リオティントと日本...ファクトシート 2020年11月現在...

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ファクトシート 2020年11月現在 日本はリオティントの最重要かつ長期にわたるパートナーの一つです。当社は国際的大手鉱 業グループとして探鉱・鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とし、日本に対する鉄鉱石最 大のサプライヤーとして50余年で19億トン以上を出荷。同時に日本企業は当社操業の大 切なパートナーとして、世界中の合弁事業やバリューチェーン、技術革新に欠かせない存在 です。 日本との長い歴史 リオティントが日本に資源の供給を開始したのは1920 年代で、ホウ素製品の出荷から始まりました。1930 年代にアルミニウム、1950年代にチタンスラグの供給 が開始され、1961年にはコマルコ社 (現リオティント ア ルミ部門) がボーキサイトのトライアル品出荷を豪州か ら日本へ向けて行いました。 そして、1960年代に西豪州ピルバラ地区でリオティン トが鉄鉱石鉱山の開発を開始するにあたっては、その 鉱山からの鉄鉱石の長期購入契約を日本の製鉄会 社が結んでくれたことで、鉱山開発は大きく飛躍しまし た。同契約はまさに当時豪州における最大の売買契 約でした。 2016年、ピルバラ地区の最初の鉱山であるマウント・ トム・プライスから鉄鉱石が日本へ初めて出荷されてか ら50年の節目を迎え、そして2017年、これまでピルバ ラ地区の全ての鉱山から生産した鉄鉱石の日本を含 む世界への累積出荷量が50億トンに達しました。 このように、日本とリオティントは、多角的で強固なパー トナーシップを約100年にわたり構築し続けています。 今日の私たちのビジネスは、日本企業との強い信頼と 安定した関係をなくして語ることができません。 最初の鉄鉱石輸送鉄道の出発ー西豪州ピルバラ地区 (1966年) 西豪州ダンピア港で「邦雲丸」に最初の日本向け鉄鉱石の荷積み (1966年) リオティントと日本

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  • ファクトシート 2020年11月現在

    日本はリオティントの最重要かつ長期にわたるパートナーの一つです。当社は国際的大手鉱業グループとして探鉱・鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とし、日本に対する鉄鉱石最大のサプライヤーとして50余年で19億トン以上を出荷。同時に日本企業は当社操業の大切なパートナーとして、世界中の合弁事業やバリューチェーン、技術革新に欠かせない存在です。

    日本との長い歴史

    リオティントが日本に資源の供給を開始したのは1920

    年代で、ホウ素製品の出荷から始まりました。1930

    年代にアルミニウム、1950年代にチタンスラグの供給

    が開始され、1961年にはコマルコ社 (現リオティント ア

    ルミ部門) がボーキサイトのトライアル品出荷を豪州か

    ら日本へ向けて行いました。

    そして、1960年代に西豪州ピルバラ地区でリオティン

    トが鉄鉱石鉱山の開発を開始するにあたっては、その

    鉱山からの鉄鉱石の長期購入契約を日本の製鉄会

    社が結んでくれたことで、鉱山開発は大きく飛躍しまし

    た。同契約はまさに当時豪州における最大の売買契

    約でした。

    2016年、ピルバラ地区の最初の鉱山であるマウント・

    トム・プライスから鉄鉱石が日本へ初めて出荷されてか

    ら50年の節目を迎え、そして2017年、これまでピルバ

    ラ地区の全ての鉱山から生産した鉄鉱石の日本を含

    む世界への累積出荷量が50億トンに達しました。

    このように、日本とリオティントは、多角的で強固なパー

    トナーシップを約100年にわたり構築し続けています。

    今日の私たちのビジネスは、日本企業との強い信頼と

    安定した関係をなくして語ることができません。

    最初の鉄鉱石輸送鉄道の出発ー西豪州ピルバラ地区 (1966年)

    西豪州ダンピア港で「邦雲丸」に最初の日本向け鉄鉱石の荷積み

    (1966年)

    リオティントと日本

  • ファクトシート 2020年11月現在

    重要な取引先、日本

    高度経済成長期の真っただ中、1966年に当社は日

    本で法人を設立し、2019年にはグループ全体の世界

    市場で9%に相当する約39億米ドルの生産品を日本

    へ輸出しました。リオティントは日本への鉄鉱石最大の

    サプライヤーであり、また金属・鉱物資源においても日

    本最大のサプライヤーの一つとして250を超える日本

    企業へ、アルミニウム、銅、モリブデン、産業用鉱産物

    (ホウ砂、酸化チタン、塩など) 、ウラン、ダイヤモンドを

    供給。顧客企業は、製鉄会社、電力会社、商社、化

    学メーカーなど幅広く、中でも日本製鉄はリオティントに

    とって世界最大の取引先の一つです。

    鉄鉱石

    リオティントは日本の製鉄

    (高炉) 会社全てと取引す

    る日本最大の鉄鉱石サプラ

    イヤーです。その販売量のほ

    とんどは西豪州ピルバラ地区からの鉄鉱石ですが、リオ

    ティントが過半を出資するカナダのIOC社からの輸入も

    含まれています。また、操業において、日本製鉄、三井

    物産はリオティントのピルバラ地区のパートナーであり、

    三菱商事はIOC社のパートナーです。

    アルミニウム

    日本国内にアルミニウム

    製錬所がないため、日

    本は必要なアルミ新地

    金の全てを輸入し、また

    海外の製錬所に投資しています。リオティントは日本に

    対する最大のサプライヤーの一つであり、主にニュージー

    ランド (エンザス製錬所) やカナダ (キチマット製錬所)

    から、また豪州からも供給しています。さらに日本企業

    は、エンザス製錬所や豪州のボイン製錬所、グラッドス

    トーン発電所のパートナーです。

    1970年代より日本の需

    要家の協力を得ながら鉱

    山を開発し、銅精鉱を継

    続的に日本へ供給。リオ

    ティントが30%の権益を保有する世界最大の銅鉱山

    であるチリのエスコンディーダは、三菱商事、JX金属、

    三菱マテリアルをパートナーとし、安定供給を実現して

    います。開発には国際協力銀行 (JBIC) を中心とす

    る日本の融資と生産物の引取保証が大きな役割を担

    い、以来日本から継続的な支援を受けて供給を続け

    ています。

    モリブデン

    米国のリオティント・ケネコット社はモリブデンを銅の副産

    物として生産し、日本の特殊鋼メーカーを中心に継続

    的に販売しています。日本は、歴史的にも北米、欧州

    と並んで大きな市場です。

    産業用鉱産物(ミネラル)

    日本はリオティントの産業用鉱産

    物類の主要な市場です。これら

    は塗料、製紙、プラスチックに用

    いられ、また金属チタンの原料と

    なる酸化チタン、自動車の鋳造

    部品に用いられる金属パウダー

    や高純度銑鉄、特殊な耐火材、ガラスやセラミック

    スに用いられるジルコン、工業用塩、そして絶縁用

    ガラス繊維やスマートフォン、タブレット、TVスクリー

    ン用ガラスに用いられるホウ酸塩などがあります。

    ダイヤモンド

    リオティントのアーガイル・ピンク・ダイヤモンドの販売額に

    おいて日本は常にトップ3に入る大きな市場。ピンクダイ

    ヤモンドのブームは日本から始まり

    ました。1980年代バブル期に日

    本の宝飾デザイナーたちがアーガ

    イルのピンクダイヤモンドを大胆か

    つ美しくデザインに採り入れたこと

    がきっかけとなり、世界中がその美

    しさの虜になりました。

    リオティントの世界中の

    操業や探査プロジェクトで

    多くの日本企業が当社の

    パートナーになっています

  • ファクトシート 2020年11月現在

    鉱山からマーケットまで

    バリューチェーンにおける日本企業

    日本企業は機器や資機材、物資のサプライヤーとし

    て、リオティントの世界中の鉱山からマーケットに至るバ

    リューチェーンの中で、欠かせない存在です。

    リオティントの操業現場では、コマツ、日立建機、ブリヂ

    ストン、トヨタ自動車、IHI、アーステクニカ (川崎重工

    グループ) などの日本製品が日々活躍しています。

    総延長1,700キロ以上におよぶ西豪州のリオティント

    鉄鉱石専用鉄道網では、日本製鉄とJFEスチールの

    レールの全量を供給するとともに、全自動無人列車の

    運行には日立製作所グループ企業の技術を採用して

    います。また、カナダのグループ会社IOC社が運行する

    専用鉄道でも、現在使用されているレールの大半は

    日本製です。

    また、原料となる鉱石からアルニウムを精製・加工する 過程では、東ソーを始めとする化学品メーカーや、富

    士電機、SECカーボン、東海カーボンおよび昭和電工

    など日本企業の物資・資材が使用されています。

    海上輸送においては、名村造船所、大島造船所で

    建造された船がリオティントの輸送船団の一部をなし、

    商船三井、日本郵船、川崎汽船や三徳船舶といった

    船会社が所有、または運行するばら積み船で海上輸

    送を行っています。

    日本企業とリオティントがつなぐ好循環

    鉄鉱石はリオティントの鉱山から日本へ出荷され、鉄と

    なり、その鉄が日本の革新的なテクノロジーや熟練の

    技により、高層建築物、橋梁や自動車などに形を変

    えます。鉄はまた、ダンプトラック、掘削機、タイヤ、レー

    ル、船舶、その他多くの日本製品となり、リオティントの

    世界中の操業現場の力となります。そしてリオティント

    がさらに多くの鉄鉱石を採鉱し、日本へ出荷。このよう

    な経済・生産の好循環は今日も続いています。

    イノベーションパートナーとしての日本企業

    日本企業との戦略的イノベーションにおけるパートナー

    シップは、リオティントの操業全般にわたる安全と効率

    性の強化をもたらしています。

    日本の先進的技術、例えば、コマツとのパートナーシッ

    プで開発されたトラック自動・無人運行システム、また

    「カイゼン」「リーン生産方式」といった日本生まれの事

    業改善のアプローチが代表的です。また、ピルバラ地区

    の鉄道自動運行システム AutoHaul™ の構築は、日

    立レールSTS社が行いました。

    (左) 西豪州ピルバラ地区を走るトラック自動運行システム(AHS)による無人トラック/(中央) 西豪州ピルバラから約1,500キロ離れたパースにあるオペレー

    ションセンターのコントロールルーム/(右) 西豪州ピルバラ地区を走る鉄道自動運行システムによる無人輸送鉄道

    リオティントは1966年より

    日本にオフィスを構え、重

    要な日本とのビジネスを継

    続し、発展させています

  • ファクトシート 2020年11月現在

    歴史的な訪問

    2014年7月、リオティントは西豪州ピルバラ地区の

    ウェスト・アンジェラス鉄鉱石鉱山に、安倍晋三首相

    (当時) と豪州のアボット首相 (当時) をお迎えしま

    した。ウエスト・アンジェラス鉱山は、リオティントと日

    本製鉄、三井物産によるローブ・リバー合弁事業の

    一部です。この視察は、日本の首相によるリオティン

    ト鉱山への初めての訪問となりました。

    2014年、西豪州ピルバラ地区の自動運行無人トラックに乗る安倍晋三首

    相 (当時)、トニー・アボット豪州首相(当時)、とリオティントの幹部

    西豪州ピルバラ地区ウェスト・アンジェラス鉱山でスピーチする安倍晋三首相

    (当時)(2014年)

    第23回世界スカウト・ジャンボリーにおける 「From the Earth to My Life」 展示 4WD車に使用される鉄の量を調べる子供たち

    地域社会への貢献

    リオティントは、2011年3月の東日本大震災と津波

    で被害を受けた東北地方の方々に対する支援を続け

    ています。2011年5月には、コマツと共同で、東日本

    大震災で被災し、修学が困難となった東北大学の学

    生に対して、10年間にわたり総額4億円の奨学金を

    支給し、経済的支援を行っています。

    2015年夏には、山口県で開催された第23回世界ス

    カウト・ジャンボリーにおいて、日本のビジネスパートナー

    数社と共同し、日本の未来を担う若者たちに天然資

    源が私たちの日常生活にとっていかに重要かを理解し

    てもらうため、「From the Earth to My Life (大地

    から私たちの生活へ)」 と題した展示を行いました。会

    場では、鉄鉱石、ボーキサイト、銅鉱石といった重要な

    鉱物が、鉄、アルミニウム、銅という金属に形を変え、さ

    らに加工されて自動車の一部となる一連の流れを分か

    りやすく示しました。

    また、リオティントは2018年よりボーイスカウト日本連盟

    と共同で、小学生向けの安全教育プログラム「セーフ

    ティエキスパート」を制作しました。 これはリオティントが

    世界中の操業地で実施している「Take Five」と呼ば

    れるリスクアセスメントのアプローチに基づくプログラムで、

    カブスカウトたちが日常生活における安全上のリスクに

    ついて考え、対処することを推奨しています。