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多次元多変量光学計測と超並列GPU-DNSによる高圧乱流燃焼 機構の解明と高度応用 課題番号: GR038 助成額:164 百万円 平成23年2月10日 ~平成26年3月31日 専門分野 熱流体工学 キーワード 燃焼/乱流/エネルギー利用/流体計測/数値流体 力学/複合レーザ計測/スーパーコンピューティング WEB ページ hp://www.navier.mes.tech.ac.jp/gr038/ グリーン ・ イノベーション 理工系 店橋 護 Mamoru Tanahashi 東京工業大学大学院理工学研究科 教授 環境エネルギー問題を解決するために,各種燃 焼器には更なる高効率化と低環境負荷化が求 められている.多くの実用燃焼器内の流れは化学 反応と乱流による熱物質輸送が混在した複雑な 乱流燃焼状態にあるが,理論的,実験的及び数 値的取り扱いの困難さから,高圧力環境下の乱 流燃焼機構には,未解明な点が多く残されてい る. 多次元多変量光学計測の高度化 世界初の高時間分解能OH-CH平面レーザ 誘起蛍光法(PLIF)と時系列ステレオ投影粒 子画像流速計(PIV)の同時計測法等の高 圧力条件下にも適用できる多次元多変量光 学計測法を確立し,それらを用いて乱流火炎 の三次元火炎構造及び非定常特性を解明 した. 超並列GPU-DNSを用いた乱流燃焼機 構の解明とモデル化 乱流燃焼の直接数値計算(DNS)を超並列 GPUに最適化することで高圧力条件のマイク ロフローリアクター,マイクロ・ガスタービン燃 焼器,HCCI 燃焼等の DNSを行い,火炎と壁 面との干渉機 構及び乱流火 炎構造と乱流 構造との干渉 機構を明らかに するとともに,乱 流予混合火炎 の Large Eddy Simulationのた めのSGS燃焼 モデルを構築し た. 実用燃焼器の更なる高効率化と低環境負荷化 を目指して,世界最先端の実験的・数値的研究 手法を用いて,高圧乱流燃焼機構,自然由来代 替燃料の乱流燃焼特性及びマイクロ・ガスタービ ンや HCCIエンジン等の新型燃焼器における乱 流燃焼特性等を解明する. 代表論文:Proc. Combust. Inst., 35, accepted, (2014) 受賞: 日本機械学会流体工学部門 一般表彰 フロンティア 表彰,日本機械学会(2013年11月)、日本機械学会熱工 学部門 一般表彰 講演論文表彰,日本機械学会(2013年 10月) 実用燃焼器の更なる高効率化と低環境負 荷化,自然由来代替燃料の有効利用及び新 燃焼技術の確立は,中長期的な地球・都市 環境問題の解決に大きく寄与し,我が国の CO2 排出量の低減やアジア諸国等への技 術移転によるCO2 排出権獲得など,グリーン・ イノベーションの推進に寄与する. 世界初の高時間分解能OH-CH PLIFと時系列ステレ オ投影 PIVの同時計測例 高圧条件下のV型乱流予混合 火炎のDNS例

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Page 1: GR038 多次元多変量光学計測と超並列GPU-DNSに …誘起蛍光法(PLIF)と時系列ステレオ投影粒 子画像流速計(PIV)の同時計測法等の高 圧力条件下にも適用できる多次元多変量光

2030年の

  応用展開

20

研究背景

研究成果

研究目的

研究の特色

研研

実績

多次元多変量光学計測と超並列GPU-DNSによる高圧乱流燃焼機構の解明と高度応用

課題番号:GR038助成額:164百万円

平成23年2月10日~平成26年3月31日

専門分野熱流体工学

キーワード燃焼/乱流/エネルギー利用/流体計測/数値流体力学/複合レーザ計測/スーパーコンピューティング

WEBページhttp://www.navier.mes.titech.ac.jp/gr038/

グリーン・イノベーション

理工系店橋 護Mamoru Tanahashi

 東京工業大学大学院理工学研究科 教授

環境エネルギー問題を解決するために,各種燃焼器には更なる高効率化と低環境負荷化が求められている.多くの実用燃焼器内の流れは化学反応と乱流による熱物質輸送が混在した複雑な乱流燃焼状態にあるが,理論的,実験的及び数値的取り扱いの困難さから,高圧力環境下の乱流燃焼機構には,未解明な点が多く残されている.

多次元多変量光学計測の高度化世界初の高時間分解能OH-CH平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)と時系列ステレオ投影粒子画像流速計(PIV)の同時計測法等の高圧力条件下にも適用できる多次元多変量光学計測法を確立し,それらを用いて乱流火炎の三次元火炎構造及び非定常特性を解明した.

超並列GPU-DNSを用いた乱流燃焼機構の解明とモデル化乱流燃焼の直接数値計算(DNS)を超並列GPUに最適化することで高圧力条件のマイクロフローリアクター,マイクロ・ガスタービン燃焼器,HCCI燃焼等のDNSを行い,火炎と壁面との干 渉 機構及び乱流火炎 構 造と乱 流構 造との干 渉機構を明らかにするとともに,乱流予混合火炎の Large Eddy SimulationのためのSGS 燃焼モデルを構築した.

実用燃焼器の更なる高効率化と低環境負荷化を目指して,世界最先端の実験的・数値的研究手法を用いて,高圧乱流燃焼機構,自然由来代替燃料の乱流燃焼特性及びマイクロ・ガスタービンやHCCIエンジン等の新型燃焼器における乱流燃焼特性等を解明する.

代表論文:Proc. Combust. Inst., 35, accepted, (2014)受賞:日本機械学会流体工学部門 一般表彰 フロンティア表彰,日本機械学会(2013年11月)、日本機械学会熱工学部門 一般表彰 講演論文表彰,日本機械学会(2013年10月)

実用燃焼器の更なる高効率化と低環境負荷化,自然由来代替燃料の有効利用及び新燃焼技術の確立は,中長期的な地球・都市環境問題の解決に大きく寄与し,我が国の

CO2 排出量の低減やアジア諸国等への技術移転によるCO2排出権獲得など,グリーン・イノベーションの推進に寄与する.

世界初の高時間分解能OH-CH PLIFと時系列ステレオ投影PIVの同時計測例 高圧条件下のV型乱流予混合

火炎のDNS例