(公社)東京都ぺストコントロール協会

感染症委員会

1

新型コロナウイルス対応

▽2019年

・12月 中国武漢で発生 当初は局所的発生と考えられていた。

▽2020年

・1月 武漢からの帰国者、来日中国人に感染確認。

ダイアモンド・プリンセス号の乗客に感染確認。

・2月3日 検疫官が乗船 10人の発生確認。

・2月10日 各国の感染者数↓

・2月19日 下船開始 政府施設へ滞留（滞留先：ホテル三日月、財務省西ヶ原研修所、税務大学和光校舎寮）

2

初発からの推移

感染者

確認数

合計 73 4 25 11 8 8 1 1 2 1 2 136※

CAN NJL 台湾 英国 ARG UKR日本 中国 米国 豪州 PHL

協会への依頼と対応

3

・当初、政府は民間ホテル借り上げを計画。

・都観光局から殺菌手順講習の依頼。

○結果

・三日月の他、政府管理の研修施設利用が決定。

・財務省・厚労省から日本協会へ滞留者退出後の殺菌依頼

・三日月は千葉協会・他は埼玉・東京協会が対応。

施設消毒の実施状況

4

依頼元 内容 施工先 対応 使用薬剤

2月12日 日本協会 滞留施設の殺菌 財務省西ヶ原研修所ヨシダ消毒・イカリ消毒・奥田建物・アペックス・深井消毒・

中央社　延べ14名

エタノール次亜塩酸ナトリウム

オスバンS

3月10・11・12日 日本協会 税務大学 税務大学若松寮銀座化成　アペックス産業　三共消毒ヨシダ消毒　環境衛生サー

ビス　東京企業　中央社 　三幸　エーデル商事　エコア　延べ31

エタノール次亜塩酸ナトリウム

3月19．20．21日 日本協会 和光税務大学 税務大学和光寮

アペックス産業　三共消毒　大昌　ヨシダ消毒　環境衛生サービ

ス　日本環境衛生　中央社 　シマダ　三幸　シーアイシー

エコア　延べ31名

エタノール次亜塩酸ナトリウム

3月25日 日本協会 和光税務大学 税務大学体育館銀座化成　三共消毒　環境衛生サービス　　中央社 　延べ5名 エタノール次亜塩酸ナトリウム

関連施設の消毒状況

• 大黒ふ頭警備車両の殺菌を実施した。

（依頼元：警視庁・埼玉県警）

5

依頼元 内容 施工先 対応 使用薬剤

2月19日 警視庁大黒ふ頭

トイレカー2台の殺菌警視庁

2月20日

中央社2名・ヨシダ消毒1名

エタノール次亜塩酸ナトリウム

2月19日 警視庁大黒ふ頭

トイレカー２台の殺警視庁

2月26日

中央社１名・三幸2名

エタノール次亜塩酸ナトリウム

2月25日 埼玉県警大黒ふ頭

トイレカー１台の殺埼玉県警

2月26日

中央社１名・ヨシダ消毒２名エタノール次亜塩酸ナトリウム

これで終わりと思っていたが…

6

・中国に発生し、これに関連した感染者対応が

完了すれば収束すると考えていたが

・市中感染が始まった！

0

20

40

60

80

100

120

1月

24日

1月

26日

1月

28日

1月

30日

2月

1日

2月

3日

2月

5日

2月

7日

2月

9日

2月

11日

2月

13日

2月

15日

2月

17日

2月

19日

2月

21日

2月

23日

2月

25日

2月

27日

2月

29日

3月

2日

3月

4日

3月

6日

3月

8日

3月

10日

3月

12日

3月

14日

3月

16日

3月

18日

3月

20日

3月

22日

3月

24日

3月

26日

3月

28日

3月

30日

4月

1日

オー

プン

…

東京都コロナウイルス対策サイト

パンデミックが宣言された

• 3月11日 WHOはパンデミックを宣言した。

7

これによりフェーズが変わった。

・2月に入って民間の学校・事務所・店舗から続々と相談が入る。依頼元 内容 施工先 依頼処理 対応 使用薬剤 作業時間

1 1月31日 東京消防庁 患者移送救急車 都立駒込病院 1月31日　午前中央社が担当

病院敷地にて3名により実施

エタノール　６㍑

次亜塩素酸ナトリウム　２ℓ17:00 18:00

2 2月5日 財務省 滞留施設の殺菌 財務省西ヶ原研修所

2月5日依頼

2月6日清水・谷川・渡邉現調

155室と共用部の殺菌　作業日2月16日に

決定

登録各社に配信

ヨシダ・イカリ・奥田建物・

アペックス・深井消毒・中央社

計14名

エタノール

次亜塩酸ナトリウム

オスバンS

8:30 17:00

3 2月17日 屋形船運航会社 所有船舶4隻の殺菌 屋形船運航会社害虫相談扱いによりヨシダ消毒

へ依頼ヨシダ消毒見積もり　作業

4 港区事務所ビル 共用部の殺菌 港区事務所ビル害虫相談扱いによりアペックス産業

へ依頼アペックス産業が実施　　７００００

5 丸西管理 殺菌依頼 新宿区事務所ビル害虫相談扱いによりヨシダ消毒

へ依頼ヨシダ消毒が実施

6 台湾大使館 台湾大使館車両4台害虫相談扱いによりアペックス産業

へ依頼アペックス産業が実施　　７５０００

7 2月19日 警視庁大黒ふ頭

トイレカー2台の殺菌警視庁

登録各社へ配信

中央社・ヨシダ消毒にて成立

2月20日

中央社2名・ヨシダ消毒1名エタノール　５㍑ 15:00 16:00

8 2月19日 警視庁大黒ふ頭

トイレカー２台の殺菌警視庁

登録各社へ配信

三幸2名・中央社1名にて成立

2月26日

中央社１名・三幸2名

9 2月25日 埼玉県警大黒ふ頭

トイレカー１台の殺菌埼玉県警

登録各社へ配信

ヨシダ消毒2名・中央社１名にて成立

2月26日

中央社１名・ヨシダ消毒２名

10 2月26日 新宿区 学校体育館殺菌 学校運営課志村 ２／２５渡邉調査 調査のみ

11 明星学園 校舎予防措置 明星学園 第5ブロックへ配信 3月4日エーデル商事見積もり

12 3月2日 日本協会 税務大学 若松寮登録各社へ配信　成立

３月10日~13日

銀座化成　アペックス産業　三共消毒

ヨシダ消毒　環境衛生サービス　東京企

業　中央社 　三幸　エーデル商事

エコア

13 3月2日 日本協会 和光税務大学 和光寮登録各社へ配信　成立

3月19日~21日

アペックス産業　三共消毒　大昌

ヨシダ消毒　環境衛生サービス　日本環

境衛生　中央社 　シマダ　三幸　シー

アイシー　エーデル商事　エコア

３日間

14 3月2日 日本協会 和光税務大学 体育館登録各社へ配信　成立

3月25日

銀座化成　三共消毒　環境衛生サービス

中央社

15 3月4日 大日本印刷 事務所予防措置 大日本印刷 中央社へ依頼 3月4日中央社見積もり

16 3月4日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 府中総合病院 中央社へ依頼 中央社1名深井消毒1名作業 エタノール2㍑　次亜10㍑ 19:00 22:30

17 3月5日 世田谷区 保育園の殺菌 銀座化成へ依頼

18 3月6日 足立区 区立小学校 陽性者のでた小学校 三幸へ依頼

19 3月9日 江東区 江東区保育園 園舎消毒 シーアイシーへ依頼

20 3月10日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 駒込病院 中央社・環境衛生サービスにて成立 中央社２名環境サービスセンター１名 エタノール2㍑　次亜10㍑ 17:00 19:00

21 3月12日 調布飛行場 陽性者発生時の内容 調布飛行場 中央社が3月23日調査

22 3月28日㈱リパチャー

グループ陽性者発生時の内容 豊洲スポーツクラブ シーアイシーへ依頼

23 3月12日オリックス

ファシリティーズ陽性確認 ホテル1室 アペックス産業へ依頼

24 3月16日 アコム 陽性確認 ATM 銀座化成へ依頼

25 3月19日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 駒込病院 中央社・環境衛生サービスにて成立 中央社1名環境サービスセンター１名 エタノール5㍑　次亜10㍑ 19:30 22:30

26 3月21日 福祉保健局 ラッサヘリの消毒 木場ヘリポート ヨシダ消毒にて成立 ヨシダ消毒２名

27 3月24日 福祉保健局 ラッサ車の消毒国際医療センター病

院中央社・三幸にて成立 中央社２・三幸１にて成立

28 3月25日 福祉保健局 ラッサ車の消毒多摩総合医療セン

ター病院中央社・奥田建物にて成立 中央社２・奥建１にて成立 18:30 22:00

29 3月25日 リッチモンドホテル 客室の消毒 リッチモンドホテル 中央社成立 中央社2名 エタノール5㍑　次亜1㍑ 13:30 15:30

30 3月28日

31 3月29日 3月29日 ヨシダ

32 3月28日 東京消防庁 患者移送救急車 東京臨海病院 三幸へ依頼 三幸2名

33 3月29日 東京消防庁 患者移送救急車 聖路加国際病院病院 ヨシダ消毒　　三幸にて成立 ヨシダ１　三幸　１

34 3月30日 五十嵐 五十嵐宅 アペックス

3月30日 神明㈱ 事務所 ヨシダ消毒

36 3月30日 野村不動産 アペックス

37 3月30日 小笠原 アペックス

38 3月26日 インデックス 倉庫殺菌 ヨシダ消毒

39 3月26日 番町ビル 事務所ビル ヨシダ消毒

40 4月1日 消防庁 患者移送救急車 志村消防署 中央社2名 エタノール5㍑　次亜10㍑ 1:30 4:00

41 4月1日 消防庁 患者移送救急車 成城消防署 アペックス1名　ヨシダ消毒1名 9:30 10:30

42 4月2日 福祉保健局 ラッサ車の消毒多摩総合医療セン

ター病院深井消毒・奥田立美の管理

政府関連4施設救急車9件自治体4件民間 24件

今後の依頼の見込み

• 東京検疫所から空港、飛行機の依頼

• 今後、病床確保のため、軽症患者・不顕性患者・また帰国

者は都指定民間ホテルへの滞留が求められる。

これらが退出した後の室内の殺菌とおそらく搬送車両の

殺菌依頼がある。

• 職場・学校で陽性患者が確認された場合、関係先の殺菌

これらについて一律の仕様書はない。何が必要かなにが

不要か判断が求められる。

9

都福祉保健局・消防庁からの依頼 民間からの依頼

依頼の扱いについて• 都・政府・検疫所からの依頼は協会マターとし、各隊員会社に日程調整をメールにより諮

る。費用は決裁後配分する。(協会管理費発生)

• 未完施設は基本的に害虫相談所扱いとし、相談者の所在地ブロックの予防衛生隊に

連絡する。連絡を受けた社は依頼者に連絡・調整・結果を報告する。1社で対応困難なケ

ースでは協会へコールバック・ブロックでチーム編成をする。(協会管理費発生)

注意点

• 事前に実施しても抗菌効果はなく予防は出来ない。予防の求めに対しては自営の方法について電話での説明のみで良い。陽性患者が確認された施設と予防的措置の求めに対して、優先順位・作業強度・安全対策・見積もりについて区別する。

施設規模・業態・患者の導線等現場を調査しないと計画は出来ない。

手指のふれる箇所への処理は必須であるが、PC等に部外者が触れていいのか、機密保

護のためデスクトップは自営して頂く提案も可。

価格競争の必要はない。見積りモデルは日本協会が発信した。十分な価格設定をし安全

確保を図る。

10すべてを受けていたら間に合わない！

11

移送救急車の殺菌

移送救急車の殺菌

• 東京都協会は消防庁・都福祉保健局と協定を締結している。

◆実施状況（4月2日現在）◆

12

1 1月31日 東京消防庁 患者移送救急車 都立駒込病院 1月31日　午前

16 3月4日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 府中総合病院 中央社へ依頼

20 3月10日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 駒込病院 中央社・環境衛生サービスにて成立

25 3月19日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 駒込病院 中央社・環境衛生サービスにて成立

26 3月21日 福祉保健局 ラッサヘリの消毒 木場ヘリポート ヨシダ消毒にて成立

27 3月24日 福祉保健局 ラッサ車の消毒 国際医療センター病院 中央社・三幸にて成立

28 3月25日 福祉保健局 ラッサ車の消毒多摩総合医療センター病

院中央社・奥田建物にて成立

32 3月28日 東京消防庁 患者移送救急車 東京臨海病院 三幸へ依頼

33 3月29日 東京消防庁 患者移送救急車 聖路加国際病院病院 ヨシダ消毒　　三幸にて成立

40 4月1日 消防庁 患者移送救急車 志村消防署 中央社2名

41 4月1日 消防庁 患者移送救急車 成城消防署 アペックス産業　ヨシダ消毒

42 4月2日 福祉保健局 ラッサ車の消毒多摩総合医療センター病

院深井消毒・奥田立美の管理

救急車消毒までの経緯

13

• 発熱・倦怠感が続きクリニックを受診

• 疑わしいので総合病院に転院

• 総合病院で確定 感染症受入病院へ移送

• この移送を救急車が行う。

2種類の救急車（ラッサ車）

• 感染症患者移送専用の福祉保健局ラッサ車2台消防庁の特殊救急車 3台は確定患者を保健所・保健局職員が立ち会い指定病院へ移送する。

依頼から現着時間まで余裕がある。

「本日、○○病院で確定診断あり○○病院へ

移送を調整している。○○時頃○○病院で

処理されたい。」

(例) 依頼10時 現着14時 14

• 通報があり患者宅から救急病院で陽性と診断される。

一般救急車は到着した時点で判明するためその場で

処理を求められる。

(依頼例）

• 「本日○○区内で救急搬送した患者が○○病院でコロナ陽性の疑い濃厚と診断された。車両は現在○○病院に

今いるので今来て欲しい。○○消防署に帰署したので

来て欲しい。やってもらわないと救急車は使えない。」

(対応例)

午前1時依頼 現着午前2時

15

2種類の救急車（一般救急車）

ウイルスの不活化時間

◆国立感染研発表・環境中における新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）の残存期間は現時点では

不明である。

・他のコロナウイルスに関しては、２０度程度の室温におけるプラスチック上で、

SARS-CoV では 6～9 日、MERS-CoV では 48 時間以上とする研究が

ある。」

◆厚労省発表・37℃で4日間保存すると、検出限界以下にウイルス量は減少する。

・室温でプラスチックなどに乾燥した状態でウイルスが付着していると２日間程度

感染性がある。

・便中、特にpHの高い下痢便中では4日間程度生存する。

・一般的に48時間から72時間 あるいは9日間とする説もある。

16

諸説あるが72時間から9日間はウイルスは活性あり⇒感染リスクは高い

救急車消毒の問題点

• 市中感染の為、消毒の実施場所（搬送先）が予測不能。

深夜・早朝・土日祭日を問わない。

• 車内は確実に汚染されており、医療器具や患者の私物等

患者に濃厚接触した器物が多くある。

• ラッサ車ではアイソレータ使用のため飛沫はないが、

一般救急車では飛沫汚染の可能性がある。

• 現場で救急隊員・病院関係者等から手順の指示はない！

殺菌のプロフェッショナルが来たと認識している。

17

PPEの着脱・作業手順厳守が必要

まず感染経路の理解を

◆新型コロナウイルスの感染経路◆・飛沫感染: 咳、くしゃみなどで飛沫核（5μm以下）として伝播。

・空中に浮遊し、空気の流れにより飛散。

また、消毒が不十分な排泄物や嘔吐物などから、空中に舞い上がりこともある。

・くしゃみ、会話などで、飛沫粒子（5μm以上）として伝播する。

・1m以内に床に落下し、空中を浮遊し続けることはない。

・接触感染・ドアノブ・器具等接触により間接感染する。←感染リスクが高い。

※エアロゾル感染

湿度の低い環境下ではエアロゾル感染の可能性は低いとされている。

18

患者の飛沫を浴びることはないが、飛沫がついたと思われる箇所・手指が触れたと思われる個所・床・特に金属面はウイルスが残りやすいとされる。気中に漂っていることはない。

・介助者1名、作業者１名計2名編成が鉄則・監督者1名が用意 できればさ

らに安全

パターン１

・介助者は車内に立ち入らず、作業者への器材渡し、使用済み ワイプの処

理・指揮脱衣介助のとし汚染が想定される器材を触らず清潔に徹し脱衣

介助をする。

パターン２

2名のうち1名は汚染リスクの低い運転席を実施の後、作業者の介助に回

る。この場合2名とも汚染となるため相互の殺菌が必要。

パターン3

2名汚染に入り、監督者が清潔に徹する。

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救急車消毒の作業手順・役割

必要な資機材

◆薬剤◆

・エタノール 5㍑程度

・次亜塩素酸ナトリウム 500ppm 溶液 5㍑

◆資材◆

・PPE 人数分(正規品) ・ワイプ50枚程度 ・バケツ1～2個

・ゴミ袋3～4枚 ・B&G 1台 ・手持ちスプレー2～3本

・計量カップ・ヘッドライト ・懐中電灯 ・カメラ

・ステーション用シート ・ガムテープ ・タオル20

手順の根拠（国立感染研の仕様）

・医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコール、

あるいは0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や

物品等の消毒励行が望ましい。

※詳細について

「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」等を

参考にする。

・高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、自宅等において、

患者発生の際は大がかりな消毒は不要であるが、長時間の滞在が

認められた場所においては、換気をし、患者周囲の高頻度接触部位などは

アルコールあるいは0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で

高頻度接触面や物品等の消毒が望ましい。21

手順の根拠（国立感染研の仕様）

・新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や

新型コロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後の

トイレは、次亜塩素酸ナトリウム（1,000ppm）、またはアルコール（70％）に

よる清拭を毎日実施することを推奨する。急性の下痢症状などでトイレが

汚れた場合には、その都度清拭する。

・体液、血液等が付着した箇所の消毒については、感染症法に基づく消毒・

滅菌の手引き（SARS やMERS の箇所）を参照すること。

・症状のない濃厚接触者の接触物等に対する消毒は不要である。」

22

手順

①指定された病院の「感染症救急搬入口」付近で待機

②先導車・救急車・保健局・保健所職員 到着 患者はストレッチャーにより搬入

③救急車を機関員が作業可能な場所に移動。場所は保健局に確認。

④手持ちスプレーか浸漬バケツを持ち、運転席から実施。

※清拭箇所（手指が触れる箇所について実施）

・ドアノブ ・内側ドアノブ ・ハンドル ・シフトレバー ・内側ドア ・無線機 ・ナビ等

※次亜塩素酸ナトリウム噴霧箇所

・運転席・助手席足回り

⑤介助者が作業者の手足を殺菌し、移動。 23

・ワイプはまめに交換をする。・介助者はワイプを回収する。

手順

⑥リアゲートノブを殺菌し、傷病者室へ立ち入る。

※ゴミ袋は入口のステップに配置。

※車内には患者私物・酸素ボンベ等があり、これをどうするか保健局に確認する。

（大抵、清拭のうえ袋詰めし、降ろして下さい。との指示となる。）

⑦傷病者室奥から手指の触れる箇所・飛沫の飛ぶと想定される箇所を清拭。

※清拭対象

・椅子 ・棚 ・ストレッチャー架台 ・機器等

※次亜塩素酸ナトリウム噴霧箇所

・カーテン・床

⑧介助者にB&Gを渡し介助者は作業者の手を手持ちスプレーで殺菌。

作業者は降りる足から順に介助者により殺菌、降りてから手を殺菌してもらう。

B&G殺菌

24

手順

⑨ストレッチャーが病室から下りてきたら、マット表面、剥がして裏側、

フレームを清拭。

※車内へ戻すのは救急隊員。

※挿管器具、モニターが下りてくる場合あり、これをどうするかが問題

濃厚に汚染されているので「院内で処理して下さい」とお願いしてい

るが、実施することがある。

※非消毒の場合は、器材破損を防ぐ為、吹付はせず清拭のみ行い、

袋詰めしている。

⑩消毒完了を確認のうえ脱衣

※作業写真はナンバープレート、運転室２枚 傷病者室 ３枚程度撮

影。

25

26

作業写真

準備 搬送

運転室清拭 運転室清拭

27

作業写真傷病者室清拭

作業写真

28清拭

噴霧

傷病者室噴霧 機器清拭

ストレッチャー清拭

脱衣

※最も重要

・作業者は下車する前に手の消毒・足裏の消毒し、

ステーションに移動。

・脱衣したPPE、ワイプ、シートは廃棄物として殺菌のうえ

持ち帰る。事業系廃棄物として廃棄可能。

29

介助者は1作業1消毒を厳守

正しい清拭

30

• 通常のタオルより不識布のワイプが適当。

• 1面のみ使用、往復しない。

• 2バケツか手持ちスプレーで

噴霧後拭き上げ。

• ワイプはまめに交換。

• エタノールで処理面変質の可能性があり注意が必要。

• 手は相当汚染される。

介助者はまめに消毒をすること。

ツーバケツ方式(基本的な方式)

不織布に消毒液をたっぷり

目につけて清拭(拭き掃除）

する

手袋を装着し汚れをよ

く落とす

固く絞ってから消毒液

を付ける

START

消毒用洗浄用

オフロケーション方式（一番簡単・安全な方式）

消毒用

不織布に消毒液を

たっぷり目につけて

清拭(拭き掃除）する

水分があると効果が激減する消毒用

アルコールなどを使用する際はこちら

の方式で実施。

不織布は繰り返し使用

しないで持ち帰る

持ち帰ってまとめて洗浄

ディスポーザブルの場合は廃棄。

どんどん新しい不織布を使用する不織布を十分量用意する

START

消毒液入りバケツ消毒液又は洗剤液入りバケツ

消毒と作業者身体の汚染

31

• 室内消毒を想定し、汚染想定箇所に蛍光塗料を吹き付け処理した場合、作業員のどこが汚染されるか試験した結果、以下の通りであった。

　　　　図７　手袋・ハンドルの汚染図８　　シューズカバーの汚染

①アウター手袋

②　B&G

③ 膝

④　シューズカバー

図９　汚染箇所

①

②

③

④

「濃厚接触者」・必要な感染予防策なしで、「患者（確定例）」と接触があった者。

・無防備で2m以内、数分以上、患者と接触のあった者。

「非濃厚接触者」・必要な防護策を実施した者

(国立感染研)

32

PPE脱衣の重要性

※救急車車内は汚染環境だが、正しくPPEを装着し、正しく脱衣し、正しく処分すれば感染リスクは抑制される。

問題点◆待機・要請の有無

・何時になるか、何処になるか予測は不能。

・かつての東京都防疫所は24時間体制で待機していた。

・予防衛生隊も輪番制で待機が必要かもしれない。

◆レスポンス◆

・ブロック長経由では間に合わないため直接電話している。

・深夜・祭日はまだしも平日日中に電話が繋がらないことが多くあった。

◆経験◆・これまでに7社が参加した。

・予想外に現場では先方の指示はほとんどない。

・習熟のうえ臨場の必要がある。未経験社には習熟社が立ち会う要あり。33

問題点

• 感染リスクは高い為、確実な安全対策が

必要であり介助者の役割は大きい。

• 清拭が正しく行われていない事例を多く見た。

雑巾掛けではない。往復してはダメ！

• 脱衣が正しく行われていない事例を多く見た。

これが雑だとPPEが無意味になる。再確認を！

34

今後の見込みについて

• 救急車依頼は確実に増える。連絡の取れる体制を維持・強化して下さい。

• 救急車以外にも民間施設からの相談や依頼が増加します。的確に対応して下さい。1社で対応が困難な事例では各社協力して下さい。

• 繰り返しますが適切なPPEを実施すればリスクは抑

制されます。医療関係者はギリギリのところで頑張っています。我々も同様の立場であることを確認して下さい。

35