デジタル・コミュニケーション アナライザ(dca)...
TRANSCRIPT
デジタル・コミュニケーションアナライザ(DCA)による相対強度雑音(RIN)の測定Product Note 86100-7
2
目次
0. 概要 ……………………………………………………………………………………………………………………………31. レーザ強度の変動 …………………………………………………………………………………………………………………42. オシロスコープによる測定 ………………………………………………………………………………………………………7
2.1. ブロック図 ………………………………………………………………………………………………………………72.2. 測定手順 …………………………………………………………………………………………………………………82.3. 方形波パターンを使用したセットアップ ……………………………………………………………………………122.4. RINの計算 ………………………………………………………………………………………………………………13
3. RFパワー・メータによる測定 …………………………………………………………………………………………………153.1. ブロック図 ………………………………………………………………………………………………………………153.2. 測定手順 …………………………………………………………………………………………………………………153.3. RINの計算 ………………………………………………………………………………………………………………16
4. 電気スペクトラム・アナライザによる測定……………………………………………………………………………………174.1. ブロック図 ………………………………………………………………………………………………………………174.2. 別のセットアップ ………………………………………………………………………………………………………174.3. 測定手順 …………………………………………………………………………………………………………………184.4. RINの計算 ……………………………………………………………………………………………………………… 18
5. 光スペクトラム・アナライザによる測定………………………………………………………………………………………195.1. ブロック図 ………………………………………………………………………………………………………………195.2. 測定手順 …………………………………………………………………………………………………………………205.3. RINの計算 ………………………………………………………………………………………………………………20
6. RIN測定の比較 ……………………………………………………………………………………………………………………216.1. 調整可能なRIN信号源 …………………………………………………………………………………………………216.2. 調整可能なRIN信号源を使用した場合のDCA-JとOSAの比較 ……………………………………………………226.3. EML信号源を使用した場合のDCA-JとESAの比較 …………………………………………………………………23
7. 付録 ……………………………………………………………………………………………………………………………257.1. 定義および電気/光の関係 ……………………………………………………………………………………………257.1.1. フォトディテクタ用語 …………………………………………………………………………………………………257.1.2. レーザ光源用語 …………………………………………………………………………………………………………257.1.3. 変調用語 …………………………………………………………………………………………………………………267.1.4. 雑音用語 …………………………………………………………………………………………………………………277.1.5. 変換表 ……………………………………………………………………………………………………………………307.2. 物理定数 …………………………………………………………………………………………………………………31
3
0. 概要 レーザ強度雑音は、アナログ/デジタル信号の伝送を制限要素となる場合があります。これによりS/N比の低下やビット・エラー・レートが増加し、システムの性能が低下する可能性があります。レーザ強度雑音は、レーザ、後方反射、光/電気(O/E)変換後の光/電気フィルタの特性により著しく異なる場合があります。通信リンクを最適化するためには、レーザ強度雑音を正確に評価し、信号強度と比較し、必要に応じて適切なパワー・バジェット検討することが不可欠です。
第1章では、レーザ強度雑音およびその受信信号雑音への影響についての予備知識を説明します。また、一般的な相対強度雑音(RIN)の定義についても説明します。第2章では、Agilent 86100C Infiniium DCA-Jによるデータの収集方法/RINの評価方法について詳細に説明します。また、手動で操作する場合の詳細な手順を説明し、有用なヒントや注意事項も紹介します。第3章、4章、5章では、RFパワー・メータ(IEEE 802.3aeの方法)、電気スペクトラム・アナライザ(Agilent 71400C LSAの方法)、光スペクトラム・アナライザ(Agilent 86145B OSAの方法)をベースにした別のRIN測定方法を紹介します。第6章では、実際の測定例から各種の方法を比較し、潜在的な問題や限界を説明します。付録には、RINやその他のパラメータを測定する場合に役立つ公式、換算表、物理定数をまとめています。86100C DCA-JによるRIN測定には、86100Cにオプション001(拡張トリガ)、オプション200(ジッタ解析)およびオプション300(振幅解析/Q/RIN測定)が装備されている必要があります。
4
1. レーザ強度の変動 レシーバでは、レーザ強度の変動により、負荷インピーダンスの熱雑音やフォトディテクタのショット・ノイズを上回る雑音が生じる可能性があります。このため、レーザ強度の変動は、光リンクのパワー・バジェットを制限する可能性があります。この場合、システムの性能を最適化するためには、この変動を注意深く評価することが極めて重要になります。強度の変動は主に、レーザのスペクトラム特性に起因します。パワー・レベルが非常に低い場合には、レーザは主として、LEDから放出される光と同様に、広い波長範囲に分布する自然放射光を放出します。発振しきい値を上回ると、レーザは主として誘導放射とごく微量の自然放射を発生します1。誘導放射は、1つの波長またはその近傍に集中し、そのパワーのほとんどが、光ファイバを介して情報を送信するために用いられます(図1)。フォトディテクタでは、誘導放射は残留自然放射と相互作用して、電気的な雑音になります。ほとんどのフォトディテクタは、光パワーに比例する(すなわち、電界の2乗に比例する)出力電流を発生します。このように光の強さとフォトディテクタ電流の間には非線形な関係があるので、光周波数が異なるフォトン(光子)の間には、「ビート信号」が生じます。これは丁度、ラジオのミキサのような非線形デバイスの入力に、複数の信号が印加されたときに起きる現象に類似しています。図1の誘導放射(すなわち、信号)は、その真下に位置する自然放射とビート信号を発生させ2、自然放射はそれ自体とのビートを発生させます。ただし、今日の半導体レーザの場合は光増幅器がないので、自然放射-自然放射間のビート雑音が誘導放射-自然放射間のビート雑音よりはるかに小さいので、通常は無視できます。
フォトディテクタで発生するビート雑音の量は、レシーバの特性(特に帯域幅)によって異なり、電子回路の雑音を上回っている場合にだけ問題となります。したがって、光/電気(O/E)変換後の電気信号におけるレーザ強度の変動の影響を評価することに意味があります。相対強度雑音(RIN)は、電気的にモニタされた信号パワーを基準にした、レーザ強度の変動の電気雑音への寄与を表します。一般に、RINは1 Hz帯域幅にノーマライズされるので、帯域幅の異なるレシーバを使用してもレーザ強度の変動の比較は容易に行えます。
1 しきい値は、誘導放射が自然放射より大きいときのパワーと定義されています。
2 光電流に見られるビート信号の周波数は、光子の光周波数の差です。
図1: 分布帰還型(DFB)レーザのスペクトラム
5
RINの従来の定義(1/HzまたはdB[1 Hz]単位で測定)は、フォトディテクタから見た負荷インピーダンスで電気的にモニタされた、1 Hz帯域幅にノーマライズされた雑音パワーNと光電流の平均パワーPIとの比です。このRINの定義では、無変調レーザか、もしくは変調レーザでNとPIの双方が正確に測れる測定器が必要です。86100C DCA-Jは変調パターンからNとPIの両方が正確に測定できます。
RIN= RINdB=10 * log10(RIN) 式1
N 電気雑音パワー(負荷インピーダンスでモニタ)PI 光電流パワー(負荷インピーダンスでモニタ)BN 雑音帯域幅
IEEE 802.3aeでは、RIN OMA(1/HzまたはdB[1Hz])を以下のように、1 Hz帯域幅にノーマライズされた電気的にモニタされた雑音パワーNと、負荷で消費された方形波変調の電力PMODとの比と定義しています。
RIN OMA= RINdB OMA=10 * log10(RIN OMA) 式2
Navg 平均電気雑音パワー(負荷インピーダンスで測定)PMOD 変調パワー(負荷インピーダンスで測定)BN 雑音帯域幅
平均光パワーに変化がなく、消光比が非常に高い場合は、どちらの定義でもほとんど同じ結果が得られます。86100C Infiniium DCA-Jは、RIN OMAも、"1" レベルのRINもどちらも測定できます。後者の場合、DCA-Jの結果は、"1" レベルの光パワーを持つ無変調レーザのRINと等しくなります。消光比が高いときの"1" レベルのパワーは変調信号の平均光パワーより約3 dB高くなります。
NavgPMOD * BN
NPI * BN
6
図2は、RINとRIN OMAの概念的な違いを示しています。RIN測定は無変調信号で行われるので、負荷に流れる雑音電流による電気雑音パワーNと負荷で消費された信号パワーが関連付けられます。RIN OMA測定は変調信号で行われるので、平均電気雑音パワーと変調電力が関連付けられます。変調信号の "1" レベルにおける電気雑音は、"1" レベルと同じパワーを持つ無変調信号で観測される雑音と同じです。86100Cは、高度なトリガ機能を備えているので、"1" と"0" のパワー/雑音レベルを区別できます。このため、RINOMAだけでなく、RINも測定できます。
P(光) P 1(光)
P平均
00
P無変調
P 0(光)
OM
A
I雑音 I雑音
図2: RIN(左側)とRIN OMA(右側)の概念的な違い
(上:光信号、下:雑音電流)
7
2.1 ブロック図
86100C Infiniium DCA-Jは、高度なトリガ機能とパターン・ロック機能を備えたサンプリング・オシロスコープで、汎用的なオシロスコープに見られるような振幅値測定機能があります。方形波パターンで変調されたOMA(光変調振幅)も直読できます(図3)。ジッタ・モードでは、216ビット長までのパターン長の信号にロックして、符号間干渉や周期性のデターミニスティック成分(時間軸のジッタと振幅軸の干渉の双方)と、ランダム成分(時間軸ジッタおよび振幅軸ノイズの双方)を正確に分離し解析します。このランダム・ノイズ(RN)結果を用いることで、方形波や業界標準のPRBSパターンなど、さまざまなパターンのRINを正確に測定できます。
RINを測定するには、オシロスコープの場合はデジタル変調信号が必要です。公称ビット・レートで動作するパターン・ジェネレータが、被試験デバイス(DUT)を変調します。DUTへの後方反射に起因するワーストケースの強度の変動を確認するために、光偏波コントローラ、光パワー・スプリッタ、リフレクタ(ターゲット・システムのリターン・ロスの値が優れている場合は、これらのコンポーネントはオプション)を使用します。
図4: 86100C Infiniium DCA-Jベースのセットアップ3
3 ファームウェア・リビジョン7.0以上およびオプション001、200、300が必要。
DUT
光偏波コントローラ シングルモード・
カプラ
86100C
Infiniium DCA-J
方形波または0000011111または
PRBS信号源調整可能なリフレクタ
2. オシロスコープによる測定
図3: 方形波信号のOMA測定
クロック・トリガ
8
2.2. 測定手順
ランダム雑音をオーバシュート、リンギング、符号間干渉などの歪みから分離するには、最低5個の "0" とその後に同数の "1" が続くパターン(事実上、方形波)か、27-1~210-1などのPRBSパターンが必要です。さらに長いパターン(最長216-1)も有効ですが、通常RINの結果がそれほど変化することはなく、測定時間が長くなるだけです。86100C Infiniium DCA-Jは、どのようなパターンでも後続の "1" および "0" が検出できるので、"1" および "0" が5つ連続するパターンの位置の中央のポイントでランダム雑音(振幅変動)を測定することができます(図5を参照)。サンプリング・ポイントとなるビットの "前" と "後" の連続数を同じ値に定義すれば、符号間干渉などのパターン依存性の問題を回避することも容易です。
RINまたはRIN OMAを計算する前に、この機能を活用して、"1" および "0" レベル("1" および "0" パワー)のランダム雑音だけを正確に測定します。
• 反射のシミュレーションが必要な場合は、図4のDUTをAgilent 8161xAリターンロス・メータと置き換え、対象の伝送システムで想定されるワーストケースに合わせて反射を調整します。
• DUT(レーザ/トランシーバ)を接続し、変調をオンにします。2N-1(N=7~16)などのPRBSパターンまたは最低5個の "0" とその後に同数の "1" が続く方形波を使用します(詳細については、セクション2.3を参照)。
• DCA-Jが正常な信号を受信していることを確認します。DEFAULT SETUP、OSCILLOSCOPE MODE、AUTOSCALEを順番に押します。光信号が小さ過ぎる場合や、有効なトリガ信号を検出できない場合は、警告が出されます。
• クロックが3.2 GHzを超える場合は、画面右下にある「TRIG」アイコンをクリックし、GENERAL TRIGGER SETUPタブにあるTrigger Mode欄で、"DIVIDED(3 - 13 GHz)" にチェックを入れ、分周トリガを選択します(図6)。
図6: >3.2 GHzのトリガ信号のトリガ設定4
–3 –2 –1 0 1 2 3
図5: ランダム振幅変動を測定するためのサンプリング・ポイント
サンプリング・ポイント
ビット
4 パターン長は分周比(除数)の整数倍数であってはいけません。例えば、トリガがビット・レートの1/2、1/4などの分周クロックの場合は、27(128)を使用しないでください。さもないと、アイが不完全になったり、結果が不正確になる可能性があります
9
• 明確に定義されたローパス・フィルタ周波数応答を得るために、画面下の該当する垂直チャネル・ボタン(光入力のある例えばチャネル「1」)をクリックします(図7)。所望のフィルタを選択し、"Filter:On" にチェックを入れてフィルタをオンにします。
• 図8の左側に示されているようなアイ・ダイアグラムが表示されるはずです。表示されない場合は、オシロスコープが正しくトリガされていない可能性があります。確認するには、図6に示されているメニューでFREE RUNを選択し、AUTO SCALEを押します。信号はあってもトリガがなかった場合は、ランダム・サンプルが帯状に表示されます。信号がまったくない場合は、フラットな線が1本表示されるだけです。
図8: オシロスコープ・モードでのPRBSアイ・ダイアグラム(左側:トリガ、右側:フリーラン)
図7: 基準レシーバのフィルタ設定
10
• JITTER MODEをオンにします。左側に示されているAMPLITUDE測定グループを選択し、AMPLITUDE RESULTSを選択します(図9)。
• 画面右下にある"SETUP & INFO"アイコンをクリックします。"CONFIGURE..." を選択し、"AMPLITUDE MEASUREMENTS" タブを選びます。中央の"RIN" の設定欄から、RINの測定対象を光変調振幅("OMA" 5)または1レベル("One Level")かを決定し、RINの単位として "dB" または "dB/Hz" 6を選択します。
• デフォルトでは、雑音レベルと振幅レベルは全ての "1" および "0" にわたって平均化されています(Average One/Zero Level)。オーバシュート、リンギング、符号間干渉の影響を回避した位置で測定するには、連続等値ディジット(CID)が2ビット以上先行(Leading)および後続(Lagging)するように定義します(図10を参照)。これにより86100C DCA-Jは、CID基準を満たしているパターンの中央ビットでデータをサンプリングします。
図10: 振幅測定用の設定
図9: ジッタ・モード(振幅解析)における "1" レベルのRINの結果
5 Amplitude Resultsタブには、電気信号の場合は"Signal
Amp"、光信号の場合は"Modul'n Amp" としてOMAが表示されます。
6 基準レシーバのフィルタをアクティブにしない限り(図7を参照)、"dB/Hz"は使用できません。
11
•(オプション)RINの結果をモニタしながら、光偏波コントローラを調整してワーストケースを検出します。
図11のAmplitudeタブには、"Modul'n Amp" として変調振幅(光チャネルではOMA)と、"RN" としてランダム雑音の測定値が光パワーレベルで表示されています。ここで注意すべきは、式1は電気のパワーレベルで表現されていることです。光電流は光パワー7に比例するので、負荷でモニタされる相応する電力は光パワーの2乗に対してリニアになります。図11のRN(rms)および変調振幅の結果からRIN OMAを計算するには、式2ではなく、以下の計算式を使用します。
RIN OMA= 式3
3 dB帯域幅がビット・レートの3/4となる4次Bessel-Thomsonローパス・フィルタを使用した基準レシーバの場合は、雑音帯域幅BNはビット・レートのおよそ0.8倍となります(表3も参照)。
(RN1+RN0)2/4Modul'nAmp2 * BN
図11: RIN OMAの結果(1 Hzにノーマライズ)
7 暗電流の除去後。
12
2.3. 方形波パターンを使用したセットアップ
86100C Infiniium DCA-Jは前述のように、PRBSパターンでも正確なRIN測定が行えますが、0000011111などの方形波パターンを使用することももちろん可能です。このようなパターンは、Agilent N4903A高性能シリアルBERTなどのパターン・ジェネレータを使って簡単に作成できます。カスタム・パターンを定義し、連続等値ディジット(CID)のビットの数の2倍の長さにパターン長を設定し、その半数のビットを0に、残りの半数を1に設定し、被試験トランシーバの公称ビット・レートで送信します。別の方法として、パルス・ジェネレータを使用して、50 %のデューティ・サイクルでパルスを出力する方法もあります。周波数は通常のクロック・レート/(2*N)に設定します。Nは連続する0の数とそれに続く同数の1を表します(図12ではN=5)。この信号を用いる場合、DCA-Jのパターンロック設定に工夫をします(トリガの分周比は1:2*N、パターン長は2*N)(図13)。DCA-Jは、シンプルな01パターン(すなわち、低周波の方形波)ではなく、目的のパターンやビット・レートを「認識して」、評価します。
方形波パターンとサブレート・トリガを併用することにより、一部の規格で規定されているRINまたはRIN OMAを測定することができます。ただしこの条件では、正しいアイ・ダイアグラム測定を得ることは困難でしょう。86100CInfiniium DCA-Jは連続する等値ビットの数を識別し(図10を参照)、その中央で測定することができるので同じPRBSパターンを使用することで、トランスミッタのアイ・ダイアグラムだけではなく、ジッタや振幅性能(OMAやRIN)をより簡単かつ迅速に解析できます。
. . . 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 . . .
10/f ビットレート
1/fビットレート
図12: 0000011111パターンをシミュレートするパルス・ジェネレータの方形波
図13: 方形波変調用のパターン・ロックの設定(パルス・ジェネレータ:0000011111パターンを10.3125 Gb/sの速度でシミュレートする1.03125 GHz方形波)
必要なパターン
パルス・ジェネレータ
仮定したクロック・レート
13
2.4. RINの計算 86100C Infiniium DCA-Jは、RINの定義(式1を参照)またはRIN OMAの定義(式2を参照)に基づいて、RINを計算できます。• RIN測定では、N、PI、RINを計算するために、"1" レベルのデータだけが取り込まれます。このため、結果は、光パワーが "1" レベルに等しい無変調レーザの場合を表します。
• RIN OMA測定では、N、PMOD、RIN OMAを計算するために、"1" レベルと"0" レベルの両方のデータが取り込まれます。このため、結果は、IEEE802.3aeで推奨されているRINxOMA測定法(セクション3を参照)に対して測定誤差は範囲内になります。
• 雑音帯域幅BNは、基準レシーバ(3 dB帯域幅がビット・レートの3/4となる4次のBessel-Tompsonローパス・フィルタ)の帯域幅の1.05倍です。
• 広帯域サンプリング・オシロスコープ(86100C DCA-J)は、ローパス・フィルタを通過する全ての周波数成分を積分して得られるトータルノイズNだけを測定します。レーザが緩和発振または周波数依存性雑音パワー密度を持つ場合は、それらはフィルタリングされます。それらの周波数が高い場合は、ローパス・フィルタにより完全に除去されます。それ以外の場合は、累積効果(DCからBNまで積分されたスペクトラム密度)が見られ、N/BNの除算時に除去されます。
• 連続等値ディジット(CID)の数を増やすとPRBSパターンでは起こる頻度は低くなりますが、符号間干渉などのデターミニスティック振幅変動がRIN測定の確度に影響を及ぼす可能性を低減できます。
• RINのダイナミック・レンジは、DUTの信号パワーPsig、O/E変換、使用している特定のモジュールの内部電子雑音によって決まります(表1を参照)。
86100C Infiniium DCA-Jの雑音モデル(図14を参照)を使用すると、RIN測定のダイナミック・レンジを計算できます。表1に、一般的なモジュールを使用した場合の代表値を示します。
86100C DCA-JのRIN計算では、トータルノイズNから自身のもつ雑音を差し引くことはしていません。そのため、86100Cの雑音を差し引くことができれば、ダイナミック・レンジをさらに5~10 dB改善することが見込まれます。ローカル操作またはリモート制御で、すべてのパワー値/雑音値を測定し、入力信号のない測定器の実際の雑音を差し引いてから、最終的に上記の計算式を使用してRINまたはRIN OMAを計算します。
RLPD
NF
GBN
図14: 広帯域オシロスコープによるRIN測定の雑音モデル(例:DCA-J)(G=0 dBおよびNF=0 dB、プリアンプなしのモジュール)
基準面
ローパス・フィルタ
増幅器(雑音あり)
電子雑音 高速サンプラ
処理/表示
14
表1. 選択したRIN測定の代表的なダイナミック・レンジ8
リストされていないモジュールについては、以下の近似式を使用してください。
RINBestCase= 式4
Nopt(dark)入力信号のない測定器/モジュールの等価雑音パワー(NEP)(外部光パワーで表した測定された電気雑音の実効値)
Popt(max)正確なアイ・ダイアグラムを得ることのできる最大平均光パワーBN 選択した測定器設定の雑音帯域幅
Popt(max)およびNopt(dark)の値は、技術仕様を参照してください。さらに、モジュールの実際のNopt(dark)も簡単に確認できます。モジュールにつながるファイバを取り外し、FREE RUNトリガを選択し、その入力チャネルにおいて希望する帯域幅すなわちビットレートを選択して、AC実効値を測定します(図15)。
N2opt(dark)P2opt(max)* BN
図15: 内部雑音測定:Nopt(dark)=3.7μW
ビット・雑音帯域幅 最小パワー
最大平均NEP
ダイナミック・レンジモジュール レート
[GHz] [dBm]パワー
[dBm]RIN dB [1Hz]
[Gb/s] [dBm] Pmin Pmax -5 dBm
1.250 0.98 -12 3 -20 -106 -136 -120
86105B 10.3125 8.04 -12 3 -20 -115 -145 -129
(フィルタ処理なし) _22 - 3 -19 -119 -149 -133
1.250 0.98 -21 -3 -29 -116 -142 -138
86105C 10.3125 8.04 -17 -3 -26 -120 -146 -142
(フィルタ処理なし) _22 - -3 -24 -121 -147 -143
86106B 10.3125 8.04 -7 3 -16 -118 -138 -122
(フィルタ処理なし) _44 - 3 -16 -125 -145 -129
86116A (フィルタ処理なし) _70 - 10 -10 -134 -148 -118
86116B (フィルタ処理なし) _90 - 10 -10 -136 -150 -120
86116C 43 33 -3 10 -10 -119 -143 -115
(フィルタ処理なし) _90 - 10 -10 -136 -150 -120
8 2006年7月の技術仕様に基づいた代表値。データは予告なしに変更されることがあります。
15
3.1. ブロック図
3.2. 測定手順
IEEE 802.3aeでは、RFパワー・メータ、ACカプラ(fmin<1 MHz)、ローパス・フィルタ(f-3 dB _ビット・レート)をベースにしたRIN OMAのセットアップを規定しています。低雑音増幅器(オプション)を用いれば、RFパワー・メータの高い雑音指数に対応できます。DUTは公称ビットレートで0000011111パターンにて変調されます。これは、ビットレートの1/10の周波数の方形波で変調するのと同じことです。ワーストケースの強度の変動を確認するために、光偏波コントローラ、光パワー・スプリッタ、リフレクタを用いて光パワーをDUTに後方反射します。
• 通信システムで想定されるワーストケースのリターン・ロス状態をシミュレートするように、光リフレクタを調整します(場合によっては、光リターンロス・メータを使用して反射を校正する必要があります)。
• レーザおよびその変調機能がオフになっている間に、パワー・メータをゼロ調整/校正します。
• 変調をかけずにレーザをオンにし、RFパワー・メータで最大値が測定されるまで光偏波コントローラを調整します。これはNavgの式2に相当します。
• 変調をオンにして、RFパワー・メータの変調パワーPMODをモニタします。• 式2を使用してRIN OMAを計算します(ローパス・フィルタのBNを計算する場合は、表3を参照してください)。
BN
図16: RIN OMA用のIEEE 802.3aeに準拠したセットアップ
光偏波コントローラ
シングルモード・カプラ
O/E
コンバータ増幅器
(オプション)ローパス・フィルタ
RFパワー・メータ(f<1 MHz ~>BN)
AC結合(fmin<1 MHz)方形波または
0000011111
パターン・ジェネレータ
調整可能なリフレクタ
DUT
3. RFパワー・メータによる測定
16
3.3. RINの計算 RFパワー・メータによる方法は、RIN OMAの定義をそのまま実現している方法です。この方法の結果を他の方法と比較するには、いくつかの点で注意する必要があります。• レーザが直接変調されている場合は、パワー・メータで測定される(変調オフの)強度雑音は、変調信号の平均パワーが無変調信号のパワーと等しい限り、変調信号の平均強度雑音(N1+N0)/2とほぼ等しくなります。
• レーザが外部変調され、平均パワーが変調の有無に関わらず一定の場合は、パワー・メータで測定される(変調オフの)強度雑音は、変調信号の平均強度雑音(N1+N0)/2を最大で3 dB下回る可能性があります。
• IEEE 802.3aeでは、コーナ周波数_ビット・レートのローパス・フィルタを推奨しています。これは、基準レシーバ(コーナ周波数_ビット・レートの3/4)の周波数より高い周波数です。RIN OMAの式は測定値を1 Hz帯域幅にノーマライズするために、ビット・レートの約75 %~100 %またはIEEE 802.3aeセットアップのAC結合(86100CモジュールはDC結合)のカットオフ周波数より下の周波数レンジで大きな強度の変動がない限り、86100Cと同じ結果が得られるはずです。
変調光の消光比が高く(>10 dB)、ローパス・フィルタがf-3 dB=10.3125 GHz(BN_11 GHz)さらに、G=20 dB、NF=8 dB、rPD=0.8 A/Wと仮定すると、このセットアップのダイナミック・レンジは、OMA=0 dBmの場合で約-151 dB[1 Hz]、OMA=-10 dBmの場合で-131 dB[1Hz]となります。
Amplifierwith noise
Low-passfilter
ReferencePlane
RLPD Processing& display
NF
G
BN
図17: RFパワー・メータによるRIN OMA測定
基準面
増幅器(雑音なし)
ローパス・フィルタ
処理/表示
17
4.1. ブロック図
4.2. 代替のセットアップ
71400C/714001C光シグナル・アナライザ(LSA)は、RIN測定のための最初の市販の測定器でした。販売は終了していますが、今日でも一部のお客様にお使いいただいており、多くの方がRIN測定を議論する際にLSAに言及しています。その中心は、校正済みの光フロントエンドを備えた電気スペクトラム・アナライザです。LSAは、RFパワーを周波数の関数として測定し、RFパワー・メータと同じことを効率的に実行します。違いは、変調信号と雑音がスペクトル分解されるということと、O/EコンバータはDC光電流も捉えることで、平均光パワーを効率的に測定できるという点になります。プロダクト・ノート 71400-1(カタログ番号5991-2196E)で説明しているように、LSAは、変調されていないレーザのRINを測定します。校正済みの信号経路とO/EのDC電流計により、式1で定義されているRINを測定できます。
図20の代替のセットアップでは、LSAの代わりに、DC結合O/E、電圧計(入力の50 ΩDC結合負荷付き)、低雑音9のスペクトラム・アナライザで構成されています。ただし、計算はすべて手作業で行う必要があります。
図18: 光シグナル・アナライザのセットアップ
図19: ファブリ・ペロー・レーザのRINスペクトラム
(モード分布の変動は強度雑音に影響を与えます)
DUT
シングルモード・カプラ
71400C/71401C
光シグナル・アナライザ
調整可能なリフレクタ
光偏波コントローラ
4. 電気スペクトラム・アナライザによる測定
DUT
Polarizationcontroller Single-mode
coupler
O/Econverter
Performancespectrum analyzer
Adjustablereflector Digital multimeter
図20: 電気スペクトラム・アナライザのセットアップ
DUT
シングルモード・カプラ
O/E
コンバータ
パフォーマンス・スペクトラム・アナライザ
調整可能なリフレクタ デジタル・マルチメータ
光偏波コントローラ
9 感度を最大限に高めるには、IEEE 802.3aeセットアップと同様の外部低雑音プリアンプが必要です。
18
4.3. 測定手順
4.4. RINの計算
このセクションでは、代替のセットアップを使用したRINの評価方法に重点を置いて説明します。71400C/71401C光シグナル・アナライザ(LSA)で用いられている方法の大部分をエミュレートしています。LSAを使用して測定を行うには、プロダクト・ノート 71400-1(カタログ番号5991-2196E)の手順を参照してください。• 入力信号のないO/Eコンバータのオフセット電圧を測定します。電圧計を50 Ωで終端して、スペクトラム・アナライザに接続した場合と同じO/Eから見たインピーダンスにします。
• レーザをオンにして、パワーを測定します(図20のO/Eを光パワー・メータに置き換えます)。変調は使用しないでください。
• O/Eを接続し、出力電圧を測定し、オフセットをすべて除去します。負荷により消費される電気信号パワーPIを計算します(=V2/50 Ω)。
• O/Eを低ノイズ・フロアのスペクトラム・アナライザに接続し、N対周波数を測定します(スタート周波数<1 MHz、ストップ周波数>通信システムのビット・レート)。光偏波コントローラを使用して、ワーストケースの状態を見つけて、後方反射の影響をモニタします。
• 信号を印加して測定した雑音は、5 dB以上ノイズ・フロアを上回るはずです。上回らない場合は、測定器のノイズ・フロアに近いRINレベルを観測するために、トレース演算機能(引き算)を使用します。
• 画面上の雑音パワー密度(N/BN)を選択するか、スペクトラム・アナライザのトレースを周波数で積分した後で周波数スパンで除算することにより平均雑音パワー密度を計算します。
• RINを(N/BN)/PIとして計算します。24ページの図29は、測定器の内部雑音を差し引くために、またトレースでの積分を計算するために、スプレッドシートにデータを送りグラフ化した測定例を示したものです。
71400C/71401C光シグナル・アナライザ(LSA)は、RIN測定を自動的に実行します。式1に従って、マーカは掃引したスパン内の任意の周波数で1 HzにノーマライズされたRINを読み取ります。フォトディテクタの前にシャッタを配置し、自身のもつノイズフロアと平均光電流を測定できます(図21参照)。このようなアーキテクチャが採用されているため、暗電流と自身のノイズ・フロアをNから自動的に差し引くことができます。このため、ダイナミック・レンジが最大化され、-160 dB[1 Hz]以上の優れたダイナミック・レンジを実現できます。
図21: スペクトラム・アナライザによるRIN測定(例:71400C)
BN
RLPD
DC
NF
G
基準面
増幅器(雑音なし)
局部発振器 バンドパス・フィルタ
処理/表示
19
5.1. ブロック図
多くの場合、RINは、光スペクトラム・アナライザ測定に基づいて評価できます。最新の分布帰還型(DFB)レーザや電界吸収型変調レーザ(EML)の多くは、OSNR(光信号雑音比)は充分に大きく、自然放射の範囲は充分に狭いので、RINはほぼ例外なく、誘導放射-自然放射間のビート雑音によって支配されます。
RIN= * 式5
αsig-se 誘導放射(信号)および自然放射の偏波により異なる係数です。αsig-seは、まったく偏波されていない自然放射の場合は1、自然放射と誘導放射がともに100 %で同一方向に偏波されている場合は4です。
OSNRWVL 波長ドメインの光信号雑音比λ 信号の中心波長c 光速度
Agilent 8614XX光スペクトラム・アナライザ(OSA)は、レーザ/トランスミッタの強度雑音を評価するためのもう1つの方法を提供します。波長ドメインのスペクトラムを分解し、自然放射を何十dBも上回るピークとして、誘導放射を効率的に表示できます。
λ2
cαsig-seOSNRWVL
図22: 光スペクトラム・アナライザのセットアップ
5. 光スペクトラム・アナライザによる測定
DUT
光偏波コントローラ
シングルモード・カプラ
光スペクトラム・アナライザ
調整可能なリフレクタ
20
5.2. 測定手順
5.3. RINの計算
• レーザをOSAに接続し、図1のような測定が得られるように、波長範囲と振幅を設定します。"PEAK FIND"/"PEAK TO CENTER" で中心波長を定め、分解能帯域幅(RBW)を0.5~2 nm、波長スパンを20~100 nm、感度を-70 dBmより低い値に設定することにより、良好な結果が得られます。
• マーカ1を使用して信号パワーを測定します。• 1 nmにノーマライズされた光S/N比(OSNR)を測定することにより、自然放射密度を測定します(雑音マーカ・オプションをチェックします)。OSNRマーカは、信号部分に含まれる自然放射光を補間法により算出します。
• 光偏波コントローラを調整してワーストケースのOSNRを見つけます。• 式6を使用して計算します。
RIN[dB[1Hz]] =10 * log(αsig-se)+20 * log(λ[nm])-OSNR[1nm]-174.8 式6
OSAでは、波長全体の自然放射の特性を評価することにより、強度雑音の原因を突き止めることができます。• RINおよびRIN OMAは電気ドメインで定義されているので、これは間接測定です。
• 偏波係数αsig-seを正確に求めることは困難です。自然放射が偏波されていない、またはほんの少しだけ偏波されていることが分かっている場合はαsig-se_1を、大きく偏波されている場合はαsig-se_4を使用します。
• OSAは高い感度と高度なアベレージング機能を備え、大きなOSNRを測定できるので、電気的な方法の熱雑音やその他の雑音による影響を低減してRIN値を測定することができます。
21
6.1. 調整可能なRIN信号源
測定確度の詳細な解析は非常に複雑であり、実際に使用しているメインフレームやモジュールの多くの(時には仕様化されていない)性能により決まります。主要な数学的な解析を行う代わりに、この章では、異なる被試験デバイスおよび測定結果を比較します。86100C Infiniium DCA-Jで用いられているタイム・ドメイン測定法が、光ドメイン法や周波数ドメイン法と同様のRINの結果が得られるとすれば、DCA-Jに信頼を持っていただけるでしょう。さらに使いやすさの恩恵も得られます。DUTからの平均雑音が測定器の内部雑音を超えている限り、DCA-Jの結果は他の方法とほとんど同じであることが明らかとなっています。
異なる測定器/方法で行ったRIN測定を比較するには、信号源の特性を必要に応じて変更できると便利です。図23は可能なセットアップを示したものです。分布帰還型レーザは外部変調信号を提供し、エルビウム・ドープド光ファイバ・アンプ(EDFA)は多数の自然放射光を付加します。最初の光アッテネータは、EDFAの出力が目的の光S/N比(OSNR)を持つように信号を調整します。2番目のアッテネータはEDFAの出力パワーを減少させて、86100C InfiniiumDCA-Jなどの感度の高い測定器の過負荷を防ぎます。最後に、光フィルタが自然放射のスペクトラムの幅を信号の周囲約±1 nmまで減少させます。
86146B光スペクトラム・アナライザ(OSA)には、通過帯域と同調波長を変えられる高品質の光フィルタの機能があり、図23の光フィルタをこのような測定器に置き換えることができます。OSAの掃引測定で、OSNRを調整した後で(EDFAの入力信号が小さいほど、EDFAの自然放射は増加します)、信号パワーを目的のレベルに調整します。最後に、OSAをレーザの波長で掃引を停止させます。光出力には信号10と、OSAの分解能帯域幅(RBW)により決まる波長範囲に限定された自然放射光が含まれます。
図23: 調整可能なRIN信号源
図24: 調整可能なRIN信号源のスペクトラム
6. RIN測定の比較
10 波長可変フィルタとして使用した場合は、86146B
の損失は約5 dBです。OSAの出力とDCA-Jを接続する前に、光信号をパワー・メータで検証して、2番目のアッテネータを調整してください。
210-1 PRBS
10.3125 Gb/s
DFBレーザ(LiNbO3変調器搭載)
光アッテネータ
EDFA 光アッテネータ 光フィルタ
22
6.2. 調整可能なRIN信号源を使用した場合のDCA-JとOSAの比較
平均パワー、OSNR、自然放射の帯域幅が既知である場合は、RINおよびRINOMAを計算することができます。表2は、OSAの測定結果(図24)から計算された雑音およびRINの結果を示したもので、86105Bモジュール搭載の86100CInfiniium DCA-Jの測定結果と比較しています。ランダム雑音の差もRINの結果の差も、十分にOSAおよびDCA-Jの測定の不確かさの範囲内です。ただし、ランダム雑音が内部電気雑音11を超えないことが前提です。
図26: RIN "1" レベル(左側)とRIN OMA(右側)
図25: 信号パワー・レベル
11 DCA-Jモジュールの内部雑音を測定するには、オシロスコープ・モードに入り、Vrms(AC)を測定します。光チャネルは、等価雑音パワー(NEP)をW
またはdBm単位で表示します。12 ここで使用しているDCA-J/86105BのNEPは約12 μW
なので、"0" レベルの場合の結果は、入力信号ではなく、測定器の内部雑音が支配的です。
OSAの測定結果 DCA-Jの測定結果 計算結果
Paverage:0.02 dBm 0.021 dBm 0.140 dBm
波長 1556.67 nm -
OSNR 20.0 dB/nm -
光帯域幅 (RBW=2 nm) - 2.1 nm
雑音("1"レベル) - 49.3μW 50.6μW
雑音帯域幅 - 7.9 GHz 7.84 GHz
雑音("0"レベル)12 - 14.2μW 15.3μW
RIN("1"レベル) - -131 dB/Hz -130.3 dB/Hz
RIN OMA - -134 dB/Hz -133.4 dB/Hz
表2. DCA-Jの測定結果とOSAの測定に基づいた計算結果
(すべての雑音レベルに、測定器の電子回路に起因する雑音が含まれています)
23
6.3. EML信号源を使用した場合のDCA-JとESAとの比較
多くのショートリーチ/ロングリーチ・アプリケーションでは、EMLトランスミッタが使用されています。EMLとは、分布帰還型(DFB)レーザと電界吸収型変調器(EAM)を一体化した外部変調レーザです。DCA-Jの測定と電気スペクトラム・アナライザ(ESA)によるRIN測定とを比較するのに用いられたデバイスは、大きな自然放射スペクトラムを持っていました。EMAは、信号(すなわち、誘導放射)と自然放射の一部だけを変調しました(図27)。このため、"0" レベルごとのランダム雑音の違いは変調の消光比にそれほど左右されず、RIN OMAが少し低下した可能性があります。光フィルタは、自然放射の大部分を抑制し、信号周辺のスペクトラムだけを通過させることによりこれを改善することができましたが、コストが増加し、伝送チャネルの光パワー・バジェットが減少します。
図28の "0" レベルのランダム雑音(RN)は、"1" レベルのRNより2.7倍小さいですが、DCA-J/86105Cの電子回路の1.7 μWの等価雑音パワー(NEP)を明らかに上回っています。RIN OMAは目的の通信システムの-128 dB[1 Hz]の仕様を上回っているので、光スペクトラムをフィルタリングする必要はありません。
図28: 外部変調レーザ(EML)に対するRIN OMAの測定結果
図27:EMLのスペクトラム("1" レベル、平均パワー、"0" レベル)
24
図29は、被試験デバイス(DUT)を10 GHz O/Eコンバータに接続した後の電気スペクトラムを示しています。上側のトレースは変調をオンにした場合のパワー・スペクトラム、その他の2つのトレースは "1" レベルと "0" レベルの相対強度雑音をそれぞれ示しています。上側のトレースを積分すると変調振幅が得られるのに対して、下側のトレースを積分すると全ランダム雑音が得られます。これらの計算により、"1" レベルの場合でRIN=133.8 dB[1Hz]、RIN OMA=136.5 dB[1 Hz]という結果が得られます。この測定セットアップに小さな光反射が存在すると、レーザの線幅が広がります(下側のトレース2つは、低周波帯で3桁分もちあがっています)。それでも、ESAによるRINの測定方法は、DCA-Jとよく一致しています。
図29: 電気スペクトラム・アナライザ(ESA)の測定結果
25
7.1. 定義および電気と光の関係
7.1.1. フォトディテクタの用語
7.1.2. レーザ光源の用語
フォトディテクタからの出力電流は、光パワー入力に対してリニアです。電力は電流の2乗に比例するので、光パワー入力を2倍にすると、電流も2倍になり、電力は4倍になります。このため、値を光ドメインに適用するのか、電気ドメインに適用するのかを明確にすることが極めて重要です。
光パワー【 Popt(t)[W] 】は、フォトディテクタに到達する瞬時全パワーで、変調システムでは時間の関数です。平均光パワーPavgと混同しないでください(T=変調パターンが繰り返して現われるまでの周期):
Pavg= Popt(t)dt式7
レスポンシビティ【 rPD [A/W] 】は、フォトディテクタ(PD)の変換率を表します:
rPD=I/Popt= 式8
負荷抵抗【 RL [Ω] 】は、フォトディテクタにより検出されたインピーダンスの実数部です(図30)。通常は、測定経路または測定器の入力インピーダンスを表します。
誘導放射は、レーザ13により放射されるメイン信号パワーPsig(t)[W] です。誘導放射は通常、大きく偏波されています。回折格子方式の光スペクトラム・アナライザは、平均誘導放射(図1のピーク)も自然放射(以下を参照)も測定します。
自然放射は、光子のランダム放射です。より広い波長範囲で発生するので、波長ドメインpse [W/m] または周波数ドメインρse [W/Hz] のパワー密度と言うことができます。
ρse(f)=pse(λ)* 式9λ2
c
VRL * Popt
T
∫t=0
1T
V
BN
RL
ip ishot ith
図30: 基本的な雑音モデル
7. 付録
13 "LASER" は、"Light Amplification by Stimulated Emission of
Radiation(励起誘導放射による光増幅)" の頭文字からなる略語です。
基準面
26
7.1.3. 変調用語
全自然放射パワー【 Pse [W] 】は通常、ρse * Bopt(f)(周波数ドメイン)またはpse * Bopt(λ)(波長ドメイン)と近似することができます。この近似は、狭帯域光フィルタが用いられている場合に(例えば、波長分割多重通信システムで)成立します。正確な定義を以下に示します14。
Pse= ρse(f)df= Pse(λ)dλ 式10
レーザしきい値は、誘導放射が自然放射を上回り始めるポイントです。しきい値より下では、大量の誘導放射を引き起こすほど光パワーは強くありません。しきい値より上では、誘導放射が非常に効率的になり、放射光を支配します。
光S/N比【 OSNR(1/HzまたはdB[1Hz] 単位で測定)】は、光パワーと寄生変動のスペクトラム密度との比です。
OSNR=( )=( * ) 式11
光帯域幅【 Bopt [Hz] または[m] 】により、3 dB(1/2パワー)帯域幅の広帯域信号源(自然放射など)またはフィルタ(WDMシステムのデマルチプレクサなど)が仕様化されます。光帯域幅が中心波長(または周波数)より狭い場合は、この近似を使用して波長ドメインから周波数ドメイン、またはその反対に値を変換できます。
Bopt(f)=Bopt(λ)* 式12
光フィルタは、電気ローパス・フィルタ(表3を参照)より速くロール・オフする傾向があります。このため、雑音帯域幅は3 dB帯域幅とほぼ同じです。広帯域のフィルタ処理なし信号源(自然放射など)のBoptは通常、3 dB帯域幅15より10 %~20 %広くなります。
光変調振幅【 OMA(W)】は、干渉による歪みが生じないビットの平均 "1" レベルと平均 "0" レベルとの差です。通常は、00000と11111のシーケンスの中央のアイの中心で測定されます。
OMA=Popt1-Popt0=2 * Pavg * 式13
消光比【 ER[dBまたは無単位] 】は、光変調信号の平均 "1" レベルと平均 "0" レベルとの比です。通常は、アイの中心で測定されます。
ER= = 式14Pavg+OMA/2Pavg-OMA/2
Popt1Popt0
ER-1ER+1
cλ2
cλ2
Psigρse
Psigρse
∞
∫λ=0
∞
∫f=0
14 積分するための一般的な方法は、信号部分に含まれる自然放射光を補間法により算出します。
15 図1:自然放射の3 dB帯域幅(55 nm、パワー密度pse=-5.3-47.213 dBm=5.9 nW/nm)。トレース積分(補間信号)はPse=306 nWとなり、Bopt=306/5.9 nm=
52 nmとなります。
27
7.1.4. 雑音の用語 相対強度雑音【 RIN(1/HzまたはdB[1Hz]単位で測定)】は、1 Hz帯域幅にノーマライズされた電気的に測定された雑音パワーと、光電流のパワーとの比です。
RIN= 式15
PI=RL * I2PD=RL *(rPD * Popt)2 式16
このRINの定義では、無変調レーザ(Popt=Pavg)か、変調パターンの同じポイントでNとPIの両方を正確に測定できる測定器が必要です。86100C InfiniiumDCA-J16は、アイ・ダイアグラムの中央でロジック"1" または”0”のサンプルを数多く抽出し(図5を参照)、N1、N0、P11、P10を測定し、RINを平均スペクトラム密度として計算します。
71400C/71401C光シグナル・アナライザ17(LSA)は、スペクトラム密度を計算し、分解能帯域幅内で測定されたパワーを1 Hzにノーマライズする、周波数ドメイン測定器(スペクトラム・アナライザ)です。Nを計算するには、雑音密度のトレースを積分する必要があります。
RIN OMA(1/HzまたはdB[1 Hz]単位で測定)は、1 Hz帯域幅にノーマライズされた電気的に測定された雑音パワーと、方形波の電気変調パワーとの比です。
RIN OMA= = 式17
N1、N0、P1、P0は、"1"レベルと "0"レベルの電気雑音パワーと信号パワーです。
全ノイズ【NT [W] 】は、基準面で測定されたすべての雑音源の和です(図30を参照)。
NT=Nshot+Nsig-se+Nsig-se+Nelectronics 式18
86100C Infiniium DCA-Jは、ローパス・フィルタをフォトディテクタとサンプリング回路の間で切り替えることができます。このため、サンプラとそれに続く電子回路はフィルタに依存しない雑音項(Nsampler _ 1~5 nW)が追加されますが、式19の括弧内の雑音源については雑音帯域幅が異なります。
NT=(Nth+Nshot+Nse-se+Nsig-se)+Nsampler 式19
71400C/71401C LSAは、6~8 dBの雑音指数を持つプリアンプを備えています。雑音指数(F _ 4~7)をRLの熱雑音Nthに適用する場合は、この増幅器と測定器の残りの部分を「雑音なし」としてモデリングすることができます。
NT=Nshot+Nse-se+Nsig-se+Nth * F 式20
(N1+N0)/2PMOD * BN
NPMOD * BN
NPI * BN
16 オプション001、200、300およびファームウェア・リビジョン7.0搭載。
17 販売終了製品。
28
熱雑音パワー【 Nth [W] 】は、負荷RLの有効雑音帯域幅BNで測定されるJohnson-Nyquist雑音です。今日の電子システムでは、熱雑音密度対周波数はほぼ一定(「白色」雑音)です。熱雑音は、すべての測定に対して信号に依存しない下限値になります18(k=ボルツマン定数、T=絶対温度)。
Nth=k * T * Bn 式21
雑音帯域幅【 BN [Hz] 】は、白色雑音のローパス・フィルタの有効帯域幅を表します。理想的なローパス・フィルタの形状は、DCとBNの間に減衰または利得がなく、BNより上のすべての周波数に対しては減衰が無限大の長方形です。振幅伝達関数a(f)が既知の場合は、BNは以下のように計算できます。
BN= a2(f)* df a2(0)=1, a2(f-3dB)=1/2 式22
ショット・ノイズは、電子の定量的な性質に起因する遷移を通過する電流の統計的な変動を反映します。また、負荷抵抗においてショット・ノイズ・パワーを発生します(e=素電荷)
Nshot=RL * i2shot=RL * 2 * e * rPD * Popt * BN 式23
ショット・ノイズ電流は、すべての測定に対して信号に依存しない下限値になります。
∞
∫0
18 アベレージングまたはその他のノイズ・リダクション処理が行われていない場合。
ローパス・フィルタのタイプ Bn/f-3dB
1次(例:RCローパス) 1.56
2次臨界減衰 1.21
2次Bessel-Thompson 1.15
2次Butterworth 1.11
4次臨界減衰 1.13
4次Bessel-Thompson(フィルタONでのDCAの周波数応答) 1.046
4次Butterworth 1.026
ガウシアン 1.000
表3. BNとコーナ帯域幅との比
29
自然放射-自然放射間のビート雑音【 Nse-se [W] 】は、フォトディテクタの非線形動作のために自然放射がそれ自体と「混合」するためにフォトディテクタ内で発生します。19
Nse-se=αse-se * r2PD * RL * BN * Bopt * ρ2se 式24
=αse-se * r2PD * RL * BN * Bopt *( )2
式25
αse-seは、自然放射の偏波の程度に応じて1~4の範囲になります。ほとんどの半導体レーザは、わずかに偏波された自然放射を放出します。
信号放射-自然放射間のビート雑音【 Nsig-se [W] 】は、フォトディテクタの非線形動作のために信号が自然放射と「混合」するためにフォトディテクタ内で発生します。
Nsig-se=αsig-se *r2PD * RL * BN * Psig * ρse 式26
=αsig-se * r2PD * RL * BN * 式27
αsig-seは、自然放射の偏波の程度および状態に応じて0~4の範囲になります。信号と同じように偏波されている自然放射の場合20は4、まったく偏波されていない自然放射の場合は1、自然放射が完全に偏波されていて、信号の偏波と直交する状態の場合は0になります。
等価雑音パワー[W]は、同じ全出力雑音NTを発生させるために、理想的な(雑音のない)レシーバの入力に印加する必要のある等価光パワーに、内部雑音をすべて結合することにより、レシーバの雑音発生をモデリングします。
NEP= BN * 式28
雑音指数(F)は、実際の利得と関係なく、増幅器またはサンプラの雑音寄与を表します。Fは、実際の出力雑音パワーと増幅された入力雑音パワーとの比です(NF=雑音指数[dB])。
F= =10NF/10 式29NoutputG * Ninput
NTRL
1rPD
P2sigOSNR
PsigOSNR
19 光電流は光パワーに比例し、光パワーは電磁波の電磁界ベクトルの和の2乗に比例します。
20 フォトディテクタで。通常の光ファイバを通って伝送されている間に、光の偏波の状態はよく変化します(ただし、偏波の程度はほとんど変わりません)。
`bbbb
30
7.1.5. 変換表 光パワー比
表4. ER、"1" レベル、"0" レベル、OMA、平均パワーの関係
(上側:対数スケール、下側:リニア比)
AC信号パワーと光変調振幅
方形波変調の場合のACパワー(rms)(方形波の周期©レシーバの帯域幅21):
PMOD= * OMA20101 * r2PD * RL 式30
正弦波変調の場合のACパワー(rms)22(fmod©レシーバの帯域幅):
PMOD= * OMA2sine * r2PD * RL 式3118
14
t
t
P1 * rPD
OMA * rPD
tP0
P1
Pavg OMA
tP1 * rPD
OMA * rPD * RL
1/4 * OMA2 * r2PD * RL
+1/2 * OMA * rPD
–1/2 * OMA * rPD
図31: OMA/ACパワー変換(方形波と正弦波の例)
21 IEEE 802.3aeでは、公称ビット・レートで動作する5個の "0" とそれに続く5個の "1" で構成されるパターンの使用を推奨しています。
22 DCがまったくない場合は、正弦波の平均電力は、同じp-p振幅を持つ方形波の1/2になります。
光信号 光電流
電流(AC結合後) 変調パワー
ER 3.00 3.50 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00 9.00 10.00 11.00 12.00 14.00 17.00 20.00 00 dBP1/Pavg 1.25 1.41 1.55 1.82 2.04 2.22 2.37 2.50 2.60 2.68 2.74 2.84 2.92 2.97 0.00 dBP0/Pavg -1.75 -2.09 -2.45 -3.18 -3.96 -4.78 -5.63 -6.50 -7.40 -8.32 -9.26 -11.2 -14.1 -17.0 ? ? dBOMA/Pavg -1.77 -1.16 -0.65 0.17 0.78 1.25 1.62 1.91 2.14 2.32 2.46 2.66 2.84 2.92 3.01 dB
ER 1.995 2.239 2.512 3.162 3.981 5.01 6.31 7.94 10.0 12.6 15.8 25 50 100 00P1/Pavg 1.332 1.382 1.431 1.519 1.598 1.667 1.726 1.776 1.818 1.853 1.881 1.923 1.961 1.980 1.000P0/Pavg 0.668 0.618 0.569 0.481 0.402 0.333 0.274 0.224 0.182 0.147 0.119 0.077 0.039 0.020 0.000OMA/Pavg 0.665 0.765 0.861 1.039 1.197 1.335 1.453 1.553 1.636 1.706 1.763 1.847 1.922 1.960 2.000
31
7.2. 物理定数
ショット・ノイズが熱雑音を上回り始めるときのしきい値(雑音指数NF23を持つ増幅器):
PTh= 式32
T=300 K、F=2.5(8 dB)、RL=50 Ω、rPD=0.8 A/Wの場合、式32はPTh=0.8 mW(-1 dBm)となります。
熱雑音による制限を受けた場合のRINのダイナミック・レンジ:
RIN¡ 式33
名前 記号 値絶対温度 (T0) 0 K(-237.15 ℃)ボルツマン定数 (k) 1.380651 *10-23 J/K(= 8.617343 *10-05 eV/K)素電荷 (e) 1.602177 *10-19 Cプランク定数 (h) 4.135667 *1015 eVs(= 6.626069 *10-34 Js)光速度 (c) 2.997925 *1008 m/s
k * T * FRL *(rPD * Pavg)2
k * T * F2 * e * RL * rPD
21 雑音指数F=10NF/10。
Windows XPおよびWindows 2000は、
Microsoft Corp.の米国登録商標です。
May 10, 2007
5989-5959JAJP0000-00DEP
確実なサービス
修理/校正サービスは機器を新品同様の動作状態に戻し、お約束した納期に短期間で返却いたします。Agilentでは、Agilent機器を十分活用できるように、さまざまなサポートを提供しています。またAgilentの技術者による最新の工場校正、自動修理診断、純正部品を使用したサービスを受けられます。さらに、必要に応じて、工場の専門家にもアクセスできます。これは測定に対する最高の信頼性を意味し、不安感を抱くことなく、Agilentの修理/校正サービスを利用できます。
Agilentでは、デザイン/システム・インテグレーション/プロジェクト管理に加えて、最初のスタートアップ・アシスタンス、オンサイト教育/トレーニングなどの、機器に対するさまざまなテスト/測定サービスを提供しています。
修理/校正サービスの詳細情報については、以下をご覧下さい。
www.agilent.co.jp/find/removealldoubt
アジレント・テクノロジー株式会社
本社〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1
計測お客様窓口受付時間 9:00-19:00(土・日・祭日を除く)FAX、E-mail、Webは24時間受け付けています。
TEL ■■ 0120-421-345(042-656-7832)
FAX ■■ 0120-421-678(042-656-7840)
Email [email protected]
電子計測ホームページwww.agilent.co.jp
●記載事項は変更になる場合があります。ご発注の際はご確認ください。
Copyright 2007アジレント・テクノロジー株式会社
www.agilent.co.jp/find/emailupdates-JapanAgilentからの最新情報を記載した電子メールを無料でお送りします。
電子計測UPDATE
www.agilent.co.jp/find/openAgilentは、テスト・システムの接続とプログラミングのプロセスを簡素化することにより、電子製品の設計、検証、製造に携わるエンジニアを支援します。Agilentの広範囲のシステム対応測定器、オープン・インダストリ・ソフトウェア、PC標準I/O、ワールドワイドのサポートは、テスト・システムの開発を加速します。
www.agilent.co.jp/find/agilentdirectテスト機器ソリューションを迅速に選択し使用できます。
Agilent Direct
Agilent Open