パブリック・アントレプレナーシップ2 特 集...

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2 平成12年の地方分権一括法施行以後、地方公共団体の果たすべき役割は、自己決定、 自己責任の原則の下、ますます大きくなってきています。しかし、財政状況も厳しく、 行政需要も多様化・高度化する中で、自治体の住民に対するサービスは十分とはいえな いのではないでしょうか。 もちろん、職員は住民のニーズを考え、なんとか十分なサービスを提供したいと考え ているでしょう。ところが、「予算がない」「時間がない」「人材不足」といったことでそ れが出来ないでいるのも実態です。また、一部には、「問題意識の欠如」「前例踏襲体質」 といった問題点がある場合もあります。 そういった場面で、予算や時間がないからといって諦めるのではなく、独自のアイデ アで事業を行ったり、縦割りではなく様々な事業とコラボレーションすることによって 問題解決を図ったり、住民と協働することにより事業を展開したりすることが有効では ないでしょうか。そのような気持で事業に取り組むことが、まさにアントレプレナーシ ップ(起業家精神)の発揮であると考え、特集テーマを『パブリック・アントレプレナ ーシップ -行政職員の起業家精神-』としました。 「スーパー公務員養成塾」の取組などで知られる経済産業省の鈴木英敬氏を始め、多 くの方々に多角的に「パブリック・アントレプレナーシップ」について論じていただき ました。 上田埼玉県知事の発言にみるパブリック・アントレプレナーシップ 特集テーマ パブリック・アントレプレナーシップ ―行政職員の起業家精神― (テーマ提案者:埼玉県熊谷西高等学校  高橋 洋興) 年度は、4 月からですが、いつから始めても結構です。企業誘致大作戦も 1 月から 始めました。スーパーサポート資金も 11 月から始めました。いつからでも始めてい いんです。思いついたら今すぐ始めて大丈夫です。4 月から始めなくてはならないと いうことはありませんから。事務費で動くことができますから。予算が無くとも仕 事はできますから。人がいればできます。最小限度の事務費はあるはずですから。 気づいたことで、今すぐできることは今すぐやっていただきます。� 日々の改善を積み重ねる。そのうち、改善ではなくて、大革命みたいな大ヒット が生まれます。どれだけ各部署で改善ができるのか。そういうことを意識していた だきたいと思います。    � <平成 18 年仕事始めの式 知事年頭あいさつから>� aaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa

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Page 1: パブリック・アントレプレナーシップ2 特 集 平成12年の地方分権一括法施行以後、地方公共団体の果たすべき役割は、自己決定、 自己責任の原則の下、ますます大きくなってきています。しかし、財政状況も厳しく、

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集平成12年の地方分権一括法施行以後、地方公共団体の果たすべき役割は、自己決定、

自己責任の原則の下、ますます大きくなってきています。しかし、財政状況も厳しく、

行政需要も多様化・高度化する中で、自治体の住民に対するサービスは十分とはいえな

いのではないでしょうか。

もちろん、職員は住民のニーズを考え、なんとか十分なサービスを提供したいと考え

ているでしょう。ところが、「予算がない」「時間がない」「人材不足」といったことでそ

れが出来ないでいるのも実態です。また、一部には、「問題意識の欠如」「前例踏襲体質」

といった問題点がある場合もあります。

そういった場面で、予算や時間がないからといって諦めるのではなく、独自のアイデ

アで事業を行ったり、縦割りではなく様々な事業とコラボレーションすることによって

問題解決を図ったり、住民と協働することにより事業を展開したりすることが有効では

ないでしょうか。そのような気持で事業に取り組むことが、まさにアントレプレナーシ

ップ(起業家精神)の発揮であると考え、特集テーマを『パブリック・アントレプレナ

ーシップ -行政職員の起業家精神-』としました。

「スーパー公務員養成塾」の取組などで知られる経済産業省の鈴木英敬氏を始め、多

くの方々に多角的に「パブリック・アントレプレナーシップ」について論じていただき

ました。

上田埼玉県知事の発言にみるパブリック・アントレプレナーシップ

特集テーマ

パブリック・アントレプレナーシップ―行政職員の起業家精神―(テーマ提案者:埼玉県熊谷西高等学校  高橋 洋興)

 年度は、4月からですが、いつから始めても結構です。企業誘致大作戦も1月から

始めました。スーパーサポート資金も11月から始めました。いつからでも始めてい

いんです。思いついたら今すぐ始めて大丈夫です。4月から始めなくてはならないと

いうことはありませんから。事務費で動くことができますから。予算が無くとも仕

事はできますから。人がいればできます。最小限度の事務費はあるはずですから。

気づいたことで、今すぐできることは今すぐやっていただきます。�

 日々の改善を積み重ねる。そのうち、改善ではなくて、大革命みたいな大ヒット

が生まれます。どれだけ各部署で改善ができるのか。そういうことを意識していた

だきたいと思います。    �

<平成18年仕事始めの式 知事年頭あいさつから>�

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Page 2: パブリック・アントレプレナーシップ2 特 集 平成12年の地方分権一括法施行以後、地方公共団体の果たすべき役割は、自己決定、 自己責任の原則の下、ますます大きくなってきています。しかし、財政状況も厳しく、

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パブリック・アントレプレナーシップのすすめ