データセンター建設プロジェクトにおけるＢＩＭ活用

アジェンダ

１、発注者のプロジェクト構想

２、BIMの実施計画

３、施工段階でのBIM活用

４、VHOの実践

６､今後の展開

０、データセンター概要

5､BIMモデル納品

０、データセンター概要

イントロダクション

データセンター建設プロジェクトにおける留意点

「建設（性能）要件＝スペック」と「運営・維持管理の課題」を設計段階から共有し、施工前に最適化しておく必要がある。

データセンターファシリティの特徴

３

・施設としての設備比率が高い →LCCが大きくなる傾向

・竣工後も継続的に工事が発生 →高い更新頻度

・運営・維持管理を考慮した設計 →使い勝手、LCCの観点が重要

建物用途 データセンター

延べ床面積（Ⅰ期＋Ⅱ期） 約26,500㎡（増築時37,650㎡)

構造 S造４F＋PH 免震構造

工期（Ⅰ期） 2016年8月～2018年3月

７データセンター概要

建物

延床面積 37,650㎡ 最大設置ラック数 5,600rack 建物は最新鋭の免震技術を採用 床加重 1.5 t/㎡

電源設備

最大受電容量 40,000kVA 非常用発電機の連続運転時間は

72時間（無給油） プラグイン式UPS

（Inv部のみの交換可能）

ラック数 最大20kVA/ラック まで対応可能

空調設備 外気冷房設備による省エネを実現（直接外気及び間接外気冷房）

セキュリティ FISCに準拠、ISO27001（認証予定）

ネットワーク マルチキャリア対応、とう洞引き込み※1

エネルギー効率 PUE 1.3※2

DCファシリティ基準 J-Tier3+α※3（J-Tier4 Ready）外部認証 LEED、ISMS、BCMS

※2 データセンタなどのIT関連施設のエネルギー効率を表す指標の一つで、施設の全消費電力をIT機器の消費電力で割ったもの。

※3 日本データセンタ協会（JDCC）が策定した、データセンタの品質を評価する規格（J-Tier4が最高ランク）

※1 特定のキャリアに限る。

クラウド時代のＩＴアウトソーシング拠点

９新データセンタ建設プロジェクト 概要（２）

１、発注者のプロジェクト構想

本プロジェクトに対する発注者の要求（1）

□性能要件 ～ 設備スペック

□運用要件 ～ 竣工後の使いやすさ

●フレキシブルなブロック単位のモジュールストラクチャー●空冷チラー、プラグインUPS等、最新の高効率機器の採用●外気，太陽光など自然エネルギーの有効活用

高負荷対応 高効率 高信頼性

施工性操作性

省リソース

本プロジェクトに対する発注者の要求（2）

□プロジェクトマネジメント ～ 迅速な意思決定

●コミュニケーション推進、VHOの実行ツールとしてBIMを採用●建築から保全まで一貫した建物統合DBとしてBIMデータを指定

□仮想竣工（VHO) ～ 手戻り作業削減

IPDIT活用

PDCA

作業動線作業安全 機器操作

プロジェクトの実施体制

・全体定例会議及び専門分科会に発注者が参加し、課題共有と意思決定を迅速化

・BIMを共通言語・コミュニケーションツールとし、迅速に課題と情報を共有

全体会議と専門分科会を設定し、関係各社のメンバーで構成

総合定例会議 工事定例会議

総合図分科会 建築分科会 構造分科会

設備分科会 電気分科会 先行ルーム分科会

外装分科会 支給品・主要製作物分科会

保守運用分科会BIM分科会 LEED分科会

全体会議

専門分科会

定例で検討状況を報告

発注者

設計・監理

建築工事

設備工事

電気工事

保守運用

参加

ステークホルダー

IPDの実践 発注者と受注者が共通のゴールに向かって協働

IPD (Integrated Project Delivery)の概要

建設プロジェクトに関わる全ての関係者が一つのチームで問題点や課題を共有する協業形態

問題点と課題を共有

解決・解消

BIMをツールとして活用

・発注者主導の迅速な意思決定と

合意形成

・手戻りの防止

・運営・維持管理を重視した設計

発注者

施工者 設計者

IPD

・品質確保・生産性向上・効率化

BIMの活用方針15

①施設を作る

②施設を運営する

③施設を運用・維持管理する

施設方針の整合、LCC最適化

建物オーナー

設計・建設 運営・保守・維持管理

発注者

受注者

・現状把握・事業判断・品質管理

・品質確保・効率化・情報管理情報共有

合意形成

発注者・受注者間の情報連携・意思決定ツールとして活用

建物のトータルLCC管理の統合DBとして活用

２、BIMの実施計画建設プロジェクトがスタートするまでの準備

13

BIM導入の目的

早く・確実に・わかりやすい施工段階のモノ決め

仮想竣工・仮想引渡しによる運営・保守の事前検証

発注者からの要求事項にもとづき、BIMの活用方法を定義

①設計、施工の効率化1) 合意形成の早期化2) 図面作成の効率化3) 干渉チェックの効率化

②運営・保守への円滑なデータ継承1) 運営・保守への属性継承2) 運営・保守計画策定の早期化

「BIM実行体制」「BIM実行計画」の策定

BIM実行体制の構築

発注者NTTデータ

施設運用チーム

建築工事フジタ共立建設JV

BIMマネージャーBIM品質管理者

設計・監理NTTファシリティーズ

設計担当者BIMマネージャー

機械設備工事新菱冷熱工業BIM品質管理者

電気設備工事協和エクシオ

BIM品質管理者

BIM分科会

・発注者 :施設運用チーム・設計・監理 :設計担当者

BIMマネージャー・建築工事 :BIMマネージャー

BIM品質管理者・機械設備工事:BIM品質管理者・電気設備工事:BIM品質管理者

IPDの確実な実行を目指したBIMチーム（分科会）の編成

BIM分科会の役割

１．プロジェクトの目的を確実に達成するため、BIM実行計画の策定

２．策定したBIM実行計画に基づき適正にBIMを活用

BIM分科会の位置づけと役割

設置目的1, BIMに関する方針検討・意思

決定機関2, 発注者、設計者、施工各社の

代表メンバーで意見集約

機能１．BIM運用の方針・ルール・

ガイドラインの策定２．BIM分科会での決定事項の

プロジェクト全体への情報発信

BIM分科会の設置目的、機能、位置づけをBIM実行計画書に明記

位置付け

「BIM実行計画」(BEP)の策定

・BIM導入、運営のためのルールブック

・プロジェクトの目的に応じて作成し、関係者間で共有・運営

・BIMに関する規約を明文化（目的、範囲、LOD、作成規約、データ項目 等）

・プロジェクトの進行とともに内容の評価と改訂を実施

・BIMの導入目的 ・運用体制 ・共通ルール ・実施スケジュール ・運用プロセス

・仮想引渡し(VHO)の定義 ・週交互の運営データとしての竣工BIMモデル納品

IPDが機能し、意図したとおりに建物を構築できるようBIMのあるべき姿を定義

□「BIM」実行計画とは?

□プロジェクトにおけるBIMの運用指針

「BIM実行計画書」の主な内容

18１.改訂履歴

２.定義BIMを活用する目的、 BIM分科会の位置づけ、 BIMモデルの作成範囲、BIMモデルのLOD、 仮想竣工と仮想運営、 竣工BIMモデル、BIMモデルの原点位置、 機器の命名規則、 部屋名称命名規則、属性情報のデータ型、 BIMマネージャーの役割、 BIM品質管理者、

３.実施内容・実施体制実施メンバーリスト、 役割、 使用BIMツールと作図LOD、 データ連携マップ、BIMの活用計画、 BIM工程表、 3D総合図作成フロー、 仮想運営実施フロー

４.運用規約作成したBIMモデルの権利、 BIMモデルの著作権（ライブラリ・テンプレート等）、広告・宣伝・発表会等での承認手順、 本実行計画書の評価と改定

５.その他情報共有環境、 情報管理指針

IPDにおけるBIMを用いた意思決定手順

19

原設計確認(原設計をBIMモデル化し現状把握)

納まり検証/調整/確定(納まり調整案の検討) 承諾図作成モデル合意

BIM調整会

建築承諾図

機械BIMモデル

電気BIMモデル

統合BIMモデル

建築BIMモデル

機械BIMモデル

電気BIMモデル

統合BIMモデル

納まり確認

検証

BIM調整会

機械承諾図

電気承諾図

OK

NG

（一般図、詳細図）再調整

方針決定

BIMによる総合図調整プロセスを定義

建築BIMモデル

・一連のプロセスで発注者と受注者がBIMを介した共有・意思決定を実施･モデル合意の手段の一つとしてVHO(仮想引渡し)を実施

３、施工段階でのBIMの活用

施工段階でのBIM活用のポイント

1.IPD体制の組織運営（前出）

2.モノ決めBIMと仮想引き渡し（VHO）

3.BIMモデル納品

「BIM実施計画」に基づく運営と評価

2016年 2017年 2018年

７～９月 10～12月

１～３月 ４～6月 ７～９月 10～12月

１～３月

杭、基礎 免震装置鉄骨0節

１FL地上鉄骨

地上鉄骨外装・内装

仕上げ 各種検査

BIM準備期間（BEP作成）

BIM分科会

施工者・設計者

発注者

属性情報入力

運用準備(運営検証)

施工進捗

工事期間17ヶ月準備

▲BIM分科会設立

VHO2:仮想運営（属性情報検証）

竣工BIM調整

BIM評価会議

モノ決めのBIM（総合図分科会）（納まり調整、仕様決定）

VHO1:仮想運営（使い勝手検証）

着工

引渡

BIMの活用状況評価とBIM実行計画へのフィードバック

BEPの評価サイクル

BIM活用状況を評価し、総合定例会議でプロジェクトメンバー全体に共有

BEPの評価サイクル

10回のBEP改定をマネジメント

総合定例会議（月次）

「仮想引渡し」(VHO)の定義

運営・保守計画策定のフロントローディングと設計・施工へのフィードバック

発注者による仮想運営を実施するための「仮想引渡し」（バーチャルハンドオーバー:VHO）の実施が必要

建設工程のフロントローディング

建物ライフサイクルのフロントローディング

・建物ができる前に建設工程上の問題点を洗い出して解決

・建物ができる前に運営・保守上の問題点を洗い出して解決

発注者に建物完成前に運営・保守の検討・評価が可能な仮想の建物をBIMモデルとして引き渡すこと

「仮想引渡し」(VHO)を定義

VHOの実施内容

VHO1 VHO2

実施方法確認項目ごとに該当箇所の運営・保守性を評価 ● ●設定した運営・保守フローに基づく業務ウォークスルー ●属性データ抽出と保守・運営システムとの連携 ●

実施者発注者 ● ●維持管理実施予定者 ● ●

実施内容

VHO-BIMモデルをBIMビューアーにより、ウォークスルーでの目視により運営・保守性を評価 ● ●

チェックシートによる指摘事項の共有 ● ●

運営・保守性の評価結果の設計者・施工者に対するフィードバックの実施 ● ●

BIMモデルの属性情報と運営・保守システムの連携による業務フローの確認 ●

竣工前検査時に指摘事項がないことを目標に設定

2段階の仮想引渡し(VHO)を計画

VHOにおけるBIMモデル設定

BIMのフェーズ 設計確認BIM 納まり調整BIM 仮想竣工BIM

BIM

モデル要件

部位・機器基本形状 ○ ○ ○

部位・機器個別形状 － ○ ○

建築・機械・電気整合 － ○ ○

サポート部材 － △主要部材のみ ○

スイッチ・バルブ形状 － ○ ○

メンテナンス空間 － △ボリューム確認 ○

部位・機器属性情報 △設計関連情報のみ △一部運営用情報 ○

仮想引渡し VHO1 VHO2

仮想引渡しの目的竣工時に建物が運営の要求条件を満たしていることを確認

竣工後に適正な運営・保守ができることを確認

仮想引渡し(VHO)によるBIMモデルの要件設定

VHOでFMデータベースに引き継ぐデータ項目

27

属性名 内容 属性名 内容

設備ID 設備を特定するID 利用開始日 設備の利用開始日

フロア名 設置するフロア階数 利用終了日 設備の利用終了日

部屋番号 設置する部屋番号 メーカID 設備を製造しているメーカを一意に識別するID

大分類 設備の大分類 耐用年数 メーカが規定している設備の対応年数

中分類 設備の中分類 構成 複数台で構成するケースなどで記載

小分類 設備の小分類 備考 上記カラムに記載できないが記載すべき内容

機器記号 設備の機器記号 親設備ID 自設備が他設備の子設備に相当する場合、親のID

機器名称 設備の名称 子設備ID 自設備が他設備の親設備に相当する場合、子のID

製造番号 設備の製造番号 影響場所 設備が影響を及ぼす部屋のID

製造年月 設備が製造された日付 影響エリア 系統エリアを設定する場合

設置年月 設備が設置された日付 影響内容 影響を及ぼす内容

撤去年月 設備が撤去された日付

主な属性データ項目（機械設備・電気設備 共通項目）

発注者の運営・保守業務支援システムと連携する属性データ項目を設定

４、VHOの実践2段階の仮想引き渡し

41

VHOの目的

29

VHO1

空間情報の引き渡し→空間確定（合意）

モデルアップ チェックバック 確認モデル

VHO2

VHO1+属性情報の引き渡し

csv DBｼｽﾃﾑ

VHOにおける評価・確認項目

30評価・確認項目（建築） 評価・確認内容

１．搬入動線に段差がないか２．搬入動線の内装下部は保護されているか３．搬入動線の扉下部は保護されているか４．搬入動線の出ずみ部は保護されているか５．フリーアクセス端部の支持は適切か 経年による端部のばたつき発生を予防するため６．地中埋設物（残置杭、山止め、基礎の位置、

現用配管配線など）の位置 数年後、採掘や地中配管新設の際に参考にするため

７．他社資産と自社資産の表現方法 設備含め、固定資産所有者が図面から判断できるか

主な評価・確認項目

評価・確認項目（機械設備） 評価・確認内容１．機器設置場所 設置環境に問題はないか２．機器、器具操作 スイッチ、バルブ等の操作が容易に出来るか３．搬入動線 搬入動線は整備されているか４．保守作業動線 歩廊、ステップ等が適切に設置されているか５．保守・更改スペース 保守・更改・予備スペースが適切に確保されているか６．点検口、点検扉 設置位置、向き、サイズ、高さは適切か７．作業用照明の有無 照度 作業用の照明が適切か８．部品交換等の作業性 無理のない体勢で作業できるか９．消火設備の操作性 消火導線・配置(消火器、窒素、水、ハロン)は、適切か１０．保温・断熱 保温・断熱が適切に施工可能か１１．区画貫通 貫通部処理が適切に出来るか１２．ダクトルート エルボ、ホッパーなどの曲げ、変形が適切な寸法となっているか１３．ショートサーキット 室外機、チラー等にショートサーキットが発生しないか１４．作業足場 竣工後の工事・保守の足場が確保、又は適切に設置できるか

評価・確認項目（電気設備） 評価・確認内容１．機器設置場所 設置環境に問題はないか２．機器、器具操作 スイッチ、バルブ等の操作が容易に出来るか３．搬入動線 搬入動線は整備されているか４．保守作業動線 歩廊、ステップ等が適切に設置されているか５．保守・更改スペース 保守・更改・予備スペースが適切に確保されているか６．点検口、点検扉 設置位置、向き、サイズ、高さは適切か７．作業用照明の有無 照度 作業用の照明が適切か８．部品交換等の作業性 無理のない体勢で作業できるか９．配線ルート 曲がり、ラック・配管サイズなどに無理はないか１０．区画貫通 適切に貫通処理が出来るか１１．作業足場 竣工後の工事・保守の足場が確保、又は適切に設置できるか１２．色別 A系、B系、予備系の色別が機器・ラック・ダクト等で出来ているか

運営・保守時の業務フローから評価・確認項目を建築・機械・電気別に設定

VHO１のプロセス

1F①施工者VHOモデルUP

②発注者CK

③発注者CBモデルUP

④指摘事項対応検討

⑤施工対応方針報告

⑥施工者モデル修正

⑦設計最終CK

⑧VHOモデル最終UP

計画工程 2017.

5/12017.

5/172017.

5/262017.

6/52017.

6/6

実績 5/2 5/8～ 5/18 5/19～ 5/31 6/1～ 6/8 6/9

（発注者チェック項目例）

通路に干渉するため扉の位置を変更して欲しい

（施工者対応方針の説明資料）

扉の位置を左の位置に変更する

発注者からの指摘・指示・質問数25

1フロアにつき約1ヶ月かけてチェックプロセスを完了

VHO１における運営・保守性評価事例（1）保守作業経路確保の確認

指摘事項:階段下を保守業務の動線としているが、ブレースがあるため保守用装備を持って通り抜けができない

検討事項:ブレースの見直し

指摘箇所にコメントを記入

VHO１のフィードバック結果（1）

結果:ブレースの位置を上部へあげて、通行可能とした

←VHO初期案では通れない

←VHO修正モデル

実際の施工→

通行可能になった!

VHO１における運営・保守性評価事例（2）

保守経路の確保

指摘事項:保守業務の経路計画で配管部分を横断したいが、装備や台車による通行が必要となるため、スペース（高さ）が十分に確保されていない

検討事項:配管位置の調整

VHO１のフィードバック結果（２）

結果:通路を決めて、配管のレベル、ルートを調整した

通行時高さ不十分 NG

調整VHOモデル2OK!

調整VHOモデル1まだ足りない

実際の施工

VHO１における運営・保守性評価事例（3）

36メンテナンススペースの確認

指摘事項:室外機のバルブを操作する際に、アクセス経路が確保されているか?バルブ操作は容易に行えるか?

検討事項:容易な歩行と作業性の確保

VHO１のフィードバック結果（３）37

結果:チリングユニットの配管上にメンテナンス歩廊を付ける

実際の施工

メンテナンス歩廊の設置を計画

日常メンテナンスが困難

最終BIMモデル

メーター類

VHO1の成果と課題

フロア 実施期間 指摘・質問数

RF （約2ヶ月） 18

4F （約1ヶ月） 12

3F （約1ヶ月） 17

2F （約1ヶ月） 10

1F （約1ヶ月） 25

免震層 （約1ヶ月） 26

計 108

発注者:施設運営側の意見を設計にフィードバックできた施工者:竣工後に指摘されたであろう手戻り工事の削減に寄与した

100か所を超える質問や指摘

課題:限られた時間の中で期待するモデルの完成度まで高めること

建物品質の向上

VHO2の目的

BIMモデルの属性情報を、保守・運用システムに取込めることを確認する（FMデータベースとのデータ連携）

BEPで定義した属性情報発注者運用中の既存FMDB

REVITBIMモデル

属性データの取り込み機能の検証

BIMモデルに入れるべき保守・運営情報の確認

フィードバック

VHO2の成果と課題

メーカID 耐用年数 構成 備考 親設備ID子設備ID 影響場所 影響エリア 影響内容

2001 10 プレフィルタ(594WX594HX95t)10枚・将来用中性能フィルタ(594WX594HX65t)10個

01SB901 SB 外気処理

設備ＩＤ フロア名 部屋番号 大分類 中分類 小分類AF01CE001 101CEX01 空調設備 空調機器設備 フィルターユニット（外気冷房用）シングルデッキ棟

機器記号 機器名称 製造番号 製造年月 設置年月 撤去年月 利用開始日 利用終了日AF_01_CE_001 フィルター TKG-16-001 20170701 20170718 20250718 20180301 20250715

REVITの一覧表から出力したCSVファイル

VHO2では手作業で取り込み

FMマスタDBシステム

詳細確認

取り込めていること確認

発注者:建物運用業務フローの確認、取込みツール仕様の確定施工者:入力作業が手戻りにならない安心感

取込みツール仕様確定

５、BIMモデル納品

納品BIMモデルのフォーマット

建築REVIT2018

電気Rebro2017

機械REVIT2018

機械Tfas8

電気REVIT2018

Rebroリンク専用フォーマット ifc

RebroLinkインストール済

RebroLinkインストール済

統合NAVISWORKS Manage 2018

dwfx dwfx dwfx運用原本

工事原本 工事原本 工事原本

エクスポート エクスポート エクスポート

インポート インポート インポート

エクスポートインポート

補助原本

（努力）As-Builtモデルの精度を高めるチェック作業

43iPad・BIM360GLUEにて現地でモデル確認→現地でモデルを確認、不整合箇所のキャプチャーと写真を撮影、業者に確認

免震階 雨水排水管ほか状況確認

BIMモデルの完成検査44

現地班（少人数） 会議室班（大人数）

現地イメージ

検査箇所をスマホで実況中継

現地中継映像

オペレータが検査箇所のBIMモデルを表示

検査イメージ

TV会議アプリ（双方向通話）

BIMモデル

三脚に固定したスマホカメラ

中継映像

「もう少し右向けて」

音声で指示

現地とNavisを見比べる計測して精度確認

BIMモデルどおりに竣工されていることを発注者が確認するための検査

BIMモデルの現実と課題（施工とのギャップ）

45

電気ケーブル保護管（吊り支持） 電気ケーブルプルボックス

避雷針プルボックスを避けて排水管を配管

断熱材・マキベエ

配管吊り架台

BEPで決めた竣工BIMモデルのLODは350、モデリング対象外オブジェクトが影響 電気ケーブル類（保護管含む）、プルボックス、支持架台、断熱材・耐火材はモデルに存在しない

６、今後の展開

63

LCC 管理

3D CAD

修繕履歴管理

BEMS

建物統合データベースとしてのBIM活用

設備台帳

事業計画管理

導入済み

三次元CAD

修繕履歴管理

BEAMS(警報転送)

設備台帳

空調シュミレーション

導入予定

事業計画マネジメント

LCC管理

系統シュミレーション系統シュミレーション

竣工後のBIMモデル活用

空調シュミレーション空調シュミレーション

設計・施工、から運用・維持管理、収益管理まで一元管理するデータベースとして活用予定

発注者が今後BIMに期待すること

48建物ライフサイクルの全体においてデジタルツインとしてのBIMを最大限活用

■運営における建物の価値向上

・BIMモデルを活用したLCCの最適化・データセンター事業におけるBIMの活用

■データセンタ内のサーバールームの提案

・VRによる顧客との合意形成の早期化・ARによる現場リスク・課題の事前共有

■サーバールームの環境管理

・センサによる室内環境取得と解析・学習・IoTによる空調最適制御の自動変更・AIによる異音解析等による予知保全

BIMモデル

VR(仮想現実) AR(拡張現実)

AI(人口知能) IoT(センサー類)

連携

IPD・BIM導入の効果と課題

64

・BIMモデルによる竣工後の施設運営の適正化（施設データの活用）

・VHOによる運用保守の視点からの施設の適正化（設計への反映）

・VHOによる運用保守業務手順と点検項目の明確化

・運用保守データのBIMモデルからの引継ぎによる精度向上とコスト低減

・発注者要件に基づくBIM導入の目的・目標と範囲の明確化

・発注者が建物に求めるものの理解の促進

・発注者との協働による意思決定と合意形成の迅速化と手戻りの抑止

・発注者とのイメージ共有の精度向上と行き違いの抑止

・CFD・コスト等シミュレーションの高度化・より簡単かつ高度にBIMモデルを活用できるツールの実現（VR連携等）

・BIM の3 次元データとリンクした機器のデジタルライブラリの構築

・評価・確認箇所の漏れを防止するVHO手順・BIM表示方法のガイドライン化

・BIMモデルの正確な施工・仮想引渡しにおける評価・確認指標の定量化・KPIの設定

発 注 者 受 注 者

効

果

課

題

発注者から見たBIMと本プロジェクト

50

ライフサイクル全般を通じて、データセンターとしての持続可能な競争優位性を確保するために必要不可欠なデジタルツイン。

今後、建築主や事業主の間でＢＩＭの付加価値に対する認識がさらに高まった時に、ＢＩＭは新時代を迎える。

おわりに

BIMは建築主が有効に活用することでその役割が完結する