ターボ冷凍機の節電・省エネ対策cop=5.6約350kw 3 <メンテナンス視点>...

7
ターボ冷凍機の節電・省エネ対策 三菱重工業株式会社冷熱事業本部 上田 憲治

Upload: others

Post on 15-Feb-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

ターボ冷凍機の節電・省エネ対策

三菱重工業株式会社冷熱事業本部

上田 憲治

Page 2: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

2

<メンテナンス視点>

①運転調整は適正でしょうか?センサーの値はずれていませんか?

・冷水温度センサー/冷却水温度センサーは?

・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

②定期的なメンテナンスは実施されていますか?

・凝縮器(冷却水)の伝熱管の洗浄は実施していますか?

・凝縮器は毎年の洗浄を推奨しています。

<節電運転>

③冷水温度設定を上昇させる ; 7℃ ⇒ 9℃

④能力制限(デマンド制限) ; 最大100%能力⇒75%へ

<省エネ更新工事へ>

⑤各社最新機器は性能が向上しています。

⑥インバータ機も汎用的に使用いただいています。

1.短期的な節電を目的とした打ち手についてターボ冷凍機に示します。

ターボ冷凍機は

平均冷凍能力560Rt

COP=5.6約350kW

Page 3: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

3

<メンテナンス視点>

①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?

・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?

・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

図1 ターボ冷凍機の設置状況(5月、停止状況)

マイコン盤表示21.5℃、現場ゲージ20℃とずれている

冷凍機のセンサーが高く表示されると経済的な運転が損なわれる可能性が高い。

2.まずはセンサーの調整からはじめます

Page 4: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

4

②定期的なメンテナンスは実施されていますか?

・凝縮器(冷却水)の伝熱管の洗浄は実施していますか?

凝縮器は毎年の洗浄推奨しています。

ターボ冷凍機を例にとると

■東京地区に推定約3400台ストック

■平均容量 570Rt(当社平均)

■平均COP 5.6(当社平均)

■平均消費電力 358kW (0.628kW/Rt)

■約120万kW消費電力規模

100台

東京都に約50%のストックがあります

27%のお客様が毎年チューブ洗浄を実施されています。

34%のお客様が今シーズンチューブ洗浄を実施されています

66%のお客様を対象に推奨活動を実施中!66%のお客様を対象に推奨活動を実施中!

冷却水の汚れと消費電力増

0%2%4%6%8%

10%12%14%16%18%

0 1 2 3 4 5凝縮温度の上昇(℃)

消費

電力の

上昇

(%

洗浄推奨の目安

3.次にメンテナンス。 伝熱管の洗浄が重要です(1)

過去2年間のチューブ洗浄調査(当社関東地区)

昨年のみ実施10%

今年のみ実施7%

毎年実施27%

ここ2年未実施56%

今年は、まだこれから増える

Page 5: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

5

スケールによるチューブ汚れ スライムによるチューブ汚れ

■100%負荷時の凝縮温度が2℃相当

以上で洗浄推奨

⇒7%節電が期待できる

■120万kW×60%のユーザ×7%節電

⇒5.0万kW削減ポテンシャル相当

凝縮器チューブ汚れと洗浄効果

0.0

2.0

4.0

6.08.0

10.0

12.0

14.016.0

18.020.0

1 6 11 16 21 26 31

日付

終端

温度

差SDC(℃)

消費

電力

増加(%

凝縮温度の上昇

チューブ洗浄推奨

100%負荷時の消費電力増加%

チューブブラシ洗浄 水圧洗浄

凝縮器の伝熱管にシリカ、カルシウムなどの硬質成分の付着(下図左)やスライムなどの生物系汚れ(下図右)が付着することに、冷凍機の性能低下が発生。

薬品を使用して硬質スケールをやわらかくして洗浄すると効果的であるため推奨しています

4.次にメンテナンス。 伝熱管の洗浄が重要です(2)

Page 6: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

6

<節電運転③>

冷水温度設定を上昇させる

; 7℃ ⇒ 9℃

100%能力時/冷却水32℃

500Rtクラス;COP=5.6(ストック)

COP=6.0

6%(8%)電力量削減

100%能力時/冷却水32℃

500Rtクラス;COP=5.6(ストック)

COP=5.35

21%(25%)電力量削減

<節電運転④>

④能力を制限(デマンド制限)

; 最大100%能力⇒75%へ

■120万kW×6%

= 7.2万kW削減ポテンシャル

■120万kW×21%

= 25万kW削減ポテンシャル

冷水設定温度と節電

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

6 7 8 9 10 11 12冷水温度設定(℃)

節電

(%

固定速

インバータ

デマンド制限と節電

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

60 70 80 90 100 110上限とする能力(%)

節電(%

固定速

インバータ

5.短期的な節電を目的とした場合、熱源機周りで多種打ち手があります

*()内はインバータ機の削減% ポテンシャルは固定速機で計算

ユーザの設定画面で冷水温度設定、デマンド制限は入力可能。能力の制限は1%刻みで、最小60%。各社取り扱い異なりますが各サービスに問い合わせください

操作盤から設定可能ですがサービスマンへ依頼OKです)

操作盤面

冷水温度設定

デマンド制限

9℃設定75%能力上限

= 32万kW削減ポテンシャル

Page 7: ターボ冷凍機の節電・省エネ対策COP=5.6約350kW 3 <メンテナンス視点> ①運転調整は適正でしょうか?センサーはずれていませんか?・冷水温度センター/冷却水温度センサーは?・冷水流量と流量設定/冷却水流量と流量設定は?

7

従来機対比20%以上の効率向上を図り高圧冷媒でCOP6.0を上回る新型機として発売

高圧インバータを世界で初めて搭載し,二桁のCOPを実現したインバータターボ冷凍機を発売

3

4

5

6

30

'70 '75 '80 '85 '90 '95 '00 '02 '04 '06 '08 '10

4.2

4.7

5.3 5.3

5.0

6.1

18.6(1000トン)

インバータ駆動

21.9(1000トン)インバータ駆動

6.4 6.4

6.0

19.1

7.0

29.1

26

22

18

7

0

0

2

最高24.2(1000トン)

インバータ駆動

部分負荷最高COP

定格COP

COP

COP

COP(成績係数)

=冷凍能力/電動機入力(インバータ機はインバータ入力)

最新機種は15年経過したユニットと比べ

20%以上省エネになっています

従来機対比20%以上の効率向上を図り高圧冷媒でCOP6.0を上回る新型機として発売

高圧インバータを世界で初めて搭載し,二桁のCOPを実現したインバータターボ冷凍機を発売

3

4

5

6

30

'70 '75 '80 '85 '90 '95 '00 '02 '04 '06 '08 '10

4.2

4.7

5.3 5.3

5.0

6.1

18.6(1000トン)

インバータ駆動

21.9(1000トン)インバータ駆動

6.4 6.4

6.0

19.1

7.0

29.1

26

22

18

7

0

0

2

最高24.2(1000トン)

インバータ駆動

部分負荷最高COP

定格COP

COP

COP

COP(成績係数)

=冷凍能力/電動機入力(インバータ機はインバータ入力)

最新機種は15年経過したユニットと比べ

20%以上省エネになっています

⑤最新機器は性能が向上。

⑥インバータ機も高性能&汎用機として普及

従来機(15年前の冷凍機)と最新機を比較すると、

■定格消費電力(ピーク消費電力)をΔ20~18%低減注1)

■年間消費電力でインバータでΔ60%~固定速機でΔ40%消費電力量低減が可能注2)

の効果が期待できます 注1)15年前の汎用固定速機ARTと、最新のインバータ機AART-Iとの比較

注2)空調負荷、東京の外気温度を想定した推定値

■120万kW×20% = 24万kW削減ポテンシャル相当

■夏場の電力消費も20%~40%削減可能

最新

5年前

最新

15年前機種

15年前

固定速機

最新 5年前

インバータ機

最新

固定速機

6.古い熱源機をご使用の場合、更新すると大幅にピーク電力・消費電力量が削減できます。