ネパール地震における緊急救援から復興支援への視点 - toyo … · 2018. 12....
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Build Back Betterネパール地震における緊急救援から復興支援への視点
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)木村万里子
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SVAは、「共に生き、共に学ぶ」ことができる
平和(シャンティ)な社会の実現を目指します。
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「ネパール地震の復興支援を考える」
1.ネパール概要
(1)地域・文化的特徴
(2)社会的課題
2.地震被災地での支援活動:緊急~復興へ
(1) 初動調査
(2) 事業形成
(3) 支援活動
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ネパールと国境を接していない国は?① インド
② ブータン
③ 中国
Q1
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②番 「ブータン」答え
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ネパールで最も信仰されている宗教はQ2 ?①仏教
②イスラム教
③ヒンドゥ-教
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③番 「ヒンドゥー教」答え
*ヒンドゥ-教:81.3%
*仏教: 9.0%
*イスラム教: 4.4%
駐日ネパール大使館データ
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ネパールの女性の非識字率(字の読み書きができない人の割合)は
Q3 ?①約20%(5人に1人)
②約33%(3人に1人)
③約50%(2人に1人)
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③番 約50%(2人に1人)答え
ネパールの識字率
*男性:71%
*女性:47%
*全体:57%
2015EFAモニタリングレポート
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ネパールについて(地理・社会)
• 国土は14.7万平方キロ(北海道の約1.8倍)• 人口は2,649万人(2011年)で多数の民族から成る• 宗教はヒンドゥー教徒(81.3%)・仏教徒(9.0%)・イスラム教徒(4.4%)など• 6月~9月の雨期と10月~5月の乾期に分けられる• 標高は海抜70mから、8,848mのエベレストまで標高差に富む
*データはネパール大使館ホームページ
ネパール
中国
インド
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ネパールについて(歴史ー1990年以降)
1990年 4月民主化運動、11月憲法制定1996年 2月マオイスト人民戦争開始1997年 地方選挙実施(5年後任期満了)2001年 6月ビレンドラ国王一家殺害事件、
ギャネンドラ国王即位2002年 下院解散、首相解任により国王親政2005年 2月国王による緊急事態令発令2006年 4月民主化運動、国王が主権を国民に返還
11月 7政党とマオイストの間で包括和平合意調印2007年 暫定憲法成立2008年 制憲議会招集、国王退位、連邦民主共和国へ移行2009年 連立政権崩壊2014年 1月第二次制憲議会招集2015年 9月16日 新憲法承認、公布
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• 一人当たり名目GDPは699ドルで世界で172位
【参考】日本は36,332ドルで27位*1
• アジアでは一人当たり名目GDPは24ヶ国中、最下位で最貧国
の一つである*1
• 産業構造は就労人口の約66%を農業に依存、製造業及び小売
業がそれぞれ9%を占める*2
• 教育:教育へのアクセス・質 小学校就学率
教育格差(カースト間、民族間、地域間、男女間)
ネパールについて(社会的課題)12
*1 IMFのWorld Economic Outlook Databases 2015 Aprilより*2 外務省ホームページ及び駐日ネパール大使館ホームページより
ネパールの女性がおかれている状況
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人身売買(トラフィッキング)
家庭内暴力(DV)
女性に対する偏見(穢れ)
早婚
低い識字率 4人に1人は女性世帯主
伝統的慣習(結婚時の持参金)
重労働(家事、子育て、畑仕事)
貧しい農村で被災した若い女性や少女たちは人身売買のターゲットに
2015年5月5日、英紙ガーディアンは、大地震で被災した若い女性たちが人身売買のターゲットになっていると報じた。同紙によると、7,000人以上の死者が出ているほか、貧しい農村地帯に住んでいた数十万人が家も持ち物も失っている。それらの地域に住む若い女性や少女らは、これまでも人身売買のターゲットとなっており、韓国などで売春婦として働かされてきた。
国連や地元NGOによると、ネパールで人身売買の犠牲となっているのは毎年12,000人から15,000人に上るとみられており、韓国や遠くは南アフリカまで連れて行かれ、売春婦として働かされているという。首都カトマンズにあるNGOの担当者は、人身売買のブローカーたちは、災害時を利用して支援という名目で女性たちを誘い出す実態があると指摘、人々にそういう情報を知らせるための活動も行っていると述べている。
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4月25日マグニチュード7.8の地震が発生
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直後に情報収集・支援検討を開始
• 被害状況
• 国連や他団体の動き
• ネパールについて(PESTLE)
• 現地パートナー探し
• 団体内での支援検討
• 助成金の申請
• ロジ手配(航空券、保険等)
• 情報発信
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初動調査:百聞は一見に如かず
• ニーズはどこにあるのか?
• 自分たちに何ができるのか?
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ダルバール広場。古い寺院が全壊する一方で、新しい建物はダメージが見られず、カトマンズ市内に於いては被害が局地的
バクタプールの寺院跡の瓦礫を撤去するボランティアの人たち
初動調査:カトマンズ市内・近郊
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ヌワコット郡の90%の学校は地震で校舎が被災。
初動調査:ヌワコット郡
瓦礫を片付ける女性。 村での働き手は女性で、男性は村を離れて出稼ぎに。
全壊してしまった教室と校長先生。
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地元団体の協力のもと、現地で物資を調達、車で4時間かけてヌワコット郡へ
物資の配布について、住民と村の代表が意見を交わす
標高が2,000mを超えるような村では夜には3℃近くに冷え込む(サムンドラデヴィ村)
この村への支援は初めてらしく多くの感謝を受けた(サムンドラデヴィ村)
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5月12日マグニチュード7.3の地震が発生
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被害の状況
• 死者:8,699人 負傷者:22,489人 行方不明273人(外国人80人を含む)(資料:6月1日付けネパールSetopati オンライン新聞より)
• 被災者数:約6,000,000人(国民の20%)
• 全壊家屋:500,000棟以上 一部損壊家屋:275,000棟弱(資料:6月2日付けネパールSetopati オンライン新聞より)
ちなみに東日本大震災での全壊家屋は約130,000棟、半壊は約260,000棟であった
(内閣府ホームページより)
被害の特徴
建物が日干しレンガを積み上げただけの非常に脆弱な構造であるため被害が拡
大、特に周辺部の貧しい地域では被害が大きい
山岳地帯が多く、道路寸断などの影響もあって全体の被害の把握に時間を要す
5月12日の大規模地震が更に状況を悪化させる
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現状 課題
首都カトマンズや震源地に多くの援助
山岳地帯は支援が薄い
住民の自助努力により一部では家屋再建が進んでいる
物資配布のニーズが日々変わる
学校への大きな被害 政府は学校再開を5月29日とするも、校舎が更に倒壊する恐れもあり、親の不安も大きい
低い教育水準、児童労働、人身売買
子どもや女性の保護が重要
トラウマ・余震への不安 速やかな日常への回帰
初動調査から事業形成へ
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誰に、どのような支援が必要 ?
支援の視点
1.本当に困っている人は誰か?
2.被災地の文化・ルールの尊重
3.支援の重複を避ける支援の届かないところに支援を届ける
4.支援する側の予算・体制など)の調整
5.現地政府の政策との整合性
6. 現地の人たちの主体性
7.中長期的な視野にたつ
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調整の必要性
ニーズの発掘
Do No Harm
出口戦略
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どんな支援ができるか、一緒に考えてみましょう!
支援概要‐1:子どもの学習環境の改善
背景:・調査地域の約600の学校のうち90%以上で被害、子どもたちが学校に通えない。
・震災でより家計が苦しくなり子どもの学習用品が用意できない。・学校で学ぶ喜びを失い、途中退学する子どもが増加、人身売買や児童労働につながる。
・被害のあった学校に通わせることに対する親の不安が強い。期間:2015年5月下旬~10月場所:ヌワコット郡及びラスワ郡【内容①】仮教室およびトイレ建設を通じ、子どもたちが安心して勉強でき
る場所を提供する*数値目標:約110棟(220教室)*予算:約5,000万円
【内容②】対象地域の子どもたちへの就学支援-文房具など学習用品、ボールなどの学校用具配布等
*数値目標:上記の仮教室を建設した学校*予算:約500万円
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支援概要‐2:女性向けシェルター設置・研修
背景:・母親や女児のテントでの避難生活には安全性に問題がある。・世帯主が出稼ぎで不在のため、震災後の生活再建を担わなければならない女性たちに対し、各種相談施設が求められている。
期間:2015年6月~10月場所:ヌワコット郡、カブレパランチョーク郡、ダーディン郡、ゴルカ郡内容:女性や子どもたちが、安定した生活を取り戻すための支援を行う
女性のための短期滞在・生活再建支援シェルターの設置支援-シェルター、子ども用スペース及びトイレの設置等-短期滞在用物資の配布と生活再建相談員研修・育成等
数値目標:4郡予算:約1,000万円
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事業地ヌワコット郡、カブレ郡、ダーディン郡、ゴルカ郡
ゴルカ郡
ヌワコット郡
カブレ郡
ダーディン郡
カトマンズ
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支援活動の進捗状況
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【活動1】地域の女性たちのためのシェルター
「ネパールは男性社会ということで、家のことなど何でも旦那さんが決めることがほとんど。女性グループの活動に参加を促しても、旦那さんが外へ出ることを許してくれないこともあり、説得に苦労することもあります」●地震前から女性たちの活動を主導している
ニールマラさん(35歳)
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【活動2】チャイルド・フレンドリー・スペースの設置
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【活動2】子ども向け活動の研修会35
ネパール復興への応援をよろしくお願いします!
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