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1 of 2 アセアンレポート ベトナム株式銘柄ピックアップ リサーチ部 笹木 和弘 増渕 透吾 DID:03-3666-2101 E-mail: [email protected] フィリップ証券株式会社 2019 年 12 月 5 日作成 ■銘柄ピックアップ CMC通信グループCMG37,450 VND12/4終値1993年設立。ベトナム第2位のICT企業。政府・教育・税務・金融・通関・保険・電力・銀行などの各 業界において技術およびソリューション、グローバルビジネス、通信の3分野の事業を手がける。 10/30発表の2020/32Q7-9月)は売上高が前年同期比6.8%減の1.19VND、営業利益が同 28.4%増の788VND、純利益が同22.0%増の489VND。製造業におけるデジタル投資増が寄 与して増益。韓国サムスン電子グループが同社へ出資を行い出資比率30%の筆頭株主となった。 ・同社の計画は、世界に足場があるサムスンと組むことでサムスンの協力企業との取引を拡げ、海 外売上高比率を2023年に現在から倍増させて3割強に引き上げるというものである。また、2019/1 に施行されたサイバーセキュリティ法により、ベトナム国内のネット利用者の個人情報の国内サー バーへの保管が義務付けられた。5G関連に加え、セキュリティ関連需要も同社の追い風となろう。 FPTFPT55,400 VND12/4終値) 1988年に現会長のBinh氏が設立した食品加工会社が発祥。現在はベトナム最大のIT企業として 情報技術、通信、教育の3事業を手がける。日本を中心に海外顧客のソフトウェア開発を請け負う。 10/18発表の2019/123Q1-9月)は、純売上高が前年同期比20.5%増の19.59VND、税引前 利益が同28.1%増の3.50VND、税引前利益マージンが同1.1%ポイント上昇の17.9%。セグメント 別の税引前利益では、投資・教育、グローバルITサービス、および通信サービスが寄与した。 ・グローバル IT サービス部門は、米 IT コンサルティング大手 Intellinet の買収が奏功し米国市場 の売上高が同59.8%増と海外戦略が順調に進展。教育事業における生徒数が2019/9末で前年同 期末30.0%増の47,200名であり、成長を支える人材供給源としても期待できよう。通期の市場予想 は、売上高が前期比17.8%増の27.33VND、税引前利益が同25.1%増の4.82VND である。 マサングループ( MSN62,500 VND12/4終値) 1996年設立の多角経営企業。子会社に消費者向け必需品のマサン・フード、金融サービスのテ クコムバンク、鉱業のマサン・リソーシズ、コーヒー加工のビナカフェ・ビエンホア(VCF) を擁する。 10/30発表の2019/123Q1-9月)は、純売上高が前年同期比0.9%減の26.37VNDEBITDA8.0%減の7.10VND、一時的な利益を除いたコア純利益が同5.6%増の2.45VND・通期の会社計画は、純売上高を38-40 VND(前期実績: 38.18 VND)と従来計画( 45-50VND)から下方修正。鉱業におけるタングステン価格下落、および畜産物におけるASF問題が懸念 された。売上の半分弱を占める消費者向け事業はブランド力向上による利益率の上昇が見込めよ う。特に12/3に発表されたビングループVICの小売事業との統合は今後の成長を後押ししよう。 ベトコムバンク(VCB84,700 VND12/4終値) ・別名がベトナム外商銀行。1988年に設立され、2006年に民営化。現在も中銀のベトナム国家銀 行が74.8%の持株比率を占める。みずほフィナンシャルグループ841115%超の第2位株主。 11/12発表の2019/123Q1-9月)は、営業収益が前年同期比22.6%増の35.06VND、純利益 が同50.0%増の14.11VND。純金利収益が貸出残高の増加および純金利マージン(NIM)の上 昇により同27.0%増の25.93VND、非金利収益も同11.7%増の9.12VNDと堅調に伸びた。 ・通期会社計画は、総資産が前期末比12%増(前期実績:3.7%増)、与信残高が同15%増(同: 14.7%増)、税引前利益が前期比9.5%増(同:61.1%増)、不良債権比率が1.0%(同:0.98%)。個 人向けローン商品構成の改善に伴うNIMの継続的な上昇、および同社が強みを持つ外国為替・貿 易ファイナンスといった海外取引に係る非金利収益の増加が今後も同社の成長を後押ししよう。 ビナミルク(VNM118,800 VND12/4終値) 1976年設立の食品・乳製品メーカー。牛乳、コンデンスミルク、粉ミルク、ヨーグルト、アイスクリー ム、チーズほか広範囲な製品を扱い、オーストラリア、カンボジア、フィリピン、米国などで販売。 10/31発表の2019/123Q7-9月)は、売上高が前年同期比4.0%増の14.29VND、営業利益が 11.3%増の3.11VND、純利益が同5.1%増の2.69VND1-9月の純利益は対年度計画比 80%に達した。借入金利の上昇および販売業者への支払手数料負担増を吸収し、増益を確保。 ・通期市場予想は、売上高が前期比6.8%増の56.12VND、営業利益が同10.5%増の12.38VND、当期利益が同5.1%増の10.75VND1-9月における同社売上の海外比率は15%にとどま る。国内市場では農業・食品を主体とするGTNフーズへの出資比率を40.53%まで引上げた。海外 市場では高品質乳製品の中国語名ブランド(越娜妙)の中国市場への浸透が成長の鍵を握ろう。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 2018/11 2019/2 2019/5 2019/8 2019/11 出来高(右軸) CMG左軸) VN指数(左軸) VND 百万株 VN指数は相対株価 (出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成) 0 2 4 6 8 30,000 40,000 50,000 60,000 2018/11 2019/2 2019/5 2019/8 2019/11 出来高(右軸) FPT左軸) VN指数(左軸) VND 百万株 VN指数は相対株価 (出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 2018/11 2019/2 2019/5 2019/8 2019/11 出来高(右軸) MSN左軸) VN指数(左軸) VND 百万株 VN指数は相対株価 (出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 45,000 55,000 65,000 75,000 85,000 95,000 2018/11 2019/2 2019/5 2019/8 2019/11 出来高(右軸) VCB左軸) VN指数(左軸) VND 百万株 VN指数は相対株価 (出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 110,000 120,000 130,000 140,000 150,000 2018/11 2019/2 2019/5 2019/8 2019/11 出来高(右軸) VNM左軸) VN指数(左軸) VND 百万株 VN指数は相対株価 (出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

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アセアンレポート

ベトナム株式銘柄ピックアップ リサーチ部 笹木 和弘 増渕 透吾

DID:03-3666-2101

E-mail: [email protected]

フィリップ証券株式会社

2019 年 12 月 5 日作成

■銘柄ピックアップ

CMC通信グループ(CMG) 37,450 VND(12/4終値)

・1993年設立。ベトナム第2位のICT企業。政府・教育・税務・金融・通関・保険・電力・銀行などの各

業界において技術およびソリューション、グローバルビジネス、通信の3分野の事業を手がける。 ・10/30発表の2020/3期2Q(7-9月)は売上高が前年同期比6.8%減の1.19兆VND、営業利益が同

28.4%増の788億VND、純利益が同22.0%増の489億VND。製造業におけるデジタル投資増が寄

与して増益。韓国サムスン電子グループが同社へ出資を行い出資比率30%の筆頭株主となった。 ・同社の計画は、世界に足場があるサムスンと組むことでサムスンの協力企業との取引を拡げ、海

外売上高比率を2023年に現在から倍増させて3割強に引き上げるというものである。また、2019/1に施行されたサイバーセキュリティ法により、ベトナム国内のネット利用者の個人情報の国内サー

バーへの保管が義務付けられた。5G関連に加え、セキュリティ関連需要も同社の追い風となろう。

FPT(FPT) 55,400 VND(12/4終値) ・1988年に現会長のBinh氏が設立した食品加工会社が発祥。現在はベトナム最大のIT企業として

情報技術、通信、教育の3事業を手がける。日本を中心に海外顧客のソフトウェア開発を請け負う。 ・10/18発表の2019/12期3Q(1-9月)は、純売上高が前年同期比20.5%増の19.59兆VND、税引前

利益が同28.1%増の3.50兆VND、税引前利益マージンが同1.1%ポイント上昇の17.9%。セグメント

別の税引前利益では、投資・教育、グローバルITサービス、および通信サービスが寄与した。 ・グローバル IT サービス部門は、米 IT コンサルティング大手 Intellinet の買収が奏功し米国市場

の売上高が同59.8%増と海外戦略が順調に進展。教育事業における生徒数が2019/9末で前年同

期末30.0%増の47,200名であり、成長を支える人材供給源としても期待できよう。通期の市場予想

は、売上高が前期比17.8%増の27.33兆 VND、税引前利益が同25.1%増の4.82兆 VND である。

マサングループ(MSN) 62,500 VND(12/4終値) ・1996年設立の多角経営企業。子会社に消費者向け必需品のマサン・フード、金融サービスのテ

クコムバンク、鉱業のマサン・リソーシズ、コーヒー加工のビナカフェ・ビエンホア(VCF)を擁する。 ・10/30発表の2019/12期3Q(1-9月)は、純売上高が前年同期比0.9%減の26.37兆VND、EBITDAが

同8.0%減の7.10兆VND、一時的な利益を除いたコア純利益が同5.6%増の2.45兆VND。 ・通期の会社計画は、純売上高を38-40兆VND(前期実績:38.18兆VND)と従来計画(45-50兆

VND)から下方修正。鉱業におけるタングステン価格下落、および畜産物におけるASF問題が懸念

された。売上の半分弱を占める消費者向け事業はブランド力向上による利益率の上昇が見込めよ

う。特に12/3に発表されたビングループ(VIC)の小売事業との統合は今後の成長を後押ししよう。

ベトコムバンク(VCB) 84,700 VND(12/4終値) ・別名がベトナム外商銀行。1988年に設立され、2006年に民営化。現在も中銀のベトナム国家銀

行が74.8%の持株比率を占める。みずほフィナンシャルグループ(8411)が15%超の第2位株主。 ・11/12発表の2019/12期3Q(1-9月)は、営業収益が前年同期比22.6%増の35.06兆VND、純利益

が同50.0%増の14.11兆VND。純金利収益が貸出残高の増加および純金利マージン(NIM)の上

昇により同27.0%増の25.93兆VND、非金利収益も同11.7%増の9.12兆VNDと堅調に伸びた。 ・通期会社計画は、総資産が前期末比12%増(前期実績:3.7%増)、与信残高が同15%増(同:

14.7%増)、税引前利益が前期比9.5%増(同:61.1%増)、不良債権比率が1.0%(同:0.98%)。個

人向けローン商品構成の改善に伴うNIMの継続的な上昇、および同社が強みを持つ外国為替・貿

易ファイナンスといった海外取引に係る非金利収益の増加が今後も同社の成長を後押ししよう。 ビナミルク(VNM) 118,800 VND(12/4終値)

・1976年設立の食品・乳製品メーカー。牛乳、コンデンスミルク、粉ミルク、ヨーグルト、アイスクリー

ム、チーズほか広範囲な製品を扱い、オーストラリア、カンボジア、フィリピン、米国などで販売。 ・10/31発表の2019/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.0%増の14.29兆VND、営業利益が

同11.3%増の3.11兆VND、純利益が同5.1%増の2.69兆VND。1-9月の純利益は対年度計画比

80%に達した。借入金利の上昇および販売業者への支払手数料負担増を吸収し、増益を確保。 ・通期市場予想は、売上高が前期比6.8%増の56.12兆VND、営業利益が同10.5%増の12.38兆

VND、当期利益が同5.1%増の10.75兆VND。1-9月における同社売上の海外比率は15%にとどま

る。国内市場では農業・食品を主体とするGTNフーズへの出資比率を40.53%まで引上げた。海外

市場では高品質乳製品の中国語名ブランド(越娜妙)の中国市場への浸透が成長の鍵を握ろう。

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本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社 〒103ー0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号

TEL:03-3666-2101 URL:http://www.phillip.co.jp/ 本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部

公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト 笹木和弘

公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾

当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。 フィリップ証券は、レポートを提

供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の

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