新しいデジタル化が創る 未来と ict事業者の課題と...
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新しいデジタル化が創る未来と
ICT事業者の課題と挑戦
テレコムサービス協会 関東支部ネットビジネス21研究会 主査伊賀野康生
目次
1. はじめに
a. 活動テーマについて
b. 研究会の紹介
2. 有識者による講演の概要
a. IoTビジネスの全景
b. 行政の動向
c. グローバルの動向
d. 国内製造業の動向
3. 研究会の考察
a. 新しいデジタル化が作るシステムの将来像
b. 新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
ビジネス
技術
セキュリティ
1
目次
1. はじめに
2
活動テーマについて
テーマ
新しいデジタル化が創る未来とICT事業者の課題と挑戦
理由、ねらい
UberやAirbnbに見られるように、近年、ICT技術が各分野の産業で活用されイノベーションを興すことが期待されている。一方で、「IoT」「Industrial Internet」「Industrie 4.0」「スマート化」などの関連するキーワードが紙面を賑わしているが、その実像や意味、影響が多様であるため、各々のICT事業者自身の事業との関係性に関して共通した認識を持ちにくい状況である。
そこで、それらを包含するCPS (Cyber Physical System)というスコープで全体像を捉えた上で各ムーブメントを整理し、日本の産業発展のためにどのように活用できるか調査し、ICT事業者における課題と挑戦を研究した。
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1. はじめに
主な過去の研究会活動とテーマ
年度 テーマ
平成26年度2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた今後の取り組みと
ICTビジネスについて
平成25年度ビッグデータ活用の動向と活用に際しての課題
パーソナルデータの利活用に向けた制度が整う中でのICT事業者の抱える課題と責務
平成24年度 ビッグデータと、その制限事項、解決への課題
平成23年度 大規模災害等におけるICTの在り方
平成22年度
クラウドコンピューティングの課題
~クラウドコンピューティングとは何か、諸官庁の取組み、テレサ協会員企業の取組み、テレ
サ協会員企業の取組み、課題等について~
平成21年度 環境にやさしい企業活動
平成20年度 ユーザの視点にたったサービス
平成19年度電気通信テレコムサービスが拓く、安全・安心なネット社会の姿
~2010年、2015年への取り組み~
平成18年度 次世代ネットワークに向けた電気通信サービス
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単年度ごとにホットなテーマを設定しつつ、20年以上に渡る継続的/連続的な活動を実施
1. はじめに
今年度の活動実績
日程 定例会合 主な内容
2015年5月29日 第1回 研究会:キックオフ
2015年6月29日 第2回 研究会:今年度の研究テーマの検討
2015年7月17日 (第112回) 5支部合同研究会:今年度の各支部活動計画の情報交換
2015年7月27日 第3回 研究会:今年度の研究テーマ決定
2015年10月5日 第4回公開講演:「Industrie4.0, Industrial Internet, IoT等のCPSの全体像と今後の挑戦/課題について」ー日本IBM 村澤氏
2015年10月15日 ー 平成27年度第2回関東テレコム講演会を拝聴
2015年11月25日 第5回公開講演:「『ICTサービス安心・安全研究会近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション』取りまとめの概要 - CPS/IoTの観点から」ー総務省金坂氏
2015年12月7日 第6回公開講演:「Industrial Internet Consortiumの最新状況とIoTビジネスを推進する際の課題」ー Industrial Internet Consortium 吉野氏
2015年12月10日 第7回公開講演:「NECにおける製造業向けIoTソリューションビジネスのご紹介と現状の課題」ー日本電気関氏
2016年1月13日 第8回 研究会:研究結果取りまとめ(1)
2016年1月28日 第9回 研究会:研究結果取りまとめ(2)
2016年2月5日 (第113回) 5支部合同研究会:各支部活動結果の情報交換
2016年2月18日 ー 平成27年度第3回関東テレコム講演会において活動発表5
4回の公開講演を含め9回の研究会を開催
1. はじめに
研究会メンバー
所属 氏名 担当
アビームコンサルティング(株) 伊賀野 康生 研究会主査
日本アイ・ビー・エム(株) 谷口 浩一 研究会副主査
(株)インテック 荒野 高志 メンバー
コベルコシステム(株) 幾井 左 メンバー
日本通信(株) 坂上 知紀 メンバー
ビッグローブ(株) 川関 雅文 メンバー
DMM.comラボ 佐々木 健 メンバー
個人 細野 清文 メンバー
(株)メディア開発綜研 桑子 博行 アドバイザー
トランスコスモス(株) 清水 一洋 関東支部事務局長
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今年度は10名のメンバーで研究会活動を実施
1. はじめに
研究テーマに対するアプローチ
スコープ
ヒアリング形式
各スコープ毎に、研究会メンバーと支部会員企業が聴講する有識者による公開講演を開催した
講演後、Q&Aセッションを設け、関連する事項に関してディスカッションを行い、テーマに関する理解を深めた
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全景から詳細化へ、4段階のテーマを選定し、各々のテーマの有識者からの講演とヒアリングを実施した
1. はじめに
スコープ ねらい
第1回 IoTビジネスの全景 IoTに関連するビジネスの全体像/動向を理解する
第2回 行政の取り組み 行政側の現状認識や今後の動向を理解する
第3回 グローバルの動向 グローバルな視点での製造業における動向を理解する
第4回 国内製造業の動向 国内の製造業における具体的な動向を理解する
開催した公開講演
IoTビジネスの全景
Industrie4.0, Industrial Internet, IoT等のCPSの全体像と今後の挑戦/課題について2015年10月5日
日本IBM(株) IoT 事業統括兼グローバル・ビジネス・サービス事業クラウド・サービス推進事業事業部長村澤賢一氏
行政の取り組み
「ICTサービス安心・安全研究会近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」取りまとめの概要 - CPS/IoTの観点から2015年11月25日
総務省総合通信基盤局 データ通信課課長補佐 金坂哲哉氏
グローバルの動向
Industrial Internet Consortiumの最新状況とIoTビジネスを推進する際の課題2015年12月7日
Industrial Internet Consortium, Sales Representative, Japan 吉野晃生氏
国内製造業の動向
NECにおける製造業向けIoTソリューションビジネスのご紹介と現状の課題2015年12月10日
日本電気株式会社第一製造業ソリューション事業部販売促進部長関行秀氏
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1. はじめに
まとめ – ICT事業者における課題/挑戦
ビジネスドメインの変化を的確にキャッチし、パートナーと共にビジネスの開発を行う
ビジネスに関する取り組み
MBSEなどの標準的なシステム開発手法を活用し、異業種間の連携をスムーズにする
システムの性質を考慮し(バイモーダル)、大規模で複雑なシステムにはSystem Approachで開発の効率化を考慮する
技術に関する取り組み
IoTデバイス等の機器やシステムのセキュリティ対策を実施する 広くシステム全体の動作の正常性を保てるように、ビッグデータの観点も含めて、システムの完全性/正常性、目的の到達性の確認を行う
セキュリティに関する取り組み
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IoTを新しいデジタル化を実現するEnabler/手段と捉え、ビジネス、技術、セキュリティなどの取り組みが必要
1. はじめに
問題意識 日本企業の取り組みは、グローバルな競争相手に後塵を拝している
実証やパートナー作りの遅れ ICTの戦略的利用の遅れ 日本全体のCPSへの意思表明の欠如など
2. 有識者による講演の概要
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2-a. IoTビジネスの全景
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講演概要
日時
2015年10月5日(月)14:00~15:30
場所
ベライゾンジャパン 会議室
タイトル
Industrie4.0, Industrial Internet, IoT等のCPSの全体像と今後の挑戦/課題について
講師
日本IBM(株) IoT 事業統括兼グローバル・ビジネス・サービス事業クラウド・サービス推進事業事業部長村澤賢一氏
内容
製造業のIndustrie4.0やIndustrial Internet等をはじめ、産業界においてIoTのビジネス化に向けた取り組みが国際的に進展している。それらの動きを概観するとともに、日本企業の強みを活かしたIoTビジネスの方向性や検討すべき課題等について議論した。
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2-a. IoTビジネスの全景
Industrie4.0とIndustrial Internet
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Industrie4.0は、製造業の生産現場を中心とするIoTIndustrial Internetは、サービス提供を目的とした広範な産業に渡るIoT
2-a. IoTビジネスの全景
Industrie4.0
ドイツGDPの24%を占め
る製造業が、グローバルで
サバイバルするための
国策としての色彩を持つ
MESがCPSの中心的
役割を果たすイメー
ジが描かれています
出所: Prof. Dr. Dieter Wegener, VP ATS, Industry Sector, Siemens AG出所:日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20141225/275632/?ST=pc
Industrial Internet
• GEが主導する Industrial Internet は広範囲な経済価値を訴求
• GEは、グローバルGDP 8,400兆円のうち
46%の 3,880兆円を Industrial Internet の適用機会とみている
※第1回 IBM 村澤賢一氏講演資料を元に作成
IoTを活用事例
分類 概要
作業者ツール
①スピードボートの競技サポート
②大規模イベント(Australian Open)のイベント運営サポート
業務改善③新車種開発時の走行テストの効率化
④自動車部品の生産工程における検査工程の効率化
新規ビジネスの創出
⑤農耕機メーカーのサービスへのビジネスシフト
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既に行われた事例として、「作業者の現場のツール」から「ビジネスのシフト」まで広い適用事例がある
2-a. IoTビジネスの全景
①
②
③ ④ ⑤
利用の高度化
※第1回 IBM 村澤賢一氏講演資料を元に作成
IoTビジネスに取り組むためのステップ
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明確な目的の設定と、広範囲でのユースケースの設定が実際的な最初のステップとなり、高い価値をもたらす
2-a. IoTビジネスの全景
目的:創出したい価値は何か?
適用範囲:ユースケースは何か?
準備:何が必要か?
アプローチ方法
※第1回 IBM 村澤賢一氏講演資料を元に作成
IoTの技術的構成要素
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IoTビジネスを下支えするIoTソリューションの7つの領域と、今後、重要となる5つのキーワード
2-a. IoTビジネスの全景
VRMVendor Relationship
Management
CRM(Customer Relationship Management)とは逆に、消費者自身が様々な自分のデータを保持し、そこへアクセスする提供者を選択する仕組み。
PDSPersonal Data Store
VRMで消費者のパーソナルデータが保持されている場所/仕組み。
C2C/C2B2Cシェア・エコノミ
典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービス。総務省 H27年度情報通信白書
ブロック・チェーン・テクノロジ
ビットコインに参加しているノード全体で保持されている過去の全取引データ分散して台帳等を保持する仕組みとして注目されている
ロボティクスロボット関連の諸技術を扱う分野。アクチュエータ/動作、センサ、制御、知能などの分野がある。
7つの領域 5つのキーワード
デバイスコネクティ
ビティ
プラット
フォーム
アナリティ
クス
アプリケー
ションセキュリティ
コンサルティ
ング&SI
※第1回 IBM 村澤賢一氏講演資料を元に作成
2-b. 行政の取り組み
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講演概要
日時
2015年11月25日(水)15:00~16:30
場所
テレコムサービス協会本部 会議室
タイトル
「ICTサービス安心・安全研究会近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」取りまとめの概要 - CPS/IoTの観点から
講師
総務省総合通信基盤局データ通信課課長補佐金坂哲哉氏
内容
ICTサービスの5年から10年先の近未来の動向を展望し、今後、重要と思われる論点や将来起こりえる様々な課題等を議論した平成27年5月の「ICT
サービス安心・安全研究会近未来におけるICTサービスの諸課題展望セッション」の取りまとめ/報告書の内容を本年度の研究会のテーマであるIoT/CPSの観点を中心に解説頂いた。
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2-b. 行政の取り組み
背景 - IoT周辺の環境
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高性能なネットワークやデバイスが行き渡るなど環境は劇的に向上しており、扱われるデータ量は飛躍的な増加が見込まれる
2-b. 行政の取り組み
※第2回総務省金坂哲哉氏講演資料を元に作成
•全世界のデジタルデー
タ量が2005年→2020年
の15年間で約300倍
ビッグデータ
•国内市場規模が2010年
→2016年の6年間で8倍
クラウド
•小型化(1/10程度)、低省
電力化(1/20以下)、低価
格化(1/6以下)が加速
(2000年→2020年)
センサー
•全世界のM2M接続数は、
2014年→2019年まで年
平均で45%の成長率で
拡大
M2M
•通信速度は、過去5年間
で10倍、過去30年間で
は10,000倍
モバイルネット
ワーク
講演で挙げられた課題 – IoTビジネス
ドローン
反社会的利用、プライバシー侵害、電波利用
コミュニケーションロボット
物理的安全性の確保、個人情報/プライバシー侵害、不適切なアプリケーション開発環境(寡占や悪質なアプリ対策)
クルマとICTの融合
ハッキング、自動運転時の事故の責任分担、通信コストの負担モデル
デジタルファブリケーション
製造物責任/保険の在り方
シェアリングエコノミー
利用者保護、既存ビジネスとの制度上の位置付け
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新しい仕組みやサービスの登場で、新しい価値観や倫理、それをサポートする制度が求められている
2-b. 行政の取り組み
主に行政がリードする課題
主に事業者がリードする課題
講演で挙げられた課題 –通信ネットワーク
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7つのカテゴリの課題が挙げられたが、解決/対応に向けては消費者観点で行政と事業者が相互に連携する必要がある
2-b. 行政の取り組み
トラヒック増大
•対策としての電波の効率的利用や新技術の活用
•効率的なデータの配信/処理
端末の増大と多様化
•端末識別のための電気通信番号の在り方
• IPアドレスの枯渇対応•多様な無線ネットワーク間のスムーズな切り替え
通信エリアの拡大
•携帯電話利用エリアの拡大
•Wi-Fiの整備
高い安全性・信頼性の期待
•対障害性の向上
•災害時の対応•ロボットや自動車などの自動運行の実現
利用変化に伴う規律の在り方
• IoTサービス/技術と通信の秘密/プライバシー保護との整合性
•効率的なIoT対応のインフラ環境の実現
モバイルネットワークの寡占化
•設備競争とサービス競争のバランス
•利用負担の軽減
プラットフォームの公平性への期待
•アプリ開発/提供の公平性、透明性
•エンベデッドSIM等によるIoTのスムーズなデリバリ
消費者観点で、互いに協調する必要がある
※第2回総務省金坂哲哉氏講演資料を元に作成
2-c. グローバルの動向
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講演概要
日時
2015年12月7日(月) 16:00~17:30
場所
テレコムサービス協会 会議室
タイトル
Industrial Internet Consortiumの最新状況とIoTビジネスを推進する際の課題
講師
Industrial Internet Consortium, Sales Representative, Japan 吉野晃生氏
内容
Industrial Internet Consortiumでは、リファレンス・アーキテクチャの公開やテストベッドサービスの開始など、IoTビジネス推進をサポートする実際的で多様な活動が始まっている。本講演会では、その最新状況を共有し、その活動を通して日本企業がIoTビジネスを推進する際に直面している課題に関して、グローバルな視点で解説頂いた。
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2-c. グローバルの動向
インダストリアル・インターネット・コンソーシアムについて
IICの目標
物理的世界とデジタルな世界(サイバーワールド)の統合推進することによりインダストリアル・インターネット・ソリューションの広汎な採用を推進する
IICの外部連携
各関係組織・技術・標準の活動に一つの方向性に統合すること
IIC は標準を作る組織ではなく、既存の標準を評価しインダストリアル・インターネット実現の為に体系化しグローバル標準の開発プロセスに影響力を行使
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2-c. グローバルの動向
※第3回 IIC 吉野晃生氏講演資料を元に作成
Industrie4.0との関係
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Industrial Internetは、Industrie4.0と連携する活動であり、製造業以外への適用も視野に入れている
2-c. グローバルの動向
※第3回 IIC 吉野晃生氏講演資料を元に作成
IIC活動の実績 – Reference Architectureの公開
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システム開発のガイドとしてだけでなく、異業種間でも共通した言語としてシステム開発が行える
2-c. グローバルの動向
Systems Engineeringを前提としたアーキテクチャを採用
1.2
REFERENCE ARCHITECTURE CONCEPTS
A reference architecture provides guidance
for the development of system, solution
and application architectures. It provides
common and consistent definitions in the
system of interest, its decompositions and
design patterns, and a common vocabulary
with which to discuss the specification of
implementations so that options may be
compared.
Industrial Internet Reference Architecture P10
http://www.iiconsortium.org/IIRA.htm
※第3回 IIC 吉野晃生氏講演資料を元に作成
IIC活動の実績 – IIC Testbed (実証実験)
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会員企業によるテストベッドを実際的な組織的/技術的な枠組みを形成する場として活用
2-c. グローバルの動向
Track & Trace Testbed Communication and Control※第3回 IIC 吉野晃生氏講演資料を元に作成
IoT/Industrial Internet変革への対応で企業に求められるモノ
企業に求められるモノ
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パートナー戦略で事業領域を拡大するとともに、多様な関係者と複雑なシステムを構築する手法を活用する
2-c. グローバルの動向
体制/戦略
• ビジネスの意識改革(サプライヤーからパートナーへ)• グローバル・コミュニケーションへの準備、整理、実行• 製品、技術の適用範囲を限定しない(現在の延長だけでなく)• 製品、技術のオープン、クローズの範囲の整理と。営業戦略立案
まずは、「積極的な提案、情報の開示の開始」
システム構築技術
• MBSE等のSystems Engineeringを活用したシステムの全体設計/アーキテクティング
階層化/モジュール化された複雑なシステムを複数の企業で構築する必要がある
• MBSE – Model Based Systems Engi-neeringが必要な理由 複雑なシステムの設計/開発を多く
の組織/人員で行う必要がある 異なる業種ともコミュニケーション
をとる必要があり、理解しやすい共通言語を持つ必要がある
※第3回 IIC 吉野晃生氏講演資料を元に作成
2-d. 国内製造業の動向
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講演概要
日時
2015年12月10日(木) 13:00~14:30
場所
トランス・コスモス株式会社会議室
タイトル
NECにおける製造業向けIoTソリューションビジネスのご紹介と現状の課題
講師
日本電気株式会社第一製造業ソリューション事業部販売促進部長関行秀氏
内容
NEC様にて製造業様向けのIoTソリューションの提供を開始され、ビジネス化に向けての様々な取り組みを行われているが、その活動の概要と実マーケットでの販売活動を通して感じられた課題を紹介頂いた。
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2-d. 国内製造業の動向
Industrial InternetとIndustrie4.0のアプローチ方法の違い
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Industrial Internetは、ユーザデータを元に、利用/運用・保守のITサービス化
Industrie 4.0は、生産工程のデータを元に、設計/生産の効率化・高度化
2-d. 国内製造業の動向
※第4回 NEC関行秀氏講演資料を元に作成
内容 データ
Industrial InternetAIを活用した分析等による機器の運用・保守の効率化・高度化
ユーザの運用中の機器かのデータ
Industrie 4.0製造業における生産現場へのIoT適用と連携による効率化・高度化
自社の生産現場のデータ
自社のモノづくりの実績
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NECは、量販品から防衛等のフルカスタム機器まで、多種多様な機器の開発/生産を行っており、生産管理業務の統合/統一化を実施した
2-d. 国内製造業の動向
IT/業務プロセス統合/統一化で
生産性を向上させると共に柔軟な体制を構築
全体最適された生産現場
ビジネス環境
多種多様な製品の開発/生産
個別最適された生産現場
量販製品
既設計モジュールを組合せてシステム構成
顧客仕様設計+標準ユニット
顧客仕様でフル設計/生産
=
=
※第4回 NEC関行秀氏 講演資料を元に作成
『NEC ものづくり共創プログラム』とは
製造業者のみが集まり、情報交換を行っている
NEC以外のIT事業者は参加していない
かなり、活発な活動を行っている
IT事業者が参加しない事で活発なコミュニケーションを生む環境作りに成功している
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製造業が集まって、ものづくりのノウハウを共有し、共に成長するコミュニティ
2-d. 国内製造業の動向
※第4回 NEC関行秀氏講演資料を元に作成
活動状況
『ものづくり研究グループ』とは• ものづくりの課題を抱えるお客様に対してNECからの情報提供と会員企業同士の情報交換を通して『お客様と共に日本の製造業をみんなで元気にする!』事を目指したグループです
• 工場見学セミナーや情報交換会の開催を通して、自社内だけでは得られない気付きを得る場をご提供し、弊社、会員企業の皆様の相互研鑽の場とします
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モノづくりの現場では、同業間で活発な活動/コミュニケーションが行われている
2-d. 国内製造業の動向
規模
会員数 790社 2,316名(2015年10月末時点)
活動例
• 2014年9月会員企業のマツダ株式会社様で講演・見学会開催
• 2015年1月にパナソニック様人材開発センターで見学会を開催
※第4回 NEC関行秀氏講演資料を元に作成
製造業の現場 –生産管理
35
生産現場では、大規模事業者を中心に、既に多くのIT化/情報連携が実施され、IoT的なソリューションも導入されている
2-d. 国内製造業の動向
IT化/情報連携の目的
変種変量生産に対応できるものづくりのしくみ(生産性/品質向上)
付加価値提供モデルを創造し、自社ビジネスを拡大
IT化/情報連携のポイント
Real Time•情報を即時に処理する•状況を即時に理解し、判断する•次に起こり得る状況を予測する
Remote•離れた場所の間で、情報を自由にやり取りする
•人やモノが移動する必要がなくなる•場所による不公平・不平等がなくなる
Dynamic•情報から対策/対応をつくりあげる•複雑な状況変化への対応を、即時かつ動的につくりあげる
※第4回 NEC関行秀氏講演資料を元に作成
(グローバル)製造業の現場 –サプライチェーン
ああ
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サプライチェーンにおいてより広く、深く、迅速に情報を共有し、マネージメントを行う事でコスト最適化を中心とする生産力強化が図れる
2-d. 国内製造業の動向
•
タイムリーな出荷
•
在庫の最適化
•
コストの最小化
•
リードタイムの最適化
•
迅速な情報共有と意思決定
一般的なSCMの目的
※第4回 NEC関行秀氏講演資料を元に作成
3. 研究会の考察
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研究会の考察の進め方
38
講演会の有識者からの情報とメンバーの独自の調査を元に、新しいデジタル化の将来像や、それを実現するためのICT事業者の課題/挑戦を検討した
3. 研究会の考察
a. 新しいデジタル化が作るシステムの将来像
Big Data, IoT (Internet of Things), CPS (Cyber-Physical System), 新しいデジタル化 (Digitalization),
人工知能 (AI)などのワードの意味するもの/関係性を整理し、システムの将来像を検討した。
b. 新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
新しいデジタル化が作るシステムを以下の3つの観点から課題/挑戦を検討した。
ビジネス
•ビジネス環境の状況と新
しいデジタル化に向けた
変化の内容とその対応
技術
•新しいデジタル化を実現
するためのシステム構築
に問われるモノ/考慮点
セキュリティ
•新しいデジタル化を実現
し適切に活用するための
セキュリティ対策
3-a.新しいデジタル化が作るシステムの将来像
39
新しいデジタル化 - Digitalization
将来像 –新しいデジタル化の世界に関する予測
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ICT事業者は以前より「デジタル化」を行ってきたが、それが更に広がり繋がる事で新しい世界を創ろうとしている –新しいデジタル化
3. 研究会の考察
IoT, AI
• IoTでは情報を取得し、取得された情報を
もとに最後に人が判断しているが、今後
はIoTシステムが判断を必要とする時に人
工知能システムから制御・アクションを
起こす方向にある。端末(入力系)の機
能は情報を取得することであったが、そ
こが知性を持つようになり、得た情報に
ついての取捨選択の判断をセンサー自身
ができるようになるだろう。
CPS(入力系)
•これまではサイバー(ネット)とフィジ
カル(現実社会)と別々に存在し、その
間を連携させてきたが、CPS(Cyber-
Physical Systems)になるとこれらが融合
し、現実社会にあるものが全てデジタル
化、ネットワーク化されるだろう。
CPS(出力系)
•CPS(Cyber-Physical Systems)は、サイ
バー上のモノ等を動かしたら、リアルタ
イムに物理空間にフィードバックする必
要があるため、アクチュエーターの精度
も向上させる必要がある。
平成27年版情報通信白書 P331 - 総務省「通信自由化以降の通信政策の評価とICT社会の未来像等に関する調査研究」(平成27年)
関連ワードの将来像に関する調査結果 平成27年版 情報通信白書
「デジタル・ビジネス」は「デジタルの世界と物理的な世界の境界を曖昧にすることによって、新しいビジネス・デザインを創造すること」
ガートナー 2014年9月25日 http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20140925-01.html
従来のデジタル化 - Digitization
アナログな情報をデジタル化する事でコンピュータで処理し、保存、コピーできるようにした
Digital Transformation
処理 出力入力
ウェアラブル
デバイス
Web/App
アルゴリズム
ユーザ/
オペレータ
センサー/
ウェアラブル
デバイス
Big
Data
AIMachine-
Generated
Data
Human-
Generated
Data
学習
Manipulation
ロボット/
アクチュエータ
Application
フィードバック
Display
Open
Data
ソーシャル/
公共
将来像 - 新しいデジタルの世界、それぞれのワードの関係性
41
デジタル化されたデータによって様々なモノが連携され、AIによる自動処理も行われる。ただし、そのためにはビッグデータは必須。
3. 研究会の考察
従来の人間による処理/作業
Digital Transformation
処理 出力入力
ウェアラブル
デバイス
Web/App
アルゴリズム
ユーザ/
オペレータ
センサー/
ウェアラブル
デバイス
Big
Data
AIMachine-
Generated
Data
Human-
Generated
Data
学習
Manipulation
ロボット/
アクチュエータ
Application
フィードバック
Display
Open
Data
ソーシャル/
公共
将来像 - 新しいデジタルの世界、それぞれのワードの関係性
42
デジタル化されたデータによって様々なモノが連携され、AIによる自動処理も行われる
3. 研究会の考察
従来の人間による処理/作業
Digital TransformationPhysical System Cyber System Physical System
実世界(Physical System)に浸透した組み込みシステムなどが構成するセンサーネットワークなどの情報を、
サイバー空間(Cyber System)の強力なコンピューティング能力と結びつけ、より効率のよい高度な社会を実
現するためのサービスおよびシステムのことです。国立情報学研究所所長喜連川優
http://www.sbbit.jp/article/cont1/22970
ICT事業者は何をどのように担うのか?
3-b.新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
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研究会の考察の進め方
44
講演会の有識者からの情報とメンバーの独自の調査を元に、新しいデジタル化の将来像や、それを実現するためのICT事業者の課題/挑戦を検討した
3. 研究会の考察
a. 新しいデジタル化が作るシステムの将来像
Big Data, IoT (Internet of Things), CPS (Cyber-Physical System), 新しいデジタル化 (Digitalization),
人工知能 (AI)などのワードの意味するもの/関係性を整理し、システムの将来像を検討した。
b. 新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
新しいデジタル化が作るシステムを以下の3つの観点から課題/挑戦を検討した。
ビジネス
•ビジネス環境の状況と新
しいデジタル化に向けた
変化の内容とその対応
技術
•新しいデジタル化を実現
するためのシステム構築
に問われるモノ/考慮点
セキュリティ
•新しいデジタル化を実現
し適切に活用するための
セキュリティ対策
課題/挑戦の検討(ビジネス) - ビジネスドメインの変化
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パートナーとの様々なアライアンスにより既存のコアビジネスとは異なる事業を始めたり、ベンチャーによる全く新しいサービスが開始されている
3. 研究会の考察
• 農耕機に各種センサーを取り付け、取得された気象データ
等から農業用保険や農地管理のアドバイザーサービスを提供
農耕機メーカーのサービスシフト【IBM 村澤氏】
• メーカーから脱却し、高効率/高付加価値のサービスの創出
GEのIndustrial Internetの取り組み【IIC 吉野氏】
• 「価格競争に巻き込まれない製品戦略」のために広く製造業が連携
NEC ものづくり共創プログラム【NEC 関氏】
講演での事例
従来型の製造事業者がサービス事業への拡大の例が多く見られる。
また、自社のコアビジネスを見極め、新しい市場やユーザニーズの仮説を作り、パート
ナーなどと共に新規ビジネスを開発している。
課題/挑戦の検討(ビジネス) - 多様なビジネスパートナーの開発
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様々な手法でビジネスパートナーを拡大するだけでなく、実質的にパートナーシップが動く環境を作る
3. 研究会の考察
•相互にビジネスを理解し、上下(主従)関係から対等な(協働)関係へ
•積極的な情報共有
ベンダーから
ビジネスパートナーへの転換
•接点の持てそうな新しい分野のコミュニティ活動への参加
•日常の思考回路から離脱し、イノベーションを発想しやすい環境を創出する
外部のコミュニティ活動等を
通じた交流の拡大
•秘匿すべき情報を明確にし、それ以外の情報を積極的に共有する事で、パートナーと一緒に
新規ビジネスの発想を生み出すオープン・クローズ戦略
•自社の強み(コア領域)の明確化
•目的/目標の明確化意志/態度の明確化
•共通言語として用いることで、業界を超えたコミュニケーションをスムーズにする標準開発手法の活用
(MBSEなど)
ビジネスパートナーの拡大
パートナーシップを実際に駆動しやすい環境作り
課題/挑戦の検討(ビジネス)-日本の製造業者/モノづくりの現場との連携
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日本の製造業等におけるIoTの活用は既に始まっているが、ICT事業者との連携は十分に行えていないのではないか?
3. 研究会の考察
IoT, 企業の半数活用
産業機器や家電製品などあらゆるものをネットにつなぐ「IoT」を経営に取り入れている企業がほぼ半数に上ることが、日本経済新聞社と日経BP社の経営者調査で分かった。
2015/12/24 日本経済新聞 朝刊
日本のモノづくりの現場である製造業では、品質管理、生産性向上等のため、センサーなどのITが活用されてきた
NEC 関氏講演より
一方で
「NEC ものづくり共創プログラム」のような製造業だけのコミュニティでは活発な意見交換が行われるが、パートナーとしてICT事業者との協業が現場レベルで十分に行われているだろうか?
研究会の考察の進め方
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講演会の有識者からの情報とメンバーの独自の調査を元に、新しいデジタル化の将来像や、それを実現するためのICT事業者の課題/挑戦を検討した
3. 研究会の考察
a. 新しいデジタル化が作るシステムの将来像
Big Data, IoT (Internet of Things), CPS (Cyber-Physical System), 新しいデジタル化 (Digitalization),
人工知能 (AI)などのワードの意味するもの/関係性を整理し、システムの将来像を検討した。
b. 新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
新しいデジタル化が作るシステムを以下の3つの観点から課題/挑戦を検討した。
ビジネス
•ビジネス環境の状況と新
しいデジタル化に向けた
変化の内容とその対応
技術
•新しいデジタル化を実現
するためのシステム構築
に問われるモノ/考慮点
セキュリティ
•新しいデジタル化を実現
し適切に活用するための
セキュリティ対策
Richard Schomberg,Smart Grids - International Perspective, March 29, 2008 CEC Sacramento
課題/挑戦の検討(技術)- 標準的なシステム開発手法の活用
異業種との連携のための共通言語
Industrial Internet Consortiumにおいては、MBSE (Model
Based Systems Engineering)をリファレンスアーキテクチャの仕様に取り込むなど、業種の異なる事業者同士が連携して1つのシステムを構築する場合にも、共通言語してスムーズなコミュニケーションが図れるように考慮されている。
欧米では、既にMBSEが標準的に活用されている。
複雑なシステムを効率良く開発
IoTのプラットフォームのような複数のシステムを開発する場合には、System Approach (Top Downも採用)を採用した方が、効率的に開発が行える。
MBSEやEA (Enterprise Architecture)ではこの手法を用いている。
49
3. 研究会の考察
新しいデジタル化を実現するシステムを開発するために、2つの観点から標準的な手法を活用する必要がある
我が国の重工各社も、欧米の航空機エンジンメーカーに対しモデルベースシステムズエンジニアリングを踏まえたエンジン部品開発を提案することで、納入契約を獲得する構図を確保してきている現状がある。
経済産業省 2015年版ものづくり白書 P165
ICT事業者、特に通信事業者も、これらのシステム工学の成果を活用した標準的な開発手法を取り込む必要がある
課題/挑戦の検討(技術)-2つの性質の異なるシステムの存在- バイモーダル
Mode1 – SoR (System of Record)
• 堅牢性/安定性が求められるシステム
• 従来の基幹システム等
• ウォーターフォール型のシステム開発
Mode2 – SoE (System of Engagement)
• 変化への迅速な適用が求められるシステム
• マーケティングや高度なUXを提供するシステム等
• DevOpsやAgile型のシステム開発
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プラットフォーム全体の開発はSystem Approachを採用しても、
その中のサブシステムはその性質に基いて開発する必要がある
3. 研究会の考察
Lydia Leong, Garter in AWS re:Invent 2014
新しいデジタル化されたシステムにおいても、大きなプラットフォーム全体等では安定性が問われる(Mode1)が、
UXやマーケティングを追求するシステムでは迅速な変化への対応が求められる(Mode2)事が予見できる
研究会の考察の進め方
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講演会の有識者からの情報とメンバーの独自の調査を元に、新しいデジタル化の将来像や、それを実現するためのICT事業者の課題/挑戦を検討した
3. 研究会の考察
a. 新しいデジタル化が作るシステムの将来像
Big Data, IoT (Internet of Things), CPS (Cyber-Physical System), 新しいデジタル化 (Digitalization),
人工知能 (AI)などのワードの意味するもの/関係性を整理し、システムの将来像を検討した。
b. 新しいデジタル化実現に向けたICT事業者の課題/挑戦
新しいデジタル化が作るシステムを以下の3つの観点から課題/挑戦を検討した。
ビジネス
•ビジネス環境の状況と新
しいデジタル化に向けた
変化の内容とその対応
技術
•新しいデジタル化を実現
するためのシステム構築
に問われるモノ/考慮点
セキュリティ
•新しいデジタル化を実現
し適切に活用するための
セキュリティ対策
課題/挑戦の検討(セキュリティ)-新しいデジタル化におけるセキュリティ
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IoTデバイス等のシステムのセキュリティや、処理するデータに起因するシステムの誤動作の防止などの対策が必要
3. 研究会の考察
新しいデジタル化されたシステムのセキュリティ対策が、今までのシステムのセキュリティ対策と異なる点(例)
多数のデバイスを対象にする必要がある
管理にコストがかかる
人が直接操作しない(個々の機器の動作に人間が直接関与しない)
異常動作を検出しにくい
外部ネットワークに接続されている
外部から不正アクセスされる可能性が高い
デバイスの製造/提供に対する低廉化圧力が高い
デバイス上でのセキュリティ対策に制限がある
製品寿命が長い古いデバイスのサポートなど、長期に渡る対策が必要になる
IoTにおけるセキュリティ対策が認知されていない
既にセキュリティ対策されていないデバイスが稼働している新しくIoTを始める際に、セキュリティ対策の導入のハードルが高い
様々なシステムが複雑に連携している
どこかで生成されたデータが間接的に連携する他のシステムで動作異常(予期しない動作)を引き起こす可能性がある
•不正アクセスや情報漏えい、
サービス妨害等を防止するため、
IoTデバイスなどの脆弱性対策や
関連するサイバー攻撃への対応
システムのセキュリティ
•上記以外にシステムの誤動作を
引き起こすデータの流入等のシ
ステム全体の動作の正常性を担
保する対策
データのセキュリティ
サイバーセキュリティ戦略 2015年9月4日閣議決定
課題/挑戦の検討(セキュリティ)- IoTのシステムのセキュリティ
多種多様なIoTデバイスが多数、ネットワークに接続される事を想定すると、効率性が対策の可否/実効性を左右すると共に、網羅的な不正アクセス対策や脆弱性対策が求められる。
53
Security By Designを取り入れるなど、効率よくセキュリティ対策を盛り込む必要がある
3. 研究会の考察
企業が、IoT システムを通じて新たなサービスを提供するに当たっては、市場における個人・企業が当該サービスに期待する品
質の要素としての安全やセキュリティ、すなわち「セキュリティ品質」が保証されていることが前提である。例えば、サイバー
攻撃によりモノが意図しない動作をするよう遠隔操作されたり、ウェアラブル端末を通じて個人に関する情報が窃取されたりと
いった実空間に密着したリスクや、1回のサイバー攻撃で多くのステークホルダーが関与するデータベースから数百万、数千万
件の個人情報等が流出するといった経済社会に重大な影響を及ぼすリスクは、こうしたサービスの信頼性や品質を根本的に損な
う。このため、IoT システムの提供するサービスの効用と比較してセキュリティリスクを許容し得る程度まで低減していくこと
が、今後の社会全体としての課題(チャレンジ)となる。
セキュリティを後付けで導入しても、IoTシステムが本質的に安全になるものではない。むしろ単にコストの大幅な
増加の要因となる。このため、連携される既存システムを含めて、IoTシステム全体の企画・設計段階からセキュリ
ティの確保を盛り込むセキュリティ・バイ・デザイン(Security By Design)の考え方を推進する。
目標
取り組み方法
課題/挑戦の検討(セキュリティ)-IoTのデータのセキュリティ –システム全体の動作に関する完全性
データに起因する誤動作の例
54
情報漏えい以外に、高度に連携したシステムを誤動作させる不正データの対策や、ビッグデータ/統計解析の誤用を予防する必要がある
3. 研究会の考察
ノイズデータ(誤データ)や不正データの混入による誤ったシステム動作
高度にシステム連携を実現した場合、何らかの理由で誤データや不正データが混入した際、他のシステムで重大障害を引き起こす可能性がある
データ受け入れ時に、チェックやスクリーニングを実施するなどの前処理が必要
AIによる誤判断の防止(例:自動運転車を停車させる子どものいたずら「Stop Sign」)
元々のデータ収集方法の理解不足や、バイアスや因果関係の捉え間違え
FTC Report – Big Data – A Tool for Inclusion or Exclusion?
2013年度研究会における北海道大学南准教授による講演(次頁)
FTCは6日に公表した企業のビッグデータ利用に関する報告書で、使用するデータセットがユーザー層を表しているかどうか、アルゴリズムが社会的バイアスの影響を受けていないかどうか、導き出した予測が正確かどうかを検討するよう企業に要請した。例えば、ソーシャルメディア(SNS)通じて申し込む顧客に対してサービスを宣伝している企業は、テクノロジーにあまり詳しくない層を無視している可能性があるとリポートは指摘している。また、一流大学卒であるかどうかに基づいて有望な採用応募者を特定しているソフトウエアは、大学の入学選考のバイアスを引き継いでいる可能性がある。
WSJ「ビッグデータに潜むバイアス、米規制当局が警告」2016/01/08より引用
課題/挑戦の検討(セキュリティ)-ビッグデータ活用におけるシステム誤用の可能性
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ビッグデータは、データ収集時の前提条件や利用方法を誤ると、間違った結果を導き出す 2013年度テレコムサービス協会関東ネットビジネス21研究会レポートより
3. 研究会の考察
まとめ – ICT事業者における課題/挑戦
ビジネスドメインの変化を的確にキャッチし、パートナーと共にビジネスの開発を行う
ビジネスに関する取り組み
MBSEなどの標準的なシステム開発手法を活用し、異業種間の連携をスムーズにする
システムの性質を考慮し(バイモーダル)、大規模で複雑なシステムにはSystem Approachで開発の効率化を考慮する
技術に関する取り組み
IoTデバイス等の機器やシステムのセキュリティ対策を実施する 広くシステム全体の動作の正常性を保てるように、ビッグデータの観点も含めて、システムの完全性/正常性、目的の到達性の確認を行う
セキュリティに関する取り組み
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IoTを新しいデジタル化を実現するEnabler/手段と捉え、ビジネス、技術、セキュリティなどの取り組みが必要
3. 研究会の考察
問題意識 日本企業の取り組みは、グローバルな競争相手に後塵を拝している
実証やパートナー作りの遅れ ICTの戦略的利用の遅れ 日本全体のCPSへの意思表明の欠如など
ご静聴ありがとうございました
本研究会の活動をサポート頂いた方々にお礼申し上げます。
特に、研究会にてご講演頂いた以下の有識者の方々に、厚くお礼申し上げます。
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日本IBM(株) IoT 事業統括兼グローバル・ビジネス・サービス事業クラウド・サービス推進事業事業部長村澤賢一氏
総務省総合通信基盤局データ通信課課長補佐金坂哲哉氏
Industrial Internet Consortium, Sales Representative, Japan 吉野晃生氏
日本電気株式会社第一製造業ソリューション事業部販売促進部長関行秀氏
研究テーマが広範なため、理解や情報の不足、十分にカバーできていない事項があります。
何かお気づきの点があれば、今後の研究会活動のため、気軽に研究会までコメント頂けると幸いです。
テレコムサービス協会関東ネットビジネス21研究会主査伊賀野