gnss測量の今 - 森林gisフォーラム · 2020. 4. 1. · 4 スギ林内 2019/7/3 5時間 gps...

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森林内でのGNSS測量の今 −測位誤差数cm可能になったのか?− (コーディネータ)富⼭県森林研究所:⼩林裕之 (話題提供者)富⼭県森林研究所:⼩林裕之 (話題提供者)⻑野県林業総合センター:⼾⽥堅⼀郎 ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/51 趣旨説明 20年前の 森林内測位 森林内外での多機種のGPS受信機による測位⽐較 ⼩林裕之,⽮⽥ 豊,茶珎俊⼀,⼩神野和貴,野上由美⼦,⿃本秀幸 ⽇本林学会誌/83(2001)2/p135142 ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/52 コナラ林 スギ疎林 スギ密林 ケヤキ林 その後 ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/53 19992018年(約20年間) GNSS測量による森林内での精密位置決めは諦めていた。 ドローン空撮と地上調査との位置合わせに林内の精密位置決めが必要となる。 2016年頃 安価なRTK受信モジュール(1周波)が登場 スイスU‐Blox社製:NEO‐M8P 参考:トラ技RTKスタータキット22,000円(モジュール+アンテナ) トランジスタ技術(2018/1)で特集 2019安価なRTK受信モジュール(2周波)が登場 スイスU‐Blox社製:ZED‐F9P 参考:トラ技2周波RTKスタータキット42,000円(モジュール+アンテナ) トランジスタ技術(2019/10)で特集 ⼩林 (18) ⼾⽥ (20) 森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5 1

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  • 森林内でのGNSS測量の今−測位誤差数cmは

    可能になったのか?−(コーディネータ)富⼭県森林研究所:⼩林裕之

    (話題提供者)富⼭県森林研究所:⼩林裕之(話題提供者)⻑野県林業総合センター:⼾⽥堅⼀郎

    ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/5) 1

    趣旨説明

    20年前の森林内測位

    森林内外での多機種のGPS受信機による測位⽐較⼩林裕之,⽮⽥豊,茶珎俊⼀,⼩神野和貴,野上由美⼦,⿃本秀幸

    ⽇本林学会誌/83巻(2001)2号/p135ー142

    ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/5) 2

    コナラ林

    スギ疎林

    スギ密林

    ケヤキ林

    その後

    ワークショップGNSS趣旨説明(2020/2/5) 3

    1999〜2018年(約20年間)GNSS測量による森林内での精密位置決めは諦めていた。

    ドローン空撮と地上調査との位置合わせに林内の精密位置決めが必要となる。

    2016年頃安価なRTK受信モジュール(1周波)が登場

    スイスU‐Blox社製:NEO‐M8P参考:トラ技RTKスタータキット22,000円(モジュール+アンテナ)

    トランジスタ技術(2018/1)で特集

    2019年安価なRTK受信モジュール(2周波)が登場

    スイスU‐Blox社製:ZED‐F9P参考:トラ技2周波RTKスタータキット42,000円(モジュール+アンテナ)

    トランジスタ技術(2019/10)で特集

    ⼩林(18分)

    ⼾⽥(20分)

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

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  • 1周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介

    富⼭県農林⽔産総合技術センター森林研究所⼩林裕之

    [email protected]

    ⼩林_1周波RTK 1

    ハードウェア(Reach)

    ⼩林_1周波RTK 2

    SingleBoard

    Computer

    MotherBoard (M/B)

    Antenna

    M/B裏にNEO‐M8T?

    RTKLIB組み込み

    ロシアEmlid社1周波RTK受信機

    ReachシリーズのひとつU‐blox社のNEO‐M8PからRTKエンジンを抜いた,

    NEO‐M8Tを内蔵

    以降「Reach」と呼ぶ

    ソフトウェア(RTKLIB)RTKLIBとは,Windowsパソコンや,ラズベリーパイなどの⼩型Linuxマシン上で動作する,オープンソースのRTKライブラリと,そのライブラリを使うアプリケーションソフトウェア群です。RTKをはじめとして多種の測位計算が可能です。

    東京海洋⼤学の⾼須知⼆先⽣がコツコツと10年以上の歳⽉を費やして整備してきた珠⽟のライブラリであり,世界的な⾄宝です。

    主なアプリケーションプログラムRTKCONV.exe(受信機メーカ独⾃の観測データなどを後処理解析で使うRinexデータへ変換する)RTKPOST.exe(後処理で測位計算を実⾏する)RTKPLOT.exe(測位結果や観測データをプロットする)

    ⼩林_1周波RTK 3

    中本伸⼀(2018)フリーの測位アプリRTKLIBをPCにセットアップする.(トランジスタ技術2018年1⽉号,CQ出版社,p67より引⽤

    解析⽅法(PPK解析)(Postー Processing Kinematic:後処理キネマティック)

    ⼩林_1周波RTK 4

    未知点(現場)

    での観測データ

    既知点(電⼦基準点)での観測データ

    &緯度,経度,楕円体⾼

    RTKLIB(東京海洋⼤の⾼須知⼆⽒作,フリーの解析ソフトウェア群)

    未知点の座標を算出

    既知点と未知点の双⽅で同じ衛星を⼀定時間以上観測できないと解が収

    束しない。波の数が整数(⼩数)のときはFIX解(FLOAT解)となる。

    解析に当たっては,防災科学技術研究所の内⼭庄⼀郎⽒が作成した資料

    (下記URL)が参考になる。

    「RTKLIBによる解析」https://hdtopography.github.io/learning/book/GNSS/

    測位した場所

    5

    •富⼭県氷⾒市中⽥

    ⼩林_1周波RTK

    開空間下での静⽌測量(四等三⾓点「中⽥」)1時間地理院公開の真値あり

    ⼩林_1周波RTK 6

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー

    2020/2/5

    1周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (小林裕之)

    1

  • 森林内での静⽌測量(富⼭県氷⾒市中⽥)5時間

    真値は不明

    ⼩林_1周波RTK 7

    解析パターンほか

    番号

    測位地点

    測位年⽉⽇ 測位時間 使⽤衛星

    1 三⾓点 2018/12/10 1時間 GPS2 〃 〃 〃 GPS+GLONASS3 〃 〃 〃 GSP+GLONASS+QZSS4 スギ林内 2019/7/3 5時間 GPS5 〃 〃 〃 GPS+GLONASS6 〃 〃 〃 GSP+GLONASS+QZSS

    ⼩林_1周波RTK 8

    Reachの観測データは0.2秒毎であり,電⼦基準点の観測データは30秒毎なので,解析は30秒毎に実施(1時間=120サンプル,5時間=600サンプル)

    GPS:⽶国GLONASS:ロシア

    QZSS:⽇本(みちびき)

    解析結果ファイルの例

    ⼩林_1周波RTK 9

    使⽤衛星

    基準点の位置座標

    Q=5:単独測位Q=2:float解(波数が⼩数)Q=1:FIX解(波数が整数)

    ⼩数点以下8桁⽬が1.11mm

    Ratio Factor forAmbiguity Resolution(衛星とアンテナの距離の

    正確さ)3.0以上でFIX(Q=1)

    最⼤999.9

    全測位点(全6パターン)

    ⼩林_1周波RTK 10

    (GPS)

    (GPS+GLONASS)

    (GPS+GLONASS+QZSS)林内

    三⾓点

    解析結果の概要番号

    測位地点

    n 使⽤衛星Q=1Fix解(%)

    Q=2Float解(%)

    Q=5単独測位(%)

    Ratio最⼤値

    1 三⾓点 120 GPS 70.0 30.0 0.0 999.92

    〃 〃GPSGLONASS 0.0 100.0 0.0 2.2

    3〃 〃

    GPSGLONASSQZSS

    0.0 100.0 0.0 2.0

    4 スギ林内 482 GPS 6.8 55.2 38.0 31.25

    〃 581GPSGLONASS 2.9 96.9 0.2 191.7

    6〃 600

    GPSGLONASSQZSS

    1.5 98.3 0.2 54.3

    ⼩林_1周波RTK 11

    RTKPLOTの出⼒例1(GndTrk)

    ⼩林_1周波RTK 12

    (●:Fix解,●:Float解,座標原点は全ての測位点の平均値(真値ではない))

    三⾓点での測位点の軌跡(GPSのみ,n=120)

    林内での測位点の軌跡(GPS+GLONASS+QZSS,n=600)

    測位点の軌跡

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー

    2020/2/5

    1周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (小林裕之)

    2

  • RTKPLOTの出⼒例2(Nsat)

    ⼩林_1周波RTK 13

    (●:Fix解,●:Float解)

    三⾓点での測位点の軌跡(GPSのみ,n=120)

    林内での測位点の軌跡(GPS+GLONASS+QZSS,n=600)

    衛星数

    Ratio Ratio 

    開空間下での精度検証

    ⼩林_1周波RTK 14

    南北座標(m)

    東⻄座標(m)

    三⾓点公表値 104991.5830 ‐13969.7260FIX解測位値 104991.5488 ‐13969.7164

    差 0.0342 ‐0.0096⽔平誤差 0.0355m (=3.55cm)

    四等三⾓点「中⽥」での

    平⾯直⾓座標値の⽐較

    森林内でのratio最⼤値の測位点

    ⼩林_1周波RTK 15

    ⽔平距離=3.3m

    拡⼤図全体図

    GPS(r=31.2)(ミスFIX)

    GPS+GLO+QZSS(r=54.3)

    GPS+GLO(r=191.7)

    ⽴⽊位置の⽐較(1)

    ⼩林_1周波RTK 16

    △:ドローン画像から抽出した樹頂点○:⾯積0.1haの円形プロット

    601

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    690 691692

    ‐20

    ‐15

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    ‐5

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    5

    10

    15

    20

    ‐20 ‐15 ‐10 ‐5 0 5 10 15 20

    酸性⾬スギ_11_中⽥(2018年,Wb,92本)

    レーザーデンドロメーターで計測した⽴⽊位置図

    ⽴⽊位置の⽐較(2)

    ⼩林_1周波RTK 17

    GPS+GLONASSで中⼼を決定ドローン樹頂点(△)と

    地上調査⽴⽊位置(○)が⼀致しない

    地上調査⽴⽊の相対位置関係はレーザーデンドロメーターで測定

    GPS+GLONASS+QZSSで中⼼を決定ドローン樹頂点(△)と

    地上調査⽴⽊位置(○)がほぼ⼀致こっちが真値に近い!

    まとめ• 開空間下ではGPS+GLONASS, GPS+GLONASS+QZSSでFIX解が出ず,GPSでFIX解が出て,精度も⾼かった(⽔平誤差3.6cm)。

    • 林内ではGPS(r=31.2),GPS+GLONASS(r=191.7),GPS+GLONASS+QZSS(r=54.3)のいずれもFIX解が出たがratioが⼩さく,ミスFIXも起きたが,3衛星群の組み合わせで確からしい測位結果が得られた。

    • 開空度,(電⼦基準点からの距離,)衛星群の組み合わせによって,得られる結果がまちまちである。

    ⼩林_1周波RTK 18

    2周波RTK受信機に期待しよう!

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー

    2020/2/5

    1周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (小林裕之)

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  • 2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介

    ⻑野県林業総合センター⼾⽥堅⼀郎

    toda‐[email protected]

    岐⾩県森林研究所古川邦明

    ビズステーション(株)

    2周波RTK受信機

    U-blox社F9P搭載

    Android™RTKコントロールアプリ

    最新モデルはDG-PRO1RWS9軸デジタルモーションプロセッサーとWiFiモジュールを搭載

    ハードウェア(DG-PRO1RW)

    2周波アンテナ

    本体(DG-PRO1RW)

    電池(9V)携帯電話のモバイルバッテリーでも可

    以降「DG-PRO]と呼ぶ

    ビズステーション(株)のWebページからダウンロードhttps://www.bizstation.jp/ja/drogger/dg‐pro1rws_index.html?tab=app

    Android⽤アプリスマートフォン内蔵GPSの置き換えを⾏うため、様々なアプリで利⽤可能

    ソフトフェア(Drogger‐GPS)

    ビズステーション(株)Webページより

    スペック・GPS+みちびき、 Galileo、 GLONASS、 BeiDou 対応

    ・2周波同時受信

    ・⽔平位置精度 RTK Fix時 1cm+1ppm単独測位 1.5m

    ・更新レート 最⾼25Hz (RTKは最⾼20Hz)

    ・9軸デジタルモーションプロセッサー内蔵(加速度センサー・ジャイロセンサー・磁気センサー 各3軸)

    ・WiFi 802.11 b/g/n モジュール内蔵

    ・防⽔・防塵 IP672 ヘビーデューティー仕様

    ビズステーション(株)Webページから抜粋

    DG-PRO1 RWS

    日本測量協会による性能検査ではΔN最大 7mm、 ΔE最大 8mm、 ΔU最大 26mm

    資料提供︓ビズステーション(株)

    RTK-GNSS

    基準局

    移動局

    既知点からの補正観測情報を携帯電話や無線を

    利用して移動局に送信し、移動局の位置をリアルタイムで測定する方法

    (リアルタイムキネマティック)

    電離層

    対流圏

    基準局から離れるほど精度が落ちる10km~20km以内

    ・電子基準点・my基準局

    (既知点)

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (戸田堅一郎_古川邦明)

    1

  • 移動局:長野県塩尻市 林業総合センター構内

    基準局:長野県松本市 ビズステーション(株)屋上(約9km)

    基準局

    林業総合センター

    基準局

    林業総合センター

    検証1

    DG-PRO内蔵ヘルメットをかぶって、駐⾞場を歩く

    DG-PRO内蔵ヘルメット

    上空の開けた駐⾞場

    ⻑野県林業総合センター

    DG-PRO内蔵

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (戸田堅一郎_古川邦明)

    2

  • スマートフォンアプリのスクリーンショット

    動的な観測で、1週回った軌跡がピタリと同じ位置に戻る。

    ⽩線とほぼ⼀致(GoogleMapの画像が若⼲ずれている可能性あり)

    検証2

    測量テープで計測した50mとの差異

    落葉した桜並⽊の樹下 測量テープで50mを計測

    ⾼さ3mの三脚を使⽤

    DG-PROアンテナ

    緯度: 36.1443492°経度:137.9962788°

    x: 16087.627my: ‐45351.118m

    平面直角座標系 Ⅷ系

    FIXまで数分

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (戸田堅一郎_古川邦明)

    3

  • 緯度: 36.1439396°経度:137.9960478°

    x: 16132.965my: ‐45330.094m

    平面直角座標系 Ⅷ系

    FIXまで数秒

    x: 16087.627my: ‐45351.118m

    x: 16132.965my: ‐45330.094m

    ① ②

    DG‐PROによる①~②の距離

    = ((16087.627‐ 16132.965)^2+((‐45351.118) ‐( ‐45330.094 ))^2)^0.5

    = 49.975m50m間の計測差は2.5cm(0.05%)

    ちなみに林道事業の出来形管理基準・IPの距離 L≦40m ±20cm以内

    L>40m ± 0.5%以内・測点間距離 ±10cm以内

    検証3

    森林内で20m×20mの矩形計測

    アカマツ、スギ、広葉樹混交林・550本/ha・平均胸⾼直径=22.0cm(最⼤62.0cm)・樹⾼=25m〜

    395.26 ㎡

    19.69

    19.71

    20.05

    20.09

    真値400㎡に対して395.26㎡→誤差4.74㎡(1.2%)

    FIXまで数分緯度,経度をx,yに変換しCADで製図

    【検証1〜3のまとめ】

    ・上空が開けていれば、cm測位可能→林道や作業道の出来形検査に適→皆伐地の周囲測量なら問題なし

    ・基準局から9km地点でRTK測位

    ・森林内でも30cm程度の精度→間伐などの造林検査にも適⽤可能︖

    ・今回の検証では、FIX率100%FIXに要した時間は、数秒〜数分

    ・今回は、基準点測量を⾏っていないため絶対値の精度は不明

    ・⾼さの検証は⾏っていない→縦断測量への適⽤は要検証

    しかし、

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (戸田堅一郎_古川邦明)

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    【今後の展望】RTK測位は、基準局から離れると精度が落ちる。⻑野県内に10カ所基準局をつくれば、基準局から20km範囲内になり、県内どこでもcm測位を実現可能

    ★ 地域振興局 (県)

    20km以内 長野県

    CLAS(みちびき)対応機種

    携帯電話の通話圏外では衛星電話やLoRa(LPWA)の活⽤

    ドローン写真の対空標識を測位→SfMの精度向上

    【⽤途拡⼤】

    カラマツ皆伐地における⼼腐れ病の調査GCP⼼腐れ病株

    【⽤途拡⼤】 地上レーザー測量のコントロールポイント

    軽トラックに地上レーザ、インターバルカメラ等を搭載して森林計測

    地上レーザー

    DG-PRO

    点群データの解析事例

    (解析︓Pacific Spatial Solutions(株)今⽊洋⼤⽒)

    【軽トラMMS】

    ドローン写真(SfM)や、地上レーザー測量等他のリモセン技術と組み合わせることで、⽤途が拡⼤する。

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション 森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    2周波RTK受信モジュールでの測位事例の紹介 (戸田堅一郎_古川邦明)

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  • ① 2周波RTK-GNSSによる林道幅員計測

    計測した林道上空の状況

    ② 2周波RTK-GNSSによる立木配置・境界杭計測

    森林GIS フォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGIS測量の今-測位誤差数㎝は可能になったのか?- 2020/2/5

    GNSS検証_岐阜 1

  • © PASCO CORPORATION 

    © PASCO CORPORATION© PASCO CORPORATION

    スマート測量ポール森林内の高精度測位

    (2周波マルチGNSSによるRTK方式)

    高岸 且

    © PASCO CORPORATION

    高精度なマルチGNSS受信

    ‐ 2 ‐

    従来(Geo7X) スマート測量ポール(SSP)

    メーカ Trimble社 ビズステーション株式会社(長野県松本市)

    測位方式 単独測位、後処理DGPS 単独測位、RTK対応

    対応GNSS

    2周波マルチGNSS対応GPS(米国),QZSS(日本),GAL(欧州),GLO(ロシ

    ア),BDS(中国)、SBAS(MSAS日本)

    2周波マルチGNSS対応GPS(米国),QZSS(日本),GAL(欧州)

    ,GLO(ロシア),BDS(中国)

    期待値(位置精度)

    1m(単独測位)サブメータ(DGPS/GPSとGLOのみ)

    1m(単独測位)数cm(RTK)※インターネットの範囲

    コントローラGIS

    Windows(⇒次期はアンドロイド)ARUC(ジツタ社)ArcPAD(ESRI社)

    Android OS スマホDrogger‐GPS(コントローラ)

    AvenzaMap Pro等

    コア部分

    © PASCO CORPORATION

    2周波マルチGNSS-RTKのイメージ

    ①マルチGNSS(GPS、みちびき等の測位衛星に対応)

    ②2周波GNSS(L1/L2に対応)

    ③インターネット接続によるRTK(docomo IoT GNSS活⽤)

    基準局(連続観測)

    移動局DR‐PRO1RWローバー局 衛星配置

    境界杭

    みちびきGPS Galileo

    GLONASS

    BeiDou

    © PASCO CORPORATION

    森林内における高精度測位の対策

    森林内での測位の課題

    課題解決 具体的な対策案等

    地形による遮蔽や樹林に覆われ電波(測位信号)が受信しにくい

    ・マルチGNSS(米国GPS,日本GZSS,ロシアGLO,欧州GAL,中国BDS等)への対応・日本上空の可視できる30以上の測位衛星を受信

    ①マルチGNSS(5か国)に対応②2周波(L1:約1.5GHz、L2:約1.2GHz)の測位信号に対応→2周波マルチGNSSのRTK方式で、

    期待される精度はcm級・樹林や地形の影響による信号劣化(遮蔽、マルチパス等)を多周波の衛星信号の対応する

    ・SBAS(衛星航法補正情報)を活用した補正 ③一部で有効(南側上空の可視必要)

    インターネット通信範囲でないため、補正信号が受信できない

    ・連続観測にて統計的(平均計算) ④2周波マルチGNSS単独測位方式→期待精度:サブメーター級

    ・CLAS(みちびきcm級補正情報)を活用した補正 ⑤対応製品が未整備→今後の対応

    ・地上の通信キャリアに依存しない方式を検討し、RTK方式を確立する

    ⑥衛星通信→衛星携帯アンテナから約50m範囲で有効→南側45度の視通が必要

    ・独自の通信環境を設置し、RTK方式の範囲を拡大する

    ⑦広域通信技術(Wi‐Fi)等→検討中

    2周波マルチGNSS‐RTK方式にて森林内の境界杭の測位をセンチメーター級もしくはサブメートル級で実現に期待

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    スマート測量ポール Smart Sokuryo®Pole

    森林内でのFIX率:80%総合精度:約40㎝(FIX時:約15㎝ FLOAT時:約50㎝)

    検証⽅法:岩⼿県奥州市のスギ間伐地(樹⾼約18m)内に設置した35点の杭を、実測法(4級基準点からのTS法)による座標(XY)を真値として、スマート測量ポール法での座標(XY)との格差の標準偏差を算出

    Ublox 社F9Pチップ搭載のDG-PRO1RW(ビズステーション社)をパスコが測量ポールと組み合わせカスタマイズした「2周波マルチGNSSのRTK測位による高精度測位システム」

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    スマート測量ポールの精度検証

    ‐ 6 ‐

    場所 岩手県奥州市 赤生津地区樹種 スギ林(樹高約18m~20m)施業状況 間伐後実施 2019年12月2日―3日

    岩手県スマート林業研修会の実証検証して実施

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    スマート測量ポール森林内の高精度測位(2周波マルチGNSSによるRTK方式)

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    スマート測量ポールによる林内の測位

    ‐ 7 ‐ © PASCO CORPORATION

    【事例動画】ドローン写真測量による間伐地調査

    ‐ 8 ‐

    場所:岩⼿県奥州市の間伐地 3ha

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    SSP 精度検証(総合・平面位置)

    ‐ 9 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 28 0.108 0.012 0.626 0.142FLOAT 7 0.771 0.165 1.301 0.492総合 35 0.241 0.011 1.301 0.362

    (単位:m)

    FIX率 80%

    0%

    57%

    74% 77%83% 86% 86%

    89% 89% 89% 89%94% 94% 97%

    100%

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

    SSPの精度検証

    検証杭数 累積比率

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    SSP 精度検証(総合・高さ)

    ‐ 10 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 23 0.123 0.003 0.929 0.250FLOAT 7 1.061 0.092 2.504 0.497総合 30 0.342 0.003 2.504 0.377

    0%

    57%

    74%77%

    83%86% 86%

    89% 89% 89% 89%94% 94%

    97%100%

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

    SSPの精度検証

    検証杭数 累積比率

    (単位:m)

    FIX率 76.7%

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    SSP 精度検証(FIX時・平面位置)

    ‐ 11 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 28 0.108 0.012 0.626 0.142

    (単位:m)

    0%

    18%

    36%

    71%

    89% 89%93%

    96% 96%100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.02 0.05 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

    検証

    杭数

    累積比

    率(%

    単位(m)

    SSP検証(FIX)

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    SSP 精度検証(FIX時・高さ)

    ‐ 12 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 22 0.123 0.003 0.929 0.206

    (単位:m)

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.02 0.05 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.5 2 2.5 3

    SSP (FIX )高さ精度

    検証杭数 累積比率

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    スマート測量ポール森林内の高精度測位(2周波マルチGNSSによるRTK方式)

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    SSP 精度検証(FLOAT時・平面位置)

    ‐ 13 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 7

    (単位:m)

    0% 0% 0% 0%

    14%

    29%

    43% 43% 43% 43% 43% 43% 43%

    71% 71%

    86%

    100%

    0

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.02 0.05 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

    SSP検証(FLOAT)

    検証杭数 累積比率

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    SSP 精度検証(FLOAT時・高さ)

    ‐ 14 ‐

    検証数 件数 平均 最小 最大 標準偏差

    FIX 7 1.601 0.092 2.504 0.882

    (単位:m)

    0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    1

    1.2

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    0 0.02 0.05 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.5 2 2.5 3

    SSP(FLOAT) 高さ精度

    検証杭数 累積比率

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    スマート測量ポールの特徴

    速い計測スタートからフィックスまでの時間:20秒連続計測時間:60秒

    やすい10万円以内

    うまい高精度(森林内の総合精度 50㎝)地籍調査の乙2、乙3の基準を満たす森林境界明確化のための境界杭計測に適用可能

    速い計測スタートからフィックスまでの時間:20秒連続計測時間:60秒

    やすい10万円以内

    うまい高精度(森林内の総合精度 50㎝)地籍調査の乙2、乙3の基準を満たす森林境界明確化のための境界杭計測に適用可能

    ‐ 15 ‐

    森林測量や調査での活用都道府県の森林管理者:造林事業の出来高検査(コンパス測量の代替え)林道、作業道の敷設後の出来形検査境界杭(座標)の再現ドローン測量時(皆伐や間伐地)の地上GCP設置

    縦横断測量(樹林内での高さの精度は検証必要)

    森林測量や調査での活用都道府県の森林管理者:造林事業の出来高検査(コンパス測量の代替え)林道、作業道の敷設後の出来形検査境界杭(座標)の再現ドローン測量時(皆伐や間伐地)の地上GCP設置

    縦横断測量(樹林内での高さの精度は検証必要)

    森林GISフォーラム 2019年度 東京シンポジウム ワークショップセッション森林内でのGNSS測量の今ー測位誤差数㎝は可能になったのか?ー 2020/2/5

    スマート測量ポール森林内の高精度測位(2周波マルチGNSSによるRTK方式)

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    ワークショップセッション_小林_統合版2ワークショップセッション_小林_統合版 - コピーフォーラムWS1_主旨説明フォーラムWS2_1周波RTKフォーラムWS3_2周波RTK(戸田) [自動保存済み]20191209森スマート測量ポール

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    フォーラムWS3_2周波RTK(戸田) 2