ペルー、ボリビア、エクアドル...

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0 ペルー、ボリビア、エクアドル 鉱業現状 鉱業現状 2009年4月24日 JOGMEC 前リマ事務所所長 西川 信康

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0

ペルー、ボリビア、エクアドル

鉱業の現状鉱業の現状

2009年4月24日JOGMEC 前リマ事務所所長

西川 信康

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目 次1

目 次

1 3カ国の鉱業事情 21.3カ国の鉱業事情 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2.ペルーの資源開発環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8(鉱山生産 鉱山運動 中 攻勢 金融危機 影響等)(鉱山生産、反鉱山運動、中国の攻勢、金融危機の影響等)

3.ボリビアの資源開発環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32(国家管理を強める鉱業政策の動向等)

4.エクアドルの資源開発環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 394. クアドルの資源開発環境 39(新鉱業法の行方等)

5 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 435.まとめ 43

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最近の国際金属価格の推移

1.3カ国の鉱業事情

2最近の国際金属価格の推移

金地金価格の推移(London Fix PM)

1,100

亜鉛地金価格・在庫の推移

4 500

5,000

800 000

900,000

亜鉛

600

700

800

900

1,000

S$/o

z

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格(US$/t)

500,000

600,000

700,000

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在庫(t

在庫

価格

亜鉛

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500US

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銅地金価格・在庫の推移鉛地金価格・在庫の推移

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t) 600,000

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1,000,000

在庫2,500

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在庫

価格

銅 鉛

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,

価格(US$/t

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,在庫(t)

価格

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3カ国のマクロ経済 -資源価格の高止まりで経済は好調-

1.3カ国の鉱業事情

33カ国のマクロ経済 資源価格の高止まりで経済は好調

3カ国とも資源エネルギーに依存した経済構造のため、資源価格が高水準で推移していることもあり、高い成長率を持続。特にペルーでは、堅実な財政マネージメントが評価され、米国の格付け機関が投資適格級に引上げ。持続。特 、 実な財政 評価 、米国 格付け機関 投資適格級 げ。

ペルー ボリビア エクアドル

主要産業 鉱業、水産業、農牧業 鉱業、農業 農業、石油主要産業 鉱業、水産業、農牧業 鉱業、農業 農業、石油

GDP 1,073億ドル(2008年) 103億ドル(2006年) 412億ドル(2007年)

一人当たりGDP 3,450ドル(2008年) 1,100ドル(2006年) 3,080ドル(2007年)

GDP成長率 9 84%(2008年) 4 6%(2006年) 1 9%(2007年)GDP成長率 9.84%(2008年) 4.6%(2006年) 1.9%(2007年)

物価上昇率 3.9%(2008年) 12.2%(2006年) 4.2%(2007年)

失業率 6.3%(2008年) 8.2%(2005年) 9.3%(2005年)

総貿易額(2007年)輸出:279.6億ドル輸入:196.0億ドル

輸出:48.5億ドル輸入:34.5億ドル

輸出:138億ドル輸入:125億ドル

輸出:銅、金、繊維、魚粉輸出:天然ガス、亜鉛、鉛

大豆 輸出:石油 バナナ 生花

出典:外務省ホームページ

主要貿易輸出品目 輸入:工業用原材料・中   間財、工業用資本財

   大豆輸入:石油、化学品、    自動車

輸出:石油、バナナ、生花輸入:車両部品、フィルム

出典 外務省ホ ム ジ

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3カ国の鉱業生産 - 鉱物資源の宝庫 -

1.3カ国の鉱業事情

43カ国の鉱業生産 鉱物資源の宝庫

・ペルーは、鉱産物資源が多様で、多くの鉱種で世界の主要な鉱山生産国。・ボリビアは、埋蔵量では、リチウム世界1位、アンチモン世界3位、タングステン世界5位などレアメタル資源が豊富。リ 、 蔵 、リ ウ 世界 位、 世界 位、タ グ 世界 位な タ 資源 富。・エクアドルは、今後、ポーフィリーカッパー鉱床の開発が期待。

3カ国の鉱産物生産量(2008年)ボ リ ビペ ク ド

 銅 1,268千t (世界3位)  銅 304千t  銅 0.2千t  錫 12.7千t  金 4t

ボ リ ビ ア

鉱山生産量 地金生産量

ペ ル ー

鉱山生産量 地金生産量

エクアドル

鉱山生産量

 亜鉛 1,603千t (世界2位)  亜鉛 190千t  亜鉛 370千t

 鉛 345千t (世界4位)  鉛 114千t  鉛 90千t

 金 180t (世界5位)  錫 38.9千t  金 9.0t

産 銀 3,686t (世界1位)  銀 1,000t

 錫 39.0千t (世界3位)  錫 17.3千t

 モリブデン 16.7千t (世界3位)  タングステン 1,395t(*)

 アンチモン 3,881t(*)

鉱産物輸出額

18,656百万ドル(鉱産物輸出の割合:59%)

1,385.9百万ドル(*)(鉱産物輸出の割合:29%)

-輸出額 (鉱産物輸出の割合 ) (鉱産物輸出の割合 )

(*) 2007年データ

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3カ国の鉱業政策 - 課税強化の動きが顕在化 -

1.3カ国の鉱業事情

53カ国の鉱業政策 課税強化の動きが顕在化

・ペルー:鉱業ロイヤルティ(2004年)、自発的拠出金制度(2006年)など、企業に税負担を求める動きが強まっている。・ボリビア:所得税とロイヤルティとの相殺不可、追加所得税の導入など課税強化の方向、COMIBOLの権限強化。リ 所得税 ィ 相殺不 、追 所得税 導入な 課税強 方 、 権限強 。・エクアドルも、新鉱業法でロイヤルティが復活。鉱区維持費も大幅値上げ。

ペ ル ー  ボリビア エクアドル 所得税 30% 25% 25%

 ロイヤルティ総精鉱価格 60百万ドル以下 :1 %        60~120百万ドル:2 % 120百万ドル以上 :3 %

最大7%(鉱種毎、価格毎に設定)金:4~7%、銀:3~6%、亜鉛:1~5% など

3~5%

輸入関税 12% 支払い延期の適用あり 資本財については5% その他は10% 鉱業用機材は最低関税率 輸入関税 12%、支払い延期の適用あり 資本財については5%、その他は10% 鉱業用機材は最低関税率

 輸出関税 なし なし(還付廃止の可能性) なし

 付加価値税 19%、即時還付の適用 輸出製品については免除 12%

その他の税制自発的拠出金 追加所得税12.5%(金属高価格時)

特別利益税70% その他の税制(利益の3.75% 等) Sur Tax利益の25%(廃止の方向)

特別利益税70%

 税制の安定化契約 10~15年 なし なし

 政府の持分要求 なし なし(新規鉱区はCOMIBOLとのJV) 鉱山公社を通して権益を保有

鉱業権の有効期限 20年 なし 25年 鉱業権の有効期限 20年 なし 25年

 探鉱権の年 維持費

・3US$/ha。但し、鉱業権設定後10年目満了までに年間3,500S/./ha以上の生産を行わないと11~15年目以降罰金年

年 効 但・1~5年目:約0.65US$/ha、年 降

初期探鉱:最低賃金の2.5%      (2009年度:5.45US$/ha)探鉱延長、F/S:最低賃金の5%

 年間維持費 間350S/./ha、16年目:失効(但し、不可抗力あるいは、罰金の10倍以上の投資を証明できる場合、5年間延長できる)。

・6年目以降:1.3US$ (10.9US$/ha)採掘:最低賃金の10%(21.8US$/ha)

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3カ国の投資環境評価1.3カ国の鉱業事情

6- ペルーは、鉱業政策評価が大きく改善 -

・カナダのFraiserレポート(2009年版)によると、 3カ国とも、地質ポテンシャル面では高評価も、鉱業政策面では、低迷。・ペルーは、2008年より上昇傾向にあり、地質面、政策面の総合評価では、71か国中11位に評価され、この2年間で30位上昇。これは、現政権が、外資促進政策を掲げていることや鉱業税制強化の議論が沈静化していること等が好感。・但し、チリとは依然大きな開きがあり、頻発している反鉱山開発運動の動向や政府の対応等が大きな課題。

大きく上昇

ペルーの投資環境評価の推移<ボリビア>

60

80

100

40

60

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100上昇<ボリ ア>

0

20

40

2006 2007 2008 2009

0

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2006 2007 2008 2009

100<エクアドル>

2006 2007 2008 2009

鉱業政策指標 地質ポテンシャル指標 総合評価

20

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2006 2007 2008 2009

総合評価順位の推移

80

100

0

2006 2007 2008 2009

<チリ>

ペルー 43位 41位 17位 11位

ボリビア 47位 53位 58位 64位

エクアドル 57位 43位 64位 69位

チリ 1位 8位 3位 1位

対象国数 64 65 68 71

0

20

40

60

2006 2007 2008 2009

*Fraiserレポート:カナダのFraiser研究所が世界のメジャー、ジュニア企業を対象に行った世界68カ 国・地域の鉱業投資環境に関するアンケート結果(2008年版:372社)をベースにとりまとめた各国の鉱業投資評価レポート。

対象国数 64 65 68 71

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3カ国の探鉱開発投資の推移1.3カ国の鉱業事情

73カ国の探鉱開発投資の推移-各国とも増加傾向も、ペルー以外は低水準-

・カナダのMetals Economics Groupによると、世界の探鉱開発投資(初期探鉱~F/S)は、 2002年以降、金属市況回復 高騰 伴 大幅 増加 年 億ド を突破 年は 億ドの回復、高騰に伴い、大幅に増加。2007年に100億ドルを突破し、2008年は132億ドルに。・ペルーもこの5年間で、約7倍拡大して、2008年は6.73億ドルに(世界5位、南米1位)。・ボリビア、エクアドルも増加傾向にあるが、ペルーの1/10以下に留まっている。

順位

国 名探鉱予算(US$ mil)

1 カナダ 2 401 7

3カ国探鉱開発投資予算の推移 2008年探鉱投資投入国ランキング(世界予算額)(各国予算額)

800 141 カナダ 2,401.72 豪州 1,708.63 米国 907.84 メキシコ 794.35 ペル 673 1

500

600

700

mil

8

10

12

bil

ペルー

ボリビア

エクアドル

コロンビア5 ペルー 673.16 ロシア 586.77 チリ 519.18 ブラジル 395.79 南アフリカ 357 1

200

300

400

US$ m

2

4

6

8

US$ b世界予算

9 南アフリカ 357.110 中国 350.017 コロンビア 146.430 エクアドル 57.439 ボリビア 32 1出典 M t l E i G

0

100

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0

2

39 ボリビア 32.1出典:Metals Economics Group

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ペルーの鉱山生産量の世界ランク

2.ペルーの資源開発環境

8-主な鉱種で世界5位以内 -

・ペルーは、鉱産物資源が多様で、多くの鉱種で世界の主要な生産国。・銀:世界1位 亜鉛:2位 銅 錫 モリブデン:3位 鉛4位 金5位 等・銀:世界1位、亜鉛:2位、銅、錫。モリフ テ ン:3位、鉛4位、金5位 等・ビスマス(埋蔵量2位)、セレン(同4位)、インジウム(同2位)等のレアメタルのポテンシャルも高い。

ペルーの鉱山生産量と世界ランク(2008年)

鉱種2008年ペルー生産量

2007年ペルー生産量

増減2008年世界生産量

2008年ペルー世界シェア

2008年世界順位( )は

上位生産国(2008年)

07年順位

銅(千t) 1,267.9 1,190.3 6.5% 15,531.9 8.2% 3(2) 1位:チリ(5,330.1)、2位:米国(1,339.7)

亜鉛(千t) 1,602.6 1,444.4 11.0% 12,069.3 13.3% 2(2) 1位:中国(3,616.2)、3:豪州(1,508.0)

鉛(千t) 345 1 329 2 4 8% 3 884 3 8 9% 4(4) 1位:中国(1 515 6) 2位:豪州(637 0) 3位:米国(440 0)鉛(千t) 345.1 329.2 4.8% 3,884.3 8.9% 4(4) 1位:中国(1,515.6)、2位:豪州(637.0)、3位:米国(440.0)

金(t) 179.9 170.2 5.7% 2,203.7 8.2% 5(5) 1位:米国(240)、2位:中国(244)、3位:南ア(218)、4位:豪(216)

銀(t) 3,685.9 3,501.5 5.3% 19,396.8 19.0% 1(1) 2位:メキシコ(3,246.5)、3位:中国(2,000.4)

錫(千t) 39 0 39 0 0 05% 330 5 11 8% 3(3) 1位:中国(121 2) 2位:インドネシア(96 0)

出典: ペルー生産量:エネルギー鉱山省

世界生産量 : World Metals Statistics: ( WBMS)

錫(千t) 39.0 39.0 0.05% 330.5 11.8% 3(3) 1位:中国(121.2)、2位:イント ネシア(96.0)

モリブデン(千t) 16.7 16.8 -0.4% 214.9 7.8% 3(3) 1位:米国(58.2)、2位:チリ(33.7)

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ペルーの鉱山生産量の推移

2.ペルーの資源開発環境

9-この10年でペルー鉱業は大きく成長-・90年代のフジモリ政権時代の民営化政策、外資促進政策で、ペルー鉱業は大きく成長。・この10年で主要鉱種である銅、亜鉛、金は2倍前後に増加。金はYanacocha金山の品位低下により減産傾向。

1,800

銅、亜鉛(千t)

250

金(t)1月~2月(t)

鉱種

年 要鉱種 あ 銅、 鉛、 倍前後 増 。 品位低 り減産傾 。・2008年については、亜鉛:7月(-1.26%)、銅:8月(-0.85%)、10月(-5.8%)で前年比減も、総じて堅調に推移。

ペルー・銅、亜鉛、金の鉱山生産量の推移 2009年の鉱山生産量

1,000

1,200

1,400

1,600

150

200

亜鉛

2009 2008 伸び率

銅 204,481 185,112 10.5%

亜鉛 250,333 249,423 0.4%

金 27 9 29 1 4 4%

鉱種

200

400

600

800

1,000

50

100

金 27.9 29.1 -4.4%

年/月 プロジェクト 買い手 落札額

1992/12 Hi P S A Sh C ti 128 3

過去の主な民営化案件

0

200

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0

1992/12 Hierro Peru S.A. Shougang Corporation 128.3

1994/3 Mina Cerro Verde Cyprus Minerals 35.4

1994/5 Proyecto La Granja Cambior-Billiton 7.0

1994/5 Refineria de Ilo Southern Peru Copper 66.6

1994/11 EME Tintaya S A BHP 275 230

2008年月別生産量の前年同月比1994/11 EME Tintaya S.A. BHP 275.2

1992/5 Refineria Cajamarquilla Cominco/丸紅 154.5

1996/9 Proyecto Antamina Rio Algom/Noranda/Teck 20.0

2001/3 Iscaycruz S.A.(25%) Glencore 18.6

2002/12 Alto Chicama Barrick Gold 38 50

5

10

15

20

25

(%)

出典:エネルギー鉱山省

2002/12 Alto Chicama Barrick Gold 38.5

2003/5 Toromocho Peru Copper 1.0

2004/8 Las Bambas Xstrata 121.0

2005/12 La Granja Rio Tinto 22.0

2007/4 Michiquillay Anglo American 403.0-20

-15

-10

-5

0

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

銅 亜鉛 金

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ペルーの鉱産物輸出額の推移

2.ペルーの資源開発環境

10-鉱業部門が貿易拡大に大きく貢献-

・金属価格上昇で、鉱産物輸出額はこの5年で約5倍に拡大。鉱産物輸出額は全輸出額の6割を占める。鉱産物の中では、銅、金、亜鉛の順で全体の8割。

百万US$ %鉱産物輸出額の推移

物 中 、銅、 、 鉛 順 体 割。・2008年も、7.7%増と高い伸びも、金融危機による金属価格の急落により、第4四半期は大きなマイナスに。・銅の輸出先は中国、日本等のアジア諸国に集中。亜鉛は、中国向けが急速に拡大中。

鉱産物輸出額の内訳

20 000

25,000

30,000

35,000百万US$

40

50

60

70%

総輸出額 鉱産物輸出額 鉱産物比率 2007年 2008年 増減 2007年 2008年 増減

銅 7,205 7,663 5.8% 1,121 1,243 10.9%

金 4,181 5,588 34.4% 5,927 6,418 8.3%

亜鉛 2,539 1,467 -42.1% 1,270 1,452 14.3%

輸出量(千t、但し、金・銀:千oz)鉱種

輸出額(百万US$)

5,000

10,000

15,000

20,000

10

20

30

40

銀 538 595 10.7% 40.3 39.7 -1.5%

鉛 1,033 ,1136 9.9% 417 525 26.0%

鉄鉱石 286 385 34.8% 7,170 6,840 -4.6%

錫 507 695 36.9% 35.3 39.8 12.8%

モリブデン 982 1,079 10.0% 16.1 18.3 13.6%

0

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0 その他 51 48 -5.1%

鉱産物合計 17,328 18,656 7.7%

輸出額総計 27,956 31,594 13.0%

2,000(mil US$)

50(%)2008年月別鉱産物輸出額の推移

中国20%その他

28%

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

-10

0

10

20

30

40

中国30%

スペイン6%

その他22%

2008年銅精鉱輸出先 2008年亜鉛精鉱輸出先

韓国19%

スペイン14%

日本12%

ブラジル7%

-

200

400

600

Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec

-50

-40

-30

-20前年比

鉱産物輸出額

日本27%

ドイツ9%

フィンランド6%

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我が国、ペルーからの銅、亜鉛精鉱輸入量

2.ペルーの資源開発環境

11- ベースメタル供給国としてのポジションが大幅に向上 -

・2007年に、ペルーからの銅・亜鉛精鉱輸入量が大幅に増加。2008年も堅調に推移。これにより、精鉱輸入相手国として、ペルーは銅は2位、亜鉛はトップ。・銅精鉱については、Cerro Verde鉱山からの精鉱生産の約7割が日本向けで、大きく貢献。

我が国輸入相手国シェア

<銅精鉱>2006年 2008年

チリ豪州

PNG5%

その他7%ペルー

6%

チリ41%カナダ

豪州8%

PNG5%

その他7%

・相次ぐ日系企業の進出、2国間投資保護協定締結など我が国の投資は拡大傾向。

<銅精鉱>

総量:463万t43%

カナダ10%

9%

インドネシア

41%

ペルー

カナダ8%

インドネシア

15%

我が国ペルーからの精鉱輸入量(06,07,08年の推移)

総量:463万t(精鉱量)

総量:494万t(精鉱量)

20% ペル16%

メキシコ

その他13%

<亜鉛精鉱>

メキシコ

その他8%

銅精鉱

豪州39%ボリビア

8%

メキシコ5%

米国14%

総量:113万t(精鉱量)

ペルー30%

米国14%

メキシコ5%

8%

総量:116万t(精鉱量)

亜鉛精鉱

2008年

2007年

2006年

ペルー21%

14%

出典:World Metal Statistics

豪州28%

ボリビア15%0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000

(精鉱量:トン)

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銅鉱山生産量 -メジャー企業の独占状態-

2.ペルーの資源開発環境

12銅鉱山生産量 メジャ 企業の独占状態

・ ペルーの銅鉱山の供給構造の特徴は、上位5鉱山で全生産量の9割以上を占め、いずれも外資系企業が所有。・2008年の生産量は、上位3鉱山がいずれも増産で、6.5%と高い伸びを示した。2008年の生産量は、上位3鉱山がいずれも増産で、6.5%と高い伸びを示した。・ペルー最大のAntamina鉱山及び第2位のCerro Verde鉱山とも日本企業が参画。我が国にとって、重要な資源供給基地。

ペルー・上位10銅鉱山の生産量(2008年)

その他

銅鉱山の供給構造(上位5鉱山が占める割合)精鉱 SX-EW

1 ANTAMINABHP Billiton33.75%,Xstrata33.75%,Teck Cominco22.5%,三菱商事10%

358,180 358,180 0 341,324 4.9%

増減順位

鉱山名 操業企業

2008年生産量(t) 2007年生産量(t)

合 計

ANTAMINA28%

TOQUEPALA11%

TINTAYA9%

10%2 CERRO VERDE

Freeport McMoran53.6%,Buenaventura18.2%

住友金属鉱山16.6%, 住友商事4.2% 他324,172 235,943 88,229 273,960 18.3%

3 CUAJONE Southern Copper 200,782 196,130 4,652 187,090 7.3%

4 TOQUEPALA Southern Copper 144,995 114,148 30,847 172,570 -16.0%

5 TINTAYA Xstrata 110 770 83 506 27 264 119 540 -7 3%CUAJONE16%

CERRO VERDE26%

※モリブデンの鉱山別生産量(2008年)

5 TINTAYA Xstrata 110,770 83,506 27,264 119,540 7.3%

6 COBRIZA DOE RUN 20,685 20,685 0 18,772 10.2%

7 CONDESTABLE CONDESTABLE 20,663 20,663 0 15,592 32.5%

8 CERRO LINDO MILPO 9,731 9,731 2,682 262.8%

9 COLQUIJIRCA BROCAL 8,984 8,984 0 3,385 165.4%

出典 エネルギ 鉱山省

1.ANTAMINA: 6,070t2.TOQUEPALA: 4,668t3.CUAJONE 4,443t4.CERRO VERDE: 1,541t

10 CERRO CORONA GOLD FIELD 7,675 7,675 0 0 -

計 1,206,637 1,055,645 150,992 980,800 23.0%

その他 61,230 55,445 5,785 209,474 -70.8%

総 計 1,267,867 1,111,090 156,777 1,190,274 6.5%

出典:エネルギー鉱山省

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亜鉛鉱山生産量 -中小のペルー企業が担い手-

2.ペルーの資源開発環境

13亜鉛鉱山生産量 中小のペル 企業が担い手

・ペルーの亜鉛鉱山の供給構造の特徴は、ペルーの民族資本系の企業が操業する小・中規模クラスの鉱山が大半。・2008年はAntamina鉱山の原動力となり、11%増と大幅な増産で、過去最高を更新。我が国企業(三井金属鉱業 三井物産)によるH l 鉱山は 40年にわた て操業 2006年3月に誕生したP ll・我が国企業(三井金属鉱業、三井物産)によるHuanzala鉱山は、40年にわたって操業。2006年3月に誕生したPallca鉱山とともに、我が国への亜鉛精鉱供給拡大が期待。(2008年生産量 Huanzala:亜鉛30,050t、Pallca:亜鉛11,655t)

亜鉛鉱山の供給構造ペルー・上位10亜鉛鉱山の生産量(2008年)

ANTAMINA24%

その他

亜鉛鉱山の供給構造(上位5鉱山が占める割合)

1 ANTAMINABHP Billiton33.75%,Xstrata33.75%,Teck Cominco22.5%,三菱商事10%

382,842 322,367 18.8%

2 ISCAYCRUZ EMP.MRA.LOS QUENUALES(Glencore) 175,184 175,620 -0.2%

2007年生産量(t)

増減順位

鉱山名 操業企業2008年生産量(t)

ISCAYCRUZ11%

ANIMON5%

47%

CERRO DEPASCO8%

COLQUIJIRCA

5%

3 CERRO DE PASCO VOLCAN CIA.MINERA 136,104 149,821 -9.2%

4 COLQUIJIRCA SOC.MRA.EL BROCAL 85,111 91,264 -6.7%

5 ANIMON EMP.ADMINISTRADORA CHUNGAR 84,986 69,070 23.0%

6 CERRO LINDO CIAMRAMILPO 78 272 23 851 228 2% 5% 8%

※上位鉛鉱山生産量(2008年)1.Cerro de Pasco: 64,338t2 C l iji 31 506t

6 CERRO LINDO CIA.MRA.MILPO 78,272 23,851 228.2%

7 SAN CRISTOBAL VOLCAN CIA.MINERA 77,883 70,083 11.1%

8 ATACOCHA CIA.MRA.ATACOCHA 61,716 59,375 3.9%

9 EL PORVENIR CIA.MRA.MILPO 54,495 66,233 -17.7%

CIAMRASAN IGNACIO DE

出典 エネルギ 鉱山省

2.Colquijirca: 31,506t3.Animon: 26,209t4. San Cristobal: 15,423t5.Raura: 13,834t

10 SAN VICENTECIA.MRA.SAN IGNACIO DEMOROCOCHA

39,222 37,954 3.3%

計 1,175,815 1,065,638 10.3%

その他 426,782 378,723 12.7%

総 計 1 602 597 1 444 361 11 0% 出典:エネルギー鉱山省総 計 1,602,597 1,444,361 11.0%

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金鉱山生産量

2.ペルーの資源開発環境

14金鉱山生産量-Yanacocha鉱山の減産で減少傾向が鮮明に-・ペルー最大のYanacocha金山は、品位低下により2005年をピークに減産傾向。2008年は生産能力拡張により、

15.5%増の56tまで回復し、全体で5.7%増に。増 回復 、 体 増 。

金鉱山の供給構造

ペルー・上位10金鉱山の生産量(2008年)2007年2008年

YANACOCHA31%

その他28%

金鉱山の供給構造(上位5鉱山が占める割合)

1 YANACOCHANewmont 51.35%,Buenaventura 43.65%, IFC 5%

56,196 48,634 15.5%

2

2007年生産量(kg)

増減順位

鉱山名 操業企業2008年生産量(kg)

M.D.DPIERINA7%

ALTOCHICAMA20%

ORCOPAMPA5%

2 ALTO CHICAMA MRA.BARRICK MISQUICHILCA 36,546 33,774 8.2%

3 M.D.D MADRE DE DIOS 16,708 16,373 2.0%

4 PIERINA MRA.BARRICK MISQUICHILCA 12,450 16,176 -23.0%

5 ORCOPAMPA CIA.DE MINAS BUENAVENTURA 8,274 8,292 -0.2%

9%

※上位銀鉱山生産量(2008年)1.Antamina: 390.1t

6 SANTA ROSA-COMARSA CIA.MRA.AURIF.SANTA ROSA 5,237 5,511 -5.0%

7 ACUMULATION PARCOY CONSORCIO MRA.HORIZONTE S.A 5,162 4,838 6.7%

8 ACUMULATION TUCARI ARUNTANI S.A.C 4,601 1,405 227.5%

9 RETAMAS MRA.AURIF.RETAMAS 4,323 4,053 6.7%

出典 エネルギ 鉱山省

2.Uchucchacua: 314.1t3. Arcata: 306.0t 4. Cerro de Pasco:229.9t5. Colquijirca: 145.0t

10 LA PODEROSA DE TORJILLO PEDPROSA 2,810 2,154 30.5%

計 152,307 141,210 7.9%

その他 27,563 29,026 -5.0%

総 計 179,870 170,236 5.7% 出典:エネルギー鉱山省総 計 , ,

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地金生産量

2.ペルーの資源開発環境

15-世界シェア低いものの、今後地金生産が拡大の方向-

・ペルー最大のIlo銅製錬所では、40%増の大幅増産で24.8万t台に。今後、現在の28万t体制から36万t体制に増強する計画。・Cajamarquilla亜鉛製錬所で生産拡大の動き。2009年には32万t体制に増強。インジウム回収も。それに伴い、Votorantimは、原料確保のためペルーを中心に亜鉛鉱山投資拡大の動き。(ペルー亜鉛大手Milpo社に出資等)

ペルーの地金生産量(2008年)

操業企業2008年生産量(t)

2007年生産量(t)

増減2008年世界

生産量(t)

ペルー比率(%)

2008年主要生産国(千t)

製錬所

産 ( )

 Ilo SOUTHERN COPPER(ペルー) 248,368 176,837 40.5%

 Oroya Doe Run Peru(米国) 53,831 59,339 -9.3%

 Cajamarquilla Votorantim(ブラジル) 1,635 1,543 6.0%

合 計 303 834 237 719 27 8% 15 498 200 2 0

1位:中国(3,779.3)2位:日本(1,539.8)3位:チリ(1,086.6)注)SX-EW生産除く

合 計 303,834 237,719 27.8% 15,498,200 2.0

 Cajamarquilla Votorantim(ブラジル) 146,884 119,885 22.5%

 Oroya Doe Run Peru(米国) 43,440 42,490 2.2%

合 計 190,324 162,375 17.2% 11,530,900 1.7

亜鉛

1位:中国(3,913.1)2位:カナダ(754.1)3位:韓国 (700.0)4位:日本 (615.5)

1位 中国(3 206 4) Oroya Doe Run Peru(米国) 114,259 116,774 -2.2%

合 計 114,259 116,774 -2.2% 8,670,600 1.3

 Funsur Minsur(ペルー) 38,865 36,004 7.9%

合 計 38 865 36 004 7 9% 334 200 11 6

1位:中国(3,206.4)2位:米国(1,346.0)3位:ドイツ(403.4)

1位:中国 (129.1)2位:インドネシア(69.5)

出典:エネルギー鉱山省、WBMS速報値注) 銅地金世界生産量については、SX-EW生産分(2,986.2千t)を除く

合 計 38,865 36,004 7.9% 334,200 11.6

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今後の鉱山開発プロジェクト

2.ペルーの資源開発環境

16・エネルギー鉱山省によると、今後、鉱山開発が確実視されるプロジェクト(プレF/S以降のステージ)は、銅を中心に、30件余りで、投資総額は239億ドルに及ぶ。これにより、今後、銅生産量が現在の倍の200万トンに達する可能性も。

-銅を中心に目白押し-

・しかしながら、金融危機等の影響で、Los Chancas、Magistral、Hierro Apurimac、Rio Blanco等が開発延期。

今後の鉱山開発プロジェクトの投資額

鉱種 企業名 プロジェクト名調査ステージ(生産開始年)

投資額(百万US$)

Anglo American Quellaveco F/S(2013) 2,200

CHINALCO Toromocho 開発準備中 2,152

Southern Copper Tia Maria 開発準備中 2 108

鉱種 企業名 プロジェクト名調査ステージ(生産開始年)

投資額(百万US$)

Newmont, Minas Conga 探鉱(2013) 1,500

Newmont, Chaquicocha 探鉱 400

Newmont, Yanacocha拡張 開発工事中 270金

Southern Copper Tia Maria 開発準備中(2011)

2,108

Xstrata Las Bambas 探鉱 1,500

Minmetal,Jiangxi Galeno 探鉱 1,500

Zijin Group Rio Blanco 探鉱 1,440

Newmont,Buenaventura

Yanacocha拡張 開発工事中(2008)

270

Buenaventura La Zanja 開発準備中 60

Minsur Pucamarca 探鉱 46

Cajamarquilla拡張亜

開発工事中

500Votarantim Metais

Southern Copper Los Chancas 探鉱 1,200

Southern Copper Ilo, Toquepara,Cuajone拡張

開発工事中(2011)

1,174

Rio Tinto La Granja 探鉱 1,000

A l A i Mi hi ill 探鉱(2016) 700

Milpo Hilarion 探鉱 226

Shougang Marcona 開発工事中(2011)

1,000

亜鉛

鉄鉱石

(2009-

Strike Resources Hierro Apurimac 探鉱 1,500

Anglo American Michiquillay 探鉱(2016) 700

Xstrata Antapaccay 探鉱(2010) 700

Norsemont Mining Constancia 探鉱 500

Pan Pacific Copper Quechua 探鉱 490

Inca Pacific Magistral 探鉱 402

(2011)リン Vale Bayovar F/S(2009) 490

23,903合      計

出典:エネルギー鉱山省Inca Pacific Magistral 探鉱 402

Chariot Resources Mina Justa 探鉱 400

Milpo Pukaqaqa 探鉱 300

Candente Resources Canariaco 探鉱 145

出典: ネルギ 鉱山省

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2.ペルーの資源開発環境

主な鉱山・製錬所と鉱山開発プロジェクト位置図17

TAMBOGRANDE RIO BLANCO

主な鉱山 製錬所と鉱山開発プロジェクト位置図

MINAS CONGA

LA GRANJA

CERRO CORONA

■ ■

■■

YANACOCHA

HUANZALA

ANTAMINA EL GALENO

MINAS CONGA

MICHIQUILLAY

CERRO CORONA ■■

■MAGISTRAL

●●

ALTO CHICAMA

Antamina鉱山露天掘りピット遠景

TOROMOCHO

MILPO

ISCAYCRUZ

ATACOCHA

CERRO DE PASCO

● ●

★ ★

ALTO CHICAMA

PIERINA

OROYA

●PALLCA

鉱山

TINTAYA

LAS BAMBAS LOS CHANCAS

CERRO LINDO

■ ■

●CAJAMARQUILLA

OROYA鉱

開発プロジェクト

製錬所

TINTAYA

QUELLAVECO

CUAJONE

TOQUEPARA

MARCONA

CERRO VERDE

■●●

■ QUECHUA

Huanzala鉱山遠景

CUAJONE ●★

ILO

Cerro Verde鉱山選鉱所遠景

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活発化するウラン探鉱 - 大手企業の参入も

2.ペルーの資源開発環境

18活発化するウラン探鉱 大手企業の参入も-ペルーは、世界的には、ウラン資源の埋蔵国としては知られていないが、ウラン価格が高水準にある中、マージナルであった低品位のウラン鉱床が注目。現在、カナダジュニア企業等16社が探鉱を実施中 世界最大のウラン企業Camecoの参入も 政府は ウラン採掘に等16社が探鉱を実施中。世界最大のウラン企業Camecoの参入も。政府は、ウラン採掘に関する法律作りに着手。

<MACUSANI(プーノ県)での活動>

Solex Resources(1)MACUSANI EAST

73鉱区・面積49,700ha。 2005年4月、Frontier Pacifficが参入。5年間で400万ドルの投資を条件に権益の50%を取得も 年 月 が

Vena Resources/Cameco47,500haの鉱区を保有。過去の調査により、U3O8品位0.2%~12%で200,000tの鉱量があると推定。

取得も、08年4月、El Dorado Goldが、 Frontier Paciffic を買収し、本プロジェクトから撤退。

(2)MACUSANI WESTIPENの探査結果をベースに、2006年に51鉱区(面積43,500ha)を取得。アクセスが悪く本格的な調査はこれから。

2007年1月、Camecoが参入、4鉱区(Macusani, Munani, Lagunillas, Rio Blanco)でJVをスタート。Camecoは、4年間で10百万C$を投資。その後約5億ドルを投じてウラン選鉱プラント建設も視野43,500ha)を取得。アクセスが悪く本格的な調査はこれから。

Global Gold2000haの鉱区を所有。投資額は2009年末までに900万ドルに達する見通しのほか、これまでの探査で確認された埋蔵量は7千200万トンにのぼる

Macusani Yellowcake20,000haの鉱区を保有。 Colibri Ⅱ及び

Colibri Ⅲで実施した69孔のボーリング調査 結果 予想鉱物資源量( f )

を投じてウラン選鉱プラント建設も視野。

‐BAYOBARリン鉱床(ピウラ県、ウラン推定埋蔵量2万トン)

<その他、副産物として期待されるウラン鉱床>

7千200万トンにのぼる。 査の結果、 予想鉱物資源量(inferred)4,4611(t:U3O8) 品位190(g/t:U3O8)。

BAYOBARリン鉱床(ピウラ県、ウラン推定埋蔵量2万トン)-TURMALINAタングステン鉱山(ピウラ県、ウランに関連性のある角礫パイプ)-COLQUIJIRCA鉱床(パスコ県、銅・鉛・亜鉛鉱床、ウラン鉱化:0.06~3.55%のウランを含むカルノー石)-VILCABAMBA鉱床(クスコ県、銅・鉛・ニッケル・コバルトの鉱化作用に関連したウランが確認。ウラン品位0.05%~2.0%)

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銅資源確保を目指した中国企業の攻勢

2.ペルーの資源開発環境

19- 相次いで大型銅開発案件を獲得 -

昨今、中国国内の相次ぐ銅製錬所の増強に伴い、中国向け銅精鉱への輸出量が急速に拡大(2002年:30.4万t →2007年は100万t超え:精鉱量)。

中国の銅地金生産量とペルーからの精鉱輸入量

4000地金生産量(金属量) ペルーからの輸入量(精鉱量)輸 急速 拡大( 年 年 超 精鉱 )。

2007年に入り、中国企業が大型銅鉱山開発案件を所有するジュニア企業を相次いで買収するなど中国企業によるペルーでの活動が本格化。但し、Toromocho以外は地域住民問題で、進展が不透明。

<Rio Blancoの獲得> 1000

1500

2000

2500

3000

3500

(千トン)

地金生産量(金属量) ペル からの輸入量(精鉱量)

・07年2月、中国・Zijingグループ(紫金鉱業、銅陵有色金属公司、Xiamen )は、Rio Blancoを保有するMonterricoMetals社(英国)を約186百万ドルで買収。9月 Zijingグル プが保有している株式89 9%のうち 07年6月 中国のアルミ大

<Rio Blancoの獲得>

<Toromochoの獲得>0

500

1000

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

・9月、 Zijingグループが保有している株式89.9%のうち、10%を韓国LS-Nikkoに約20百万ドルで売却。・現在、F/S中で最低投資額は14.4億$、年間生産量は銅22万t、2011年生産開始予定も、地元住民による反対運動で活動停止状態。

07年6月、中国のアルミ大手であるChinalcoが、Toromochoプロジェクトを所有するPeru Copper社(カナダ)を790百万ドルで買収。 ★Rio Blanco動で活動停止状態。

・08年末、エクアドル国境の35鉱区(28,000ha)を取得(国境50km内にあるため、最高政令により認可)

ダ)を 90百万ドルで買収。2009年から開発工事開始。

2012年生産開始予定。投資額は21.5億ドル。操業期間は30年で最初の10年間に銅10を生産 定

<El Galenoの獲得>

★Galeno

万tを生産予定。・直接雇用:2,500人・間接雇用:7,500人周辺部に亜鉛鉱床も確認。

07年12月、五鉱集団公司、江西銅業集団公司が、加Northern Peru Copper(NOC)社を、総額455百万C$で買収提案。同社が所有しているGalenoトは、現在、FS中で、鉱量803百万t、銅品位0.63%(カットオフ品位0.4%)、マインライフは20年以上で 銅精鉱144千t/年の生産予定

Jinchuan Group(金川集団有限公司)、Zijin Mining Group(紫金鉱業) が応札 → 結果はAnglo Americanに敗退。<Michiquillay政府入札への参加(07年4月)>

フは20年以上で、銅精鉱144千t/年の生産予定。

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拡大する社会争議

2.ペルーの資源開発環境

20-大きな社会問題・政治問題に -

・ペルーでは、社会争議が、全国規模で拡大を続けており、好調な経済発展に水を差す動き。

県別争議件数(近い将来予見されるものを含む)括弧は顕在化している争議件数(08年7月末時点)調な経済発展に水を差す動き。

・争議拡大の背景としては、最近の急激な物価上昇、貧富の格差拡大、環境汚染の広がりなど、昨今の経済発展の負の側面が、国民の半分近くとされる貧困層に浸透し始めたことによる表れと見られる。 L t 11(8)

Tumbes 3(3)

括弧 顕在 る争議件数( 年 月末時点)

表れと見られる。

・争議の発生要因としては、社会環境争議、郡・区行政への不満、労働争議など。

250

Loreto 11(8)

S M ti 6(2)

Cajamarca 18(13) Lambayeque 6(5)

Piura 8(7)

Amazonas 1(1)

100

150

200

250

総数 オンブズマン登録数

Ucayali 1(0)

P 6(4)

Huanuco 6(5) Ancash 13(10)

San Martin 6(2)

La Libertad 11(9)

Cusco/Junin 1(1)

0

50

100

07/7 07/8 07/9 07/10 07/11 07/12 08/1 08/2 08/3 08/4 08/5 08/6 08/7

領域

Madre de Dios 4(4)

Cusco 12(9)

Junin 14(13)

Hyancavelica 7(3)

Lima 28(25)

Callao 1(1)

Pasco 6(4)2008年末時点で197件に拡大。うち、鉱業争議78件

社会環境

86件(39%)中央政府行政

21件(10%)

県政府行政

12件(5%)

コミュニティ間

9件(4%)

コカ違法栽培

3件(1%)

選挙

6件(3%)

領域

4件(2%)

Puno 16(10)

Arequipa 4(3)

Ica 2(0) Ayacucho 18(14)

Apurimac

全国規模(Nacional)8(7)

Arequipa/Moquegua 1(0)

Ayacucho/Hyancavelica 1(1)

郡・区行政

49件(22%)

労働問題

31件(14%)

Tacna 6(5) Moquegua 4(3)

Arequipa/Moquegua 1(0)

発生要因別比率

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鉱業関連争議の現況

2.ペルーの資源開発環境

21-主要な鉱山及び鉱山開発プロジェクトサイトで発生 -

鉱業関連の争議は、全体の 4割(2008年12月末時点)。鉱業関連争議の発生要因別では、社会環境を巡る争議 鉱業サイト 社会環境争議の内容 最近の対話状況

主な鉱業サイトでの争議内容

鉱業関連争議の発生要因別では、社会環境を巡る争議が支配的で、その内の約7割が環境汚染問題に端を発している。

(県名) (2008 年 7 月時点)

Antamina

(Ancash)

鉱山による約束の不履行と環

境汚染を指摘する住民が抗議

7月 24 日に対話協議が実施、鉱山

側は道路修復計画書を提出。

Las Bambas

(Apurimac)

周辺地域住民らが、信託基金

管理委員会の再編成を要求。

住民らは、キャンプ地占拠による逮

捕令の取り消しを対話の条件に。

周辺地区住民らが環境汚染を 月 に住民総会が開催 環境影鉱業関連

77件(35%)

労働問題

10件

(13%)

中央政府

1件(1%)

La Zanja

(Cajamarca)

周辺地区住民らが環境汚染を

理由に反対運動

7 月 3 日に住民総会が開催、環境影

響評価が可決も、多数の住民が総会

への出席を阻まれたことが発覚

Michiquillay

(Cajamarca)

周辺住民は、過去の操業を原

因とする鉱害対策と補償、社

会プロジェクトを要求

交渉中

その他

144件

(65%)社会環境

66件

(86%)

鉱業関連争議が占める割合

会プロジェクトを要求

Yanacocha

(Cajamarca)

Quishuar 地区住民らが、鉱山

操業による水質汚染を抗議

鉱山労働者への危害が加えられたた

め停止していた操業が、住民側によ

る対話の呼びかけで再開。

Tintaya

(Cusco)

鉱山周辺の不法採掘者らが、

鉱山に対して採掘権を要求

交渉中

11

26

28

プロジェクト不履行

環境汚染への危惧

環境汚染

(86%) ( ) 鉱 採掘権を要

Toromocho

(Junin)

Morococha 住民が、村の移転

に関する条件面の協議を要求

7月 14 日に 2度目の協議会が開か

れた。

Cajone

(Moquegua)

IIlo 区住民らが、鉱山操業及び

環境汚染に対する補償を要求

7月 22 日に対話を実施、8 月 29 日

に次回協議予定

Cerro de Pasco 同鉱山の露天拡張に対して 対話なし

4

6

9

9

不法占拠

土地抗争

利益還元・補償要求

地域発展支援要求

社会環境争議の原因

(Pasco) Chaupimarca 村住民らが反

対。

Chaupimaca 村移転が検討

Rio Blanco

(Piura)

Majaz による鉱業活動の違法

性及び環境汚染に抗議する住

民による反鉱山運動

対話なし

住民らと鉱山の間で発生した暴力事

件に関して検察局が捜査中

地元住民らが 水資源利用を 月 日に協議が実施されたが合

1

2

0 5 10 15 20 25 30

基金管理への疑惑

市街地汚染 社会環境争議の原因 Toquepara

(Tacna)

地元住民らが、水資源利用を

原因とする Callazas 川水量減

少に抗議

7 月 21 日に協議が実施されたが合

意に至らず次回協議日も決定されず

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新たに既得権抗争が表面化

2.ペルーの資源開発環境

22-限られたパイを巡ってのペルー人同士の抗争に発展-

最近の争議の傾向として、地元住民による反鉱山運動や労使対立に留まらず、カノン税や鉱山労働者への利益配当の配分問題を巡る地方対地方、地方対鉱山労働者といったペルー人山労働者 の利益配当の配分問題を巡る地方対地方、地方対鉱山労働者といった ル 人同士の内部抗争に発展、ペルーの鉱業争議は、ますます、複雑化、混迷化の様相。

6月のMoquegua県での暴動では、一時的に供給不安が広がり、銅の国際価格に影響も。

<カノン税配分を巡る地方同士の対立> <利益配当金上限の撤廃法案を巡る対立><カノン税配分を巡る地方同士の対立>

Moquegua県 Tacna県(Southern Copper社)

<利益配当金上限の撤廃法案を巡る対立>

鉱山労働者側

労働者への配当後の余剰金額につ

Cuajone銅山 Toquepara銅山 鉱山会社からの8%利益配当の対象を

地方政府

中央政府

対立 対立

政府は、この差は粗鉱量に基づいて

後の余剰金額については、鉱山が存在する地方政府のインフラ事業に充当。県知事や地方出身

鉱山労働者側の主張を組み込んだ利益配当

生産量:187千t

カノン税

225百万s/.

生産量:173千t

カノン税

715百万s/.

利益配当の対象を正社員だけでなく派遣労働者に拡大すること、労働者1人当りの年間利益配

中央政府

中央政府

算出したと説明(?)

適正な配分を求めて、住民約2

複数の県で操業する鉱山の会

自県への配分が減少すると

の国会議員らは、県への余剰利益の配当が失われるとして本法案に対して強く反対

だ利益配当改正法案が、国会で審議中。

当上限を現在の18か月分から80か月分に引上げることを主張

暴動に発展 抗議行動

求 、住民約万人が6月、10日間に渡り抗議行動。幹線道路の封鎖、投石や車両放火 鉱山施

計を個別化する制度を設けることで沈静化。現在、法案化に向け国会で審議中。

して、法案に反対。Moqugua県と同様の抗議行動を示唆。他県にも飛び火する

強く反対

断続的な全国ストライキ(07年5月、11月、08年7月) 道路封鎖等の抗議行動

地方政府分 (法改正により) 80ヶ月両放火、鉱山施設への襲撃などで、一時的に精鉱流通がストップ。

会で審議中。 にも飛び火する動きも。

労働者分

地方政府分 (法改正により)8%の利益配当

18ヶ月

80ヶ月

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鉱業税制を巡る議論

2.ペルーの資源開発環境

23鉱業税制を巡る議論-余剰利益を狙った様々な動きも、政府は法的安定性を強調-

ペルーでは、昨今の国際金属価格の高騰・高止まりで企業業績が著しく向上している中、ロイヤルティ徴収の強化、自発的拠出金(Aporte Voluntario)及び余剰利益税(Sobreganancia)導入など企業側に対して追加的な利益還元を求自発的拠出金(Aporte Voluntario)及び余剰利益税(Sobreganancia)導入など企業側に対して追加的な利益還元を求める様々な議論が噴出。06年12月に自発的拠出金制度導入で企業側と合意。08年に入っても、余剰利益税法案を国会に提出す動きもあるが、政府は、法的安定性を保証し、投資を促進する立場を強調。

<ロイヤルティ徴収強化法案> <自発的拠出金制度の概要><ロイヤルティ徴収強化法案>06年6月、トレド政権末期の国会で安定化契約を締結している企業も鉱業ロイヤルティを課すという内容の法案が成立も、政府は憲法違反として再審議を求め、06年12月、鉱山エネルギー委員会及び国会で否決され、廃案に。

①幼児と妊婦を対象にした栄養プログラム ②初等教育及び教育プログラムへの援助 ③健康改善プログラム ④地方公務員研修(カノン税等の資金利用を促進)等

<自発的拠出金制度の概要>

鉱山エネルギ 委員会及び国会で否決され、廃案に。

<自発的拠出金>06年8月、ガルシア大統領の公約に基づき、企業側に対し、新たな課税制度は設けないとの条件で、貧困問題解

・期間:5年間(2007年から2011年まで)

・支払いの基準となる金属価格の下限

:銅1.79US$/lb、亜鉛0.778US$/lb、金537US$/oz 等し、新たな課税制度は設けないとの条件で、貧困問題解決のため、地元に自発的寄付金を拠出するよう求めたもの。企業側も早くから理解を示し、06年末、企業との間で完全合意。

・各企業は、自らが直接運営・管理する信託基金に拠出金を振り込む。

・年間純利益の3.75%分を拠出。

・ロイヤルティを納付している企業は、純利益の1.25%を拠出<余剰利益税法案>

06年9月、左派UPP党から提出された余剰利益税に関する法案が提出されたが、06年12月、鉱山エネルギー委員会で否決され、廃案。

用・具体的な使途は、鉱山会社、地方自治体、地域住民代表からなる調整技術委員会で審議し、信託基金機関が実行。

08年8月、野党より国会に再提出の動きも。08年8月、野党より国会に再提出の動きも。

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鉱業法の改正、最近の動き

2.ペルーの資源開発環境

24- 最近の社会情勢等を踏まえ、探鉱許認可制度を厳格化-

環境問題や地元住民とのトラブルを未然に回避するため、エネルギー鉱山省は、2008年4月、環境対策や地元住民との合意形成の徹底などを求めた探査許認可に伴う環境規則を改正 。実態は、省内の実施体制、人材不足により、審査が大幅に遅れ、運用面での問題が露呈。また、鉱区の流動化を促すため、今まで無期限であった鉱区取得年数を最大20年に。なお、取得済みの鉱区は2009年からカウント。

探鉱許 す 境規 改定 <鉱区取得年数の制限>

「地質調査」エネルギー鉱山省による認可は必要ないが、土地所有者の許可を取得を義務化。

・鉱区取得の翌年から起算して10年満了時までに最低生産を履行できない場合、11年目から15年目まで鉱区1haにつき350ソーレス(約120US$;最低生産額の1/10)に相当する罰金が課せられる。

<探鉱許可に関する環境規則改定> <鉱区取得年数の制限>

「カテゴリーⅠ」 (ボーリング調査20本まで)環境影響申告書(DIA)のエネルギー鉱山省への提出をもって自動承認。(但し、ウラン探査や、鉱害発生箇所の探査等を除く)

低生産額の1/10)に相当する罰金が課せられる。不可抗力による最低生産不履行が証明可能な場合は5年間の延長可能(再延長不可)。・従って、鉱業権を取得した翌年から起算して20年目の時点で投資が継続していたとしても、最低生

「カテゴリーⅡ」 (ボーリング調査21本以上)エネルギー鉱山省へ環境影響調査概要報告書(EIAsd)を提出し、地元住民の承認や同省による審査を経て、最初の申請提出から55日(ワ キングデイ)以内に申請者に回答が通知 回答が無い場合

産量が履行できていない場合、鉱業権は失効。・既に取得済みの鉱業権に関しては、鉱区期限の年数は2009年1月1日からカウント。

<政府のメッセージ>日(ワーキングデイ)以内に申請者に回答が通知。回答が無い場合申請者に次の行動をとる権利を与え、当局に審査の迅速化を促すことができる。・申請者は申請が否認されたとみなし、鉱業審議会に再申請。鉱業審議会は30日以内に審議し、結論を出さなければならない。

イサシ鉱山次官:・投機目的でない生産的な投資 ・環境への配慮・社会的責任の遂行(プロジェクトへの最初のアクセスは、地質ではなく、地元住民に)

<政府のメッセ ジ>

業審議会は30日以内に審議し、結論を出さなければならない。・引き続き当局からの回答を待つ(当局は、申請者が鉱業審議会に再申請しない場合、審査を継続し、結論を出す義務)。

サンチェス大臣:鉱業活動を円滑に進めるためには、地域社会の賛同を得ることを最優先。鉱山省が第一に求めるのは地域住民の合意と環境法令の遵守。

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2.ペルーの資源開発環境

電力不足問題が顕在化25

昨今の経済発展に伴い、ペルーの電力需要は予想以上に増加(2007年に10%増、2008年も12%増の見通し) 供給設備の増強が追いつかないため 深刻な電力不足に陥る懸念 加えて 供給の約半分を占める

-ペルー鉱山各社、相次いで水力発電事業への参入を検討-

通し)。供給設備の増強が追いつかないため、深刻な電力不足に陥る懸念。加えて、供給の約半分を占める水力発電は2008年、降雨量の減少で発電量が低下。天然ガス発電も頭打ち。このため、鉱山会社独自の電力事業への投資計画が相次いでいる。エネルギー鉱山省によると、今後7年間にわたる鉱山開発プロジェクトで、2,600MWの追加電力が必要。

8月2日、ETEVENSA発電所のタービンがメンテナンスに入ったことを理由に、全国の8鉱山会社に対して15時から22時までの間の電力使用が制限(需要全体の4000メガワットのうち160メガワットが制限)され、一部の鉱山では、生産に影響も。対象鉱山:Antamina、Cerro Verde、Cajamarquilla、Shougang、Doe Run、Southern Peru、Yanacocha、Cementos Lima

2010年の完成を目標に進行中の500メガワットの南部電力増幅計画

Pucallpa、Chilca、Santa Rosa等の新規火力発電所建設

2009年完成予定のカミセアガス輸送拡張事業(2億2千万→4億5千万立方フィート/日)

<既存の主な電力拡張計画事業>

Southern Copper AtacochaFreeport MacmoranBuenaventura

<鉱山会社の電力事業への参入の主な動き>

現在同社のIlo製錬所は205メガワットの電力を使用しているが、拡張後にはさらに220メガワットが必要となるとし 安定的

Ancash県のQuitaracsa水力発電プロジェクトの92%を取得。建設終了は2011年。投資額は1億ドルで初期段階で114メガW 最終

Arequipa県を中心としたペルー南部における水力発電への投資を検討中であることを明らかにし、Cerro Verde鉱山の増産

Huanuco県及びLima県内で少なくとも3基の水力発電所プロジェクトを計画。合計発電量は200MWで 合計投資額が必要となるとし、安定的

な電力確保のために電力事業への投資を検討。

期段階で114メガW、最終的に228メガWを発電予定。

Cerro Verde鉱山の増産計画をバックアップしたいとの考え。

200MWで、合計投資額は3億ドルとなる見通し。

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鉱害対策(1) - 政府による本格的な取り組み始動 -

2.ペルーの資源開発環境

26ペルーでは既に、操業中の鉱山・製錬所については環境適正化計画(PAMA)や閉山法を制度化し、多くは環境改善に向け取り組み中。

れ 続き 後 環境対策と環境 染 とな る廃鉱 起 する

エル・ドラド堆積場

これに続き、閉山後の環境対策と環境汚染の元凶となっている廃鉱に起因する環境汚染対策に着手。これらの問題は、現在頻発している地域住民問題発生要因の一つとされ、政府も本腰を入れて取り組む構え。日本にも、鉱害防止対策や閉山法審査への技術協力を要請。

①休廃止鉱山の鉱害対策

・義務者不存在の休廃止鉱山については、国が対応

③旧国有鉱区における鉱害対策を開始

2006年9月、国営公社ACTIVOS MINEROSを設立 か てC i 国有鉱区を中心に

②FONAM による鉱害対策FONAM (国家環境基金)は、約530万ドルの政府基金及び300万ドルの民国が対応。

・エネルギー鉱山省によるインベントリーマップによると、現在、ペルー国内には、850か所に鉱害問題が存在。・課題は、体系的な鉱害発生鉱山のリス

を設立、かつてCentromin国有鉱区を中心に、環境修復を開始。2010年まで総額4270万ドルの予算を確保。2007年は19のプロジェクトを予定。・オロヤにおける汚染土壌の修復作業

万ドルの政府基金及び300万ドルの民間基金をベースに最も鉱害被害が深刻なカハマルカ県において、先行して実施中。・ジョウカノ川流域の環境被害の優先課題は、体系的な鉱害発生鉱山のリス

クの規模や優先順位、具体的対策、予算等のロードマップ作り。・2007年7月、鉱山省内に鉱業技術部を新たに設置し、本格的な取り組みを開始。

オロヤにおける汚染土壌の修復作業・カヤオ港の汚染源調査・セロデパスコにおける鉱さいや酸性水など環境負荷の軽減・ミチキジャイにおける河川・土壌汚染の修復等

ジョウカノ川流域の環境被害の優先順位の特定・エル・シンチャオ渓流酸性水処理施設・エル・ドラド尾鉱堆積場の鉱害対策・再緑地化プログラム

④金の不法採掘の規制強化

ペルー北部・南部で国際価格上昇に伴い金の不法採掘が、急増。シアン・水銀汚染の深刻化、児童労働問題が拡大。この

⑤鉱害・保安監督強化(→将来的に環境省に移管の方向)

2007年1月、鉱害・保安監督がエネルギー鉱山省からエネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)に移管、Volcan社鉱山、

ような中、スイス政府によるGAMA(零細鉱業環境対策)の結果、ペルーPuno県内のインフォーマル鉱業従事者1万2,000人のうち40%が合法化プロセスによって正規鉱山事業者に。

鉱業投資 督 ( ) 移管、 社鉱 、Oroya製錬所等に対し、環境規制違反を理由に罰金の支払いを命令。今後、罰則を強化。

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2.ペルーの資源開発環境

鉱害対策(2)27

08年12月、JOGMECはエネルギー鉱山省との間で、鉱害政策専門家派遣に関する協定書を締結。合意内容は2009年4月から2 年間、JOGMECからエネルギー鉱山省に鉱害行政アドバイザーを派遣するというもので、

- 日本の本格的な協力開始で、日本のプレゼンス向上へ -

年 月 年間、 ギ 鉱 省 鉱害行政 を派遣す う 、

鉱害関連法整備や鉱害防止戦略プラン作成に向けた助言、組織・人材の強化等へのアドバイスを実施。日本にとって、銅、亜鉛などのベースメタル資源供給国として重要なペルーでは、現在、休廃止鉱山等を発生源とする鉱害対策が急務となっており、今回の協力により、資源分野における両国との関係が、より密接なものに発展することが期待。る 期待。

1)署名者ペルー側:イサシエネルギー鉱山省鉱山次官JOGMEC 藤田文萌副理事長

<JOGMEC-エネルギー鉱山省との協定書の概要>

JOGMEC:藤田文萌副理事長2)派遣期間

2009年4月から2011年3月まで3)鉱害防止政策アドバイザー業務内容・鉱害防止に関する法体系整備に向けた助言鉱害防止に関する法体系整備に向けた助言・鉱害行政組織・体制の整備及び人材育成の助言・鉱害問題の解決に向けた「総合戦略プラン」への助言・閉山計画書の評価への助言・定期的なエネルギー鉱山省内連絡会議の開催

左から Sanchezエネルギ 鉱山大臣 Isasi鉱山次官・JOGMECとエネルギー鉱山省との定期協議の開催等

JICAも、ペルー政府からの要請を受け、閉山審査や環境

左から、Sanchezエネルギー鉱山大臣、Isasi鉱山次官、目賀田大使、藤田副理事長

<JICA開発調査> エネルギー鉱山省のVasquez環境総局長は、同局に対して提出される環境影響評価や閉山評価内容 地確認 必 な 算 材 時審査の迅速化に向けた技術支援やマニュアル作り作成のた

めの調査チームを派遣する方向。

価内容の現地確認に必要な予算、人材、時間の全てが不足しているとし、大幅な審査の遅れを認めている。

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金融危機の影響(1)2.ペルーの資源開発環境

28-世界経済の減速がペルー鉱業に大きな打撃-

米国発の金融危機に端を発した世界経済の減速、金属価格の暴落は、好調な発展を遂げてきたペルー鉱業にも影を落とし始めており、鉱産物輸出、企業業績、鉱業投資など大きく減少。加えて、鉱山会社の大幅な収益減により、

一時的に前年同月を下回る月はあったものの 総じて 堅調で 特

(鉱産物生産への影響)

影を落とし始めており、鉱産物輸出、企業業績、鉱業投資など大きく減少。加えて、鉱山会社の大幅な収益減により、地域に回るお金が減るため、これが新たな地元住民による抗議運動を誘発する懸念も。

(直接投資への影響)

ペルー鉱業協会は 直接投資の影響について 1)今後の時的に前年同月を下回る月はあったものの、総じて、堅調で、特に、亜鉛は、8月以降、二桁成長を持続。

6月以降、急速に伸び率が鈍化し、特に金融危機による金属価格

(鉱産物輸出への影響)

ペルー鉱業協会は、直接投資の影響について、1)今後の鉱業活動の動向は、資金がどの国に由来するかに左右。中国が資金源である場合は大きな影響はない。2)一般的に、初期ステージの案件に関しては、金融機関による融資の滞りでマイナスの影響を受ける一方、ステージの進んだ案件は影響

(企業業績への影響)

金属価格暴落による減収に加え、人件費や燃料費、資材費な

が急落した影響で第4四半期は連続して、大幅な前年比割れ。2009年1月:41.4% 減、2月:32.0%減と大幅な落ち込みが継続。

イナスの影響を受ける 方、ステ ジの進んだ案件は影響が少ない。3) ペルーにおける探鉱開発向けの投資30億ドルにのぼる資金調達が滞る可能性が懸念。特にジュニア企業による投資は激減の方向。2008年9月時点ではジュニア企業を中心に約200件の探鉱プロジェクトが展開されていたが、年 月現在 そ 数は 件 減少

金属価格暴落による減収に加え、人件費や燃料費、資材費などの高騰による操業コストの上昇が、各鉱山の業績に深刻なダメージを与え始めている。Fluryペルー鉱業協会会長は、金融危機の影響で、鉱山企業の売上は約10億ドル減少したと発言

企業名 2008年第4四半期業績(単位:百万US$)

09年2月現在、その数は40~50件に減少。

(社会プロジェクトへの影響)

・エネルギー鉱山大臣によると、2009年に地方に還元され鉱業 税 び 前年売上高 前年比 純利益 前年比

Southern Copper 449.7 -65.30% -124.7    -Yanacocha 339 -12.90% 78.7 -29.40%Volcan 88.4 -64.00% 24.6 -69.30%Milpo 25 2 -56 30% -27 1 -5 30%

企業名 2008年第4四半期業績(単位:百万US$)る鉱業カノン税及びロイヤルティは、前年比でおよそ50%の減少、また、2009年度の自発的拠出金は前年比で20%減少し161百万US$となる見通し。・鉱山労働者の解雇も相次いでおり、鉱山冶金鉄鋼業労働者連盟によると 昨年10月以降 鉱山で働く労働者のうちMilpo 25.2 56.30% 27.1 5.30%

Atacocha 9.78 -74.30% -70 -El Brocal 30.5 -55.40% -0.5 -Minsur 120.3 -18.00% 26.4 -39.50%Shougang 317 25.30% 29.2 86.30%

者連盟によると、昨年10月以降、鉱山で働く労働者のうち派遣労働者を中心に約8,000人が失業し、正規従業員に休暇を命じるケースが増加。こうした社会不安が新たな反鉱山運動や労働争議を誘発するとの懸念。

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金融危機の影響(2)2.ペルーの資源開発環境

29-開発・拡張プロジェクトへの影響-

開発・拡張プロジェクトの中にも、金融危機の影響が出始めており、特に、ジュニア企業が所有しているプロジ クトは 開発延期や新たな参入者を模索する動きが出始めている

Southern Copper2008年第3四半期の業績悪化や今後の金属価格予測等を踏まえて Los Chancas銅開発プロジェクトの見直しを発表

Inca PacificMagistral銅開発プロジェクトに関し、 2009年上期に予定されていた融資400百万US$が停止 このため ペルー政府に対して操業開

プロジェクトは、開発延期や新たな参入者を模索する動きが出始めている。

えて、Los Chancas銅開発プロジェクトの見直しを発表。

Freeport MacMoran Copper & Gold2008年第3四半期の業績結果や金属価格の下落等を受けて、同社の予算を20億ドル削減する計画を発表。これに伴い、ペルーではC V d 鉱山拡張に向けた投資計画が延期

た融資400百万US$が停止 。このため、ペルー政府に対して操業開始期限の延長を申請。

Candente Resources探鉱活動の縮小、人件費の削減等により経費節減に努めるとと

Vena Resources資金や人材などを投資額が比較的小さい4つのプロジェクトに集中(Camecoとのウラン探鉱 、Pucara金・銅探鉱、Sudamericana de

ではCerro Verde鉱山拡張に向けた投資計画が延期。 もに、Cañariaco銅開発プロジェクトについて、共同出資者を模索。

Volcan亜鉛価格下落を受けてCerro de Pasco鉱山における露天掘開発計画を市況回復まで見合わせ。これに伴いCerro de Pasco市 ( ウラ 探鉱 、 銅探鉱、

Carbon社買収に伴う無煙炭事業の拡大、Azulcocha鉱山開発 )

XstrataLas Bambasと Antapaccayの銅開発プロジェクトについて、金融危機によって市場における資金の調達が60%から70%減少し

発計画を市況回復ま 見合わ 。 れ 伴 市街の移転計画も延期。

Anglo American2009年の探鉱開発額が45億ドルと半減することにより、南ア及びブラジルにおける拡張計画は中止も ペル における

Antamina埋蔵量が77%増の7.45億tに拡大したことを受け、25%の増産 Yanacocha

は 銅 金開発プ ジ クト 開

融危機によって市場における資金の調達が60%から70%減少し、大きな影響を受けているとしながらも、プロジェクト継続の方向。

びブラジルにおける拡張計画は中止も、ペルーにおけるMichiquillay及びQuellaveco銅プロジェクトは、予定通り、進行させる方針。

を柱とした鉱山拡張計画を発表。操業年数も23年から34年へ。2009年に建設を開始した場合2011年からの開始となる。銅価格がUS$1.5/ポンドを下回らない限り計画の変更はないと強調。

Newmont Miningは、Minas Conga銅・金開発プロジェクトの開発計画について2008年末に決定する予定だったが、これを2009年第1四半期に延期。

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2.ペルーの資源開発環境

金融危機の影響(3)30

金融危機の影響(3)-操業鉱山、製錬所への影響-

世界的な景気後退が進む中、ペルーの鉱産物生産は、現在のところ、堅調に推移しているものの、特に、亜鉛に鉛生産 多くを占 鉱 労働者を解 生産 を縮 鉱 も 始ついて、亜鉛生産の多くを占める中小鉱山の中には、労働者を解雇し、生産量を縮小している鉱山も出始めている。

今後、価格低迷が長期化すれば、一層の生産縮小、操業休止に追い込まれる鉱山が相次ぐ可能性が懸念。

鉱 相次 操業停 製錬所 鉛 鉛等生産が停

3月、Doe Run PeruのOroya製錬所は、資金繰り悪化により鉱山会社からの精鉱の供給が止まったため、亜鉛、鉛、金、銀の計4つの製錬ラインが全面停止し、銅製錬ラインのみ操業を

・Glencoreは、金属価格下落を理由にRosaura鉱山の操業を2008年11月30日に停止したほか、2009年Q1にペルー国内人員の15~20%削減計画を発表。

<Glencoreの鉱山、相次いで操業停止> <Oyoro製錬所、鉛・亜鉛等生産が停止>

続けている状況。同社は精鉱購入向け融資75百万US$を失ったほか、精鉱供給元の鉱山会社に対して1億US$の負債を抱えている模様。

・3月、ペルー第2位のIscaycruz亜鉛鉱山を価格低迷を理由に操業を停止。これにより、同社は、銀を生産するYauliyacu鉱山のみが唯一操業している状況。

<Cerro Verde鉱山 モリブデン生産停止>これに対し、La 製錬所 精鉱を

モリブデン価格の急落を受け、2009年Q2以降、モリブデン生産を一時停止する方針。 このため、ペルーの2009年のモリブデン生産量は減少の方向。

Oroya製錬所<Cerro Verde鉱山、モリブデン生産停止> Oroya製錬所に精鉱を供給している鉱山会社15社(Buenaventura、Brocal、Glencore、Volcan Colmin等)に

1.ANTAMINA: 6,070t2.TOQUEPALA: 4,668t3.CUAJONE: 4,443t4.CERRO VERDE:1,541t

2008年ペルーモリブデン生産量

Volcan、Colmin等)による175百万US$規模の融資が決定。

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金融危機の影響(4)2.ペルーの資源開発環境

31一方、開発プロジェクトの進行維持の表明や新規案件投資への好機との判断から企業買収等の動きも広がりつつあり、Sanchez大臣は、ペルー鉱業の将来について楽観的な見通し。今後3年間で鉱業投資額は100億US$に達すると予想 ずれにし も 踊り場に差し掛か たペ 鉱業にと 年は まさに 念場 年

-新規投資の好機との判断から企業買収の動きも-

・Southern Copper :産銅ジュニアFrontera Copper社

達すると予想。いずれにしても、踊り場に差し掛かったペルー鉱業にとって、2009年は、まさに正念場の年。

Chinalco:Toromocho銅開発プロジェクトについて、金融危機の影響による資金調達に困難は生じていないとし 2012年の生産開始に

<企業買収の動き><積極的な投資継続>

・Minsur(ペルー国内最大の錫鉱山会社):2008年9月

・Southern Copper :産銅ジュニアFrontera Copper社(本社:加Toronto)を33.93百万US$で買収。・Grupo Hochschild(ペルー大手の産銀会社):South

Western Resources(カナダ)を1,750万US$で買収。

響による資金調達に困難は生じていないとし、2012年の生産開始に向けて、今後22億US$を投資する計画を明言。

Buenaventura:金価格が高値を維持するとの判断から、La Zanjaプロジェクトの前倒しを決定。2010年に生産開始の予定。また、計460百万US$が投資されるYanacochaのChachicochaプロジェクト及び ・Minsur(ペルー国内最大の錫鉱山会社):2008年9月

に4億7,200万US$で買収したブラジルのSierra de Madeira錫鉱山について、増産を計画中。・Minera IRL:南ア資本で、2008年3月に操業を開始したCorihuarmi金山を保有 総額1億US$で競合他社を買

Bear Creek Mining:Corani及びSanta Ana両鉱区に合計900百万ozの銀が埋蔵の見通し。Corani鉱区のプレFSは2009年半ばに完了予定 ペルーでの探鉱活動継続の方針

百万US$が投資されるYanacochaのChachicochaプロジェクト及びTantahuatayプロジェクトも、2009年中に開発工事を開始する意向 。

●ペルーは、複数の鉱種で世界有数の鉱山生産国であり、今のところ 全般的に生産量に目立った落ち込みはなく 持続的に成長

たCorihuarmi金山を保有。総額1億US$で競合他社を買収する方針(5社が候補)。

<最近の大臣発言> (3月24日、JOGMECインタビュー)

予定。 ペル での探鉱活動継続の方針。

エネルギー鉱山省の試算では、2009年の鉱業投資額 前年 倍 億 年 億ところ、全般的に生産量に目立った落ち込みはなく、持続的に成長。

特に価格が高値で安定している金、銀が下支えをしており、他の鉱山国に比べ全体的に影響は少ないだろう。●但し、ジュニア企業の探鉱プロジェクトは資金繰りの悪化から投資が急減していることを憂慮。

額は、前年2倍の27億8千万US$、2010年は42億5,200万US$、2011年に30億1,300万US$となり、今後3年間で100億US$に達すると予想。(対象)ToromochoやGalenoの銅開発プロジェクト、

Antamina Shougang Toquepara Cajone等●一方、Antamina鉱山やCajamarquilla製錬所の拡張案件や

Toromocho等の開発案件は、順調に進捗。これらが生産を開始する頃には、金属価格も回復しているだろう。ペルー鉱業の将来は、引き続き明るい。

Antamina、Shougang、Toquepara、Cajone等の鉱山拡張プロジェクト、IloやCajamarquillaの製錬所拡張プロジェクトなど。

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鉱山・鉱床ポテンシャル

3.ボリビアの資源開発環境

32鉱山 鉱床ポテンシャル

-2008年の鉱業投資額は4億ドルに-主要な投資プロジェクト案件ボリビアには、大きく分けて3つの鉱床地帯が存在。

① デ 山脈造山地帯 ボ ビ 国土 を占

21億ドル鉄エル・ムトゥン鉱床

2 3億ドルリチウム ホウ素ほかサラル デ ウユ二鉱床

鉛、銀、亜鉛

鉱物資源名

1億3500万ドルサンバルトロメ鉱床

9億ドルサンクリストバル鉱床

投資金額

(米ドル)鉱床名

①アンデス山脈造山地帯で、ボリビア国土の42%を占め、 2200箇所の探査地区および鉱山(銀、錫、タングステン、アンチモン、鉛、亜鉛、銅、ビスマス、金など)が存在。②先カンブリア紀の地質地帯でボリビア国土の18%で、箇所 探査地区(金 白金 ケ 鉄など)が存在

ド鉛鋳造事業 銀鋳造事業

パ パ製錬

2~3億ドルリチウム、ホウ素ほかサラル・デ・ウユ二鉱床

亜鉛、銀

亜鉛、錫

2500万ドルアマヤパンパ鉱床

5000万ドルドンマリオ鉱床

3500万ドルサンビセンテ鉱床

2000万ドルコルキリ鉱床100箇所の探査地区(金、白金、ニッケル、鉄など)が存在。③ボリビア国土の40%を占めるチャコ地区・ベニ地区平原で、金、錫、タングステンなどの鉱床の存在が期待。

主要な鉱物鉱床アララス鉱床(金)

1億4000万ドル鉛鋳造事業、銀鋳造事業、亜鉛精錬事業

カラチパンパ製錬所

図1 ボリビアの金属資源賦存地区

東山脈アマゾン河流域金鉱床地区

サンシモン鉱床(金)

ミゲラ鉱床(金、銅)

ドンマリオ鉱床

ティプアニ鉱床(金)

ヤニ・アウカパタ鉱床(金)

コリ・コリョ鉱床(金、銀)

アララス鉱床(金)

スンサス(SUNSAS)多金属鉱床地帯

東山脈(CORDILLERA ORIENTAL)

周縁部分の多金属鉱床地帯

クラトンデパラグア(CRATON DEL PARAGUA)金・マンガン鉱床地帯

ラパス

オルロ コチャバンバ

リンコン・デル・ティグレ鉱床(PGE、ニッケル)

エル・ムトゥン鉱床(鉄、マンガン)

ドンマリオ鉱床(金、銅)コリ・チャカ鉱床(金)

セロ・リコ・デ・ポトシ鉱床(銀、亜鉛)

サラル・デ・ウユニ鉱床(リチウム、ホウ素、マグネシウム、カリウム)

ムトゥン・タクバカ(MUTUN-TUCAVACA)鉄鉱石・マンガン鉱床地帯

多金属鉱床地帯錫地帯

高原地帯(ALTIPLANO)および

東山脈(CORDILLERA ORIENTAL)多金属鉱床地帯

オルロ コチャバンバ

サンタクルス

ポトシ

サンビセンテ鉱床(銀、亜鉛)

サンクリストバル鉱床(亜鉛、銀)

サンバルトロメ鉱床(銀、錫)

最近15年間に開発した鉱床 :コリ・コリョ鉱床(金、銀)、サンクリストバル鉱床(亜鉛、銀)、ドンマリオ鉱床(金、銀、銅)、コリ・チャカ鉱床(金)、プキオノルテ鉱床(金)、サンバルトロメ鉱床(銀、錫)、サンベルナルディノ鉱床(金)、サンシモン鉱床(金)など

多金属鉱床地帯

・アンデス山脈造山地帯:ボリビア国土の42% 、2200箇所の探査地点および鉱山(銀、錫、タングステン、アンチモン、鉛、亜鉛、銅、ビスマス、金など)・先カンブリア紀:ボリビア国土の18%、100箇所の探査地点(金、白金、ニッケル、鉄など)・チャコ地区・ベニ地区平原:ボリビア国土の40%(金、錫、タングステンなど)

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San Cristobal鉱山生産開始へ3.ボリビアの資源開発環境

33- 日本への亜鉛精鉱の安定供給に大きく貢献 -

ボリビア鉱業振興の象徴的プロジェクトであるSan Cristobal鉱山は、07年8月に生産開始、10月、チリのメヒリョネス港から亜鉛精鉱がアジア向けに初出荷。09年1月にフル開始、 月、 リ リ 港 鉛精鉱 け 初 荷。 年 月生産を達成、世界有数の亜鉛鉱山へ。我が国の亜鉛精鉱輸入量の10%強を供給。

・権益比率:住友商事100%。(08年11月、Apex Silverより65%権益を取得)

<San Cristobal鉱山の概要>

・位置:ポトシ県に位置し、世界最大のウユニ塩湖の近く。標高は3800-4500m。・鉱量:2.5億トン(亜鉛1.54%、鉛0.53%、銀550t)・年間平均生産量:銀550t、亜鉛168千t、鉛64千t、マインライフ:16年・最近の動向:07年8月より生産開始、9月22日、亜鉛、鉛、銀のバルク精鉱がチリのメヒリ ネス港から初出荷 10月18日亜鉛精鉱約9 100トンがアジアの製錬所向けに出荷ヒリョネス港から初出荷。10月18日亜鉛精鉱約9,100トンがアジアの製錬所向けに出荷08年第2四半期の稼働率:85%。2009年よりほぼフル生産体制に。

・数百名の住民の移住に伴う学校 病院等の建設 インフラ整備

<地域社会への貢献>

世界の10大亜鉛鉱山(2008年)数百名の住民の移住に伴う学校、病院等の建設、インフラ整備・雇用創出(直接 700名、間接 2100名)・職業訓練、大学進学への奨学金制度・水質汚染、粉塵汚染のモニタリング、環境対策

順位

鉱 山 国生産量(千t)

オペレーター

1 Rampura-Agucha インド 560.0 Vedanta

2 R d D USA 515 2 T k C i

世界の10大亜鉛鉱山(2008年)

2 Red Dog USA 515.2 Teck Cominco

3 Century インド 513.6 OZ Minerals

4 Antamina ペルー 383.0 BHP.B, Xstrata他

5 Mount Isa 豪州 283.1 Xstrata

6 Brunswick カナダ 242.5 Xstrata

7 Zyryanovsky カザフスタン 200.0 Glencore

8 San Cristobal ボリビア 180.0 住友商事

9 Iscaycruz ペルー 175.2 Glencore

10 Tara アイルランド 175.0 Boliden

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国家管理強化に向けた様々な動き

3.ボリビアの資源開発環境

34強 動

- 07年12月税制強化を柱とする鉱業税制改正法案が成立 -

07年5月に発表されたCOMIBOLの管理・権限を強化する内容の大統領令に続き、12月には、税制強化を柱とした鉱業税制改正法案が成立 さらに 最近では 鉱業権の売買を禁止するなど 国家管理強化の動きが鮮明化した鉱業税制改正法案が成立。さらに、最近では、鉱業権の売買を禁止するなど、国家管理強化の動きが鮮明化。リチウム開発も国主導で行うことを決定。同時に、諸外国に技術・資金支援を要請。

2007年 2008年5月 12月 4月 6月 2009年 新憲法発布2月

鉱物輸出登録サービス局(S )を設置 同局は

06年5月の憲法裁判所判決により、鉱業権は鉱業権者が 時的に有する

新たな鉱区はボビ 鉱山 社

税制強化を柱とした鉱業税制改正法案が

(COMIBOL権限強化) (鉱業税制法案) (鉱物輸出登録サービス局)(鉱区売買禁止法案)

(Senarecom)を設置。同局は、120日以内に、国内の全鉱山リストを作成し、各鉱山は、鉱産物輸出に必要な登録番号を受ける。なお、登録作業は La Pas県 Oruro県

鉱業権は鉱業権者が一時的に有する権利であり、不動産の所有権とは異なり譲渡や売却、相続の対象とはならないと判断。発効日は判決の2年後と定め 国会にこの期限内に鉱業法の改正

リビア鉱山公社(COMIBOL)が管理し、民間企業単独による鉱業権取得は認めないとす

鉱業税制改正法案が成立。・金属価格高騰時に所得税と鉱業ロイヤルティ両者の納税 登録作業は、La Pas 県、Oruro県、

Potosi県で実施。同局設置の狙いは、不法な国内流通を排除し、適正な金属価格を保証するとともに、鉱産物の輸出統計を整備。

め、国会にこの期限内に鉱業法の改正を奨励。08年4月に下院で本改正法案が成立も、上院では、審議されず、これにより、08年6月より、実質的に、鉱区譲渡は禁止状態。

得は認めないとする内容の大統領令を公布。

ルティ両者の納税が義務化・追加所得税として、12.5%が課税 等

世界のリチウム資源の約半分を占めると言われているウユニ塩湖リチウム開発について、パイロットプラント建設は、国主導で行うことを決定(09年内に建屋完成予定、10年より本格的な炭酸リチウム回収試験を実施) その後 数年かけて年間2万t規模の商業生産を開始予定 ボリビ

(ウユニ塩湖リチウム開発)

酸リチウム回収試験を実施)。その後、数年かけて年間2万t規模の商業生産を開始予定。ボリビア政府は、パイロットプラント生産に向けた技術課題について、海外から専門家を募り、科学技術委員会を通じ、技術的なアドバイスを受けたい考え(技術貢献のあった企業にリチウム原料を優先的に販売することを明言)。また、付加価値製品生産への外国投資を強く要望。

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鉱業税制改正のポイント

3.ボリビアの資源開発環境

35-亜鉛鉱山は価格低迷で適用対象外の方向-

金属価格高騰時に税負担が増加。但し、最近の亜鉛価格下落で、亜鉛鉱山は適用除外の可能性も。

(1)所得税と鉱業ロイヤルティ両者の納税が義務化(金属高価格時)

(2)追加所得税として 12 5%が課税(金属の高価格時)・名称がロイヤルティに変更金属価格による変動

・金属価格により変動法人税との相殺可能

鉱業補完税(ICM)

新税制旧税制

・名称がロイヤルティに変更金属価格による変動

・金属価格により変動法人税との相殺可能

鉱業補完税(ICM)

新税制旧税制

鉱業税制新旧比較

(2)追加所得税として、12.5%が課税(金属の高価格時)→ 但し、Cooperativas(共同組合系鉱山)など国内鉱山会社は免除。また、地金等の付加価値製品の生産企業については、7.5%に低減。

鉱業 税率 変 な も 新た ビ

25%25%法人税

・金属価格による変動・新たにレアメタル等が追加・法人税と相殺不可(金属価格高騰時の場合)

・法人税との相殺可能(ICM)

25%25%法人税

・金属価格による変動・新たにレアメタル等が追加・法人税と相殺不可(金属価格高騰時の場合)

・法人税との相殺可能(ICM)

(3)鉱業ロイヤルティの税率は変更なしも、新たに、ビスマスやアンチモン、インジウム等のレアメタル、また、精鉱中の銀などの品目が追加。→ 但し、国内取引の場合、ロイヤルティは規定の

60%の税率に緩和 イヤ テ 税率( 例)

廃止の方向25%付加税

12.5%(金属価格高騰時の場合)

なし追加法人税

廃止の方向25%付加税

12.5%(金属価格高騰時の場合)

なし追加法人税

60%の税率に緩和。(4)炭化水素資源一次産品、精鉱、炭化水素加工品、鉱物加工品の輸出におけるIVA(付加価値税)、ICE(特別消費税)、関税の還付制度は存続。

年間 千 ド 以上 利益を計上した際に課せられる

金属高価格時の定義(一例)金 US$400/oz以上

鉱種 価格 率(%)700以上 7400~700 0.01×(価格)400以下 4

金($/oz)

ロイヤルティ税率(一例)

(5)年間3千万ドル以上の利益を計上した際に課せられるSur Taxは廃止の方向。

(6)ロイヤルティの85%は生産拠点の所在する県に、残りの15%は、生産拠点所在市町村に配分。配分額の

金 US$400/oz以上

銀 US$5.55/oz以上

亜鉛 US$0.53/lb以上

鉛 US$0.30/lb以上

400以下 48以上 64~8 0.75×(価格)4以下 30.94以上 5

($ )

銀($/oz)

85%は公共投資に充当。 錫 US$2.90/lb以上

銅 US$1.04/lb以上

以0.475~0.94

8.43×(価格)-3

0.475以下 1

亜鉛($/lb)

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3.ボリビアの資源開発環境

新憲法公布による鉱業への影響36-モラレス色の強い民族主義的な社会主義政策への展開が加速化

-1月25日に、先住民の権利拡大や天然資源の国家管理強化などを目指す新憲法案の是非を問う国民投票が行われ、61.4%の賛成で承認。これにより、モラレス政権は、最長で2019年までの政権運営が可能。今後、議論が本格化する新鉱業法に は す に 決定 運用され る 権限 強化 建 直し 鉱業税制 強化 鉱業

第369条:国家は 国土に存在する鉱物資源の責任

<新憲法施行過渡期条項>(新憲法が公布されてから、それぞれの関連法令が制定されるまでの移行期の取り扱い条項)

する新鉱業法については、すでに、決定、運用されているCOMIBOL権限の強化・建て直し、鉱業税制の強化、鉱業の付加価値化の推進等、といった国家管理を強化する内容がより具体化・鮮明化する方向。

<新憲法中の鉱業関係の条文>

第369条:国家は、国土に存在する鉱物資源の責任者であり、特に、塩湖内に存在する非金属や蒸発物、その他の物質は、国家にとり戦略的な性質を有する。第370条:国家は、該当法令に従って、自然人及び法人と鉱業に関する契約を締結し、鉱業権を付与でき

第1条:新憲法制定後、ボリビア国議会は新多民族国立法議会議員、新大統領、新副大統領の総選挙を2009年12月6に実施する。第5条:新憲法による多民族国立法議会は、その第1立法任期(5年)内に憲法条項の施行に必要な立法をしなければならない。法人と鉱業に関する契約を締結し、鉱業権を付与でき

る。国家は、ボリビアの経済・社会的発展のため、鉱業協同組合を振興・強化する。国家は、独立経済公団を通じて、鉱業の発展を目的に、非再生資源の管理・調査・探鉱・採掘・選鉱・産業化・取引に関する施策を推進 実行する

内に憲法条項の施行に必要な立法をしなければならない。第8条Ⅰ項:政府より認可、または委託された天然資源の開発権は、総選挙から1年以内に、新法制度に適応しなければならない。この場合、新法制度への変更は既得権を否定するものではない。同III項:新憲法の施行以前にボリビア国籍又は外国籍の企業が取

推進・実行する。第371条:鉱業契約により認可された鉱山開発区域は第三者に譲渡不可能であり、担保権はなく相続は認められない。

得した鉱業権は、新憲法の施行日より1年内に、新法制度に適応する契約に変更しなければならない。同V項:新憲法施行以前に取得された放射性鉱物に関する鉱業権は無効となり国に返還される。

●新憲法成立による鉱業分野の影響について、「新憲法成立以前に企業が持っていた権利は尊重される。新憲法に従い、既存の契約を修正する必要があるが、国会承認により投資に対する法的安定性は保証される。」●住友商事が完全買収したSan Cristobal鉱山について、 「我々はApex Silver社の経営危機を危惧していたと

<エチャス大臣のコメント>

pころ、今回の住友商事の決断を好意的にとらえている。同鉱山の生産量は満足のいくものであり、現在の経済危機を乗り越え、鉱山が順調に操業されることを期待。また、同鉱山は現地において多くの雇用を創出し、法律どおり税金を支払っている。我々は、このような国の規則を遵守する外国企業を大いに歓迎。」●鉱業税制については、「これ以上増えることはないので、安心して欲しい。」

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鉱業冶金省の組織再編 -本腰を入れた組織強化 -

3.ボリビアの資源開発環境

37新憲法の施行(2月7日)を受けて、2月9日、行政組織再編最高政令29894によって新内閣が発足。新内閣は、新設された3省、据え置きの10省、名称及び権限が変更された7省の合計20省で構成される。また、同政令には、

鉱業冶 省 組織再編 本腰を入 組織強

新設 省、据 置 省、名称及 権限 変更 省 合計 省 構成 。 、同政令 、

各省の組織再編も定められており、この中で、鉱業冶金省には、鉱業政策立案能力の強化、鉱業プロジェクトの推進、国内鉱業組合鉱山の管理強化等を目指したそれぞれのテーマを所掌する鉱山次官室を設置。

鉱業冶金大臣 鉱業冶金大臣旧 新鉱業冶金大臣

鉱業冶金次官

鉱業政策局 鉱業技術局

鉱業冶金大臣

鉱業政策・規則・監査次官

鉱業冶金生産開発次官

鉱業共同組合次官

旧 新

鉱業政策局 鉱業技術局

鉱業政策・監査局

鉱業管轄管理局

生産開発局

環境・住民対策局

鉱業協同組合局

<鉱業政策・規則・監査次官室>・鉱物資源の戦略的管理を可能にする

鉱業管轄管理局 環境・住民対策局

<鉱業・冶金生産開発次官室>・地質、鉱業、冶金業、鉄鋼業、蒸発性資源

<鉱業協同組合次官室>・鉱業協同組合が、全国鉱業鉱物資源の戦略的管理を可能にする

政策を実行し、付加価値創造・鉱業産業化を促進・投資・融資・税制・鉱物取引・社会政策・環境政策・産業開発を担う各公的

地質、鉱業、冶金業、鉄鋼業、蒸発性資源等の分野における鉱業セクターの発展に必要な計画・プログラム・プロジェクトの提案・公社・民間企業・合弁企業による環境保護に配慮した鉱業プロジェクトを通じて、鉱業・

鉱業協同組合が、全国鉱業協同組合連合(FENCOMIN)及び国内代表組織と共同で全国規模に実施する計画の立案・技術・運営・産業安全性・衛生

機関と共同で、鉱業・冶金業の発展に必要な政策・規則・規定を提案

冶金業に対する投資や生産を促進・鉱業・冶金業開発における環境保護規則の厳正な遵守を目的とした政策の実行

等の分野における鉱業協同組合の組織強化を目的としたプログラム・プロジェクトの実施

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新興国の攻勢

3.ボリビアの資源開発環境

38- インド、韓国、中国が相次いで進出 -

資源の国家管理が強まる中、欧米企業が、及び腰で距離を置いている一方、中国、インド、韓国等の新興国が、資源獲得に向けた鉱山開発投資を活発化 特に 最近 韓国勢の攻勢が目立 ている

エチャス鉱業冶金大臣は 2007年ボリビア鉱山公社(COMIBOL)はボリビア政府は 2007年7月 イ

資源獲得に向けた鉱山開発投資を活発化。特に、最近、韓国勢の攻勢が目立っている。

<インド:鉄鉱石> <韓国:銅> <中国:基礎調査>

エチャス鉱業冶金大臣は、2007年12月、中国を訪問し、ボリビアでの鉱物資源開発促進に向けた2つの協定書に署名。・ボリビアの鉱業冶金省傘下の地質

ボリビア鉱山公社(COMIBOL)は、2008年6月、大韓鉱業振興公社(KORES)とCorocoro銅鉱山共同開発に向けた協定書に調印。協定書では、COMIBOLが55%、

ボリビア政府は、2007年7月、インドのJINDAL STEEL AND POWER社とEl Mutun鉄鉱山プロジェクトに関する契約を締結。

本契約締結により JINDALは今 ボリビアの鉱業冶金省傘下の地質鉱山技術サービス局(Sergeotecmin)が計画しているボリビア国内の地質図幅作成調査に対し、中国の江西省地質鉱物資源探査開発局が、60百万

協定書では、COMIBOLが55%、KORESが45%の権益比率で、KORESが10百万ドルを投じて1.5年間で周辺探査を行うとともに、200百万ドルを投じて、15~20年間の鉱山開発を

本契約締結により、JINDALは今後21億$を投資してEl Mutun鉱床の50%を40年間にわたって開発する権利を持つことになったほか、

政府は2007年以降40年間の法的 $を融資するというもので、探査、環境調査、ベータベース化、研修制度なども対象。・中国開発銀行とのオルロ分析センタ 設立に向けたもので 中国側350

行うもの。年産、銅カソード3~5万tが見込まれている。将来的には、製錬所建設も視野。モラレス大統領は、本プロジェクトをボリビア鉱業再興の象徴的なプロジ

政府は2007年以降40年間の法的安定性を保証。 なお、本鉱山開

発によって新たに2万人以上の直接・間接雇用が創出される見込み。

は約 億 鉄鉱石と ター設立に向けたもので、中国側350万ドル、ボ側150万ドルを出資し、Sergeotecminの敷地内に本格的な化学分析所を設立するもの。

ボリビア鉱業再興の象徴的なプロジェクトとして位置づけ。現在、国会での承認待ちの状態。今後、亜鉛プロジェクトへの参入も。

El Mutunは約400億tの鉄鉱石と約100億tのマンガンが埋蔵。

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資源の国家管理強化の動き

4.エクアドルの資源開発環境

39

南米で銅資源のフロンティア国と呼び声の高いエクアドルではあるが、環境保全に対する意識の高まり、頻発する反鉱山運動に加え、Correa政権による資源の国家管理強化の動き等、ビジネス環境が悪化。

-鉱業指令(Mandeto Minero)成立で鉱業界に暗雲-

する反鉱山運動に加え、Correa政権による資源の国家管理強化の動き等、ビジネス環境が悪化。そのような中、08年4月、制憲議会において新鉱業法の骨格となるMandeto Minero(鉱業指令)が成立し、休眠鉱区の権利取り消しや鉱業権取得件数の制限、さらに、新鉱業法公布まで探鉱開発活動を凍結することなど鉱業活動を大きく制限。鉱業界は、これに一斉に反発。

鉱業指令 容 政府側 説

・2007年12月末時点で、探査活動を行っていない、環境影響評価書を提出していない、鉱区料を支払っていない全ての鉱業権を無効。・自然保護区、森林保護区、緩衝区内で認可された鉱業権を無効。

<鉱業指令の内容>

コレア大統領:鉱業指令の狙いとして「政府が目指すのは、経済的・社会的利益、環境への配慮が伴った責任のある鉱業であり、新規則は違

<政府側の説明>

・個人及び法人ともに、認可される権益数は、3件までとする。 なお、1鉱区面積の上限5,000ha。・新鉱業法発布まで、新規の鉱業権認可を停止。また、手続き中の鉱業権申請も却下。全ての鉱業活動は 新鉱業法が発布されるまで 凍結 但し 家

法な形で付与された鉱業権を取消すことが目的。新規の鉱区申請を阻むものではない」と強調するとともに、大型露天掘鉱山の開発についても、「自然環境破壊を最小限に食い止める方策を講じた露天掘鉱山を認めていく と表明

乖離

・全ての鉱業活動は、新鉱業法が発布されるまで、凍結。但し、家内鉱業や共同組合鉱業などの零細・小規模鉱業は例外。・新鉱業法は本鉱業指令の発布から180日以内に発布。・鉱業活動を総合的に管理する鉱山公社を設立。・鉱業権益の無効 取り消し 鉱業活動の凍結に対して 政府は一

じた露天掘鉱山を認めていく」と表明。

チリボガ鉱山・石油大臣:「石油の可採年数は25年を超えることはない、従って、ポスト石油資源として、金属資源開発に国の将来を賭けて鉱業権益の無効、取り消し、鉱業活動の凍結に対して、政府は

切の経済的補償の義務はない。

→ 全鉱区面積の46%にあたる208万ha(1138件)が無効に

資源 、金属資源開発 国 将来を賭けいるとし、大規模鉱山開発を国家プロジェクトとして推進していく」との考えを表明。

政府は08年2月、国家の最優先事業として以下の8プロジェクトを指定。①Mirador(銅 、Corriente Resources) ②Fruta del Norte(金 、Aurelian Resources) ③Rio Blanco(金 、International Metals) ④Quimsacocha(金 、IamGold) ⑤Amazonas(石灰石) ⑥Unacota(石灰石)⑦Ishimanchi(大理石 )⑧Reventador(リン)08

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4.エクアドルの資源開発環境

新鉱業法が公布-税制強化で、今後の投資動向は不透明-40

新鉱業法については、08年9月、新憲法承認で審議が加速化し、09年1月成立。120日以内に施行細則が公布予定。国家管理強化、税制強化で、否定的な見方が大勢。

新鉱業法 布 税 強 、 動

旧鉱業法 新鉱業法

税制度 所得税25%付加価値税12%

所得税25%、ロイヤルティ3~5%特別利益税70%、付加価値税12%

優遇措置 鉱業活動に必要な資機 なし旬 南部 州 地 住 が新鉱業法

地域住民による反対運動

優遇措置 鉱業活動 必要な資機材等の輸入は、最低の関税率を適用また、付加価値税は免除

鉱業権有効年数 申請時より30年(さらに30年まで延長可能)

申請時より25年(さらに25年まで延長可能)初期探鉱4年(探鉱面積の縮小を前

●1月上旬、南部4州で、地元住民が新鉱業法に反対して、主な幹線道路を封鎖するなどの抗議運動を展開。住民側は、鉱山開発によって水源汚染や自然破壊等の環境汚染が避けられないこと、地域住民が権利を有する天然資源を外国企業が初期探鉱4年(探鉱面積の縮小を前

提に4年延長可能)F/S:2年(さらに2年延長可能)

年間鉱区維持費 0~3年:1US$/ha4~6年:2US$/ha7~9年:4US$/ha10 12年 8US$/h

初期探鉱:最低賃金の2.5%(2009年度:5.45US$/ha)

探鉱延長、F/S:最低賃金の5%(10 9US$/h )

地域住民が権利を有する天然資源を外国企業が進出して採掘することは許されないと主張。●全国先住民同盟(Conaie)の呼びかけで1月

20日に、南部の各州などで、道路閉鎖や抗議行進などが行われ、Conaie側に10名の逮捕者、警10~12年:8US$/ha

13年~:16US$/ha(10.9US$/ha)

採掘:最低賃金の10%(21.8US$/ha)

鉱業権認可方式 ライセンス方式 入札方式

国の権益持分要求 なし 鉱山公社を通して権益を保有

進などが行われ、Co a e側に 0名の逮捕者、警察側に6人の怪我人が出る事態に発展。

Kinross GoldのBurt CEOの見解鉱業会議所の見解・金属価格が高水準下にあるとの前提で、ロイヤリティ復活、特別利益税を設けたが現状の市況では、新規投資どころか、既存の鉱山開発案件も始動するか疑問。・一方、金価格は堅調なことから、Kinross、Iamgoldは鉱業施行細則を見極めた上で、

Kinross GoldのBurt CEOの見解・新鉱業法は、期待していた内容に合致するものと一定の評価。・新鉱業法が、エクアドル経済発展の土台を築き、責任のある鉱業の成長

ずg

開発にゴーサインを出す可能性が高い。しかし、新体制のもとで、環境ライセンス取得手続きなどの業務が機動的に行われるとは思われず、実際の操業開始は相当先。・新鉱業法は、他国と比較して税制面、環境面、当局の管理面で厳しい内容。会議所としても施行細則で柔軟な対応を政府に求めていく。

に対する枠組みになると信ずる。・Fruta del Norte金プロジェクトについて、政府から再開許可が下り次第、プロジェクトを再開する旨明言。

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4.エクアドルの資源開発環境

最近の動向 -探鉱開発プロジェクト凍結解除へ-41

コレア大統領は、ポスト石油として、開発と環境保護の共生を目指した鉱山開発を推進を表明。探鉱開発解禁に向けて民間企業活動も始動しつつある。このような中、3月のPDACで、エク ド 政府 探鉱開発プ ジ ク 凍結解除を表 政府と 新鉱業法 布を がか

最近 動

クアドル政府は、探鉱開発プロジェクト凍結解除を表明。政府としては、新鉱業法公布を足がかりに、鉱業振興を目指したい考えであるが、現下の金融危機の影響で、世界的に新規投資案件が相次いで見直されている中、むしろハードルが高く設定されたルールの下で、果たして鉱山開発プロジェクトが政府の思惑通り、前進していくのか、疑問視する見方が広がっている。

コレア大統領:1月15日の就任2周年記念演説において、同国の鉱山開発につい

José Serrano鉱業次官:3月初頭、カナダ・トロントで開催されたPDACで、2007年4月から停止されている鉱業活動について、近日中に再

<政府のメッセージ>

念演説にお て、同国の鉱山開発にて、一部地域住民や自然保護団体による反対はあるが、国による責任ある鉱山開発は国家発展の基礎であると述べ、露天掘鉱山を含む新規鉱山開発事業を推進していくことを強調

、 年 月 停 さ る鉱業活動 、近 中 再開を認める通達を出すと表明(なお、EcuaCorrienteとKinrossは、3月17日、政府より、プロジェクト凍結解除のレターを受領したと発表)。また、エクアドルは600億ドル相当の金・銅資源があるが、近代的な鉱山開発は行われておらず、今年1月に新鉱業法を公布し法整備を完了、外国企業の進出の基盤が固ま た とを強調 ク ド 進出 投資を呼びかけたを強調。

メジャー企業が銅案件に参入の動き Kinrossが金プロジェクトに参画 イランとの技術協力

盤が固まったことを強調し、エクアドルへの進出・投資を呼びかけた。

<開発始動の動き>

メジャ 企業が銅案件に参入の動き9月、Xstrata、Codelco、Tongling(中国)各社がCorriente Resourcesが所有するPanantza-San Carlos銅プロジェクトへの参画について検討中。同プロジェク

Kinrossが金フ ロシ クトに参画9月、ブラジルやチリ等で金鉱山を生産しているKinross(加)が、Fruta del Norte金プロジェクトを保有しているAurelian Resourcesの80.8%に当たる

イランとの技術協力9月、イラン政府と鉱物資源に関する2つの2国間協力協定に調印。①地質、鉱山、環境に関する包括的な研究協力②リモートセンシング技術を用いたポテンシャルマプトは、現在、F/S段階にあり、鉱量

(Inferred)は678 百万t、銅品位0.62% Cu, 金0.05g/t 銀1.3 g/t モリブデン0.008%。

108,524,181株を9.6億ドル取得。Frutadel Norteの鉱量は、58.9百万oz(金7.23g/t、銀11.8g/t)、開発投資額は約5億ドル。

ップの作成イランからの融資鉱山公社に対する30百万US$の融資

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今後の鉱業発展を占う2大銅開発プロジェクトの動向4.エクアドルの資源開発環境

42- 鉱業指令で凍結状態 -

エクアドルの鉱業振興の試金石となるMiradorとJunin銅開発案件とも、環境保全問題や地域住民の反鉱山開発運動の激化に加え 鉱業指令により境保全問題や地域住民の反鉱山開発運動の激化に加え、鉱業指令により活動停止の状態。但し、鉱区返還により、Mirador周辺等が新たなターゲットになる可能性も。

・2005 年4 月にF/S 終了、政府によるEIA承認後、開発工事着手の予定であったが 地元住民による反対運動が激化

・1997年、JICA/MMAJによる資源開発協力基礎調査により発見。その後、環境汚染を懸念する地元の反対で 中断。2004年より

<Junin (Ascendant Copper社)><Mirador(Corriente Resources 社)>

Junin★たが、地元住民による反対運動が激化、

2006年12月、政府から、鉱業活動の一時中断を求められた。

・2007年5月、エネルギー鉱山省より、拡張分のEIAにつき、ピット計画や廃さい

懸念する地元の反対で、中断。2004年よりAscendant Copper社が、プロジェクトを再開。・その後も、鉱山反対派によるサイト施設の放火事件等数々の地元住民との紛争が断続的に発生 同社は 地元との合意を前提張分のEIAにつき、ピット計画や廃さい

ダム計画に重大な不備があったとして却下され、活動停止に。現在、会社側が指摘された事項について、計画を練り直し。鉱業指令により、事実上、活動中断。

続的に発生。同社は、地元との合意を前提に06 年内にプレF/S 開始を目指していたが、進展見られず。

・07年9月、石油・鉱山省は同社に対して、地元住民との交渉を含むすべての鉱業活

・初期投資額は399百万ドル、日産30,000t(銅0.62%、金0.20g/t、銀1.63g/t)で、マインライフは20年とされる。年間の金属生産量は、最初の10年間で平均銅62千t 金34千oz 銀394千ozになる見込

地元住民との交渉を含むすべての鉱業活動の停止を命令。・08年の鉱業指令により鉱業権取り消され、国に返還。今後、国主導で開発か。

・推定鉱量982百万t62千t、金34千oz、銀394千ozになる見込み。内部収益率(IRR)は銅価格US$1.75/lbで17.7%。

推定鉱量982 百万t(銅0.89%、モリブデン0.04%)

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5.まとめ

3カ国の資源開発環境 5つのポイント43

①昨今、ペルー、ボリビアは、日本への資源供給国としてのポジションが急速に上昇。

3カ国の資源開発環境 5つのポイント

②ペルー、ボリビアでは、価格高騰で、従来のベースメタル資源に加え、レアメタル、ウラン資源も、今後新たなビジネスチャンスに。エクアドルも、銅フロンティア国として注目。③ポリティカルリスク、社会的リスクなどカントリーリスクは高まる方向。ペルーでは、社会紛争が一層深刻化。政府も住民合意と環境法令遵守の必要性を強調。④ペルー、ボリビア、エクアドルでは、中国企業等の攻勢が強まっており、我が国との資源獲得競争が激化。⑤金融危機 び世界経済 減速 る影響が れら鉱業国 び始め おり 鉱山開発⑤金融危機及び世界経済の減速による影響がこれら鉱業国に及び始めており、鉱山開発プロジェクトの淘汰、新たな参入・合併の動き、など、大きな環境変化が発生。

このように資源開発環境が大きく変化している中、我が国企業による鉱山開発投資が活発化する方向にあり、特にカントリーリスクの大きな国では、JOGMECを含めた官の役割が一層重要に。今後、資源向にあり、特にカントリ リスクの大きな国では、JOG Cを含めた官の役割が 層重要に。今後、資源

の安定確保に向けて、資源外交の強化、権益獲得支援、及び鉱山開発に伴う経済協力・技術協力等、戦略的・総合的なな取り組みを積極的に検討、推進していく必要があろう。

実例)ペルー:日本企業探鉱支援、JOGMEC鉱害アドバイザー派遣 等

ボリビア:政府機関との共同調査、リチウム開発技術支援、JICA政策アドバイザー派遣 等