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FINANCIAL ACCOUNTING
Chapter 9
無形固定資産の会計
向 伊知郎
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§1 無形固定資産の意味と分類• 無形固定資産:事業の用に長期的に使用する目的で所有する具体的な物理的形態をもたない資産
• ある種の技術等を独占的ないしは排他的に使用する( )を表すもの:特許権、実用新案権、商標権、著作権、鉱業権、漁業権等
• ( )から収益の稼得に貢献すると期待される無形の要素:
• 法的な権利ではないが、将来の経済的便益を獲得する能力を持つ、分離または識別可能な無形の要素:ブランド、顧客リスト等
• のれん• のれんの性格
• ( ):企業が属する業種における平均的収益力を超える超過収益力
• 差額:企業結合時に取得企業が被取得企業に対する支払う支払対価が被取得企業の純資産額のうち取得企業の持分割合を超える差額
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研究開発費に該当しないソフトウェア制作費
将来の経済的便益を獲得する能力を持つ、分離または識別可能な無形の要素
ブランド 顧客リスト など
のれん
無形
固定資産
特許権 実用新案権 商標権 著作権 鉱業権漁業権 など
経済的な優位性から収益の稼得に貢献すると期待される無形の要素
法律上の権利を表すもの
§2 無形固定資産の取得原価• 通常の無形資産
• その取得に要した( )• 贈与その他無償で取得した資産
• 公正な( )
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• 無形固定資産の償却• 残存価額: ( )• 耐用年数: それぞれの権利に関する法律または税法に定める
償却期限を上限
• 償却方法: ( )法 (鉱業権には生産高比例法が可)
• 法律上の権利である特許権の場合• 特許制度上の存続期間は20年• 税法上の耐用年数は8年• 会計上は、いずれの耐用年数を用いてもよい。
• 経済上の優位性を表す無形資産の場合• 耐用年数が明らかでない。• のれんは、 ( ) 年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、
規則的に( )Copyright © 2015 ICHIRO MUKAI All Rights Reserved. 4
§3 無形固定資産の償却
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• 無形固定資産の償却に定額法を用いる理由1.残存価額がゼロであることから、定率法における償却率の計算が困難
2.無形固定資産では時の経過につれて維持修繕費が逓増して、耐用年数の後半になって費用負担が増大することはなく、定額法の短所が当てはまらないこと
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§4 のれんの減損• のれんの減損手続
① のれんの帳簿価額の( )
• のれんを認識した取引において、複数の事業単位を取得している場合、のれんの帳簿価額を合理的な基準に基づいて、各事業単位に分割
のれんの帳簿価額を分割し帰属される事業の単位
取得の( )がおおむね独立して決定され、かつ取得後も内部管理上独立した( )が行われる単位
のれんの帳簿価額の分割方法
• のれんが認識された取引において取得された事業の取得時における( )の比率に基づいて行う方法
• その他合理的な方法
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② 資産の( )
• のれんは、それ自体では独立したキャッシュ・フローを生まない。• 分割されたそれぞれののれんに減損の( )がある場合
• 減損損失を認識するかどうかの判定は、のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位で行う。
➂ 減損損失の( )と減損処理
• のれんを含むより大きな単位について減損損失を認識するかどうかを判定するに際しては、
• のれんを含まない各資産グループにおいて算定された減損損失控除前の帳簿価額にのれんの帳簿価額を加えた金額と、割引前( )の総額とを比較
• この場合に、のれんを加えることによって算定される減損損失の増加額は、原則として、のれんに配分する。
• のれんに配分された減損損失が、のれんの帳簿価額を超過する場合には、超過額を合理的な基準により各資産グループに配分
• 減損損失の( )は行わない。
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§5 ソフトウェア1 研究開発費等の会計基準とソフトウェア
• 企業会計審議会、1998年、「研究開発費等に係る会計基準」を公表
• 研究開発費は、以下の理由から、発生時に( )処理① 発生時には将来の( )を獲得できるか不明であり、
② 研究開発計画が進行し、将来の収益の獲得期待が高まったとしても、依然としてその獲得が( )であるとは言えないし、
③ 研究開発費は重要な投資情報であるから、抽象的な要件のもとで資産計上を行うことは、企業間の( )を損なう。
• 一定の要件を満たした研究開発費に該当しないソフトウェア制作費• ( )に計上することを規定
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2 ソフトウェアの意味と会計処理
• ソフトウェア• コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラム、システム仕様書、フロー・チャート等の関連文書等
• 研究開発費に該当しないソフトウェア制作費• その制作目的により将来の収益との対応関係が異なること等から、取得形態別でなく、 ( )別に3つに分類
① 受注制作のソフトウェア
② 市場販売目的のソフトウェア
③ 自社利用のソフトウェア
• 制作目的別に分類されたソフトウェア• 次ページのソフトウェアに係る制作費等は、無形固定資産として処理• 無形固定資産として処理されないソフトウェアに係る制作費等は、販売費および一般管理費として、適切な勘定科目により処理
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無形固定資産として処理するソフトウェア
① ( )目的のソフトウェアの製品マスター制作費のうち、研究
開発費に該当しない部分(機能維持に要した費用を除く)
② ( )目的のソフトウェアに関して、
• ソフトウェアを用いて外部へ業務処理等のサービスを提供する契約等が締結されている場合のように、その提供により
• 将来の( )獲得が確実と認められる場合の適正な( )
• 完成品を購入した場合のように、その利用により
• 将来の( )獲得または( )削減が確実であると認められる場合のソフトウェア取得に要した( )
• ①の理由:それ自身を複製して製品を作成すること、著作権という法的権利を有していること、適正な原価計算手続きによって( )を明確化できること
• ②の理由:将来の収益獲得または費用削減の効果が確実なため、将来の( )との対応との観点
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• ソフトウェアの償却方法:その性格に応じた合理的な方法① 市場販売目的のソフトウェアの製品マスター
• 見込( )(または見込( ))に基づき費用配分する方法(以下の計算式)
• その他合理的な方法• 毎期の償却額は、残存有効期間に基づく( )額を下回ってはならない。
• 当初における販売可能な有効期間の見積もりは、原則として( ) 年以内の年数として、
• 3年を超える年数とするときには、合理的な根拠が必要
3 無形固定資産として計上されたソフトウェアの償却
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当年度償却費=前年度末未償却残高×
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② 自社利用のソフトウェア
• ( )法• その他合理的な方法
• 償却期間は原則( ) 年以内とし、• 5年超とするときには、合理的な根拠が必要• 利用可能期間は、毎期見直しを行う。• 以下の計算式により各年度の償却額を計算して、償却費の額を補正
• 当年度償却費=前年度末未償却残高×
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【設例1】
• 次の[資料]をもとに、無形固定資産の償却に関する仕訳を示しなさい。会計期間は1年、4月1日から翌年3月31日までとする。
[資料]
• 決算整理前残高試算表(一部)
• 商標権は、前々期の8月1日に取得したもので、10年間で償却する。• 特許権は、前期の10月1日に取得したもので、8年間で償却する。• のれんは、当期首にX商事株式会社を買収した際に計上したもので、会社法の規定する最長期間で毎期均等額を償却する。
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(単位:千円)
商標権 600特許権 450のれん 500
20×2年3月31日決算整理前残高試算表
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【解説】
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(単位:千円)月日 借方 金額 貸方 金額
① 3/31 商標権償却 商標権② 〃 特許権償却 特許権③ 〃 のれん償却 のれん
① 600千円=x-(x×20カ月÷120カ月)600千円=5/6xx=720千円720千円×12カ月÷120カ月=72千円
② 450千円=x-(x×6カ月÷96カ月)450千円=15/16xx=480円480千円×12カ月÷96カ月=60千円
③ 500千円÷20年=25千円
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【設例2】• 次の一連の取引について、仕訳しなさい。会計期間は1年、4月1日から翌年3月31日までとする。
20×1年4月1日 名古屋商事は、自社利用目的のソフトウェアを購入し、代金は現金で支払った。ソフトウェアの導入により将来の収益獲得が確実と認められる。内訳明細は、次のとおりである。
20×2年3月31日 ソフトウェアの見込み利用可能期間を5年として、定額法により減価償却を行う。
【解説】
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(単位:千円)パッケージソフト 8,000ソフトウェア仕様変更および設定作業 2,000データ移し替え費用およびトレーニング費用 2,500
(単位:千円)月日 借方 金額 貸方 金額
① 4/1 ソフトウェア 現金支払手数料
② 3/31 ソフトウェア償却費 ソフトウェア
スライド番号 1 §1 無形固定資産の意味と分類 §2 無形固定資産の取得原価スライド番号 4スライド番号 5 §4 のれんの減損スライド番号 7§5 ソフトウェアスライド番号 9無形固定資産として処理するソフトウェア3 無形固定資産として計上されたソフトウェアの償却スライド番号 12【設例1】【解説】【設例2】