give your oracle dbas the backups they really want 向けdata domain のビジネス バリュー 7...

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Data Domain シリーズを選択する理由 このホワイト ペーパーを読むメリット バックアップの高速化Data Domain システムは最大 31TB/時のスループットを発揮し、最も 高速な競合製品より 3 倍高速なため、バックアップ ウィンドウ内でフル バックアップを完了で きます。) データベース管理者の効率が向上(データベース管理者は制御とカタログの完全な可視化が 可能になり、日常的なデータベースのフル バックアップを高速に処理できます。) データベースのリカバリを確実に実行Data Domain データ非脆弱性アーキテクチャにより、 最後の砦となるストレージとして、業界で最も優れたデータ整合性の保護を提供します。) 運用の合理化(テープ カートリッジを管理する必要がなくなり、日常の運用や災害復旧時の 運用が大幅に合理化されます。) 帯域幅の消費量を削減(バックアップ/レプリケーションに使用する帯域幅を最大 99%削減し ます。) データベースのバックアップ ストレージ効率が最大限に向上Data Domain の重複排除機能 により、Oracle Database のバックアップ ストレージ効率が向上します。) バックアップの成功率が向上(リンク統合とフェイルオーバーによりバックアップの成功率が最 大限に向上し、再開が必要なバックアップ ジョブが減少します。) ライセンス コストの削減Oracle RMAN により Oracle Database Data Domain システムに直 接バックアップすることにより、高価な Oracle バックアップ アプリケーションのライセンス コスト を削減できます。) 2013 10 Oracle データベース管理者が真に必要とする バックアップを実現 Oracle 向け Data Domain のビジネス バリュー

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Page 1: Give your Oracle DBAs the Backups they really want 向けData Domain のビジネス バリュー 7 図1: Oracle データベース サーバー上のDD Boost プラグ インと、管理ファイル

Data Domainシリーズを選択する理由

このホワイト ペーパーを読むメリット バックアップの高速化(Data Domainシステムは最大 31TB/時のスループットを発揮し、最も高速な競合製品より 3倍高速なため、バックアップ ウィンドウ内でフル バックアップを完了できます。)

データベース管理者の効率が向上(データベース管理者は制御とカタログの完全な可視化が可能になり、日常的なデータベースのフル バックアップを高速に処理できます。)

データベースのリカバリを確実に実行(Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャにより、最後の砦となるストレージとして、業界で最も優れたデータ整合性の保護を提供します。)

運用の合理化(テープ カートリッジを管理する必要がなくなり、日常の運用や災害復旧時の運用が大幅に合理化されます。)

帯域幅の消費量を削減(バックアップ/レプリケーションに使用する帯域幅を最大 99%削減します。)

データベースのバックアップ ストレージ効率が最大限に向上(Data Domainの重複排除機能により、Oracle Databaseのバックアップ ストレージ効率が向上します。)

バックアップの成功率が向上(リンク統合とフェイルオーバーによりバックアップの成功率が最大限に向上し、再開が必要なバックアップ ジョブが減少します。)

ライセンス コストの削減(Oracle RMANにより Oracle Databaseを Data Domainシステムに直接バックアップすることにより、高価な Oracleバックアップ アプリケーションのライセンス コストを削減できます。)

2013年 10月

Oracleデータベース管理者が真に必要とするバックアップを実現

Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

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2 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

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されることがあります。 この資料に記載される情報は、「現状有姿」の条件で提供され

ています。EMC Corporationは、この資料に記載される情報に関する、どのような内容についても表明保証条項を設けず、特

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証はいたしません。 この資料に記載される、いかなる EMCソフトウェアの使用、複製、頒布も、当該ソフトウェア ライセンスが必要です。 最新の EMC製品名については、japan.EMC.com で EMC Corporationの商標を参照してください。 パーツ番号 h11618-J

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3 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

インデックス

エグゼクティブ サマリー ........................................................................................... 4

Oracleデータベース管理者が真に求めるバックアップとは .................................................. 4

はじめに ............................................................................................................................. 4

対象読者 ............................................................................................................................ 4

従来の Oracleバックアップの課題 ............................................................................ 5

従来のバックアップの制約 .................................................................................................. 5

データベース管理者とバックアップ管理者 ........................................................................... 6

データベース管理者が真に求めるバックアップの実現 ......................................................... 6

Oracleバックアップをリードする Data Domainシステム ............................................. 6

「Oracle RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップ」の定義 ....................... 6

RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップ特有のメリット ....................... 7

Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャ ...................................................................... 7

Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャのメリット .................................................... 8

高速化の基盤となる Data Domain SISL .............................................................................. 8

Data Domain SISLのメリット ............................................................................................ 8

Data Domain Boostによる重複排除プロセスの分散 ........................................................... 9

Data Domain Boostのメリット ......................................................................................... 9

論理クォータによる共有 Data Domain容量の管理 ............................................................ 11

Data Domain容量の論理クォータのメリット ................................................................... 11

データベース管理者による効率的なレプリケーション管理 ................................................. 12

Data Domainレプリケーションのメリット ......................................................................... 12

結論 ...................................................................................................................... 13

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4 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

エグゼクティブ サマリー

Oracleデータベース管理者が真に求めるバックアップとは

Oracleデータベース管理者にデータベースのバックアップ/リカバリで真に必要なことは何かと尋ねると、管理者たちは、日常のフル バックアップと管理をバックアップ業務担当のスタッフに依存せずに自分たちでできるようにしたいと答えるでしょう。ま

た、どのバックアップがオンサイトにあり、どのバックアップが災害復旧用としてオフ

サイトにあるのかを把握できるようにしたいという声もあるでしょう。特に大規模デー

タベースの場合はフル バックアップに長時間を要するため、データベース管理者にとってはバックアップを高速に処理し、利用できるバックアップ ウィンドウ内で完了できることも必要となります。非常に大規模なデータベースでは、定期的なフル バックアップと差分バックアップを組み合わせて実行することが一般的です。最後に、管理

者は複数のバックアップをさまざまな期間にわたって保持し、必要に応じてそれを使

用できるようにしたいと考えています。このような要件をすべて完全に満たすことが

できるのは、すでにデータベース管理者の間で知られており、信頼を得ている

Oracle RMANツールを使用して、Data Domain重複排除ストレージ システムに直接バックアップを行うという方法です。

はじめに

このホワイト ペーパーでは、Oracle RMANを使用した Data Domainシステムへのダイレクト バックアップについて取り上げます。本書では、Data Domainシステムによって Oracleデータベース管理者が真に求めるデータベース バックアップを実現できる理由を、技術面とビジネス面から説明します。

対象読者

このホワイト ペーパーは、EMCのお客様、EMCの営業担当者、EMCシステム エンジニア、EMCパートナー、および Data Domainテクノロジーとそれが Oracle Databaseのバックアップにもたらすあらゆる独自のメリットについてより詳しく知りたいと考える

すべての人を対象としています。

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5 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

従来の Oracleバックアップの課題 Data Domainシステムが Oracle Databaseのバックアップ改善にもたらすメリットを十分に活用して頂く前に、従来のバックアップの制約となっているいくつかの要因に

ついて説明します。その後、Data Domainシステムを効率化する方法と、活用できるすべてのメリットについて説明します。

従来のバックアップの制約

バックアップの全体的なパフォーマンスと信頼性が制約され、そのためにバックアッ

プ ウィンドウ内に処理を完了できずバックアップの成功率が低くなるという事態を招いている要因は多数あります。その中でも特によく見られる次の課題に注目します。

物理テープ ドライブ数に制約がある

物理テープ ドライブとテープ メディアの信頼性が低い

物理テープ ドライブの速度が遅い

テープのバッファが空になると、テープ ドライブにシュー シャイン現象が発生する

LANの帯域幅が限られている

CIFSおよび NFSを使用したバックアップの非効率性

ファイバー チャネル接続数が限られている

ファイバー チャネル接続の速度

バックアップ サーバーの負荷が大きすぎる

多くの場合、バックアップは LANの帯域幅によってある程度制約されます。そこにCIFSと NFSプロトコルを使用して Ethernetを介したバックアップの非効率性が加わると、問題はさらに深刻化します。それ以外に、ファイバー チャネル接続の数と速度によって制約を受けるバックアップもあります。ファイバー チャネルを介したバックアップは、旧式のインフラストラクチャの速度や、数年ごとに発生する最新のポート

速度へのアップグレードに要する高額なコストによって制約されることがあります。従

来のバックアップでよく問題を引き起こすもう 1つの要因として、特にフル バックアップの実行中にバックアップ サーバーの負荷が大きくなりすぎるということがあります。また、物理テープ デバイスの信頼性が低く速度が遅い、または数が限られているという問題や、テープ メディアのエラーにも対応する必要があります。物理テープを使用する場合、データ ストリーミングを十分な速度に維持できないとテープのバッファが空になり、バックアップのパフォーマンスが大幅に低下します。さらに、重複排除テ

クノロジーを使用しないために、ストレージ容量、データセンターの設置面積、バック

アップ用帯域幅の消費量が大きくなりすぎることがあります。このような問題が生じ

ると、指定されたバックアップ ウィンドウ内に完了できず失敗に終わるバックアップが多発します。

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6 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

データベース管理者とバックアップ管理者

Oracleのバックアップに関しては上述のような制約に加え、組織面でのバックアップの課題が存在することもあります。多くの場合、IT部門の中で Oracleデータベース管理者が所属する部署とバックアップまたはストレージ管理者の部署は異なります。

これは双方が衝突する原因となることがあります。Oracleデータベース管理者は自分たちのバックアップ/リカバリを自分たち自身で管理したいと考えますが、バックアップまたはストレージ管理者はいつも特別な要求をするデータベース管理者に煩

わされたくないと考えるからです。データベース管理者は、自分たちでは実行できな

いレポートをたびたび要求します。場合によっては、Oracleデータベース管理者がバックアップ担当者に依存せずにすべてを自分たちで管理できる自分たちのバック

アップ ソリューションを見つけることもあります。一方、バックアップおよびストレージ管理者たちも、データベース管理者はバックアップ容量を提供する共有リソースを非

常に多く消費するのではないかと考え、データベース管理者に容量管理を許可する

ことには神経をとがらせています。

データベース管理者が真に求めるバックアップの実現

Oracleデータベース管理者が、効率的な重複排除ストレージ プラットフォームにデータベースを超高速でバックアップでき、使い慣れた RMANインターフェイスを利用してすべての制御とカタログ認識が可能になったとしたら、どうでしょうか。さらに、

現在のバックアップ サーバーのワークロードが削減され、そうしたことがすべて実現される一方、共有の重複アプライアンスでデータベース管理者が使用できる重複排

除ストレージ容量を制限できるとしたら、どうでしょうか。RMANを使用して Data Domainシステムに直接バックアップを行えば、まさにそうしたことが実現できます。

Oracleバックアップをリードする Data Domainシステム

「Oracle RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップ」の定義

「Oracle RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップ」とは、サード パーティのバックアップ アプリケーションを使用せず、Oracle RMANユーティリティを使用して Oracleデータベース サーバーから Data Domainシステムに直接 Oracle Databaseのバックアップを行うことです。バックアップは、CIFS、NFS、Data Domain BoostTMのいずれかを使用して、Oracleデータベース サーバーからターゲットとなるData Domain重複排除ストレージへ直接送信されます。Data Domain Boostを使用したバックアップは CIFSや NFSを使用する場合と比べて非常に大きなメリットがあるため、このホワイト ペーパーではこのあと、DD Boostを使用した RMANについて説明していきます。

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7 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

図 1: Oracleデータベース サーバー上の DD Boostプラグ インと、管理ファイル レプリケーションを実行するローカルとリモートの Data Domainシステムを示しています。

RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップ特有のメリット

RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップによって、バックアップ サーバーは完全にバイパスされます。そのため、バックアップ サーバーから Oracle Databaseのバックアップ ワークロードが排除され、解放されたリソースを他のバックアップに使用できるようになります。

多くのバックアップ アプリケーションでは、保護対象の Oracleデータベース サーバーごとにライセンスされる高価なクライアントおよびプラグイン ソフトウェアが必要です。Oracle RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップでは、データベースはサード パーティのバックアップ アプリケーションではなく RMANによって直接保護されるため、そうした高額なライセンス コストが一部削減されるか、あるいはまったく不要になります。

Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャ

バックアップ プラットフォームは一般に、最後の砦としてのストレージであるため、データ整合性の確保が最優先事項になります。バックアップからデータをリカバリし

ようとするとき、おそらくこのプラットフォームはデータが存在する最後の場所となりま

す。バックアップ ソリューションを検討する場合、本当に必要なときにデータをリカバリすることができなければ、他の特長や機能は何も意味がありません。あらゆる消

失形態からデータを保護できる 1つの保護メカニズムというものはありません。Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャには、次のような 4種類の保護メカニズムが含まれ、その連係によって、データの整合性とリカバリの問題に対して業界で最も優

れた防御策を提供します。

エンド ツー エンドの検証

障害回避と抑制

障害検出と修復

ファイル システムの復旧可能性

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8 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャのメリット

データ非脆弱性アーキテクチャにより、重要なデータを確実にリカバリでき、最後の

砦としてのストレージに対する期待どおりにデータが保護されているという信頼感が

得られます。データの整合性にこれほど注意を払っているベンダーは EMC以外にありません。Data Domain システムでは保存されたデータを送信されたデータと照合し、データが正しく格納されていることを確認します。また、このシステムでは旧データに

新しいデータを追加することは絶対に避けるという既存データの廃棄予防措置を

取っているため、データが上書きされることは絶対にありません。Data Domainシステムは、電源障害や二重のディスク ドライブ障害によるデータ消失も防止します。バックグラウンドでのデータ スクラビングもビット反転の防止に役立ち、オンザフライでエラー訂正を行います。そのため、自動的にデータをリカバリ可能で正しい状態に

維持できます。最後に、ほとんどのベンダーの製品と異なり、Data Domainシステムは妥当な期間内でゼロから再構築でき、可能な限り迅速な業務再開を実現できます。

Data Domainシステムはこのようにデータの整合性維持に力を入れているため、他のどの製品よりも適切なデータ保護を確信できます。

高速化の基盤となる Data Domain SISL

業界をリードする Data Domainシステムのパフォーマンスを支えているのは、SISLTM

(Stream Informed Segment Layout)拡張アーキテクチャです。具体的には、CPUとRAM内で行われる重複排除作業の 99%が Data Domainシステムで処理されます。そのため、CIFSや NFSなどの非効率的なプロトコルを使用してバックアップが行われた場合でも優れたパフォーマンスを発揮します。Data Domainシステムは最大31TB/時のバックアップ速度を達成できます。これは最も高速な競合製品と比べてもおよそ 3倍高速です。SISLを採用している Data Domainシステムは、他の重複排除プラットフォームのようにパフォーマンスがスピンドルに依存することはありません。

最新の Intelプロセッサを搭載する歴代の Data Domainシステムが、全体的なパフォーマンスを大幅に向上させてきた理由もそこにあります。

Data Domain SISLのメリット

SISLには 2つの重要なメリットがあります。それは、バックアップの高速化と投資保護です。最も重要な点は、Data Domainシステムが業界最高速であるため、データの急増に直面した場合にも厳しいバックアップ ウィンドウに対応できるということです。次に重要なのは、Data Domainシステムのパフォーマンスが、ムーアの法則に従って Intelプロセッサのパフォーマンスとともに向上するという点です。つまり、新しいData Domainシステムには今後開発される CPUが搭載されるため、Data Domainシステムの速度と拡張性は将来も大幅な向上を実現し続けるということです。新しいテ

クノロジーが導入されると、多くの EMCシステムでは、すべてのバックアップ データをイン プレースに維持したまま、コントローラーを次世代モデルにリプレースすることができます。この投資保護によって、システムの運用を中断することなくバックアップ

のパフォーマンスと拡張性を大幅に向上させることが可能になります。

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9 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

Data Domain Boostによる重複排除プロセスの分散

Data Domain Boostは重複排除作業の一部を個々の Oracleデータベース サーバーに分散させ、Data Domainシステムの処理能力を一意のデータの特定とディスクへの新しいデータの書き込みに集中させます。Oracle Databaseの規模が大きくなるほど、この分散の規模も大きくなります。たとえば、Oracleデータベース サーバー10台以上のバックアップを行う場合は、10台分のサーバー リソースが使用され、それぞれが DD Boostを使用して重複排除作業の一部を実行します。DD Boostを使用しないと、重複排除作業全体を Data Domainシステムで行うことになり、すべてのデータをソース データベース サーバーから Data Domainシステムに送信する必要があります。驚くべきことに、DD Boostを使用して重複排除作業の一部を支援する作業は、DD Boostを使用せずにフル バックアップを Oracleデータベース サーバーからターゲット Data Domainシステムに移動する場合に必要な作業より少なくなります。

図 2: DD Boostによる分散セグメント処理

Data Domain Boostのメリット

Data Domain Boostを使用すると、現在導入されているネットワーク インフラストラクチャを使用してもバックアップ速度が 50%以上向上します。これは非常にシンプルなメリットです。DD Boostを使用せずにバックアップを実行するのと、まったく同じハードウェアとともに DD Boostを使用して、それより最大 50%速いスピードでバックアップを実行するのと、どちらがよいでしょうか。このように Data Domain SISLと DD Boostを組み合わせることによって、シングル コントローラーの Data Domainシステムでも最大 31TB/時のパフォーマンスを達成できます。このパフォーマンス向上によって、Oracle Databaseの毎日のフル バックアップをバックアップ ウィンドウ内に完了することが可能になり、将来のデータ増加に備える余裕も生まれます。

DD Boostを使用して重複排除作業の一部を Oracleデータベース サーバー自体に分散することによって、このデータベース サーバーから Data Domainシステムに実際に送信する必要があるデータは、一意の新しいデータのみとなります。その結果、

移動するデータは最大 99%少なくなり、現在利用可能な接続リソースをさらに効率的に使用できるようになります。DD Boostは Oracleデータベース サーバー上で使用されるため、この帯域幅に関するメリットは Oracleデータベース サーバーからData Domainシステムまでのバックアップ パス全体に及びます。

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10 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

図 3: DD Boostにより、LAN帯域幅の使用量が最小限に抑えられます。

Ethernetを使用するバックアップ環境では、フル バックアップの実行中に LAN帯域幅の飽和が生じることがありますが、Ethernet経由で DD Boostを使用するとパフォーマンスが大幅に向上し、コストのかかる LANアップグレードを延期できる場合があります。

図 4は、1TBのバックアップを 3通りの重複排除レベルで実行する場合、DD Boostを使用すると移動するデータ量がどれほど少なくなるかを示す具体例です。

1,024GBのバックアップに対し、重複排除比率が 4:1の場合に Data Domainシステムに送信されるデータはわずか 256GB、8:1の場合はわずか 128GB、12:1の場合はわずか 84.4GBです。

図 4: DD Boostを使用することで、Data Domainに送信されるデータ量が減少

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11 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

Data Domainの実装では、通常 Data Domainシステムへの複数のパスを活用します。ほかにも、DD Boostのメリットの 1つとして、使用可能なすべてのパスに対して自動的にバックアップ作業負荷のロード バランシングを行い、パフォーマンスと効率性をさらに最大限に高めるという点があります。もう 1つのメリットは、1つのパスに問題が生じた場合には自動パス フェイルオーバーを実行し、バックアップの信頼性を向上させるという点です。これは、1つのバックアップ パスが使用できなくなってもバックアップ処理は継続されるということです。そのため、バックアップ/リカバリの成功率が向上し、失敗して再開しなければならないバックアップ ジョブが少なくなり、スタッフの作業が軽減されます。

バックアップおよびデータベース管理者たちは皆、何が起きているのか、バックアッ

プはどこに格納されるのかを知り、自分たちで管理したいと考えています。DD Boostを使用すると、RMANによってカタログを完全に可視化でき、バックアップがどのように行われ、コピーがどこに作成されるのかが分かります。また、災害復旧用として

ローカルの Data Domainシステムで 1台または複数台のリモートの Data Domainシステムに何をレプリケートするかを管理できます。

DD Boostによる重複排除プロセスの分散がもたらすメリットの中には、直観的には理解しにくいものもあります。DD Boostを使用すると、Oracleデータベース サーバーで重複排除プロセスの一部を実行中であっても、実際にはそのサーバー上の CPUの利用率は低下します。つまり、データの送信には重複排除プロセスの一部を実行

する場合より多くのリソースが必要になるということです。そのため、送信するデータ

量を少なくすることにより、バックアップが Oracleサーバーに及ぼす影響を平均で20~40%削減できます。

論理クォータによる共有 Data Domain容量の管理

Data Domainシステムは、RMANを使用したダイレクト バックアップやその他のさまざまなバックアップまたはアーカイブ アプリケーションで同時に共有できます。Data Domainシステムには論理クォータの設定機能が搭載されているため、共有 Data Domainシステムの容量がすべて 1つのバックアップまたはアーカイブ アプリケーションで消費されることはありません。警告送信用に 1つの閾値を設定し、一定以上のバックアップを停止するために別の閾値を設定することができます。

Data Domain容量の論理クォータのメリット

データベース管理者たちが共有 Data Domainシステムのストレージ容量を過度に消費することがない限り、データベース管理者が完全な可視性を実現し、自分たちで

管理できるようにするのはよいことです。Data Domainの論理クォータ機能を利用すると、データベース管理者が使用できる容量を制御し、バックアップまたはストレージ

管理者が使用する容量を確保できます。閾値の設定について事前に合意しておけ

ば、Data Domainのソフトウェア クォータ容量警告とハードウェア クォータ容量制限によって、バックアップ管理者とデータベース管理者の双方にとって最適な状況を実

現できます。

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12 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

データベース管理者による効率的なレプリケーション管理

Data Domain Replicatorを使用すると、RMANで帯域幅効率に優れたレプリケーションを管理でき、物理テープによるオペレーション リカバリや災害復旧に代わるコスト パフォーマンスに優れたレプリケーションが可能になります。RMANを使用した Data Domainへのダイレクト バックアップと DD Boostにより、データベース管理者は災害復旧用としてリモート サイトに何をレプリケートするかを管理でき、すべてのコピーのカタログを完全に認識できます。

Data Domainレプリケーションのメリット

Data Domain Replicatorを使用して RMANで Data Domainに直接バックアップすることにより、数千もの物理または仮想テープ カートリッジを管理する必要がついになくなり、日常のオペレーション バックアップ環境がよりシンプルで労力の少ないものになります。また、DD Boostを使用して RMANで Data Domainへ直接バックアップを行うと、データベース管理者はレプリケーションを完全に管理でき、カタログ認識も

可能になります。効率的な可変長の区分化により、レプリケーションに必要な帯域幅

が最小限で済み、WANのコストも抑えることができます。その結果、よりシンプルで信頼できる、コスト パフォーマンスに優れた災害復旧環境を実現できます。

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13 Oracle向け Data Domainのビジネス バリュー

結論 データベースのバックアップには重要な課題があります。このホワイト ペーパーをお読みになったことで、Data Domainシステムと Oracle RMANの組み合わせによって重要な Oracle Databaseの保護がどれほど大幅に向上するかを、さらによくご理解頂けたことと思います。

まとめると、Data Domainには次のようなメリットがあります。

最後の砦としてのストレージに Data Domainのデータ非脆弱性アーキテクチャを導入することにより、非常に重要な Oracle Databaseの復旧可能性を確保

Oracle Databaseのバックアップ パフォーマンスが 50%以上向上し、最大31TB/時を達成。これは最も高速な競合製品よりおよそ 3倍高速

帯域幅の使用量を最大 99%削減し、既存ネットワークのより効率的な使用を実現

Oracle Databaseのバックアップ ワークロードを現在のバックアップ サーバーから排除。バックアップ サーバーのリソースが解放され、他のシステムで使用可能

パスの自動ロード バランシングとパス フェイルオーバーにより、バックアップの成功率、効率性、パフォーマンス、信頼性が最大限に向上し、再開が必要

なジョブが減少

完全なカタログ認識により、Oracleデータベース管理者は災害復旧用のオペレーション バックアップとデータベース レプリケーションを自分たちで管理可能

Oracle Databaseの高額なバックアップ ライセンス コストが不要になる

データベース管理者による共有 Data Domainストレージ容量の消費を、ソフトウェアおよびハードウェアの論理容量クォータを使用して管理

CIFS、NFS、DD Boostを使用して RMANから Data Domainに直接バックアップを行うことによってテープ カートリッジを排除し、日常のバックアップ業務を合理化

EMC の Data Domain テクノロジーの差別化要因についてさらに詳しく知りたい方は、EMCの Webサイトで EMC Data Domainデータ非脆弱性アーキテクチャ、EMC Data Domain SISL拡張アーキテクチャ、Data Domain Replicator、Data Domain Boost for Oracle RMAN ホワイト ペーパーを参考にしてください。iPadをお持ちの方は、EMCの Webサイトで Data Domain Interactive Product Guide iBookもご覧ください。この中の The Backup Window ブログやその他の EMCバックアップ/リカバリ システムに関するトピックの参照をお勧めします。