ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称...

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ジャパンネット銀行 -SMSを利用したフィッシン(不正送金)- 201511201511http://www japannetbank co jp/ http://www.japannetbank.co.jp/

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Page 1: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

ジャパンネット銀行グ-SMSを利用したフィッシング(不正送金)-

2015年11月2015年11月

http://www japannetbank co jp/http://www.japannetbank.co.jp/

Page 2: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

アジェンダ

1.ジャパンネット銀行について(1)会社概要(2)JNB-CSIRT組織概要(2)JNB CSIRT組織概要

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)(1)不審なSMSについて(1)不審なSMSについて(2)具体的な画面遷移(3)対処内容

今 事例 特徴(4)今回の事例の特徴

3.その他不正送金関連事案3.その他不正送金関連事案(1)パソコンでの事例1(金融マルウェア)(2)パソコンでの事例2(≠金融マルウェア)(3)スマートフォン(金融マルウェア?)(3)スマートフォン(金融マルウェア?)(4)不審な電話(5)不正送金の発覚を遅らせる

24.金融機関内の情報共有(金融ISACの取り組み)

Page 3: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

1.ジャパンネット銀行について

(1)会社概要名称 :株式会社ジャパンネット銀行

事業内容 インタ ネ ト専業銀行

(1)会社概要

事業内容:インターネット専業銀行

所在地 :東京都新宿区西新宿2-1-1

資本金 :372億円(2015年3月末)資本金 :372億円(2015年3月末)

口座数 :305万口座(2015年10月末)

「日本初のインターネット専業銀行」「日本初のインターネット専業銀行」

・2000年9月19日設立

・2000年10月12日開業

当社のチャレンジ精神

・戦後初の普通銀行免許取得

・新たな形態の銀行の第一号

・日本初のインターネット専業銀行

3ITによる金融サービスの向上、並びに低コストと高度なセキュリティ技術の両立

Page 4: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

1.ジャパンネット銀行について

(2)JNB CSIRT組織概要 10名で活動

JNB-CSIRT

JNB-CSIRTは「セキュリティインシデント管理手続」で規定

社内

リスク管理委員会

ミッションステートメント、活動方針、経営への報告事項、運営方法 情報共有ル ル(TLP)などを規定

カスタマーセンター情報 お客さま

(2)JNB-CSIRT組織概要 ・・・10名で活動

区分 概要体制整備 規程類整備

【JNB-CSIRT活動方針】

内体制と活動内

IT本部IT統括部

(システム対応)パッチ適用、アプリ、イ 改修等

勘定系技術

WEB技術

運営方法、情報共有ルール(TLP)などを規定

投資管理

OA統括

未然防⽌活動・不正送⾦、DDoS、情報漏えい対策・標的型メール訓練・ログ分析⾼度化・情報収集、外部組織との連携 等

発⽣時の態勢 ・マニュアル整備、警戒態勢 等

内容

各本部・事業部

インフラ改修等OA技術

情報情報確認splunk

サイバーセキュリティ対策室(事務局)

(メンバー)IT統括部:金子、飯塚、池田、二宮

岩本、小澤、藤川IT 本 部 島崎 千葉 後藤

【活動内容】インシデント統制・社内連絡、事象分析、ログ分析、対策勧告、啓蒙活動、情報収集、外部組織連携等

連絡窓口

(各部業務)法務、広報、顧客告知、モニタリング、顧客サポート等

情報

情報

連携

情報確認ログ調査

IT 本 部:島崎、千葉、後藤

外部活動への参加・ワーキンググループ(WGメンバー参加、講師など)・セミナー受講、各組織会合への参加、会員との親交 など

メーリングリストによる情報交換・セキュリティ事案の詳細情報・不正IPアドレス、URL等の情報・対策、他行CSIRTの対応状況など

金融ISAC 日本シーサート協議会(NCA) 警視庁 生活安全部サイバー犯罪対策課

国内金融機関130会員JNBは2014/8/1加盟

国内事業者103会員JNBは2013/10/4加盟

警視庁公安部サイバーテロ対策協議会

重要インフラ事業者54会員

関連する 共同対処協定書

4警察庁 生活安全局情報技術犯罪対策課

SMFG/JRI+他行CSIRT

JPCERT/CC

重要インフラ事業者54会員JNBは2010/6/24加盟

る外部組織

共同対処協定書2012/12/19締結

全銀協 金融庁 日銀 EMC ヤフー

Page 5: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)

(1)不審なSMSについて(1)不審なSMSについて

■2015年 7月 JNBを騙りパスワード変更を要求するSMSが送信された。

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Page 6: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

(2)実際の画面遷移について

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)

①ログイン情報の入力

(2)実際の画面遷移について

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Page 7: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)

②暗証番号、ワンタイムパスワード入力。③「お待ちください」のまま進まず。

よく見ると URL欄にログイン情報のよく見ると、URL欄にログイン情報の

一部が含まれている。

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Page 8: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

(3)対処内容

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)

①フィッシングサイトのテイクダウン依頼

(3)対処内容

②お客さまへの注意喚起(ホームページ、メール)

③各種ブラウザからの不正サイト報告

④フィッシング画面におとりデータ(ダミー情報)入力

→接続してきたIPアドレス(犯罪者と推測)をブロック

⑤関係機関への報告、他金融機関への情報連携。

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Page 9: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

(4)今回の事例の特徴

2.SMSを利用したフィッシング(不正送金)

(当初)

なぜか利用するブラウザ判定により偽JNB or 偽他銀行 へ振り分け

(4)今回の事例の特徴

・なぜか利用するブラウザ判定により偽JNB or 偽他銀行 へ振り分け

(改善1)(改善1)

・誤った判定ロジックを修正。どのブラウザでも偽JNBサイトに接続

(改善2)

・ドメイン(URL)に「JNB」の文字列を含みそれっぽくなってきた。

(でも)

・日本語は変なまま日本語は変なまま

www.XXXXXX.com により ・・・「により」って

パスワードは定期に変更 ・・・「定期に」って

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Page 10: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

(1)パソコンでの事例1(金融マルウ ア)

3.その他不正送金関連事案

(1)パソコンでの事例1(金融マルウェア)

■ 2014年 7月 ログイン時にウイルス対策ソフトのインストールを求める。

「M Af 「N 「無料 布中 「JNB ゴ 記載「McAfee」「Norton」「無料配布中」「JNBのロゴ」の記載。

■ 2014年11月 上記と同じで「IBM Trusteer Rapport」の表示■ 2014年11月 上記と同じで「IBM Trusteer Rapport」の表示。

■ 2014年11月 ログイン時にワンタイムパスワードの入力を求める

ケースで入力後のメッセージが変化。

「XX時~XX時はシステムメンテナンス中のため利用できない。」

※時間は2時間 PC カ 時刻を参照※時間は2時間。PCのローカル時刻を参照?

■ 2015年 1月 Firefoxで証明書エラー(sec error unknown issuer)■ 2015年 1月 Firefoxで証明書エラ (sec_error_unknown_issuer)。

IEではログイン画面と別に電話番号の入力を求める。

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Page 11: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

3.その他不正送金関連事案

(2)パソコンでの事例2(≠金融マルウ ア)(2)パソコンでの事例2(≠金融マルウェア)■2015年3月の事例

・アドレス欄は「maikosof」と表示 EVSSLの緑色を維持・アドレス欄は「maikosof」と表示。EVSSLの緑色を維持。

■2015年4月の事例

・店番号、口座番号、ワンタイムパスワードの入力欄ありとの連絡あり。店番号、口座番号、ワンタイムパスワ ドの入力欄ありとの連絡あり。

・WEBインジェクションされたようにも思えたが、

当該お客さまは、IBM Trusteer Rapportのインストールあり。

・IEのプロキシ設定確認も、「proxy.pac」等の設定は空欄。

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Page 12: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

3.その他不正送金関連事案

(3)スマ トフォン(金融マルウ ア?)(3)スマートフォン(金融マルウェア?)

■2014年7月 ログイン後の操作時にウイルス対策ソフトのインストールを

求められたと 電あり (A d id)求められたとの入電あり。(Android)

インストールすると「お使いの端末は利用できません」、

その後フリーズして 元の画面に戻ったその後フリ ズして、元の画面に戻った。

■2015年1月 ホーム画面設置の当社アイコンクリック時に

「緊急事態が起きています。詐欺の疑いがありますので

ワンタイムパスワードを入力してください。」と表示。

(iOS J ilB kはし な と 申し出)(iOS、JailBreakはしていないとの申し出)

その後 再現確認も事象再発せずその後、再現確認も事象再発せず。

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Page 13: ジャパンネット銀行1.ジャパンネット銀行について (1)会社概要 名称 :株式会社ジャパンネット銀行 事業内容 インタ ネ ト専業銀行事業内容:インターネット専業銀行

3.その他不正送金関連事案

(4)不審な電話(4)不審な電話

■2015年 4月 JNBや警察を騙り、ワンタイムパスワード詐取を狙う不審な電話

・お客さまの申し出(例)。① JNBの○○(非通知)より『口座情報が見られている、別途、警察から連絡する』② 警察(非通知)より連絡があり『口座が操作されている。』③ JNBの××(非通知)より『口座凍結した方が良い。』④ キャッシュカード、トークンを手元に準備させる。など④ キャッシ カ 、 クンを手元 準備さ る。な⇒お客さまは途中で切断も最終的にワンタイムパスワード詐取を狙うものと推測。

・補足情報補足情報①当社の電話番号(03-6739-5000)の偽装事例あり。海外の偽装サービスと推測。

お客さまの電話機の表示は 81-3-6739-5000(参考)http://allabout.co.jp/gm/gc/48282/2/②携帯電話(090 2153 06XX)に折り返しかけさせようとする手口もあり②携帯電話(090-2153-06XX)に折り返しかけさせようとする手口もあり。③犯罪者は片言ではない。(日本人が架電と推測される)

■2015年 7月 JNBを騙り不審な電話 やりとり型の手口をやめ

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■2015年 7月 JNBを騙り不審な電話。やりとり型の手口をやめ、1回の電話でワンタイムパスワード詐取を狙う手口に変化。

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4.金融機関内の情報共有(金融ISACの取り組み)

(1)IP&UAの情報共有の目的について(1)IP&UAの情報共有の目的についてなりすましログイン有無の調査により・不正送金の早期検知

UA:UserAgent(OS、ブラウザ情報)

(例)Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1;

Trident/7 0; rv:11 0) like Gecko不正送金の早期検知・注意喚起による不正送金の未然防止

(2)共有情報ごとの利用目的

Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko

Windows NT6.1・・・Windows 7rv:11.0 ・・・Internet Explorer 11.0

※利用端末のOS・ブラウザの推測が可能

(偽装可能なため注意)(2)共有情報ごとの利用目的 (偽装可能なため注意)

No 共有情報 利用目的

1 不正送金に使われた IP&UA なりすましログイン有無の調査

2 アグリゲ シ ンのIP&UAなりすましログインでないことの

2 アグリゲーションのIP&UAなりすま グイン な早期切り分け

3 VPS等サービスのIP&UA等

なりすましログインの判断材料

(後押しの材料)4 中華系ブラウザのUA

155 その他怪しいUA

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まとめ

今回学んだこと

・スピーディな対処には事前の作業分担決め、スピ ディな対処には事前の作業分担決め、平常時の訓練が重要

・SMSを使ったフィッシングは不正送金の手 すぎな手口の1つにすぎない

・他組織との情報交換は極めて重要

(攻撃手口 対処方法を事前に把握可能)(攻撃手口、対処方法を事前に把握可能)