バンダイナムコとタカラトミーの財務分析(financial analysis of toys'...
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バンダイナムコと
タカラトミーの財務分析
2016/2/17@清水ゼミ
荒武 ・宮部
企業概要バンダイナムコ 代表商品 タカラトミー 代表商品
バンダイナムコとタカラトミーの業績の推移 2010 年を境に、バンダイナムコの業績はタカラトミーと比較して、好調に推移している 対してタカラトミーは近年、業績が落ちてきている
2006200
7200
8200
9201
0201
1201
2201
3201
4201
5
-50.00%-40.00%-30.00%-20.00%-10.00%0.00%
10.00%20.00%30.00%
ROE
バンダイナムコタカラトミー
2006200
7200
8200
9201
0201
1201
2201
3201
4201
5-2.00%0.00%2.00%4.00%6.00%8.00%
10.00%12.00%14.00%16.00%
ROA
バンダイナムコタカラトミー
仮説①
2010 年を境にバンダイナムコの業績が V 字回復 バンダイナムコの戦略が上手くいっているんじゃない? 逆にタカラトミーの採った戦略が上手くいかなかったから、業績がよくないんじゃない?
仮説①の検証 BN
バンダイナムコグループリスタートプラン
仮説①の検証 BN
バンダイナムコグループ・リスタートプラン• 連結 ROE10.0 %以上を目標• ROIC (投下資本利益率)の導入• 排出する CO2 を 5.4% 削減• グローバル人材の育成• トイホビー、コンテンツを海外へ積極投資• ワールドワイドに展開できるタイトルの創出・強化
→ 海外展開を加速させた• 経営資源の効率運用• 顧客ニーズの変化にスピーディーに対応• 2010 年度末までにグループ全体の社員数の約 10% に相当する約 630 名の減少 → 主力事業の取捨選択を行った
2010 20116,8006,9007,0007,1007,2007,3007,4007,5007,600
全従業員数
仮説①の検証 BN (固定資産の有効活用)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
2
4
6
8
10
12
14
有形固定資産回転率
バンダイナムコタカラトミー
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
減損損失
トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
仮説①の検証 BN
仮説①の検証 BN (不採算事業の整理)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
-10.00%
-5.00%
0.00%
5.00%
10.00%
15.00%
20.00%
25.00%
バンダイナムコ・事業別売上高営業利益率トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
バンダイナムコ・外部顧客への売上高トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
仮説①の検証 BN (海外での売上はあまり変化なし)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
400,000
450,000
500,000
バンダイナムコ・地域別 売上高
日本アメリカヨーロッパアジア
仮説①の検証 TT
タカラトミー主力事業への集中
グローバル展開
仮説①の検証 TT
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015-0.04-0.02
00.020.040.060.080.1
0.120.14
タカラトミー・事業別売上高利益率玩具事業玩具周辺事業アミューズメント事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
20,00040,00060,00080,000100,000120,000140,000160,000180,000200,000
外部顧客への売上高玩具事業玩具周辺事業アミューズメント事業Series4
仮説①の検証 TT (海外展開が良好)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
180,000
タカラトミー・地域別売上高
日本アメリカ・ヨーロッパアジア
まとめ• バンダイナムコは中期経営計画に従い、現状は事業を統合させることで業績を改善させているが、海外への展開はイマイチ• タカラトミーについても、中期経営計画通りに事業の統一化と海外進出を行っているが、現状では主力の国内玩具事業が不振のために総合的な売上高は伸び悩んでいるようにみえる
仮説②タカラトミーは小さな子供向けの玩具のイメージ 2012 年 3 月期以降業績が落ち続けているように見えるバンダイナムコは玩具だけでなくゲーム等デジタルコンテンツも強い印象
→ スマホアプリなどが盛況・タカラトミーは近年の需要の変化に対応し切れていないのではないか
2015 年 3 月期時点の両社の主要事業バンダイナムコ トイホビー事業 コンテンツ事業 アミューズメント施設事業
2009 年:ネットワーク事業を映像コンテンツ事業へ統合2010 年:映像コンテンツ事業をコンテンツ事業へ統合
タカラトミー 玩具事業
2007 年:アミューズメント事業を玩具事業へ統合2010 年:玩具周辺事業を玩具事業へ統合
バンダイナムコ セグメント売上・セグメント利益
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
50,000100,000150,000200,000250,000300,000
外部顧客への売上高トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015-10,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
セグメント利益トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
-10.00%
-5.00%
0.00%
5.00%
10.00%
15.00%
20.00%
25.00%
バンダイナムコ・事業別売上高利益率
トイホビー事業コンテンツ事業アミューズメント施設事業ネットワーク事業映像コンテンツ事業
2011 年 3 月期以降のコンテンツ事業が好調 →ネットワークコンテンツ(ソーシャルゲーム等)が近年成長 コンテンツ事業最大規模のゲームコンテンツの売り上げに迫る ( 2014 年 3 月期→ 2015 年 3 月期で売上約 139億円増)豊富な IP (知的財産権)を軸に、様々なコンテンツを展開 → IP の価値を維持し続けるため長期にわたって育成
タカラトミー セグメント別売上高・セグメント利益
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 20150
20,00040,00060,00080,000
100,000120,000140,000160,000180,000200,000
タカラトミー・外部顧客への売上高玩具事業玩具周辺事業アミューズメント事業Series4
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015-4,000-2,000
02,0004,0006,0008,000
10,00012,00014,00016,000
タカラトミー・セグメント利益玩具事業玩具周辺事業アミューズメント事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
-0.04
-0.02
0
0.02
0.04
0.06
0.08
0.1
0.12
0.14
タカラトミー・事業別売上高営業利益率
玩具事業玩具周辺事業アミューズメント事業
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
-10.00%
-8.00%
-6.00%
-4.00%
-2.00%
0.00%
2.00%
4.00%
6.00%
8.00%
バンダイナムコタカラトミー
タカラトミー・バンダイナムコ売上高純利益率
セグメントを最終的に玩具事業のみに ・強みである玩具事業に資源を集中したが、売れ行きは伸びず (ヒット商品がなかなか出ない・売上の大半を占める日本での売上が不振) ・期末棚卸資産・棚卸資産回転率が低下
02468
101214161820
棚卸資産回転率
バンダイナムコタカラトミー
まとめ
バンダイナムコの戦略がタカラトミーのそれに比べ、需要の変化に柔軟に対応して自社の IP を生かした新商品を生み出しやすい形になっていた。それが業績の回復を支える売上や利益の増加につながった。
全体のまとめバンダイナムコ:• リスタートプランが上手くいった• IP 軸戦略が上手くいった• 注力する事業の選択が良かった
タカラトミー:• 事業の選択と資源の集中が裏目に出た• 海外への進出が今後の鍵となる