(final) ifrs 10 minutes (2013 apr) vol.21.pptx[読み取り専用]...日付 what’s new 1/3 1/29-31...

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Stay informed PwC inform 企業会計審議会の 開催 ハイライト IASB ワークプランを更新 金融商品:減損 公開草案 企業開示を巡る国際的な動向 概念フレームワーク・プロジェクト 会計基準アドバイザリー・フォーラム IFRSプロジェクト事例紹介 ・予備調査結果 収益認識 その他IFRS関連ニュース - IASB議長講演「財務報告における一貫 性を求めて」 - 米SEC新委員長の指名 - 統合報告に関する覚書 - G20共同声明 - IFRS財団モニタリング・ボードの動き IFRS 10Minutes PwCが国際財務報告基準に関する最新情報を簡潔にお届けするニュースレター Vol. 21 2013年4月 3月26日、ほぼ半年ぶりに企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議が開催 されました。概要は以下のとおりで、決定事項はありません。 今後も引き続きIFRSの検討を続ける旨の意向 内閣府大臣政務官の挨拶 諸外国(カナダと韓国)の状況 IFRS財団のガバナンス改革【08ページ】 会計基準アドバイザリー・フォーラム【05ページ】 事務局からのアップデート 国際会計基準(IFRS)への当面の対応について 日本経済団体連合会からの報告 出席委員からの主な意見 「今後はグローバル企業を中心 にIFRS任意適用が増加するは ず」 「受入可能なIFRSと不可能な IFRSを明らかにし、日本から IASBへの発言を増加させること が必要」 「IFRSを適用することは、グロー バル企業との比較可能性の上 で望ましく、また、グループ全 体の効率性も高まる」 「審議会は時間軸を明示すべ きだ」 「多くの事例を数年間にわたっ て分析したが、のれんの規則的 な償却が合理的であるという結 果が出た。また、利益の区分表 示は、異常・臨時を区分して企 業の持続性を判断でき、投資 家にとって重要である」 任意適用の円滑化のために必要となる対応 1. 減価償却・決算報告期間の統一等実務上の対応の明確 2. 会計基準アドバイザリー・フォーラム、アジア・オセアニア オフィスを活用し、オールジャパンでの意見発信を継続 3. 開示の簡素化のため、IASBへ改善要求、国内制度対応 4. 任意適用の要件緩和 今後の検討のポイント 1. 企業会計審議会としての時間軸が極めて重要 2. 日本にとって受入困難なIFRSを明確にし、取扱プロセス を定める。

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  • Stay informedPwC inform

    企業会計審議会の開催

    ハイライト

    • IASB ワークプランを更新

    • 金融商品:減損 公開草案

    • 企業開示を巡る国際的な動向

    • 概念フレームワーク・プロジェクト

    • 会計基準アドバイザリー・フォーラム

    • IFRSプロジェクト事例紹介・予備調査結果 収益認識

    • その他IFRS関連ニュース

    - IASB議長講演「財務報告における一貫性を求めて」

    - 米SEC新委員長の指名

    - 統合報告に関する覚書

    - G20共同声明

    - IFRS財団モニタリング・ボードの動き

    IFRS 10MinutesPwCが国際財務報告基準に関する最新情報を簡潔にお届けするニュースレター

    Vol. 212013年4月

    3月26日、ほぼ半年ぶりに企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議が開催されました。概要は以下のとおりで、決定事項はありません。

    • 今後も引き続きIFRSの検討を続ける旨の意向

    内閣府大臣政務官の挨拶

    • 諸外国(カナダと韓国)の状況• IFRS財団のガバナンス改革【08ページ】• 会計基準アドバイザリー・フォーラム【05ページ】

    事務局からのアップデート

    • 国際会計基準(IFRS)への当面の対応について

    日本経済団体連合会からの報告

    出席委員からの主な意見

    「今後はグローバル企業を中心

    にIFRS任意適用が増加するは

    ず」

    「受入可能なIFRSと不可能な

    IFRSを明らかにし、日本から

    IASBへの発言を増加させること

    が必要」

    「IFRSを適用することは、グロー

    バル企業との比較可能性の上

    で望ましく、また、グループ全

    体の効率性も高まる」

    「審議会は時間軸を明示すべ

    きだ」

    「多くの事例を数年間にわたっ

    て分析したが、のれんの規則的

    な償却が合理的であるという結

    果が出た。また、利益の区分表

    示は、異常・臨時を区分して企

    業の持続性を判断でき、投資

    家にとって重要である」

    任意適用の円滑化のために必要となる対応

    1. 減価償却・決算報告期間の統一等実務上の対応の明確化

    2. 会計基準アドバイザリー・フォーラム、アジア・オセアニアオフィスを活用し、オールジャパンでの意見発信を継続

    3. 開示の簡素化のため、IASBへ改善要求、国内制度対応

    4. 任意適用の要件緩和

    今後の検討のポイント

    1. 企業会計審議会としての時間軸が極めて重要

    2. 日本にとって受入困難なIFRSを明確にし、取扱プロセスを定める。

  • 日付

    What’s New1/3

    1/29-31

    1/18

    2/18-22

    2/18

    主体 2013年1月以降の主なニュース

    EU

    IASB

    IASB

    IASB

    IFRS財団 評議員会、デュー・プロセス・ハンドブックの改訂版を公表

    IFRS会議: 2013年2月【04ページ】

    非金融資産の回収可能価額の開示に関するIAS第36号の改正に関する公開草案を公表

    IFRS会議: 2013年1月

    IFRS第10号, IFRS第11号, IFRS 第12号, IFRS第13号, IFRS第7号の修正など発効

    3/25 IASB 確定給付制度:従業員の拠出(IAS第19号の修正案)についての公開草案を公表

    1/28 IFRS財団 開示に関する公開のディスカッション・フォーラムを開催(ロンドン)【03ページ】

    会計基準アドバイザリー・フォーラムのメンバー推薦要請、設置案のフィードバック文書を公表

    ワークプランの更新

    国際統合報告委員会(IIRC)と企業統合報告フレームワークの開発に関するMoUを公表【08ページ】

    IFRS財団

    IASB

    IASB

    2/1

    3/25

    2/7

    共同声明で主要な未決着のプロジェクトに関する作業を2013年末までに最終化することを要請【08ページ】G202/16

    IFRS財団 評議員会、ASAFのメンバーを公表、企業会計基準委員会(日本)、米国財務報告審議会も選出【05ページ】3/19

    米大統領、次期委員長に元ニューヨーク連邦検事のホワイト氏を指名【08ページ】SEC1/24

    IASB2/28 デリバティブ契約の更改及びヘッジ会計の継続に関するIAS第39号の修正案を公表

    IFRS会議: 2013年3月【04ページ】IASB3/19-21

    貸倒損失に係る引当金についての公開草案を公表【02ページ】IASB3/7

    定款の改定版を公表IFRS財団2/19

    企業会計審議会 総会・企画調整部会合同会議【表紙】金融庁3/26

    非金融資産の減損との関連で、議長による財務報告の首尾一貫性についての講演(ロンドン)【08ページ】IASB1/17

    モニタリング・ボードのメンバー要件の評価アプローチを最終化、議長選出を公表【08ページ】IFRS財団3/1

  • 01IASBワークプランを更新

    IASB Work Plan(12月X日版)の骨子

    主なプロジェクトの次のマイルストーン(2013年3月25日現在)2013年

    Q1 Q2 Q3 Q4

    主要なIFRS(金融商品)

    IFRS第9号「金融商品」(IAS第39号の置き換え)

    分類及び測定(限定的修正)[コメント期限は2013年3月28日] Redeliberations

    減損[コメント期限は2013年7月5日] Redeliberations

    ヘッジ会計 Target IFRS

    マクロヘッジ会計 Target DP

    主要なIFRS(金融商品以外)

    保険契約 Target ED

    リース Target ED

    料金規制事業

    暫定IFRS Target ED

    包括プロジェクト Target RFI Target DP

    収益認識 Target IFRS

    限られた範囲の修正

    ジョイント・オペレーションの持分取得 Target IFRS

    数理計算上の仮定:割引率 Target ED

    年次改善(2010-2012) Target IFRS

    年次改善(2011-2013) Target IFRS

    年次改善(2012-2014) Target ED

    果実生成型の植物 Target ED

    減価償却及び償却の許容される方法の明確化[コメント期限は2013年4月2日] Target IFRS

    確定給付制度:従業員の拠出[コメント期限は2013年7月25日] Target IFRS

    持分法会計:その他の純資産変動の会計処理 Target IFRS

    デリバティブの更改とヘッジ会計の指定の継続[コメント期限は2013年4月2日] Target IFRS

    非支配持分に係る売建プット・オプション Target ED

    未実現損失に関する繰延税金資産の認識 Target ED

    非金融資産の回収可能価額の開示 Target IFRS

    投資者と関連会社またはジョイント・ベンチャーとの間における資産の売却又は拠出[コメント期限は2013年4月23日] Target IFRS

    個別財務諸表(持分法) Target ED

    更新された IASBのWork Plan最新版は3月25日付で公表されています。ここではウェブサイトで公表されている内容より主要な部分 を 抜 粋 し 、 一 部 翻 訳 し ております。

  • 02金融商品:減損 公開草案

    IASBより公開草案「金融商品:予想信用損失」が公開されました。本公開草案はIASBの進めるIAS第39号を置き換えるプロジェクトのフェーズ2としてIFRS第9号の一部をなすものであり、IAS第39号の発生損失モデルに代えて予想損失モデルが提案されています。これは、金融危機の間に生じた”too little, too late”との批判に対処するものであり、減損が認識される金額が増えるのみならず、認識のタイミングがより早まることが予想されます。

    以前の「3バケットアプローチ」に代わり、3つのステージという説明がなされています。

    発効日を定めていませんが、現在、強制発効日を2015年1月1日としているIFRS第9号に言及しています。IASBは、IFRS第9号の全フェーズの強制発効日の妥当性に関するコメントを求めています。

    ステージ1 ステージ2 ステージ3

    金融商品が組成または購入された時点信用リスクが著しく増大または信用度が著しく悪化し、かつ、信用度が「投資適格」を下回った時点

    金融資産に減損の客観的な証拠が存在した時点

    予想信用損失の認識

    12カ月の予想損失(※) 全期間の予想損失(★) 全期間の予想損失

    利息収益の計算

    資産の帳簿価額総額に基づく実効金利法

    資産の帳簿価額総額に基づく実効金利法

    減損控除後帳簿価額に基づく実効金利法

    (※) 報告日後12カ月の間に発生する可能性のある債務不履行から生じる、全期間のキャッシュの不足額。金融商品の価格に織り込まれている信用損失の当初予想の代替となる。

    (★) 金融商品の存続期間にわたって発生する可能性のあるすべての債務不履行から生じるキャッシュの不足額。全期間の予想信用損失の認識は、組成または購入時から信用度が著しく悪化した場合に限る。

    (注:本表はIASBスタッフによる公開草案の説明資料、”Snapshot”の6-7ページを参考にして作成しました)

    当初認識時からの信用度の悪化

    FASBの「現在の予想信用損失」モデル案との主な相違

    米国FASB案では対象金融資産の当初認識時に全期間の予想損失が計上されるのに対し、IASB案では当初は12カ月の予想損失を認識し、信用リスクが著しく増大した場合に全期間の予想信用損失の認識が要求されます。

    簡素化されたアプローチ

    短期売掛金:全期間予想損失に相当する金額で減損損失を測定しなければならない。

    長期売掛金、リース債権:一般モデルまたは短期売掛金に適用されるモデルのいずれかを会計方針として選択できる。

    減損の算定

    • 予想信用損失はバイアスのない確率加重アプローチを用いて決定され、貨幣の時間価値を考慮する。

    • 算定は最善のケースまたは最悪のケースの見積もりではなく、信用損失が発生する可能性と発生しない可能性を少なくとも考慮する。

    信用悪化の評価

    • 外部の市場指標、内部の要因、借手固有の情報につき実際の変動及び予想される変動等、入手可能な最善の情報を考慮する。

    • 将来予測的な情報が入手可能でない場合、延滞情報を評価の基礎として使用することもできる。

  • アジェンダ協議2011では、多くの回答者より開示フレームワークが必要であること、それによって開示情報が投資家にとってより重要なものとなり、また、作成者の負担を軽減することに言及されました。

    これを受けてIASBは、企業開示をめぐる諸問題を議論するため、関係者を招いた開示フォーラムを開催しました。

    議論の内容はIASBスタッフによってまとめられております。これは開示に関するIASB会議での議論において活用されることとなっていますので、今後の方向性を知る上で参考になると思われます。

    03企業開示を巡る国際的な動向

    問題の所在

    何か開示の問題なのかについて、明確な意見の一致は見られなかった。

    財務報告書が重要なコミュニケーションの手段であることでは、作成者と利用者とが一致した。作成者はビジネスモデルに基づくストーリーを利用者に伝えたいと思っており、利用者もそれを望んでいるが、それを達成するには障害がある。

    重要性

    重要性の実務における適用については困難があり、IASBに適用ガイダンスを作成する責任がある。

    開示目的やビジネスモデルに立ち返ることが、困難を克服するのに役立つ可能性がある。

    リンケージ報告書全体を通して方針、リスク、関連する財務情報の間の情報と情報との関連づけが必要。開示される情報は文脈のなかで与えられるべきである。

    その他

    開示の順序も重要となることがあり、IASBは作成者を縛るべきではないと指摘している。

    慣習と比較可能性との間での緊張関係があるが、これにはテクノロジー、たとえばXBRLが役立つ可能性がある。

    IASBのスタッフはフォーラムの議論をどのように受け止めているか?

    次のステップ

    • IAS第1号「財務諸表の表示」についての限定的な修正を検討

    • 重要性について、追加的なガイダンスが必要か、また適切かを検討

    • 適用後レビューの過程において、開示要件をレビュー

    • 概念フレームワークの開示セクションにおいてインプット

    フォーラムに先立つ2012年12月から2013年1月に、開示サーベイを実施し、225通の回答を得ました。うち5割は作成者、2割が利用者、残りの3割は規制当局、監査人、業界団体等からなっています。

    全体の8割を超える回答者が企業開示について、何らかの問題点があることを示しています。しかし、作成者と利用者との間には問題の見方に関する差異が認められており、その結果は上の図に示されています。

    サーベイの結果を踏まえた開示フォーラムには、120名の出席者、29名のIASB関係者が出席し、議論しました。問題に先行して取り組んでいる以下の機関からの参加もありました。

    • スコットランド勅許会計士協会(ICAS)

    • 欧州証券市場監督機構(ESMA)

    • 欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)

    • 米国財務会計基準審議会(FASB)

    • 国際監査・保証基準審議会(IAASB)

    利用者の声

    コミュニケーションに乏しい

    重要な情報が充分に開示されて

    いない

    作成者の声

    開示の過剰な負担がある

    共通

    • 定型的な文章• 重要でない情報がある

  • 04概念フレームワーク・プロジェクト

    IASB にお いて 概念フレ ー ムワークの議論が継続されています。過去IASBとFASBとの共同プロジェクトとして実施されましたが、今回はIASBの単独で進められています。

    概念フレームワークとは、企業報告の全体にかかわって合意された概念をとりまとめたものです。

    その役割ですが、まずは基準設定主体が会計基準を設定する際に利用されます。また、財務諸表の作成者たる企業も、個別の会計基準や解釈が存在しない場合に、会計方針を決定するために利用されることとされています( IAS第 8号のヒエラルキーを参照)。

    フェーズ 状況

    A 目的及び質的特性 最終:2010年9月

    B構成要素(定義、認識及び認識の中止)

    資産の定義について暫定的合意。その他の事項で一部議論されたが、公開草案なし。

    C 測定議論されたが、公開草案なし。ラウンドテーブル。

    D 報告企業 公開草案:2010年3月

    E財務報告の境界(表示・開示)

    財務諸表の表示プロジェクト

    F概念フレームワークの目的

    作業されていない

    G非営利企業等への適用の可否

    作業されていない

    H概念フレームワーク全体のレビュー

    作業されていない

    2013年7月

    • 討議資料公表

    • 予備的見解。完成した章を含む。

    • 序文

    • 目的と現状

    • 財務諸表の要素

    • 認識、認識の中止

    • 測定

    • 表示、開示

    • 報告企業

    • 第1章(現行、目的)

    • 第3章(現行、質的特性)

    プロジェクトにおいて議論されている主な論点は以下のとおりです。

    表示の重要性:

    純損益とその他の包括利益(OCI)の区別、及びOCIから純損益へのリサイクリングの検討が含まれています。

    開示の過大な負荷:

    IFRSにおける開示要求を見直すことへの要望が増大していることを受けて、利用可能な開示原則を開発することを目標としています。

    資産と負債の定義:

    個別プロジェクトで提起された現行の概念を精緻化し、明確化することを意図しています。

    測定アプローチ:

    特定の取引について当初測定、事後測定のアプローチを設定する際にどのような要因を考慮すべきか、明確な指針を提供することを目指しています。

    なお、会計基準アドバイザリー・フォーラムでの議論からインプットを受けることが予定されています。【05ページ】

    プロジェクトのスケジュール

    プロジェクトの進捗状況

    (IASBスタッフによる2012年11月教育セッション資料をもとに作成)

    2014年8月

    • 公開草案公表

    2015年9月

    • 最終化

    2月のIASB会議資料にて明らかとされた討議資料の構成は以下のとおりとなっています。

  • 2013年3月以降

    2013年2月

    2013年1月

    2012年11月

    05会計基準アドバイザリー・フォーラム

    新たに発足したこのフォーラムの場を通じ、IASBに対してオールジャパンとして意見発信を継続していくことが期待されており、この点が企業会計審議会でも提言されています。【表紙】

    • 会計基準アドバイザリー・フォーラムの設置の提案公表、コメント募集(1日)

    • 63通のコメントレター

    • 提案内容の修正、IFRS財団 評議員会の承認(23日)

    • フィードバック文書、募集文書の公表

    • 1日 候補者の受付開始

    • 28日 候補者の締切

    • 3月19日当初メンバー公表

    • 4月8-9日 ロンドンで第1回会議(以後年4回開催)

    2011年に行われたIFRS財団の評議員会による戦略的レビューを受けて検討された結果、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)の設置が決まりました。主要国の会計基準設定主体や地域グループによる12のメンバーから構成され、IASBに対して技術的な助言を行うことが予定されております。

    左記のプロセスを経て選出されたASAFの初代メンバーについては以下の表のとおりです。

    地域 メンバー

    アフリカ大陸

    • 南アフリカ財務報告基準評議会(全アフリカ会計士連盟:PAFAが支援)

    アジア・オセアニア

    地域

    • 企業会計基準委員会(日本)• オーストラリア会計基準審議会• 中国会計基準委員会• アジア・オセアニア会計基準設定主体グループ

    欧州

    • ドイツ会計基準委員会• 欧州財務報告諮問グループ• スペイン会計監査協会• 英国財務報告評議会

    アメリカ大陸

    • ラテンアメリカ会計基準設定主体グループ• カナダ会計基準審議会• 米国財務会計基準審議会

    (企業会計基準委員会プレスリリースより)

    概念フレームワーク:

    測定、業績とその他の包括利益、不確実性の構成要素、論点を挙げるためのオープン・セッションが開催されます。【04ページ】

    金融資産の減損:

    IASB、FASBそれぞれから公表されている公開草案の内容につき、それぞれの設定主体からの説明及び質疑応答、議論が予定されています。【02ページ】

    第1回会議のアジェンダより

    Stay informedPwC inform

  • 06IFRSプロジェクト事例紹介•予備調査結果収益認識

    前号2013年1月号(*)では、IFRSプロジェクトの最初のPhaseで実施される「予備調査」の報告事例から、特に連結の範囲に関する課題をご紹介しました。今号は、予備調査の結果のうち、特に収益認識に関する課題として報告された事例をご紹介します。

    主な影響の及ぶ範囲

    影響①: 代理人と判定された場合、収益を純額で計上することとなるため、売上高の金額が大きく減少する可能性があります。

    影響②: A社では、業績評価指標として売上高を利用していることから、代理人と判定された場合においても、管理会計上、売上高の総額を把握する、ないしは評価指標の再設定を検討する必要があります。

    IFRSにおける本人・代理人判定の考慮事項

    IAS第18号設例21では、本人・代理人の判定を行う際、企業が、「本人」または「代理人」として行動していることを示す特徴が例示されています。

    (*)本誌のバックナンバーは、PwC Japan IFRS情報提供ウェブサイト[www.pwc.com/jp/ifrs]に掲載しています。是非ご一読ください。

    収益の認識に関する主な基準等として、次のものがあります。

    IAS第18号は、物品の販売、サービスの提供、利息・ロイヤルティにかかる収益の認識基準が定められています。この中で、収益は、「持分参加者からの拠出に関連するもの以外で、持分の増加をもたらす一定期間中の企業の通常の活動過程で生ずる経済的便益の総流入」と定義されています。したがって、日本基準における預り消費税や代理関係のもとで他者のために回収した金額等は、自社の持分の増加、すなわち、純資産の増加をもたらすものではなく、収益の定義に合致しないこととなります。IAS第11号は、建物等を建造するような工事契約についての工事進行基準の適用を定めたものです。

    日本基準には、企業会計原則以外に、収益の認識基準を包括的に取り扱っている基準はありません。実務上、一般に実現主義の原則に従って収益は認識されています。その一方で、実現主義の具体的な基準は示されていません。実務では、取引の実態に応じて「実現した時点」で収益を認識しているため、IFRSと日本基準の収益認識に関する差異を総合的に述べることは困難です。

    収益の認識に関連する基準等

    A社は、国内の委託元との取引や国内外の多数の取引先との間で提携事業を行っています。予備調査では、A社で行っている販売取引について、A社が本人として行動しているのか、代理人として行動しているのかの判定が課題として識別されました。

    IFRSに従って、本人・代理人の判定を行う場合、実務上、基本契約書などの形式のみで判断することは適切ではなく、取引の実態を踏まえた判断が重要となります。また、A社のように複数の取引先が存在する場合、取引パターンが複雑となり、実務上の判定や判定結果に基づく処理方法が煩雑となることがあります。

    A社の事例-本人・代理人

    委託元

    提携先顧客

    販売A社

    委託契約業務提携契約

    IAS第18号 「収益」

    IAS第11号 「工事契約」

    IFRIC第13号 「カスタマー・ロイヤルティ・プログラム」

    IFRIC第15号 「不動産の建設に関する契約」

    SIC第31号 「収益-宣伝サービスを伴うバーター取引」

  • 07IFRSプロジェクト事例紹介•予備調査結果収益認識(続き)

    今号では、本人・代理人判定の事例を取り上げましたが、IFRS導入を検討する際、収益認識に関連して一般的に識別される課題として、以下のようなものがあります。

    課題 概要

    ① 収益の認識時点顧客が物品を受領するまでの輸送中のリスク負担関係によっては、出荷時点では収益を認識できない可能性

    ② 値引き・割戻し支払目的・性質によっては、売上高から控除する必要性が生じる可能性

    ③ ポイント引当金IFRIC第13号に基づき会計処理する場合、ポイント付与時に収益から控除する必要が生じる

    ④ 有償支給取引買戻条件付き販売取引に該当する場合、二つの取引を一体として会計処理する必要が生じる可能性

    ⑤オンライン・ゲームのアイテム販売

    サービスの完了の要件を検討し、アイテムの利用に応じた収益認識が必要となる可能性

    なお、日本公認会計士協会は、「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)-IAS第18号「収益」に照らした考察-」(会計制度委員会研究報告第13号)を公表しています。この中で、具体的な事例を示したうえで、IAS第18号に照らした考察が行われているため、収益認識に関する差異を検討する際の参考となると考えられます。

    予備調査で識別される主な課題

    A社は、純額取引の対象となる原価を収益の控除項目として表示するための勘定科目を新設することで外部公表用の純額ベースの売上高をタイムリーに把握することか可能であること、決算中の複雑な作業や、それによるミスの発生を回避する目的で「対応策①」を採用しました。採用にあたっては、「代理人」取引に対応する原価を売上の会計処理時に把握できるよう販売システムに加えて、原価システムの見直しを行いました。

    • 「本人」として行動していることを示す特徴

    - 財・サービスを提供する責任を有している場合

    - 在庫リスクを企業が負っている場合

    - 価格決定の自由を有している場合

    - 顧客の信用リスクを負担している場合

    • 「代理人」として行動していることを示す特徴

    - 獲得金額が取引単位当たりで固定されている場合

    - 獲得金額が顧客への請求金額の一定率とされている場合

    A社には複数の取引先があり、取引パターンが複雑であったため、契約に基づいて取引類型を整理し、A社による付加価値の程度や在庫リスクの負担の程度及びA社が得る収益の決定方法を調査し、本人・代理人判定を行いました。

    本人・代理人の特徴を個別に検討した上で、総合的に判断した結果、一部の取引で、A社は実質的に、代理人として行動しているという判定結果となり、収益を純額で認識する必要が生じました。

    業績評価指標への影響

    A社では、一部の取引から生じる収益のみを純額で認識することとなったため、IFRS適用後も業績評価指標として継続して総額の売上高を使用することを決定しました。総額ベースの売上高をどのように認識するかが課題となりました。

    A社における対応策は、次の2つのパターンが考えられました。

    対応策 メリット デメリット

    純額取引の対象となる原価を収益の控除項目として表示するための勘定科目を新設する方法

    タイムリーに総額及び純額の売上高を把握することが可能

    取引類型毎に総額・純額の判断を行い、仕訳処理が必要

    ②決算調整仕訳を起票する方法

    IFRS対応の一般的な方法で、システム対応が最小限で可能

    売上高の純額の影響が決算のタイミングのみしか把握することができない

  • (1月17日)

    フーガ―ホーストIASB議長は、英国のビジネススクールによる欧州企業におけるのれん及び無形資産の減損の開示に関する調査プロジェクトの報告書公表に際して講演しました。

    議長は「財務報告における一貫性を求めて」とのテーマのもと、会計基準の比較可能性を最大限に確保するためには、一環して適用され、監査され、執行されることもまた必要であると指摘しています。この点は規制当局や監査人の仕事ですが、会計基準設定主体としてもこのなかで重要な役割を有していることを認識しているとしています。

    具体的には、各国・地域の基準設定主体との協力、主要な会計基準に関する適用後レビュー、IFRS解釈委員会の2年間にわたるレビュー、教育マテリアルの作成、証券規制当局との協力の5点を挙げています。

    (1月24日)

    米国ではオバマ政権第2期の証券取引委員会(SEC)委員長として、元ニューヨーク連邦検事のメアリー・ジョー・ホワイト氏が指名されました。

    (2月7日)

    ロンドンにて、IASBとIIRC(国際統合報告委員会)とが相互に協力することを内容とした覚書が締結されたことが公表されました。

    IIRCは、IASBがこれまでのグローバルな財務報告における質及び一貫性を改善するために大きなはたらきをしてきたことを認め、企業と投資家により有用であるともに、持続可能なグローバル経済に貢献できる新しい企業報告上の言語をつくりあげることを究極的に目指しています。

    作業中の統合報告フレームワークは、財務報告、ガバナンス報告、マネジメント・コメンタリー、サステナビリティ―報告書における新たな動向をとりこむことで、企業報告の変化を加速化しようとするものです。IIRCは4月16日にその公開草案を公表し、コメント期間を経て12月に最終化される予定です。

    (2月16日)

    2月15~16日にモスクワで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議の共同声明で、通貨安競争を回避する記載などとともに会計基準のコンバージェンスについても盛り込まれました。第19項において、コンバージェンス遅延への懸念を表明し、IASBおよびFASBに対して、「質の高い単一の基準を達成するための主要な未決着のプロジェクトに関する作業を2013年末までに最終化することを要請」する旨が明記されました。

    (3月1日)

    国際会計基準(IFRS)財団モニタリング・ボードはプレスリリースを公表し、メンバーの評価アプローチ、評価プロセスについて合意したことを明らかにしました。このなかで、IFRSの使用の要件について、当該国市場で資金調達する企業の連結財務諸表についてIFRSの適用を強制または許容し、実際にIFRSが顕著に適用されている状態となっている、もしくは、妥当な期間でそのような状況へ移行することをすでに決定していることにより裏付けられるとしています。

    また、 モニタリング・ボード議長に金融庁の河野正道氏を選出しました。モニタリング・ボードを通じ、資本市場当局は投資家保護、市場の健全性や資本形成に関する責務を、より効果的に果たすことが可能とされています。

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  • 1. 研修サービス

    IFRSの規定の解説に加え、業種特有の論点や欧州での適用事例などを豊富に取り上げた研修会を実施いたします。また、貴社固有の論点についてのディスカッションも行います。

    2. 予備調査・コンバージョン支援サービス

    (1) IFRSクイックレビュー

    企業がIFRS適用にあたって解決すべき課題を6つの観点(業務プロセス、システム、組織、内部統制、教育制度、管理会計)から整理し、これらの課題について、解決の方向性とコストの概算等を提示します。

    本格的な予備調査を実施せず、簡易的にIFRS適用の影響を把握したい会社へのサービスです。

    (2) 予備調査

    IFRSの適用を検討するために必要な調査を行います。財務数値への影響のみならず、業務プロセスやシステム、事業計画などIFRS適用がもたらす影響の概要を把握し、IFRS適用までの実行計画案を策定します。

    (3) IFRSコンバージョン支援サービス

    IFRSの適用プロセスをいくつかのサブフェーズに区切り、IFRS適用後の会計処理方針策定、グループ会計マニュアル作成、必要な業務プロセス改革、システム改修/構築等、貴社のIFRS適用を全面的に支援します。

    3. 会計基準適用アドバイザリー・サービス

    新会計基準の適用方法や新規取引、特定案件への会計基準の適用について技術的支援を行います。IFRS適用前においては、IFRS導入を見据えたアドバイスを提供します。

    4. 財務報告プロセス改善支援サービス

    グループ会計マニュアルの作成・導入や決算早期化、決算プロセス効率化・標準化など、グループレベルでの財務報告体制の改善について、J-SOX対応を図りつつ支援します。

    5. 業務プロセス改善支援サービス

    IFRS適用により影響を受ける広範なシステム・業務プロセスについて、IFRS適用の実現を図る取組を支援します。また、IFRS適用を好機に行うさまざまな業務改革についても全面的に支援します。

    6. 連結システム・会計システム等導入支援サービス

    IFRS適用後の業務を効率的に運用するために必要な連結システム・会計システム及び様々な業務システムの導入を構想立案・要件定義から実際の導入運用までを全面的に支援します。

    7. IASBの動向についての情報提供サービス

    IASBの公表するディスカッションペーパー、公開草案等の情報およびその解説をいち早く提供します。

    予備調査IFRSの適用

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