GOLDEN SOUND AWARD

MAGICO "Q7"4-way SPEAKER SYSTEM

MAGICO LLC はここに Q シリーズトップエンドのスピーカーシステム "Q7" を発表いたします。MAGICO の Q シリーズは世界で最も優れたスピーカーシステムを目指して開発してきました、MAGICO のすべてのテクノロジー、創造性、惜しみない原材料の投入と妥協しない製造工程は Q5、Q3、Q1 に続き Q7 でその頂点に達しました。この Q7 では音楽のダイナミックレンジのパーフェクトな再生、消え入るようなかすかなささやきから、耳を切り裂くような大音量の音圧レベルまで、今までに無い高忠実度を達成しています。無限大のダイナミックス、ハイエフェシンシー、広帯域、限りない透明度など我々が要求しうるスペックを満たすことができました。

ドライバーテクノロジー：Q7 の 4 ウェイを構成する 5 つのドライバーユニット（写真 1）はこのプロジェクトの非常に高いゴールの為にすべて新たに設計されました。なんと 94dB という高能率はドライブアンプの選択肢を拡げ、Q7 から想像できない解像度と陰影パフォーマンスを再現します。この高能率ドライバーの為に一般の工業基準より 10 倍の磁力を持つ特別に強力なネオジウムマグネット (N48H) を新たに採用しました。2 本の 12 インチ口径低域ウーファーと 10 インチ口径中低域ミッドウーファー、6 インチミッドレンジにはナノテックコーンテクノロジーを採用しています。この Nano-Tec® ドライバー 4 本は最初からすべて MAGICO で設計、製造され、コーン構造にカーボン・ナノチューブを世界で最初に採用、三層振動板（写真 2）は Rohacell® フォームをコアとし、ナノテクカーボン繊維でサンドイッチしています。高効率な熱伝導を持つナノテクコーンのカーボン外皮（写真 2）は伸長力と弾性率双方に優れ、ハイカーボンスチールの伸長力 1.2GPa に比べ驚異的な伸長力 / 繊維引張強さ 63GPa（Fiber tensile strength) を持っています。この高強度のコーン素材はヘリコプターのローターブレードに採用されているフォームコンポジット素材の応用で、従来のチタンサンドイッチコーンの 300％の硬度で、従来の金属ダイヤフラムとは比較にならない反応スピード、強度を持ちます。その結果、外力に対する強度、セルフダンピング、リンギングの減衰、などスピーカーコーン素材に求められるすべての点で従来のコーンとは比較にならない高水準値を示します。

また MAGICO ではドライバーのモーター / 磁気回路において大きな試みを成功させています。磁気ギャップ内での磁束密度を最大に、インダクタンスを最小にし、ボイスコイルの動きを妨げる渦電流の発生を極小にしました。MAGICO ドライバーのポールピースとフロントプレートの鉄素材は高い飽和磁束密度でその間を動作するボイスコイルは渦電流の影響なくきわめて安定しスムースに動きます。またインダクタンスキャンセラースリーブを装備（写真 3）、0.15 インチ厚、4.9 インチ口径のカッパー / 銅スリーブがボイスコイルギャップに装備され、10 インチミッドバス MG107 ではインダクタンスを 0.085mH まで低減、渦電流に起因する歪みを極小にしています。（図 1）

写真 1. MAGICO Driver

made in USA

High End 10" woofer MAGICO MG107 10" woofer(purple area: 100% nearly saturation , yellow area:90% saturation)

図 1. Magico MG107 10" woofer inductanceis: 0.085mH!! Minimize Eddy currents

写真 4. 10"φTitanium voicecoil bobbin写真 2. Nano-Tec® Carbon tubes 写真 3. copper sleeve for low inductance

写真 5. the bracing structure inside enclosure

大口径のチタニウムボビン（写真 4）とアルミボイスコイル（MG70-55mmφ、MG107-127mmφ、MG1207-127mmφ)、高い飽和磁束密度のポールピース / トッププレート、ネオジウムマグネットで構成されており、全ての周波数範囲において完全なピストンモーションを実現しています。

Q7 のトゥイーター MB7 は最新のブレイクアップモード制御された第三世代のベリリウム振動板と最新の磁気回路を結合、チタニウムより 2.5 倍軽量で 7 倍の強度を持ち適正にダンプされたベリリウムドーム素材、切削加工のアルミニウムバックプレートを持ちます。

巨大な質量のフロントバッフルにダイレクトマウントすることで、他のウーファーなどの影響を受けずにリンギングのないスムースなミッドレンジとのつながりを得ています。結果、広い高域特性、低い歪み率、大きなパワーハンドリングを同時に達成させました。

オールメタルエンクロージュア：エンクロージュア内でのドライバーの動作研究の為に、高度な有限要素法を用いた解析をしています。Q シリーズのコンストラクションテクノロジーはこのエンクロージュア内での特定のパラメータによってドライバー配置がなされています。

アルミニウム、カッパー、ステンレスからなる 100 以上の構成パーツが 635 本のスクリューボルトで結合されています。総重量 340kg の筐体は、最低域から最高域までの広い帯域でドライバーの動作をロスなく音響エネルギーに変換するために大きな貢献をしてます。Q7 は新たに 3 ブロックのマトリックスフレーム構造をとっています。（写真 5-6-7）

マルチフェイスのキャビネットながらカッパーラインで分離されているミッドレンジブロックはフローティング構造となり、ミッドレンジがキャビネット全体からの二次的な振動の悪影響を受けにくくしています。この Q シリーズのエンクロージュア構造は質量、ダンピング、堅牢さのコンビネーションが最適化されており、ソースに入っている音楽信号をすべて正確に再生するという命題をほぼ 100％達成できうる唯一のトランスデューサーといえます。

MAGICO はスピーカーデザインで最先端の #6061 系アルミニウム合金をいち早く採用したメーカーです。我々は 1994 年に最初のアルミニウム合金エンクロージュアを開発しました。堅く、ダンプし易く、適切にデザインされれば不活性で最高の明解さと力学をもってドライバー・オペレーションから色づけを排除できる理想的なエンクロージュア素材なのです。その効果、重要性は周波数帯域と各周波数でのレゾナンス減衰時間のプロットとして次頁（図 2）にあります。いかにアルミニウム合金が優れた素材であるか、また Q7に施された技術が高いかが明白です。

エンクロージュアの不要な共振による時間対減衰量 = エネルギーロス、この図はアルミニウム合金の優位性を示すだけではなく、手前に現れるプロット部分はすべてエネルギーロスなのです。このアルミニウム合金の採用は非常にハイコストでありますが、我々のデザイン哲学における重要な役割を演じています。Q7 エンクロージュアは我々の新しいファクトリーで製造されています。アルミニウムと真鍮を素材に機械化された切削加工によって造られています。

楽器ボディのレゾナンス / 共振はその性質と品質を定義することにおいて不可欠な要素です。それに正反対なのがスピーカーに求められる要素です。MAGICO は多くの年月をエンクロージュアの開発に費やしました。3 つの要素、スチフネス、マス、ダンプネスを従来のコストという壁を打ち破って達成しています。エンクロージュアのフロントのみならずすべての面とエッジは研磨されて、美しいアノダイズ加工が施されています。このエンクロージュア全体は我々の過去から現在までの機能性、美的追求の結果としてのデザイン表現です。

写真 8. front inner buffle

写真 6-7. the bracing structure inside enclosure

ドライバーマウント：5-AXIS VMC によって精密に切削加工された重量 38kg のバッフルは実際のバッフル構造の一部で、その表面バッフルの下には厚みのある重量 34kg のアルミニウム厚板（写真 8）が位置し二つのウーファーと上部のミッドバスを支えています。この構造は、本機を横から近くで見た時に確認出来ます。平らな厚板（スラブ）がマトリックス構造でボルト止めされフロントの構造部材となっています。ミッドレンジは二つのバッフルに固定されているというより、独自の専用サブ構造体にフロートされて取り付けられています。ツイーターだけは、表面の湾曲したバッフルに取り付けられています。この独特の各ユニットのマウント方法は、共振を最小限に抑え、各ドライバーのエネルギーが他のドライバーへ与える影響を防いでいます。

クロスオーバーネットワーク：MAGICO のスピーカーシステムの機械的電子的要素は全て最新の CAD ツールで設計、デザインされています。我々はその必要とするソフトウェアも自社で開発しています。MAGICOでは電子制御同様のステップスロープを実現したフィルター回路の "Elliptical Symmetry Crossover" (ESXO) を開発しました。フィルタースロープにはクロスポイント・フラットな 24dB リンクウィッツ・ライリーを採用、この ESXO による 4 ウェイはまるで 1 本のフルレンジのようなサウンドイメージを作り出し、ほかに類がありません。Q7 のクロスオーバーネットワーク素材は現在最高の品質を誇る製品を採用しています。中でも特に抵抗 / レジスターは重要な要素です。レコード音楽は電流値が均一性なく絶えず変化している信号です。典型的なパッシブ抵抗 / レジスターでは相当の熱を抵抗そのものから発散します。そして抵抗の周囲でいろいろな電子パーツ、エレメントの温度を上昇させます。それはいろいろな信号レベル全体に抵抗値の変化として大きな影響を与えます。

この望まれない影響を払拭する為に、Q7 では軍用や航空宇宙用に開発された厳しい高信頼性、高安定度のバルクメタルフォイル抵抗を世界でも初めてクロスオーバーネットワークの為に採用しました。この抵抗の抵抗温度係数 (TCR) は ±2ppm/℃、超高精度で一般のどの抵抗よりも優れ、50 倍以上の長期負荷安定度を示します、結果、どのような周波数、電圧でも安定した抵抗値を保ち正確なクロスオーバー特性をキープします。貴方はその違いをはっきりと聴き取れるでしょう。MCap/MCap-Supreme/MCap-Supreme Silver/Gold コンデンサー、インダクション・フリーの無酸素銅フラットロールコイルをインダクタンスが効率的にキャンセルされるような配置で独創的に組み合せています。クロスオーバーはキャビネット内部のアルミニウム合金パネルに組付けられ、スピーカー容積に影響しないよう別チャンバーにセットされています。また入力スピーカー端子は HIGH/LOW に分けられ、マルチアンプ対応となっています。ドライバー / ネットワーク / ターミナル間のワイアリングは 6N 単銅線で我々の哲学はこうしたパーツコストにおいて妥協することがありません。（写真 9）

フットサポート：この超重量級システムを支えるのは高耐腐食性に優れ、ステンレスの中でも最高硬度の SUS 440C ステンレス素材、放物線カーブの高さ調整可能なラウンドスパイクを装備しています。（写真 10）

周波数特性とその逸材性：この強靭な素材の密閉箱はディップ / ピークなく完全なフラットレスポンスを示します。強靭な硬質アルミニウムのキャビネットと、Nano-Tec® コーンによるダイレクトラジエターを配した Q シリーズは大型のコンプレッションドライバーにも似て、ボイスコイルに入力された信号を余すこと無く正確に伝達するでしょう。ピアニッシモからフォルテッシモまで全帯域を偏った減衰を伴わず聴取者に運ぶのがスピーカーの理想です。ボリュームを絞っても帯域バランスが崩れず、ダイナミズムに優れたサウンドが実現、本当の意味でのカラーレーションレスを達成しました。

Q7 は我々の最も優れた業績の一つとなりました。MAGICO の技術力の最大限の発揮とその為の情熱は多くの音楽愛好家にこれまでにないようなサウンドを提供するという成功をもたらしました。

写真 9. "ESXO" Network6N solid-core copper wiring

図 2. Cumulative spectral decay plots of different enclosures

MAGICO "Q series" Aluminium only

Phoenolic MDF

写真 10. Foot

製品仕様 ■形式：4 ウェイ 5 スピーカー / 密閉フロアースタンド型■使用ユニット：

1 x 1 インチ φMB7 Tweeter1 x 6 インチ φMG70 Nano-Tec®Midrange1 x 10 インチ φMG107 Nano-Tec®Midbass2 x 12 インチ φMG1207Nano-Tec®Bass

■再生周波数帯域：±3dB 20Hz 〜 50kHz■推奨パワー：50 - 1200W■能率：94dB 1W/1m■インピーダンス：4Ω■外形寸法：

1520H×380W×810D mm■重量：340kg■スピーカー端子：Tri-Wire 結線ポスト■スピーカー支持：

440C ステンレス フット付属■仕上げ：ハードアノダイズブラック■価格：36,000,000 円（2 本 1 組 税別、送料別途）

Accessories kit