イノベーション分析からみる日本の最先端研究～J‐GLOBAL foresightとJST指標

Japan’s Leading‐edge Research from Analysis of Innovation Performance

独立行政法人 科学技術振興機構

Japan Science and Technology Agency

治部眞里

Mari Jibu MBA Ph.D.

1http://foresight.jst.go.jp/

Japan Research Day & Research Front Award 2012日本の優れたリサーチフロントを称えて2012年2月21日 トムソン・ロイター赤坂オフィス

背景

• 政策的要請• 平成20年度予算内示の折、財政当局からファンディング効果の評価の推進を求められる

• 透明性• 成果の発信（JST指標等の開発）

• 俯瞰• サイエンス・イノベーション・テクノロジー世界の構造の俯瞰が必要

• 政策的要請• 平成20年度予算内示の折、財政当局からファンディング効果の評価の推進を求められる

• 透明性• 成果の発信（JST指標等の開発）

• 俯瞰• サイエンス・イノベーション・テクノロジー世界の構造の俯瞰が必要

http://foresight.jst.go.jp/ 2Thomson Reuters “Web of Science ”自然科学分野に基づき、JST情報事業にて集計

なぜ俯瞰か話題領域発展領域関係機関 等

直感的に迅速に把握するため

なぜ俯瞰か話題領域発展領域関係機関 等

直感的に迅速に把握するため

http://foresight.jst.go.jp/ 3

第4期科学技術基本計画

P1７ 国は、産学官連携の成果を総合的に検証するため、特許実施件数や関連収入などの量的評価を推進するとともに、市場への貢献、研究成果の普及状況、雇用の確保など質的評価を充実する。また、これらの評価に必要な体制を整備する。

P20 国は、大学等の参画機関の協力を得て、研究目的に限り、特許を無償開放する仕組みを構築する。また、特許と関連する科学技術情報を併せて収集、公開する仕組みや、知的財産を利用、活用するための枠組みを整備する。さらに、特許や各種文献を連結、分析するシステムなど、知的財産関連情報の基盤整備とネットワーク化を推進する。

P29 国は、科学技術に関する政策決定に活用するため、海外の情報を継続的、組織的、体系的に収集、蓄積、分析し、横断的に利用する体制を構築するとともに、これらに携わる人材の養成を進める。

P31 国は、国際水準の研究の推進や人材の育成と確保、国際的な情報発信の機会の充実等の取組を多面的に支援する。その際、大学及び公的研究機関の機関別、研究領域別に評価を行い、その結果を資金配分に反映する仕組みを検討する。

P39 研究情報基盤は、我が国の研究開発活動を支える基盤的情報インフラであり、これまでも研究情報ネットワークの整備や運用、研究成果の保存、発信など着実な推進が図られてきた。一方、財政問題や事務体制、技術的問題により、個々の機関では研究情報基盤の整備が難しくなりつつある。これらを踏まえ、国として、研究成果の情報発信と流通体制の一層の充実に向けて、研究情報基盤の強化に向けた取り組みを推進する。

＜推進方策＞

国は、デジタル情報資源のネットワーク化、データの標準化、コンテンツの所在を示す基本的な情報整備、さらに情報を関連付ける機能の強化を進め、領域温暖的な統合検索、構造化、知識抽出の自動化を推進する。また、研究情報全体を統合して検索、抽出することが可能な「知識インフラ」としてのシステムを構築し、展開する。

P47 ハイリスク研究や新興・融合領域の研究が積極的に評価されるよう、多様な評価基準や項目を設定する。研究開発課題の評価においては、研究開発活動に加えて、人材養成や科学技術コミュニケーション活動等を評価基準や評価項目として設定することを進める。また、それが有効と判断される場合には、世界的なベンチマークの適用や海外で活躍する研究者等の評価者としての登用を促進する。

P44 国は、「科学技術イノベーション政策のための科学」を推進し、客観的根拠（エビデンス）に基づく政策の企画立案や、その評価及び検証の結果の政策への反映を進めるとともに、政策の前提条件を評価し、それを政策の企画立案等に反映するプロセスを確立する。その際、自然科学の研究者はもとより、広く人文社会科学の研究者の参画を得るとともに、これらの取組を通じて、政策形成に携わる人材の養成を進める。

政策的課題政策的課題 社会ニーズ社会ニーズ

電子化

企業ニーズ企業ニーズ

書誌DBｼｽﾃﾑ（総合情報ｼｽﾃﾑ）

ReaD（更新系）

J-GLOBAL（更新系）

JaLC

J‐STAGE（公開系）

J‐STAGE（公開系）

JDreamⅡ（高付加価値）

JDreamⅡ（高付加価値）

J‐GLOBAL（一般用IF）J‐GLOBAL

（一般用IF）J‐GLOBAL foresight

（分析用IF）

J‐GLOBAL foresight

（分析用IF）

ＪＳＴ知識インフラのバックボーン他の知識インフラ （体系的に整理され、関連付けられたメタデータ群（基本情報））

知識抽出

文献（電子Ｊ）文献（冊子） 文献（特許） ファクトデータ 研究者等

学協会支援

求人・求職

ポスドク支援

人材育成

国際競争力国際競争力

4

http://foresight.jst.go.jp/

J‐GLOBAL用Web of Science日本人研究者

J‐GLOBAL foresight分析用

Web of ScienceDerwent World Patents IndexDerwent Patents Citation Index

JST知識インフラ

http://foresight.jst.go.jp/2011年12月21日リリース

使用したデータベース

Thomson Reuters:• Web of Science• Essential Science Indicators• Derwent World Patents Index• Derwent Patent Citation IndexJDreamIIJ-GLOBAL

使用したテクノロジー

AmChartsGoogle APICytoscapeCystoscape Web

5http://foresight.jst.go.jp/

http://foresight.jst.go.jp/ 6

ナビゲーションコントロールの上下左右のコントロールを使用して地図上を移動可能世界の論文数を表示

グラフにカーソルを持って行くと、情報ウィンドーが開き論文数も表示可能

データをダウンロード可能

ナビゲーションコントロールの上下左右のコントロールを使用して地図上を移動可能世界の論文数を表示

グラフにカーソルを持って行くと、情報ウィンドーが開き論文数も表示可能

データをダウンロード可能

簡易分析ツールは、J‐GLOBALのデータを

対象検索式にユーザーがキーワードを挿入リアルタイムで可視化可能人出が付与したキーワードを使用した高度な主題分析に関しては、情報提供部AnViSeersで提供

簡易分析ツールは、J‐GLOBALのデータを

対象検索式にユーザーがキーワードを挿入リアルタイムで可視化可能人出が付与したキーワードを使用した高度な主題分析に関しては、情報提供部AnViSeersで提供

Knowledge Embodiment(知の具現化）

Knowledge Creation（知の創造）

A (Existing Technology:出発点としての既存テクノロジー)

A (Existing Technology:出発点としての既存テクノロジー)

A’ (Paradigm Sustaining Innovation:パラダイム持続型テ

クノロジー)

A’ (Paradigm Sustaining Innovation:パラダイム持続型テ

クノロジー)

S (Existing Knowledge:既存のサイエンス)

S (Existing Knowledge:既存のサイエンス)

A* (Paradigm Disruptive Innovation:

イノベーション)

A* (Paradigm Disruptive Innovation:

イノベーション)

ブレークスルー（Breakthrough)

イノベーション創造を推進する機関としてのJST

P (Created Knowledge:サイエン

スの発展)

P (Created Knowledge:サイエン

スの発展)

Field of Resonance:共鳴場

Patent:特許

Patent:特許

ForesightForesight

Funding：ファンディング

Paper:論文

Paper:論文

テクノロジーリジ（特許～論

Science Linkage（サイエンスリ

ンケージ）

Mapping: Keywords（マッピン

グ：キーワード）

Citation Analysis:引用分

析

Citation Analysis:引用分析

Mapping: Keywords（マッピン

グ：キーワード）

Paper:論文

Paper:論文

Patent:特許

Patent:特許

Paper:論文

Paper:論文

Patent:特許

Patent:特許

テクノロジーリンケージ（特許～論文）

Funding:ファンディング

7http://foresight.jst.go.jp/

演繹（Deduction)

帰納（Induction)

創発（Abduction)

Funding：ファンディング

Funding：ファンディング

論文 論文と特許のリンケージ 特許

サイエンスフロントScience Front

サイエンスの世界を俯瞰

イノベーションフロントInnovation Front

テクノロジーに影響を与えるサイエンスの世界を俯瞰

テクノロジーフロントTechnology Front

テクノロジーの世界を俯瞰

Essential Science Indicators (ESI)+Web of Science (WoS)

Essential Science Indicators (ESI)+Derwent World Patents Index(DWPI)+Derwent Patent Citation Index(DPCI)

Derwent World Patents Index(DWPI)+Derwent Patent Citation Index(DPCI)

論文A論文A 論文 B論文 B

論文X論文X 論文 Y論文 Y論文Z論文Z

AA

BB

DDCC

EE

FF GG

II JJ

HH

特許 A特許 A 特許 B特許 B

特許 a特許 a特許b特許b 特許c特許c

AA

BB

DDCC EE FF

GG

II

JJ H

論文A論文A論文 B論文 B

特許X特許X 特許Y特許Y 特許 Z特許 Z

AA

BB

DDCC

EE

FF GG

II JJ

HH

ESI

WoS

ESI

DWPI+DPCI

DWPI+DPCI

サイエンス、イノベーション、テクノロジーの全体構造を俯瞰

http://foresight.jst.go.jp/

DWPI+DPCI

類似度が高い論文がクラスター化

類似度が高い論文がクラスター化

類似度が高い特許がクラスター化

類似度が高い特許がクラスター化

類似度が高い論文がクラスター化

類似度が高い論文がクラスター化

特許A

特許B

特許C特許D

特許E

Derwent Innovation Index

論文○○

論文△△

論文××共引用

関係

共引用関係

被引用TOP1%（ESI）

引用

共引用２共引用１

論文■■

特許F

共引用関係

共引用１

各グループ（イノベーションフロント）

特許に審査官に共引用される論文に注目し、特許に引用される論文を分析することで、テクノロジーに影響のあるサイエンスの世界構造を俯瞰

特許に審査官に共引用される論文に注目し、特許に引用される論文を分析することで、テクノロジーに影響のあるサイエンスの世界構造を俯瞰

閾値（M>=0.3）の論

文のペアー抽出

閾値（M>=0.3）の論

文のペアー抽出

9http://foresight.jst.go.jp/

イノベーションフロントの導出方法

論文▼▼

)()(),(

jfifjifM

×=

任意の論文I,jの特許からの被引用回数をf(i),f(j)とし、以下の式でMを導出

任意の論文I,jの特許からの被引用回数をf(i),f(j)とし、以下の式でMを導出

クラスター化クラスター化

ESI（TOP1%論文）2006年～2010年約5万件約348件のペアを抽出

イノベーションフロント:2323クラスタの構成論文数：119日本人研究者の論文数：7

ESI（TOP1%論文）2006年～2010年約5万件約348件のペアを抽出

イノベーションフロント:2323クラスタの構成論文数：119日本人研究者の論文数：7

• ノードの大きさは論文の被引用回数に比例

• ノード表示：分野（変更可能）

• ノード間の距離は論文の類似度に比例

• ノードをクリックすると論文の書誌データを表示

• オープンソースであるCytoscapeを使用

10

イノベーションフロント

Sources: Calculated by JST J-GLOBAL foresight based on data from Thomson Reuters’s Essential Science Indicators and Derwent Patent Citation Index

11http://foresight.jst.go.jp/

松澤佑次（大阪大学）Review論文

内臓脂肪と動脈硬化症を直接つなぐ分子「アディポネクチン」の発見アディポサイトカイン

門脇孝（東京大学）生活習慣を原因とする２型糖尿病インスリン抵抗性の分子機構

山中伸弥（京都大学）iPS(2006,2008)

審良静男（大阪大学）尿酸結晶を原因とする痛風に対するIL‐1ファミ

リー

神田一（神戸大学）脂肪組織由来のMCP‐1の耐糖能異

常・脂肪肝への影響を解明

イノベーションフロントを形成する日本の最先端研究

Sources: Calculated by JST J-GLOBAL foresight based on data from Thomson Reuters’s Essential Science Indicators and Derwent Patent Citation Index

掲載ジャーナル（上位10) 分野

インパクトファクターの高いScience Natureの論文の引用が多い

分野は臨床医学が最も多く、生物学・生化学、分子生物学・遺伝学と続く

12http://foresight.jst.go.jp/

テクノロジーリンケージ

Sources: Calculated by JST J-GLOBAL foresight based on data from Thomson Reuters’s Essential Science Indicators and Derwent Patent Citation Index

13

•客観性の高いデータ（ハードデータ）の検索、あるいは計量分析結果を政策決定者や研究者の方に提示し、エビデンスベースの政策立案者の高度な分析をサポート

•ユーザーがデータを見ながら、その因果関係を見極め、機関の研究戦略等への貢献

•JST自らの事業実施責任として、JSTの事業成果の公開

•科学技術イノベーションの世界を計測する新しい指標を開発提示

•ユーザーとの双方向性機能を付与

http://foresight.jst.go.jp/

J-GLOBAL foresightの今後の展開

http://foresight.jst.go.jp/ 14

ご清聴ありがとうございました

連絡先治部 眞里（Mari Jibu) MBA Ph.D.

〒102-8666東京都千代田区四番町5番地3サイエンスプラザイノベーション推進本部知識基盤情報部 知識基盤高度化担当

TEL:03-5214-8431E-mail: m2jibu@jst.go.jpJST： http://www.jst.go.jp

J-GLOBAL foresight： http://foresight.jst.go.jp