デジタル・ニッポン2013 ictで、日本を取り戻す。-© 2013...

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新たなICT戦略に関する提言 デジタル・ニッポン2013 ICTで、日本を取り戻す。- 全体版 自由民主党 平成25年5月21日

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Page 1: デジタル・ニッポン2013 ICTで、日本を取り戻す。-© 2013 自由民主党IT戦略特命委員会 | | Page No. 2 00 トピック 【位置づけ】 「eJapan」以来10年の経験を持つ党IT戦略

新たなICT戦略に関する提言

デジタル・ニッポン2013

- ICTで、日本を取り戻す。-

全体版

自 由 民 主 党

平成25年5月21日

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新たなICT戦略に関する提言 【全体版】

00 トピック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

01 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

02 利活用していただくために ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

03 提言の基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

04 提言の構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

05 提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ・・・・・・・・・・・・・・ 16 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 第三部 ICTによる農林水産業振興 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 第四部 テレワークによる雇用拡大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ・・・・・・・・・・・・・・・ 52

新ICT戦略「デジタル・ニッポン2013」

~ICTで、日本を取り戻す。~

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トピック 00

【位置づけ】 「eJapan」以来10年の経験を持つ党IT戦略特命委員会が、これまで積み重ねてきた検討をベースに新政権の新たなICT戦略策定に対して提言

【領域】 政府の「ICTインフラと利活用の2つの面で世界最高水準のICT社会を実現」という目標に対して、国土強靭化、サイバーセキュリティ、農林水産業、テレワーク(雇用)、医療、電子政府、の6分野に分けて提言

【全体の特徴】 経済成長への貢献と国民の安心・安全を重視 民間企業のノウハウやアイデアを積極的に取り込み 国土強靭化や農林水産業等これまでICTにあまり馴染みの無い分野での利活用 コンクリートにICTを(クラウド基盤による連携を前提としたICTインフラ構築) オープンなマイガバメント(ビッグデータ利活用、行政サービスだけでなく改革過程もオープン)

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トピック 00

【分野の特徴】

第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~ センサー網、ビッグデータ解析等ICTによる道路など重要インフラのスマートメンテナンス化

第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~ 国家安全保障の重要課題と位置付けて対処し、技術と要員の育成で高度な産業を創出

第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~ 小規模事業者にも配慮した生産性拡大とバリューチェーン全体をカバーしたブランド農林水産物育成や輸出拡大

第四部 テレワークによる雇用拡大 ~テレワークからスマートワークへ~ 女性、若年層、高齢者の雇用拡大を中心に、最新ワークスタイルの具体的な適用領域拡大と雇用クラウドによる就労支援水準の向上

第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~ かかりつけ医と看護師等の専門職の地域における高度な連携、更に必要な場合には専門医・大病院への連携といった365日24時間対応可能な在宅医療提供体制を構築するため、

EHR連携基盤を公共インフラ化し、先端技術とビッグデータ解析で医療水準を向上 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~ 徹底したオープン化でマイガバメント化し国民の利便性と監視機能を強化、ビッグデータ活用で産業活性化すると共に政府内のITガバナンス強化

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はじめに 01

自由民主党は、「重点政策2012」において、「たくましく、やさしく、誇りある日本を取り戻す」ことを宣言しているところである。 民主党政権の3年半において、わが国のICT政策も停滞を余儀なくされた。本特命委員会は、この3年半を取り戻し、ICTを「日本を取り戻す」ための柱とすることを至上命題として、民間企業(約20社)等から8回にわたりヒアリングを実施し、骨太の方針として本戦略を策定した。 これから政権が問われるのは、政策の実行力である。我が国は、超高齢化社会への対応、省エネルギー社会への挑戦、巨額の政府債務の解消などに直面する「課題先進国」であり、強い実行力のもと、ICTを活用してこうした課題に対応していくことが、世界における日本の存在感の発揮につながっていく。今回、本特命委員会が提言してきた政府CIO(内閣情報通信政策監)の設置が実現する。本戦略にあげられた事項については、政府CIOが中心となって関連予算の確保・執行に係るPDCAサイクルを確立するとともに、国、地方公共団体及び民間が「共創」しつつ確実に実現していくことを要望する。

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はじめに 01

経済を、取り戻す。 安倍政権は、経済再生に向け 「大胆な金融政策」 「機動的な財政政策」 「民間投資を喚起する成長戦略」 の「三本の矢」を一体として実行してきたが、上向きつつある経済基調をより確実なものとするためには、 「成長戦略」の充実が不可欠である。 日本経済においてICTは国内最大産業であり、また今や様々な分野に浸透している現状を考えると、ICTは まさに経済成長の「触媒」といえる。 現在わが国の情報通信インフラは世界最高水準である。 それにも関わらず、ICT国際競争力 (世界経済 フォーラムの技術準備) は、2005年の8位から2013年は21位へと低下傾向にある。 これは、優れたIT インフラの利活用が遅れているからである。最近の総務省の資料では農業や社会インフラといった生活資源 対策だけでも2025年までに累計20兆円の経済効果があるとされており、現在のICT産業規模が約90兆円であることから考えると、他に通常ビジネスでの効果を併せるとはかり知れない規模の経済効果がある。 経済成長には、労働・資本・その他の要素の投入が「伸びる」ことが必要であるが、少子高齢化・人口減少期に入る日本にとって、これらの「伸び」を実現するためには、ICTの利活用が必須である。具体的には、クラウドを用いたフリーアドレス型ワークスタイイルの普及、求職・求人のマッチング高度化 (労働の伸び確保) 、クラウド ファンディングなど投資のための資金調達イノベーション (資本の伸び確保) 、 ビッグデータ・オープンデータ・ G空間情報等による新産業創出、医療・農業・セキュリティ等の成長産業化(その他の要素の伸び確保)などが期待される。 政府は、従来の予算措置・税制措置にとどまらず、保有情報のオープン化や「マイガバメント」等の民間活用を視野に入れた基盤の整備や、ICT利活用を阻害する規制の見直しなど、あらゆる政策手段を総動員して、民間によるICT利活用を推進し、国民へのサービスレベル向上及び産業全体の効率化を目指すべきである。 また、 それらの成果を積極的に世界標準化し、グローバルな経済における我が国の地位向上をはかるべきである。

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はじめに 01

安心を、取り戻す。 国家の安全保障、暮らしの安心は、我が国の安定的な成長を支える「基盤」である。 しかしながら、東日本大震災から2年超が経過してもなお、我が国は引き続き、大規模自然災害やサイバー 攻撃等の様々な脅威にさらされているのが現状である。 被災地における復興に貢献することはもとより、これらの脅威に対し「国土強靭化」を図る観点から、あらゆる社会経済活動の基盤であるICTについても、通信インフラの強化やサイバーセキュリティの確保等、「ICT自体の強靭化」や、災害情報伝達手段の充実や老朽化したインフラの効率的な保守点検等、「ICTによる強靭化」を 進める必要がある。 その際、ICTによる強靭化は、今後の少子高齢化や社会インフラの老朽化等を踏まえ、それぞれの社会 インフラが「自律的」に強くなること、インフラが適切に「分散」し相互に代替しうるようにすること、分野横断的な連携を可能とする形で整備することという三つの視点、すなわち「自立」、「分散」、「連携」の視点から行われる必要がある。 国や地方公共団体は、社会保障・税番号システムや政府共通プラットフォーム等、安心で効率的な情報システムの構築を図るとともに、民間への開放・連携を通じて、国民一人一人のニーズに応じて行政情報を提供する 「マイガバメント」の実現を図るべきである。

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はじめに 【参考1.】 01

この10年でモバイル通信速度は約850倍になり、乗っている自動車のコストの40%が電子部品となって、プロ野球12球団の内3球団のオーナーがIT企業となった。このように、身の回りではICTが大きく進化しているのに、ICT国際競争力は低下傾向にある。

モバイル通信速度は10年で 「ハイハイ」から「ジャンボジェット」に

2001年にNTTドコモで開始した3G回線の理論最大受信速度は384kbps。最新のLTEは326Mbpsと約850倍。赤ちゃんのハイハイ(1km/h)レベルからジャンボジェット(900km/h)並みに大きく向上。

日本プロ野球12球団のうち 3球団のオーナーはIT企業

2005年の楽天イーグルス・ソフトバンクホークス誕生に始まり、現在では横浜DeNAベイスターズが加わり、3球団をIT企業が保有している。

進む自動車の電子化 製造コストの40%が電子部品に

自動車の製造コスト(人件費・物件費)に占める電子部品の割合は2015年には40%に増加。搭載されているソフトウェアも10年間で10倍となり、90年代のウインドウズレベル。

電子部品

40%

その他

0

5

10

15

20

25

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

ICT競争力(世界経済フォーラムランキング技術準備)

ICTで身の回りは大きく進歩してきたが、国際競争力は低下傾向

進むICT化と遅れる競争力

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はじめに 【参考2.】 01

最近の総務省の資料では農業や社会インフラといった生活資源対策だけでも2025年までに累計20兆円の経済効果があるとされており、現在のICT産業規模が約90兆円である事から考えても、通常ビジネスでの効果を併せると計り知れない規模の効果がある。

出所:総務省ICT成長戦略会議2013.4.15.

ICT産業規模は90兆円にのぼり国内最大である。

この他にもICTの通常の生活やビジネスにおける効果は計り知れない。

ICTの経済効果

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はじめに 【参考3.】 01

新ICT戦略 デジタル・ニッポン2010

デジタル・ニッポン2011 絆バージョン

~復興、そして成長へ~

情報セキュリティ 対策

2010年 2011年 2012年

官僚の創作ではなく、業界各社のヒアリングをベースにした本格的なICT政策

具体的で経済成長を見据えた電子行政

東日本大震災、福島第一原発事故からの復興、災害対策

業界各社のヒアリングをベースにした実践的な復興ICT政策で復興と経済成長の両立

相次ぐサイバー攻撃、遠隔操作ウイルスへの対策

業界各社のヒアリングをベースにした現実的なサイバー政策で安全保障と経済成長を両立

自民党は野党として過ごした3年間、徹底的に産業界と議論してICT戦略を磨いてきた。復興やサイバーセキュリティが加わったものの、一貫して経済成長重視型であった。今回の提言はこの流れをくんでいる。

野党時代の自民党のICT戦略

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利活用していただくために 02

高齢化が進む現在、政府が目指す世界最高水準のICT利活用社会の実現には、高齢者が使えるICTである事が不可欠である。幸い、スマートフォンやタブレットPCのような非常に使いやすい端末が急速に普及し始めており、利活用の動機付けとして、使いたくなる内容、安さ、使いやすさ、安全性、を提供できれば、高齢者でも利活用可能となってきた。

出所:総務省「スマートフォン及びタブレットPCの利用に関する実態及び意向に関する調査研究H24」

タブレット端末で統合的に提供されるサービスの

高齢者の利用意向

高齢者の考える

タブレット端末の統合的な機能の有用さ

安さ

使いたくなる内容

使いやすさ

安全性

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利活用していただくために 02

ICT利活用に必要な情報リラテシー(情報利活用能力)に関して、高齢化や世代間ギャップ、離島をはじめとする地域間格差といった阻害要因が存在する。今回の提言では、これらの阻害要因に対して、国民の利活用に向けた動機付けを、供給側の全ての階層に渡って対策を立てている。具体的には、地域間格差に対しては通信基盤の整備やクラウド化による利用環境の整備。また、高齢化/世代間ギャップに対しては、使いやすく進化し普及しつつあるスマートフォンやタブレットの利用やオープンガバメント/マイガバメントによる使いやすさと使いたくなる内容の提供。さらに全体を通して安さの提供や安全性の確保等である。

通信基盤

情報システム基盤

端末(デバイス)

アプリ/プログラム

コンテンツ

地域間格差

高齢化/

世代間ギャップ

通信基盤の強靭化

クラウド化、インターネット化

端末の進化(スマートフォン、タブレット、スマートTV等)

国民中心の電子政府

(マイガバメント)

オープンガバメント 情報リテラシー教育

供給側の階層 利活用動機付けの対策(今回の提言) 情報リテラシーの阻害要因

基盤整備

使いたくなる内容

使いやすさ

動機付け領域

安さの提供

安全性の確保

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提言の基本的な考え方 03

ICTが未発達の頃、経済、生活・社会、行政といった国家の重要分野は各々バラバラに対策を進めていた。ICTが発達し、社会に浸透し始めると、これらが融合されていく。今回の提言では、「ICTインフラと利活用の2つの面で世界最高水準のICT社会を実現(ICT利活用の裾野拡大による世界最高水準のICT利活用社会の実現)」を目標に、産業再興・経済活性化への貢献(イノベーティブな社会へ)、国民の安心・安全への貢献(レジリエントな社会へ)、真の「行政改革」への貢献(国民視点に立った行政のデザインとITガバナンス)の3領域に付いて提言する。

経済分野

行政分野 生活・社会分野

ICTによる融合

産業再興・経済活性化への貢献

(イノベーティブな社会へ)

真の「行政改革」への貢献

国民の安心・安全への貢献 (レジリエントな社会へ)

経済分野

行政分野 生活・社会分野

【目標】 ICTインフラと利活用の2つの面で世界最高水準のICT社会を実現 (ICT利活用の裾野拡大による世界最高水準のICT利活用社会の実現)

ICTによる重要分野の融合と提言の領域

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提言の基本的な考え方 03

産業再興・経済活性化への貢献(イノベーティブな社会へ)

真の「行政改革」への貢献 (国民視点に立った行政のデザインとITガバナンス)

国民の安心・安全への貢献 (レジリエントな社会へ)

電子政府

国土強靭化

(リジリエント)

農林水産業

雇用(テレワーク)

サイバーセキュリティ

医療

電子政府 (G to C) (G to B)

電子政府 (G to C) (G to B) (G to G)

G to C : Government to Citizen 国民向け行政 G to B : Government to Business 産業界向け行政 G to G : Government to Government 自治体向け行政

提言の分野

今回の提言では、産業再興・経済活性化への貢献(イノベーティブな社会へ)、国民の安心・安全への貢献(レジリエントな社会へ)、真の「行政改革」への貢献(国民視点に立った行政のデザインとITガバナンス)の3領域に付いて、国土強靭化、サイバーセキュリティ、農林水産業、雇用(テレワーク)、医療、電子政府、の6分野に分けて提言する。

健康

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提言の構成 04

提言の構成

今回の提言では、国土強靭化、サイバーセキュリティ、農林水産業、雇用(テレワーク)、医療、電子政府、の6分野に分けて提言し、まとめとしての「全体版」を含めて7部構成となっている。

第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長

~コンクリートにICTを~

第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

第三部 ICTによる農林水産業振興

~農林水産業の成長産業化~

第四部 テレワークによる雇用拡大

~テレワークからスマートワークへ~

第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

新たなICT戦略に関する提言 デジタル・ニッポン2013 ~復興、そして成長へ~

全体版

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提言の構成 04

各分野の論点構成

国土強靭化、サイバーセキュリティ、農林水産業、雇用(テレワーク)、医療、電子政府、の6分野では、各々基本的な考え方を整理し、論点を構造化して提言している。

第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長

~コンクリートにICTを~

第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

第三部 ICTによる農林水産業振興

~農林水産業の成長産業化~

第四部 テレワークによる雇用拡大

~テレワークからスマートワークへ~

第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

ICTによる高度医療提供体制の構築 ICTによる在宅医療/介護の進化 ICTによる救急医療の進化 ICTによる遠隔医療の進化 ICTによる予防医療の進化

国民向け( G to C ) 産業界向け( G to B ) 自治体向け( G to G ) 行政効率化(個別) 行政共通・省庁連携 組織体制 推進力 予算 評価/監視

各々の論点を自律/協調/分散の3つの方向性で展開 東北の復興 重要インフラ全般の強靭化 道路インフラの強靭化

動的防御力強化 重要インフラ防護強化 技術開発/実装強化 人材育成/啓発強化 高度サイバーセキュリティ産業創出 組織整備 法整備

方向性1.見える化による攻めの農林水産業実現

経営管理の仕組みの提供

6次産業化への貢献

方向性2.ICT導入効果の底上げと拡大

利用者の拡大

効果の底上げ

適用領域の拡大 就労支援水準の向上

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提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~

05

論点1:東北の復興におけるICTを活用した国土強靭化

【自律(強靭なインフラ)の視点から】 東北の復興に際し、「再生可能エネルギーの地産地消」「持続可能性」「対災害性の向上」「土地力の回復・

向上」をコンセプトとしたスマートコミュニティをより積極的に推進し、それを全国規模に普及させるべき 被災地域のインフラメンテナンスの人材・技術不足を補うため、センサ、モバイル端末、カメラ等のICTを積

極的に活用すべき 【協調の視点から】 東北の社会インフラ再生に向け、センサ、モバイル端末、カメラ等のICTを用いてメンテナンス(点検・診断)

を行い各インフラの情報を公共インフラのビッグデータとして蓄積・解析し、行政、専門技術者、市民など産官学コミュニティ連携等でノウハウを集約しつつそれらの健全度を確保すべき

【分散の視点から】 東北の復興に際し、政府の強力なリーダーシップの下で、クラウド化・二重化等のICTを活用して都市機能

の分散化を推進し、それを他の地域にも普及させるべき

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提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~

論点1:東北の復興におけるICTを活用した国土強靭化 【抜粋 東北の社会インフラ再生】

甚大な被害を受けた東北・被災地域における社会インフラ(道路、公共施設等)の健全度を確保するためにICT(モバイル端末やセンサー、M2M技術等)を活用した点検調査データ等の収集、解析、診断を早期に実施する必要がある。活力あるまちづくりに向け、地域住民の雇用確保や住民参画型のしくみにも配慮が必要。

ビッグデータ (時間・空間・立場を越えた

データ活用) 放送による

パラメータ配信

センサー情報処理 基盤

地域コミュニティー連携

大量データの 高速処理

インテリジェント ネットワークによる

情報配信 研究者・専門技術者連携

行政サポート

人間-機械連携

■小型センサーによる建物強度診断

■小型センサーによる橋梁強度の診断

■カメラを用いた道路情報収集と解析

■モバイル端末による現地調査

05

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提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~

論点2:重要インフラ全般の強靭化

【自律(強靭なインフラ)の視点から】 情報通信インフラの強靭化をさらに進め、ブロードバンド環境の世界最高水準を維持

各重要インフラの状態を監視し予防保全に役立てるために、センサー等のICTを積極的に導入すべき 【分散の視点から】 防災及び地域経済活性化の観点から政府の強力なリーダーシップの下で、クラウド化・二重化等のICTを活

用して仮想的に都市機能の分散化を推進すべき 【協調の視点から】 各重要インフラの状態を監視し予防保全に役立てるために、センサー等のICTを積極的に導入し、それらの

共同利用やビッグデータ/オープンデータ分析のための全国的なネットワーク網を整備すべき ICTを用いて重要インフラの相互依存性を分析し、災害やテロ等に対して分野横断型で対応可能な米国並

みの「重要インフラ防護センター(仮称)」を設立すべき

05

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提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~

論点3:道路インフラの強靭化

【自律(強靭なインフラ)の視点から】 点検・モニタリング、データ管理、設計・計画、補修工事といった維持管理サイクルの各々に、センサやカメラ

による監視等の最先端ICTを、適用可能なものから全国の現場に積極導入すべき。同時に関連する最先端ICTの研究開発/実証を積極的に進めるべき。

インフラ維持・管理への全国的な最先端ICTの導入により、現場の予算/人材不足へ対処する「スマートインフラメンイナンス」化を進め、地域のICT産業を巻き込んでセンサー等ビッグデータ解析の専門家の育成や高度インフラメンテナンス産業を創出するべき

【協調の視点から】 インフラメンテナンスにおけるデータ管理・計画立案のために関連する資産の管理を地図情報や空間情報等

のICTを用いて一元管理すべき 世界最高水準のITS(高度道路交通システム)実現に資する観点からも、渋滞緩和、災害時の迂廻路確保

、緊急車両の通行可能ルート作成等のために、重要な道路網に対して、モニタリングや交通シミュレーションを導入すべき

インフラメンテナンスのノウハウ集約化による品質の維持・向上と高度インフラメンテナンス産業を創出するために、資格制度や協議会等の設立と同時に、全国の現場をネットワーク網でつないだスマートインフラメンテナンスセンター(仮称)を、国土交通省を中心に関係省庁が協力して設置すべき

05

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提言 第一部 ICTによる国土強靭化と経済成長 ~コンクリートにICTを~

論点3:道路インフラの強靭化 【抜粋 「スマートインフラメンテナンス」化への方向性】

道路インフラのメンテナンスでも、我が国らしいICTの全面活用で、自律から協調へ向かう「スマートインフラメンテナンス」化で、高度なメンテナンス産業が創出され、強靭化と共に地域を中心に経済成長が期待できる。

②地方ICT企業による情報活用事業の創出

③ノウハウ集約化による品質維持・向上(高度メンテ産業創出)

協議会等

国家資格制度

①ICTの全面活用と知識の共有化

協調

自律した現場の拡大

自律

スマートインフラメンテナンスセンター

05

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

【抜粋 サイバーセキュリティ対策に関する基本的な考え方】

広範なサイバーセキュリティ政策分野に関して、政策目標実現のため、動的防御力強化、重要インフラ防護強化、技術開発/実装強化、人材育成/啓発強化、高度サイバーセキュリティ産業創出、組織整備、法整備の7つの論点で提言

高い耐性

動的な防御

統合化

ツール ベース

事後対応 現状

新規

補強

防衛省

警察庁

○○省 全省庁横断

②重要インフラ 防護強化

多層防御実装 (各社セキュリティ基盤)

④人材育成/啓発強化

雇用

⑤高度情報セキュ リティ産業創出

安全性享受 利便性享受

①動的防御力強化

⑥組織整備(NISCの権限強化等々)

⑦法整備(有事法制、秘密保護法制、電気通信事業法、公務員関連諸法、個人情報保護法等々)

③技術開発 /実装強化

耐災害性享受

サイバー犯罪対策強化

セプター

公 産 国民

サイバーセキュリティ政策の全体像

05

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点1:動的防御力強化 対象機関の全体にわたり、未知の攻撃に対してもリアルタイムに防御することのできる統一サイバーセキュリティシステムとしての多層防御による「動的防御システム」を開発・導入すること。来年度から設計を開始し、再来年度以降に構築、運用を開始すること。

特に、防衛省、警察庁、海上保安庁等直接的に国家安全保障に関わる国家機関に対して、米国防総省並みのサイバー攻撃に対する動的防御力を実現すること。

多層防御による統一的セキュリティシステム構造を備えた高い防御力を持つバックアップシステムの導入を行うこと。

安保の枠組みを活用して米国とのサイバーセキュリティ対策の連携を実戦的に強化すること。 ネットワーク監視センターの拡充などにより、監視機能を抜本的に強化すること。 来年度から再来年度にかけて対象機関の全端末、サーバ、複合機等の機器に対してセキュリティポリシーを実装し、再来年度以降それらの全てに関して運用監視センター(SOC)での監視を実施する。独自のSOCが望ましいが、場合によっては、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の運用監視センター(GSOC)を活用してもよい。

数万人規模のサイバー部隊を有している国などへ適切に対処するため、サイバーセキュリティに関する高度な知見を有する者を数万人規模で補充し、抜本的に強化すること。その際、求める人材像を明確にし、セキュリティコンテストの優秀者や産業界で活躍している者も積極的に採用すること。

情報システム関連調達品の安全性を担保するため、調達段階において検査する仕組みを構築すること。 サイバー攻撃を受けた際に反撃できる能力を確保するための制度設計、技術開発に取り組むこと。 以上の実現により、数千人規模のSOC要員の雇用と、最先端サイバーセキュリティ技術の育成を図る。要員の雇用には、十分にセキュリティを考慮した上で、積極的に民間採用を行う。

05

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長~サイバー空間の国家安全保障~

論点1:動的防御力強化(続き) 【抜粋 動的多層防御による高度なセキュリティインフラの構築】

サイバー攻撃の脅威は既に国境を越え、世界の技術レベルは日進月歩をとげているが、我が国のレベルはそれに遠く及ばない。至急、先進国の優れた技術を導入する一方、安全保障の観点から日本の実情に応じたナショナルセキュリティの大胆な強化が必要。

短期的実現対策

中期的実現対策

セキュリティレベル

動的多層防御

【事後対応】 (日本の多くのレベル) 最低限のツールのみで主に手作業で発生後にとる対応 【ツールベース】(日本のレベル) 断片的にツール導入し、外部コンプライアンスとの適合はとれている 【統合化、動的な防御】(米国防総省の現在) ツールが入り口だけでなく出口も含めた情

報システム全面に展開されている 統合的なアーキテクチャに基づいた多層防

御の統一セキュリティシステムが導入されている

高度な予測機能がある サイバー攻撃を受けても即時に検知しログ

解析で分析と対応ができる 【高い耐性】(米国防総省の数年後) 高度な予測機能 各種攻撃を受けていても通常の運用

米国防総省

日本

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点2:重要インフラ防護強化

NISCを中心とするCIP関連機関(重要インフラ10分野の各セプター※を含む)を国家安全保障上の重要な機関として格上げする。将来的には米国土安全保障省のような省庁横断で強制力を持つ組織とし、その際、対象分野の拡大を検討すること。(組織整備として後述)

重要インフラ10分野の米国並みの拡大を検討すること。 各セプター(分野)に共通な情報共有基盤を再来年度までに構築すること。 重要インフラ分野において有事の相互依存分析機能を、再来年度までに構築すること。 米国家安全保障省のような機能を有する重要インフラ防護センター(仮称)の設立を目指すこと。

※セプター(CEPTOAR) IT障害に対する対策向上のための情報共有・分析機能の呼称で、「Capability for Engineering of Protection, Technical Operation, Analysis and Response」の 頭文字 を採って命名されたもの。内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)のIT戦略本部の下に設置された「情報セキュリティ政策会議」において、「重要インフラ

の情報セキュリティ対策に係る行動計画」が決定され、その中で重要インフラ分野ごとにセプターを整備することになった(2005年12月13日)。

05

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点2:重要インフラ防護強化 【抜粋 重要インフラ防護センター(仮称)のイメージ】

重要インフラの強靭化を実現するためには、災害、事故、テロ、サイバー犯罪等のマルチインシデントに対応した(1)意思決定支援情報の整備、(2)情報の分析・評価機能の強化、(3)分野横断的な情報伝達や指揮・統制を行う「重要インフラ防護センター(仮称)」が必要。

事案対処省庁

サイバーセキュリティ関連省庁

重要インフラ分野 (各構成企業・組織等)

金融

医療

自治体

電力

ガス

水道

鉄道

航空

物流

情報通信

警察庁

防衛省

消防庁

海保庁

重要インフラ防護センター(仮称) ※米国国土安全保障省(DHS)と同等機能

インフラ情報 (BCP/設計/メンテ等)

助言・指導等

平時

障害発生情報

復旧手法等

緊急時

日本版NSC※2

監督省庁

総務省

金融庁

経産省

国交省

厚労省

インテリジェンス情報の共有・分析

事故・障害の共有・分析・評価

BCP整合性・相互作用の評価・分析

災害対策・復旧作業の統制・指揮

設計・メンテ情報の分析・評価 関連情報

関連情報

関連情報

関連情報

分析・評価結果 復旧手法等

関連情報 意思決定 ・指示等

評価・分析官の育成

インフラ情報 (BCP/設計/メンテ等)

障害発生情報

防衛省

総務省

経産省

警察庁

NISC※1

※1:NISC(内閣官房情報セキュリティセンター) ※2:日本版NSC(国家安全保障会議)

協調

自律

分散

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点3:技術開発/実装強化

サイバーセキュリティ先進国の技術を積極的に導入し、その習得を行う事。但し、国産技術の育成に考慮すべき。

サイバーセキュリティ研究開発を国家安全保障、経済成長戦略及び科学技術政策における重要課題として位置づけ、重要な領域での日本の実情に応じた国産技術育成を図ること。

特に、国家安全保障に直接関わる防衛省、警察庁、海上保安庁等において、世界最高水準のサイバーセキュリティ技術を育成し、その中で特定の対象技術に関しては官での調達を前提とした技術開発を行い、国産技術の育成を強力に推進すること。

情報セキュリティ研究開発戦略(平成23年7月情報セキュリティ政策会議)を推進するため、研究開発予算を大幅に拡充すること。

特に、情報システム内のデータ保護を強化するための技術、クラウドコンピューティングのセキュリティ技術、スマートフォンのセキュリティ技術、サイバー攻撃の解析・追跡技術、情報システム機器の検疫技術など、サイバーセキュリティ確保の上で重要となる技術開発を強力に推進すること。

世界レベルの研究開発を加速するため、産官学それぞれの研究者・技術者・組織が組織の壁を越えて結集する最先端のサイバーセキュリティ研究開発拠点及びサイバーセキュリティに関する脆弱性・安全性評価に関する専門家集団が結集するサイバーセキュリティ評価拠点を形成し高度サイバーセキュリティ産業の創出に寄与すること。これらの拠点の整備・運用のため、1000億円の取り崩し型基金を設置すること。

IT融合産業創出をはじめとしてITを利用するすべての研究開発領域においてサイバーセキュリティに配慮したIT投資・研究開発を行うこと。これを確保するため、内閣官房は総合科学技術会議と連携した確認を行うこと。

官から民への技術移転により、国全体のセキュリティ技術水準を高める施策を講ずること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点4:人材育成/啓発強化

(1)大学・大学院教育の充実 専門分野でグローバルに活躍できる人材、技術的基盤を有してサイバーセキュリティだけでなくリスク・マネジメント及びリスク評価もできる人材を育成するため、大学・大学院では、サイバーセキュリティに関する基礎知識を徹底的に教え、産学連携による実践的な教育を実施すること。

マネジメントとサイバーセキュリティ技術の知見を融合できる人材を育成するため、経済学、経営学等と数理科学、情報学、ソフトウェア科学、電子通信工学等の両面に関する理論と実務教育のバランスに配慮した体系的なカリキュラムを確立すること。

社会人が最先端の理論と実務を体系的に学べるよう、社会人学生の履修も想定したカリキュラムを確立すること。

サイバーセキュリティ人材に求められる知識を体系的に学べるカリキュラムを修めた人材に対しては、サイバーセキュリティ技術経営等の新しい学位を授与すること。

サイバーセキュリティ人材に求められる知識を体系的に学べるカリキュラムを設けている大学・大学院に対しては、当該カリキュラムを一層充実させるため、重点的に運営費交付金等を交付すること。

サイバーセキュリティ対策を習得するためには、実践的な訓練が必要であるため、産学連携により、模擬訓練ができる環境を設置すること。

(2)初等中等教育の改革 初等中等教育における全教員及び全管理職を対象としたサイバーセキュリティ研修等を実施し、初等中等教育におけるサイバーセキュリティ教育の質を抜本的に向上すること。

初等中等教育においてサイバーセキュリティが適切に教育されているか定期的に確認すること。 高等学校の必履修科目である「情報」を大学入試センター試験の出題科目とすること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点4:人材育成/啓発強化(続き)

(3)産官学の人材が交流する回転ドア型キャリアパスと魅力的な資格制度の実現 米国防総省指令8570等を参考に既存の資格制度を見直し、セキュリティに関心のある若者の目標になるような日本独自のステータスのある世界最先端のサイバーセキュリティに関する資格制度を設け、これを産官学共に資格取得の推進を行うこと。

特に、上記資格保有者に関しては、国家機関が運用監視センター(SOC)を中心に、積極的に採用すること。

資格制度として段階的にステップアップしつつ合格後も質を維持する仕組みを構築すること。 有資格者の優遇制度として、有資格者数の多い企業をセキュリティシステム調達時に優遇する事を検討すること。

資格制度の海外(アジア圏)展開で日本のプレゼンスを向上させ諸外国との人材交流・海外進出による更なる雇用創出を目指すこと。

サイバーセキュリティに関する最先端の情報が集約される行政機関・研究開発機関、最先端の実践的な経験ができる監視サービス・サイバーセキュリティ企業等を相互に経験できるキャリアパスの形成を行うこと。

内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)、独立行政法人情報処理推進機構、独立行政法人情報通信研究機構等にサイバーセキュリティに関する高度人材を集め、高度サイバーセキュリティ人材育成のセンター機能を実現すること。

NISC等においては、特定任期付職員等の制度を活用し、高度な専門性を有するサイバーセキュリティ人材を活用すること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点4:人材育成/啓発強化(続き)

(4)グローバル人材及びカリスマ人材の発掘・育成 サイバーセキュリティの分野で世界的に通用し、国際的な議論をリードできる人材を育成すること。 サイバーセキュリティキャンプやセキュリティコンテスト等の取り組みにより、セキュリティ分析、侵入検査、脆弱性の発見などに長けたカリスマ的な人材を発掘し、育成すること。

政府主催のハッカーコンテストを実施し十分に魅力的な表彰をするとともに、コンテストの優秀者について政府で積極的に登用すること。

(5)サイバーレンジの創設 米国ではサイバー戦士の育成や重要インフラ産業のシステム要員に対してサイバーレンジと呼ばれる演習装置を使用した訓練が盛んに行われている。我が国ではそうした訓練環境が十分でなく、座学中心の教育であるため、早急に、民間を巻き込んだサイバーレンジを創設すべきである。

(6)国民各界各層に対する普及啓発 サイバーセキュリティ上のリスクは、被害者となる恐れがあることはもちろんのこと、不正なプログラムに感染することで意図せずに加害者になってしまうこともある。サイバーセキュリティに係る取組を、一般常識、マナー、あるいは社会的習慣として広く国民全体に定着させるため、細やかな普及啓発活動を行うこと。

(7)経営者層の意識改革 サイバーセキュリティ対策は、経営の根幹にかかわる重要な問題であるが、経営層マターではないという認識が大半である。サイバーセキュリティ対策の重要性、サイバーセキュリティ人材の育成・確保の重要性等について、政府関係機関から経営者層へ直接訴えかけるなどにより、経営者層の意識改革を促すこと。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点5:高度サイバーセキュリティ産業創出

(1)政策目標 世界最高水準のサイバーセキュリティ産業を育成し、起業の促進と新たに10万人の雇用創出を目指すこと。 (2)調達におけるサイバーセキュリティの考慮 新たなサイバーセキュリティ技術の開発促進及び国家安全保障等の観点から、政府は分野を定めて国産の新技術を率先して導入すること。併せて日本のベンチャー企業からも積極的に調達すること。

各府省庁等は調達段階において調達品の安全性を確認する仕組みを構築すること。 各府省庁等はサイバーセキュリティに配慮した調達を行うため、サイバーセキュリティに配慮した調達計画を作成すること。調達の制度化は別途実施すること。

防衛産業や政府の重要な情報を扱う企業等においては、国のサイバーセキュリティ対策と同程度の対策が講じられるよう、契約段階から必要なサイバーセキュリティ特約等を課すこと。調達時のサイバーセキュリティの法制化を別途検討すること。

(3)産業育成への考慮 各省庁等から送信される電子メール等には全て電子署名を導入し、安全性の確保と電子署名事業の普及・拡大を図ること。

内閣官房は、各府省庁等の情報システム関連予算について、サイバーセキュリティに配慮された要求及び執行となっているか監視すること。このため、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の増員と専門チームの設置を行うこと。

標的型攻撃(不審)メールに対する訓練等様々なセキュリティ対策訓練を積極的に実施し、それを提供する事業の育成・発展を支援すること。

(4)標準化/ガイドラインに関して グローバル市場の獲得に向け、日本発の国際標準を大幅に拡大すること。そのための予算、要員を確保すること。 スマートフォンのセキュリティ確保に関するガイドラインを策定すること。 クラウドコンピューティングのセキュリティ確保に関するガイドラインを策定すること。 サイバーセキュリティ対策を実効あるものとするため、クラウド事業者等の情報サービス企業においてはサイバーセキュリティに関する資格保有者を必ず置くことの義務化を検討すること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点6:組織整備

【視野に入れるべき方向性】 サイバーセキュリティ庁(仮称)の創設 米DHSのように強制力を持つ省庁横断組織へ 数千~1万人規模 米国立標準技術研究所(NIST)並みの実装レベル基準策定の能力を保持するための強化 国際連携のさらなる強化 【当面の対策】 (1)サイバーセキュリティ政策調整役としての官房副長官機能の新設 国家安全保障、産業政策、外交等多岐にわたるサイバーセキュリティに関する政策を関連省庁間で調整する政策調整役としての官房副長官(政務)を新設すること。

当該官房副長官には、20~30名の専門スタッフを付すること。 (2)政府CISO等 政府としてセキュリティ関連情報を集約し、一元的に対処するため、政府CISO (Chief Information Security

Officer)を設置し、法的根拠を持たせること。 政府部内で攻撃発覚後に迅速かつ適切な対応を講じるため、政府部内のサイバーセキュリティ専門家、サイバーセキュリティ担当者を組織化し、組織的な「新しい官民連携モデル」の確立を目指すこと。

対象とする重要インフラ10分野について見直し、拡大を検討する事

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点6:組織整備 (【当面の対策】続き)

(3)内閣官房情報セキュリティ関係機関の機能強化 サイバー攻撃に対し確実かつ速やかな対応を可能とするため、内閣官房の組織を強化すること。 組織強化と共に、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)の権限を大幅に強化すること。 (4)政府の情報システムに係るセキュリティの抜本的強化 現在、各府省庁が独自に構築し、調達しているインターネットへの接続環境を抜本的に見直し、接続点を少数のゲートウェイに絞り込み、緊急時(有事)の代替ネットワーク環境を整備する等セキュリティの強化を図ること。

政府機関情報システムの24時間監視を行っているGSOCについて、新たな脅威に対応するため、機能を大幅に拡充するとともに、監視対象を「goドメイン」全体にまで拡大すること。

特に、政府管轄下の全ての情報機器(端末、サーバ、複合機等)をGSOCと連携した個別省庁のSOCにて監視できる体制を再来年度までに構築すること。その際、個別省庁のSOCが現実的に構築できない場合はGSOCの監視下におくこと。そのため、GSOCの予算と要員を大幅に増強すること。

(5)国家公務員試験の改革 国家公務員試験においてサイバーセキュリティに関する問題を出題し、サイバーセキュリティに関する知見を備えている者を採用すること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点7:法整備

(1)有事法制の補強 国家機関及び、軍事関連企業に対するサイバー攻撃に関して、「有事」である事の定義を行うこと。既に米国は、平成23年に第5の戦場と定義している。

(2)秘密保護法制の整備 政府が持つ情報(文書とデジタル情報の全て)を厳格にクラス分けし、適正に運用するための「秘密保護法制」を整備すること。

将来的には、この「秘密保護法制」を基にサイバーセキュリティに関する技術開発や調達を行うべく関連法制、ガイドラインを整備すること

(3)国家戦略の補強修正 平成22年情報セキュリティ政策会議決定された「国民を守る情報セキュリティ戦略」に関して足下の状況を考慮して新たに次の3点を補強すること

サイバーセキュリティを国家安全保障上の重要問題として明確に位置づけること。 2020年までに世界最高水準のサイバーセキュリティ技術保有国となる、という目標を今後5年以内と前倒しすること

サイバーセキュリティを経済成長に結びつけるために、高度サイバーセキュリティ産業を創出して10万人の新規雇用増を目標とすること。

毎年度の年度計画策定に際しては、上記を考慮した現実的な計画とすること。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点7:法整備(続き)

(4)政府統一基準の補強 内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)のガイドライン遵守を個別省庁の自主性に委ねるのではなく、米国連邦情報セキュリティマネジメント法(FISMA)のように強制力を持たせる法整備を行うこと。

政府調達に際しての統一的なサイバーセキュリティのガイドラインを強化し、その遵守に強制力を持たせるべく法制化すること。特に米国における中国製通信機器等に対する調達規制を勘案しつつ、我が国における調達のあり方に関して本格的な議論を始めH25年度内に対策を実施すること。

NISCの各種ガイドラインを遵守しているかどうかについて毎年国会での報告義務をもたせること。 現在NISCがコーディネートしている重要インフラ防護をより強化するために必要な、日本版の「国家インフラ保護計画」を策定し、関係省庁や、産業界の関与に強制力を持たせる法整備をおこなうこと。

NISCの制定する各種基準/ガイドラインをより、高度化、精緻化し、米国立標準技術研究所のようなレベルに達するために、NISCの増強、必要な標準技術機関の創設を検討すること。

(5)関係機関の増強に関する法整備 NISC、防衛省、警察庁、海上保安庁など特別にサイバーセキュリティ施策を強化する機関に対して、その組織整備や予算獲得が優先的に行われるべく必要な法整備を検討すること

(6)情報窃盗罪(仮称)の創設 いわゆる情報横領、情報窃盗に関する処罰のあり方について、政府全体としての論点の整理・検討を行うこと。

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提言 第二部 サイバーセキュリティと経済成長 ~サイバー空間の国家安全保障~

論点7:法整備(続き)

(7)サイバーセキュリティ導入と遵守の法制化 サイバーセキュリティ導入とその遵守に関して、公務員関連諸法、会社法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法などの全般でどのように法制化すべきかを検討すること。

(8)通信事業者におけるサイバーセキュリティ対策 不正な通信である蓋然性が高い場合、通信事業者から利用者に対して不正な通信である蓋然性が高いことを注意喚起できるよう、所要の規則・ガイドラインを策定すること。

不正な通信が実施された蓋然性が高い場合、国の行政機関が通信事業者に対して通信内容の開示を請求できるよう、所要の規則・ガイドラインを策定すること。

(9)インターネットサービスプロバイダにおけるサイバーセキュリティ対策 インターネット利用者の身近な存在であるインターネットサービスプロバイダからその利用者に対し、サイバーセキュリティ対策の必要性及び対策の実施を定期的に呼びかけるよう、所要の規則・ガイドラインを策定すること。

インターネットサービスプロバイダがその利用者に対し、標的型攻撃(不審)メールに関する訓練を適切に実施するよう所要の規則・ガイドラインを策定すること。

インターネットサービスプロバイダのサイバーセキュリティサービスの強化を図るため、所要の規則・ガイドラインを策定すること。併せて、高度サイバーセキュリティ認定サービスプロバイダ等の指定を検討すること。

(10)税制優遇 サイバーセキュリティ投資を促進するため、サイバーセキュリティ投資に対する税制優遇を抜本的に拡充すること。

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

方向性1.見える化による攻めの農林水産業実現

論点1.経営管理の仕組みの提供

【小規模が活用できる仕組み】 小規模な事業者では経営管理のためのマネジメントシステムに対して投資余力が無く、導入効果も多くは期

待できない事から、農業生産法人、農協、加工、卸、小売り等が集約化システムを導入して、小規模事業者に対して「見える化」の仕組みを提供すべきである。そのために必要なICTとしての集約化/情報提供マネジメントシステムの導入を実証事業の拡大や補助金制度等で積極的に推進すべき。

【大規模を管理する仕組み】 マネジメントシステムに対する投資余力があり、大きな導入効果を期待できる大規模事業者には、管理区画

単位(圃場/作付け)毎に、勘に頼らない科学的な営農を実現できるICTの導入を実証事業の拡大や補助金制度等で積極的に推進すべき。さらにそれらのノウハウの海外輸出を目指すべき。

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

方向性1.見える化による攻めの農林水産業実現

論点2.6次産業化への貢献

【バリューチェーンの短縮】 近年はスマートフォン等のモバイル端末と、Facebook等のソーシャルネットワーク(SNS)の普及により、産地

直送モデルが更に身近な存在になってきた。これらのインフラを活用して、よりきめ細かいコンテンツの搭載やトレーサビリティの確保が可能になり、バリューチェーンが短縮される。実証事業のさらなる拡大、導入に対する補助等の支援策を強化して、バリュチェーン短縮へのICT導入を積極的に推進すべき。

【バリューチェーン展開】 6次化を展開する際、これまでのようにバラバラなICT導入による個別最適化では通用せず、また、食品加

工・卸・小売り・外食等の生産者の川下を巻き込むためには、定時・定量・定品質・定価格といった4定が必須であり、その実現には、ICTの進化を取り入れて、グローバルな消費者まで含めたバリューチェーン全体を情報連携し、高付加価値化、ブランド農林水産物育成と輸出拡大をする必要がある。そのために必要な標準化、オープンデータの仕組み構築、情報分析の専門家の組織的育成、参入機会拡大等と共に、実証事業の拡大や補助金、特区制度の活用等により、バリューチェーン展開のためのICT導入を推進すべき。 標準化:バリューチェーンで流通するデータの標準化 オープンデータ化:農林水産業に関するデータの公開・二次利用を促進する仕組み作り 分析専門家育成:蓄積された情報を分析するスキルを持つ専門家の組織的育成 参入機会拡大:

事業者参入に関する規制緩和、設立に対する支援や補助 クラウド事業者の基幹システム構築事業への支援

実証事業拡大、補助金、特区制度の活用

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

方向性1.見える化による攻めの農林水産業実現

論点2.6次産業化への貢献(続き)

【各種標準化(コード統一)のイメージ】 帳票(トレーサビリティ/ 出荷伝票/ 有機認証等)、作物名・作業名等の標準化、肥料のDB化

ICT化を効率化し導入コストを低減するために、内容がほぼ同じでも様式が異なるさまざまな帳票を、標準化・統一化

経営力強化・指導には農業版経営指標(作物毎作業時間、作業別効率)の蓄積データを比較・分析して、ビッグデータとしての活用するため、作業名称・作物名・作型名等を統一

肥料に関する国(FAMIC)の情報を農薬と同様に一元管理されたデータベース化し、各生産者レベルでの入力を不要とする

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

論点2.6次産業化への貢献(続き) 【抜粋 バリューチェーン展開】

6次化を展開する際、これまでのようにバラバラなICT導入による個別最適化では通用せず、また、食品加工・卸・小売り・外食等の生産者の川下を巻き込むためには、定時・定量・定品質・定価格といった4定が必須であり、その実現には、ICTの進化を取り入れて、グローバルな消費者まで含めたバリューチェーン全体を情報連携し、高付加価値化、ブランド農林水産物育成と輸出拡大をする必要がある。そのために必要な標準化、オープンデータの仕組み構築、情報分析の専門家の組織的育成、参入機会拡大等と共に、実証事業の拡大や補助金、特区制度の活用等により、バリューチェーン展開のためのICT導入を推進すべき。

新たなバリューチェーン展開

ソーシャルネットワーク

消費者

小売り・外食 卸・物流 生産者・産地

クラウド

情報連携基盤

加工 農協

クラウド情報連携基盤を支えるICTの例 クラウド基盤 ビッグデータ オープンデータ連携 ソーシャルネットワーク

物流タグ/温度センサータグ モバイル端末 国際トレーサビリティ Etc.

定時・定量・定品質・定価格の確保

【6次産業化で期待される効果】 計画的な生産・調達で機会損失と廃棄ロスを削減

消費者ニーズにあった競争力ある生産/ブランド化。高付加価値化及び差別化戦略の推進

様々な情報(ビッグデータ)を収集し分析する事で新事業の創出促進

国内外の食の安心・安全の要求に応える。「日本の食文化」を海外に広める

「生産・流通・販売」関連の中小事業者が簡単に、少ない投資で利用可能

05

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

方向性2.ICT導入効果の底上げと拡大

論点3.利用者の拡大

【ITリテラシーの教育/導入の啓発】 農林水産業就業者のITリテラシーを高め、ICT導入を拡大して収益性向上やブランド競争力向上をするた

めには、農林水産業側とICT側で各々積極的な拡大/充実策が必要となる。農林水産業事業者側に対しては、教育の仕組みの拡大、農協、農業生産法人、企業等の参入機会の拡大、教育カリキュラム充実等に対する取組の支援強化、ICT側に対しては、教育機関(農業高校、農業大学校等)への支援拡大に対する援助、教育ビジネス立上げ支援、教育コンテンツ充実への支援等を強化すべき。また、教育を受ける側に対する補助も強化すべき。

【使いやすさの向上】 使いやすさの向上には、先ず提供する機能自体が使う側に合わせる必要があり、さらに直観的で簡単な操

作や便利なデバイスによる操作性の向上が求められる。使いやすさは、ICT側が勝手に思い込んで決めるのではなく、現場での実証を通して向上させるべきである。このようなICT側の企業努力に対して、実証事業の拡大、補助金等で支援を強化すべき。

【導入コストの低減】 導入コスト低減のために、ICT企業のコスト削減努力のみに頼るのは限界があり、特に小規模事業者には

重い負担となることから、農業生産法人、農協、加工、卸、小売り等による集約化による「小規模が活用できる仕組み」を導入し、大規模事業者とともに、バリューチェーン展開することで単位当たりのコスト低減をするのが現実的である。つまり、利用者の拡大により、ICTコストが低減する。また、利用者に対する月額利用料等の利用コストに対して補助金などを通して利用者側を支援すべき。

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提言 第三部 ICTによる農林水産業振興 ~農林水産業の成長産業化~

方向性2.ICT導入効果の底上げと拡大

論点4.効果の底上げ

【生産性拡大】 ICTによる生産性拡大には、経営、生産、品質、物流、顧客の5つの「見える化」が必須である。既に多くの

実証事業で効果が証明されており、今後も実証事業を拡大して実績を積み上げるべきである。また、これらを広く普及させるには、組織的に各種標準化を進める必要がある。国策として生産性拡大を進めている諸外国を参考に、実証や標準化、導入に対して特区制度や補助金を活用して思い切った支援をすべき。

【消費者の安心・安全確保】 消費者の安心・安全の確保には、生産性拡大に必要な5つの見える化(経営/生産/品質/物流/顧客)

に加えて、トレーサビリティを確保する事が必要で、これにより、農林水産物のブランド化や競争力向上が可能となる。トレーサビリティに関する対象の拡大、必要な標準化の推進、実証事業拡大による実績の積み上げ、等を積極的に推進すべき。

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提言 第四部 テレワークによる雇用拡大 ~テレワークからスマートワークへ~

論点1.適用領域の拡大

論点1-1.テレワーク全体としての普及/啓発活動の強化 ①社会全体のICT化の推進 テレワーカー比率とICT競争力の相関関係を考えると、テレワークの推進にはICT政策を積極的に見直して

社会全体のICT化を推進すべき。 ②政府・自治体から率先してテレワーク導入 米国の事例を参考に、我が国もテレワーク推進に関して、先ず政府機関から率先して導入し、日本版「テレワ

ーク強化法」を制定すべき。 ③環境変化に伴うワークスタイルの変化を支援 働く環境は時代と共に変化しており、大企業を中心にワークスタイルの変革は始まっている。その点、中小企

業はまだこれからの状況であり、既存のテレワーク支援策の強化で、これらの動きを支援すべき。 ④公的なスマートワークインフラの構築 韓国のスマートワーク推進を参考に、我が国も公的なスマートワークインフラを構築すべき。 公的なスマートワークインフラの例として、学校施設を活用した公共スマートワークセンターの整備を検討すべ

き。

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提言 第四部 テレワークによる雇用拡大 ~新たなワークスタイルの浸透~

論点1.適用領域の拡大(続き)

論点1-2.職種毎の開拓/普及/啓発活動の強化 ①職種毎の実証、導入事例、の積み上げと普及/啓発活動 国内では既に、10年前からバーチャル(仮想的な)コールセンターでの「在宅オペレータ」が実現され、物理的

なコールセンターと同等の満足度を得ている。初期投資やノウハウが必要だが、このような既存職種のテレワーク化の実証、導入事例を積み上げて政策的に支援すべき。

医師国家試験合格者の3割が女性であるにも関わらず、出産・育児に伴う休職・離職後の復職の支援は大きな課題となっていることから、中核医療機関に休職医師の復職支援システムを導入すれば、かなりの支援になる。このような専門知識を持つ既存職種の復職支援にもテレワーク化の実証、導入事例を積み上げて政策的に支援すべき。

②新たな職種での適用拡大とそれに必要な規制緩和 総務省の「特定保健指導分野テレワークシステムモデル実験」では、管理栄養士のテレワークが実証された。

このように新たなテレワーク職種を開拓する実証を拡大し、必要な場合、規制緩和を行って、全国展開し、さらなる普及/啓発活動を強化すべき

③業界団体を巻き込んで職種毎の普及/啓発を強化 これまでのテレワーク推進は、供給者側でもあるICT業界と需要者側として意識の高い企業を中心に進めら

れてきた。既にテレワークに必要なICTの要素技術は整っている事から、業界団体毎に具体的な職種毎のテレワーク化を推進する方向へ重点を移すべき

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提言 第四部 テレワークによる雇用拡大 ~新たなワークスタイルの浸透~

論点2.ハローワークの「雇用クラウド」化

政府は長年雇用行政に取り組んできたが、経済成長にはさらなる機能強化が必要であることから、最新の

ICTを活用して、求職者が「場所」にとらわれず、行政/NPO/学校が働く事へ共に助走し、行政が就労まで長期サポートしてマッチング機能を強化(就労支援水準向上)できるようにハローワークの「雇用クラウド」化の検討を開始すべき。

ハローワークの「雇用クラウド」化について、求職者自身の意向を尊重しながら、個人情報保護とサイバーセキュリティに配慮しながら推進することを検討。

求められる「能力」と個人の「スキル」の最適なマッチングを行って就労支援水準を向上させるために、個人情報保護とサイバーセキュリティに十分配慮しながら個人の生涯キャリアを長期にわたって蓄積してビッグデータ化し、キャリアコンサルタントの支援能力向上をはかる機能を実現すべき

ハローワーク以外の場所で求人検索、キャリア相談、職業能力開発のための教育受講で、職業能力開発と人材交流の活性化を実現すべき。

職能開発では、従来型スクール形式を拡充するとともに、インターネットによる教育(eラーニング)をさらに積極的に導入すべき。

「マイガバメント」(後述)との連携を実現すべき

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提言 第四部 テレワークによる雇用拡大 ~新たなワークスタイルの浸透~

論点2.ハローワークの「雇用クラウド」化(続き) 【抜粋 ハローワークの雇用クラウド化】

政府は長年雇用行政に取り組んできたが、経済成長にはさらなる機能強化が必要であることから、最新のICTを活用して、求職者が「場所」にとらわれず、行政/NPO/学校が働く事へ共に助走し、行政が就労まで長期サポートしてマッチング機能を強化(就労支援水準向上)できるようにハローワークの「雇用クラウド」化の検討を開始すべき。

企業

雇用クラウド(求職者を「場所」から開放)

学校

マッチング強化(就労支援水準向上)

「働く」ことへ共に助走 就労までの長期サポート

個人

支援履歴や就業履歴などの個人のキャリアを保存(ジョブカード電子化も)

必要に応じて適宜ネットワーク連携

・相談履歴の長期/広域管理 ・職能形成個人別プログラムと実績管理 ・就労後も含めた相談体制 ・個人の職業キャリアの長期記録

・早い段階からの職業教育 ・支援が必要な対象者情報を学校 と支援者で共有して孤立防止

(就職支援離脱前の介入) ・ニート等への個別支援

・キャリアコンサルのノウハウ結集・ナレッジ化 ・大学が地域の企業と学生を結びつける場合の 情報管理ツールとして当基盤を活用 (地域労働市場の活性化)

雇用行政

NPO

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点1.ICTによる高度医療提供体制の構築

かかりつけ医の充実、そのかかりつけ医と看護師等の専門職の地域における高度な連携、更に必要な場合

には専門医・大病院への連携といった高度な医療提供体制の構築とそれによる医療費の増大抑制に向けてEHR連携基盤を国家事業として構築し、ビジネスモデルを確立して地域(主に二次医療圏)におけるEHR連携を推進し、全国レベルに発展させるべき。先ずは地域医療連携を進めるため地域(主に二次医療圏)毎にEHR連携基盤の構築を推進すべき。 構築に際しては個人の特定が必須なため、マイナンバーの活用を可能として全国的に導入すべき。そ

れが困難な場合は、二次医療圏単位での構築を推進すべき。 構築に必要な法制度改正(医療情報を公共財産と捉え、医療機関の情報提供を義務付ける法的措

置等)を至急検討すべき。 構築に際して、EHR国際標準への準拠、個別システムとのインターフェイス標準化、用語やコードの標

準化等の標準化を徹底すべき。 導入当事者のメリットを明確にして、導入/移行/運用のコスト負担に関するインセンティブを検討し、

導入すべき。 遠隔医療を持続可能で汎用的な仕組みとするために、EHR連携基盤を遠隔医療の電子カルテとして利用す

る事を実現すべき。

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点1.ICTによる高度医療提供体制の構築(続き)

【抜粋 全国展開された公的EHRインフラ(仮称)のイメージ】

地域(主に二次医療圏)EHR連携基盤では、地域を超えた国民の移動に対する医療サービスに対応できないため、EHR連携基盤の構築では、最初から、患者/国民中心の「公的EHRインフラ(仮称)」を目指して国家事業として構築すべき。

診療情報を集約・分析・フィードバックする国家規模のEHRを公共事業として整備の類似事例:オーストラリアのeHealth Record Individual Public Key Infra.

大規模病院 小規模病院・診療所

関連産業

国民

患者/国民中心の 公的EHRインフラ

(仮称)

• 新薬開発へのデータ活用

• 診療情報分析による疾病予測・予防支援サービス

• 医療機関の質や医師を評価する情報サービス

• 治療効果の高い治療プロセス等の開発・各医療機関へのフィードバック

• 医療資源活用状況の正確な把握による政策立案

• 患者別の紹介先病院・治療データ閲覧

• 介護事業者との情報共有サービス

• 医療情報連携による研究範囲の拡大

• 自院の治療成績のベンチマーク比較

患者が自分の 医療情報を見られる

医療の質を踏まえて 医療機関を選べる

インサイト・ドリブン・ヘルス

•医療情報を収集・分析し、疾患予防、治療プロセス改善、医療の質評価を実施

•医療機関を本業に集中させるべく請求代行

日本全土をつなぐ医療インターフェイス

•既存の電子カルテを容易につなぐことのできる汎用I/Fの開発

•病院・診療所・介護施設等の接続

クラウド型電子カルテの配布

•クラウド型電子カルテシステムの構築

•電子化が遅れている医療機関を中心に無料でアプリケーション配布

行政機関 医療情報の”集合知”化

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点2.ICTによる在宅医療/介護の進化

在宅医療において医師が患者と向き合う時間を最大化するため、既に民間企業により始まっている、「在宅

医療クラウド」の導入を診療報酬加算、システム導入/運営コスト負担支援等で積極的に普及を支援すべき。 EHR連携基盤との連携を考慮して、必要な標準化(用語、コード、連携インターフェイス等)を積極的

に進めるべき。 在宅療養支援診療所の医師・スタッフの負荷軽減・業務効率向上と、患者・家族の利便性を高めるためるた

めに、既に民間企業ではじまっている、看護師が常駐し24時間365日体制のコンタクトセンターの設置を啓発/コスト負担支援等で積極的に支援すべき

介護の質を向上し現場を効率化するため既に民間企業により始まっている、「介護クラウド」の導入を、システム導入/運営コスト負担支援等で積極的に支援すべき。 EHR連携基盤との連携を考慮して、必要な標準化(用語、コード、連携インターフェイス等)を積極的

に進めるべき。 「在宅医療クラウド」と「介護クラウド」の連携を行うために必要な標準化等を積極的に検討すべき。

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点3.ICTによる救急医療の進化

救急医療の現場で搬送された患者の命を救うため、医師がEHRで患者情報を確認してより適切な医療を施

せるようにすべき。 EHR連携基盤の利用を目指すべき。 救急搬送された患者の命を救うため、既にいくつかの自治体で導入が進みつつある、モバイルテレメ

ディシン(救急搬送中に搬送先医療機関と情報共有して事前の措置や準備を行うモバイルの仕組み)の普及を推進すべき。

普及に必要なコスト負担等への支援、標準化の推進等の検討を早急に検討し実現すべき。

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点4.ICTによる遠隔医療の進化 遠隔医療に関しては既に多くの推進策がとられているが、それらを積極的に加速化すべき。 遠隔医療におけるEHR連携基盤の利用を実現すべき。 医療現場の病理医不足解消とがん診断のレベル向上のため、世界最高水準の日本のがん診断技術を遠隔

診断に組込むべき。 その際、診断レベルの向上や人材育成に役立てるため、国産がん診断支援システムを導入した「がん

診断サービス地域拠点病院」を設置し、中央に「がん診断サービス中央病院」をおいて、各がん診断サービス地域拠点病院における診断困難な症例や希少な症例を集約し、症例データベースを構築すべき。

また、個別医療の実現や医療費抑制のためにこの症例データベースを創薬や治療にも活用すべき。 さらに、この仕組みを海外に輸出する支援策を推進すべき。

論点5.ICTによる先進医療の進化 医療分野のビッグデータ分析に必要な個人情報保護等の法的枠組みを早急に整備すべき。 現在進められている創薬等ビッグデータ分析で進化できる分野の施策を加速化させるべき。 ビッグデータ分析の適用できる医療分野をさらに開拓し積極的に推進すべき。

論点6.ICTによる予防医療の進化(続き) 【抜粋 生活習慣関連データ分析による予防と治療】 EHRを発展させて、セキュリティ、個人情報保護に十分配慮して、国民の健康情報を蓄積してビッグデータ化

し、それらを分析する事で生活習慣の改善による予防を行う仕組みを推進すべき。

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提言 第五部 ICTによる医療レベルの向上 ~高度な医療インフラの展開~

論点6.ICTによる予防医療の進化(続き) 【抜粋 生活習慣関連データ分析による予防と治療】

EHRを発展させて、セキュリティ、個人情報保護に十分配慮して、国民の健康情報を蓄積してビッグデータ化

し、それらを分析する事で生活習慣の改善による予防を行う仕組みを推進すべき。

健保・健診業者 ドラッグ・薬局 運動教室

運動データ バイタルデータ 購入データ

栄養データ

バイタルデータ 健康診断

日常生活

運動指導 リハビリ

歩行

運動 サプリメント

栄養

病院

健康食

外食 配食

健康食

健康管理指導 (栄養、運動、リハビリ)

栄養データ

サービス提供

料金 健康管理指導

PHR:生涯電子カルテ

(カルテ+健康情報)

EHR連携基盤

在宅ケア・ホスピス

在宅血圧

見守り

訪問医療(看護師)

健常者・及び有病者 要介護者

サービス提供

診療所

バイタルデータ

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提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

論点1.国民向け( G to C )

【オープンガバメント】 現在進められている国民向けのオープンデータ戦略をさらに強化/加速化し、3年以内に世界最高水準の

国民向けオープンデータを実現すべき。 また、政府の取り組みをモデルとして全国自治体に5年以内に同様のオープンデータを実現させるべ

き。 同時に世界最高水準の電子政府を目標とし、各種の電子政府世界ランキングにおいて常にトップク

ラスとなる事を目指すべき。 オープンデータの対象には、政策とその動向、サービス内容/手続き、災害/防災情報、各種ガイドラ

イン、統計、国立国会図書館/国立公文書館等のデジタルコンテンツ等々を含む。 国民の情報リテラシー(情報利活用能力)の向上に向けてさらに積極的に取り組むべき

【マイガバメント】 マイナンバーの導入にあわせて現在の「行政ポータル」等の取り組みを進化させ、国民1人ひとりが専用のポ

ータルサイトを持ち、マルチチャネル(携帯・パソコン・窓口)から、個人のニーズ(高齢者・母子家庭等)に応じた情報を得られ、必要なサービスを国・自治体といった組織に関係なく受けられる国民主体の「マイガバメント」を構築すべき。 マイガバメントの構築をマイナンバー実現後1年以内とすべき。 その際、マイガバメントから得られた国民の声を「国民の声データベース」として蓄積し、それらを分析

する事で政策に活かす仕組みを構築すべき。

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提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

論点1.国民向け( G to C ) (続き)【抜粋 マイガバメント】

マイナンバーの導入にあわせて現在の「行政ポータル」等の取り組みを進化させ、国民1人ひとりが専用のポータルサイトを持ち、マルチチャネル(携帯・パソコン・窓口)から、個人のニーズ(高齢者・母子家庭等)に応じた情報を得られ、必要なサービスを国・自治体といった組織に関係なく受けられる国民主体の「マイガバメント」を構築すべき。マイガバメントの構築をマイナンバー実現後1年以内とすべき。その際、マイガバメントから得られた国民の声を「国民の声データベース」として蓄積し、それらを分析する事で政策に活かす仕組みを構築すべき。

政府

自治体

国民向けオープンデータ

マイガバメント

ポータルサイト

デバイス

PC

スマートフォン

タブレット

スマートTV

個人の欲しい情報が簡単にポータルに取り込める

マイナンバー

国民ID

マイガバメントの概要

家族

個人のニーズにあったサービスがうけられる

利用者

(国民)

国民の声

(意見、要望等々)

蓄積/分析して

政策に活用

国民の声データベース

【事例】 市民ニーズの把握のため、NY市は市民向けコールセンター311で得られた『市民の声』を蓄積・分析・活用し、市民指向の行政サービス設計に活用している。

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論点1.国民向け( G to C )(続き)

【ID連携】 既に多くの国民は各種のIDを保有しており、国民IDはさらなる追加となる。既に民間では企業間のID連携が

始まっており、米国等は「トラストフレームワーク」として推進している。ID連携により国民の利便性が向上し新たなビジネスモデルの誕生も期待できることから、マイガバメントの構築時までに公的個人認証と民間IDとの連携を総務省と経済産業省が中心となって実現すべき。 ID連携では国内企業はもとより欧米諸国との連携も視野に入れた設計を行うべき。

【ビザ審査でのeVISA活用】 既にEUや米国で導入されているeVISAは母国でバイオメトリクス技術を活用したものであり、我が国として

は、訪日外国人のビザ発行時にこれを用いた厳格性の高いビザ審査を実施して、テロや国際犯罪が日本に近づくことを未然に防止するべき。 また、日本でも同様のeVISA発行の検討をさらに積極的に進めるべき。

【本人確認】 マイナンバーカードは本人確認の手段としても使われるが、災害時などの喪失、盗難、なりすましのリスクは依

然として存在する。我が国は、指紋、静脈、虹彩、顔等の生体認証(バイオメトリクス)で世界最先端の技術を保有しており、国民の利便性とセキュリティ向上の観点から、個人情報保護等のガイドライン、第三者監査機関等による生体認証の仕組みを5年後の導入を目指して検討を開始すべき。

【滞納対策】 現在、税・社会保険料の滞納は、累計6.9兆円、年間3.2兆円発生しており、TPPの経済効果と同等規模の

機会損失が生じている。各行政機関が蓄積している膨大な情報(=過去の実績・知見、ビッグデータ)を活用し、アナリティクス(科学的分析)によって、滞納を解消・予防するための措置を早急に検討し、実現すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点2.産業界向け( G to B ) 【オープンデータ:データのオープン化】 行政の持つ情報を公開し、民間の自由な活用を促すオープンデータ政策は、既にあるものを公開するだけ

で消費税3%分の経済効果を生み出す。現在の政策を強化/加速化し、3年以内に世界最高水準のオープンデータ推進国を目指すべき。そのためビッグデータ分析に必要なアナリスト等の専門職を積極的に育成すべき。 オープンデータの推進に際しては、コンピュータ処理が可能(機械判読可能)な形でデータを公開すべ

き。 早急に政府全体のデータカタログリストを公開し、政府として日本版data.govを公開すべき。また、

データ公開は3年間で100%実現することとし、各府省毎の進捗状況を四半期毎に公開するなど、推進状況を国民に開示すべき。

【オープンデータ:通信履歴等】 我が国では通信履歴に関して一律な規制をかけているため、欧米のような利活用による多様なサービス展

開が生まれにくい。この現状を改善するため、通信事業者の保有する通信履歴等の情報については、個人情報保護・通信の秘密の原則に配慮しつつ、一定の範囲で活用が可能となるよう、利用の目的・範囲・活用方法・秘匿化等の取扱いについてガイドライン整備を行うべき。

【オープンデータ:新産業の創造】 今や社会インフラとなったGPSを筆頭として、行政が独占していたデータを民間が活用することで新しいビ

ジネスが続々誕生している。オープンデータ戦略の推進に際して、新たなビジネスモデルの創造を促し、ベンチャー企業へのファンド活用等で積極的に推進すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点2.産業界向け( G to B )(続き) 【抜粋 オープンデータ:データのオープン化】 行政の持つ情報を公開し、民間の自由な活用を促すオープンデータ政策は、既にあるものを公開するだけで消費税3%分の経済効果を生み出す。現在の政策を強化/加速化し、3年以内に世界最高水準のオープンデータ推進国を目指すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

*1 EUにおけるオープン・データの市場規模を日本のGDPベースで割り戻し試算 *2 EUの2008-2010の成長率

2008 2010 2020

5.7兆*1 6.5兆

12.8兆

6.3兆

現在、先進各国がオープン・データを推進 EUでは、22.1兆円の経済効果を創出 今後10年で43.4兆円まで成長見込み

仮に日本で同レベルの市場規模・市場成長が見込まれる場合、今後10年で、6.3兆円(消費税3%増税に等しい)の経済効果あり

オープン・データの経済的なインパクト(試算) 公開すべきデータ(例)

データ 想定サービス・活用シーン 開示の障害

自動車関連 • 中古車情報提供サービス • 自動車保険料自動計算サービス • 道路状況(渋滞・工事等)に応じたロード・プライシング、等

道路交通法、個人情報保護法、セキュリティリスク、現在の利用金額、等

盗難

登録

事故

リコール

交通

医療関連 • 個人への健康情報提供サービス(診療サマリ、疾病リスクアラート)

• 医療機関・治療プロセス評価サービス、等

個人情報保護法、セキュリティリスク、違反時罰則の定義、等

副作用

レセプト

健診

DPC

地理関連 • 企業マップ、土地・建物評価サービス、効率的な建物メンテナンス

• 事業マッチングサービス(土地・周辺企業との親和性評価)、等 航空写真

登記

事故

地理

現在の利用金額、現在の利用規約、等

商業関連 • 商品マスタ・流通システムの効率化・性能向上

• 商品コードを使った個人取引(C2C、マイクロ製造業)、等

現在の利用金額、等

登記

JANコード

地理

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論点2.産業界向け( G to B )(続き) 【ID連携による新ビジネス創造】 マイナンバー導入に際して実現すべきID連携では、民間で様々な新ビジネスの創造が期待できる。ID連携

では国内企業はもとより欧米諸国との連携も視野に入れた設計を行い、産業界でのビジネス創造を積極的に支援する施策を検討すべき。

【手続きの簡素化】 現在各省庁が個別に対応している認可申請の効率化や規制緩和など産業界向けの改善施策に関して、

政府CIOの下に全府省の情報を統合し、システム的に共通な対応を施す等で個別対応による非効率化を撲滅する施策を図るべき。

【個人情報保護ガイドラインの見直し】 現在、個人情報保護法については各省・自治体などより40近くのガイドラインがあり、様々な解釈が介在し

ており統一されていない。そのため金融機関を中心に非常に複雑な手続きが必要となっている。機密情報をクラス分けし、そのクラス毎に、内容に見合った管理基準を設ける等の各種ガイドラインの見直しを政府CIOが中心となって進めるべき。

パーソナルデータを含むビッグデータの利用を促進するため、政府CIOを中心に関係府省の協力の下、個人情報保護法の見直しを含む制度改正に早急に開始し、1年後を目処に基本方針を策定すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点3.自治体向け( G to G )

【防災システム連携】 現在、自治体単位で防災情報システムを構築しているが、自治体の中で必要な連携先は多岐に渡るので

今後の更新や構築の場合はクラウドを活用してコストを下げるべき。 また、東日本大震災の教訓から複数自治体をまたがる連携が必要である。個別の連携ではコスト負担が大

きすぎるため、クラウドで防災情報システム連携基盤を構築し、各自治体との接続を進めるべき。 【広域自治体クラウド】 現在、国は自治体クラウドを推進しているが、まだ本格化しているとは言い難い。日本を取り囲むプレートを

意識して、複数の広域にわたる自治体が調達を一本化して行う、広域自治体クラウドをこれまで以上に積極的に推進すべき。 そのために自治体個別の努力に任せるだけでなく、予算や法制の面で国がこれまで以上に関与すべ

き。 5年後を目途に全国自治体のクラウド化と広域クラウド連携を目指すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点3.自治体向け( G to G )(続き)

【街の仮想現実データベース】 G空間情報の利活用に加え、3次元の現実社会そのものを全てデジタル化し、仮想現実データベースを構

築すれば自治体や民間が映像、防災、都市計画等に自由に活用できる。街の仮想現実データベース構築のために必要な、シミュレーションを行うための次世代スパコン、可視化処理用のソフトウェアを、自治体や民間企業に無料で提供する等の施策を検討すべき。

【その他】 マイナンバー導入に関する自治体への取り組みと、「行政ポータル」、「全国共通の行政サービス」の取り組み

を一体化させ、自治体への支援を一層強化すべき 国が国土のG空間情報を持ち、自治体に積極的に提供して復興や防災、インフラ構築/保守、都市計画

等に活用してもらう取組を加速化すべき 自治体のITリテラシーを向上し、計画、調達、システム構築、運用等の質を向上させるため、専門要員の育

成に関して、積極的に支援すべき

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点4.行政効率化(個別)

【業務の効率化】 民間企業では必死になって業務効率化や合理化をしているのに対して官僚は未だに危機意識が乏しい。そ

れが国民の官僚に対する反感の一因でもあり、行政コスト増加の要因でもある。各府省庁は、ITリテラシーの向上、業務の見直し/改善、ワークフローシステムの導入により、業務効率化に取り組むべきである。 そのために優先的に予算配分すると共に責任者を設置し改善目標を設定し、民間ノウハウを取り入

れて改善に取り組むと共に、目標と進捗を国民に公開すべき。 ITリテラシー向上のために、徹底したICTの活用の教育徹底、インターネット利用の一層の拡大、国家

試験でのITリテラシー項目の取り入れ、モバイル端末の配布、必要な予算の優先的配分、ITリテラシー向上の責任者設置と政府CIO組織との連携、等を実施すべき。

業務の見直し/改善のために、改善目標の設定と進捗の国民への公開、民間ノウハウの積極的な取り入れ、積極的な業務のアウトソース化、必要な予算の優先的配分、業務改善の責任者設置と政府CIO組織との連携、等を実施すべき。

ワークフローシステム導入のために、改善された業務へのワークフローシステム導入、民間ノウハウの積極的な取り入れ、必要な予算の優先的配分、効果の振り返りと継続的な改善を実施すべき。

【業務システムの効率化】 この10年間、業務システムの最適化に取り組んできたが大きな成果を上げているとは言い難い。振り返れ

ば、様々な原因があり、それらの内、IT関連のものに対して、国民監視下で政府CIOが積極的な指導を行う事で新たなレベルに向けて再チャレンジを行うべき。 そのために、CIO補佐官等専門要員派遣/質と量の強化、共通アークテクチャ採用の強制化(クラウ

ドファースト、共通プラットフォーム、サイバーセキュリティ)を実施すべき また、計画/見積方針/施策実施/評価への積極的な関与と、計画と進捗の国民への公開を実施

すべき

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点5.行政共通・省庁連携

【政府情報システムの刷新】 政府CIOが重点課題として取り組んでいる「政府情報システムの刷新」を「クラウドファースト」(システムのク

ラウド化を前提とし、クラウド化できない理由が明確なものに限り例外扱いとする方針)の考え方で積極的に推進すべき。 政府CIOは、「クラウドファースト」に基づく政府情報システムの再構築計画を年度内に策定するととも

に、各府省の取り組みについて必要な見直しなどの指示を行うメカニズムを明確にするべき。 そのために全府省庁の詳細にわたる全ての情報システム、サイバーセキュリティ及びIT関連の実証事

業・調査研究等の予算をコード管理して詳細に明確化し、改善計画、進捗状況とともに国民に開示するサイクルを確立して毎年度回すべき。

【業務改革の推進】 政府CIOが重点課題として取り組んでいる「業務改革の推進」を積極的に推進すべき。 そのために現状把握/指標設定/計画/見積方針/施策実施/評価への積極的な指導、現状/評価指

標/計画/実施施策/評価/進捗の国民への公開(オープンガバメントの率先垂範)、国民の声を蓄積し施策へ役立てる、といったサイクルを確立して毎年度回すべき。

【調達改革】 政府CIOが重点課題として取り組んでいる「ITガバナンスの強化」を積極的に推進すべき。 特に調達に関しては、過度な分離分割の全面見直しを進めるべき。 また、競争入札において「価格」から「価値」と「技術力」に重点シフトする事でプロジェクトの失敗を避けるた

め、予定価格を開示した技術点のみの評価、或いは最低限「技術点:価格点」を「3:1」程度にすべく調達ガイドラインを本年度内に即時改訂すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点5.行政共通・省庁連携(続き)

【ITリロケーションとバックアップ】 現在、政府情報システムは大半が首都圏内に存在しているが災害対策の観点から、7年以内を目途にシス

テムを集約化した上で首都圏外にリロケーション(再配置)すべき。 その際、関連業務を積極的に地域にアウトソースし、データセンター関連業務と合わせて地域経済に

貢献すべき。 また、バックアップ・システムも同様に首都圏に集中している事から、防災及びテロ対策の観点から、日本を

取り囲むプレートを意識して、5年以内にバックアップ・センターを複数設けるべき。 【業務のアウトソース】 日本の民間企業や地方自治体、海外行政機関では、間接業務のシェアド・サービス・センター(SSC)化し、

外部化することで、本来業務への集中度を高めたり、間接業務自体の品質向上・コスト適正化を行っている。政府も間接業務の品質・コストを適正化するため、受け皿となる新独法を設立し、定型業務従事者の新独法に転籍、独法の運用を効率化する等で業務のアウトソースをすすめるべき。

【東北でのエコDCの活用】 日本の冷涼な気候を利用したエコDCは、DCの空調などのエネルギーの削減等により、PUE値を1.0に近づ

けることで、他国と比較して高い電力単価のコスト差を圧縮可能であるので、政府情報システムのリロケーションやバックアップセンターにおいて積極的に採用すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点5.行政共通・省庁連携(続き) 【抜粋 ITリロケーションとバックアップ】

現在、政府情報システムは大半が首都圏内に存在しているが災害対策の観点から、7年以内を目途にシステムを集約化した上で首都圏外にリロケーション(再配置)すべき。その際、関連業務を積極的に地域にアウトソースし、データセンター関連業務と合わせて地域経済に貢献すべき。また、バックアップ・システムも同様に首都圏に集中している事から、防災及びテロ対策の観点から、日本を取り囲むプレートを意識して、5年以内にバックアップ・センターを複数設けるべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

ユーラシアプレート

北米プレート

フィリピン海プレート

政府システムバックアップセンター (北米プレート版)

政府情報システムのリロケーションとバックアップ(+広域自治体クラウド)

太平洋

プレート

広域自治体クラウド

(北米プレート版)

広域自治体クラウド

(ユーラシアプレート版)

広域自治体クラウド

(プレート横断版)

政府システムのリロケーション(再配置)

政府システムバックアップセンター (ユーラシアプレート版)

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論点6.組織体制

【政府CIO体制強化】 我が国は「政府CIOの時代」を迎えたが、これは、米国オバマ政権以前と同様に政府CIOがICT戦略全体を

担当する形態でしかも担当大臣は歴代兼任が続いている。オバマ政権では、ICT戦略を重視するためにCPO、CTOをCIOと分けて各々の業務を連携させつつ専念させている。現在の我が国の形態では、明らかに政府CIOの負担が重過ぎて電子政府政策に専念できず、大臣の支援も不十分となりがちであるので、大臣を専任化すべき。

また、政府CIO室の要員を大幅に増員し、政府CIOの下にCTOを新設すべき。 【要員の質と量の強化】 世界最高水準の電子政府を実現するために政府CIO室を大幅に要員すべき。政府内部でのIT人材の育成

強化とともに、民間からの採用を積極的に行う。 CIO補佐官については採用/評価を見直す途ともに大幅に増員し、大手ベンダーからの採用を拡大すべき

。 民間からの採用に関しては、優秀な人材を確保する観点から、所属する企業の調達に関して、当人が有利

な情報提供をしない旨の誓約書、評価委員からの排除等で調達制限の緩和をすべき。

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論点7.推進力

首相は定期的に担当大臣と政府CIOから報告を受け、その助言に従って必要な措置をとるべき。同時に全

閣僚に対して、政府CIOへの協力を明確に指示するべき。 担当大臣は政府CIOとその組織体制を毎年度評価し、国民に公開すべき。状況に応じて継続的に体制を

改善し、必要な法制度、ガイドライン等を整えるべき。 各閣僚は、担当大臣と政府CIOの要望に対して全面的に協力し、担当府省に対してその旨を明確に指示

すべき。

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論点8.予算

政府CIOは全府省庁の詳細にわたる全ての情報システム、サイバーセキュリティ及びIT関連の実証事業・調

査研究等の予算の現状把握、指標設定、計画、見積方針、施策実施、評価をするためのIT投資管理の仕組みを早急に確立し、必要な情報システムを構築すべき。

政府CIOは全府省庁の詳細にわたる全ての情報システム、サイバーセキュリティ及びIT関連の実証事業・調査研究等の予算の現状、評価指標、計画、実施施策、評価、進捗を毎年度国会へ報告するとともに、国民へ公開して、国民の声を施策へ役立てるべき。

【複式簿記の採用】 日本の政府・自治体は先進諸国と違って単式簿記を採用しており、財政状況を包括的に把握できない。複

式簿記に対応する国際基準(IPSAS)又は同等の基準の導入は各国で進んでおり、先進国では日本とドイツを除く各国で導入済みである。このままでは日本国債の信用にも影響が出かねない。政府CIOは特に財務省との連携をとり、政府の会計制度の複式簿記化を検討すべき。

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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論点9.評価/監視

政府全体のIT投資の適正化に向け、政府によるIT投資を国民に対して透明化する「日本版ITダッシュボー

ド」の整備に際して、全府省庁の詳細にわたる全ての情報システム、サイバーセキュリティ及びIT関連の実証事業・調査研究等の予算をコード管理するとともに、電子政府がオープンガバメントを率先垂範するため、政府情報システム刷新のサイクルと業務改革のサイクルを加えるべき。 政府情報システム刷新のサイクルでは、政府CIOへの報告、政府CIOが全体計画作成/見積方針

/施策実施/評価を実施し全府省庁へ徹底、政府CIOが、現状/計画/進捗を毎年度報告し国民へ公開、国民の意見を集めて政策に役立てる、といったサイクルを行うべき。

業務改革のサイクルでは、現状把握/指標設定/計画/見積方針/施策実施/評価への積極的な指導、現状/評価指標/計画/実施施策/評価/進捗の国民への公開、国民の声を蓄積し施策へ役立てる、といったサイクルを行うべき

提言 第六部 世界最高水準の電子政府の実現 ~電子政府を国民の手へ~

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