SPSTスイッチ (MAX395) 23 システム電源IC タイプ1及びタイプ2のカードに収まる超薄型PCMCIA電源 (MAX606/607) 22 固定(5V)又は可変(3V~16.5V)出力のステップアップコントローラ (MAX608) 22 出力50mAの超低ドロップアウトSOT-23リニアレギュレータ (MAX8863/8864) 23 インタフェースIC 完全、絶縁フルデュープレックス (MAX1490A/1490B) 21 RS-485/RS-422インタフェースを¥1,100以下で提供 ±15kV ESD保護を実現し、スルーレート制限された、 (MAX481E/483E/485E/ 23 低電力RS-485/RS-422トランシーバ 487E ~491E/1487E) Volume Twenty-Two

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ニュースブリーフ 2

アーティクル コンパレータとDACの組合せによりデータアクイジション上の問題を解決 3

デザイン・ショーケース PCシリアルポートから12ビットのA/Dコンバータを駆動 10

PFM制御によりデュアル出力ステップアップコンバータを改善 12

同期バックレギュレータ出力により高速データバスを終端 13

オートトランスレギュレータで12Vを-12Vに反転 15

バイポーラ電圧を出力するシリアルデータインタフェースチップ 16

0A~5Aのプログラマブル電流ソース 17

ニュープロダクト オペアンプ/コンパレータ

• 消費電流僅か4µAの超低電力、 (MAX971~974/ 19オープンドレインコンパレータ+リファレンスIC MAX981~984)

高速オペアンプ• スルーレート1300V/µsの350MHz電圧フィードバックオペアンプ (MAX477) 19

• 50Ω及び75Ωケーブルを駆動する275MHzのクワッドビデオバッファ (MAX496/497) 19

• 低ノイズ及び超低歪みのオペアンプファミリ (MAX4106~4109) 20

• 消費電流5mA、出力80mAの500MHz電流フィードバックビデオアンプ (MAX4112/4113) 20

アナログスイッチ及びマルチプレクサ• オン抵抗10ΩのクワッドSPSTアナログスイッチ (MAX312/313/314) 20

• シリアル制御付の8チャネル及びデュアル4チャネルマルチプレクサ (MAX349/350) 21

• 低価格、低電圧のクワッドSPSTアナログスイッチ (MAX4066/4066A) 22

• シリアルインタフェース付の低電圧、8チャネル、SPSTスイッチ (MAX395) 23

システム電源IC• タイプ1及びタイプ2のカードに収まる超薄型PCMCIA電源 (MAX606/607) 22

• 固定(5V)又は可変(3V~16.5V)出力のステップアップコントローラ (MAX608) 22

• 出力50mAの超低ドロップアウトSOT-23リニアレギュレータ (MAX8863/8864) 23

インタフェースIC• 完全、絶縁フルデュープレックス (MAX1490A/1490B) 21

RS-485/RS-422インタフェースを¥1,100以下で提供

• ±15kV ESD保護を実現し、スルーレート制限された、 (MAX481E/483E/485E/ 23低電力RS-485/RS-422トランシーバ 487E~491E/1487E)

Volume Twenty-Two

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コンパレータとDACの組合せによりデータアクイジション上の問題を解決ここでは、従来のA/Dコンバータアプリケーションで

しばしば見過ごされがちだった方法について説明します。すなわち、A/D変換は、ディスクリートのコンパレータとD/Aコンバータの組合せで実現した方が優れている場合があります。D/Aコンバータを用いてA/D変換を行った場合、通常測定の仕方が変わってきますが、低コスト、高速、柔軟性及び低消費電力等の利点が得られます。

現在のトレンドはむしろ反対の方向に向かっており、A/D変換を必要とする設計では通常パッケージ化されたA/Dコンバータ(ADC)が使用されます。多くのエンジニアは代替方法を知らず、またADCの価格/性能比は下がり続けています。それでも、アナログコンパレータとD/Aコンバータ(DAC)の組合せにディジタル処理能力を加えると、逐次比較ADCのコアを形成することができます。

ディスクリートコンパレータ/DAC法は、特定の領域ではすでに一般的になっています。ATE、核パルス高ディスクリミネータ及び自動タイムドメイン反射率計では片方のコンパレータ入力をDACで駆動し、他方のコンパレータをモニターの対象となる信号で駆動する技術が使用されています。以下、コンパレータ/DACの組合せの方が市販のADCよりも適しているような特定のアプリケーションを例にとり、一般的な測定上の問題について説明します。

トランジェント電圧解析

振幅が高速で変化する現象(トランジェント)をキャプチャする力づくの方法は、プロセッサと高速RAMがサポートする高速ADCを使用して数値化する方法です(図1)。一回だけの現象やトランジェントの詳細を知る必要がある場合はこの方法が適していますが、トランジェントが繰返し現象の場合には、DAC/コンパレータ法を用いてピーク振幅その他の特性を測定することができます(図2)。

コンパレータの一方の入力にトランジェント信号が印加されているときに、DACは他方の入力に試行レベルを設定します。次に、DAC出力を調節しながら、コンパレータのスレッショルドを超えたときのコンパレータ出力をディジタルラッチでキャプチャすることにより、ピークトランジェント振幅を測定します。トランジェントの全帯域幅を維持する必要があるのはコンパレータ入力だけで、DAC出力のセトリング時間が長くても測定精度には影響しません。このように、アナログドメインで検出することにより、高価なADCを低コストのDACとコンパレータで置き換えることができます。

図1. トランジェント解析はADC回路を用いて力づくで実行することができますが、消費電力が大きく、コスト高になります。

MEMORYREF

BUFFERµP

ADC

POWERSUPPLY

INPUT

PROCESSOR REQUIREMENTS: ~ 4 MIPS, ICC ~ 20mAA/D REQUIREMENTS: 2.5µs, ICC ~ 15mA

TOTAL ICC ~ 35mA

TRANSIENT VOLTAGE MONITOR:ADC APPROACH

3

図2. 図1のアプリケーションの振幅測定に逐次法が使用できる場合は、DAC/コンパレータの組合せでADCを置き換えると消費電力とコストを節約できます。

POWERSUPPLY

PROCESSOR REQUIREMENTS: 0.0002 MIPS, ICC < 1mADAC/COMPARATOR REQUIREMENTS: ICC = 10mA max

TOTAL ICC ~ 11mA

TRANSIENT VOLTAGE MONITOR:DAC/COMP APPROACH

S

R

Q

S

R

Q

S

R

Q

S

R

Q

HIGHLINE

LOWLINE

HIGHTRANS

LOWTRANS

MEMORY

µP

INPUT

RESETF-F

1/4 MAX516

1/4 MAX516

1/4 MAX516

1/4 MAX516

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これに関連した問題は、アナログ電圧を許容リミットと比較することにより監視する場合です。多くの自己診断機器ではシステム電圧、温度その他のアナログ量をプログラミングされているリミット値と比較します。しかし、設定値がDACで設定されているコンパレータを使用すると、リミット値から外れたことを示す1つのビットを読むだけで比較ができるため、プロセッサへの負担が少なくなります。

この方法(アナログドメイン比較)は、ADC法(ディジタルドメイン比較)と同等の精度を持っています。このため、アナログ値のまま設定点と比較できるにもかかわらず、その値全体をわざわざ数値化する必要はないわけです。ただし、上下の警報レベルや上下のシャットダウンレベルなど数個の設定点と値を比較する必要がある場合には、4つのDACと4つのコンパレータを用いるよりもADCを1つだけ用いる方が好ましいかもしれません。

従来のDACでシンプルなADCを構成

コストとサイズに制限のあるポータブル機器では、従来のDACがA/D変換も行う場合があります。たとえば、携帯電話や医療用電子機器では、LCDのコントラスト電

圧を調節するためのDACがよく入っています(図3)。ときには、前述のようにコンパレータやスイッチを追加するだけで温度やバッテリ電圧を監視することができます。従来のDACはこの場合二重の役割を果たすことになり、DACがA/D変換を行っている間はディスプレイがブランクになります。ブランクにしたくない場合は、アナログスイッチとコンデンサからなるシンプルなサンプル/ホールド回路(図4)を使用することにより、A/D変換中のLCDコントラスト電圧を保持することができます。

従来のシングルDACの代わりに、低コストのデュアルDACを用いる方法もあります。デュアルDACの片方はフルタイムでLCDコントラスト電圧を発生し、他方はフルタイムのADCの構成部分となります。シングルであれデュアルであれ、DACを駆動してコンパレータをサンプリングし、逐次比較を実行するシンプルかつ高速のソフトウェアルーチンでDACとコンパレータをサポートする必要があります(「逐次比較」のコラムを参照)。

設計上の考慮

DACとコンパレータの組合せ方は簡単です。信号はコンパレータの非反転入力に印加され、DACはディジタル的にプログラマブルなスレッショルドを反転入力に印加します。そしてコンパレータは信号がスレッショルドよりも高いときにロジックハイ出力を発生します。しかし、いくつかの点で注意が必要です。

スレッショルドレベルの精度を保つには、コンパレータの入力バイアス電流及びスケーリングネットワークの影響を無視できる程度にDACのDC出力抵抗が低くなければなりません。これはDACの出力抵抗が10kΩに達するような超低電力回路で問題になってきます。

DACに関してもう一つ重要なことは、AC出力インピーダンスが低くなければならないことです。そうでないと、コンパレータ出力の高速ディジタルスルーレートが寄生レイアウト容量を介してカップリングし入力トランジェントが発生するため、発振が生じて精度が劣化してしまいます。セトリング時間を多少犠牲にしてもよい場合には、コンパレータの入力にバイパスコンデンサを追加することによりDACのAC出力インピーダンスを低くすることができます。DACの出力アンプの容量性負荷が大きすぎると不安定になり発振することがありますが、この問題はDAC出力に直列に抵抗を追加することにより簡単に解決できます。

コンパレータで重要な考慮点はヒステリシスです。たいていのコンパレータ回路はノイズと発振を防ぐためにヒステリシスが設けられていますが、ヒステリシスの使用はひかえめにするべきです。なぜならヒステリシスがあると出力状態に依存してスレッショルド値が変化するからです。状態に依存するヒステリシスをシステムが補償できる場合は問題ありませんが、そうでない場合はヒステリシスは避けるべきです。

図3. この回路はポータブル機器によく見られます。

µPDAC

BATTERY

LCD

T REF

ADCMUX

2-CHANNEL ADC $3.00DAC $2.00

TOTAL $5.00

MODEST A/D NEEDS

RELATIVE COST:

TEMP. SENSOR

CONTRASTADJUST

4

図4. 図3の回路にコンパレータを2個追加すると、DACがADCの役も果たすため、コストの節約になります。

µPDAC

CONTRASTADJUST

BATTERY

LCD

T

DAC $2.00DUAL COMP $0.50

TOTAL $2.50

RELATIVE COST:

TEMP. SENSOR

+

+

MODEST SOFTWARE OVERHEAD.USE BETWEEN LCD UPDATES.

COMP

COMP

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マキシム社はコンパレータとDACの機能を組合せることによって設計を大幅に簡易化するモノリシックICを3品種提供しています。いずれのICも本文に記載のアプリケーション及びその他多くのアプリケーションに適しています。

たとえば、MAX516はマイクロ秒以下のスピードを持つクワッドICで、中程度のスピードの複数チャネルアプリケーションの多くに適しています(図S1a)。

MAX910はシングルかつ高速TTL出力のDAC/コンパレータで、伝播遅延が8nsです(図S1b)。MAX911はこれに類似していますがさらに高速で、コンプリメンタリECL出力で伝播遅延が4nsになっています。

5

MAX910

10

19 6

11

12

13

7

9

8

17

16

14

18 20 15

CMPGND GND GND

VDD VCC

VEE

REFOUT

REF INCMP IN+

TH OUT

RB

RA

CMP IN-

CMPOUT

TH CTRLD7–D0

DATABUS

-5V

+5V+5V

500k

10k

500k

THRESHOLD OUTPUT RANGE +2.54V TO +2.56V;1LSB = 20mV

逐次比較は、天秤とバイナリの重りの集合(相対重量が1、2、4、8、16等になっている一連の重り)を用いて対象物の重みを判定するプロセスとして簡単に説明できます。未知の重量を最短方法で測定(逐次近似)するには、まず未知の物体と最大の試行重りを天秤にかけます。天秤の表示に従って、その重りを取り除くか、あるいは次に大きな重りを載せます。そして一番小さな重りに達するまでこのプロセスを繰り返します。その物体の重量の評価値は天秤の上に残っている重りの重量の和です。

逐次比較ADCでは、内部DACのビットがバイナリの重りの集合の役割を果たし、コンパレータ出力が天秤の表示の役割を果たします。ビット試行手順を実行するためのロジックは、パッケージADCの逐次比較レジスタ(SAR)又はDAC/コンパレータ回路

を制御するプロセッサのソフトウェアルーチン内にあります。表S1に示す「疑似コード」はそうしたルーチンを表示しています。ほとんどのプロセッサではこのルーチンは20行以下のコードで実現できます。

LOADDAC0

LOAD

LOAD

LOADDAC1

DAC2

DAC3

CONTROLLOGIC

COMP 0

COMP 1

COMP 2

COMP 3

22 6 19 4 53

2

1

24

23

2021

10987

11–18D7–D0

8

8

8

8

8

AIN2 AIN3

AIN1REF AIN0

VCC

VDD GND

C0

C1

C2

C3

A1

A0

WRCS

MAX516

図S1.マキシム社の8ビットDAC/コンパレータICとしては、クワッドのMAX516(a)、高速TTLコンパチブルのMAX910(b)、ECLコンパチブルのMAX911(図示せず)の3品種があります。

DAC/コンパレータの組合せIC

逐次比較

(a) (b)

Begin: /Comments

Mask = 80h /Shifting weight value—start highValue = 80h /Value = output (initially half scale)Loop:Output DAC (Value) /Output current Value to DACDelay (settling time) /Wait for DAC output to settle

If input (comp. output) = high /Check comparator output bitValue = Value and not (mask) /Clear mask bit (set by default)Shift mask right:Value = Value or mask /Next trial weightLoop until mask = 0 /Loop until all bit weights are tried

End: Value contains the final result of the successive approximation.

表S1. 逐次比較用の疑似コード

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コンパレータの内部ヒステリシスをディセーブルできない場合には、DAC出力がいつも同じ方向からコンパレータのスレッショルドに近付くようにしておけば悪影響を排除することができます。これは、各ビットのテスト後にDACをゼロに設定するようにプログラムすることで簡単に実現できます。すなわち、本書の文末に掲げる疑似コードに1行追加するだけのことです(コラム「逐次比較」を参照)。

わずかの容量性フィードバックを追加することによってヒステリシスの必要性を取り除く方法もあります。このフィードバックはコンパレータのリニア・遷移領域をスピードアップします。あるいは、フリップフロップ又はラッチを出力に追加して、そのときどきのコンパレータの出力状態をキャプチャすることもできます。

最近のコンパレータは、スルーレートが制限された入力信号への対応が改善されています。たとえばマキシム社のMAX913及びMAX912は、リニア領域で安定しているため、この点では特に優れています。図5に高速12ビットアプリケーションにおけるMAX913の性能を示します。DAC/コンパレータのもう1つの例として示した図6の回路(超低電力8ビットコンバータ)は、未使用時に自らをターンオフすることによって電力を節約します。

アプリケーション

本節ではDAC/コンパレータ法がADC法よりも優れている例をいくつか説明します。ここでのアプリケーション回路は特殊なものではありませんが、よくある問題を解決するように工夫されています。

まず、電力ラインに生じる落込み、サージ及びトランジェントの検出と記録を低コストで実現したい場合を考察します。コンセントに差し込む形のデバイスを用いて、パワーラインの異常を検出し、その都度異常発生時間をRAMに記録する機能を備えたものが理想的です。(落込みとサージの持続時間はms~数時間の幅があり、トランジェントは僅か10µsと短いものもあります。)モニタはライン電源が完全に停電した場合の持続時間も記録することが必要なため、モニタ電源はバッテリ駆動が適しています。

従来は、コントローラとADCによりこの問題を解決していました。コンバータがライン電圧を連続的にサンプリングし、ソフトウェアに格納されたユーザ設定リミットとコントローラがその値を比較して、基準から外れた状態が生じるとRAMに記録します。このシステムは10µsの短いトランジェントを検出する必要があるため、ADCのサンプリング間隔は相当短くなければなりません。慎重を期して最大2.5µs位です。このため、コントローラは1/2.5µs、すなわち400kspsでサンプル処理を行わなければなりません。ソフトウェアの比較コードが効率的で、プロセッサの介入をADCが必要としない場合には、サンプル当たり10個程の命令でシステムは動作します。その場合、プロセッサの性能として4 MIPS程度必要となります。これは相当厳しい要求で、バッテリ駆動で実現するのは容易ではありません(図1)。入力トランジェントを追跡するのではなく、その微分に応答するアナログ回路も考えられますが、そうした方法では不十分です。

図5. コンパレータはリニア領域で安定しているため、高速12ビットの振幅ディジタイザは入力電圧がゆっくりと変化する場合でも発振しません。

MAX530

REFOUT REFIN ROFS

2.048VREFERENCE

POWER-ONRESET

DAC

CONTROLLOGIC

REFGND

AGND

CLR

A0A1

CS

WR

LDAC

VDD

VDD

VDD

VDD

DGND

VSS

VOUT

RFB

MAX913

17

14

D0/D8 D1/D9 D2/D10 D4D3/D11 D6D5 D7

24 1 2 3 4 5 6 7

21

20

23

12

19

71

4

8

18 13 22

15

89

11

10

16

12-BIT DAC LATCHSHUTDOWN

2N7002

33µF

0.1µF

0.1µF

50pF

VIN0V to 2.048VµP INTERFACE

µP INTERFACE

10k 100Q

QLE

100k

TP0606

OUT

NOTE: FOR SERIAL INTERFACE USE MAX531

COMPARATOR RESPONSE TIME: 10nsDAC SETTLING TIME: 25µsSUPPLY CURRENT: ACTIVE, 6.5mA SHUTDOWN, 50µAOPERATING VOLTAGE RANGE: +4.5V to +5.5V

PERFORMANCE:

NBLINPUTLATCH

NBHINPUTLATCH

NBMINPUTLATCH

6

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この場合にはDAC/コンパレータ法がいくつかの点で優れています。回路的には4個のDACと4個のコンパレータ(又は1個のMAX516)、その後にクワッドのセット/リセット・フリップフロップが必要となります。4組のDAC/コンパレータ/FFの組合せの内、1組は高トランジェント、1組は低トランジェント、1組は落込み、そしてもう1組はサージを監視します(図2)。トランジェント電圧はコンパレータに直接カップリングされますが、落込みとサージ用コンパレータへの入力はまず整流・フィルタリングされてからライン電圧の平均値が得られます。rmsの調節はソフトウェアで行います。

このシステムはT秒毎にフリップフロップをサンプリングし、リセットします。ここで、Tはトランジェントの記録に必要な時間分解能(60秒程度)です。高及び低トランジェントレベル用のDACは、求める高及び低スレッショルド値に設定します。落込み及びサージ用のDACは各T秒間隔の後で調節しますが、ここでは逐次比較法を使用して、現在の平均値を追跡するための高ライン及び低ラインリミットを発生します。

この逐次比較ルーチンとその他のハウスキーピングに必要な命令数を多目に見積もって1,000命令とすると、T = 60sで必要なCPU性能は17命令/sとなります。これは0.00002 MIPSの実行レートで、低パワーシステムに最適で、またADC法で必要される4 MIPSと比べて遥かに低くなっています。さらに電力を節約するには、通常はプロセッサをスリープ状態にして、ライン異常時にのみパワーアップさせることもできます。こうして、この回路ではソフトウェアからアナログハードウェアに電圧比較機能

を移すことによって電力、複雑度及びコストを低減しています。

わずかな保守で実現できる異常検出と診断

プリンタヘッド制御、キャリッジ制御等、多くのメカトロニクスアプリケーションでは、重要な内部電圧及び温度を監視して、動作モードをいつ修正するべきかを決定します。極端な場合、このフィードバックによってシステムは完全にシャットダウンするため自己破壊をまぬがれることができます。たとえば、ステップモーターコントローラは、必要なときに出力MOSFETへのゲートドライブを調節することにより、リニア動作に伴う過剰な電力消費を避けることができます。

ここでも、こうした監視の問題に対する従来の解決法ではADCを用います(図7a)。プロセッサは周期的な測定を実行するようにADCに命令します。この周期は制御の対象となるプロセスの時間定数に対応しています。プロセッサは数値化で得られた値をスケーリングしてからソフトウェアのリミットと比較します。値が範囲外にあれば、修正処置を実行するか、あるいはシステム完全にシャットダウンします。

これに代わる方法では、DAC/コンパレータの組合せを用います(図7b)。スタティックなDAC出力によりシャットダウンリミット、すなわちコンパレータのトリップ値が設定されます。温度変化によってコンパレータがトリップすると、コンパレータはプロセッサに割込みをかけ、修正処置が実行されます。必要なら、プロセッサはソフト

7

図6. 低電圧8ビットのこのディジタイザは、低コスト、低消費電力及びサンプリング間のシャットダウンが可能という点でADC法よりも優れています。

DACLATCH

ADAC A

DACLATCH

BDAC B

DACLATCH

C

LATCH

DAC C

SCLKOUTA

OUTB

OUTC

LOUT

DIN CS REFAB

µP SERIALINTERFACE (SPI)

REFC

1000pF

15pF

RESET VDD

VDD2.7V to 5.5V

VDD

VDD

VSS

VSS

GND

16-B

IT S

HIF

T RE

GIS

TER

CO

NTR

OL

(8)

DAT

A (8

)

MAX512

1 2

26

8

4

4 5 67

8

9

10

1112

14

3

2

3 4

5

6

7LE

SHDN

SHUTDOWNCONTROL

MAX872

MAX941

GND

COMPINOUT

SUPERTEXTP0606

0.05µF

0.1µF

0.1µF

0.22µF0.22µF

100pF

0.1µF

VIN > VDACOUTPUT

VIN0V to 2.5V

2 DACsAVAILABLE

COMPARATOR RESPONSE TIME: 75nsDAC SETTLING TIME: 35µsSUPPLY CURRENT: ACTIVE, 1.6mA SHUTDOWN, 30µAOPERATING VOLTAGE RANGE: +2.7V to +5.5V

PERFORMANCE:

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ウェアで逐次比較ルーチンを実行することにより、絶対温度値を測定することもできます。

一方、ADCをサポートするにはプロセッサはADCをポーリングし、サンプル値を入力した後、サンプル値を設定点と比較してシャットダウンルーチンにジャンプするかどうかを判定します。このため、DAC/コンパレータは、省コストというだけでなく、ADCよりも応答が速く、またプロセッサのオーバーヘッドも少なくなります。

タイムドメインの反射率測定

最後に、DAC/コンパレータの組合せは、その低コストと低消費電力(ADCと比較して)を利用して、携帯用のタイムドメイン反射率計(TDR)としても使用できます。TDRはケーブルの不連続性を検出し、その地点までの送信距離を測定します。ネットワーク配線の増加と共に携帯可能で低価格のTDRが普及してきています。

TDRはレーダーのように動作します。すなわち、ラインに短いパルスを送り込み、オープン回路、短絡等でラインインピーダンスが急激に不連続になっている点からのエコーを検出します。ライン伝播を0.6c(光速の0.6倍)と仮定すると、送り出すパルスと戻ってくる反射間の伝播時間間隔は約3.3ns/30cmになります。電子回路の時間分解能が10nsの場合、不連続部分までの距離の分解能は約90cmになります。

受信されたパルス振幅と送信したパルス振幅の比を使って反射係数が計算されます。反射係数とケーブルのインピーダンスがわかれば不連続部分のインピーダンスが計算でき、そこから不連続部分の性質を推理することができます。同軸ケーブルでは帰りの行程でパルスが減衰す

るするため、距離測定に基づいて振幅を修正し、ソフトウェアでこの影響を補償しなければなりません。

このアプリケーションでは、ADCは5ns(200Msps)毎に変換しなければなりません。こうしたADCは入手可能ですが、高価で消費電力が大きく、一般に携帯用アプリケーションには適しません。

図8に示す実際のハンドヘルドTDRのアナログフロントエンドは、上記のアイデアを例証しています。ディジタル回路は複雑になるので省いてあります。この回路はシンプルで、特に華やかな部品は使用されていませんが、性能には優れています。ケーブル長150mの終端インピーダンスを5%精度で確実に測定することができ、オープンや短絡終端では600mまで測定することができます。さらに、このシステムはディスプレイとディジタル回路が入っても、9Vのアルカリバッテリで20時間動作することができます。

図8のコンパレータ(IC3)は、グランド検出で伝播遅延僅か10nsの単一電源動作です。DAC(IC4)はデュアルICで、片方はパルス高測定に、他方はLCDコントラストコントロールの駆動に使用されます(図3と同様)。DACは逆駆動になっていることに注意してください。すなわち、通常時の電流出力がバッファされたリファレンスで駆動され、通常時のリファレンス入力が電圧出力となっています。各々が外部オペアンプでバッファされています。

シンプルなグリッチ単安定回路(図示せず)がQ1のベースを駆動し、Q1がケーブルにプラスの10nsパルスを送り込みます。ラインからの反射はC3を介してコンパレータにカップリングされます。

IC5はバンドギャップリファレンスで、1.2V出力がオペアンプIC2dでバッファされてIC4のデュアルDACのリファレンス電圧となります。このリファレンス電圧はゲイン2のアンプIC2cで2倍に増幅されて、コンパレータの非反転入力にDC2.5Vを提供します。DAC Aはコンパレータの反転入力に0V~3.8Vを印加します。2.5V以上のレベルはプラスに向かうパルス高の測定に、2.5V以下のレベルはマイナスに向かうパルス高の測定に使用されます。

送信ラインに入る各パルスはディジタル回路の可変遅延ラインにも入ります。可変遅延ラインはカウンタにより制御される一連の20ns遅延素子からなっています。ディジタル部分から入ってくるこの遅延パルスは、共に2つのフリップフロップ(IC1a及びIC1b)のDを駆動し、フリップフロップはコンパレータのコンプリメンタリTTL出力によってクロックされます。ここで時間測定は、戻りパルスと遅延ラインを通るパルスとの間の競走になってしまいます。もしクロックの遷移よりも前にD入力がくるとフリップフロップ出力はハイになり、そうでなければゼロになります。

8

図7. この場合、ADC(a)をDACとコンパレータ(b)で置換えることにより、システムコスト、応答時間及びソフトウェアのオーバーヘッドを低減することができます。

µPADCT

REF

SHUTDOWN ACTION

1. START CONVERSION2. WAIT CONVERSION FINISH3. INPUT A/D VALUE4. SUBTRACT LIMIT VALUE5. INPUT > LIMIT VALUE?6. OUTPUT SHUTDOWN COMMAND

µP PROCESSOR OVERHEAD

TEMP.SENSOR

µPDAC

T

REF

SHUTDOWN ACTION

1. WRITE LIMIT VALUE TO DAC

µP PROCESSOR OVERHEADTEMP.SENSOR

+

(a)

(b)

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測定を行うには、まずDAC出力を絶対最低レベルに設定し、フリップフロップ出力がゼロで安定するまで繰返し遅延時間を調節し、カウンタを読取ります。同様に、戻りパルスの高さを測定するにはフリップフロップ出力がゼロで安定するまで繰返しDAC出力を調節し、カウンタを読取ります。プラス及びマイナス両方のパルスの先行エッジをキャプチャするにはフリップフロップが2つ必要であることに注意してください。先行エッジはプラスパルスの場合立上がり、マイナスパルスの場合は立下がります。両方が1つのフリップフロップに印加されると、パルス幅の分だけ望ましくない遅延が生じます。

(資料請求番号:1)

参考文献

1. Edward Jordan, Reference Data for Engineers, 7thEdition, (Howard Sams, 1989).

2. Brian Kenner and John Wettroth, The Design of aTime-Domain Reflectometer, (Computer ApplicationsJournal #29, October/November 1992).

3. Paul Horowitz and Winfield Hill, The Art ofElectronics, 2nd Edition, (Cambridge UniversityPress, 1989).

図8. タイムドメイン反射率計のアナログ部分を構成するこの回路は、ADCの代わりにDAC/コンパレータを用いています。

IC5D1

ICL8069C5

0.05µF

R510k

VCC

VCC

VCCVCCVCC

VCC

IC2d

MAX479

IC2c

MAX479

IC2b

MAX479

IC4

MX7528

IC1b74AC74

IC1a74AC74 IC3

MAX913

IC2a

MAX479

BUFFEREDREFERENCE

COMPTRESHOLD

REFERENCE x2RCVR QUIESCENT

R1015k

R61k

R250

R375

R13100k

R9

15k

R7

1k

R8

47

R4

1k C60.1µF

R1

470

R12

220k

R11

1k

1

1

1

2

22

3

3

3

4

4

4

55

5

6

13

12

9

10

11

10

9

8

8

6

77

8

11

12

13

14

J1BNC

C30.05µF

C20.05µF

C40.05µF

C10.05µF

K1RLY

RELAY

Q12N4957

LINE DRIVERTO TRANSMISSION LINE UNDER TEST, 50Ω OR 75Ω

TERMINATION

CLK

DPR

Q

QCL

CLK

DPR

Q

QCL

1413121110987

156

16

3

4

2

19

18

20

DB0DB1DB2DB3DB4DB5DB6DB7

CSA/DWR

RFBA

VRA

OUTA

RFBB

VRB

OUTB

8-BIT DUAL DAC

TRANSMIT PULSE INPUT

TERM RELAY DRIVE

DIGITAL CIRCUITS

POSITIVE PULSEOUTPUT

DELAY GENERATORINPUT

NEGATIVE PULSEOUTPUT

FLIP-FLOP RESET

LCD CONTRAST

9

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10

図1の回路は、通常マイクロコントローラがつかさどるはずの役割を果たしています。すなわち、PCのシリアルポートから12ビットのA/Dコンバータ(ADC)を駆動しています。動作中の消費電流は2mA、シャットダウンモードでは15µAという低消費電流です。

PCへのインタフェースには、UARTのトランスミッタ/レシーバラインの代わりにRS-232ポートが使用されています。ポートの送信リクエスト(RTS)ラインがチップセレクト信号を供給し、データ端末レディ(DTR)ラインが同期クロック信号を供給します。単一電源のRS-232インタフェースチップ(IC1)はこれらの信号をRS-232レベルからCMOSロジックレベルに変換し、同時に反転も行います。変換データはデータセットレディ(DSR)ラインに出力されます。

C610µF

C410µF

C84.7µF

C110.1µF

C100.1µF

C94.7µFC5

10µF

C710µF

N.C. N.C.

2

4

4

6

7

5

5

13

14

16

15

5

1

8 7

6

8

7

6

1

3

12

11 2

3

49

10

V+

C2+

C2-

R1IN SCLK R510k

DOUT

CS

T1OUT

R2IN

T2OUT

V-

C1+

C1-

R1OUT SHDN

AIN

REF

DTR

DSR

RTS

GND

T1IN

R2OUT

T2INGND

GND

VCC

VDD

IC1

MAX220

IC3

MAX187TO PCSERIALPORT

D8–D9CONN

INPUTVOLTAGE

0V to 4.096V

C30.1µF

C20.1µF

C135µF

R310k

R11M

R4100k

BT19V

R2100k

8

3

5

4

1

2

6

7

VIN

LBI

SHDN

VOUT

SNS

VSET

LBO

GND

IC2

MAX666

D11N4148

Q1VN10K

D21N4148

DESIGN SHOWCASE

PCシリアルポートから12ビットのA/Dコンバータを駆動

図1. このマイクロパワー回路では、PCのRS-232シリアルポートにより12ビットのA/Dコンバータ(IC3)は制御されます。

8ピンDIPのIC3には、12ビットのADC、電圧リファレンス、トラック/ホールド、シリアルインタフェース及びクロック発生器、ならびにチップセレクト(CS )、シリアルクロック(SCLK)とデータ出力(DOUT)からなる3線ディジタルインタフェースが収められています。変換はCSでのハイからローへの移行から始まり、8.5µs以内に完了します。変換の終了はDOUTがハイレベルになったことで表示され、コンバータの出力シフトレジスタに12ビットの結果が格納されます。PCは、DTRをクロックしながらDSRを12回サンプリングすることによりこの結果を読取ります。

従来のMAX232(10mA)に対応した低電力バージョンのMAX220は、消費電流が僅か0.5mAです。節電の必要がない場合は、いずれのICもコンバータのSCLK、DOUT、CS信号をRS-232レベルにレベルシフトするために適しています。電源は9Vバッテリからリニアレギュレータ(IC2、出力電流能力40mA)を通して供給されます。この回路の消費電流は僅か2mAのため、残りの電流は外部センサやアンプの駆動に使用可能です。

DTRがハイのとき、Q1がターンオンして回路は通常動作になります。DTRに短いマイナスのクロックパルスがくると、Q1はC3の電荷によってオン状態に維持されます。DTRが100ms以上の間ローになると、C3が放電してQ1がターンオフされ、IC2はシャットダウンモードに入ります。この状態では、この回路で電流を消費しているのは実質的にIC2だけです(15µA max、5µA typ)。

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11

この回路は、PC上のシンプルなCルーチンによって制御されます(EJ22のリスティングはマキシム・ジャパンまでどうぞ)。このコードはDTRをハイにしてコンバータを覚醒し、変換の開始、完了待ちの後、データのクロックアウトや、データ表示を完了して、回路をスリープ状態に戻します。ユーザはQを押して

終了するか、あるいは任意のキーを押して別の変換をトリガすることができます。このソフトウェアは特定のアプリケーションに合わせて簡単に修正できます。

(資料請求番号2)

図2. 図1の回路のタイミング関係図

DTR

VCC

RTS

START

WAKE/WAIT

INVERTED CS

INVERTED 12-BITS

100ms

CONVERT CLOCK RESULT DTR(100ms)

LOW SLEEP

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12

ディスクリート部品からなる外付チャージポンプをPFM制御のDC-DCコンバータに付加することにより、比較的安定化された高効率のデュアル出力が発生します(図1)。この回路は2V~12V(5V typ)の入力電圧を受付け、0mA~100mAを+12Vと-12Vで同時に出力します(図2)。効率は80%~90%です。

IC1はV+端子を通して12Vを安定化しますが、-12V出力には直接フィードバックコネクションが付いていません。それでも、-12Vの負荷電流の変化は、+12Vの負荷電流変化と同様にフライングコンデンサC1を介してカップリングされ、チップ内部のスイッチングMOSFETの電流制限、最小オフ時間、パルス周波数変調を通じてスイッチング周波数が変化します。その結果得られる疑似レギュレーションは極めて優れており、いずれかの出力が10mAから100mAに変化したときの負の出力電圧変化は、僅か4%です(-11.36Vから-10.96Vに変化)。

(資料請求番号3)

図1. 外付チャージポンプ(C3、C5、D1及びD3)を付加することにより、このDC-DCステップアップコンバータは±12Vのデュアル出力を発生します。

1

2

3

4

8

7

6

5

V+

LX

GND

REF

LBO

LBI

FB

SHDN

IC1

MAX761

VIN2V TO 12V C1

33µFL118µH(SUMIDA CD54-180)

C20.1µF

C310µF

C433µF

C510µF

D11N5817

D31N5817

D21N5817

+12V @100mA

-12V @100mA

DESIGN SHOWCASE

デュアル出力ステップアップコンバータを

PFM制御で改善

図2. 疑似レギュレーションは図1の-12V出力を安定化します。

14.0

10.00 20 60 120

MAX761 ±12V APPLICATION

11.0

13.0

EJ22

DS2

-2

LOAD (mA) ON +12V SIDE

VOU

T (V

) O

N -

12V

SID

E

40 80

12.0

10.5

11.5

13.5

12.5

100

-12V UNLOADED

-12V LOADED(UP TO 100mA)

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13

今日の5V及び3.3VのCMOSバスの能力には限界があるため、次世代コンピュータ用に高速低電圧バスがいくつも開発されています。これらの新しいバス(たとえばFuturebus、RAMBUS、GTL(Gunning TransceiverLogic))は、信号電圧スイングを小さくするために低電源電圧を必要とします。その他、HSTLやCTT(センター終端トランシーバ)等もセンター終端のため、電流ソースとしてだけでなくシンクとしても使用できる電源が必要となります。

HSTLやCTTバスの終端電源は、約0.75Vの出力を発生し、複数の50Ω終端抵抗への電流ソース及び電流シンクとなる両機能を備えていなければなりません。こうした電源を設計するには2つの難問があります。第一に、リニアレギュレータのエミッタフォロワパス素子はある程度のヘッドルームを必要とするため、このような低電圧では電流をシンクすることが難しくなります。第二に、0.75Vという電圧は、ほとんどのリニア及びスイッチモードの電源ICがフィードバックリファレンス用に使用しているバンドギャップ回路から発生する1.25Vよりも低いという問題があります。

高効率の同期バックレギュレータ(図1)を使用すると、これらの問題を解決することができます。低電圧でのシンク能力は、同期スイッチ(Q2)を用いることにより、またインダクタ電流を反転させることにより実現できます。一般のバックレギュレータICと同様に、IC1はインダクタ電流の反転防止用の電流

制限回路を備えていますが、この回路をディセーブルするロジック入力(SKIP )も備えています。

ノイズに敏感なワイヤレスアプリケーションにおいては、SKIPをハイにしてインダクタ電流を強制的に連続化することによって、インダクタ電流の不連続性に起因するリンギングを防ぎます。この回路ではSKIPをハイにすることにより、電流は回路出力からインダクタに逆流し、さらに同期スイッチを経てグランドに流れます。

もう一つの問題、すなわち1.25Vのバンドギャップスレッショルドよりも低いレベルで出力を安定化させるという問題は、リファレンス電圧を分割し、外付積分アンプ(IC2)に送ることで克服します。この分割されたリファレンスを直接カップリングされたフィードバック信号に加えることによって、トランジェント応答が向上し、ICのメイン高速PFMコンパレータに直接送り込むための積分フィードバック信号が発生します。

出力によってシンクされる電流は、リニアレギュレータ終端電源の場合のように直接グランドには流れ込みません。そのかわりに、バックトポロジーが逆方向に機能してブーストトポロジーとなり、プラスの正味電流が発生して5V電源に流れ込みます。ほとんどのシステムではこの過剰電流はいくつかの他の5V負荷によって吸収されます。

(資料請求番号4)

DESIGN SHOWCASE

同期バックレギュレータ出力により

高速データバスを終端

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14

図1. 従来のバックレギュレータ回路を改造して、シンク/ソース能力のある0.75V、3A出力を発生しています。これは高速データバスの終端電源として有用です。

IC1

MAX797

IC2

MAX495

CSL

CSH

VL SKIP

SYNC

FB

V+

Q1

Q2

D1

D21N5820

REF

GND

0.75V OUTPUTAT 3A

DH

LX

DL

PGND

BST

SS

ON/OFF SHDN

INPUT4.75VTO 5.5V 4.7µF

0.1µF

C60.01µF

C22 x 220µF(OS-CON)

C30.1µF

C50.33µF

L14.7µH

C7330pF

R120mΩ

R649.9k

R7124k

R5150k

TO VL

R3232k1%

R4100k1%

C1220µF(OS-CON)

REMOTE SENSE LINE

Q1 = Q2 = Si9410DY

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15

スイッチングMOSFETを内蔵した図1のDC-DCレギュレータは、12Vを反転して-12V、200mAの出力を供給します。このICは高効率で、CMOSプロセスによって低自己消費電流(120µA max)を実現し、そのために入力から出力までの絶対最大電圧が21Vに制限されています。このため、端子間の電圧が24Vになるのを防ぐために、非ブートストラップ構成の外付スイッチ又はフライバックトランス構成の内部スイッチを駆動することによってインダクタフライバック電圧からこのICを絶縁しなければなりません。

この問題に関しては、オートトランスT1(巻線比1:1のセンタータップインダクタ)が別の設計思想を提供します。図示の回路では、LXが1/2 VOUTとダイオードドロップの和(すなわち約-6V)にフライバックします。V+は12Vのままで、V+とLX間の最大電圧は18Vとなり、21V以下に十分収まります。

IC1は、V+とOUT間の電圧で内部MOSFETのゲートを駆動するため、通常はOUTをVOUTに接続することにより十分なゲートドライブを実現します(標準的なアプリケーションではこのチップは5Vを-5Vに反転します)。この回路では入力の12Vが十分なゲートドライブとなるため、OUTはグランドに接続されています。

(資料請求番号5)

図1. オートトランスT1がIC1の両端の電圧を制限するため、この反転DC-DCレギュレータに絶対最大電圧21Vの高効率チップを使用することができます。

IC1

MAX764

3 4

2

8 3

2

4

1

5 1

7, 6

R115k

R2

120k

D11N5817

C20.1µF

C368µF(OS-CON)

C168µF

(OS-CON)

T1CTX50-4(COILTRONICS)

SHDN

-12V @200mA

REFON/OFF

FB

LX

V+

+12V

GND OUT

DESIGN SHOWCASE

オートトランスレギュレータで

12Vを-12Vに反転

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シリアルデータ送信用に市販されている一部のインタフェースICは、5V又は3.3Vの低電源電圧で動作するだけでなく、EIA/TIA-232規格の最小ドライバ出力をサポートするためのバイポーラDC電圧(±6.5V~±10V)を発生します。設計を注意深く行えば、ICの動作を邪魔することなく電源電圧から電力を借用することができます。

図1のICのスイッチモードコントローラは外付インダクタ、ダイオード2個及びコンデンサ2個で動作し、±6.5Vを供給します。FET Q1とQ2はこれらのスイッチモード電源電圧が発生するまで負荷を切り離すことにより、スタートアップを保証します。ここでQ1はロジックレベルのデバイスでなければならないことに注意してください。

電源電圧の供給用に設計されたICとは異なり、インタフェースICの一般仕様には内部で発生する電源電圧から引き出せる電流量は指定されていません。許容電流量のほとんどはドライバ出力に接続されている負荷によって決まります。たとえば、IC1ではトランスミッタ2個が3kΩ負荷の両端にDC出力を維持している状態で、残りの1個が3kΩと1000pFの並列負荷を250kbpsで駆動することが保証されています。これらの条件からチップの最大出力電流能力を計算することができますが、最大出力時に余剰の電流を引き出すことはできません。

最大許容出力電流を計算するには、AC成分とDC成分を重ね合わせます。出力電流は、NRZ出力波形が保証された最小出力レベル(±5V)でスイングすると電源電圧範囲で交互に流れます。1つのデータ周期(250kbpsなら4µs)で出力が-5Vから+5Vまで変化する必要があるとき、AC成分はCLOAD (dv/dt) = 1000pF(10V/4µs) = 2.5mAとなります。DC成分の方は、オームの法則により1個のトランスミッタで I = E/R = 5V/3kΩ = 1.67mAとなり、3個合わせるとDC負荷は5mAとなります。AC成分とDC成分を合わせると、控え目な最大定格として2.5mA + 5mA = 7.5mAが得られます。

3kΩの負荷というのはEIA-232の規格ですが、データレートと負荷容量はアプリケーションに依存するパラメータです。これらのパラメータが小さければ外部で

使用できる電流が増加します。たとえば、3kΩの抵抗と1000pFの容量(20pF/フィートで50フィートのケーブル)を並列に用いた負荷に対して、遠隔検出システムが2400bpsで動作している仮定とします。3個のトランスミッタに対するDC負荷は5mAで、低データレートのアプリケーションにおいては1個のトランスミッタのAC負荷(72µA)は無視しても差支えない程度です。この場合の許容電流は7.5mA - (5mA + 72µA) =2.428mAとなります。

上記の計算は控え目な値になっています。VCC =2.7Vで、3個のトランスミッタの負荷が3kΩ¦¦1000pFとすると、有効なEIA-232レベルの2400bpsでの送信回路は、実際には外部負荷に6.7mAを出力します(VCC =3V以上の場合にはもっと増加します)。前述のように、Q1及びQ2はこうした条件下でもこの回路のスタートアップを可能にします。トランスミッタ負荷を切り離した場合、スタートアップが可能な最大外部負荷電流は11.5mAとなります。Q1とQ2を外した場合の最大値は僅か5.7mAです

図1. データレートとドライバ出力負荷が最大許容限度以下である場合、このシリアルインタフェースICのV+及びV-出力は少量の電流を外部回路に供給することができます。

0.33µF

0.33µF

0.68µF 15µH

MMBD6050 MMBD6050

LOAD

Q22N7000

Q1TP0610L

~6.5V

~-6.5V

T1OUTT2OUTT3OUT

R1INR2INR3INR4INR5IN

FORCEONFORCEOFFTRANINVALIDT1INT2INT3INR1OUTR2OUTR3OUTR4OUTR5OUTR5OUTBEN

VCC V+ LN LP V-

IC1

MAX3212

191817

2423222120

262556

13141589

10111274

3 27 1 2 16

2.7V

DESIGN SHOWCASE

バイポーラ電圧を出力する

シリアルデータインタフェースチップ

(資料請求番号6)

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17

図1の可変電流ソースは4V~30Vの電圧で0A~5Aの電流を発生します。この電流ソースには2つの利点があります。12ビットのD/Aコンバータ(IC2)によってディジタルプログラミングが可能なこと、及びスイッチモードステップダウンレギュレータ(IC1)を使用しているために、リニアパストランジスタによる電流ソースよりも効率が高いことです。アプリケーションとしてはバッテリ充電及びDCモーター制御等が挙げられます。

IC3はハイサイドの電流検出アンプで、グランド経路を乱すことがないため、普通はバッテリ駆動システムにおいて充電及び放電電流の検出用に使用されます。この回路でIC3は出力電流をR5の両端の電圧降下として検出し、OUT(ピン8)でそれに比例した信号を生成します。このように、レギュレータのフィードバック電圧(IC1のピン1)はDACによって設定され、並列に接続されたR2とR3間を流れるIC3の電流フィードバックによって修正されます。この電流フィードバックは、負荷抵抗の変化に起因する負荷電流の変化を抑止します。

DACは0V~10Vを発生し、ソース電流はコードと反対方向に増減します。

すなわち、FFFHEX(IC2から10V)は0mAを発生し、000HEX(IC2から0V)は5Aを発生します。ある設定レベルに対する実際の出力は負荷抵抗及び対応する電圧によって多少変化します。たとえば1.5Aでテストした場合、この回路の出力は電圧の10Vと20V間で1.5Aから+15mAだけ変化しています(図2)。

R2とR3の抵抗値を変えれば、この回路の出力電流(ISOURCE)範囲を変えることができます

2217[VFB(R2 + R3) - R3VDAC]ISOURCE = ——————————————————,R2R3

式中、VFB = 2.21V、VDACは0V~10Vです。

R2とR3は求めるISOURCEの範囲で決まります。VDAC = 10VでISOURCEは最小値になり、VDAC = 0VでISOURCEは最大値になります。これら2組の値をこの式に代入して連立方程式を解けばR2とR3の値が得られます。

(資料請求番号7)

DESIGN SHOWCASE

0A~5Aのプログラマブル

電流ソース

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18

IC3

MAX472

Q2

8

5

OUT

SIGN

0A TO 5A

36VQ1

COMP

A2

R666.51%

R466.51%

A1

R530mΩ

3 6

VCC7

IC2

MAX507

REFOUT ROFS

VREF

DAC

CONTROLLOGIC

AGND

CS

WR

LDAC

VSS

VOUT

RFB

4

DO . . D11 DGND

17

23

R2

R3

24

CLR 21

1

22 3

5

2

18

19

20

VDD

DAC LATCH

INPUT LATCH

12

12V

2.21VREF

100kHzOSC

PWMCONTROLLER

ERRORAMPLIFIER

2.45V

0.3V

CURRENT-LIMITSHUTDOWN

µPOWERSHUTDOWN

POWER TOENTIRE CIRCUIT10µA

0.04Ω

VSHUT

FB

VC

1

2

GNDVSW

ILIM

VIN

5

4

CIRCUITBIAS

R12.7k

C10.1µF

IC1

MAX724

C2220µF

36V

D1MBR745

(MOTOROLA)

C3470µF

L147µH

7230-09

DEV

IATI

ON

FR

OM

EXP

ECTE

D (

mA)

COMPLIANCE

EJ22

DS6

-1

0

10

20

30

40

50

10

OUTPUT VOLTAGE (V)

15 20 25 30 350 5

ISOURCE = 1.5A

図1. このプログラマブル電流ソースは、12ビットの分解能、4V~30Vの範囲で0A~5Aを発生します。

図2. 設定レベルが1.5Aのとき、図1の出力電流は出力電圧によって図のように変化します。

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19

50Ω及び75Ωケーブルを駆動する275MHzのクワッドビデオバッファ

MAX496及びMAX497は、50Ω及び75Ωの逆終端ケーブルを直接駆動するために最適化されている閉ループ、クワッドビデオバッファです。MAX496は1V/ V(0dB)の固定利得、MAX497は2V/V(6dB)の固定利得を備えています。MAX496のスルーレートは1550V/µsで、小信号-3dB帯域幅は375MHzです。MAX497

のスルーレートは1450V/µsで、小信号-3dB帯域幅は275MHzです。低微分利得及び低位相エラー(それぞれ0.01%及び0.01 )を備えた、高速性能のバッファは放送用コンポジットビデオ、全てのコンポーネントビデオアプリケーション(マルチメディア、医療用画像グラフィックス)及び一般の高速信号処理に最適です。

MAX496/MAX497バッファは±5V電源で動作し、1チャネル当たりの消費電流は僅か8mA( t yp )です。利得平坦性(±0.1dB)は

MAX496で80MHz、MAX497で120MHzまで達しています。MAX496/MAX497バッファはチャネル入力容量が2pFと低いため、高速性能が優れており、0.1%までのセトリング時間は僅か14nsです。クロストークをさらに小さくしてボードレイアウトをシンプルにするために、入力チャネルピンは互いに隣接しないようになっています。

MAX496及びMAX497は16ピンプラスチックDIP及びナローSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用(0~+70)のものが用意されています。価格については、¥540(1000個以上)となっています。

(資料請求番号10)

NEW PRODUCTS消費電流僅か4µAの超低電力、オープンドレインコンパレータ+リファレンスIC

MAX971~974及びMAX981~984は、リファ

レンス付のシングル/デュアル/クワッドの

コンパレータファミリです。消費電力は現在

市場に出ている製品の中で最も低く、

MAX971、MAX972及びMAX981の場合、5V

電源動作時の消費電流は拡張温度範囲で4µA

以下です。いずれの素子も2.5V~11Vの単一

電源又は±1.25V~±5.5Vのデュアル電源で

動作します。入力電圧範囲は、負電源電圧か

ら正電源電圧の1.3V以内までです。

MAX972以外は全て1.182Vバンドギャップ

リファレンスを内蔵しています。MAX971/

MAX973/MAX974は±1%リファレンス、

MAX981~MAX984は±2%リファレンスを備

えています。さらに、MAX983(ウィンドウ検

出用に結線済み)及びMAX971/MAX973/

MAX981/MAX982はHYSTピンに2つの抵抗を

接続するだけでヒステリシスを付加すること

ができ、フィードバックや複雑な式は不要で

す。得られるヒステリシスは電源電圧に依存

せず、ハイインピーダンス入力に影響を与え

ることもありません。

オープンドレイン出力であるため、全ての

コンパレータがワイヤOR構成可能です。

MAX971/MAX974/MAX981/MAX984は出力

トランジスタのソース端子(GND)への接続が

可能であるため、レベルトランスレータ及び

バイポーラからシングルエンドへのコンバー

タに最適です。標準コンプリメンタリCMOS

出力段を備えた類似品としては、MAX921~

MAX924(±1%リファレンス)及びMAX931~

MAX934(±2%リファレンス)があります。

MAX974及びMAX984は16ピンDIP及びナロー

SOPパッケージ、その他は8ピンDIP、SOP及

びµMAXパッケージで供給されています。

MAX98xファミリは民生用(0~+70)及び

拡張工業用(-40~+85)温度範囲のもの

が用意されており、MAX97xファミリではさ

らに軍用(-55~+125)温度範囲のものも

用意されています。

(資料請求番号8)

8

6

4

2

0

-2

-4

-6

-8

-100.1M 1M 10M 100M 1G

FREQUENCY (Hz, Log)

CLO

SED

-LO

OP

GAI

N (d

B)

MAX497VS = ±5V, RL = 150Ω

MAX496VS = ±5V, RL = 150Ω

MA

X497

75Ω

75Ω

75Ω

75Ω

75Ω

75Ω

75Ω

75Ω

QUAD, +2 GAIN

AV = +2

AV = +2

AV = +2

AV = +2

†1000個以上

スルーレートが1300V/µsの350MHz電圧フィードバックオペアンプ

MAX477は、高速ユニティゲイン安定アンプです。標準電圧フィードバックトポロジーを採用しているため、汎用のオペアンプと共通の利得構成が全て可能です。さらに、独自の入力段により、電流フィードバックの利点(高スルーレート及び広フルパワー帯域幅)と電圧フィードバックの利点(低入力オフセット電圧、低入力バイアス電流、低電流・電圧ノイズ、及び2つのハイインピーダンス入力)を兼ね備えています。

MAX477のスルーレートは1300V/µsと速く、50Ω及び75Ω負荷を駆動するのに最適です。ユニティゲインでは小信号帯域幅が350MHz、フルパワー帯域幅が170MHzです。

MAX477は高速であるのに加えて高精度特性も備えているため、放送用及び高品位テレビシステム、ビデオスイッチング及び分配アプリケーションに最適で、さらにフラッシュA/Dコンバータ用のプリアンプとしても最適です。精度仕様は、入力バイアス電流が2µA、開ループ利得が65dB、利得平坦性(0.1dB)が100MHz、微分位相/利得エラーが0.01 /0.01%及び電圧/電流ノイズ密度がそれぞれ5nV/√Hz及び2pA/√Hzとなっています。

MAX477は8ピンDIP、SOP及びµMAXパッケージで供給されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)及び軍用(-55~+125)のものが用意されています。価格は¥260(1000個以上)からです。

(資料請求番号9)

150

140

2%

2%

X

MAX984 クワッド

MAX983 デュアル

140

110

250

2%

2%

1%

X

MAX982 デュアル

MAX981 シングル

MAX974 クワッド

210

110

170

標準価格¥†

X

内部ヒステリシス

1%

なし

1%

内部リファレンス

MAX973 デュアル

MAX972 デュアル

MAX971 シングル

品名

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20

NEW PRODUCTS低ノイズ及び超低歪みのオペアンプファミリ

MAX4106~4109は、従来なかった低歪みと低ノイズレベルを提供する高速電圧フィードバック素子の新しいファミリです。8ピンSOPパッケージで供給され、±5V電源で動作し、±3.5Vの出力スイングで90mAの電流駆動能力を備えています。

MAX4106/MAX4107は超低ノイズADCプリアンプ、超音波アプリケーション及び高性能レシーバに最適です。閉ループ利得の補償により、MAX4106は最低5V/V、MAX4107は最低10V/Vに適しています。これらの素子は高速性(MAX4106は350MHz、MAX4107は300MHz)と超低電圧ノイズ特性(0.75nV√Hz)を兼ね備えています。5MHz(VOUT = 2Vp-p)でのスプリアスフリーのダイナミックレンジ(SFDR)はMAX4106(@5V/V)が-63dBc、MAX4107(@10V/V)が-60dBcとなっています。スルーレートはMAX4106が275V/µs、MAX4107が500V/µsです。

MAX4108/MAX4109オペアンプは高速性と超低歪み特性を兼ね備えているため、RGB及びコンポジットビデオ、ADCプリアンプ及び高性能RF信号処理に最適です。ユニティゲイン安定のMAX4108は20MHzでのSFDRが-81dBcで、ユニティゲイン帯域幅が400MHzです。MAX4109(AVCL = 2V/V以上で安定)は20MHzでのSFDRが-80dBcで、-3dB帯域幅が225MHzです。スルーレートはいずれも1200V/µsです。VOUT = 2Vp-pでのフルパワー帯域幅はMAX4108が300MHz、MAX4109が200MHzです。

MAX4106 /MAX4107は8ピンS O P、MAX4108/MAX4109は8ピンSOP及びµMAXパッケージで供給されており、温度範囲はいずれも拡張工業用(-40~+85)が用意されています。価格は¥420(1000個以上)からです。

(資料請求番号11)

消費電流5mA、出力80mAの500MHz電流フィードバックビデオアンプ

MAX4112及びMAX4113は、電流モードフィードバックの採用により、スルーレートと利得帯域幅が非常に高くなっています。MAX4112は閉ループ利得(AVCL)が2以上のときに安定で、スルーレートは1200V/µ s、-3dB帯域幅はAVCL = 2のときに500MHzです。フルパワー帯域幅はVOUT = 2Vp-pで300MHzです。

MAX4113は-3dB帯域幅が275MHzで、AVCL

が8以上のときに安定です。フルパワー帯域幅はVOUT = 2Vp-pで250MHz、スルーレートは1800V/µsです。どちらの素子も微分位相及び利得エラーが0.01 /0.01%で、高性能パルス、RF及びビデオアプリケーションに適しています。

MAX4112/MAX4113は8ピンSOPパッケージで供給されており、温度範囲は拡張工業用

(-40~+85)のものが用意されています。価格は¥210(1000個以上)からです。

(資料請求番号12)

-

オン抵抗10ΩのクワッドSPSTアナログスイッチ

MAX312/MAX313/MAX314は、低RON(10Ωmax)で全信号範囲でのRONの変動は2Ω以下で、しかもチャネル間マッチングが僅か1.5Ω(max)のクワッド単極単投アナログスイッチです。MAX312のスイッチはノーマリクローズ(NC)、MAX313のスイッチはノーマリオープン(NO)です。MAX314はNCスイッチ2個とNOスイッチ2個を備えています。

3製品とも4.5V~30Vの単一電源または±4.5V~±20Vのデュアル電源で動作し、電源電圧範囲の信号を許容します。また、いずれの製品も双方向特性で、リーク電流は+85で2.5nA以下です。MAX312/MAX313/MAX314はDG411/DG412/DG413とピンコンパチブルで、ESD保護は2000V以上です(MIL規格883の3015.7法)。20kHzでのクロストークは96dB以上です。

MAX312/MAX313/MAX314スイッチは16ピンDIP及びナローSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用(0~+70)、拡張工業用(-40~+85)及び軍用(-55~+125)のものが用意されています。価格は¥270(1000個以上)からです。

(資料請求番号13)

30

25V+ = 15VV- = -15V

DG411

MAX312

20

15

10

5

0-15 -10 -5 0

SIGNAL INPUT VOLTAGE (V)

5 10 15

R ON

(Ω)

RON vs. SIGNAL INPUT VOLTAGERON対入力電圧

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21

NEW PRODUCTSシリアル制御付の8チャネル及びデュアル4チャネルマルチプレクサ

MAX349及びMAX350は、シリアル制御でチャネル選択が可能なマルチプレクサ(8チャネル及びデュアル4チャネル)です。オン抵抗は最大100Ωで、スイッチ間マッチングは最大16Ω、平坦性は全信号範囲で最大10Ωです。どのチャネルも双方向に同特性です。

各CMOS素子は±2.7V~±8Vのデュアル電源又は2.7V~16Vの単一電源で動作します。また、電源電圧範囲の信号を許容し、オフリーク電流は+25で僅か0.1nA(+85では5nA)です。パワーアップ時に自動リセットが全てのスイッチをオープンし、全ての内部シフトレジスタがゼロになります。また、各ICに非同期のRESET入力があります。

シリアルインタフェースはSPITM、QSPITM及びMicrowireTMの同期シリアル規格とコンパチブルです。このシリアルインタフェースはシフトレジスタとして動作し、クロック(SCLK)の立上がりエッジに同期してデータ(DIN)をクロックインします。シフトレジスタ出力

(DOUT)は、複数のMAX349又はMAX350をデイジーチェーン接続できるようになっています。全てのディジタル入力が0.8Vと2.4Vのロジックスレッショルドを備えているため、これらのICは5V又は±5V電源動作時にTTL及びCMOSロジックとコンパチブルであることが保証されています。

MAX349/MAX350マルチプレクサは18ピンDIP、18ピンワイドSOP及び20ピンSSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用

(0~+70)、拡張工業用(-40~+85)及び軍用(-55~+125)のものが用意されています。価格は¥320(1000個以上)からです。

(資料請求番号14)

LATCH

NO0

COM

8-BIT SHIFT REGISTER

CLOCK TRANSLATOR

CS TRANSLATOR

DIN

RESET

SCLK

CS

NO7

PARALLEL REGISTER AND TRANSLATOR

DOUT

SPI and QSPI are trademarks of Motorola, Inc. Microwire is a trademark of National Semiconductor Corp.

SCLK

V+

DIN

GND

COM

NO0

NO1

NO2

NO3

DIP/SO

MAX3491

2

3

4

5

6

7

8

9

18

17

16

15

14

13

12

11

10

CS

RESET

DOUT

V-

N.C.

NO7

NO6

NO5

NO4

LOGIC

MAX349

完全、絶縁フルデュープレックスRS-485/RS-422インタフェースを¥1,100以下で提供

MAX1490A/MAX1490Bは、電気的に絶縁されたRS-485又はRS-422インタフェースを単一パッケージで提供するフルデュープレックスデータ通信トランシーバです。各々の完全に絶縁されたトランシーバは絶縁バリアの反対側(ロジック側)の+5V単一電源で動作します。そしてトランシーバIC、ホトカプラ及びトランスを含む全回路が24ピンDIPに収められています。絶縁バリアは1600Vrmsで1分間(typ)、2000Vrmsで1秒間(typ)耐えることができます。

MAX1490Aは2.5Mbpsまでのデータレートが可能です。MAX1490Bはスルーレート制限がされたドライバを備えているため、電磁妨害(EMI)を最小限に抑えることができ、ケーブル終端が適切に行われていない場合に起こる反射も低減することができます。このため、250kbpsまでのデータレートでエラーのないデータ転送が可能です。

各ドライバとも短絡電流制限がなされており、また、サーマルシャットダウン回路も備えているため、ドライバ出力をハイインピーダンスにすることで過度な消費電力を防ぎます。各入力及び出力はRS-485及びRS-422規格を全て満たしています。入力がオープン回路の場合のフェイルセーフ機能として、レシーバはROのロジックハイ出力を保証しています。(類似製品のMAX1480A/MAX1480Bは

ハーフデュープレックス動作です。)

これらのトランシーバは24ピンワイドプラスチックDIPパッケージで供給され、温度範囲は民生用(0~+70)及び拡張工業用

(-40~+85)のものが用意されています。価格はMAX1490Aが¥1,180、MAX1490Bが¥1,130 (1000個以上)からです。

(資料請求番号15)

TXIN

+5V

+5V

VCC

VCC

Z

Y

B

ARXOUT

+5V

ISOLATIONBARRIER

TRANSFORMERDRIVER

MAX1490

MAX845

MAX1490

ALL THIS...

IN THIS!

TO RS-485BUS

MAX488/MAX490

MAX488/MAX490

SPI及びQSPIはMotorola Inc.の商標です。MicrowireはNational Semiconductor Corp.の商標です。

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固定(5V)又は可変(3V~16.5V)出力のステップアップコントローラ

MAX608は、1.8V~16.5Vの入力電圧範囲で動作する低電圧ステップアップコントローラです。出力電圧は5V固定又は3V~16.5Vの可変(外付抵抗分圧器を用いることで)です。無負荷時の動作電流は僅か85µAで、シャットダウンモードではさらに2µA(5µA max)まで低減します。重負荷時にはレギュレータの電流制限PFM(パルス周波数変調)制御方式によって30mA~1.5Aの範囲で85%の高効率を保証しています。

MAX608コントローラは電池を2個あるいは3個使用するようなバッテリ駆動機器に最適です。動作周波数が300kHzまでと高いため、小型で表面実装の外付部品を使用することができます。MAX608は出力電圧が電源端子(OUT)に接続される「ブートストラップ」モードのみで動作します。12V出力や非ブートストラップアプリケーション(つまり、入力電圧でチップを駆動する場合)については、ピンコンパチブルのMAX1771を参照してください。

設計に便利なMAX608用の評価キットも提供されています。MAX608は8ピンプラスチックDIP又はSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用(0~+70)及び拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格は¥210(1000個以上)からです。

(資料請求番号18)

低価格、低電圧のクワッドSPSTアナログスイッチ

MAX4066及びMAX4066Aは、ピンコンパチブルの工業標準タイプ74HC4066を上回る性能が得られるように設計されたアナログスイッチです。MAX4066Aスイッチは(74HCタイプと違って)オン抵抗(12V電源で45Ω)、チャネル間のオン抵抗マッチング(2Ω max)及びリーク電流(+25で100pA max)を保証しています。さらに低価格のMAX4066はオン抵抗が45Ωmax、マッチングが4Ω(12V電源)となっています。MAX4066のリーク電流は+25で1nA maxです。

MAX4066/MAX4066Aは3V、5V及び12V仕様で提供されており、2V~16Vの電源電圧で動作することが保証されています。例えば、12V電源の場合、どちらも最大45Ωのオン抵抗、2Ωのチャネル間マッチング、及び全信号範囲で4Ωの平坦性という特性を備えています。入力信号範囲はV+~グランドまで可能です。

どちらの製品もマルチプレクサ、デマルチプレクサ又は双方向性スイッチとして使用することができます。チャネル選択はTTL /CMOSロジックレベルの印加によって行います。MAX4066/MAX4066Aは低オフリーク電流(MAX4066Aは100pA max)及び低消費電力(0.5µW)の特性を備えているため、バッテリ

駆動アプリケーションに最適です。どちらも2000V以上のESD保護を提供しています(MIL規格883の3015.7法)。

MAX4066/MAX4066Aは14ピンDIP、ナローSOP及び16ピンQSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用(0~+70)、拡張工業用(-40~+85)及び軍用(-55~+125)のものが用意されています。価格はMAX4066が¥110、MAX4066Aが¥210(1000個以上)からです。

(資料請求番号16)

22

NEW PRODUCTS

タイプ1及びタイプ2のカードに収まる超薄型PCMCIA電源

1MHz、高さ1.25mmのブースト・コンバータ1.6cm2に収まる省スペース

MAX606/MAX607は、他のどの同等品よりも薄くてPCボード面積が小さなDC-DCコンバータです。タイプ1及びタイプ2のPCMCIAカード等の薄型アプリケーション用で、高さ僅か1.11mmの8ピンµMAXパッケージに収まっています。スイッチング周波数が高いため(MAX606は1.2MHzまで)、外付部品が小型で済み、高さ1.35mm、面積僅か1.6cm2のタイプ1回路あるいはやや厚めで面積が僅か1.0cm2のタイプ2回路が可能です。

MAX606/MAX607は3V~5.5V入力で動作し、印加されるロジック信号の状態によって5V又は12Vの安定化出力を発生します。外付抵抗を2個用いることで、出力をVIN~12.5Vの範囲の任意のレベルに調整もできます。出力精度は±4%が保証されています。コンバータの電流制限パルス周波数変調(PFM)制御方式により、負荷電流2mA~200mAに対して80%~90%の効率を実現しています。出力電流は12Vで6 0 m A ( 保 証 ) 、 5 V で120mAです。

MAX606のスイッチング周波数(MAX607の2倍)は600kHz~1.2MHzの範囲で、入出力電圧及びその他の動作条件に依存し

ます。従って、周波数の低いMAX607の回路は多少大きめの外付部品を必要とします。どちらの素子もロジック制御のシャットダウンモードによって消費電流を1µAまで低減し、バッテリ寿命を拡張します。パワーアップ時には、ユーザ設定のソフトスタート回路によって、入力サージ電流を防ぐことができます。

実装済みのタイプ1用評価キット(MAX606EVKIT-MM)によってMAX606回路の設計をスピードアップできます。MAX606及びMAX607は8ピンµMAX及びSOPパッケージで供給されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。価格は¥350(1000個以上)からです。

(資料請求番号17)

LX

ON/OFF

FB

MAX606MAX607

SHDN

SS

OUTPUT5V ±4% at 150mA

or12V ±4% at 60mA

VCC

GND

1µF

5µH

MBRO520

2.2µF

Soft-Start0.01µF

5V/12V OUT SEL

INPUT3.3V TO 5V

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23

NEW PRODUCTS

±15kV ESD保護を実現し、スルーレート制限された、低電力RS-485/RS-422トランシーバ

MAX481E、MAX483E、MAX485E、MAX487E~491E及びMAX1487Eは、過酷な使用環境を想定して設計したRS-485及びRS-422通信用のローパワートランシーバです。各製品ともドライバとレシーバを1個ずつ備えています。ドライバ出力とレシーバ入力はヒューマンモデル法で±15kVの静電放電(ESD)ショックに耐えます。また、ESDが存在する場合でもラッチアップしないことが保証されています。

MAX481E、MAX485E、MAX490E、MAX491E及びMAX1487Eのドライバは2.5Mbpsまでのデータ転送が可能です。MAX483E、MAX487E、MAX488E及びMAX489Eのドライバはスルーレート制限がされているため、EMI(電磁妨害)を最小限に抑えることができ、ケーブル終端が適切に行われていない場合に起こる反射も抑えることができます。このため、250kbpsまでのデータレートでエラーの無いデータ転送が可能です。同相入力電圧範囲は-7V~12Vです。

全製品とも5V電源で動作します。MAX 488E及びMAX489Eの消費電流は、無負荷状態あるいはドライバをディセーブルして負荷状態にした場合、僅か120µAです。MAX 481E、MAX483E及びMAX487Eはシャットダウンモードに入ることができ、消費電流を僅か0.5µAまで低減できます。短絡に対する保護対策として、全てのドライバ出力に対して電流制限がなされており、また、全てのドライバがサーマル保護回路を備えているため、必要に応じてドライバ出力をハイインピーダンスにし、過度の消費電力を防ぎます。全レシーバとも、入力がオープン回路の場合にロジックハイ出力を保証するフェイルセーフ機能を備えています。

MAX488E~MAX491Eはフルデュープレックス通信用、MAX481E、MAX483E、MAX 485E、MAX487E及びMAX1487Eはハーフデュープレックス通信用に設計されています。MAX487E及びMAX1487Eはレシーバの入力インピーダンスが1/4ユニット負荷であるため、最大128個のトランシーバをRS-485又はRS-422バスに接続することができます。(これらのバスは標準トランシーバの場合32個しかサポートできません。)ESD耐性を必要としないアプリケーションには安価な

「E」タイプではないトランシーバのMAX481、

MAX483、MAX485、MAX487~MAX491及びMAX1487をご使用ください。

MAX489E及びMAX491Eは14ピンプラスチックDIP及びSOPパッケージ、その他の製品は8ピンプラスチックDIP及びSOPパッケージで供給されており、温度範囲は全製品について民生用(0~+70)及び拡張工業用

(-40~+85)のものが用意されています。MAX1487Eは軍用(-55~+125)温度範囲のものも用意されています。価格は¥170(1000個以上)からです。

(資料請求番号21)

シリアルインタフェース付の低電圧、8チャネル、SPSTスイッチ

MAX395は、独立に制御された8個の単極/単投(SPST)スイッチを24ピンパッケージに内蔵しています。これらのスイッチは双方向特性を備え、100Ω(max)のオン抵抗を保証しています。オン抵抗のスイッチ間マッチングは5Ω(max)で、平坦性は全信号範囲で10Ωです。オフリーク電流は+25で僅か0.1nA、+85で10nAです。

CMOSデバイスのMAX395は±2.7V~±8Vのデュアル電源、又は2.7V~16Vの単一電源で動作します。+5V又は±5V電源動作の場合、ディジタル入力は0.8V及び2.4Vのロジックスレッショルドを保証しているため、TTL及びCMOSロジックコンパチブルです。各スイッチは電源電圧範囲内のアナログ信号を扱うことができます。MAX395のピン配置はオクタルアナログスイッチである工業標準のMAX335とコンパチブルです。

MAX395のシリアルインタフェースはSPITM/QSPITM及びMicrowireTM同期シリアル規格とコンパチブルです。このシリアルインタフェースはシフトレジスタとして機能し、DINに入力されたデータをCLKの立上がりエッジに同期してクロックインします。そして、CSの立上がりエッジでデータを全てのスイッチに同時に転送します。シフトレジスタの出力(DOUT)は複数のMAX395をカスケード接続してデイジーチェーン構造にできるようになっています。

パワーアップ時には自動リセットが全てのスイッチをオープンにし、全ての内部シフトレジスタをゼロにします。また、MAX395にはRESET入力が備えられており、非同期的なリセットコマンドに対応できるようになっています。ESD(静電放電)保護は2kV以上です(MIL規格883の3015.7法)。

MAX395は24ピンナローDIP又はワイドSOPパッケージで供給されており、温度範囲は民生用(0~+70)、拡張工業用(-40~+85)及び軍用(-55~+125)のものが用意されています。価格は¥320(1000個以上)からです。

(資料請求番号19)

出力50mAの超低ドロップアウトSOT-23リニアレギュレータ

MAX8863及びMAX8864は、主にバッテリ駆動アプリケーション用に設計されたリニアレギュレータです。2.5V~5.5Vの入力電圧で動作し、最大ドロップアウト電圧120mVで50mAの出力電流能力を備えています。PMOSパストランジスタの採用により、負荷電流に関係なく80µAの低消費電流が維持されるため、MAX8863/MAX8864レギュレータはモデム、携帯電話、コードレス電話及びその他のポータブル機器に適しています。

いずれの製品もDual ModeTM動作であるため、出力電圧として固定又は可変を選択することができます。MAX8863T/MAX8864Tレギュレータは3.175V、MAX8863S/MAX8864Sレギュレータは2.850Vに予め設定されています。どちらのバージョンも外付抵抗分圧器を用いることで1.25V~5.5Vの範囲で出力を設定することができます。

これらのレギュレータはシャットダウンモードによって消費電流を0.1µAまで低減することができます。MAX8864の場合、シャットダウン時に出力電圧を能動的にグランドに放電しますが、その他の点ではこれらの素子は全く同じです。共通の特長としては短絡保護、サーマルシャットダウン保護及びバッテリの逆挿入保護機能等が挙げられます。

MAX8863/MAX8864レギュレータは5ピンSOT-23パッケージで供給されており、温度範囲は拡張工業用(-40~+85)のものが用意されています。

(資料請求番号20)

* Dual Modeはマキシム社の商標です。