概要 ........................................................................................................................................................... 2

はじめに ..................................................................................................................................................... 2

現在の10GbEテクノロジが持つ利点と制限 ....................................................................................................... 2 ユーザの要件 .......................................................................................................................................... 2

仮想マシン ソフトウェアに必要なハードウェア .................................................................................................... 3 パフォーマンスの要件 ............................................................................................................................... 3 NICの制限 .............................................................................................................................................. 3

バーチャル コネクトの新技術HP Flex-10 ........................................................................................................... 4 Flex-10テクノロジがサポートする新機能 ....................................................................................................... 4

Flex-10 NICデバイス ............................................................................................................................. 4 FlexNIC .............................................................................................................................................. 4 Flex-10ポート ....................................................................................................................................... 4 バーチャル コネクトFlex-10 10GbEインターコネクト モジュール ..................................................................... 4 サーバ側のVLANタグ ............................................................................................................................ 4 プライベート ネットワーク ........................................................................................................................ 5

Flex-10アーキテクチャの概要 ..................................................................................................................... 5 FlexNICの設計 .................................................................................................................................... 5 Flex-10 10Gbイーサネット モジュールの設計 ............................................................................................ 6 トンネリング ......................................................................................................................................... 7 マッピング ............................................................................................................................................ 8

Flex-10のコンポーネント ............................................................................................................................ 9 FlexNIC ............................................................................................................................................ 10 Flex-10イーサネット モジュール ............................................................................................................. 11 ケーブルおよびコネクタ ........................................................................................................................ 11

Flex-10に対するVCサポート ......................................................................................................................... 12 推奨ファームウェア ................................................................................................................................. 12 VCのFlexNICサポート ............................................................................................................................. 12 Flex-10環境でのVC機能 .......................................................................................................................... 13 Flex-10の初回リリースにおける機能上の制約 ............................................................................................. 14

結論 ......................................................................................................................................................... 15

付録： Flex-10対応のケーブルおよびコネクタ................................................................................................... 16

詳細情報 .................................................................................................................................................. 17

ご意見の送り先 .......................................................................................................................................... 17

概要

本書では、HPバーチャル コネクト テクノロジの新技術であるHP Flex-10について解説します。本書では、Flex-10を構成するHPのハードウェアとソフトウェア テクノロジを詳しく取り上げます。また、Flex-10とHPバーチャル コネク

ト（VC）の機能的な関連性を示すとともに、Flex-10テクノロジがどのように現在の10GbEアーキテクチャと互換性

を維持しながらそれを強化するかについても説明します。本書は、使用中のネットワーク環境にFlex-10テクノロジ

が適しているかどうかを評価するユーザに、基礎的な資料を提供することを目的としています。

はじめに

Flex-10テクノロジはハードウェア ベースのソリューションで、ユーザは10ギガビット イーサネット（10GbE）接続を

パーティションに分割して、各パーティションのデータ速度を制御することができます。HP Flex-10はバーチャル コネクト（VC）1のみで使用でき、また現時点ではサポートされているHP BladeSystemサーバでのみ実装が可能です。

現 在 Flex-10 に 対 応 し て い る HP 製 品 に つ い て は 、 HP の Web サ イ ト http://h18004.www1.hp.com/ products/blades/components/ethernet/10-10gb-f/questionsanswers.html#c1（英語）を参照してください。

Flex-10テクノロジを使用すると、VCを設定して、BladeSystemサーバの単一の10Gbネットワーク ポートを合計の

帯域幅が10Gbpsの4つの物理ネットワーク インタフェース コントローラ（NIC）デバイスとして構成することができ

ます。このNICは、FlexNICとも呼ばれます。これらの4つのFlexNICは、オペレーティング システムでは、それぞれ

が独自のドライバを持つ個別のNICとして認識されます。複数のFlexNICが同じ物理ポートを共有しますが、各

FlexNICへのトラフィック フローは、FlexNICとVC Flex-10インターコネクト モジュール間では、各FlexNICのMACアドレスおよび仮想ローカル エリア ネットワーク（VLAN）タグを使用して分離されます。各FlexNICで利用可能な伝

送帯域幅は、管理者によってVCインタフェースを介して制御されます。

Flex-10を使用することには大きな利点があります。10GbEインフラストラクチャの実装コストと管理負担を低減

させることが可能となってきています。複数の1Gbデータ フローを集約して10Gbの帯域幅を十分活用すること

が容易になってきています。データ フローを分割して伝送帯域幅を調整する機能により、10GbEは費用対効果

が高く管理しやすいものになりました。Flex-10はハードウェア ベースであるため、複数のFlexNICを追加しても、

サーバ仮想化（仮想マシン）に関連したプロセッサのオーバヘッドまたは待ち時間が増えることはありません。ま

た、追加のサーバNICメザニン カードとそれに関連するインターコネクト モジュールが不要なため、インフラスト

ラクチャの大幅なコスト節約も実現されます。各デュアル ポートFlex-10デバイスは最大8つのFlexNIC（各物理

ポートに最大4つずつ）をサポートしており、また各Flex-10インターコネクト モジュールでは最大64のFlexNICを

サポートできます。

現在の10GbEテクノロジが持つ利点と制限

10GbEネットワークは、データ センタ環境での帯域幅の増大、遅延の短縮、およびネットワーク冗長化の機会をも

たらします。10GbEは全二重のポイント ツー ポイント テクノロジで、イニシエータとターゲットの両方からの同時ト

ラフィックに対応しており、パケット衝突は起こりません。10GbEには、固有の距離制限はありません。10GbEによって、次のような数多くの用途に帯域幅を利用できます。

• ビデオ オン デマンド（VOD）、データ バックアップ、およびネットワーク ストレージなど、高帯域幅を必要とす

る用途 • ハイ パフォーマンス コンピューティング（HPC）クラスタリングのような、高いパフォーマンスと遅延の少ないこ

とがコンピューティング要件になっている用途 • ローカル エリア ネットワーク（LAN）、データ、およびストレージのトラフィックが統合ファブリック上で伝送され

る統合ネットワーク（CN） ユーザの要件 データ センタを所有するユーザは、パフォーマンスと帯域幅に対する要件が厳しくなるのに応じて、10GbEへと移

行しています。これらの要件は、標準的なデータ センタで採用されている複数のネットワーク上で伝送可能なデー

タ トラフィック量の増加という形で現われます。表1に示すようなこれらの異なる要素からなるネットワークでは、

サーバの通信、管理、コンピューティング、およびストレージのデータが伝送されます。

1 バーチャル コネクト テクノロジの詳細については、本書の巻末にある「詳細情報」を参照してください。

表1.一般的なデータ センタでの帯域幅の要件

ネットワーク データ トラフィック 帯域幅

通信 – IP（インターネット プロトコル）に基づいて行われるすべてのビ

ジネス通信。これは主に、LANで伝送されるデータです。 電子メール、ファイル共有、Webサービス、ストリーミング メディア

1Gb

管理 – 通常、これはIPベースのリモート デスクトップ サービスおよび

管理サービスです。企業によって一般的なIPトラフィックと管理トラ

フィックを混在させることもありますが、ほとんどの管理者はこれらの

ネットワークを分離します。

物理サーバと仮想マシンの一方ま

たは両方、および仮想マシンの移

行（VMotionなど）を管理するコン

ソールOS

2Gb

コンピューティング – プロセス間通信（IPC）は、1つまたは複数のプロ

セス内にある2つ以上のスレッド間でデータを交換するメカニズムで

す。HPCクラスタ コンピューティングは、IPCの典型的な使用例です。

IPCは、主に共有されている分散アプリケーションの間で命令の送受

信、および大量のデータの再配布に使用されます。IPC機能には、メッ

セージの送受信、同期、共有メモリ、およびリモート プロシージャ コー

ルのメカニズムが含まれます。

クラスタ通信、仮想マシン（VM）トラ

フィック（本番稼働環境） 4Gb

ストレージ – ストレージ メディアとの間で行われるすべてのデータ通

信。これには、ストレージ エリア ネットワーク（SAN）が含まれます。 ファイバ チャネルまたは iSCSIのバックアップ トラフィック

2Gb

10GbEテクノロジはこの帯域幅に対応しており、ケーブルを集束してアップリンクの配線数を減らすことができます。

ただし、別の問題として、ネットワーク接続の可用性があります。表1で説明した4つのネットワークをすべて使用す

る場合、通常は、少なくとも6つの1Gb NICが必要になります。これらのNICをすべて利用すると、データ分離と完

全な冗長性が犠牲になります。また、ユーザは、少なくとも1つのファイバ チャネル（FC）メザニン カード用スロット

が必要になります。この結果、サーバ ブレードのI/Oベイがすべて使用された状態になり、拡張の余地がなくなり

ます（6台のイーサネット モジュールと2台のFCモジュール）。

仮想マシン ソフトウェアに必要なハードウェア

仮想マシン ソフトウェアの使用によるサーバ統合は、データ センタ管理者にとってますます重要なツールとなってい

ます。ソフトウェア ベースの仮想化では、その代償の1つとして、仮想化されたデバイスとサービスを作成するために

物理サーバ インフラストラクチャでパフォーマンスのオーバヘッドが増加します。

パフォーマンスの要件 物理サーバは、仮想プロセッサと仮想NICの作成、さらにこれらの仮想コンポーネントの管理によって増える負荷

を支えることになります。パフォーマンス低下の程度は、物理ホスト サーバが対応する仮想サーバの数および使

用する管理サービスのレベルにより大きく変わります。

NICの制限 仮想マシン ソフトウェアを使用してサーバを統合した場合、前の項で説明したように、データ トラフィックを複数の

ネットワークに分離するために利用できる物理NICポートの数が不足してしまうことがよくあります。これにより、次

のような制限が発生します。

• 本格稼働環境用ではないサービスの冗長性が制限される • iSCSI および仮想マシン移行など、複数の操作が同時に進行する本番稼働環境では帯域幅が制約される

• 本番稼働環境でアプリケーションの分離が制限される • 専用に使用できる冗長バックアップが制限される • NICチーミング 2

たとえば、HP ProLiant c-Classサーバブレードでは、インターコネクト ベイ モジュールの数が制限されるため、ファ

イバ チャネル、イーサネット、InfiniBand、および他の種類のネットワークの間でトレードオフが必要になります。

ファイバ チャネルとイーサネットの場合、6つのNICおよび2つのホスト バス アダプタ（HBA）が実際の限界になっ

ています。

などの高度なサービスの使用が制限される

バーチャル コネクトの新技術HP Flex-10

10GbEの採用により、帯域幅は問題ではなくなりましたが、データ ストリームを管理、分離、および調整して効率

的に運用する能力の不足が問題となっています。HPでは、この問題に対する答えとして、HPバーチャル コネクト テクノロジの次の段階であるFlex-10の提供を開始しました。

本書の「はじめに」で説明したように、Flex-10テクノロジはハードウェア ベースです。ハードウェア ベースの

FlexNICは、仮想マシン環境で仮想NICを動作させる際に発生するプロセッサのオーバヘッドを解消します。また、

Flex-10では、VCの機能を利用して単一のハーフ ハイト型BladeSystemサーバ上で最大24のFlexNICを管理し、

各FlexNICを通過するデータ トラフィックを維持します。

Flex-10テクノロジがサポートする新機能 Flex-10により提供される複数の独自機能は、10GbEの柔軟性と効率を高め、さらにサーバを統合してサービスを

管理するVCの機能を強化します。仮想アーキテクチャ内にハードウェア ベースのテクノロジを実装すると、Flex-10テクノロジによるものと、そうではないものが混同される可能性があります。この項では、Flex-10テクノロジで使用

される基本的な考え方と要素についてさらに説明します。

Flex-10 NICデバイス Flex-10 NICデバイスは、デュアル ポート10GbのLOM（LAN on Motherboard）デバイスおよびメザニン カードで、

各ポートで最大4つのFlexNICをサポートしています。Flex-10デバイスには、FlexNICを可能にする独立したPCI機能が8つ（各ポートに4つ）搭載されています。

FlexNIC FlexNICは実際のPCI-e機能で、サーバROMによって個別のNICとして認識されます。FlexNICは、ソフトウェア レイヤに含まれる仮想NICではありません。管理者は、各FlexNICで利用可能な伝送帯域幅を制御します。各

FlexNICの帯域幅は、VCインタフェースを介して100Mb～10Gbの範囲で細かく調整できます。

Flex-10ポート Flex-10ポートは、Flex-10 NICデバイスとバーチャル コネクトFlex-10 10GbEインターコネクト モジュールを結ぶ単

一の10Gb全二重内部ミッドプレーン接続です。

バーチャル コネクトFlex-10 10GbEインターコネクト モジュール このモジュールは、サーバからのFlex-10接続を、バーチャル コネクトのサーバ プロファイルの一部分として認識し

ます。また、このモジュールは、Flex-10以外の10Gb NICおよび従来型の1Gb LOMおよびメザニン カードもサ

ポートしています。他のバーチャル コネクト インターコネクト モジュールと同様、これは従来型のスイッチ デバイス

ではなく、IEEE準拠のイーサネット ブリッジ デバイスです。

サーバ側のVLANタグ これらのVLANタグによって、仮想マシンVLANは、Flex-10インターコネクト モジュールの内部に定義したバーチャ

ル コネクト ネットワーク（vNet）に接続されます。

2 HPチーミングの詳細については、HPのWebサイトhttp://h18000.www1.hp.com/products/servers/networking/teaming.html（英語）を参照し

てください。

プライベート ネットワーク プライベート ネットワークは、サーバ間のトラフィックを分離して安全性を確保する役割を果たします。

Flex-10アーキテクチャの概要 Flex-10テクノロジでは、10GbEネットワークを管理する独自の手法が導入されています。Flex-10アーキテクチャは、

これらの管理目的がどのように達成されるのかを理解する上で重要な要素です。

FlexNICの設計 Flex-10の長所は、10Gbの帯域幅の中で、ユーザが各種のネットワーク トラフィックを切り分けて分離できることで

す。また図1に示すように、Flex-10では、帯域幅の最大合計が10Gbまでの範囲内で、ユーザがトラフィックの個別

のストリームに帯域幅を割り当てることができます。

図1.Flex-10で分割および調整された帯域幅

Flex-10 10Gbイーサネット モジュールの設計 図2に示すように、各FlexNICは、異なるバーチャル コネクト ネットワーク（vNet）にマッピングできます。各FlexNICに対応する外部VLANタグの実際の値は、バーチャル コネクトによって設定されます。各BladeSystem c7000エン

クロージャは、単一のVCドメイン内で複数のシングル ワイドFlex-10イーサネット モジュールをサポートしています。

また、BladeSystem c3000エンクロージャも、Flex-10イーサネット モジュールをサポートしています。

図2. FlexNICによる物理リンクの共有

VCとFlexNICによってタグが付けられて分離されたパケットは、Flex-10デバイス（LOMまたはメザニン カード）

からFlex-10 VCイーサネット モジュールに単一の経路で伝送されます。この経路は、10GBase-KR（IEEE規格

802.3ap）に対応した、1本のレーンでシリアル バックプレーン経由で接続する規格を実装することで有効にな

ります。

図3は、各BladeSystem c7000エンクロージャで、単一のVCドメイン内で複数のシングル ワイドFlex-10イーサネッ

ト モジュールをサポートできることを示しています。

図3. BladeSystem c7000エンクロージャのモジュール ベイ

トンネリング Flex-10は、OS VLANタグのトンネリングとマッピングの両方をサポートしています。トンネリング モードの場合、VCは、OSでタグ付けされたデータを検査せずにFlex-10イーサネット モジュールに直接渡します。たとえば、図4に示

すように、OSがオレンジのタグが付けられたパケットを送信すると、そのパケットは検査なしでデータ センタ スイッ

チにパス スルーされます。OSでタグ付けされたパケットを受け取ったデータ センタ スイッチは、Flex-10イーサネッ

ト モジュールにそのパケットを共有アップリンク経由で返送し、目的のターゲットに送信します。

図4. VLANトンネリング モード - OSでタグ付けされたパケットのデータ センタ スイッチへの送信

マッピング 図5に示すように、OS VLANタグの複数VCネットワークへのマッピングをサポートするように、FlexNICを設定

することもできます。イーサネット パケットを特定のvNetにマッピングするために、外部VLANタグと内部OSタグ

の組み合わせが使用されます。二重タグ付きパケットはVCドメインの外部に出ることなく宛先のvNetにマッピン

グされます。

図5.VLANマッピング モードでの二重タグ付きパケット

マッピング モードの方がより効率的で、トンネリングよりも優れています。トンネリングが使用される主な理由は、ト

ンネリング接続ではマッピング接続よりも多くのVLANを使用できることです。現時点では、マッピング接続で使用で

きるVLANの数は32が限界です。単一のリンク上で32を超えるVLANが必要な場合、管理者はトンネリングを使用

する必要があります。

図4と図5のトンネリングとマッピングではLOMまたはメザニン カードの10Gbポートは1つのみとなっていますが、

すべてのFlexNICデバイスには、図2に示されているように2つのポートがあります。

注： 現在のVCでは、Flex-10以外の1Gb NICでもマッピングがサポートされて

います。サーバVLANマッピングはVirtual Connect Managerファームウェ

アのバージョン1.31で導入され、そのサポートがFlex-10環境の各々の

FlexNICにまで拡張されています。

Flex-10のコンポーネント Flex-10テクノロジのハードウェアを構成するコンポーネントには、10Gb Flex-10 LOM、10Gb Flex-10メザニン カード、およびHP 10Gbバーチャル コネクトFlex-10イーサネット モジュールの3つがあります。

FlexNIC 10Gb Flex-10 LOMおよびメザニン カードは、2つの10Gbポートを備えたカードです。図6はFlex-10対応LOMを

搭載したBL495c G5サーバ、また図7はHP NC532m Flex-10 10GbEネットワーク アダプタを示しています。各

10Gbサーバ ポートでは最大4つまでのFlexNICを個別に構成することができ、各デュアル ポートLOMまたはメザ

ニン カードでは最大8つのFlexNICを構成できます。各FlexNICは、サーバROMとオペレーティング システムまた

はハイパーバイザにより個別のNICとして認識されます。ユーザは、各FlexNICの帯域幅を100Mb～10Gbの範

囲で定義できます。この値は、100Mb単位で指定します。

図6.Flex-10対応LOMを搭載したBL495c G5

図7.HP NC532m Flex-10 10GbEネットワーク アダプタ

Flex-10イーサネット モジュール 図8に示されているHP 10Gbバーチャル コネクトFlex-10イーサネット モジュールは、データ センタ ネットワークへ

のサーバ接続を管理するのに最適なインターコネクト モジュールです。Flex-10 10Gbイーサネット モジュールは、

各FlexNICをサーバ プロファイル3の一部分として認識します。

図8.HP 10Gbバーチャル コネクトFlex-10イーサネット モジュール

• 16×内部 10Gb ポート（1 つのポートを各ブレード サーバ上の 1 つの Flex-10 NIC に接続）

ダウンリンクおよびクロス コネクト ポート：

• 2×内部 10Gb スタッキング ポート（隣接したベイの VC Flex-10 イーサネット モジュールに接続）

• 8×外部 10Gb SFP+ポート（SR、LR、LRM）、SFP+モジュールは別売り

外部ポート：

• 内部クロス コネクト ポートを 1 つまたは 2 つのアップリンク ポートに変更可能 • 1×10Gb CX-4 スタッキング ポート（1 つの SFP+ポートと選択可能） • 1×管理用 USB ポート ケーブルおよびコネクタ バーチャル コネクトのケーブルは、エンクロージャ内にある複数のモジュールをスタッキングするのに使用されま

す。また、ケーブルは、バーチャル コネクトのアップリンクからデータ センタ スイッチのポートへの接続にも使用で

きます。

図9のような銅線ケーブルを使用したSFP+モジュールは、光SFP+コネクタと完全な互換性があり、より低いコストで

10Gbのシリアル信号伝送を利用できます。

3 「サーバ プロファイル」はHP独自のソフトウェア構成概念で、物理サーバと仮想サーバの両方の特性を定義します。HPサーバ プロファイルの詳

細については、巻末の「詳細情報」にある『論理サーバの導入：データ センタ インフラストラクチャの適応力の強化』へのリンクを参照してください。

図9.銅線ケーブルを使用したHP SFP+モジュール

銅線ケーブルを使用したSFP+モジュールは、Flex-10イーサネット モジュール上のSFP+ポートに接続でき、また

CX4ケーブルの場合よりも細くなっています。このケーブル構成は、エンクロージャ内でモジュールを積み重ねる場

合に最適です。光ファイバ アップリンクのケーブルには、イーサネット ケーブルの業界標準規格に適合したタイプ

であれば、他のベンダのケーブルを使用できます。ケーブルの最大長は、ファイバのコア規格に基づいた最高条

件下での長さです。

すべてのFlex-10対応ケーブル、コネクタ、およびトランシーバ モジュールの一覧については、「付録」の表Aを参照

してください。

Flex-10に対するVCサポート

VCサポートの目標は、サーバNICの運用に関する包括的なサービスおよび管理機能をFlex-10とFlexNICにまで

拡張して提供することです。

推奨ファームウェア HP Virtual Connect Manager（VCM）をFlex-10とともに使用する場合、動作を最適化するために、管理者はVCM、

OA、およびiLOファームウェアの推奨バージョンをインストールする必要があります。ファームウェア互換性の最新

情報については、HPのWebサイトhttp://h18004.www1.hp.com/products/blades/components/vccompmatrix. html（英語）を参照してください。

VCのFlexNICサポート VCでは、FlexNICのMACアドレスと伝送帯域幅を設定して、各FlexNICをバーチャル コネクト ネットワーク（vNet）に割り当てることができます。Flex-10 NICデバイスがHP VC Flex-10イーサネット モジュール(インターコネクト)に接続されると、Flex-10 NICはポートごとに4つのFlexNICをエミュレートします（合計で8つのFlexNIC）。

VCで割り当てたMACアドレスまたはサーバの工場出荷時設定のMACアドレスが、これらのFlexNICに使用されま

す。サーバの工場出荷時設定のMACアドレスを使用する場合は、各FlexNICには引き続き一意のMACアドレス

が割り当てられます。たとえば、BL495c BladeSystemサーバは、工場出荷時設定のMACアドレスが8つ割り当て

られます。

物理ポート上の各FlexNICは、異なるvNetに割り当てたり、または未割り当てにしたりできますが、1つのポート上

にある複数のFlexNICを同じvNetに割り当てることはできません。これはアーキテクチャに関係する制限であるた

め、変更はできません。図10には、これらの状況の両方が示されています。右側にあるイラストのシナリオでは、

帯域幅の追加が必要になった場合、管理者は利用率の低いFlexNICの帯域幅を減らして、その分を帯域幅の追

加が必要なFlexNICに割り当てることができます。

図10.FlexNICの割り当て

Flex-10に対するVCサポートには、以下のように、他のさまざまな側面があります。

• VC サーバ プロファイルごとに最大 24 個の NIC ポートを構成できます（一台のハーフハイト型 BladeSystemサーバの場合）。

• 既存のサーバ プロファイル（Flex-10 以前）を Flex-10 ポートに割り当てることが可能です。ポートの接続速度

は、デフォルトでは Auto になります。 • Flex-10 では、ネットワーク特権を持つユーザは、VC ネットワークの推奨されるポート速度および最大ポート

速度を指定できます。プロファイルの作成および編集中は、このネットークへの接続がすべて推奨速度にデ

フォルト設定されるので、最大速度を超える速度は選択できなくなります。 • Flex-10 では、ネットワーク特権を持つユーザは、複数のネットワーク（マッピングされた VLAN）への接続に

対して推奨されるポート速度および最大ポート速度を指定できます。プロファイルの作成および編集中は、こ

れらのネットワークへの接続がすべて推奨速度にデフォルト設定されるので、最大速度を超える速度は選択

できなくなります。この設定は、ドメイン全体に適用されます。 • FlexNIC ではない NIC では、2.5Gb の速度で動作可能な NIC の場合でも、速度の設定は変更できません。

ただし、FlexNIC ではない 1Gb ポートは、VC Flex-10 イーサネット モジュールでサポートされています。

Flex-10環境でのVC機能 VCには、サーバNIC接続に関係する多数の機能があります。可能であれば、最終的な目標はFlexNICをサーバ

NICとまったく同じように扱うことですが、それが常に可能なわけではありません。表2では、どのVC機能が影響を

受けるかを説明しています。

表2.影響を受けるFlex-10機能

機能 現在の状況

動的ネットワーク割り当て 同じ物理ポート上の各FlexNICは異なるvNetに属するという制約ないで完全にサ

ポートされます。同じ物理ポート上のFlexNICを別のFlexNICの属するvNetに割り

当てようとすると、失敗してエラーが表示されます。FlexNICのネットワーク割り当

てを変更した場合は、その変更を有効にするためにサーバを再起動する必要が

あります。

ポート監視 ポート監視は、物理ポートごとに有効にできます。単一の物理ポート上にあるす

べてのFlexNICからのトラフィックは、監視ポートで確認できます。ユーザは、使

用しているネットワーク アナライザでフィルタを設定すれば、不要なトラフィックを

表示から除外できます。

ファストMACキャッシュ フェイルオーバ機能が完全にサポートされています。

Internet Group Management Protocol（IGMP）スヌーピング

完全にサポートされています。ビット マップがスイッチ上の物理機能を表すサブ

ポートにまで拡張されます。

プライベート ネットワーク 完全にサポートされています。プライベート ネットワーク内にあるサーバNICと

FlexNICは、同じネットワーク内にある他のサーバNICおよびFlexNICと直接通信

することはできません。これらのサーバ ポートでできることは、VCドメインを通し

てトラフィックを上流に送信すること、およびトラフィックをアップリンクで外部顧客

のデータ センタ ネットワークに送信することのみです。逆の方向については、上

流ポートに対する制限はありません。

サーバ側のVLAN対応 Flex-10の初回リリースは、サーバ側のFlexNICでのVLANタグ トンネリングと

VLANマッピングの両方に対応しています。

SmartLink SmartLinkは、個別のFlexNICではサポートされていませんが、物理ポートの観点

からは引き続きサポートされています。Flex-10のこのリリースでは、リンクを単一

のFlexNICにドロップする機能はVCにありません。したがって、特定の物理ポート

上にあるすべてのFlexNICに割り当てられているすべてのネットワークで

「SmartLink」オプションが選択されていて、さらにすべてのアップリンクが破損した

場合にのみ、物理リンクがドロップします。逆に言えば、最初のvNetで1つのポー

ト（物理ポート）が修復されるとすぐに、関連するすべてのFlexNICでリンクが修復

されます。これは、複数のネットワークが割り当てられているFlex-10非対応ポー

トと同様に機能します。

SmartLinkはVC環境内にある従来型の1Gb NICでは引き続き正常に動作し、ま

たVCファームウェアの将来のリリースではFlex-10で完全に機能するようになる

予定です。

Flex-10の初回リリースにおける機能上の制約 この初回リリースでは、Flex-10はNICパラメータの固定設定のみをサポートしています。伝送帯域幅などのパラ

メータを変更する場合は、サーバの再起動が必要になります。Flex-10の初回リリースでは、各FlexNICでVirtual Connect Managerの「共有サーバ リンク」機能をサポートしています。

Flex-10の初回リリースには、その他に、次のような制限事項があります。

• 2 つ以上の FlexNIC を同じネットワークに割り当てることはできません。 • VCM は、単一の FlexNIC のリンクをドロップすることはできません。 • ポート速度の設定は、FlexNIC 以外の NIC ではサポートされていません。Flex-10 非対応ポートでは、帯域

幅の制限指定はサポートされていません。

• PXE は、物理ポートの最初の FlexNIC でのみサポートされています。 • FlexNIC をサポートするのは、Flex-10 準拠の VCM ファームウェアを実行している VC Flex-10 イーサネット

モジュールのみです。

結論

Flex-10テクノロジでは、10GbEネットワーク上でのデータ管理の問題を解決するために、ハードウェア ベースのソ

リューションが導入されました。Flex-10により、仮想マシン サーバで構成できるNICの数が増え、より一層のコスト

削減と柔軟性の強化が可能になりました。必要なネットワーク帯域幅をアプリケーションに提供するFlexNICは、

バーチャル コネクトの利点をすべて活用して動的に管理できるように設計されています。また、サーバエッジにお

いてFlexNICの設定を細かく調整できます。Flex-10テクノロジを使用すれば、追加のインフラストラクチャ投資をし

なくても、データ センタに10GbEアーキテクチャを効果的に実装できます。Flex-10は、4つ以上のNICを必要とす

る仮想マシン サーバを構成するための最も費用対効果が高いソリューションです。Flex-10により、インフラストラク

チャと電力の大幅なコスト削減が実現します。

付録： Flex-10対応のケーブルおよびコネクタ

表A1.Flex-10対応ケーブル

製品番号 ケーブル VC Flex-10 VC 1/10Gb-F VC 1/10Gb

487649-B21 10GbE SFP+ 銅線ケーブル 0.5m 可

487652-B21 10GbE SFP+ 銅線ケーブル 1m 可

487655-B21 10GbE SFP+ 銅線ケーブル 3m 可

487658-B21 10GbE SFP+ 銅線ケーブル 7m 可

444477-B21 10Gb CX4ケーブル 0.5m 可 可 可

444477-B22 10Gb CX4ケーブル 1m 可 可 可

444477-B23 10Gb CX4ケーブル 3m 可 可 可

444477-B27 10Gb CX4ケーブル 15m 可 可 可

表A2. Flex-10対応のコネクタおよびトランシーバ モジュール

製品番号 コネクタ マルチ モード

シングル モード

銅線 VC Flex-10

VC 1/10Gb-F

VC 1/10Gb

443756-B21 HP 10Gb SR XFP 300m N/A 可

443757-B21 HP 10Gb LR XFP N/A 10km 可

455883-B21 10GbE SR SFP+モジュール 300m N/A 可

455886-B21 10GbE LR SFP+モジュール N/A 10km 可

455889-B21 10GbE LRM SFP+モジュール 220m N/A 可

453154-B21 1000Base-T SFPモジュール N/A N/A 100m 可 可

453151-B21 1000Base-SX SFPモジュール 550m N/A 可 可

詳細情報

詳細情報については、下記の資料を参照してください。

資料 Webアドレス

HPバーチャル コネクト アーキテクチャに

よるサーバ ブレード ネットワークI/Oの 仮想化

http://www.hp.com/go/bladesystem/virtualconnect（英語）

HPバーチャル コネクトのファームウェア およびアップグレード - 互換性マトリックス

http://h18004.www1.hp.com/products/blades/components/ vc-compmatrix.html（英語）

HP Virtual Connect Enterprise Manager v1.1

http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/management/ vcem/

論理サーバの導入：データ センタ インフラストラクチャの適応力の強化

http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/whitepaper/ wp092_0806/

バーチャル コネクトFlex-10イーサネット モジュール

http://h50146.www5.hp.com/products/servers/bladesystem/c/component/ flex-10/

NC532mデュアルポート マルチファンク

ション 10GbEネットワークアダプタ http://h50146.www5.hp.com/products/servers/bladesystem/c/component/nc532m/index.htm

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TC081106TB、2008年11月