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64 屋号・店名 森下 伊勢屋(和菓子店) 所在地 東京都江東区森下2-17-2 電話番号 03-3631-6064 営業時間 10:00~20:00 定休日 火曜日(不定期) 商店街名 森下商店街振興組合 活用施策 商店街パワーアップ作戦 森下駅 新大橋通り 都営新宿線 伊勢屋 伊勢屋店頭 21 10 10 3 3 6 6 6 アイデア溢れる仕掛け人 本間 修 (森下商店街振興組合 理事長)

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Page 1: アイデア溢れる仕掛け人 者 - tokyo-kosha.or.jp · リーダー塾は、過去の事例の振り返りや、他 る場所であると思います。 新たなアイデアを発想していくうえで活用できの商店街の事例を参考にできる良い機会です。

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屋号・店名 森下 伊勢屋(和菓子店)所在地 東京都江東区森下2-17-2電話番号 03-3631-6064営業時間 10:00~20:00定休日 火曜日(不定期)商店街名 森下商店街振興組合活用施策 商店街パワーアップ作戦森下駅

新大橋通り

都営新宿線

清澄通り

都営大江戸線

伊勢屋

伊勢屋店頭

利用声の者

アイデア溢れる二代目

 

森下商店街にある和菓子店「伊勢屋」は昭和

21年に森下の地に店を開き、現在は二代目店主

の本間修氏が店を守っている。

 

創業者である父の後を継ぐ際、自分のオリジ

ナリティをいかに出していくかを考え、様々な

取り組みを行なった。その一つに新規商品の開

発がある。今でも伊勢屋の看板商品として、お

客様からも人気の高い「のらくろのどら焼き」

と「あさり餅」は、その開発商品である。

 

本間氏は「次の世代の若い人たちに受け入れ

てもらえるような、時代に合った和菓子屋をつ

くることを大切にしていきたい」と、今後の展

望を語ってくれた。

 「このような個店の魅力をお客様に広く知って

いただくためには、まず商店街へ足を運んでも

らうことが重要である」と考えた本間氏は、得

意の想像力を発揮し、森下商店街のイベントを

次々と考案していった。

一商店街から六商店街へ

 

森下商店街は都営大江戸線の森下駅を出たと

ころに位置する。たまたま本間氏の考案したイ

ベント開催予定時期と都営大江戸線の全線開業

10周年と、重なることが分かり、森下商店街だ

けのイベントではなく、隣駅である清澄白河駅

周辺の商店街も巻き込んだ企画に変更した。

 

それは「大江戸線全線開業10周年記念イベン

ト」として具体化し、森下駅周辺の3商店街と

清澄白河駅周辺の3商店街が共催する形となった。

当初考えていたイベントの規模を大きく上回っ

たことが、商店街パワーアップ作戦を利用する

きっかけとなった。

時間を掛けた話し合い

 

6商店街でのイベント開催には、想像以上の

困難が待ち受けていた。

 

各商店街には、それぞれの地域特性や価値観

があり、お互いが理解し合うまでには長い時間

が掛かった。この共同イベント開催に向けた6

商店街の各代表への説明、説得は容易なことで

はなかったが、本間氏は6商店街の全員が納得し、

理解し合うまで、少しずつステップを踏みなが

ら辛抱強く説得を続けた。その説得の場で、商

店街パワーアップ作戦で派遣された専門家の助

言が、とても役に立ったという。

 

イベント開催まで、様々な出来事があり、時

間が掛かった。しかしその分、イベントが無事

に成功した時には格別の喜びを感じたという。

各商店街の担当者から「楽しんでできた」とい

う声を聞いた時は、「本当にやって良かった。そ

れまでの苦労が吹き飛びました」と本間氏は語っ

てくれた。

未来への視野

 商店街にとって、次世代の若手を育てていく

ことは大切なことです。若手の方々には是非、

広い視野を持って欲しいと思います。

 リーダー塾は、過去の事例の振り返りや、他

の商店街の事例を参考にできる良い機会です。

新たなアイデアを発想していくうえで活用でき

る場所であると思います。

 商店街パワーアップ作戦による専門家派遣に

よって、イベントの企画、実現に向けた活動に

おいても大きな力をいただきました。これから

も、この事業を活用して新たな人材を育ててい

きたい。

アイデア溢れる仕掛け人

本間 修(森下商店街振興組合 理事長)

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商店街名 下高井戸商店街振興組合    電話番号 03-3322-5945所在地 東京都世田谷区松原3-30-12 

ホームページ http://www.shimotaka.or.jp活用施策 商店街パワーアップ作戦

松沢小学校

マクドナルド

駅前市場

居酒屋たつみ

しもたかステーション

たいやきたつみや

京王線下高井戸駅

世田谷線下高井戸商店街 しもたかステーション

(商店街事務所)

利用声の者

街づくりをリードして20年

 

前田氏は「居酒屋たつみ」と行列で有名な「た

いやきたつみや」の評判店2軒を経営して

いる。商店街の会計部長、専務理事(6年)、

副理事長(2年)、理事長(8年)と要職を担い、

商店街発展に20年近く尽力し、今日の下高井戸

商店街の賑わいをリードしてきた。

 

下高井戸では長い間懸案となっていた、商店

街を分断する京王線踏切の立体化事業が平成20

年に決定し、平成35年に完成することとなって

いる。前田氏は下高井戸の街づくりに専念する

ため、本年(平成23年)より理事長から副理事

長となった。さらに「下高井戸駅周辺地区街づ

くり協議会」の会長として地域の代表としても

活躍している。

街づくりへの機運向上と

啓発への期待

 

ボトルネックとなっている踏切の立体化を通

じての街の一体化と街づくりへの期待は大きく、

平成20年の事業決定に先立ち、19年度より東京

都中小企業振興公社の「商店街パワーアップ作

戦」が開始された。これには世田谷区の職員も

参加した。立体化による事業効果や先進事例の

紹介、商店街の現状認識と街づくりのあり方等

について協議され、街づくりについての認識が

深まった。

 

また、同時期には住民参加による「下高井戸

駅周辺地区街づくり協議会」が発足し、下高井

戸地区挙げての街づくりが進められている。

テーマをわけて総合的に検討

 

当商店街では、「商店街パワーアップ作戦」を

活用し、平成18年9月の第1回から毎年継続し

て勉強会を行ってきた。専門家が分担して「立

体化とともに進める駅周辺整備」「商店街モー

ル整備と商業核づくり」「コミュニティの魅力高

める街づくりと広がる連携の輪」などについて、

1つのテーマを5、6回に分けて進めていった。

講習会では20人前後が参加して質疑応答も活発

に行われた。また役員中心の小グループでの討

議も実施した。

 

立体化に伴う街づくりは事業規模もその与え

る影響も大きく、商店街だけではなく、住民、

駅利用者等にとっても関心の高いテーマである。

住民の生活環境が大きく変わる事業でもあり、

周辺地区協議会との連絡を密にして、共同の研

修も行った。

進め!

若手商人育成事業への期待

「商店街パワーアップ作戦」を実施したことで、

商店街の皆さんに、京王線の立体化事業が街

づくりと大きく関わっていることと、具体的

な取り組みの重要性が認識され、事業を推進

していこうという機運が高まったと思う。特

に駅前広場やアクセス道路の整備などの都市

計画は商店街のあり方にも直接関わってくる

ため、それに関連する様々な情報提供や具体

的な活動指針などが示されるととてもありが

たい。個店が街づくりに積極的に参加し、新

たな認識のもとで、これから大きく変わる下

高井戸の街をよりよいものとしていきたい。

街づくりのリーダーとして活躍前田 勝弘(下高井戸商店街振興組合 副理事長)

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商店街名 十号通り商店街振興組合所在地 東京都渋谷区笹塚2-41-17電話番号 03-3376-9919ホームページ http://www.sasahata.com/活用施策 商店街パワーアップ作戦、       商店街リーダー塾

ショッピングモール

京王線笹塚駅

甲州街道(国道20号線)

十号通り商店街

水道道路

商店街事務所

利用声の者

18代理事長として若き行動力を発揮

 

昭和8年創業の「でんきのあきもと」の三代

目経営者として活躍している秋元氏は大手がし

のぎを削る厳しい家電業界にあって、十号通り

商店街の中央に立地し地域密着の経営を行って

いる。3年前に京王線笹塚駅に隣り合うショッ

ピングモールの「ラオックス笹塚店」の撤退の

後出店し、積極的な展開を図り地域のシェアを

向上させた。

 

秋元氏の商店街活動は平成7年以来16年間の

長きに及び、当初は青年会の活動に参加、副理

事長を3期6年間務め、3年前から十八代目理

事長として重責を担う。若手リーダーとして信

望も厚く若手の結束の中心であると共に先輩理

事のサポートのもと積極的な街づくりに取組み、

「いこいの場」の開設やカードサービス等多くの

実績を重ねている。

商店街の現状認識を新たにする

 

現在、笹塚、幡ヶ谷地区10商店街の連合によ

る「ささはたドットコム」が運営されているが、

これは商店街パワーアップ作戦の支援を受け、

平成18年に実現したものである。

 

その後も「パワーアップ作戦」を活用し、新

宿への流出や笹塚駅周辺との競合が厳しい状況

のもとで、消費動向の把握や商店街の現状認識

の共有に努め、商店街の活性化をはかるべく、

若手を中心に討議を重ねた。

 

さらに、平成22年には理事長自身が商店街リー

ダー塾に参加し、同じ立場で活躍しているリー

ダーの方々との人的ネットワークを広げ、街づ

くりに対する自信を深めた。

集合研修と共に個店支援を実施

 

平成19年、当初の「商店街パワーアップ作戦」

は商店街事務所に青年会のメンバーが集まり、

共通する危機意識のもと、何をすべきかを討議

した。会員の意識を高め結束を新たにすべく、

お客様はどこからお見えになっているかなど、

商店街として立地特性を知るための来街者調査

も実施した。「商店街パワーアップ作戦」は平成

22、23年度と継続し、お客様のサービスステー

ションとして開設した「十号いこいの場」を会

場に実施。当面する問題として、宅配サービス

等を取り上げ議論した。「商店街パワーアップ作

戦」の店舗を訪問する個店支援のメニューを活

用し、平成22年度には6店の店頭での販売促進、

陳列・商品構成等に関する改善の指摘を受けた。

具体的な問題提起とサポートを

 

十号通り商店街では「いこいの場」の開設、

思いやり手形の発行によるシルバー会員の組

織化等、活動は活発である。笹塚駅周辺では、

京王重機ビルの再開発、新たな商業施設の整

備も計画されている。甲州街道で分断された

当商店街にとって、街の魅力をいかに高めて

いくか等課題は山積している。商店街リーダー

塾による情報交換、パ

ワーアップ作戦による

逸品開発や情報機器を

活用した販促支援等、

さまざまなサポートを

期待している。

行動力を発揮して商店街を引っ張る若手リーダー秋元  浩(十号通り商店街振興組合 理事長)

十号いこいの場

安心安全の街十号通り

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屋号・店名 玉起屋(惣菜店)所在地 東京都葛飾区立石1-19-1電話番号 03-3692-0481ホームページ http://www.katsushika.co.jp/

nakamise/

営業時間 8:00~19:30定休日 木曜、日曜定休商店街名 協同組合立石仲見世共盛会活用施策 商店街パワーアップ作戦

京成立石駅

玉起屋

東栄信金

イトーヨーカドー

商店街のメンバー

利用声の者

立石仲見世のリーダー

 

加藤正行氏は、惣菜店「玉起屋」2代目経営

者である。昭和24年に創業した当初は、干物や

乾物を売る店としてスタートした。その後、当

時はまだ珍しかったスライスハムを店頭で販売

するなど、お客様の嗜好の変化や流行に合わせ

た商品を扱ってきた。女性の社会進出が徐々に

進む中で、自宅で料理をする世帯が減ってきた

ことから、15年ほど前に思い切って惣菜店に業

態転換して現在に至っている。

 

また、加藤氏は、協同組合立石仲見世共盛会

の理事長として、自らの店舗だけでなく商店街

全体にかつての活気を呼び戻すべく、日々精力

的に活動している。

大型スーパーとの対峙が転機に

 

近年、立石仲見世の周辺には、大型スーパー

が次々と出店してきている。立石仲見世共盛会

にとって、この環境変化は大きな脅威となる一

方でチャンスにもできるのではないかと対策を

検討していた。ちょうどその頃、東京都中小企

業振興公社職員から「商店街パワーアップ作戦」

を紹介され、その打開策を探るために申し込む

ことにした。

 

今では、専門家の意見を聞きながら、商店街

全体での売上増進に向けた取組みや各店で減少

した客足の回復対策などさまざまな方策を実施

している。

100円市による集客に向けて

 

加藤氏は、商店街の活性化のためには、個店

と商店街組合の両方から元気にさせる取組みが

必要であると考えた。そこで、まず「商店街パワー

アップ作戦」の個店支援を申し込み、自身の店

舗について商品陳列や照明に関する助言を得た。

その後、商店街組合の勉強会を定期的に開催す

ることにし、専門家から助言を受けながら、集

客のためのイベント企画を進めていった。そして、

これまで実施していた「どんと市」に加えて、

「100円市」のアイデアが新たに生まれた。加

藤氏は、「商店街組合のメンバーだけでは効果的

な企画を継続的に生み出すことは難しく、外部

の視点を取り入れ考える必要がある。商店街パ

ワーアップ作戦を利用して、環境分析から具体

的な集客方法まで幅広い助言を得ることができ、

とても有意義であった」と話す。

商店街パワーアップ作戦への期待

 年々、競争が激しくなる中で、我が商店

街も日々対応に追われてきた。商店街パワー

アップ作戦のように、専門家が現場を訪れ

分析することで、生きた助言をもらえるこ

とはありがたい。商店街の活性化は、一朝

一夕に実現できるほど容易ではない。これ

からさまざまな方策を試行錯誤することに

なるだろう。継続的にパワーアップ作戦を

利用して、その時々の状況に合わせて適切

な助言を受けられることを期待している。

専門家の助言によって生まれた新たな集客イベント ―100円市―加藤 正行(協同組合立石仲見世共盛会 理事長)

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屋号・店名 三登屋所在地 東京都立川市富士見町1-32-17電話番号 042-5220-3021商店街名 西立商店街振興組合活用施策 商店街パワーアップ作戦

ヤマダ電気

都立多摩職業能力開発センター

三登屋

西立川駅

昭和記念公園

坂村理事長

利用声の者

立川の商業活性化に尽力!

 

坂村氏は、平成7年5月に西立商店街振興組

合の理事長に、同年5月には立川市商店街振興

組合連合会の理事に、立川商工会議所小規模企

業振興委員会委員にも選出され、立川市の経済

団体と地元を結ぶことを役割としながら、立川

の商業活性化に尽力している。立川市商業ビジョ

ン推進委員会では、近隣商業の課題と現状の分

析を通して、商業振興の推進策について提案を

行った。一方、立川市のイベント事業のうち、

市民祭りである「バッカリ市」では、副実行委

員長として企業プロモーションを担当した。

 

なお、本業の青果業を営む三登屋商店は、リー

マン・ショックを契機に事業の再編を行い、選

択と集中により店舗小売からは撤退し、青果卸

売業に特化している。

パワーアップ作戦で

地域調査を実施

 

JR西立川駅の北側にある国営昭和記念公園

の来場者が、年間300万人を超えた。東京都

の機関である「産業サポートスクエアTAMA」

がオープンした。それら

の影響によって、駅周辺

や近隣にマンション建

設が相次ぎ、当商店街と

取り巻く環境は大きく

変化している。そこで、

「商店街パワーアップ作

戦」を活用して、富士見

地区三商店街共同の地

域実態調査を行った。

商店街をとりまく環境を、

好機にかえる専門家アドバイス

 

調査によって明らかになった消費者の実態から、

当商店街が活性化するための課題が浮き彫りに

なった。加えて、環境変化に対応するには、商店

街の店主の高齢化と後継者不足など、人材不足が

顕著であることも懸念材料として認識された。

 

当該地区には、雇用を拡大できる新たな商業

空間づくりの計画はなく、今後も空き店舗の増

加が懸念される。しかし、当該地区は立川駅か

ら電車で3分という便利なところであり、郊外

型住宅が増加している。比較的低廉な住宅の供

給が旺盛であることからファミリー層が増加し

つつあることもプラス要因である。公社の若手

商人育成事業を活用した活動を今以上に進めて

いく、決意を新たにしている。

若手商人育成事業への期待

 富士見・西立川地区は、公的機関の移設、

高齢者用マンションの新たな建設、夫婦共働

きしながら子育て中といった人たちの増加な

ど、街の性格が変化している。多様化する顧

客を商店街に取り込むことが重要である。ま

た、当商店街内にそうした客層をターゲット

にした業種等が出店しやすい環境整備や、子

育て中の母親が安心して働ける環境整備とし

て保育施設を確保していくことなどが課題と

なっている。新たな顧客創造と創業支援を通

して、商店街の活性化を図るための施策につ

いて、若手商人育成事業で何らかのヒントが

得られればと思う。

公的支援を活用して環境変化を好機にしたい坂村 宗紀(西立商店街振興組合 理事長)

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屋号・店名 合資会社 亀かめたしょうてん

太商店所在地 東京都墨田区江東橋5-13-2   電話番号 03-3631-1050

ホームページ http://www.kameta.biz/   営業時間 8:30 ~ 19:00定休日 日曜・祭日   活用施策 若手商人研究会 商人大学校

都立両国高校

至両国

江東橋郵便局

合資会社 亀太商店

JR錦糸町駅至亀戸

京葉道路

お米ギフトの提案 面白いネーミングのお米ばかり

利用声の者

あなた好みのお米を販売

 

亀太商店は、産地や品種の異なるお米を約30

種類取り扱う米専門店である。全て玄米で保管し、

顧客が購入する際に精米を行う。3合(約

500グラム)から購入が可能であり、精米歩

合もお好みで対応する。つまり、米の種類から

量、搗き方まで顧客の要望に応じたオーダーメ

イドが可能なのである。また、プロモーション

に力を入れており、商品に対するこだわりや想

いを記載したPOPの掲示、繰り返し利用でき

る米袋をポイントカード代わりに活用、農業高

校生の作ったお米を「熱血青春米」、無洗米を「も

う研ぐ米」というようなネーミングの工夫など、

一度お店の中に入ると興味を引く仕掛けが満載

である。ネット販売も行っており、現在では一

般客の4割が利用するまでになっている。

量販店がやらないことを

探すことが研究会参加の目的

 

平成5年の米の凶作と食糧法の改正によりお

米の流通が大きく変化した。すぐそばに開店し

たディスカウントストアが低価格でお米を販売

することに、市野澤氏は危機感を覚えた。そこで、

米専門店としての差別化を図るべく、積極的に

様々な勉強会に参加していた。その中で米穀店

に特化した「米穀店の商売繁盛」という公社の

研究会(若手商人研究会)を知り、参加したの

が施策を利用したきっかけである。また、商人

大学校は3年間連続して受講した。4年目の受

講を希望したところ、公社の担当者から「市野

澤さんは商人大学校を卒業です。次回は講師で

お願いします」と言われたエピソードが残る。

新しいヒントが見つかった

 

商人大学校では、様々な人が参加していたの

で多くの意見をもらうことができた。中でも米

袋のデザインについて「どれも同じ」「古い印

象」などと厳しい指摘をもらったことがあった。

それを機に米袋のデザインについて検討してい

く中でギフト提案を思い付き、引き出物に使う

「幸せ重ね重ね縁起米」や「飯とったり百戦百

勝」といった商品開発につながった。異業種か

らの客観的な意見を吸収していくことによって、

「米屋の固定概念を振り払い」、「顧客のニーズを

汲み取り」「商品にストーリー性を持たせ」「欲

しがっている人に情報と共に商品を伝えること」

を学んだ。学んだことや気付いたことを商売で

実践することで、顧客に対して「常に新しい発

見があるお店」であるように心掛けている。

若手商人育成事業への期待

 米屋にはまだまだ勉強したい人が多い。

自分が参加した「米穀店の商売繁盛」のよ

うな業種に特化したセミナーのニーズはあ

ると思う。また、商人は一人で悩むことも

多い。グループディスカッションでの発表

や受講生同士の交流の中で悩みを解消でき

る方法やヒントをもらえることがある。ノ

ウハウを身につけ、情報収集ができる学び

の場に加えて、受講生同士の意見交換や交

流を図る出会いの場をこれからもどんどん

提供してほしい。

オーダーメイドのお米屋さん市野澤 利明(亀

かめ

太た

商しょう

店てん

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屋号・店名 有限会社 中新商店 (海産物卸売・小売業)所在地 東京都北区王子2-23-9電話番号 03-3914-0223ホームページ http://homepage2.nifty.com/wakamenonakashin/営業時間 8:00~19:00定休日 年中無休活用施策 商人大学校、商店街パワーアップ作戦

交番

北本通り

明治通り

JR王子駅

城北信金

北とぴあ

至赤羽 至上野

首都高速入口

王子警察

中新商店

店頭と新設した手作りの案内用看板

-20℃の冷凍庫で作業する中野さん

利用声の者

徹底した温度管理で、『おすそ分けし

たくなる』わかめを提供

 

中新商店は国内産わかめなどの海産物を中心

に販売を行っている。徹底した温度管理が強

みであり、取扱商品によって「-20℃」、「-15℃」、

「0℃」の冷凍庫で商品管理を行っている。15年

ほど前から小売販売にも取り組んでおり、現在

は毎週日曜日に自社倉庫を利用した「アンテナ

ショップ」を開店している。このアンテナショッ

プには、近隣だけでなく、遠方からも一般消費

者が訪れ、口コミで評判が広がっている。来店

客には、商品や取扱い方法を丁寧に説明し、海

産物に対する正しい知識の普及に努めている。

また、インターネットを積極的に活用し、検索

エンジンで「わかめ 

東京都」で入力すると、

1位でHPが案内されるようになっている。

POP作成勉強会を機に

施策を活用

 

北区内の個店経営者の集まりである

「Kitaku部」が2008年に結成され、共

同でのイベント参加や勉強会などに取り組んで

いる。この中で、商店街パワーアップ作戦を利

用して「POP」の勉強会が開催され、これが

縁で公社の担当者と知り合った。その担当者か

ら「商人大学校」の案内を受けたことがきっか

けで公社の事業に強い関心をもった。勉強会を

通じて親身にサポートをしてくれた担当者から

熱心な勧めがあり、「そこまで言ってくれるのな

ら」という期待感と自分自身の視野を広げる必

要性を感じていたことから、商人大学校の参加

を決意した。また、新たな出会いによる人的ネッ

トワークの拡大も目的の一つであった。

2回の受講で知識の定着を、

仲間を連れて知識の共有化を図る

 

商人大学校の内容は

とても実践的であり、

自分のブログでの内容を

「これまでの結果報告」

から「これからの予定」

に変更するなど、すぐに

取り組めることから即実

行に移している。

 

また、2011年度

は二度目の商人大学校

を受講している。二回受講することで知識の定

着を図り、これまでの自身や自社の取り組みに

ついて再確認をし、ステップアップを図りやす

くなったと感じている。今回は学んだことの共

有化を図ろうと、仲間を誘って参加した。さらに、

若手商人研究会、商店街リーダー塾、商店街パ

ワーアップ作戦などにも参加。得られた知識を

活用している。

若手商人育成事業への期待

 公社の事業からは、常に新しい知識や知

らない人との出会いなど「自分たちにはで

きないものを」提供してもらっている。人

とのつながりと事業の拡大を図るために、

継続してこれからも参加していきたい。内

容においては新規性と継続性のバランスを

取りながら、何度来ても刺激のある集まり

の場であってほしい。また、人的ネットワー

クが拡大できる貴重な出会いの場でもある

ので、開催時間や回数など商人が参加しや

すい環境づくりも忘れないでほしい。

区の勉強会をきっかけに多くのセミナー等で学ぶ中野 良宜(中新商店)

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屋号・店名 浅草 うまいもん あづま(飲食店)所在地 東京都台東区浅草1-32-1   電話番号 03-3841-0190

ホームページ http://gourmet.walkerplus.com/105027151001/営業時間 (平日)11:00~21:00(ラストオーダー:20:30)

(土日祝)10:30~21:00(ラストオーダー:20:30)

定休日 不定休   従業員数 10名   活用施策 商店街リーダー塾

屋号・店名 シカゴ靴店(靴店)所在地 東京都台東区浅草1-28-2   電話番号 03-3841-6971営業時間 10:30~19:00   定休日 年中無休   活用施策 商店街リーダー塾

仲見世通り

雷門通り浅草プラザホテル

区立浅草公会堂

浅草寺

浅草うまいもんあづまシカゴ靴店

雷門

浅草駅

利用声の者

浅草の懐の深さと

「粋」を商店街活動に

染谷

孝雄

(浅草新仲見世商店街振興組合

理事)

浅草の味をお客様に

 

浅草うまいもん 

あづまは、昭和初期の

創業より、昔懐かしい洋食、毎朝築地から

仕入れる新鮮なネタの江戸前寿司のほかオ

リジナリティーあふれる創作料理を売りに

している。

 

昭和34年5月の浅草生まれ、丸の内東京

會舘にて約5年間修業の後、家業を継いだ

のが店主の染谷孝雄氏である。

「浅草で生まれ、育った私が一番大切にし

ていることは、いつもおもてなしの心を大

切に、浅草という空気もお客様に味わって

いただくことです。メニューにも懐かしい

『浅草らしさ』の味を大切に、オムライスに

ヒレカツを乗せたり、ヒレカツを巻いた寿

司(名代あげまき)もあります」と語る。「粋」

と「いなせ」を感じさせる創作下町料理に

力を入れて日々精進している店主である。

「一声隊(ひとこえたい)」の発足

 

商店街の活性化を企画するキッカケは商

店街リーダー塾のフォローアップとして行

われた専門家による現地支援であった。商

店街の将来構想部メンバーを中心に若者達

を招集し、リーダー塾で考えた企画案を具

体化する検討会を開催した。

 

そこで生まれたのが浅草の懐の深さと

「粋」を新アーケード内で展開する「一声

隊(ひとこえたい)」である。現在、将来構

想部は、新まちづくり委員会と名称を変え、

一声隊にも新たなメンバーが加わり、ます

ます活性化に拍車がかかっている。

次世代を担う若者の学びの場必要

 商店街リーダー塾についてはもう少

し聞きたい、話し合いたいと思う時が

多々ありました。時間延長が可能な会

場での開催であればと思いました。商

人次世代塾と言うような、次世代の若

者の学びの場があればとも思います。

リーダー塾を通して

各種イベント事業を実現

梶 泰和

(浅草新仲見世商店街振興組合

理事)

三代目はシューフィッター

「シカゴ靴店」は、昭和22年に堀切で創業し、

当時は軍靴を製造して陸軍省に納めていた

という。その後、銀座に場所を移し小売業

を行うようになった。現在の浅草に店を構

えたのは昭和32年のことで、引き続き靴の

小売店として営業している。

「お客様は地元の女性が中心。特にリピー

ターのお客様が多いですね」と梶泰和氏は

話す。その理由は、三代目店主である梶氏

の資格に隠されている。梶氏はシューフィッ

ターの資格を持ち、お客様の足の悩みに、

親身になって相談にのってくれるのだ。「最

近はお客様の相談にのれる靴店が少なく

なってきました。当店はお客様の悩みに合

わせて最適な靴をご提案します」と話す梶

氏の店には足圧測定用のコンピューターが

設置されている。

各種イベント事業の実現

 

商店街リーダー塾を通して、他の商店街

からの参加者と交流を深めていくうちに、

気付いたことがあった。それは、自分たち

の商店街「しんなか」が他の商店街に比べ

恵まれているということであった。

 

できること、しなくてはならないことを

考え、徐々にソフト面での充実を図っていっ

た。その結果、現在では数多くあったイベ

ント事業のアイデアのほとんどが実現され

たという。

終了後も交流を

 浅草新仲見世商店街のメンバーは第

1回目の商店街リーダー塾から3回連

続で参加しています。

 その間に、様々な変化がありました。

それらの変化は、リーダー塾での刺激

を生かし、多くの取り組みにチャレン

ジをしてきた結果でもあります。

 そんな取り組みの成果を、リーダー

塾の参加者に、実際に足を運んで見に

来て欲しいと思います。そして、それ

がまた他の商店街の刺激になっていく

ことを願っています。