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The Birthday FUJI ROCK FESTIVAL 11 への出演が発表された5月頃から、私がレ ジデント DJ を務めているロック・バー“新宿 ROLLING STONE”でも、 INCUBUS のリクエストを多く頂くようになってきた。この5年間、 ほぼ活動休止状態にあった INCUBUS が、新作を引っ提げようやく シーンに復帰したとのニュースはファンの一人としてとても喜ば しいことであるが、興味深いのは、そのリクエストのほとんどが バンドの代表作と言われている2nd アルバム『Make Yourself』 (99 年)でも3rdアルバム『Morning View』(01 年)でも、まし てやミクスチャー・ロック全開だったデビュー・アルバム 『S.C.I.E.N.C.E.』(97年)でもなく、初期の音楽性から大きく離脱し た5th アルバム『Light Grenades』 (06 年)ばかりであるという点だ。 そう、91 年に結成したカリフォルニア出身の5ピース・バンド INCUBUS が、ラウド・ロック/ミクスチャーのカテゴリで語られ ていたのは、もう遥か昔の話だ。4th アルバム『A Crow Left Of The Murder』(04年)の頃からオルタナティヴ・ロックへと大き く舵を取っているが、今では一ロック・バンドとしてすっかり世 間に認知されているのだと改めて痛感している。 INCUBUS には、二つとして同じアルバム はない。作品ごとに 必ず良い意味での裏切りがあるのだ。前作『Light Grenades』 から5年振りに届けられたニュー・アルバム『If Not Now, When?』でもやはり、これまでにない新たなサウンドを開拓して いる。 フロントマン Brandon Boyd(Vo)の言葉を借りると、今作は “ロ マンチックで豊かな音のラブレター”。彼らしい洒落た表現だが、 まさしくその通りである。 アルバム・タイトルにもなっている冒頭の「If Not Now,When?」を はじめ「Friends And Lovers」「Thieves」と、ドラマティックでスロウ なナンバーがずらり。どれをとっても幸福感と開放感に溢れ、ヴォー カルもサウンドも実に伸び伸びとしている。INCUBUSらしいテクニ カルな手法も伺えるが、決してハードではなく、全てを優雅な音の 響きに変えている。また、 「Promises, Promises」のような良質なポッ プ・ソングの中に、ひとつだけテイストの異なる「Switch Blade」 が配置されているのも面白い。“ 端正な初期のレッチリ” なんて例 えたくなるような軽快なナンバーなのだが、なるほど、現在の INCUBUS のアグレッションはこういう風に表現されるのかと妙に 頷ける一曲だ。アコースティック・ギターのメランコリックなイ ントロからダイナミックなバンド・セッションへと展開する「In The Company Of Wolves」は7分半にも及ぶ大作で、こちらも聴 き所のひとつ。「Tomorrow’ s Food」はアンビエントで美しいア ウトロが深い余韻を残すなど、アルバムのラストを飾るに相応し い一曲だ。温かな空気に包まれた一枚である。これは FUJI ROCK のステージでもきっと映えるであろう。INCUBUS の中で最もスロ ウで優しいアプローチのアルバムであり、感触としてはエネルギッ シュだった前作『Light Grenades』と対極にあるアルバム、と言 えるかもしれない。 「曲がりくねった路をいくつもの風景や多様な地形を経て散策し てきた。そう、身体は痛いし足は疲れ、靴には穴があいているし シャツを脱いでも昔のようにはキマらない。だからといって歩く のをやめるわけじゃないんだ」(Brandon Boyd) 結成から数えると、早 20 年が経過する。かつてドレッドヘアに 半裸の姿でジャンベを打ち鳴らすような野性児だった Brandon に未だ懐かしく思いを馳せるファンの方々にも、現在のバンドの ありのままの姿、そして今作『If Not Now,When?』は眩しく映る に違いない。(MAY-E) Fungus Amongus (95年) [ 自主制作 ] S.C.I.E.N.C.E. (97年) [1st Album] Make Yourself (99年) [2nd Album] Morning View (01年 ) [3rd Album] A Crow Left Of The Murder... (04年) [4th Album] Light Grenades (06 年) [5th Album] Monuments And Melodies ( 09 年 ) [Best Album] グレイテスト・ヒッツ&レア・トラック集 未発表新曲、未発表レア、 プリンスのカヴァーなど全 31 曲収録 Discography - INCUBUS の過去作をおさらい!- NEW ALBUM ! ! INCUBUS 『 If Not Now, When?』 [SONY MUSIC JAPAN] 2011.7. 6 ON SALE EICP-1459 ¥2,520( 税込 ) ■日本盤のみボーナス・トラック 5 曲 ■Brandon Boyd(Vo) のライナー日本語訳 ■全曲の歌詞・対訳つき FUJI ROCK FESTIVAL '11 2011 年 7 月 29 日(金) / 30 日(土) / 31 日(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場 ■FUJI ROCK FESTIVAL '11 オフィシャルサイト http://www.fujirockfestival.com/ FUJI ROCK来 日決 定!!

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  • The Birthday

    FUJI ROCK FESTIVAL 11 への出演が発表された5月頃から、私がレ

    ジデント DJ を務めているロック・バー“新宿 ROLLING STONE”でも、

    INCUBUSのリクエストを多く頂くようになってきた。この5年間、

    ほぼ活動休止状態にあった INCUBUS が、新作を引っ提げようやく

    シーンに復帰したとのニュースはファンの一人としてとても喜ば

    しいことであるが、興味深いのは、そのリクエストのほとんどが

    バンドの代表作と言われている2nd アルバム『Make Yourself』

    (99 年)でも3rd アルバム『Morning View』(01 年)でも、まし

    てやミクスチャー・ロック全開だったデビュー・アルバム

    『S.C.I.E.N.C.E.』(97 年)でもなく、初期の音楽性から大きく離脱し

    た5thアルバム『Light Grenades』(06年)ばかりであるという点だ。

    そう、91 年に結成したカリフォルニア出身の5ピース・バンド

    INCUBUS が、ラウド・ロック/ミクスチャーのカテゴリで語られ

    ていたのは、もう遥か昔の話だ。4th アルバム『A Crow Left Of

    The Murder』(04 年)の頃からオルタナティヴ・ロックへと大き

    く舵を取っているが、今では一ロック・バンドとしてすっかり世

    間に認知されているのだと改めて痛感している。

    INCUBUS には、二つとして同じアルバムはない。作品ごとに

    必ず良い意味での裏切りがあるのだ。前作『Light Grenades』

    から5年振りに届けられたニュー・アルバム『If Not Now,

    When?』でもやはり、これまでにない新たなサウンドを開拓して

    いる。

    フロントマン Brandon Boyd(Vo)の言葉を借りると、今作は “ロ

    マンチックで豊かな音のラブレター”。彼らしい洒落た表現だが、

    まさしくその通りである。

    アルバム・タイトルにもなっている冒頭の「If Not Now,When?」を

    はじめ「Friends And Lovers」「Thieves」と、ドラマティックでスロウ

    なナンバーがずらり。どれをとっても幸福感と開放感に溢れ、ヴォー

    カルもサウンドも実に伸び伸びとしている。INCUBUSらしいテクニ

    カルな手法も伺えるが、決してハードではなく、全てを優雅な音の

    響きに変えている。また、「Promises, Promises」のような良質なポッ

    プ・ソングの中に、ひとつだけテイストの異なる「Switch Blade」

    が配置されているのも面白い。“端正な初期のレッチリ” なんて例

    えたくなるような軽快なナンバーなのだが、なるほど、現在の

    INCUBUS のアグレッションはこういう風に表現されるのかと妙に

    頷ける一曲だ。アコースティック・ギターのメランコリックなイ

    ントロからダイナミックなバンド・セッションへと展開する「In

    The Company Of Wolves」は7分半にも及ぶ大作で、こちらも聴

    き所のひとつ。「Tomorrow’ s Food」はアンビエントで美しいア

    ウトロが深い余韻を残すなど、アルバムのラストを飾るに相応し

    い一曲だ。温かな空気に包まれた一枚である。これは FUJI ROCK

    のステージでもきっと映えるであろう。INCUBUS の中で最もスロ

    ウで優しいアプローチのアルバムであり、感触としてはエネルギッ

    シュだった前作『Light Grenades』と対極にあるアルバム、と言

    えるかもしれない。

    「曲がりくねった路をいくつもの風景や多様な地形を経て散策し

    てきた。そう、身体は痛いし足は疲れ、靴には穴があいているし

    シャツを脱いでも昔のようにはキマらない。だからといって歩く

    のをやめるわけじゃないんだ」(Brandon Boyd)

    結成から数えると、早 20 年が経過する。かつてドレッドヘアに

    半裸の姿でジャンベを打ち鳴らすような野性児だった Brandon

    に未だ懐かしく思いを馳せるファンの方々にも、現在のバンドの

    ありのままの姿、そして今作『If Not Now,When?』は眩しく映る

    に違いない。(MAY-E)

    Fungus Amongus (95年)[ 自主制作 ]

    S.C. I.E.N.C.E. (97年)[1st Album]

    Make Yourself (99年)[2nd Album]

    Morning View (01年 )[3rd Album]

    A Crow Left Of The Murder... (04年)[4th Album]

    Light Grenades (06年)[5th Album]

    Monuments And Melodies (09 年 )[Best Album]

    グレイテスト・ヒッツ&レア・トラック集未発表新曲、未発表レア、プリンスのカヴァーなど全 31 曲収録

    Discography- INCUBUSの過去作をおさらい! -

    NEW ALBUM ! !INCUBUS 『 If Not Now, When?』[SONY MUSIC JAPAN]

    2011.7. 6 ON SALE

    EICP-1459 ¥2,520( 税込 )

    ■日本盤のみボーナス・トラック 5 曲

    ■Brandon Boyd(Vo) のライナー日本語訳

    ■全曲の歌詞・対訳つき

    FUJI ROCK FESTIVAL '112011 年 7月 29 日(金) / 30 日(土) / 31 日(日)新潟県 湯沢町 苗場スキー場

    ■FUJI ROCK FESTIVAL '11 オフィシャルサイトhttp://www.fujirockfestival.com/

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