バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック biologicsの...

14
バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会 2

Upload: others

Post on 07-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

バイオ医薬品ハンドブックBiologicsの製造から品質管理まで

編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

第2版

バイオ医薬品ハンドブック

Biologics

製造から品質管理まで

編集

日本PDA製薬学会

バイオウイルス委員会

第2版

Page 2: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

10

表 2-1 日本で承認されている組換え医薬品・細胞培養医薬品分類 一般名 商品名 承認年 * 分子量 細胞基材 主な適応疾患

酵素

t-PAアルテプラーゼ アクチバシン注,グルトパ注 1991 ○ 約64,000 CHO 虚血性脳血管障害,急性心筋梗塞

モンテプラーゼ クリアクター静注用 1998 ○ 約68,000 BHK 急性心筋梗塞

グルコセレブロシダーゼイミグルセラーゼ セレザイム注 1998 ○ 約60,000 CHO ゴーシェ病

ベラグルセラーゼ アルファ ビプリブ点滴静注用 2014 ○ 約63,000 ヒト細胞(HT-1080) ゴーシェ病

αガラクトシダーゼ Aアガルシダーゼ アルファ リプレガル点滴静注用 2006 ○ 約102,000 ヒト細胞

(HT-1080) ファブリー病

アガルシダーゼ ベータ ファブラザイム点滴静注用 2004 ○ 約51,000 CHO ファブリー病α-L-イズロニダーゼ ラロニダーゼ アウドラザイム点滴静注用 2006 ○ 約83,000 CHO ムコ多糖症Ⅰ型酸性α-グルコシダーゼ アルグルコシダーゼ アルファ マイオザイム点滴静注用 2007 ○ 約110,000 CHO ポンぺ病(糖原病Ⅱ型)

イズロン酸 2 スルファターゼ イデュルスルファーゼ エラプレース点滴静注液 2007 ○ 約76,000 ヒト細胞(HT-1080) ムコ多糖症Ⅱ型

N- アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ ガルスルファーゼ ナグラザイム点滴静注液 2008 ○ 約66,000 CHO ムコ多糖症Ⅵ型

N- アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ エロスルファーゼ アルファ ビミジム点滴静注 2014 〇 約113,000

~114,000 CHO ムコ多糖症ⅣA 型

尿酸オキシダーゼ ラスブリカーゼ ラスリテック点滴静注用 2009 ○ 34,151.19 酵母(S. cerevisiae) がん化学療法に伴う高尿酸血症

DNA 分解酵素 ドルナーゼ アルファ プルモザイム吸入液 2012 ○ 約37,000 CHO 嚢胞性線維症における肺機能の改善アルカリホスファターゼ+Fc アスホターゼアルファ ストレンジック皮下注 2015 ○ 約180,000 CHO 低ホスファターゼ症

ライソゾーム酸性リパーゼ セベリパーゼ アルファ カヌマ点滴静注液 2016 〇 約55kDa トランスジェニックニワトリ ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症

血液凝固線溶系因子

血液凝固第 VII 因子(活性型)

エプタコグ アルファ(活性型) 注射用ノボセブン 2000 ○

45,513.22(ポリペプチド部分)

BHK 第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する血友病

血液凝固第 VIII 因子

オクトコグ アルファ コージネイト FS バイオセット注 1993 ○ 300,000~

350,000 BHK

血液凝固第 VIII 因子欠乏患者における出血傾向の抑制

オクトコグ ベータ コバールトリイ静注用 2016 〇 約350,000 BHK

ルリオクトコグ アルファ リコネイト→アドベイト注射用 1996 ○ 300,000~350,000 BHK

血液凝固第 VIII 因子アナログ ツロクトコグ アルファ ノボエイト静注用 2014 ○ 約176,000 CHO血液凝固第 VIII 因子 -Fc融合タンパク質 エフラロクトコグ アルファ イロクテイト静注用 2014 ○ 約225,000 HEK293

血液凝固第 IX 因子ノナコグ アルファ ベネフィクス静注用 2009 ○ 約55,000 CHO 血友病 B(先天性血液凝固第 IX 因子

欠乏症)患者における出血傾向の抑制ノナコグ ガンマ リクスビス静注用 2014 ○ 約54,000 CHO

血液凝固第 IX 因子欠乏患者における出血傾向の抑制血液凝固第 IX 因子 -Fc 融

合タンパク質 エフトレノナコグ アルファ オルプロリクス静注用 2014 ○ 約109,000 HEK293

血液凝固第 XIII 因子 カトリデカコグ ノボサーティーン静注用 2015 ○ 166,356.30 酵母(S. cerevisiae)

先天性血液凝固第 XIII A サブユニット欠乏患者における出血傾向の抑制

トロンボモデュリン トロンボモデュリン アルファ リコモジュリン点滴静注用 2008 ○ 約64,000 CHO 汎発性血管内血液凝固症(DIC)

アンチトロンビン アンチトロンビン ガンマ アコアラン静注用 2015 ○ 約57,000 CHO

先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向とアンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固因子症候群

(DIC)血液凝固第 IX 因子 - アルブミン融合タンパク質

アルブトレペノナコグ アルファ イデルビオン静注用 2016 ○ 約125,000 CHO 血液凝固第 IX 因子欠乏患者における

出血傾向の抑制

ホルモン

インスリン  インスリン ヒトヒューマリン注 1985 ○ 5,807.57 大腸菌

インスリン療法が適応となる糖尿病

ノボリン注,ペンフィル注 1991 ○ 5,807.57 酵母(S. cerevisiae)

超速効型インスリンアナログインスリン リスプロ ヒューマログ注 2001 ○ 5,807.57 大腸菌

インスリン アスパルト ノボラピッド注 2001 ○ 5,825.54 酵母(S. cerevisiae)

持効型インスリンアナログ インスリン グラルギン ランタス注 2003 ○ 6,062.89 大腸菌持効型インスリンアナログ

(後続品)インスリン グラルギン[インスリングラルギン 後続 1]

インスリン グラルギン BS注 「リリー」 2014 ○ 6,062.89 大腸菌

持効型インスリンアナログ インスリン デテミル レベミル注 2007 ○ 5,916.82 酵母(S. cerevisiae)

超速効型インスリンアナログ インスリン グルリジン アピドラ注 2009 ○ 5,822.58 大腸菌

超持効型インスリンアナログ インスリン デグルデク トレシーバ注 2012 ○ 6,104.1 酵母(S. cerevisiae)

成長ホルモンソマトロピン

ジェノトロピン 1988 ○ 22,125 大腸菌低身長,成人成長ホルモン分泌不全症ノルディトロピン注 1988 ○ 22,125 大腸菌

ヒューマトロープ注射用 1989 ○ 22,124.76 大腸菌

サイゼン注 1992 ○ 約22,125 C127(マウス由来) 成長ホルモン分泌不全性低身長症

グロウジェクト注 1993 ○ 約22,125 大腸菌 低身長,成人成長ホルモン分泌不全症成長ホルモン (後続品) ソマトロピンBS 皮下注「サンド」 2009 ○ 22,125 大腸菌 低身長,成人成長ホルモン分泌不全症

PEG 化成長ホルモンアナログ ペグビソマント ソマバート皮下注用 2007 ○

約47,000(ポリペプチド部分: 21,997.52)

大腸菌 先端巨大症

(次ページへ続く)

Page 3: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

30

工夫を凝らしたり,製造法の改良が重ねられている。 精製工程は不純物を除去し目的物質の純度を高めるものである。抗体医薬品の分離精製は,目的タンパク質から目的物質由来不純物,宿主由来のタンパク質や DNA,培地成分やクロマト担体から離脱したリガンドなどの工程由来不純物,混入汚染物質の除去のために,カラムクロマトグラフィーを中心とした精製工程が組まれる。抗体医薬品は投与量が多いため最終製品の純度を高くしなければならない。 図 3-1に代表的な抗体医薬品製造工程のフローを示す。 CHO 細胞などを用いた分泌型細胞培養の場合,培養終了時の目的タンパク質(抗体)の純度は 20% 程度である(図3-2)。残り 80%を占める不純物のうち主なものとしては,細胞,細胞破砕物(細胞断片やコロイド状物質を含む),宿主細胞由来のタンパク質(Host Cell Protein: HCP)および DNA や抗体の重合体あるいは分解物,外来性の微生物由来汚染物質(エンドトキシン)などがあげられる。精製工程はこれら不純物

図 3-1 抗体医薬品の製造フロー

図 3-2 精製による目的抗体の収率と不純物の除去

セルバンクの融解・播種

拡大培養生産培養 培養液回収

凍結/乾燥

添加・調整・ろ過・分注

濃縮・ろ過・分注

ウイルスろ過

ウイルス不活化

プロテインAクロマトグラフィー

クロマトグラフィー2

精 製目的抗体

目的抗体

不純物 不純物

  純

  物

  純

  物

目的抗体:純度20%     収率100%

目的抗体:純度>99%     収率50%

宿主細胞タンパク質:5g/LDNA:10-2g/Lエンドトキシン:10-6g/L脂質等:10-2g/L内在性ウイルス:   0~500個/宿主細胞

宿主細胞タンパク質:<1μg/LDNA:<500pg/Lエンドトキシン:<3ng/L脂質等:<10ng/L内在性ウイルス:   残存確率:<10-8

Page 4: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

41

はじめに

 第3章では,バイオ医薬品の代表として抗体医薬品を取り上げ,その製造法について概説した。本章では,抗体医薬品を中心に,バイオ医薬品の品質の基本的な考え方を概説する。

1.バイオ医薬品と合成医薬品との違い

 低分子化合物である合成医薬品がタンク内の化学反応によって製造されるのに対し,バイオ医薬品は生き物である細胞の生体機能を利用して,すなわち細胞を小さな反応槽として利用することにより生産される。したがって,わずかな培養条件の変化によっても,生産物の分子構造に影響を及ぼす可能性があり,150 kD という大きな分子量を有する IgG 抗体においては,構造上の不均一性を防ぐことはほとんど不可能である(図 4-1)。このように構造が不均一であるということは,モノクローナル抗体といっても多くの分子種が存在することを意味し,これらの分子種の中には医薬品としての有効性および安全性に影響を及ぼすものもある。そこで,ICH ガイドラインでは,バイオ医薬品のこれらの分子種を表 4-1 のように定義して区別している 1)。 目的物質由来不純物は不純物として扱う。前駆体や凝集体のよう

4 章

バイオ医薬品の品質管理

図 4-1 合成医薬品とバイオ医薬品の大きさの比較

アトルバスタチン

IgG抗体

8

7

6

5

4

3

2

1

0

nm

0.6nmHO O

OOOH

<目的物質> (1)予期した構造を有するタンパク質,(2)DNA 塩基配列から期待されるタンパク質,(3)しかるべき翻訳後修飾(グリコフォームの生成を含む)から期待されるタンパク質,および(4)生物活性分子を生産するのに必要な,意図的な加工・修飾操作から期待されるタンパク質。

<目的物質関連物質> 製造中や保存中に生成する目的物質の分子変化体で,生物活性があり,製品の安全性および有効性に悪影響を及ぼさないもの。これらの分子変化体は目的物質に匹敵する特性を備えており,不純物とは考えない。

<目的物質由来不純物> 目的物質の分子変化体(例えば,前駆体,製造中や保存中に生成する分解物・変化物)で,生物活性,有効性および安全性の点で目的物質に匹敵する特性を持たないもの。

表 4-1 バイオ医薬品分子種の定義

Page 5: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

51

はじめに

 第4章では,バイオ医薬品の品質管理について基本的な考え方を中心に述べた。本章では,品質管理の基盤となる特性解析とそれを支える分析技術について概説する。

1.バイオ医薬品の特性解析

(1)バイオ医薬品に特徴的な点 本章で取り上げる遺伝子組換え技術や,細胞培養技術を用いて生産されるタンパク質性のバイオ医薬品の品質,特性を考えるにあたって,考慮すべき点として,不均一性があげられる。すなわち,完全に人為的なコントロールを行うことが不可能な,生細胞中の生合成系により生産されること,糖鎖付加等の翻訳後修飾により分子構造的に多様性が生ずる可能性があること,タンパク質自体が,不安定な高分子物質であり,製造工程,精製工程,製剤化後の保存中においても,構造の変化に伴う不均一性が生じ得ること等が考えられる。

5 章

バイオ医薬品の特性解析

表 5-1 �バイオ医薬品の物理的化学的特性解析および不純物 (ICH�Q6B)6.1 物理的化学的特性解析 6.1.1 構造解析・構造確認  a) アミノ酸配列(全アミノ酸配列)  b) アミノ酸組成   c) 末端アミノ酸配列 (C 末端,N 末端)  d) ペプチドマップ  e) スルフヒドリル基及びジスルフィド結合  f) 糖組成・糖鎖構造 6.1.2 物理的化学的性質  a)分子量・分子サイズ  b)アイソフォームパターン  c)比吸光度(又はモル吸光係数)  d)電気泳動パターン  e)液体クロマトグラフィーパターン  f)分光学的性質6.2�不純物 6.2.1 製造工程由来不純物及び混入汚染物質  a)細胞基材に由来する不純物 (宿主由来タンパク質,核酸(宿主ゲノム由来,ベクター由来,総 DNA)など)  b)細胞培養液に由来する不純物(インデューサー,抗生物質,血清,その他の培地成分など)  c)細胞培養以降の工程である目的物質の抽出,分離,加工,精製工程に由来する不純物 6.2.2 目的物質由来不純物(分解物・変化物を含む)  a)切断体  b)切断体以外の分子変化体(脱アミド体,異性体,ジスルフィド結合ミスマッチ体,酸化体など)   c)凝集物

Page 6: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

64

い,直接結合した放射活性を測定する,あるいは非標識抗体医薬品との競合により,結合性を評価する。また,抗体医薬品に蛍光標識体を結合させ,フローサイトメトリーにより,抗体の結合を検出することもできる。

②�培養細胞等を用いた機能評価試験

 機能評価試験では,抗原抗体反応による抗原物質の生理機能への働きかけが,どのような生体反応を引き起こすかを評価するものである。抗体医薬品や抗原の特性,期待される臨床的効果等を考慮した試験系を設定する必要がある。 ・ 中和活性試験:サイトカイン,増殖因子あるいはこれらに対する受容体を標的とする抗

体医薬品の場合,これら物質の細胞に対する作用の抑制効果を評価することとなり,その指標としては,細胞増殖や細胞傷害性が用いられる。また,抗ウイルス抗体医薬品の場合には,標的ウイルスによる被感染細胞の細胞変性作用やプラーク形成阻害作用を指標として評価を行うことが可能である。

 ・ 抗体依存性細胞傷害(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity:ADCC)活性:ADCC 活性とは,抗体医薬品が標的細胞に結合し,抗体 Fc 部を介し,Fc 受容体を保有するエフェクター細胞が,標的細胞に対して細胞傷害性を発揮するものである。エフェクター細胞としてはナチュラルキラー細胞,顆粒球,マクロファージがある。標的細胞に抗体医薬品を反応させた後に,エフェクター細胞を加え,細胞破壊により上清中に遊離したプロテアーゼ(例:カスパーゼ)や代謝酵素(例:乳酸脱水素酵素 LDH)を測定する方法や,あらかじめ Calcein-AM のような蛍光物質で標識した標的細胞を用いて細胞破壊により分泌された蛍光強度を測定することで評価を行うことができる(図 5-16)。

 ・ 補 体 依 存 性 細 胞 傷 害(Complement-Dependent Cytotoxicity : CDC) 活 性: 図 5-16 ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性測定法の例 7)

死んだ癌細胞

死んだ細胞特有のプロテアーゼ

死んだ細胞由来の「プロテアーゼ」を発光で検出

抗体医薬ヒトリンパ球ヒト癌細胞株

混合

ヒトがん細胞株

死んだがん細胞

図 5-15 表面プラズモン共鳴

GEヘルスケア・ジャパンHPより

特異的結合の確認 直接測定法によるKDの算出

Page 7: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

93

はじめに

 生物薬品の多くは,ヒトまたは動物の組織,体液等を原材料または起源としており,その製造過程でも,材料や添加剤として生物由来の物質を使用することがあるため,ウイルスやマイコプラズマに汚染される可能性について十分な対策が必要である。このため,ICH(医薬品規制国際調和会議)や厚生労働省,規制当局などから,対策を示したガイドラインが出されている1~6)。 ウイルスへの対策として基本となる考え方は,ICH Q5Aガイドラインである医薬審第329号通知「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」に端的に書かれてある7, 8)。・ ヒトに対して感染性や病原性を示す可能性のあるウイルスの存在を否定するために,細胞株,

その他培地成分を含む原材料を選択し,試験すること。・製造工程の感染性ウイルス不活化/除去能力を評価すること。・製造工程の適切な段階において,製品の感染性ウイルス否定試験を行うこと。 すなわち,原材料を吟味し試験すること,製造工程に不活化や除去能力を持たせること,製品の試験をすることである。このようにウイルスへの対策を多重的に講じることで,混入リスクを極限まで低下させることを狙っている。ウイルスの不活化や除去能力の評価方法は前章で詳しく述べ,本章では「ウイルス・マイコプラズマ否定試験」について概説する。特にマイコプラズマは,培養細胞に感染する事例が多いことから,培養や染色による否定試験に加えて,第十七改正日本薬局方で大幅に改正された核酸検出法も紹介する。 なお,本章では日本薬局方等に従い「否定試験」という語を使用しているが,検出限界のある定められた試験法で検出されないことを確認する試験であり,微生物が存在しないことを保証する試験法ではないことに留意する必要がある。

1.生物薬品のウイルス汚染・マイコプラズマ汚染について

 ウイルスは細菌や真菌等の微生物よりも小さく,その検出が難しいことから,過去には血液製剤にヒト免疫不全ウイルス(HIV),肝炎ウイルス(HBV,HCV)が混入した事例もあった。現在ではウイルス汚染への対策が進み,ウイルス検出システムも大幅に改善されたため,安全性は飛躍的に向上している。また,組換えタンパク質等のいわゆるバイオ医薬品では,これまでのところ健康被害を生じた事例はない。しかし,1990年代にはGenentech社の製造施設において,二度にわたる大規模なMinute Virus of Mice (MVM)汚染事故が発生し9),2009年

7 章

ウイルス・マイコプラズマ否定試験

Page 8: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

157

はじめに

 ワクチン(予防接種)は,天然痘の根絶をはじめ,ポリオ,百日咳,ジフテリア,麻しんの流行抑制など,多くの感染症のコントロールに大きな成果をあげてきた。感染症が蔓延し,多くの患者が発生していた時代はもはや過去のものとなったが,一方で特にわが国では,まれに起こるワクチンの副反応のみがクローズアップされ,ワクチンの有用性・重要性がともすれば軽視される時期もあった。ところが,1997年の高病原性トリインフルエンザによるヒト感染,2002年から2003年にかけて起こったSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス感染,そして2009年春に世界を震撼させた新型インフルエンザなどが契機となり,予防医学,特にワクチンへの関心が高まり,国内でも大手製薬会社がワクチン開発に参入を始めた。古い世代から見ると,最近のワクチンへの関心の高まりは隔世の感がある。

10 章

ワクチン

表10-1 日本で接種可能なワクチン

定期接種

生ワクチン

BCG麻しん風しん混合(MR)麻しん(はしか)風しん水痘

不活化ワクチン

DPT-IPV,DPT,DT日本脳炎インフルエンザ(65歳以上,一部60~64歳の対象者)肺炎球菌(13価結合型, 23価多糖体)インフルエンザ菌b型(Hib)HPV(2価, 4価)

任意接種

生ワクチンおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)黄熱ロタウイルス(1価, 15価)

不活化ワクチン

B型肝炎(2016年10月より定期接種化の予定)インフルエンザ破傷風トキソイドジフテリアトキソイドA型肝炎狂犬病髄膜炎菌(4価)

国家事業

生ワクチン 痘そうワクチン

不活化ワクチン

沈降インフルエンザワクチン(H5N1)乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(H5N1)沈降細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1)細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1)

DPT : 百日咳・ジフテリア・破傷風混合,IPV : 不活化ポリオ,HPV : ヒトパピローマウイルス国立感染症研究所 感染症疫学センター HPを一部改変(2015年5月現在)。

Page 9: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

166

るインフルエンザワクチンの基本的な製法は現在も変わっていない。図10-2に,このエーテルスプリット型インフルエンザワクチンの製造方法の流れを示す。

①ワクチン株の選定 インフルエンザワクチンの有効性を確保する上で,流行ウイルスとワクチン株との抗原性を合致させることが重要である。WHOは,世界各国のインフルエンザセンターから流行情報を集めるとともに,分離ウイルスをWHOインフルエンザ協力センターに送付して詳細な抗原解析と遺伝子解析,およびヒト血清中の抗体との反応性などを考慮し,次シーズンの流行ウイルスを予測してワクチン推奨株を決定している。わが国では,国立感染症研究所内にインフルエンザウイルス研究センターがあり,そこに国内の地方衛生研究所などで分離されたウイルスが集められ,抗原解析や遺伝子解析などを行い,またWHOから提供された情報も参考にして,日本独自のワクチン株を選定している。表10-6に,1990年からの日本におけるインフルエンザワクチン製造株の変遷を示す。A型はH1N1とH3N2からそれぞれ1株ずつ,B型はYamagata系統あるいはVictoria系統より1株(3価)または2株(4価)が選択されている。H1N1については,2009年のパンデミック後のシーズン(2010/2011)から,パンデミックを起こした株に変更されている。B型については,永らく山形系統あるいはビクトリア系統のいずれかが流行するパターンであったが,最近は2つの系統が混在して流行する傾向があり,WHOは2013/2014シーズンからB型について2株を推奨している。米国では2013/2014シーズンから3価ワクチンと並行して4価ワクチンの供給が始まっており,日本では,2015/2016シーズンから4価ワクチンへの変更が行われた。

採液

精製工程

ウイルス液単株原液

H1N1株原液H3N2株原液

B株原液

小分け

国家検定

最終バルク ラベル・包装

ニワトリ 発育鶏卵 培養 冷却

出荷

ウイルス接種

図10-2 インフルエンザHAワクチンの製造方法と検定・出荷

Page 10: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

205

はじめに

 第11章でも述べたように,抗体医薬品を含むバイオ医薬品は,自己免疫疾患やがんなどの治療が難しかった疾患領域で,これまでになかった著しい効果をもたらしている。 しかしながらバイオ医薬品には高額な薬価のものも多く,医療費の負担は増す傾向にある。そのため,より安価なバイオ医薬品を提供する狙いから,特許切れのバイオ医薬品に対する後続の医薬品,いわゆる『バイオ後続品』への期待が高い。2006年には欧州でホルモン類のバイオ後続品が登場し始め,徐々に承認品目が増えている。そして2015年前後からは各国で大型バイオ医薬品の特許切れが相次ぐため,それらの後続品の開発が進められており,今後申請・承認される見通しである。 本章ではこれから市場の成長が見込まれているバイオ後続品について,日・欧・米の三極の規制動向なども含めて概説する。

1.バイオ後続品とは

 わが国におけるバイオ後続品の定義は,2009年3月4日に当局より示された「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」(薬食審査発第0304007号)において,「国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質,安全性,有効性を有する医薬品として,異なる製造販売業者により開発される医薬品」とされている。 また,同日に通知された「バイオ後続品の承認申請について」(薬食発第0304004号)では,

『バイオ後続品』が医薬品申請における新規の区分「1-(7)」として設定されており,これによりバイオ後続品は低分子の後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは異なるカテゴリーとして取り扱われることになった。 バイオ後続品を示す用語としては,各国で統一されておらず,下記のようなものが用いられている。・日本:バイオ後続品(Follow-on Biologics)・欧州:Similar Biological Medicinal Products(SBMPs)・米国:Biosimilar,Interchangeable ・カナダ:Subsequent Entry Biologics(SEBs)・WHO:Similar Biotherapeutic Products(SBPs) 他にも, Follow-on Biological Products,Follow-on Protein Productsといった名称が用いら

12 章

バイオ後続品/バイオシミラー

Page 11: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

215

 本章では,第Ⅰ項で日本における再生医療の歴史と現状,法体系,再生医療等製品の特徴を踏まえた品質管理の考え方を概説し,あわせて国内外で承認された7つの製品について,安全性,有効性確保の観点より審査報告書を中心に調査・分析した結果を紹介する。第Ⅱ項では,遺伝子治療や腫瘍溶解療法に用いるウイルス製剤につき,欧米で承認された3つの製品の概要を紹介し,あわせて開発動向にも触れる。ウイルス製剤は,現在のところ「再生医療等製品」に分類されている。

 Ⅰ 再生医療等製品

はじめに

 日本における再生医療は,山中伸弥博士がiPS細胞を作り出すことに成功した2007年以降,多くの医療機関や企業が参入を始めており,2030年には,周辺産業を含めた国内市場が1兆円に達することが予測されるなど,大きな期待が寄せられている。今後,再生医療がもたらす医学の進歩と経済的利益が注目を集める一方で,再生医療等製品には同種細胞による免疫原性や,iPS細胞等による造腫瘍性,さらには原材料として使用される細胞や動物由来血清などによるウイルス等の感染リスクが懸念されており,品質と安全性を確保することが重要である。 本項では,1. で日本における再生医療の歴史と現状を踏まえた上で,再生医療等製品を開発・製造する際に押さえておくべき法体系,承認制度,ガイドライン,再生医療等製品の特徴を踏まえた品質管理の考え方,重要な品質指標であるPotency Assayについて概説する。2. では,国内外で承認された7つの再生医療等製品の審査報告書等について,安全性,有効性確保の観点から日本PDA製薬学会バイオウイルス委員会が調査・分析した結果を紹介する。

1.日本における再生医療の歴史と現状 1)

 再生医療の産業化の幕開けは,1987年に自家培養表皮「Epicel」が世界初の組織利用製剤として米国でFDAの承認を受けたことで始まったと考えられている。1997年には同種培養軟骨がFDAから承認を受け,医療技術としての再生医療の下地が作られた(表13-1)。その後,米国,欧州,韓国などの諸外国において再生医療製品の開発が加速し,承認済みおよび治験中の品目数は,米国の97品目,欧州の62品目,韓国の45品目(2014年時点)があるものの,日本は6品目と開発が遅れているのが現状である。この6品目の内訳を見ると,既承認のものとして自家培養表皮「ジェイス」(2007年承認),自家培養軟骨「ジャック」(2012年承認),白血病性

13 章

再生医療等製品

Page 12: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

220

て,製造工程の開発における管理でプロセスバリデーションの実施が困難な場合,ベリフィケーションにより品質を確保する手法がGCTP省令には規定されている。ベリフィケーションは,期待される製品品質に影響を与えうる変動要因およびその品質リスクの特定を,製造販売する製品の製造ごとに確認することであり,単なる品質試験の結果の確認ではなく,製造管理や品質管理の方法により期待されている結果が得られていることを確認することが必要である。したがって,原料等の品質工程パラメーターおよび工程内管理試験も含めた総合的な確認と理解すべきであり,製造と並行して行っていくものである。この手法を採用する場合の留意点は「再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準等に関する質疑応答集(その2), 薬食監麻発0728第4号」で詳しく示されている。承認前のGCTP調査までに管理戦略,製造設備機器の適格性評価,分析法バリデーションおよび製造設備機器の洗浄バリ

再生医療関連法令GCTP省令

補足,解説

「GCTP概説」第1回,第2回「PMDAの再生医療等製品/特定細胞加工物の調査について」

(Pharm Tech Japan 31, 1083-, 1917-2015)

基本的考え方(科学委員会の提言)「再生医療等製品の品質確保における基本の考え方に関する提言」科学委員会CPC専門部会

Q&A その1(事務連絡)再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準等に関する質疑応答集(Q&A)について 薬食監麻発0317第1号

Q&A その2(事務連絡)再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準等に関する質疑応答集(Q&A)について(その2) 薬食監麻発0728第4号

図13-7 GCTPによる再生医療の品質確保

製品品質の照査

設備・機器等のリバリデーション

知識管理

出典:再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準等に関する質疑応答集(Q&A)について(その2),薬食監麻発0728第4号

プロセスバリデーションのレポート

ベリフィケーションマスタープラン

品質システム

設備機器適格性評価(DQ, IQ, OQ, PQ)分析法バリデーション洗浄バリデーション

管理戦略・出荷試験・工程内管理試験・製造操作パラメーター 等

品質管理監督システムの維持・管理

ベリフィケーション採用時の時系列

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

ベリフィケーション

定期のGCTP調査

製造販売承認又は条件及び期限付き承認

承認前のGCTP調査

図13-6 再生医療等製品のベリフィケーションの概念図

Page 13: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

257

はじめに

 製薬企業にとって,開発パイプラインを充実させ,それらの候補品をより短期間に上市し,高品質の医薬品を安定的に供給することは,大きな使命の1つ1)であり,株主や患者をはじめとするステークホルダー(利害関係者)に対して企業の将来性や社会貢献度を示すためにも重要である。本章で紹介するシングルユース技術は,この一連のプロセスの中で,基礎研究段階で発見した候補品を,前臨床,および臨床試験,そして商用生産のステージに迅速にあげていくことに貢献する技術として主に認識され,2000年代初頭から急速に広がった。 特にバイオ医薬品の開発,製造工程ではその普及が顕著である。当初のシングルユースシステムが使用される工程は,バッファー保管や培地保管等に限られ,製品に影響を及ぼすリスクが比較的少ない工程に導入されていた。しかし最近では,培養工程や精製工程にも導入が進み,製剤工程でも使用されるケースが出てきている。 シングルユース技術が導入される医薬品の開発ステージにおいても,研究開発段階の非GMP製造から,実製造を考慮するGMP製造へと適用範囲を広げているとともに,既存の製造ラインへの導入も行われている2)。このように短期間で広がりを見せた背景として,シングルユース技術に関わる会議や,シンポジウムも国内外で数多く開催され,この技術に関わる記事も業界紙に頻繁に掲載されたこと,シングルユース技術に特化したコンセンサスガイドや,ホワイトペーパーが関連団体から相次いで発表されたことにより(第1項参照),業界の中

(ユーザー,サプライヤー,規制当局側等)で,この技術に対する理解がより深まったこと,また,サプライヤー側で新製品や,新アプリケーションに対する開発が活発に行われ,培養工程から精製工程および製剤工程まで,さまざまな用途で使用できるシングルユース製品が上市されてきたことが主な要因として考えられる。本章では,シングルユース技術の概要や用途例を紹介し,その特徴,評価方法,リスク管理に加え,ユーザーの観点も交えて概説する。

1.シングルユースの定義と関係する業界団体

 シングルユースシステムの概要を述べるにあたって,「シングルユースシステムを用いて製造されるバイオ医薬品の品質確保に関する提言」3)を参考に,本章でのいくつかの用語の定義を以下に示す。●シングルユース製品:使用回数が1回(単回使用)である製品。本章では,バイオ医薬品や

ワクチン等の製造に用いられるプラスチック製のバッグ,フィルター,チューブ,コネク

14 章

シングルユース技術

Page 14: バイオ医薬品 ハンドブック - jiho...バイオ医薬品 ハンドブック Biologicsの 製造から品質管理まで 編集 日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会

263

シングルユース技術 第 14 章

 ・エンドトキシン,微粒子試験, 異物目視検査 ・Extractables評価試験 ・液排出試験

(2)�無菌接続コネクター/無菌ディスコネクターおよびチューブウェルター/チューブシーラー

 無菌接続コネクターが開発され,評価検討,導入されるまでには数年を要したが,現在では複数のサプライヤーから提供され,これまで以上に利便性が高まっており,多くの用途で採用されている(図14-2B)。 無菌接続コネクターは,乾燥した状態にある2種類の流路を無菌的に接続するデバイスである。従来の無菌的な接続方法は,接続する環境(清浄度)への配慮を必要とするなど,作業者の熟練度に大きく依存する操作のため,誤操作や接続に要する時間などで汚染リスクが高いことが認識されていた。現在発売されている無菌接続コネクターは,操作が容易で作業者の熟練度に依存する部分が少なく,より短時間に無菌接続できる。また,オートクレーブ滅菌やガンマ線滅菌に対応しており,ユーザー側でシングルユースシステムを組み立ててオートクレーブ滅菌後に使用したり,サプライヤー側で組み立て,ガンマ線滅菌後にユーザーに納入されたシングルユースシステムを使用するという,柔軟な使い方が可能である。そのため,シングルユースシステムを採用されているユーザーのほとんどは実際に使用経験があるだろう。使用されている代表的な用途としては,サンプリングライン,調製した培地,バッファーなどの移送,ろ過滅菌した製品の移送,原薬バルクから製剤ラインへの移送など,プロセスの上流から下流までさまざまである。 サプライヤー各社では,無菌接続コネクターの評価試験を行い,その結果を「バリデーションガイド」や「バリデーションサポートファイル」等といわれるドキュメントパッケージにまとめ,ユーザーに提供している。試験内容は,前述のように標準化された基準がないことから,サプライヤーにより方法は異なる部分がある。一般的な評価内容としては以下のものがある9)。 ・破裂試験(バーストテスト) ・クリープラプチャー試験 ・引張強度試験 ・機能試験(意図的汚染試験) ・密閉性試験 ・流量特性試験 ・Extractables試験 ・保管期間試験 ・オートクレーブ試験 ・生物学的安全性試験 また,同様の機能を果たす製品として,チューブウェルダー

(a)Kleenpak™ Sterile Connector

(b)Lynx® S2S Connector

(c)Opta® SFT Sterile Connector

図14-2B 無菌コネクター