fss2012(m2 大木基至)_12.09.12
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決定ルールの結論への部分条件の影響度の考察
大阪大学大学院 基礎工学研究科大木基至 乾口雅弘
2012.09.12 第 28 回 ファジィシステムシンポジウム 2012
Measuring the Effect of Conditions to the Conclusion in a Decision Rule
Inuiguchi Lab.
2012. 0 9.12 第 28 回 FSS2012 大木基至・乾口雅弘 2/24
00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
Inuiguchi Lab.
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00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
Inuiguchi Lab.
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サンプル カラー ドアの数 タイプ … 選好s1 (a1)色彩系 (b1)2ドア (c1)スポーツ (1)好きs2 (a2)白黒系 (b1)2ドア (c2)セダン (2)どちらでもないs3 (a1)色彩系 (b2)4ドア (c3)コンパクト (2)どちらでもないs4 (a2)白黒系 (b1)2ドア (c1)スポーツ (1)好きs5 (a2)白黒系 (b2)4ドア (c3)コンパクト (2)どちらでもないs6 (a1)色彩系 (b1)2ドア (c2)セダン (1)好き…
01. はじめに
背景•決定ルール( if-then ルール)の実問題への応用が盛んに行われている。
決定ルール:スポーツタイプ (c1) なら好き (1)色彩系 (a1) かつセダンタイプ (c2) なら好き (1)
決定表(自動車のアンケートデータ)
条件部 結論部
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01. はじめに
問題点•データが大きくなるにつれて 膨大な数の決定ルールが抽出
– 決定ルール選定のための 定量的な指標が必要
解決策•決定ルールの評価のための Interestingness Measure
– 条件部が結論部を推定するのに どの程度有用かを測る指標
決定ルールの抽出結果の一例
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01. はじめに
Interestingness Measure の従来研究
本研究の目的:①部分条件の影響度の定式化
条件部 結論部
∧ ∧E1 E2 E3 H=1
• すべての基本条件の連言がどの程度有用かを測る指標は多く提案されている
基本条件
部分条件
×E1 E3
結論部
H=1
基本条件
E1
結論部
H=1
本研究の目的:②2つの基本条件の結合影響度の定式化- 組み合わさることにどれだけ相乗効果があるか
部分条件
×E1 E3
結論部
H=1
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00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
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02. 決定ルールと確証性指標
決定ルールの記述
決定ルール E → H の分割表
E :条件部、 H :結論部
分割表•決定ルールの分析を行う際に用いる 2×2 の表• :条件部 E を満たす対象の数
:基本条件
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02. 決定ルールと確証性指標
確証性指標( Confirmation Measure [B. Fitelson, 2001] )•Interestingness Measure の1つ•確証性指標 c(E,H) は以下の性質が成り立つ
結論 H を満たす対象の割合: P(H)条件 E を満たす対象の中で結論 H を満たす対象の割合: P(H|E)
P(H|E) > P(H) なら、条件 E が結論 H を満たす可能性を高める効果があると考えれる。
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00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)
03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
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03. 部分条件の影響度
部分条件の影響度の定式化• :決定ルール E→ H の評価値• :決定ルール E→ H の任意個の基本条件の連言
S の影響度を以下と定義する
Eff(r,S) の値が大きいほど、決定ルール E→ H におけるS の重要性が高いことを意味する。
上記の影響度が満たすべき性質を考え、評価値 f の導出を考える。
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03. 影響度が満たすべき性質
性質1 . 影響度 Eff は以下を満たすことが望ましい
E \S
H
部分条件 S を追加することで、決定ルールの正確性が増す ⇔ 影響度は正の値を取る
S を追加
影響度が正の値を取るときのイメージ図
E H
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03. 影響度が満たすべき性質
性質2 . 影響度 Eff は以下を満たすことが望ましい
S を追加
影響度が正の値を取るときのイメージ図
部分条件 S を追加することで、条件部が結論をより特徴付ける ⇔ 影響度は正の値を取る
E \S
H E H
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03. 影響度が満たすべき性質
性質 1 と性質 2 が両立する条件
と が等価であり、
と が等価でなければならない。
が成り立つときのみ上記を満たす
性質1と性質2を緩めた条件を考える。
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03. 影響度が満たすべき性質
性質3 . 影響度 Eff は以下を満たすことが望ましい
性質4 . 影響度 Eff は以下を満たすことが望ましい
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03. 評価値 f の導出
評価値 f •影響度 Eff が性質 3 と 4 を満たすとする。
影響度が正である場合、
評価値 f は確証性指標の 1 つとして導出できる
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03. 2 条件の結合影響度
決定ルール条件部の 2 つの基本条件の結合影響度• と の影響度が小さく、 の影響度が大きい ほど、相乗効果があると考えられる
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03. 総合影響度と総合結合影響度
• 決定ルール集合内での影響度と結合影響度を考える。
:決定ルールの集合
:決定クラス であるルールの集合
総合影響度
部分条件 S の影響度の総和
総合結合影響度
2 つの基本条件の結合影響度の総和
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00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
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04. 評価実験
概要•24 種のデジタルカメラについての購買意欲の調査
– 被験者 3 名にアンケートを実施– 条件属性 7項目、条件属性値 16項目– 決定クラス1:買いたい、決定クラス2:買いたくない
• 決定ルール抽出アルゴリズム:決定行列法– ある被験者から抽出された決定ルール数: 39 個
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分析結果1:基本条件の総合影響度•決定クラス 1,2 の上位 3 つの基本条件と総合影響度
04. 評価実験の分析結果
考察•購買意欲は形状が直線的か曲線的かに依存している
被験者に好まれた製品の一例
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04. 評価実験の分析結果
分析結果 2 :1つの決定ルールの影響度と結合影響度•「正面の形状が直線的 (e1)」かつ「フラッシュの位置が片隅 (e2)」かつ「側面の形状が直線的 (e3)」なら「買いたい」
考察•個々の基本条件の影響度は小さい•e1 と e3 のペアの影響度と結合影響が比較的高い
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00. 目次
01. はじめに02. 決定ルールと確証性指標 (Confirmation Measure)03. 部分条件の影響度と結合影響度04. 使用例05. おわりに
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05. おわりに
結論•決定ルールを構成する部分条件の影響度と結合影響度の定式化を行った。•影響度が満たすべき性質を述べ、それを満たす 1 つの評価指標を提案した。•評価実験を通じて、影響度による分析を行った。
今後の課題•影響度が満たすべき性質を考案し、影響度を改訂する。•3つ以上の基本条件による結合影響度を定義する。•他の指標との比較実験を行い、有用性を検証する。
ご静聴ありがとうございました
大阪大学大学院 基礎工学研究科大木基至 乾口雅弘
2012.09.12 第 28 回 ファジィシステムシンポジウム 2012
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00. 影響度が満たすべき性質
決定ルール E/S → H の分割表
決定ルール E → H の分割表
次の条件が成り立つ。
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2012. 0 9.12 第 28 回 FSS2012 大木基至・乾口雅弘 27/24
00. 性質 3, 4 を満たす他の評価値 f
Confirmation Measure