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ブリティツシュ・コロンビア州マラスピナ大学において、約3週間にわたる、ホームステ イのプログラムを実施している。そして、台湾の研修の場合には地域研究Ⅱの単位として 2単位を、カナダの英語研修にあたっては英語Ⅲの単位として2単位を、それぞれ認定す るなどの工夫がなされている。 第三に、多様化する学生への対策について積極的に取り組んでいる。経済的不況、少子 化、大学の大衆化等を背景に、本学でも、学力低下、学習意欲の低下、就職意欲の欠如と いった状況が見られる。本学では、導入教育の一環として、「基礎演習Ⅰ」を必修科目に指 定し、少人数で、学生に「読み・書き・話す」能力を修得させるためのプログラムを実施 している。 (2)点検と評価 本学の実務教育を重視する視点からして、実務教育を直接目的とする実務演習科目の設 置あるいは実務経験を有する教員による授業を積極的に取り入れている点は、評価に値す る。実務経験のある教員とそうでない教員の間には、教育内容・方法について見解の相違 も見受けられ、調整が必要である。また、実務経験のある教員の配属が法ビジネス学科に 偏りすぎている点についても検討を要する。 台湾研修のプログラムは、開学以来毎年継続して実施されているが、学生からも好評で あり、卒業生が台湾の大学に留学する成果ももたらしている。英語のホームステイ・プロ グラムも、開学以来実施されているが、受け入れ先であるマラスピナ大学とは良好な関係 が築かれており、学生の能力に応じた適切な指導がなされている。 (3)将来の改善・向上に向けた方策 実務教育を重視する観点から、実務演習Ⅰ~Ⅳを設置しているが、その内容について、 常に目的にかなうかどうかの検討がなされるべきである。また、法ビジネス学科において、 実務経験を積んだ教員の割合は高くなっているが、法政学科においても、今後、学部にお ける法学教育及び法科大学院への進学対策等に鑑み、判事・検事・弁護士などの実務経験 を有する教員の配属を検討する必要がある。何れにしても、実際社会における実務経験を 積んできた教員と学問分野において研鑽を積んできた教員の間において、教育内容・方法 について同一の方向性を共有するように努めなければならない。 海外研修については、今後も従来の台湾・カナダ研修を継続するとともに、欧米、ロシ アなどその他の地域での研修についても積極的に取り組むべきである。 多様化する学生の問題については、現在「基礎演習Ⅰ」あるいはFOC(新入生を対象 とした一泊の研修)などで対応しているが、今後本格的な対策の検討がなされなければな らない。具体的には、カリキュラムの改革を含め、積極的に学ぶ姿勢に乏しい学生の動機 づけの研究、教職員の意識の改革と能力の開発等についての検討が必要である。 4 教育課程全体について (1) 教育課程全体の点検と評価 21

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ブリティツシュ・コロンビア州マラスピナ大学において、約3週間にわたる、ホームステ

イのプログラムを実施している。そして、台湾の研修の場合には地域研究Ⅱの単位として

2単位を、カナダの英語研修にあたっては英語Ⅲの単位として2単位を、それぞれ認定す

るなどの工夫がなされている。 第三に、多様化する学生への対策について積極的に取り組んでいる。経済的不況、少子

化、大学の大衆化等を背景に、本学でも、学力低下、学習意欲の低下、就職意欲の欠如と

いった状況が見られる。本学では、導入教育の一環として、「基礎演習Ⅰ」を必修科目に指

定し、少人数で、学生に「読み・書き・話す」能力を修得させるためのプログラムを実施

している。 (2)点検と評価

本学の実務教育を重視する視点からして、実務教育を直接目的とする実務演習科目の設

置あるいは実務経験を有する教員による授業を積極的に取り入れている点は、評価に値す

る。実務経験のある教員とそうでない教員の間には、教育内容・方法について見解の相違

も見受けられ、調整が必要である。また、実務経験のある教員の配属が法ビジネス学科に

偏りすぎている点についても検討を要する。 台湾研修のプログラムは、開学以来毎年継続して実施されているが、学生からも好評で

あり、卒業生が台湾の大学に留学する成果ももたらしている。英語のホームステイ・プロ

グラムも、開学以来実施されているが、受け入れ先であるマラスピナ大学とは良好な関係

が築かれており、学生の能力に応じた適切な指導がなされている。 (3)将来の改善・向上に向けた方策

実務教育を重視する観点から、実務演習Ⅰ~Ⅳを設置しているが、その内容について、

常に目的にかなうかどうかの検討がなされるべきである。また、法ビジネス学科において、

実務経験を積んだ教員の割合は高くなっているが、法政学科においても、今後、学部にお

ける法学教育及び法科大学院への進学対策等に鑑み、判事・検事・弁護士などの実務経験

を有する教員の配属を検討する必要がある。何れにしても、実際社会における実務経験を

積んできた教員と学問分野において研鑽を積んできた教員の間において、教育内容・方法

について同一の方向性を共有するように努めなければならない。 海外研修については、今後も従来の台湾・カナダ研修を継続するとともに、欧米、ロシ

アなどその他の地域での研修についても積極的に取り組むべきである。 多様化する学生の問題については、現在「基礎演習Ⅰ」あるいはFOC(新入生を対象

とした一泊の研修)などで対応しているが、今後本格的な対策の検討がなされなければな

らない。具体的には、カリキュラムの改革を含め、積極的に学ぶ姿勢に乏しい学生の動機

づけの研究、教職員の意識の改革と能力の開発等についての検討が必要である。 4 教育課程全体について

(1) 教育課程全体の点検と評価

21

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① 教育課程の編成・教育方法について 教育課程全体に関して言えば、『履修案内』にみられるように、建学の精神に基づいた教育

目的を達成するために必要な、外国語・情報処理・政治・法律・経済・経営などの基礎科

目に加え、広範な関連科目や新しい分野の科目が多数設置されている。これらの科目は、

外国語科目、情報処理科目、共通科目、専門科目の科目群に分類されて、それぞれ各年次

に配当されている。また、各科目は、必修科目・選択必修科目・自由科目などに分けられ

ている。これらの点からして、本学の教育課程は、概ね体系的に編成されているといえよ

う。しかし、教育目的と教育課程との整合性、あるいは適正な配当年次等の観点から検討

する余地がある。 また、本学は、セメスター制をいち早く導入し、受講者の便宜を図る一方、他方では、

外国語教育、基礎演習、実務演習、研究会(ゼミナール)等においては少人数教育を徹底

し、教育効果を高め、さらに年間履修上限(54単位)を設けるなど、教育の効果を向上

させる工夫が施されている。特に、大学での学習環境にできるだけ速く適合させ、かつ、

大学教育に必要な要素を修得させるために、1年次生を対象に必修科目として「基礎演習

Ⅰ」を設置している。 さらに、本学は、昼夜開講制を採用し、社会人を積極的に受け入れ(12年度〜16 年度

の入学者累計21名、17年度在学4名)、評価できる。 以上の点からすれば、本学の教育課程全体は、概ね評価しうる。以下では、個別に点検・

評価を行う。 ② 多様化する学生への対応について 少子化および大学就学人口の激減に伴う多様な入試制度の下で、入学する学生の「学力

の低下」、「学習意欲の低下」、「就職意思の欠如」などが、重要な問題となっているが、本

学においても例外ではなく、出席不良者、成績不良者、留年・自主退学者(このうち自主

退学者は1年に約6パーセント)が少なくない。このような課題を解消するために、以下

の対策をしている。 (ア) 学習への動機づけを高めるため、オリエンテーション、FOC(フレシュマン・オ

リエンテーション・キャンプ)や学習意欲を引き出すその他の方策(表彰制度、奨学制度)

を実施している。 (イ) カリキュラム学習への支援として、オフィスアワー(学生相談タイム)、履修相談・

履修登録支援、成績不良学生に対する学習支援、出席不良者に対する支援などがあげられ

る。 (ウ) 発展的学習を支援するため、産業企業調査、資格取得を目的にした講座を設けて

いる。しかしながら、本学において、このような様々な対策がなされてきたにもかかわら

ず、出席不良者、成績不良者、自主退学者の問題は解消しておらず、喫緊の課題といえる。 ③ 進級制について 本学において、2年次から3年次に進級するには、64単位を取得していなければなら

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ない。これは、卒業に必要な単位数の約半分に相当し、4 年間で卒業する目安として重要で

あると考えられる。しかし、進級できなかった場合には、中途退学の理由の一つにもなり

うるため、現在、選考進級制度を導入し、2年次終了までに最低50単位を取得している

場合に進級を認めている。なお検討を要する。 ④ 研究会 3・4年次には、実務演習と研究会が設けられている。実務演習は、実務的処理能力の

養成を目的とした演習科目である。研究会は3・4 年次継続して履修することになっており、

テーマの設定、レポートの作成・発表、質疑、討論等を通じて、より専門科目の知識を深

め、応用力を養成することを目指している。必修科目ではないが、研究会の履修率は、比

較的高い。しかし、その重要性から、全員が履修するよう対策を講じるべきである。 (2)教育課程全体の将来の改善・向上に向けた方策

① 教育課程の編成・教育方法ついて 本学は、国際化と情報化という二つの今日的課題に応え、政治行政・法律・経済・国際

ビジネスの各分野において生起する諸問題に対応することができる実務的な能力を有する

人材の育成を目的としており、この目的が実効的に達成されるよう教育課程が構成されて

いる。しかし、国際化と情報化は、速いスピードで発展し続けていることを考慮すると、

教育課程の内容については、常に検討する必要がある。また、時代を先取りして行くよう

な配慮も必要である。 さらに、セメスター制を採用しているが、特定の科目については、例外的に通年制を実

施すべきかどうかの検討も必要である。 ② 学生の多様化への対応について 学生の多様化・大衆化は、「基礎学力の低下」、「学習意欲の低下」、「就職意思の欠如」等

の問題を惹起しているが、本学での対応については4(1)イで述べた通りである。もち

ろん、今までの対応を継続して行かなければならないが、さらに現状をよく分析し対応す

る必要がある。将来の方策としては、現在実施している「学習への動機づけ」、「カリキュ

ラムの学習への支援」、「発展的学習への支援」など各種の支援(導入教育)について、カ

リキュラム改革を含めて検討していく必要がある。 また、教育内容、・教育方法の改善並びに教員能力開発のための FD に正面から取組こと

が喫緊の課題であり、その一環として、出席不良者、成績不良者、留年・自主退学者の問

題の解決を考えていくべきである。 ③ 2 年次生の学習支援の整備について 本学では、18年度、新たに2年次生に対しクラス担任制に類似する指導を行う「教員

指導制度」の導入が予定されている。1 年次生は、必修科目である「基礎演習Ⅰ」において、

クラス担任的な指導がなされ、また、3・4年次生については、研究会(ゼミナール)で

この種の指導が行われている。しかし、2 年次生については、個人的指導が徹底していない。

そのため、全教員に 2 年次生全員を配分し(教員 1 人が7~8人の学生を受け持つことに

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なる)、クラス担任的な指導を行うことを目的としている。今後、これ等の問題に対処する

ため、本格的なクラス担任制の採用を検討するべきであろう。 ④ 進級制について 学問を体系的に学習するという教育的目的の達成のためには、進級制は必要不可欠な制

度である。しかし、大学の大衆化・多様化に伴い、進級要件をクリアーすることができな

い学生が存在することも事実である。現在、選考進級制度を設け、弾力的運用をしている

が、進級できない場合には、自主退学につながりかねない。そのため、この制度を見直す

必要がある。例えば、進級に必要な科目の見直し、あるいは、進級に必要な単位数の引き

下げなどが考えられる。 ⑤ 研究会について 少人数教育や研究会の重要性からすれば、3・4年次の学生全員に履修を義務付けるか、

あるいは基礎演習、教員指導制度を活用し、学生に履修を奨励する措置の導入について検

討する必要がある。 5 教職課程について

(1)現状の説明

① 本学教職課程は平成 15 年度に設置され、その運営には教職課程運営委員会が当ってい

る。本学で取得可能な教育職員免許状は、中学校教諭一種免許状(社会)と高等学校教諭

一種免許状(公民)である。本教職課程は、法学部カリキュラムとの有機的連携を保ちつ

つ、教師としての情熱と使命感、幅広い教養と高度の専門的知識及び最新の実践的技術と

を兼ね備えた人間性豊かで実践的な指導力に富む教員の養成を目的としている。 平成 17 年度現在、本教職課程を履修する学生は 234 名である。 ② 本学教職課程カリキュラムの基本的特徴は、可能な限り理論と実際の結びつきを重視

している点にある。このため 1~4 年次に教職課程の授業科目を段階的・発展的に配置し、

教育内容面での体系的・発展的連続性を保障している。具体的には 1 年次「教職研究」に

おける学生自身の教育・学校経験と結びついた授業の展開、2 年次「教職総合ゼミ」におけ

る我が国で現実に生起している種々の教育課題の発見、解決策の探求、必要資料の収集、

リポートの作成及び発表技術等を個人単位・グループ単位で指導している。こうした基本

方針は、次ぎに述べる 3 年次での「介護等体験」や 4 年次「教育実習」にも一貫している。 ③ 3 年次での「介護等体験」は、埼玉県教育委員会・埼玉県社会福祉協議会・養護学校・

各種福祉施設等との綿密な連携のもとで計画・実施している。介護等体験のための事前ガ

イダンスでは、十分な時間を取って講義・演習・個別面接・リポート作成などの方法によ

り、現場における体験学習の意義と方法、基本的なマナーと心得、各人の研究課題の発見

と研究テーマの設定及びリポート作成の方法等に関するきめ細かな指導を行っている。現

場での体験終了後に、各自設定した研究テーマに関するリポート提出を義務付けている。 ④ 教育実習に向けて、3 年次から 4 年次にわたり合計 4 回行う「教育実習事前指導」では、

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