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Gas chromatography(ECD)に よ る 尿 中

5-hydroxy-3-methylindoleの 測 定 に 関 す る研 究

岡山大学医学部脳神経外科教室(主 任:西 本詮教授)

八 坂 陽 一 郎

(昭和51年9月6日 受稿)

第1章 緒 言

てんかん痙攣が脳内に生成 され る痙攣物質 あるい

は,痙 攣毒によって惹起 されるという考 え方 は,か

な り以前よ りあった と思 われる.

永井1)は,イ ヌに頭 部通 電刺激 を行 っておこる痙

攣時の脳脊髄液のmethanol抽 出物中に,痙攣誘発物

質が存在す ることを見出 し,そ の物質の精製 を試み

ている.

森2)は, pentylentetrazolを ウサギに静 注 して痙

攣を起こさせ,その痙攣が起 つている最中に断頭 し大

脳組織を摘出 し,こ れ をピクリン酸液で抽 出し,つ

いで,ピ ク リン酸 を取 り除いた液 に若干 の精製過程

を加 え,少 量の水 に溶解 し,再 び,別 のウサギ に注

入す ると,数 分間の潜時の うち,張 直性,間 代性の

痙攣が起 って くることを観察 して いる.

この痙攣物 質 と思 われ る物質 は,検 索 の結果,

γ-グアニジノ酪酸,お よび,そ の関連物質 であるこ

とが明 らかに され たが3)-6)これ らの一連 の研究は,

今日のてんかんの代謝異常説 に重要な根 拠を与 えた

と考 えられ る7).

今 日までに知 られて きたてんかんの代謝異常 とし

ては,大 別 して,ア セチル コリン代謝系 における変

化,グ ルタ ミン酸や γ.アミノ酪酸代謝系 に認 められ

る変化,或 は, Na+やK+な どの電解質代謝系 に認め

られる変化 な どをあげることがで きる6)そして,こ

れ らの諸領域において,現 在 も多岐 にわた り研究 が

続けられているa

このよ うに,て んかん,あ るいは,痙 攣 について

の生化学的検索 を背景 として,最 近,痙 攣 と生体 ア

ミンの関係が研究の一つの焦点 として クローズアッ

プされて きた10).

すなわち, 1954年Chenら11)は,ラ ッ トにreserp

ineを 投与 するとpentylentetrazol痙 攣閾値酬 氏下

す る こと を観 察 し,モ ノ ア ミンの低 下 が 痙攣 発 現 に

関与 す る こ と を示 唆 して 以来,痙 攣 とカ テ コ ー ル ア

ミン,お よ び,セ ロ トニ ン との関 係 につ い ての 検 索

が,多 くの研 究 者 によ つ て な され て きた10).その うち,

特 に,セ ロ トニ ン に関 係 す る もの と して,マ ウ スの

pentylentetrazol痙 攣 に対 す るiproniazide(モ ノ

ア ミン酸 化酵 素 阻 害剤)の 拮 抗 作 用 を,セ ロ トニ ン

が さ らに助長 す る こ と(Lessinら12),ノ ルエ ピ ネ

フ リン とセ ロ トニ ンの 脳 内 レ ベル低 下 と聴 原 発 作 マ

ウスの感受 性 とが関 係 す る こ と(Schlesingerら13),

炭 酸 脱 水 酵 素阻 害剤 の 抗痙 攣 作 用 は脳 内 ノル エ ピネ

フ リ ンとセ ロ トニ ンに依 存 して い る と考 え られ る こ

と(Gray & Rauh)14)な ど の ほか, ρ-chlorophe

nylalanineな どの トリプ トフ ァン水 酸 化 酵 素 阻害 剤

を投 与 して,脳 内セ ロ トニ ン値 を低 下 させ た際,電

撃 痙攣 閾値 な ど力紙 下 す る とい った報 告 は枚 挙 に い

とま が ない14).

この よ うに,て ん か ん痙 攣 の 発現 機 構 にセ ロ トニ

ン,あ るい は,そ の 代 謝 が何 らか の形 で関 与 して い

る こ と が 示 唆 さ れ て い る現 状 で あ るが, 1972年,

Spatzら15)は,て ん か ん患 者 の尿 中 に, 5-hydroxy.

3-methylindole(以 下HMIと 略 記 す)が,排 泄 さ

れ る こと を観察 した.

す な わ ち, Spatzら は, centrencephalicて ん か

ん 患者 で は, grand ma1に もpetit malに も29例 中

全例 に,こ のindole系 の未 知 物質 が 出現 す る こ と を

見 出 した.

一 方 ,こ の 物質 は他 種 の て んか ん や対 照 例(正 常

人 やて ん かん 以 外 の精 神疾 患 を有 しない 患 者)に は,

全 く現 われ な か っ た と報告 して い る.

彼 らは, centrencephalicて んか ん 患 者 の24時 間

尿 をsilica gel colu㎜ で 精製 した後,質 量 分 析 計

に よ りHMI(分 子 量147)と 同 定 し,本 物 質 が,て

ん か ん発 現 に関係 が あ る可能 性 を示 唆 した.

419

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さて,著 者 は,本 物質 をGas chromatographyに

よ り比較的簡単 な操作で分離定量 する方法 を新 らた

に考案 し,そ れを用 いて,て んかん患者,お よび,

正常人の尿 について, HMIの 定量を行 い,本 物質 は

必ず しもcentrencephalic型 の てん かん で はな い

が,て んかん患者 の約50%の 尿 中に高濃度 に排泄 さ

れていることや,一 方正常尿に も一定量 が排泄 され

てい ることを明 らかに したので,そ の定量方法に合

せて,そ れ らの知 見 を報告す る.

第2章  方 法

第1節  研究対象

1) 正 常 人:年 令15才 か ら78才 まで の 中枢 神 経 系

お よ び精神 神 経 領域 の疾 患 を有 しな い患 者,お よ び,

健康 人15例

2) て んか ん 患 者:年 令5才 か ら52才 ま での て ん

か ん 患 者13例(centrencephalic epilepsy 7例,

temporal lobe epilepsy 3例, frontal lobe epi

1epsy 1例, hemispheric epilepsy 2例),初 発 痙 攣

か ら平均11年 経過 して い る患 者 で,い ず れ もLumi

nal, Aleviatin, Tegretolな どの投薬 を受 けて いる.

第2節 尿 の採 集 お よ び保存 方 法

朝8時 か ら翌 朝8時 までの24時 間尿 を1日 尿 と した.

1日 量 採 集 直 後-20℃ 以 下 に 保 存 した.ま た,採

Table1. Synthesis of 5-hydroxy-3-methylindole from

5-benzyloxygramine.

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集の際 には,蓄 尿瓶 にペニシ リン20万単位 をあらか

じめ投入 してお き防腐 した(ペ ニ シリン投入 を行 っ

て もHMIの 値 に影響はなか った).

第3節  HMIの 合成16) Marchandの 方法 に従 って, 5-benzyloxygramine

を30時 間水 素 ガス 中 に放 置 した の ち,水-benzeneか

ら再 結 晶 した.融 点112.5°-113.5℃(文 献114°-

115°).な お,本 物 質 の質 量 分析(MS),核 磁 気 共

鳴(NMR).お よ び,赤 外 分析(IR)の 結 果 は表1

の ご と くで あ りHMIで あ る こ とが確 認 され た.

第4節HMIの 測 定 法

1) 試 料 お よ び標 準 試 料

I) 5-hydroxy-3-methylindole standard solution

200μg/ml benzene-ethano1(9.5:0.5v/v)

HMIを10㎎ 正確 に秤 量 し, benzene-ethanol(9.5:

0.5v/v)溶 液50mlを 加 え溶 解 し, 200μg/mlbenzene-

ethafiol溶 液 を調製 した.

II) Silica gel(60~200mesh,半 井 化学)

Silica gelを, 2~3倍 容 量 の 蒸 留 水 で4~5回 水 洗 し,

っ いで, 0.1N HCIで 上 澄 液 が無 色 に な る まで よ く

洗 う.つ い で,源 過 後, 110゜24時 間 乾 燥 し,水 分 含 量

を0と した.そ れ を デ シ ケ ー ター 中 で保 存 し,そ の

都 度 水 を加 え,密 閉容 器 の 中 で 十分 か きまぜ な が ら

水 分含 量15%と して使 用 した.Ⅲ

) benzene-ethanol(9.5: 0.5v/v)

Ⅳ) acetonitrile

Ⅴ) trifluoroaceticanhydride

Ⅵ) p.p'-dichlorodiphenyldichloroethane(D

DE)

2) 試料 の抽 出 お よ び精 製

表2で 示 す ご と く,瀕 紙(東 洋湧 紙No.2)で 源

過 した尿100m1を ロー タ リーエ バ ボ レ ー タ ーを用 い

て, 30℃ で約5m1に 濃 縮 す る.こ れ にbenzene-et

hano1(9.5: 0.5v/v)50mlを 加 えて,室 温 で1時 間

magnetic stirrerを 用 い抽 出 を行 った.

Table3. Apparatus and conditions of gas chromatography

Table2. Determination of 5-hydroxy-3

methylindole in human urine

つ いで抽 出液 をsilica gel columnに 通過 させ た

後 に,再 び減 圧 乾 固せ し めた.つ ぎに十 分乾 燥 した

試 料 をacet。 nitrile200μ1に 溶 解 せ しめ, trifluor

oac etic acid anhydride 100μ1を 加 え, 55℃15分

間 反 応 させ, trifluoroacetyl化(TFA化)し た.

反応 後,内 部 標 準 液(ρ.P-dichlorodiphenyl di

chlQroethan, DDE)を 含 む2mlのbenzeneで 溶 解

し,こ の 一 部,通 常2μlを 用 いgas chromatogr

aphyを 行 った.

3) Gas chromatography

Gas chromatographの 装 置 は, ECDを 用 い た

Yanako G80(柳 本 製作 所,京 都)で あ る.

Gas chromatographyの 条 件 は表3に 示 し た.充

填 剤 のagingは,新 しい充 填 剤 を用 いた 場 合 は,最

低48時 間glasscolumnの 一 方 を検 出 器 側 よ りは ず

し, column温 度195℃,N2流 速35.Om1/分, N2圧1.8

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kg/cm2で 行 った.そ の後, columnを 検 出器 側 に連

結 させ,さ らに 同条 件 で24時 間以 上agingを 行 った.

4) Gas chromatography-mass spectrometry

( GC-MS)

日 立RMU-6MGを 使 用 してMass fragmentogr

aphyを 行 っ た. multiple ion detector (MID)の

条 件 は,下 記 の ご と くで あ る.

column packing 3% OV-1

glass column 3 mm ƒÓ•~1m

injection temperature 260•Ž

carrier gas He

carrier gas pressure 0.8kg/cm2

fragment‚ÍM/e 339‚ɑ΂µ340, M/e 242‚ɑ΂µ

214‚ðŽg—p‚µ‚½. accelerating voltage ‚Í3.2 KV

第3章  実 験 成 積

第1節  合成HMIのGas chromatography.

合成HMI各12.5, 25, お よ び50μgをacetonitrile

200μlに 溶 解 し, trifluoroacetic acid anhydride

に よ り55℃15分 間反応 させ, TFA化 し,内 部 標 準 物

質DDEを 含 むbenzene 3mlに 稀 釈 し た の ちgas

chromatographyを 行 う と保 持 時 間4.8分 の とこ ろ

にHMIのpeakが 認 め られ,図1の よ うな グ ラフ をロ

得 るこ とが で きた.

Fig.1 Gas chromatogram of authentic HMI and urinary sample

内部標準に対す る相対的保持時間は0.59で あった.

これ らのpeakの 内部標 準 の面 積 との比 を求 めて

calibration curveを 画 くと図2の ごとく,少な くと

も50μgま では直線 関係が あることがわか った.

第2節  内部標準物質 の決定

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Gas chromatography(ECD)に よ る尿 中5-hydroxy-3-methylindoleの 測定 に 関す る研 究  423

ECDに よ る検 出 に 感 受 性 を もっ ハ ロゲ ン化 合物

の 中 か ら高 純 度 の 農 薬 を選 び,使 用 を試 み たが,

HMIは 勿 論,尿 試 料 にお ける他 のpeakと もoverlap

す るこ と な く,保 持 時 間 も適 当 で あ る こ とか ら,

DDEを 使用 す る こ とに した.

第3節  Gas chromatography-Masss pecto

rometry (GC-MS)に よ る尿 中HMIの

確 認

Caliburation curve for 5-hydroxy-3

- methylinclole

Fig.3. Mass spectrum of the authentic 5-hydroxy-3-methylindole

taken with Hitachi RMU-6MG

1) 合 成HMIのMasss pectrum

合 成 のHMI,健 康 人,あ るい は,て ん か ん 患 者 の

HMIのGC-MSに よ る 同定 を行 っ た.

まず,合 成HMIをTFA化 した の ち, Massspe

ctrumを 測定 した と こ ろ,図3に 示 す よ うな結 果 を

得 た.す な わ ち,こ れ に示 す ご と く, trifluoroacetyl

基2分 子 を持 つM+339の 親peakの ほ か, M/e117,

128, 145, 214, 292, 340な どのfragmentのpeak

が 観 察 され た.従 っ て,尿 中 のHMIの 同定 に は,

M+339に 対 す るM/e340,お よ びM/e242に 対 す る

M/e214の 比 を求 め る こ とに した.

2) MID(M/e339とM/e340)に よ る尿 中HMI

のldentification

M/e339とM/e340に つ いて, HMI標 準 物 質40ng

の測 定 を行 うと,表4,お よ び,図4に 示 す 如 く,

M/e340のM/e339に 対 す る1000分 比 は273で あ っ

た.同 様 に てん か ん試 料1,お よ びて ん か ん試 料2

につ い て, MIDの 結 果 か ら同様 の1000分 比 を求 め る

と, 240と245が 得 られ た.ま た,他 方,正 常尿 に つ

いて も同様 の測 定 に よ り1000分 比240が 得 られ た.

従 って,て ん かん 患 者,お よ び,正 常 人 に認 め ら

れ るgas chromatogram上, HMIと 同一 の保 持時

間 を示 すpeakは, HMIそ れ 自体 と考 え られ る.

3) MID(M/e242とM/e214)に よ る尿 中HMI

のldentification

Fragment M/e242お よ びM/e214に つ い て 上

述 の ご とく同様 の 検 索 を行 っ た 結果,表5,図5,

に示 す ごとく合 成HMI40ngの 測定 によ り, M/e240

のM/e242に 対 す る1000分 比310を 得 た.他 方,て

ん か ん患 者尿 試 料 に つ いて の測 定 の結 果, 1000分 比

294を 得 た.

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八 坂 陽 一 郎

八坂陽一郎論文附図

Fig.4 Identification of 5-Hydroxy-3-Methylindole by MID [M/e: 339 and 340]

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八 坂 陽 一 郎 論 文 附 図

Fig-5 Identification of 5-Hydroxy-3-Methylindoleby MID [M/e: 242 and 214]

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426  八 坂 陽 一 郎

従 っ て, M/e242とM/e214を 用 い たMID測 定 に

よ っ て も,尿 試 料 のgas chromatogram上 のpeak

は, HMIで あ る ことが確 認 で きた.

Table4 Identification of 5-hydroxy-3-methylindole(HMI)by MID (M/e: 339and340)

Table6 HMI amount in urine(control)

Table5 Identification of 5-hydroxy-3- methylindole(HMI)by MID

(M/e: 242and214)

Table7 HMI amount in urine(epilepsy)

第4節  健康 対照例 についての尿中HMIの 測定

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Gas chromatography(ECD)に よ る尿 中5-hydroxy-3-methylindoleの 測 定 に関 す る研究  427

健 康 人15例 に つ い て 尿 中HMIを 測 定 した結 果,

表6に 示 す よ うな 成 績 を 得 た.す な わ ち, 5.5~90.0

μg/dayで あ っ た.

第5節  て んか ん 患 者 の尿 中HMIの 測 定

て ん か ん 患 者13例 に つ い て尿 中HMIを 測 定 した

結 果,表7に 示 す 成 績 を 得 た.す な わ ち, 11.3~

613.2μg/dayで あ り,第1例 の6I32μg/day,第2

例 の184.1μg/dayお よ び,第5例 の576.0μg/day

な ど高 濃度 に検 出 され た もの が, 13例 中7例 に み ら

れ た.

第4章  考 按

Fischerら15)は,分 裂 病 患 者 のbufotenine異 常

排泄 に つ い て の 研 究 中,対 照 として 用 い たて ん か

ん 患者 の尿 中 に, paper chromatogram上 のRfが

bufotenineと 殆 ど同 じで あ るが,異 な った着 色 を も

つ物 質 が 存 在す るこ と に気 ず い た。 Spatz15)は,こ

の物 質 がindole系 の 物質 で あ る こ とに気 ず き,こ の

物質 の 出現 頻度 も調 べ た結 果, centrencephalic ep

ilepsyの 患 者 で は, 29例 中全例 に,こ の物 質 の 排泄

され るこ と を 証 明 し た.他 方.こ の 物質 は対 照例

(正常 者 や てん か ん以 外 の 精 神疾 患患 者)に は,ま

った く認 め られ なか った.治 療,病 気 の周 期,栄

養 状態 な どの要 素 に よっ て は,全 く影響 を受 けな い

とい う.

Spatzら15)は,患 者 の24時 間尿 を, 3本 のsilica

gel colu㎜ に順 次 通 過 させ て精 製 を行 っ た.

その際,溶 出 にはbenzene-ethylacetate(18: 2),

benzene-ethylacetate(19.5: 0.5),及 びbenzene

ethano1(9.5: 0.5)を 使 用 して い る.

Silica gelcolumn処 理 の後, mass spectrom

etryに よ り分 子 量 を147と 算 定 し,一 応 そ の化学 構

造 を, hydroxymethylindole.ま た は, methoxyindole

と想定 した.他 方, spectrfluorometryで は, me

diumを0.lN HCIか ら2.8NHCIに 変 え る と,発 光

波 長 の345mμ か ら550mμ へ の 移 動 が 見 られ る こ と

か ら, indole核5位 に,遊 離,あ るい は,置 換 され

た-OH基 が あ る こ とが わか っ た.

さらに,ア ル コ ール 溶 液(95% ethanol)の 紫外

部 吸収spectrumは278mμ に最 大 吸収 がみ られ るが,

95% ethanol中 で0.1N KOH溶 液 に す る と, 279

mμ, 325mμ の2つ の最 大 吸収 が認 め られ るよ うに

な り,こ の ア ル カ リ に お け る移 動 か ら,遊 離-OH

基 の存 在 を知 った.

従 って, Spatzら は,こ の てん か ん患 者 尿 中 に 認

め られ る物質 を, 5-hydroxy-3-methylindleと 決

定 して い る.

さて,著 者 は,本 物 質 がSpatzら の い う ご と く,

centrencephalicの て んか ん 患 者尿 中 に特 有 で あ る

な らば,て んかん 患 者 の診 断 の補 助 に もな り うる し,

また,こ の 物質 の尿 中 排泄 の消 長 を調 べ る こ とに よ

り,症 状 の経 過 と も関係 は あ りは しな い か と考 え て,

日常 検 査 と して,定 量方 法 を開 発 す るこ とを試 み た.

方 法 と して は, Spatzら が 行 ったpaper chrm

atographyで は定 量 性 が な い の で, gas chromato

graphyを 使 用 す る こ とに した.

そ の際,本 物質 の尿 中排 泄 量 が ま った く未 知 で あ

った が,一 日の 排 泄 量 が,数 十及 至 数 百 μgで あ る

こ とに気 ず き,徴 量 分析 を行 うため, HMIを まず ハ

ロゲ ン誘 導 体 と してgas chromatographyに よ り

分離 したの ち, electron capturedetector(ECD)

で検 出す る こ とを考 え た.

著者 の使 用 したECDは,63Niを 使 用 して い るが,

これ の β 線 源 を封 じ こん だセ ル 内 に電 極 を置 い て,

高 純度 の窒 素 ガ ス をcarrier gasと して流 してお く

と,こ こに電 子 を捕 捉 して陰 イオ ンに な りやす い物

質 の 蒸気 が 流 入 し,電 離電 流 が減 少 す るの で,こ の

変化 を増 巾 記録 す る もの で あ る.

このECDは,有 機,無 機 の ハ ロゲ ン化 合 物 に対

して,極 めて高 感 度 で あ り,そ れ らをng以 下 の 量

で検 出,定 量 す る こ とが で きる17).

従 って生 体徴 量 成 分 をハ ロゲ ン化合 物 に誘導 して,

ECDに よ り検 出す るわ けで あ る.

な お,森,岸 川18)は 同様 の方 法 に よ り,尿 中 の カ

テ コー ル ァ ミンの定 量 に応 用 して い る.

著者 は,ハ ロゲ ン化 の た め,森,岸 川 らと同様 に,

trifluoroacetic acid anhydrideを 使 用 した の で,

HMIに はっ ぎの よ うに2分 子のtrifluoroacetyl基 が

導 入 され る.

従 っ て, gas chromatographyは, HMIのTFA

誘導 体 につ い て行 つ た こ とに な る.

さて,本 定 量 の第 一段 階 は,尿 試 料 よ りHMIの 抽

出操 作 で あ るが, Spatzら は,尿 中 か らのHMIを 抽

出 す る際,前 記 の ごと く,ま ずsilica gel column

によ る精 製 操作 を行 っ て い る.

著者 は,最 初,本 法 を試 み たが, benzene-ethylac-

elate(18:2), benzene-ethylacetate(19.5: 0.5),

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428  八 坂 陽 一 郎

お よ び, benzene-ethanol(9.5: 0.5)に て 順 次col

umnの 溶 出処 理 を行 うと,約10%ぐ らい しか 回収 さ

れ なか っ た.

そ の 原 因 は,主 と して, benzene-ethylacetate

(19.5: 0.5)を 使 用 す る第2のcolumnに あ る こ と

が わ か っ た.

従 って,そ の 操作 を除 くと, silica gel 5g使 用

の さい に は,約32%,同2g使 用 の さい に は,約51

%と な っ た.そ の 後, gas chromatographyの た め

の 試料 と して は, benzene-ethanol(9.5: 0.5v/v)

のみ で 十分 で あ る こ とが わ か り,ま ず尿100mlを 約

5mlに 濃 縮 した の ち, benzene-ethanol(9.5: 0.5

v/v)50mlに て抽 出 し,こ の 抽 出 液 に つい て, silica

gel処 理 を行 っ て い る.ま た, silica gelの 使用 量

も,検 討 の結 果, 1gで 十 分 で あ るこ とが わ か っ た.

この 際 の 回収 率 は, 80%以 上 で あ る.

つ ぎ に, TFA化 の問 題 であ るが,こ の反 応 は,技

術 的 操 作 お よ び種 々 の 条件 に よ り非常 に影 響 され や

す い の で,実 験 室 に お け る種 々の 条件 が常 に一定 す

るよ う配 慮 せ ね ばな らぬ.

す な わ ち,試 薬 の量,反 応 温 度 な どが常 に一定 で

あ る必 要 が あ る.ま た,試 料 が十 分乾 燥 して いな か

った り,実 験室 の湿 度 が高 い場 合 は,反 応 が十 分 行 な

わ れ な い.特 に, trifluoroacetic acid anhydride

を加 えた際,白 煙 が で るよ うな場 合 は乾 燥 操 作 を や

り直 さね ば な らない.

ハ ロゲ ン化 剤 と して, TFA化 以 外 に, pentaflu

oropropionic acid anhydrideを 用 い てacy1化 す

る方 法 も試 み たが,こ の際 は, chrmatogram上 の

感 度 は上 昇 す るけ れ ど も, noiseが 増 加 す るの で,

採 用 しな かっ た.

また,一 般 的 注意 事項 と して,分 析 に用 い る試 薬

は高純 度 の もの を使 用 す る必 要 が あ る.試 薬 の不 純

物 は, gas chromatogram上 の 異常peakと して 出

現 す るか らで あ る.従 って,溶 出 に使 用 す る溶媒,

TFA化 に使 用 す る薬剤 な どは,い ず れ もgas chro

matography用 の 高 純 度 試 薬 を使 用 し た.ま た,

trifluoroacetic acid anhydrideは,開 封 後 は湿 気

を さけ る た め,デ シケ ー タ ー中 に保 存 しな けれ ば な

らな い.

つ ぎに, gas chromatographyに 際 して は,充

填 剤 と し て, 3%OV-1或 は, 2%XF-1105を 使 用

した.こ れ らは,い ず れ を使 用 して も, HMIに つ い

て は,特 に,分 離 能力 や保 持 時 間 に相 異 が あ るよ う

に は考 え られ な か った.

尿 中HMIのgas chrmatographyに 際 して は,

他 のpeakと の分 離 の た め にcolumnの 長 さは2.25

mが 必 要 で あっ た.

gas chromatographyの 際,試 料 の 内 部標 準 液 と

して,著 者 は, p, p'-dichlorodiphenyl dichloro

ethane(DDE)を 使 用 した. ECDに よ る検 出 に感

受 性 を もつ ハ ロゲ ン化 合 物 の 申 か ら,高 純 度 の農 薬

と して,DDE以 外 に, Aldrin, Dieldrin, benzene

hexachloride(BHC),お よ び, heptachlorepoxide

につ い て も保 持 時 間 を し らべ た が,保 持 時 間 が適 当

で ない こ との ほか,尿 試 料 のHMI以 外 のpeakと も

overlapす るこ とか ら,採 用 しな か っ た.

HMIは,以 上 の方 法 で,一 応gas chromatogra

phyに よ り分 離 定 量 で きる こ とが わか っ たが,こ の

際 検 出 され るHMIのTFA誘 導 体 と保 持 時 間 が一 致

す る尿 試 料 中のpeakが,は た して,HMIそ れ 自体

のTFA誘 導 体 で あ るか ど うか を確 認 す るた め, GC

MSに よ る検 索 を 行な った.方 法 として, HMIのdi

trifluoroacetyl-HMIのmass spectrumの う ち,

M+339とM/e242を 選 び,そ れ らのfragmentの 高

さ に 対 す る そ れ ぞ れM/e340,お よ びM/e214の

fragmentの 高 さの 比率(1000分 比)を 求 め た.

それ らの検索 の結 果, gas chromatogram上,合

成HMIと 同一 保持 時 間 を示 す尿 試 料 にお け るpeak

のmass fragmentogramは, di-trifluoroacetyl-HMI

それ 自体 で あ る こ とが確 認 され,著 者 の考 按 した尿

中HMI定 量 方 法 は,日 常 の 定 量 検 査 法 と して十 分

使 用 可能 で あ る こ とがわ か っ た.

さて,上 述 の ご と く,著 者 は尿 中HMI定 量 方 法 を

新 たに 開発 し,本 法 を用 い て正 常 人 お よ び,て んか

ん 患 者 に つ いて,尿 中HMI値 を定 量 し た と ころ,正

常 人 で は, 5.5~90μg/day程 度 排 泄 され る こ とを知

っ た.こ れ は, Spatzら が正 常 人 尿 中 に排泄 されな

い と報告 して い る事 実 と異 な る けれ ど も,彼 らの検

索 は, paper chromatography に よっ てお り,検 出

の 感 度 が低 いた め,正 常 人尿 中 に は検 出 す る こ とが

で きな か った と考 え られ る.

他 方,て んか ん 患者13例 につ い ての 検 索 で は,尿

中HMI排 泄 が正常 範 囲の もの6例, 100μg/day以

上 の 高値 を示 す もの7例 で あ り,約 半 数 の もの が異

常 高値 を示 した.

Spatzら は,て んか ん 患 者 が 高 値 を示 す の は,

centrencephalic typeの もの に限 定 す る と報 告 し

て い る けれ ど も,著 者 の検 索 の 結 果 で は,

症例7, 10, 11,及 び12の ごと く,脳 波 所 見 で 明

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Gas chromatography(ECD)に よ る尿 中5-hydroxy-3-methylindoleの 測 定 に 関 す る 研 究  429

らか にcentrencephalic typeの もの で も尿 中HMI

排 泄 は正 常 範囲 の もの もあ り,他 方,症 例1, 2,

お よ び8の ご と く, temporal lobe epilepsy.あ るい

は, hemispheric typeのepilepsyで も異 常 高値 を

示 す もの が あ った.

これ らの事 実 は, Spatzら の 報告 と矛 盾 す る もの

で あ るけ れ ど も,彼 らの 場 合 は定 性的 で あ る し,ま

た,各 症 例 につ い て の脳 波 所 見 も示 されて い な い の

で,一 律 に比 較 す る こ とはで きな い.

著 者 の症例 にお い て は,い ず れ も抗 てん か ん薬 を

服用 して い る けれ ど も,主 な薬 剤 で あ るAleviatin,

Luminal.あ るい はTegreto1の 服 用 とHMIの 排 泄

量 との 関係 をみ て も,何 らか の相 関 も認 め られ な い.

また,年 令,性 別 も, HMIの 排 泄 の要 因 と は なっ て

いな い.

各症 例 につ い て,発 症,年 令,期 間,あ るい は,

発 作 との関 係 も調 べ た けれ ど も, HMI排 泄 量 との 関

係 は認 め られ な かっ た.

緒 言 に おい て述 べ た ご と く,カ テ コ ール ア ミンや

セ ロ トニ ンな どの モ ノ ア ミンが,痙 攣 発作 機 序 と関

係 す る ことが示 唆 され て きて い るが,そ れ らは,い

ずれ も電 撃 躍攣,あ る いは,聴 原 発 作 マウ ス な どに

よ る動 物 実験 につ いて の 報告 で あ った.し か し,最

近,岸 川19)は,て ん か ん 患者 の血 液,尿,脳 脊 髄 液

のカ テ コ ール ア ミン,お よ び,そ の 類縁 物 質 を分析

した結 果,て んか ん 患 者 で は,髄 液 中 の カ テ コー ル

ア ミン類 の うち, DOPAお よ びdopamineが 有意 に

低 下 して い る こ と, dopamineの 最 終代 謝 産 物 で あ

るhomovanillicacidが 有 意 に低 下 して い る こ との

ほか,対 照 群 には 検 出 され ないtyramine, octopa

mineお よ びsynephrineの 検 出 され る症例 が あ る こ

とな ど を見出 し,さ らに尿 中homovanillic acid排

泄 が増加 して い るこ と を観察 して い る。

岸川 は,こ れ らの結 果 か ら,て んか ん 患者 の中 に

は, tyrosine代 謝 系 に 異 常 が あ り, tyrosineよ り

DOPAを 経 由 してdopamineに 至 る代 謝経 路 の 抑制

が起 っ て い るか, tyrosineよ りdopamineへ の 代謝

回転(酵 素 活 性 を含 め て考 え る)が,異 常 に 進 し

て い るか の何 れか の 原 因 を考 えて い る.ま た, tyr

amine, octopamineお よびsynephrineの 検 出 され

る症 例 が あ るの は, tyrosine代 謝 の主 経 路 が抑 制 さ

れ た た め,代 償 性 にtyrosine→tyramine→octo

pamine→synephrine→epinephrineと い うpath

wayが 発達 した もので あろ う と考 えて い る.

つ ぎに, tryptophanの 代 謝系 路 につ いて考 えて み

る と, 1)イ ン ドール核 の水 酸 化 に よ り5-hydrox

ytryptophanが 生 成 され る. 2)核 の 開裂 に よ り肝

な ど で はformylkynurenineが 生 成 さ れ る.こ の

反 応 は 脳 内 で は通 常 行 な われ ない が,最 近Mina

togawa20)は 脳 で5-hydroxytryptophanがhydrox

ytryptophanpyrolaseに よ り開 裂 して, 5-hydro

xyformylknurenineを 経 て5-hydroxykynurenine

に な る こ とを見 出 して い る. 3)側 鎖 のalanine部

分 は,芳 香 族 ア ミノ酸 脱 炭 酸酵 素 に よ り脱 炭 酸 され

てtryptamineを 生 成 す るか,あ るい は,芳 香 族 ア

ミノ酸 ア ミノ基 転 移 酵 素 に よ り脱 ア ミノ化 されて

indolpyruvic acidを 生 成 す る こ とが知 られ て い る

が,こ の 反応 は正 常脳 で は存 在 して も非 常 に活 性 が

弱 い.

5-hydroxytryptophanは,芳 香 族 ア ミノ酸脱 炭

酸 酵 素 に よ り脱 炭 酸 され て, serotninを 生 成 す

るが, serotoninは 神 経 伝 達 物質 の1つ と して重 視

されて い るほか, N-acetyl化 お よ び5位0-methy1

化 に よ り生 成 され るmelatonineも 松 果 体 ホ ル モ ン

と して 主 要 な 作用 を演 じて い る.ま た, bufotenine

(N, N-dimethylserotonin)は,分 裂 病 患者 尿 中 に

排 泄 され,分 裂 病 の重 要 症 状 との 関 係 が検 索 されて

い る物 質 で あ る.上 述 の ご と くtryptophanの 代 謝

産 物 に は,生 理的,症 理 的 に も興 味深 い物質 が あ り,

その代 謝 的 研究 が行 わ れ て い るが,そ の よ うな立 場

か らHMIを み る と,ま ず これ は, 5-hydroxytryp

tophan,あ るい はserotoninの 異常 代 謝 産 物 で はな

か ろ うか と想定 され る.

しか し,側 鎖(methyl基)が 如何 に して 生 成 され

るか につ い て は,既 知 の代 謝系 に お け る知 見 か らは

説 明 す る こ とは で きな い.

最 近,て んか ん は,生 体 内 の何 らか の 物質 の代謝

異 常 説 が 唱 え られ るよ うにな った7).

た と えば,ビ タ ミンB6依 存 性 て ん か ん な どは そ

の 好 例 で あ る.ま た,種 々 の動 物 実 験 の 結果 な どか

ら示 唆 され るacetylcholine代 謝 障害 に よ るて ん か

ん, γ-aminobutyric acid欠 乏 性 て ん か ん,あ る い

は,前 述 したdopamine欠 乏 性 て ん か ん な ど,近 い

将 来 種 々の 型 の て んか ん が分 類 され る もの と考 え ら

れ る.

HMIを 排 泄 す るてんか ん 患 者 は如 何 な る代 謝 過 程

に欠 陥 が あ るの か,こ れ は今 後 に残 され た大 きな課

題 で あ る.

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430  八 坂 陽 一 郎

第5章  結 論

Gas chromatography(ECD)に よ り,尿 中 の

5-hydroxy-3-methylindole(HMI)を 定 量 す る方

法 を考 案 し,そ れ に よ り,正 常 人 お よ びて ん か ん 患

者尿 中HMIを 測 定 して,つ ぎの成 績 を得 た.

1) 正 常 人(15例)尿 中 にHMIが5.5~90.0μg/

day検 出 され た.

2) てん か ん 患 者13例 中 に はHMIが 異 常 に高値

(108.0~613.2μg/day)に 排 泄 され る症例7例 が

あっ た.

稿 を終わ るに臨み,御 指導,御 校閲 を賜 わった岡

山大学 医学部脳神経外科教室西本詮教授,な らびに

御指導 を賜 わった同脳代謝研究施設機能生化学部門

森昭胤教授に深 く感謝 の意 を表 します.ま た本研究

に有益な御助言 と御協力 を賜わ った大阪大学医学部

脳神経外科六川二郎講師, 5-hydroxy-3-methylin

doleの 合成に御協力賜 わった,小 野薬品中央研究所

次長黒 野昌庸博士,質 量分析 に御協力賜わ った山之

内製薬中央研究所測定室市村孝道氏,お よび本研究

に多大の御援助 を頂 いた脳代謝研究施設政本和子,

平松緑 両薬学士 に感謝の意 を表 します.

文 献

1) 永 井 甲子 四郎: K物 質 の研究, GABA, GABOB関 連 物 質 の研 究,条 件 反射. 38-40, 1964.

2) 森 昭胤:痙 攣 発 現 機 構 とア ミノ酸,と くに γ-グ ア ニ ジ ノ酪 酸 につ い て,第7回 日本 医 学 会 講 演 集, 1,

396-400, 1967.

3) Jinnai, M., Mori, A., Mukawa, J., Ohkusu, H., Hosotani, M., Mizuno, A. and Tye, L. C.

: Biochemical and physiological studies on guanidino-compound induced convulsion. Jap, J.

Brain, Physiol, 100, 28-33, 1969.

4) Jinnai, D., Sawai, A. and Mori, A.: ƒÁ-guanidinobutyric acid as a convulsive substance,

Nature, 212, 617, 1966.

5) 森 昭胤:脳 の グア ニ ジ ン化 合 物 と痙攣 発 現機 序,日 本 臨床 代 謝 学 会記 録V, 59-62, 1968.

6) 森 昭胤:て ん か ん の神 経 化学54, 139-146, 1972.

7) 森 昭胤:て ん か ん の生 化 学 的背 景,日 本 医 事新 報, 2718, 128-129, 1976.

8) Tower, D.B.: Neurochemistry of Epilepsy, Charles C. Thomas, Springfield, Illinois, 1960.

9) 森 昭胤:て ん か ん の 臨床 と理 論(原 俊 雄,平 井 富 雄,福 山幸 夫 編),医 学 書 院,東 京. 1974.

10) 小 林 清 史,森 昭胤:て んか ん と脳 内 モ ノ ァ ミン,日 本 臨床, 33, 3074-3084, 1975

11) Chen, G., Ensor, C. R. and Bohner, B.: A facilitation action of reserpine in the central

nervous system, Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 86, 507-510, 1954.

12) Lessin, A. W. and Parkes, M. W.: The effects of reserpine and other agents upon leptazol

convulsions in mice, Brit. J. Pharmacol., 14, 108-111, 1959.

13) Schlesinger, K., Boggan, W and Freedman, D.: Genetics of audiogenic seizures: The Re

lation to brain serotonin and norepinephrine in mice, Life Sci., 7, 437, 1968.

14) Gray, W. D. and Rauh, C. E.: The relation between monoamines in brain and the anticonvu

Isant action of inhibitors of carbonic anhydrase, J. Pharmacol, exp, Ther., 177, 206-218,

1971.

15) Spatz, N., Spatz, H. and Fischer, E.: 5 -hydroxy 3 -methylindole dans I' urine des epipepti

ques, C. R. Soc. Biol., (Paris), 166, 1213, 1972.

16) Marchand, B.: Zur praparativen Chemie der Indole, III. Notiz fiber die katalytische Hydrier

ung von Gramin and 5-Benzyloxygramin, Chemische Berichte., 95, 577-578, 1962.

17) 田村 善 蔵:臨 床 化学 領 域 にお け るガ ス ク ロマ トグ ラ フ イー(総 論),臨 床 化学, I, 363-368, 1972.

18) 森 昭胤,岸 川 秀実:ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ ィー に よ る血 液,尿,お よ び脳 脊 髄 液 中 の カ テ コ ール ァ ミン の測

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Gas chromatography(ECD)に よ る尿 中5-hydroxy-3-methylindoleの 測 定 に 関 す る 研 究  431

定 法,臨 床 化学, 4, 34-41, 1975.

19) 岸 川 秀実:カ テ コ ー ル ア ミン代 謝 に 関す る基礎 的 な らび に臨 床 的研 究,第2編:て んか ん の カ テ コー ル ア

ミン代 謝 に関 す る基礎 的 臨 床 的 研究,岡 山医 誌, 81, 463-480, 1972.

20) Minatogawa, Y., Noguchi, T. and Kido, R: Aromatic amino acid transaminase in rat brain, J.

Neurochem. 20, 1479-1481, 1973.

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432  八 坂 陽 一 郎

Gas chromatographical determination of 5-hydroxy-3-methylindole

in human urine

by

Yoichiro YASAKA

(Director: Prof. Akira Nishimoto)

5-hydroxy-3-methylindole was first found by Spatz, Spatz, and Fischer in the urine of

patients with centrencephalic epilepsy in 1972.

I have determined this substance in human urine by gas chromatography with an electron

capture detector(ECD).

One hundred ml of urine was filtered, concentrated in vacuo and extracted by benzene

ethanol(9.5: 0.5v/v). The extract was passed through silica gel column.

The eluate was dried completely in vacuo, dissolved in acetonitrile, trifluoroacetylated

by trifluoroacetic acid anhydride and then determined by gas chromatography(ECD). The

detected peak in gas chromatogram has been confirmed as di-trifluoroacetylated 5-hydroxy

3-methylindole by GC-MS.

As the results of the experiment, it was found that about 5.5-90.0,ug/day of HMI was

excreted in normal subjects and extraordinary high level(108.0-613.2ƒÊg/day)was observed

in epileptics.